JP3594442B2 - 半導体装置 - Google Patents

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    • H01L2224/10Bump connectors; Manufacturing methods related thereto
    • H01L2224/12Structure, shape, material or disposition of the bump connectors prior to the connecting process
    • H01L2224/13Structure, shape, material or disposition of the bump connectors prior to the connecting process of an individual bump connector

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  • Wire Bonding (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベアチップをフリップチップ接合して構成される半導体パッケージや、ボールグリッドアレー(BGA)、クワットフラットパッケージ(QFP)等とプリント基板を接合してなるマルチチップモジュール(MCM)といった半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子部品の高密度実装化に伴い、入出力端子数の多数化及び端子間のピッチの微細化が進行し、CMOS素子と基板の接合方法は、配線長の長いワイヤボンディング法から、配線長が短く一括接合が可能なフリップチップ接合へと移り変わってきている。
【0003】
フリップチップ接合では、図1に示したように、例えばLSI素子等の半導体チップ1を、はんだバンプ2と、Ti膜3、Ni膜4及びAu膜6(このAu膜は省かれることもある)等から構成される電極とを介して基板(図示せず)へ直接接合している。接合に用いるはんだ材料として、これまでは鉛−スズ(Pb−Sn)系の合金が多く使用されていた。
【0004】
しかし、鉛(Pb)には複数の同位体が存在し、それらの同位体はウラン(U)、トリウム(Th)の各崩壊系列中の中間生成物あるいは最終生成物であり、崩壊の際He原子を放出するα崩壊を伴うことから、はんだ中よりα線を生じる。そして、そのα線がCMOS素子に到達してソフトエラーを発生させることが知られている。また、Pbは土壌に流出すると酸性雨によって溶け出し環境に影響を及ぼすことが分かっており、環境の面からもPbを使わないはんだ材料が強く求められている。
【0005】
そこで、Pb系はんだに代わる材料として、SnにAg、Bi、Sb、Znを混合あるいは添加したはんだ材料が使われ始めている。これらの金属元素の混合・添加量は使用するはんだ材料の温度階層によって異なるが、CMOS素子等のはんだ接合においては、Snが90%以上含まれる、200℃以上の比較的高融点のはんだ材料が用いられている。
【0006】
これまでのCMOS素子の接合に用いられていたPb系のはんだ材料、例えばPb−5%Snといったはんだ材料では、Snの組成は10%以下であり、上述の電極の層構成(CMOS側から順に、Ti、Ni、Auの層構成)によって信頼性の高い接合体を形成することができた。しかし、Snの組成比が90%以上であるSn系のはんだ材料を使用した場合、上述の電極構成で接合を行うと、最も膜厚の大きいNiは、はんだ接合工程の際の温度サイクルの間にはんだ材料中のSnと反応してはんだ中に拡散し、その結果電極におけるNi膜厚は減少し、接合強度の低下、更にはバンプ欠け、破断等が起きるといった問題が生じていた。
【0007】
この問題を解決するための手段として、例えば半導体チップを、はんだバンプと、Ti膜及びNi膜を含む電極とを介して基板へ直接接合し、その際にNi膜中にNiのSnへの拡散を抑制する金属層としてクロム(Cr)層を設けた半導体装置が提案されている(特願平8−189553号)。すなわち、この半導体装置では、図2に示したように、半導体チップ11がはんだバンプ12と、そしてTi膜13、Ni膜14、14’、これらのNi膜の間に挿入されたCr膜15、及びAu膜16(このAu膜は省かれることもある)から構成される電極とを介して基板(図示せず)へ直接接合される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
