JP3594431B2 - 手摺 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、階段や廊下等の通路箇所に設置される手摺に関する。
【0002】
【従来の技術】
公共建築物のように比較的大規模な建造物に設置される手摺には、機械的に堅牢で、把持し易いという手摺の基本的性能の他に、設置個所が多数に上るから設置作業が簡単であり、設置された手摺の清掃等を含む維持管理が容易であると共に、外観も統一がとれた機能美を備えたものが要求される。近年、維持管理の要求や機能美の要求を満たす手摺として、ステンレス鋼管等の閉鎖断面材を手摺杆として使用したものが採用されるようになったが、かかる閉鎖断面材の手摺杆のスムースな外観を成る可く損わないようにして手摺杆を建造物に固着するために手摺杆の管壁の加工を最小にする取付構造の技術や、かかる取付構造に伴って使用される手摺杆保持用のブラケットや手摺支柱等の手摺杆保持部材を階段箇所や踊場箇所を問わずすべて同一方向に向けて規則的に配列された機能美を現出する技術、このような取付構造の施工技術等については、満足すべき技術開発がなされていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、管材を手摺杆に使用した手摺において、建造物への取付のための手摺杆の管壁加工を最小にすると共に、建造物に固着された手摺杆保持部材に対して手摺杆を任意の角度に取付け可能とし、又取付作業が容易である手摺杆の取付構造を有する手摺を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の手摺は、建造物に固定するための手摺杆保持部材に掴持立設される取付螺杆と、管壁に該取付螺杆の挿通用開口を開設した中空管より形成される手摺杆と、ナット部材挟持間隙をあけて垂設した一対の平行側壁の両下縁が該手摺杆内に嵌合される外形の弧状壁によって該平行側壁を内包して連接された案内部材と、該案内部材の該平行側壁に当接される対向する平行側面と該平行側面と同方向に延びる螺孔を有するナット部材とよりなり、該ナット部材は該案内部材の該平行側壁間に収容され、該案内部材は該手摺杆内に嵌合され、該手摺杆の該挿通用開口を通過した該取付螺杆は、該ナット部材の該螺孔に螺合されると共にその先端部が該案内部材の該弧状壁に当接され、該取付螺杆の締付により、該取付螺杆の該先端部により押圧された該弧状壁が該手摺杆の一側の該管壁に圧着されると共に該ナット部材の底面接触部が該手摺杆の他側の該管壁に圧着されることを主な特徴とする。
【0005】
また前記案内部材における平行側壁の両上縁は、前記取付螺杆の挿通用孔を穿設した頂壁によって連接されていることや、前記案内部材における平行側壁の両上縁には、前記取付螺杆の通過できる溝間隙をあけて向合う一対の内向き突縁が突設されていることを特徴とする。
【0006】
さらに前記ナット部材の底面接触部を含む底面部は、該ナット部材の平行側面と垂直な方向に於いて前記手摺杆の横断面における該底面接触部位置の管壁内面に沿う曲面とされることや、該ナット部材の底面接触部を含む底面部は、該ナット部材の平行側面と同一方向に於いて凸弧状面とされることにより該ナット部材の底面接触部が手摺杆内の管壁に馴染みよく当接されることを特徴としている。
【0007】
また前記案内部材の弧状壁における前記取付螺杆先端部の当接箇所には、該案内部材の長さ方向に凹弧状面を有する内向き突出部が形成されることや、この凹弧状面の箇所は、該案内部材の長さ方向と垂直な方向では凹面とされていて、設置時又完成時に締付けられる取付螺杆の先端部が所定位置から移動しない当接状態が得られることを特徴としている。
【0008】
さらに前記案内部材は、前記手摺杆単位部材相互の継ぎ手部において、隣接するそれぞれの該手摺杆単位部材に跨って嵌合配設されることや、該手摺杆の挿通用開口は、該手摺杆単位部材相互の継ぎ手部に位置する際に、隣接するそれぞれの該手摺杆単位部材の管壁を跨いで穿設されていることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
