JP3592848B2 - バッグ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はバッグに関し、特にシール可能なバッグ、例えば防水機能を備えたバッグに関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明が関係するシール可能なバッグの1つの用途に、感水性(水に敏感な)の物質または器具をヨットマンが携帯する場合がある。そのような用途を持った公知のバッグに、開口まわりのバッグ部分を互いに圧着させて折り返すことによって閉まるポーチからなるものがる。ポーチの両方のシートに二対の孔が開けられていて、一方の対が他方の対より開口から遠くに形成され、折り返したときにそれらが互いに合致するようになっているものである。折り返された端部の一方の側で、一対のプラスチック帯板(plastic strips)の一方から突出したボルトを、バッグの孔と他方の帯板の孔に通してから、ボルトの端部をナットで締めることによって、両帯板を互いに締め付ける。各帯板片は、その中心部分が他の部分に対して段差を有していて、帯板が連結されたとき、バッグの折り返し縁を中心部分の側方部分で締め付けるよう構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この公知のシール可能なバッグは、いくつかの問題点がある。主な問題点は、閉止具が迅速かつ簡単に使用できないことである。閉止具とバッグの種々の部品を組み付けてナットを締め付ける作業が煩わしく、しかも両手を使わなければならないため、閉止するのに30秒以上かかることがある。特に、帆走中またはカヌーを漕いでいる最中などにバッグを開けた場合、バッグから取り外した帯板を失う恐れがある。
他の問題点としては、ナットを十分に締めないことがあり、これは適切なシールが達成されないことを意味する。そして、そのようなバッグが、通常、海上で使用されることから、ナットやボルトを耐食性の船舶用鋼(marine grade steel)で作る必要があり、これによってバッグの製造コストが高くなる。さらに、折り返される上部には追加材料を必要とし、これによってもバッグのコストをさらに高めている。
【0004】
従って、本発明の目的は、使用が容易で、バッグ内への水の侵入を効率よく防止する、簡単で、実用的で、安価な閉止具を備えたシール可能なバッグを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、請求項記載の発明により達成される。
即ち、本発明のバッグの特徴構成は、一対の縁によって形成された開口と閉止具とを備え、この閉止具が、前記縁の一方の少なくとも一部に取り付けられた一方のバーと、相互間で前記縁を締め付けて前記開口をシール可能に閉じるように前記一方のバーに解放可能に連結される他方のバーとを備えるバッグであって、前記解放可能な連結が、少なくとも1個の差込みコネクタによって形成される点にある。
バーの一方をバッグの縁に取り付けることによって、バッグの開閉が容易になり、さらに良好な締め付け、従って良好なシールを確保するためのバッグの縁の適正な位置決めを助ける。
しかも、差込みコネクタを用いることにより、その開閉がボルト・ナットより簡単で速く、その開閉は数秒しかかからないので、使用が容易で、かつ安価であり、シール機能の高いバッグを実現できる。そして、差込みコネクタの適正な使用によって自動的に締め付ける構成にできる。さらに、適正な締め付けが達成されたことを音や触感で使用者に知らせたり、不測の解放を防止する機構を設けることも容易である。
【0006】
解放可能な連結が、直接的に前記両バーの領域を互いに、そして締め付けられた縁から間隔をあけて連結する1個または複数の連結部材によって形成されることが好ましい。
直接的に両バーを、互いに且つ締め付けられた縁から間隔をあけて連結すると、シールがさらに向上し、バッグの本体部分に孔を設けないで済む。
連結部材は、バッグの縁に対する締め付け圧を増すように連結をきつくする手段を備えていてもよい。
このような連結をきつくする機能は、シール機能を向上させ、また下記の特徴との組合せで適正なシールを確実なものにする。
【0007】