この技術によれば、Ni膜4の中間にCr層を挿入することで、はんだ材料中のSnとCr層とが金属間化合物を形成しない、あるいはSnとCrが固溶しない等の特性を利用して、電極のNiがはんだ材料のSn中に拡散しにくい構造としていた。しかし、Cr層が厚くなると、SnとCrとが相溶しないことからSnがCr層によりはじかれてしまい、局部的な接合不良の原因になることがあることが分かってきた。
【0009】
本発明は、Sn系はんだ材料のはんだバンプを使用する従来技術において問題となることがあったはんだ接合部の欠陥のない半導体装置の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
一つの側面において、本発明による半導体装置は、半導体チップあるいは半導体パッケージと基板とをはんだバンプで直接接合して構成された半導体装置であって、当該半導体チップあるいは半導体パッケージ上に形成したはんだバンプの下地電極が、前記半導体チップ又は半導体パッケージ側から順に、Ti、Ni、Pd、Cr、Pd、Niの膜構成を有することを特徴とする。
【0011】
もう一つの側面において、本発明による半導体装置は、半導体チップあるいは半導体パッケージと基板とをはんだバンプで直接接合して構成された半導体装置であって、当該半導体チップあるいは半導体パッケージ上に形成したはんだバンプの下地電極が、当該半導体チップ又は半導体パッケージ側から順に、Ti、Ni、Cr、Pd、Niの膜構成を有することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明においてはんだバンプを介して基板と接合されるものは、半導体チップ、例としてCMOS等のベアチップでよく、あるいはBGA、QFP等に代表される半導体パッケージ類でよい。また、これらが接合される基板は、半導体素子を搭載するのに普通に使用される任意のもの、例えばアルミナ(Al)、窒化アルミニウム(Al)基板や、プリント基板等でよい。
【0013】
本発明は、はんだバンプを形成するはんだ材料が電極材料の拡散が問題となる高いスズ含有量(例えばスズ含有量が90%以上)のものである半導体装置に対して特に有効であるが、本発明はこれ以外のはんだ材料を用いた半導体装置に対して適用することも可能である。
【0014】
本発明の第一の側面の半導体装置では、半導体チップあるいは半導体パッケージ上に形成したはんだバンプの下地電極として、Ti、Ni、Cr及びPdを含む層で構成されたものを使用する。はんだバンプの下地電極における層構成は、半導体チップ(あるいは半導体パッケージ)側から順に、Ti膜、Ni膜、Pd膜、Cr膜、Pd膜、Ni膜とするのが好適である。すなわちこの層構成は、特願平8−189553号で提案された下地電極の層構成においてCr膜とその上下のNi膜との間にPd膜をおのおの挿入した構成となっている。この半導体装置を図示すれば、図3のようになり、すなわちLSI素子等の半導体チップ31の上に施されたアルミニウム(Al)等の配線32の上に、順次、Ti膜33、Ni膜(第一層)34、Pd膜35(第一層)、Cr膜36、Pd膜37(第二層)及びNi膜38(第二層)からなる下地電極を設け、その上に形成したはんだバンプ39を介して、半導体チップ31が基板(図示せず)に直接接合された構成となる。
【0015】
この半導体装置のもう一つの態様として、Cr膜36の下のPd膜35(第一層)を省くことも可能である。
【0016】
上述の従来技術では、Cr膜をNi膜ではさみこみ、SnとCrが金属間化合物を形成しない、あるいはSnとCrが固溶しない等の特性を利用して、Ni層がSn中に拡散しにくい構造をとっていた。しかし、Cr層の膜厚が大きくなると、SnとCrが相溶しないことからSnがCr層によりはじかれてしまい、局部的な接合不良の原因になることは、既に説明したとおりである。本発明では、バリヤメタル層であるCr膜をPdではさみこむかあるいは少なくともCr膜とはんだバンプ側のNi膜との間にPd膜を配置し、且つ、Pd膜をバリヤメタル層としてSn中へのNi拡散を防止している。
【0017】
すなわち、本発明においては、PdがNiと全率固溶型の状態図をなして金属間化合物を形成せずに相溶し、また、Crと金属間化合物を形成する特性を利用し、CrとNi、あるいはSnと金属間化合物を形成することによりはんだ接合部の接合強度を向上させることが可能である。
【0018】
本発明においては、Cr層の膜厚を0.1〜0.5μm(1000〜5000Å)とするのが好適である。Crの膜厚が0.1μm未満ではCr層によるNiの拡散抑制効果が得られず、また0.5μmを超えるとCrPd層とCr層が混在した状態あるいはCr層が表面層に多く存在した状態となり、Pd層が消失するため、従来のようにCr層によってSnがはじかれて接合不良を起こし良好なはんだ接合部を形成できない。
【0019】