本発明にかかる手摺は、建造物の階段や廊下等の通路箇所にその側部に沿って設置されるが、図1乃至図3には手摺杆が水平に設置されている同一の実施の形態が示されている。図中、符号1は手摺杆、4は手摺杆1内部に配設される案内部材、9は案内部材4内に収納され取付螺杆14のための螺孔11を有するナット部材、14は手摺杆保持具19に掴持立設される取付螺杆、19aは手摺杆1を保持して設置壁面Aに固着するための手摺杆保持具19の1例であるブラケットである。手摺杆1は、金属、硬質合成樹脂等の硬質材料製の中空管材によって形成されるが、この実施の形態ではステンレス鋼管が使用されている。ステンレス鋼管は外観が美麗であり、さらに表面に柔軟な被覆材が存在しないので手摺清掃等も容易であるから大規模建造物等の手摺杆として好都合の材料である。
【0010】
またこの実施形態では手摺杆1は円筒管が使用されているが、楕円筒管や角筒管を使用しても本発明の技術を適用することが可能である。手摺杆1は建造物に取付けるための取付手段が必要であるが、本発明で手摺杆1に対して取付手段の一部として施される加工は、図2および図3に示されるように、管壁2に取付螺杆14を挿通するために設けられる挿通用開口3の開設のみである。手摺杆1には所定間隔での挿通用開口3を開設する以外の加工は必要としないから、手摺設置作業の手間が省けると共に、手摺杆1の把持感触を悪化させたり優美な外観を損ねることがない。手摺杆1の内部には案内部材4が嵌合されている。案内部材4は短筒状をなし、ナット部材挟持間隙をあけて垂設した一対の平行側壁7,7の両下縁が手摺管1内に嵌合される外形の弧状壁8によって平行側壁7,7を内包して連接された構造を有し、この実施形態では、さらに平行側壁7,7の両上縁が取付螺杆14の挿通用孔6を穿設した頂壁5によって連接され、全体が補強されている金属型材製の案内部材4が使用されている。
【0011】
平行側壁7,7の間にはナット部材9が介在される。ナット部材9はその対向する平行側面10,10が案内部材4の一対の平行側壁7,7に当接して収容され、平行側面10,10と同方向に延びる螺孔11を有している。図1乃至図3に図示した態様では、取付螺杆14は上下方向に配置され、又手摺杆1は取付螺杆14の軸線方向と垂直である水平方向に設置されているので、ナット部材9の底面部12の中央部が手摺杆1の管壁2に接触する底面接触部13となっている。しかしながら本発明では手摺杆1が、取付螺杆14の軸線に対し垂直に設置できるばかりではなく、取付螺杆14の軸線に対し任意の傾斜角度で設置できることを特徴とするものであるから、ナット部材9の底面部12はこのような任意角度で設置された場合でも好適に適用することができる形状とされている。
【0012】
即ち、底面接触部13を含む底面部12は、ナット部材9の平行側面10,10と垂直な方向に於いて手摺杆1の横断面に於ける底面接触部13位置の管壁2内面に沿う曲面とされていて、底面接触部13が管壁2内面に当接した場合に、尖った箇所の接触に起因する応力集中を生じないようにされていると共に、ナット部材9の平行側面10,10と同一方向に於いて凸弧状面とされていて、取付螺杆14と手摺杆1との角度に応じて、底面部12のいずれかの箇所が手摺杆1の管壁2に接触する底面接触部13となり、この底面接触部13は取付螺杆14の軸線に近接して設けられるから後述するように圧着の確実性が高い。手摺杆1の荷重を手摺杆保持具19に伝達する取付螺杆14は、螺溝15が刻設されたその先端側が手摺杆1の挿通用開口3から挿入され、次いでナット部材9の螺孔11に螺合され、さらに案内部材4の頂壁5に穿設された挿通用孔6を通過させてその先端部16が案内部材4の弧状壁8に当接するよう配設される。
【0013】
頂壁5の存在する案内部材4を使用することにより、取付螺杆14をナット部材9に螺合する際に、取付螺杆14に対して誤ってナット部材9を奥に押込むような応力を加える操作を行ったとしても、ナット部材9は頂壁5に突き当って移動を停止し、ナット部材9の脱落を防止することができる。この状態で取付螺杆14をさらに締付ければ、案内部材4の平行側壁7,7によって平行側面10,10を保持されたナット部材9はその回動を制限されているから、ナット部材9の底面接触部13が手摺杆1の一側の管壁2に圧着されると共に、取付螺杆14の先端部16によって押圧された案内部材4の弧状壁8が手摺杆1の他側の管壁2に圧着され、これによって取付螺杆14は手摺杆1に剛接合状態で固定される。もし手摺杆1に対して所定の角度で取付螺杆14を配備し、その状態を維持しながら取付螺杆14の締付けを行えば、所定角度で取付螺杆14と手摺杆1とが接合固定される。