連結部材は、少なくとも1個の差込みコネクタ(バヨネット式コネクタ)を有する。回転時に差込みピンが横断するカム手段を設けてもよく、このカム手段が、両バーの連結をきつくするために、差込みピンの回動方向と同方向に傾斜し差込みピンのアームに係合する2つの傾斜面を備える。特に、帆走中またはカヌーを漕いでいる最中などの場合、差込みコネクタはナットとボルトのコネクタよりずっと使いやすい。差込みコネクタは確実で堅固な連結を達成し、カム手段と組み合わせれば、比較的高い締め付け圧を加えることができる。
【0008】
差込みピンが所定の位置にきたとき、差込みピンまたはそれを回転させるレバーと協働して、その位置にきたことを音で知らせたり、ピンをその位置に解放可能にロックする止め手段を設けてもよい。
前者の代替案は、締め付けが正しく達成されたことを使用者が知覚できる報知を与えるので、公知のナットとボルトのコネクタの問題点つまり十分に締め付けられない場合を解消する。第2の案は、バッグが開けられるまで締め付け圧を常時加えることができる。
差込みピンが一方のバーに取り付けられ、差込み孔が他方のバーに設けられ、差込みコネクタがピンの回転を容易にするレバーを含むよう構成できる。
また、他方のバーが他方の縁の少なくとも一部に取り付けられると、バッグを開けたときに外れる部品が生じない。バッグの縁に対するバーの連結が取り外し可能でもよく、例えばホック式の連結を採用できる。これによって、製造が容易になることも考えられる。
一方のバーが突起を、他方のバーが突起を受け入れる補完的溝を形成し、突起と溝を、バッグの縁を相互間で締め付ける位置に設けてもよい。従って、締め付け圧が1本の線に沿って加えられ、効果的なシールを達成できる。
バッグは、一方のバーに取り付けられた携帯用の紐を含んでもよい。これにより、紐を直接バッグに取り付ける必要がなくなる。紐を両方のバーに取り付けると、バッグをバーから取り外しても、両方のバーが紐に取り付けられたままであり、バーを紛失する恐れが非常に少なくなる。しかも、このようになっていると、両方のバーがバッグに取り付けられていなくても、使用者はバッグを開けたときに両手を自由に使って物品の出し入れができる。
【0009】
【発明の効果】
以上の結果、本発明によれば、使い勝手がよく、バッグ内への水の侵入を確実に防止し得る、簡単かつ実用的で、安価な、シール可能なバッグを提供することができた。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、バッグ2がそのアクセス開口が閉止具4でシールされている状態を示す。閉止具4は2本のバー6、8を備えていて、それら両バーはレバー10で作動する一対のコネクタによって結合される。バッグ2のアクセス開口は、バー6、8で閉じられ、水密シールされるようになっている。
バッグ2を携帯するための紐12が、閉止具4に取り付けられている。図2からわかるように、バー6、8には閉止具4の両端に紐12を通すための孔14が形成されていて、一方のバー8は連結用のアパーチャが設けられている。これに代えて、後述するように、バー6、8の両端に紐取付機構16を設けてもよい(図5参照)。さらに別の例として、紐12の一端または両端を直接バッグ2に取り付けてもよい。
バー6の正面構造を図3の右側に示し、その背面構造を図3の左側に示す。ここで「正面」と「背面」は、図1に示すように互いに締め付けられたバー6、8のバッグ2に対するそれぞれの向きのことである。つまり、「正面」は締め付けられた各バー6、8の外面を指す。バー6の背面には、図4の側面図に示すように、突起18が設けられている。図4に示すように、各レバー10はシャフト20に取り付けられていて、シャフト20の他端には差込みピンたるクロスピン22が取り付けられている。シャフト20とクロスピン22は、差込みコネクタの半分を構成する。
【0011】
バッグ2の上縁(輪郭を点線で示してある)は、図3に示すように、一体的延長部分24を有していて、その長さは左右のクロスピン22同士の間隔より少し短い。延長部分24は雌ホック26を有していて、これはバー6、8の雄ホック28と係合する(図5参照)。ホック26、28は、バー6、8とバッグ2を連結する。
差込みコネクタの残り半分はバー8に設けられているが、その前面構造が図5の右側に示され、背面構造が図5の左側に示されている。バー8は一対のスロット30を備えていて、それぞれがシャフト20とピン22を受け入れるような寸法と形状を持ち、受け入れられる際に、ピン22はバー8の軸心と同心状になる。そして、レバー10を回してシャフト20を回転させると、クロスピン22がスロット30から軸ずれし、バー6、8同士をロックする。