本発明の第二の側面の半導体装置では、半導体チップあるいは半導体パッケージ上に形成したはんだバンプの下地電極として、Ti、Ni及びPdを含む層で構成されたものを使用する。この半導体装置を図示すれば、図4のようになり、すなわちLSI素子等の半導体チップ41の上に設けられたAl等の配線42の上に、順次、Ti膜43、Ni膜44、Pd膜45からなる下地電極を設け、その上に形成したはんだバンプ49を介して、半導体チップ41が基板(図示せず)に直接接合された構成となる。
【0020】
このようにCr膜を使用しない下地電極を採用した半導体装置においても、Ni膜とはんだバンプとの間に設けられたPd膜がバリヤメタル層として働いて、Sn中へのNiの拡散を効果的に防止する。
【0021】
以上説明したいずれの場合にも、半導体チップあるいは半導体パッケージと基板とをはんだバンプで接合したすると、Niの膜厚ははんだ材料のSnへの熱拡散により減少するが、この接合後の状態においてNi膜厚は少なくとも0.1μmであるのが好ましく、より好ましいNi膜厚は少なくとも0.3μmである。Pd膜を有し、且つ接合後の下地電極においてNiが少なくとも0.1μmの膜厚を持つことによって、良好な接合体を得ることができる。このNi膜厚は、Ni膜を二つに分けてCr層の上下に配置した場合においてはこの二つのNi膜の合計の膜厚を意味する。このように接合後(NiのSnへの熱拡散後)におけるNi膜厚を少なくとも0.1μmとするためには、はんだバンプで接合する前の下地電極においてNiの膜厚は少なくとも0.5μm(5000Å)とすべきである。このNi膜厚も、Ni膜を二つに分けてCr層の上下に配置した場合においてはこの二つのNi膜の合計の膜厚を意味する。
【0022】
また、以上説明したいずれの場合にも、Pdの膜厚は0.1〜0.3μm(1000〜3000Å)であれば十分である。Pd膜の膜厚が0.1μm未満の場合、Pd膜によるNi拡散抑制効果は不十分となりかねず、また0.3μmを超える厚いPd膜を形成してもNi拡散抑制効果はほとんど変わらず、不経済になるだけである。Cr膜をはさんで二つのPd膜が存在する場合にも、各Pd膜の厚みはこの範囲内にあるのが好ましい。
【0023】
本発明において下地電極を構成するTi膜の膜厚は、はんだバンプによる接合を利用する場合の通常の下地電極において採用される範囲内であればよく、一般にその膜厚は0.1〜0.2μmでよい。
【0024】
本発明の下地電極を構成する各金属膜は、半導体装置の製造で利用されている一般的な方法で形成することができる。そのような方法としては、例えば、蒸着法やスパッタ法を挙げることができる。
【0025】
本発明によれば、半導体チップあるいは半導体パッケージと基板とをはんだバンプで直接接合して構成され、接合強度の低下やバンプ欠け、破断等の欠陥のない半導体装置が得られる。これらの半導体装置の一例を図5に示すと、この半導体装置は、CMOSといったような半導体チップ51をはんだバンプ52を介して、窒化アルミニウム基板55上に形成された銅含有ポリイミドの薄膜配線層56へ直接接合して構成されたものである。この図において、58は半導体装置を外部回路へ接続するための外部リードであり、59は半導体チップ51を保護するためのキャップである。
【0026】
本発明の半導体装置のもう一つの例を図6に示す。この半導体装置は、半導体チップ61をはんだバンプ62を介して基板63に接合して構成されたマルチチップモジュール(MCM)である。
【0027】
【実施例】
次に、実施例により本発明を更に説明する。言うまでもなく、本発明はこれらの例により限定されるものではない。
【0028】
LSI素子に対し、はんだバンプの電極として、表1に要約して示したように、膜厚1000ÅのTi膜、膜厚1000Å又は2500ÅのNi膜、膜厚1000〜3000ÅのPd膜、膜厚0Å、200Å、1000Å、2000Å、5000Å又は10000ÅのCr膜、膜厚1000〜3000ÅのPd膜、膜厚1000Å又は2500ÅのNi膜、及び膜厚1000オングストロームのAu膜を、順次蒸着法あるいはスパッタ法により形成して、試料番号1〜12の半導体チップを製作した。同様に、LSI素子に対し、やはり表1に要約して示したように、膜厚1000ÅのTi膜、膜厚5000Å又は10000ÅのNi膜、膜厚1000〜3000ÅのPd膜、及び膜厚1000オングストロームのAu膜を、順次蒸着法あるいはスパッタ法により形成して、試料番号13〜16の半導体チップを製作した。
【0029】
各半導体チップに被着したAu層の上に、はんだ材料として表1に示した組成のスズ系はんだ合金を使用して、DP(ディンプルプレート)法、めっき法又ははんだボールによってはんだバンプを形成し、フラックスを塗布した後、これらの半導体チップをコンベア炉中で窒化アルミニウム基板へフリップチップ接合により接合させた。はんだバンプ径は70〜100μmであり、バンプ間のピッチは150〜210μmであり、バンプ数は500〜2500個であった。