【0014】
図1乃至図3には平行側壁7,7の両上縁を連接する頂壁5を具備した案内部材4が示されているが、案内部材4は一対の平行側壁7,7を必須としているのであって、頂壁5は必須ではない。図1乃至図3における頂壁5を具備した案内部材4に替えて、平行側壁7,7の両上縁に、取付螺杆14の通過できる溝間隙をあけて向合う一対の内向き突縁が突設されている案内部材、即ち図1乃至図3に於ける案内部材4の頂壁5が、溝間隙をあけて向合う一対の内向き突縁に替えられた案内部材(図示していない)とすることもできる。このような案内部材でも、平行側壁7,7の両上縁部は内向き突縁で補強されるので、平行側壁7,7がナット部材9を挟持するための充分な耐力を保持させることが可能であると共に、頂壁5を有する場合と同様に、取付螺杆14をナット部材9に螺合する際に、取付螺杆14に対して誤ってナット部材9を奥に押込むような応力を加える操作を行ったとしても、ナット部材9は内向き突縁に突き当って移動を停止し、ナット部材9の脱落を防止することができる。さらに挿通用孔6の穿設の必要がないために、押出し型材をそのまま案内部材とすることが可能であり、またプレス加工で案内部材を作成することも容易になる。
【0015】
図1乃至図3に示される態様では、取付螺杆14の基端外側には螺溝は設けられず、基端面から内側に螺子孔17が設けられると共に、途中に縮径段部18が設けられた直杆とされている。取付螺杆14は建造物に固定された各種の手摺杆保持具19によって掴持立設される。手摺杆保持具19の例として図1乃至図3ではブラケット19aが示される。手摺杆保持具19には設置壁面Aに固着されるブラケット19aの他に、後述する階段の手摺支柱等も包含される。ブラケット19aは、設置壁面Aにその基部取付片20が固定具21によって固着されると共に、突出する胴部22の先端側には中央孔部24の上側に上側拡径孔部25及び下側に下側拡径孔部26を具備する縦孔23が開設されている。設置壁面Aに固着されたブラケット19aの縦孔23に取付螺杆14の基端側を挿入すれば、取付螺杆14の縮径段部18が縦孔23の上側拡径孔部25と中央孔部24との境界位置に形成される環状段縁に載置され、手摺杆1の荷重がブラケット19aに伝達される。下端からネジ頭が下側拡径孔部26に相当する径を有する止着ネジ27を取付螺杆14の螺子孔17に螺着すれば、取付螺杆14が縦孔23から抜出すことがなく止着される。
【0016】
手摺の設置には、予め所定位置に開設された手摺杆1における挿通用開口3位置に案内部材4を挿入配置しなければならないが、設置作業の間に案内部材4からナット部材9が脱落することを防止し且つその後の取付螺杆14の装着を容易にするために、案内部材4の平行側壁7,7とナット部材9の平行側面10,10との間に粘着材を施して、案内部材4の挿通用孔6にナット部材9の螺孔11を揃えて両者を仮固定しておくと便利である。ナット部材9が仮固定された案内部材4を手摺杆1の単位部材の端部から、必要に応じて挿入補助具等を利用して挿入する。その際に案内部材4の弧状壁8は手摺杆1内に嵌合する外形を有するので、挿入中に案内部材4が手摺杆1内でその向きを変えたりすることがなく、一定の姿勢を維持したまま摺動して所定位置まで移動することができる。挿通用開口3と螺孔11とが一致した位置で取付螺杆14の先端部16が挿通用開口3から挿通されて螺孔11にねじ込まれる。ねじ込みが進行するとナット部材9の平行側面10,10は仮固定された位置の平行側壁7,7を離れ、仮固定状態は解消される。粘着剤を施す場合には、平行側壁7,7の上縁に頂壁5や内向き突縁等を具備しない案内部材4を使用することができる。
【0017】