ピン22はそのように回動して、バー8の前側に形成されたカム手段たるカム面32と係合する。これについては、図7〜9に詳細に示されている。図に示すように、シャフト20の回転(図7の反時計まわり)により、ピン22の各アームが斜面状のカム32と係合する。ピン22のアームがカムの斜面32を登るにしたがって、バー6、8が互いに引き寄せられる。シャフト20が回転し続けると、アームはカムの斜面32を通り越して平坦領域34へ移動する。ストッパ36が平坦領域34の範囲、従ってシャフト20の最大回転量を規制する。平坦領域34が、皿または溝状の凹みを備える止め手段たる止め部38を形成してもよい。ピン22のアームが止め部38に入るとクリック音を発して、バー6、8同士が正しくロックされたことをバッグの使用者に知らせることができる。さらに、止め部38は、レバー10を確実に回さないうちに連結が解除されることを防止するのに役立つ。
【0012】
バー6に上向きのリブを設けることができ、それがレバー10の下部の対応するリブに引っかかって、閉止状態で同様なロック作用を行う。ここでも、ロックされたことを音または触覚で感知させる構成にできる。
バー8は、バー6の突起18を受け入れる溝40を有する。バー6、8が互いに連結すると、突起18と溝40の間でバッグ2のアクセス開口の縁をかたく挟持し、ライン状の締め付け圧を加えて水密シールを形成する。突起18と溝40の形状の組合せは種々のものが考えられ、両者共ほぼ同形の凹凸形状になっていてもよいし、突起の側面傾斜が溝の側面傾斜より大きな角度になっていて、両者が嵌合時に、摩擦嵌合するようになっていてもよい。
バー6、8は延長部分24の両側部分で直接連結されるが、協働するリブとして機能する突起18および溝40によって、その下方でバッグ2の全幅にわたってシールが生成される。
バー6、8とレバー10とシャフト20はプラスチックで製造できる。強度を確保するため、ピン22を金属で形成でき、それには船舶用鋼の使用が望ましい。本実施例の場合、船舶用鋼の必要量はこの種の公知のバッグと比べて格段に少なく、それだけ製造コストを低くできるものである。
【0013】
〔第2実施形態〕
図10〜14に示す第2実施形態では、船舶用鋼がまったく使用されていない。この実施形態の多くの特徴は図2〜9に示すものと共通であり、同じ部品は参照番号にaを付して示してある。
第1実施形態の閉止具4と同様に、閉止具4aは2本のバー6a、8aを備え、それらはレバー10aで作動する一対のコネクタによって結合される。各レバー10aはシャフト20aに取り付けられ、シャフトの他端には一体の差込みピンたるクロスピン22aが設けられている。この第2実施形態のシャフト20aとクロスピン22aは、第1実施形態と比べてずっと大きく、クロスピン22aをプラスチック製にできる。クロスピン22aは、シャフト20aに対して平行な長さが7.5mm、幅が3.75mm、厚さが約2.625mm、つまり寸法が2:1:0.7の比率をなす。
この実施形態のコネクタのシャフト20aとクロスピン22aを大きくした結果、バー8aのスロット30aもそれに応じて大きくしてある。クロスピン22aの突出量を最小限にするため、カム面32aをバー8aの背面つまり内面にできるだけ近い位置に設けてある。クロスピン22aは、それが使用者の体または着衣に引っかかったり、それと擦りあったりしないように、滑らかな形状になっていることが好ましい。第1実施形態に示したような平坦領域34と止め部38は取り除かれ、第1実施形態で簡単に述べたように、クロスピン22aをロックしたり、シールされたことを示す音を出す代替手段が設けられている。レバー10aの下面にリブ42が設けられ、レバー10aの回動により、それがバー6aの前面つまり外面に設けられた傾斜状止め部44に圧接してロックされる。リブ42と傾斜状止め部44の協働により、バッグ2をシールする位置でシャフト20aとクロスピン22aが解放可能にロックされる。ロック作用は使用者に感知され、またシールが達成されたことを示すクリック音が発せられる。
【0014】
バー6aには、図14に示すように、ピン22aを先頭にして各ピンコネクタが挿入される孔46が設けられている。この孔46はバー8aのスロット30aと同様な形状をしているが、バー6aの前面、つまり外面に、図14に示すように、切欠き48が設けられている点が相違する。各レバー10aは止め部50を持ち、それが切欠き48に係入してレバー10aの動きを規制することにより、ピン22aはスロット30aと整列した開放位置とカム面32aの端部の閉じ位置との間でのみ回動可能になる。切欠き48はこれを達成するに十分な距離だけ孔46まわりに延設されていて、その距離はスロット30aとカム面32aとの相対位置によって定まる。図示した実施形態では、切欠き48は約145度の回動を許すようになっている。