【0030】
はんだ付け完了後、炉から取り出した各試料を観察したところ、1000ÅのNi膜を二つ備えたいずれの試料(試料1〜6)でも バンプ欠けが数十個見られ、Ni膜が認められなくなっていた(比較例)。また、2500ÅのNi膜を二つ備え、Crの膜厚が0Å又は200Åの試料7、8では、バンプ欠けは認められなかったが、接合強度が弱く、はんだ付けしてから冷却後あるいは数サイクルの温度サイクル試験で接合が破壊される現象がみられた(比較例)。これらに対して、2500ÅのNi膜を二つ備え、Crの膜厚が1000Å、2000Å又は5000Åである、本発明の実施例に相当する試料9〜11においては、バンプ欠けは認められず、且つ0.3μm以上のNiが残存していて接合強度も十分であった。その一方、膜厚2500ÅのNi膜を二つ備え、Crの膜厚が10000Åの試料12ではバンプ欠けが観測された(比較例)。
【0031】
また、Cr膜を用いず、膜厚5000Å又は10000Åの単一のNi膜の上に膜厚1000〜3000ÅのPd膜を設けた、本発明の実施例に相当する試料13〜16にあっては、バンプ欠けは全く観測されず、接合強度も十分であった。
【0032】
次に、表1に示したはんだ材料を用い、同じく表1に示した膜構成の下地電極を形成した半導体チップ(試料17〜19)を先の例におけるのと同様のやり方で窒化アルミニウム基板にフリップチップ接合し、やはり先に説明したとおりに熱処理後、その接合具合を観測した。Ni膜が5000ÅであるがCr膜もPd膜もない試料17でも、Ni膜の合計の膜厚が5000Åであり且つCr膜を備えた試料18でも、バンブ欠けが観測された(比較例)。一方、試料19は鉛を主成分としたはんだ合金を使用した比較例であって、この場合バンプ欠けは認められなかったが、はんだ合金に多量の鉛(Pb)が含まれているため、先に説明したようにソフトエラーを発生させる危惧がある。
【0033】
【表1】
Figure 0003594442
【0034】
本発明は、ここで実例を挙げて説明したCMOS素子のフリップチップ接合のみならず、Snを主成分としたはんだでその他のBGA、QFP等を接合して製作された半導体装置にあっても同様に良好な接合特性をもたらす。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、鉛成分をなくす要請に対応したSn系はんだ合金でフリップチップ接合あるいは他の接合方式により半導体チップやBGA、QFP等を基板に接合した、バンプ欠け、はんだ付け不良といった障害のない良好なはんだ接合部を備えた半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術を説明する図である。
【図2】もう一つの従来技術を説明する図である。
【図3】本発明の半導体装置で用いられるはんだ接合の一例を説明する図である。
【図4】本発明の半導体装置で用いられるはんだ接合のもう一つの例を説明する図である。
【図5】本発明の半導体装置の一例を説明する図である。
【図6】本発明の半導体装置のもう一つの例を説明する図である。
【符号の説明】
1、11…半導体チップ
2、12…はんだバンプ
3、13…Ti膜
4、14、14’…Ni膜
15…Cr膜
6、16…Au膜
31、41…半導体チップ
32、42…Al配線層
33、43…Ti膜
34、38、44…Ni膜
35、37、45…Pd膜
36…Cr膜
39、49…はんだバンプ
51、61…半導体チップ
52、62…はんだバンプ
55、63…基板
56…薄膜配線層

Claims (5)

  1. 半導体チップあるいは半導体パッケージと基板とをはんだバンプで直接結合して構成された半導体装置であって、当該半導体チップあるいは半導体パッケージ上に形成したはんだバンプの下地電極が、前記半導体チップ又は半導体パッケージ側から順に、Ti、Ni、Pd、Cr、Pd、Niの膜構成を有することを特徴とする半導体装置。
  2. 半導体チップあるいは半導体パッケージと基板とをはんだバンプで直接結合して構成された半導体装置であって、当該半導体チップあるいは半導体パッケージ上に形成したはんだバンプの下地電極が前記半導体チップ又は半導体パッケージ側から順に、Ti、Ni、Cr、Pd、Niの膜構成を有することを特徴とする半導体装置。
  3. 前記Crの膜厚が0.1〜0.5μmである、請求項1または2に記載の半導体装置。
  4. 前記下地電極におけるNi膜の厚みが少なくとも0.1μmである、請求項1からまでのいずれか一つに記載の半導体装置。
  5. 前記下地電極におけるNi膜の厚みが少なくとも0.3μmである、請求項記載の半導体装置。
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