図4に示された実施形態は、手摺杆1の単位部材相互の継ぎ手部に取付手段が設けられた点、ナット部材9の底面接触部13を含む底面部12が、ナット部材9の平行側面10,10と垂直な方向に於いて手摺杆1の横断面に於ける底面接触部13位置の管壁2内面に沿う曲面とされているが、ナット部材9の平行側面10,10と同一方向に於いては平面とされている点、手摺杆保持具19が手摺支柱19bとされている点で図1乃至図3に示す実施形態と異なる。手摺杆1の単位部材相互の継ぎ手部に取付手段が設けられる場合には、隣接するそれぞれの手摺杆1単位部材の管壁2を跨いで挿通用開口3を開設することができる。即ちそれぞれの管壁2の端部に半円状の切欠を設け、連接した場合に円孔が形成されるようにすることができる。又案内部材4は、手摺杆1の単位部材相互の継ぎ手部に於いてはそれぞれの単位部材内に跨って嵌合配置される。案内部材4の弧状壁8は手摺杆1内に嵌合する外形を有するから、案内部材4は単位部材の継ぎ手部材として機能する。この際に手摺杆1の単位部材端縁間、手摺杆1の単位部材と案内部材4の弧状壁8との間等には、溶接や接着剤塗布等による接合手段を付加的に使用することもできる。
【0018】
図4に示される底面部12が平行側面10,10と同一方向に於いては平面とされているナット部材9は、形状が単純でその製造が容易であるために使用されるが、手摺杆1の管壁2との圧着の確実性は図1乃至図3に示されたナット部材に比較して劣る。即ち本発明では、取付螺杆14の先端部16とナット部材9の底面接触部13を結ぶ線が取付螺杆14の軸線から離れている場合でも、ナット部材9はその平行側面10,10が案内部材4の平行側壁7,7に当接して回転や移動ができないように保持されているので、手摺杆1に加えられる外力によって取付螺杆14の先端部16と底面接触部13を結ぶ線を中心として回転させようとする応力を発生させないから、取付螺杆14の先端部16と手摺杆1の管壁2との接触点、ならびに底面接触部13と手摺杆1の管壁2との接触点がずれたり、回転してゆるんだりすることがなく、両接触点の圧着状態が維持される。
【0019】
図1乃至図3に示されるナット部材9の底面部12では、ナット部材9の平行側面10,10と同一方向に於いて凸弧状面とされていて、取付螺杆14と手摺杆1との角度に応じて、底面部12のいずれかの箇所が手摺杆1の管壁2に接触する底面接触部13となり得るようにされ、且つ底面接触部13は取付螺杆14の軸線から比較的に近接している。したがって外力によって生じる底面接触部13を中心としてナット部材9を回転させようとする応力は小さく、案内部材4の平行側壁7,7によって容易に抵抗することができる。しかしながら図4に示されるナット部材9では、傾斜取付の際、底面接触部13は常にナット部材9の底面部12における末端にあり、取付螺杆14の先端部16と底面接触部13を結ぶ線は、取付螺杆14の軸線から可成り離れることになり、外力によって生じる底面接触部13を中心としてナット部材9を回転させようとする応力は大きくなり、案内部材4は十分に耐力を有するものを使用しなければならない。
【0020】
図4で示される実施形態によれば、手摺杆保持具19が手摺支柱19bとされている。前述のように、本発明では上下方向に配設された手摺杆保持具19に対し任意の角度で手摺杆1を取付けることができるので、床面に垂直に立設される手摺支柱19bを手摺杆保持具19とすると共に、これに斜方向に延長される手摺杆1が取付けられる態様の階段における手摺の設置に極めて好適である。取付螺杆14を手摺支柱19bに掴持立設させるには種々の方法が採用されるが、図4には、その末端に外広がり圧接片28を装着した取付螺杆14の基端部を中空管で形成された手摺支柱19bに嵌入させて取付螺杆14を掴持立設させる例が示されている。図4に示される態様において、取付螺杆14を手摺杆1に取付ける場合に、取付螺杆14を締付けると、取付螺杆14の先端部16は、案内部材4の弧状壁8に当接した後に弧状壁8内面を手摺杆1の長さ方向に滑る傾向があり、予定した手摺杆1と取付螺杆14との相対角度を得るためには、充分にかかる相対角度を確保した上で締付けを行わなければならない。
【0021】
図5及び図6には、このような取付螺杆14の先端部の滑りを解消する機能を有する案内部材4が示される。この案内部材4では、取付螺杆14の先端部16が当接する箇所の弧状壁8に案内部材4の長さ方向に沿う凹弧状面を有する内向突出部29が形成されている。このような案内部材4を使用した場合には、取付螺杆14の先端部16は内向突出部29の凹弧状面に垂直に当接するから、取付螺杆14の締付けを行っても先端部16の滑り移動を生じない。この場合に凹弧状面の箇所が案内部材4の長さ方向と垂直な方向では手摺杆1の管壁2の横断面に沿う凹面とされていれば、長さ方向と垂直な方向にも取付螺杆14の先端部16の滑りを生じない。なお図示のものでは、内向突出部29は案内部材4のプレス加工で形成されるが、平滑な弧状壁8を有する案内部材4に付加的に内向突出部29を形成する部片を止着してもよい。