バー6aの背面、つまり内面に、十字状切欠き54を持ったガイドスリーブ52が一体的に形成されている。フランジヘッド58の付いた2本のピン56が、ガイドスリーブ52の径方向反対側から切欠き54内へ突出している。ピン56は、同じく一体的に形成されているが、スリーブ52に対しては移動可能である。
シャフト20aは、くびれ部60を挟む2部分からなる。シャフトの前部つまりピン側部分は、見やすくするために図14には示されていない。
孔46とスリーブ52にシャフト20aを挿入する際、ピン56はそのヘッドがくびれ部60に合致するまで圧迫される。ピン56のヘッドがくびれ部60にロックされると、シャフト20aがバー6a内の所定位置に保持される。
【0015】
第2実施形態に適したプラスチック材はABS樹脂などであり、単独でもガラス繊維で強化されたものでもよい。このABS樹脂は、紫外線安定化されたものでもよい。第1実施形態でも同様な材料を使用できる。もっとも、使用材料としてはABS樹脂に限定されるものではなく、これと同等な他の樹脂材料、例えば各種エンプラを用いることができる。
バー6、8、6a、8aの少なくとも一方、好ましくは両方が、バッグ2のアクセス開口に連結される。この連結は永久的なものでもよいが、取り外し可能なことが望ましい。後者の場合、第1実施形態で示したように、雌ホック26をバッグ2に、雄ホック28をバー6、8に設けることにより実現できる。
【0016】
代替案として、図15にバーの詳細を省略して概略的に示すように、2部分からなる取付け用帯板62を設けることができる。各帯板62は、バッグ2のアクセス開口の側部で互いに連結される雄部64と雌部66からなる。雄帯板部64には複数のスプルー68が形成されていて、それらがバッグの延長部分24の孔70を貫通して、雌部66の適当な形の孔72に挿入する。各スプルー68は、孔72に密着する寸法の薄肉部74を有する。孔72にはスロット76が設けられていて、これによりスプルー68が孔を通過し、薄肉部74が孔72に収まるように雌部66は柔軟性を備える。スプルー68の突出部分は、バー6a、8aの内面に設けられた有底穴78に入る。有底穴78は、スプルー68の先端と摩擦係合する寸法になっている。
【0017】
〔第3実施形態〕
図16、17はスプルー68の別実施形態を示し、この取付け用帯板62は単体になっている。この実施形態は図15のものと共通の特徴を含み、同じ部品は参照番号にaを付して示してある。
2部分から構成されている取付け用帯板62と同様、単体の取付け用帯板62aは孔72aに挿入されるスプルー68aを備えている。各スプルー68aは分割成形されていて、その2つの半分62aが互いに分離付勢されている。スプルー68aはその遊端へ向かってテーパ状になっていて、この付勢とテーパの組合せによりバッグの延長部分24の孔70と摩擦係合するため、くびれ部が不要で、孔72aもバー6a、8aの穴78も単に丸くできる。
雄および雌部64a、66aはフレキシブルなヒンジ80で連結されていて、スプルー68aがバッグの延長部分24の孔70と孔72aを貫通した状態で両者を向き合わせることができる。
図16、17に示すように、雌部66aはその両側から一体的に延出した薄いウエブ82を備えていて、孔86を形成した雌延長部材84がその端部に取り付けられ、それがヒンジ87によって、スプルー90が突出した雄延長部材88につながれている。延長部材84、88によって、スプルー90を受け入れる孔92を備えたバッグ2の上縁に取付け用帯板62が連結される。これによって、閉止具4aの内側からのバッグ側部の引抜きが防止されることが判明している。
【0018】
両帯板62aが取り付けられたバッグ2を、図17に示す。同図に示すように、薄いウエブ82の柔軟性により帯板62aが弓なりになって、しっかりとした準円形状の開口を形成し、バッグ2に対する物品の出し入れが容易にできる。また、図に示すように、雄部分64にタブ94が形成され、使用者はこれを掴んで、道具を必要とせずにバー6a、8aから帯板62aを引き離すことができる。図15又は図16に示されたいずれのスプルー68、68aの形態でも、バー6a、8aに帯板62、62aを固定させるに十分であることが判明している。従って、バッグ2の上部をしっかりと掴むように3本のスプルー68を各雄部分64に設ける場合、図15に示すように、中央のスプルー68を短くできる。