【0022】
本発明によれば、手摺の設置に溶接等の工事を必要としないので、現場作業を軽減することができる。そして手摺杆の取付手段は、外部から目立たないので、全体の機能的な外観を損ねることがない。さらに単一種類の取付手段によって、上下方向に配設された手摺杆保持具19に対し任意の角度で手摺杆1を取付けることができるので、例えば図7に示されるように、水平な床や踊場に設置される水平な手摺杆1と階段箇所に設置される傾斜する手摺杆1とが連続するような手摺において、手摺杆1を支持する手摺杆保持具19をすべて同一方向に配設することが可能となり、全体が統一された外観を呈し、優れた機能美を発揮する。
【0023】
【発明の効果】
本発明は、次のような効果を奏する。
A.手摺杆に対して取付手段として行う加工は、取付螺杆を挿通するための挿通用開口の開設のみであるから、手摺設置作業の手間が省けると共に、手摺杆の把持感触を悪化させたり優美な外観を損ねることがない。
B.手摺の設置は、溶接等の工事を必要としないので、現場作業を軽減することができる。
C.手摺杆の取付手段は、外部から目立たないので、全体の機能的な外観を損ねることがない。
D.手摺杆と取付螺杆とは、取付螺杆の締付けにより確実な取付状態を得ることができる。手摺杆と取付螺杆とは剛接合状態で固定される。
E.取付螺杆の先端部とナット部材の底面接触部を結ぶ線が取付螺杆の軸線から離れている場合でも、ナット部材はその平行側面が案内部材の平行側壁に当接して回転や移動ができないように保持されているので、手摺杆に加えられる外力によって取付螺杆の先端部と底面接触部を結ぶ線を中心として回転させようとする応力を発生させないから、取付螺杆の先端部と手摺杆の管壁との接触点、ならびに底面接触部と手摺杆の管壁との接触点がずれたり、回転してゆるんだりすることがなく、両接触点の圧着状態が維持される。
【0024】
F.一種類の取付手段によって、建造物に掴持立設される取付螺杆に対して任意の角度で手摺杆を取付けることができる。したがって床面に垂直に立設される手摺支柱に対して傾斜する手摺杆を設置する場合や、水平部と傾斜部とが連続するような手摺杆に対して、ブラケット等の手摺杆保持具の方向をすべて一定方向とした整列された美観が要求されるような箇所に使用する場合に好適である。
G.平行側壁の両上縁が取付螺杆の挿通用孔を穿設した頂壁によって連接されている案内部材の場合には、強度の大きい案内部材を型材として得ることが容易であり、また取付螺杆をナット部材に螺合する際に、取付螺杆に対して誤ってナット部材を奥に押込むような応力を加える操作を行ったとしても、ナット部材は頂壁に突き当って移動を停止し、ナット部材の脱落を防止することができる。
【0025】
H.平行側壁の両上縁に取付螺杆の通過できる溝間隙をあけて向合う一対の内向き突縁が突設されている案内部材の場合には、押出し型材に何等穿孔等の加工を施さないで、そのまま案内部材とすることができると共にプレス加工によって案内部材を形成することも容易となる。また取付螺杆をナット部材に螺合する際に、取付螺杆に対して誤ってナット部材を奥に押込むような応力を加える操作を行ったとしても、ナット部材は内向き突縁に突き当って移動を停止し、ナット部材の脱落を防止することができる。
I.ナット部材の底面部が、ナット部材の平行側面と垂直な方向に於いて手摺杆の横断面に於ける底面接触部位置の管壁内面に沿う曲面とされている場合には、底面接触部が管壁内面に当接した場合に、尖った箇所の接触に起因する応力集中を生じさせない。
【0026】
J.ナット部材の底面部が、ナット部材の平行側面と同一方向に於いて凸弧状面とされている場合には、取付螺杆と手摺杆との角度に応じて、底面部のいずれかの箇所が手摺杆の管壁に接触する底面接触部となり、この底面接触部は取付螺杆の軸線に近接して位置するから圧着の確実性が高い。