【0019】
図17に示すように、取付け用帯板62aを使用する場合、薄いウエブ82を受け入れる凹部96を形成するようバー6a、8aを改変する必要がある。また、図17で、雌部66aに切欠き98が形成されている。切欠き98はバー8aから突出したリブ100を受け入れるものであり、その一方のリブの縁が、図17中にわずかに見える。バー6a内で、リブ100の他方の縁に1本の長さ方向のリブが設けられている。これらのリブは、バー6a、8aの周辺部が正しい状態のときのみ連結されることを保証する。
【0020】
バッグ2とバー6、8の間にホック連結26、28を備えた図3の構成を、ホックを別体にしたキットの形にしてもよい。雄ホックが延長部分24の孔に挿入され、対応する雌ホック26に復帰不能、つまり取り外し不可にスナップ係合する。そして、雌ホック26はバー6、8の対応する雌孔にはまる。雄ホックの溶接に時間がかかることから、このキット型のバッグは製造コストを低くできる。取付け用帯板62、62aを備えた図15および図16の構成も、キットの形にするのに好都合である。この場合、使用者自身が取付け用帯板62、62aをバッグに組み付ける。もちろん、バーをバッグに再度組み付けてもよく、これはプラスチック溶接を必要としない安価で簡単な操作となる。
【0021】
〔その他の実施形態〕
紐取付け機構16を、図18に示された形にすれば、使用者が紐12をバッグ2に組み付けることができる。この場合、紐12の端部にTバー102を備える。Tバー102は、紐12とほぼ整合させた孔14aに挿入する。紐12を操作してTバー102をずらすと、それがバー6a、8aのリムに引っかかる。Tバー102をしっかりと保持するため、リムの下に設けられた支持ピン104とリムの間に、Tバー102をはめ込むことが望ましい。Tバー102は、図に示すようにほぼ四角形状でもよく、あるいは最大接触面を得るためにリブの付いた円形でもよい。
【0022】
各バー6、8、6a、8aに連結機構16を設けることが望ましい。その結果、閉止具4aが開放されたときに、紐12がバー6、8、6a、8aをつなぐので、一方または両方のバーがバッグ2から取り外されても紛失しない。さらに、紐12を両方のバーにつないでおけば、バッグ2の両サイドを支持することになり、物品の出し入れが容易になる。
【0023】
紐12を設けずに、バッグ2をベルトまたはラニヤードにつなげるように構成できる。その場合、バー6、8、6a、8aが使用者の体に接触するので丸みをつけて当りをやわらげることが望ましい。
バッグ2にバー6、8、6a、8aを少なくとも1本取り付けると、使用を容易にし、バー6、8、6a、8aの間のバッグの縁を正しく位置づけるのに役立ち、バッグ2のアクセス開口付近を強固にする。さらに、差込みコネクタを解放すると、アセンブリ全体が単に2つの部分に分かれる。バッグ2に両方のバー6、8、6a、8aが取り付けられた好適実施形態では、バッグを開けてもアセンブリは絶対に分離しない。バッグの中味の重量が1kgまで、帯板62、62aはバーを連結させるが、それでも手で取り外せる。従って、帯板とバーは洗浄または交換のために、工具を用いることなくいつでも取り外せる。
【0024】
バッグ2は、90度以内の角度で各レバー10を回すことによって、簡単に開閉できる。その操作は、図1に示すような可視信号にもとづいて容易にできる。これらは、開放位置から閉じ位置まで移動するレバー10、10aの方向を示す三角マーク106を備えていてもよい。レバー10、10aの上端にリブ108を形成し、レバー10、10aの回動位置に対応して、それが丸印110とともに開放位置を示し、点112とともに閉じ位置を示すように構成できる。
差込みコネクタは、その開閉がボルト・ナットより簡単で速く、その開閉は2、3秒しかかからないから有効である。上記好適実施形態に示すように、差込みコネクタのピンのアームが横断するカムを設けると、締めつけが容易になる。つまり、差込みコネクタの適正な使用によって自動的に締め付けることができる。止め部は、適正な締め付けが達成されたことを音や触感で使用者に知らせたり、不測の解放を防止する。さらに、船舶用鋼の必要量が減少する。第1実施形態ではピン18だけが鋼鉄製で、第2実施形態では鋼鉄をまったく必要としない。
【0025】