K.取付螺杆の先端部が当接する箇所の弧状壁に長さ方向に沿う凹弧状面を有する内向突出部が形成されている案内部材を使用すれば、取付螺杆と手摺杆とが垂直の状態で取付けられていない場合でも、取付螺杆の先端部は内向突出部の凹弧状面に垂直状に当接するから、取付螺杆の締付けを行っても先端部の滑り移動を生じない。この場合に、この凹弧状面の箇所が案内部材の長さ方向と垂直な方向で手摺杆の管壁の横断面に沿う凹面とされていれば、長さ方向と垂直な方向にも取付螺杆先端部の滑りを生じない。
L.手摺杆の単位部材相互の継ぎ手部に取付手段が設けられる場合には、案内部材は単位部材の継ぎ手部材として機能し、当該箇所が手摺杆の継ぎ手部と手摺杆の取付部との両機能を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の手摺の要部を示す斜視図である。
【図2】図1に示すものの手摺杆軸線方向の断面図である。
【図3】図2と垂直方向の断面図である。
【図4】他の実施態様の手摺杆軸線方向の断面図である。
【図5】ナット部材の変形例を示す手摺杆軸線方向の断面図である。
【図6】図5のA−A線に於ける断面図である。
【図7】階段に於ける配置状況を示す側面図である。
【符号の説明】
1 手摺杆
2 管壁
3 挿通用開口
4 案内部材
5 頂壁
6 挿通用孔
7 平行側壁
8 弧状壁
9 ナット部材
10 平行側面
11 螺孔
12 底面部
13 底面接触部
14 取付螺杆
16 先端部
29 内向突出部

Claims (9)

  1. 建造物に固定するための手摺杆保持部材に掴持立設される取付螺杆と、管壁に該取付螺杆の挿通用開口を開設した中空管より形成される手摺杆と、ナット部材挟持間隙をあけて垂設した一対の平行側壁の両下縁が該手摺杆内に嵌合される外形の弧状壁によって該平行側壁を内包して連接された案内部材と、該案内部材の該平行側壁に当接される対向する平行側面と該平行側面と同方向に延びる螺孔を有するナット部材とよりなり、該ナット部材は該案内部材の該平行側壁間に収容され、該案内部材は該手摺杆内に嵌合され、該手摺杆の該挿通用開口を通過した該取付螺杆は、該ナット部材の該螺孔に螺合されると共にその先端部が該案内部材の該弧状壁に当接され、該取付螺杆の締付により、該取付螺杆の該先端部により押圧された該弧状壁が該手摺杆の一側の該管壁に圧着されると共に該ナット部材の底面接触部が該手摺杆の他側の該管壁に圧着されることを特徴とする手摺。
  2. 前記案内部材における平行側壁の両上縁は、前記取付螺杆の挿通用孔を穿設した頂壁によって連接されていることを特徴とする請求項1記載の手摺。
  3. 前記案内部材における平行側壁の両上縁には、前記取付螺杆の通過できる溝間隙をあけて向合う一対の内向き突縁が突設されていることを特徴とする請求項1記載の手摺。
  4. 前記ナット部材の底面接触部を含む底面部は、該ナット部材の平行側面と垂直な方向に於いて前記手摺杆の横断面における該底面接触部位置の管壁内面に沿う曲面とされることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の手摺。
  5. 前記ナット部材の底面接触部を含む底面部は、該ナット部材の平行側面と同一方向に於いて凸弧状面とされることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の手摺。
  6. 前記案内部材の弧状壁における前記取付螺杆先端部の当接箇所には、該案内部材の長さ方向に沿う凹弧状面を有する内向突出部が形成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の手摺。
  7. 前記凹弧状面の箇所は、前記案内部材の長さ方向と垂直な方向では凹面とされていることを特徴とする請求項6記載の手摺。
  8. 前記案内部材は、前記手摺杆単位部材相互の継ぎ手部において、隣接するそれぞれの該手摺杆単位部材に跨って嵌合配設されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載の手摺。
  9. 前記手摺杆の挿通用開口は、該手摺杆単位部材相互の継ぎ手部に位置する際に、隣接するそれぞれの該手摺杆単位部材の管壁を跨いで穿設されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項記載の手摺。
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