また、バー8、8aのスロット30、30aと溝40、40aとバー6、6aのシャフト20、20aとリブ18、18aの間隔を大きくして、バッグ2の縁を取り付ける位置を限定することによって、延長部分24を省略できる。しかし、差込みコネクタによる力が突起・溝の組合せにできるだけ近い位置に加えられ、その組合せの締め付け圧を最大限にする図示した実施形態の方が望ましい。
試験結果は、バー6、8、6a、8aによって形成されるクリップが、1万回の開閉後でも、少なくとも20m(又は2気圧)の深度まで水密である非常に有効なシールであることを示した。従って、このバッグは、潜水者が科学目的でカメラや電子機器を持つ潜水などの用途に向いている。そのような深さや圧力下で使用しなくても、ボートやカヌー等の船舶に積んだ移動電話、カメラ等の高価な機器の所有者に、このクリップは安心感を与える。また、そのシール効果により、シールされたバッグがある程度の浮力を持ち、水に落としても浮くので回収が容易となる。
このバッグは他にも多くの用途があり、特にシールすることにより保護する環境が必要な産業および医療の分野に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるバッグの斜視図
【図2】図1のバッグの第1実施形態による閉止具の平面図
【図3】図2の閉止具の一方のバーの半背面・半正面図
【図4】図3のバーの端面図
【図5】図2の閉止具の他方のバーの半正面・半背面図
【図6】図5のバーの部分断面端面図
【図7】図5のエリアAの拡大図
【図8】図7のY−Y線矢視図
【図9】図7のX−X線矢視図
【図10】第2実施形態による閉止具の部分断面平面図
【図11】図10の閉止具の端面図
【図12】図10の閉止具の一方のバーの背面図
【図13】図10の閉止具のピンコネクタと他方のバーの部分断面後方斜視図
【図14】図13の閉止具のピンコネクタとバーの位置関係を示す前方斜視図
【図15】図1のバッグを形成するためにバーをポーチに取り付ける方法を示す説明図
【図16】第3実施形態によるバッグを形成するためにバーをポーチに取り付ける方法を示す説明図
【図17】図16の第3実施形態によるバッグを形成するためにバーをポーチに取り付ける方法を示す説明図
【図18】図1のバッグに紐を取り付ける方法を示す略図
【符号の説明】
4,4a 閉止具
6,6a 一方のバー
8,8a 他方のバー
10,10a レバー
12 紐
22,22a 差込みピン
32,32a カム手段
38 止め手段
40 溝
Claims (8)
- 縁によって形成された開口と閉止具とを備え、この閉止具が、前記縁の一方の少なくとも一部に取り付けられた一方のバーと、相互間で前記縁を締め付けて前記開口をシール可能に閉じるように前記一方のバーに解放可能に連結される他方のバーとを備えるバッグであって、前記解放可能な連結が、少なくとも1個の差込みコネクタによって形成され、前記差込みコネクタは、バヨネット式コネクタであり、回転時に前記差込みコネクタの差込みピンが横断するカム手段を備え、このカム手段が連結をきつくするような角度を有する互いに反対向きの傾斜面を備え、前記差込みピンの回転に伴って、締め付け圧を増し、前記締め付け圧を維持するように構成してあるバッグ。
- 前記解放可能な連結が、直接的に前記両バーの領域を、互いに且つ締め付けられた縁から間隔をおいて連結する1個または複数個の連結部材によってなされる請求項1記載のバッグ。
- 差込みピンを回すレバーが設けられていて、前記閉止具は、前記差込みピンが所定の位置にきたとき、この差込みピン又はレバーと協働して、前記位置に来たことを音で知らせ、前記差込みピンを前記位置に解放可能にロックする、止め手段を有する請求項1または2に記載のバッグ。
- 差込みピンが前記一方のバーに取り付けられていると共に、差込み孔が前記他方のバーに設けられていて、前記差込みコネクタが前記差込みピンの回転を容易にするレバーを有する請求項1〜3のいずれか1項記載のバッグ。
- 前記他方のバーが、前記開口の縁の少なくとも一部に取り付けられている請求項1〜4のいずれか1項記載のバッグ。
- 前記バーが、前記開口の縁に取り外し可能に取り付けられている請求項1〜5のいずれか1項記載のバッグ。
- 前記一方のバーが溝を備えていて、相互間でバッグの縁を締め付けて前記両バーが連結されたときに、前記溝に係入する補完的突起が前記他方のバーに設けられている請求項1〜6のいずれか1項記載のバッグ。
- 前記一方のバーに取り付けられた携帯用の紐を有する請求項1〜7のいずれか1項記載のバッグ。
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