JP3592604B2 - 混合物の吹き付け工法とその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、骨材とセメントミルクとの混合物(即ち、砂などの細骨材とセメントミルクとを混合したモルタル、又は、砕石などの粗骨材とセメントミルクとを混合したコンクリート)の吹き付け工法と、その工法に用いる混合物の吹き付け装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、法面に緑化用の植生基材を吹き付ける法面の緑化保護工法では、植生基材の流亡を防止して安定に定着させるために、モルタルやコンクリートの吹き付けによる法枠を法面に形成して、その法枠内に緑化用の植生基材が吹き付けられる。
【0003】
その他、法面の崩壊防止に際しても、法面にネットを張設して、このネットを埋め込むように、モルタルやコンクリートが吹き付けられ、高架鉄道や高速道路、山岳トンネルなどの構築や補修などに際しても、モルタルやコンクリートの吹き付けが行われる。
【0004】
このモルタルやコンクリートなどの混合物の吹き付けに際して、混合物をホースによって吹き付け箇所に圧送する従来の吹き付け手段では、混合物とホース内面との摩擦抵抗が大きいために、混合物の吹き付け位置が高い場合は、十分な吐出圧を得難く、吹き付けの水平距離にしても、ホース長さで100m程度が限度であった。
【0005】
かゝる不都合を解消するために、本出願人は、セメント配合比の低いモルタル材料(砂と若干量のセメントとの空ねり物)またはコンクリート材料をホースを介して圧送し、その圧送過程の後段でモルタル材料またはコンクリート材料にセメントミルクを注入した後、この混合物を吹き付ける工法、即ち、モルタル材料またはコンクリート材料とセメントミルクとを別々に圧送して、これを混合して吹き付ける別圧送吹き付けの工法を提案している(特公平6−102899号公報)。
【0006】
上記の別圧送吹き付けの工法によれば、ホースで圧送するモルタル材料またはコンクリート材料のセメント配合比を低くすることによって圧送抵抗を少なくし、吐出量を大きくすることができ、そのセメント不足量は圧送過程の後段でセメントミルクの注入によって補填されるのであって、モルタルまたはコンクリートを吹き付ける従来の工法では、法高60mまでが施工の限度であったが、上記の工法によれば、法高300mまでの施工が可能となる。
【0007】
ところで、上記の別圧送吹き付けの工法では、モルタル材料またはコンクリート材料を圧送するホースにおける先端部よりも手前の部位に筒体を間装接続し、この筒体にセメントミルクを注入するためのホースを接続して、別々に圧送されたモルタル材料またはコンクリート材料とセメントミルクとを筒体内で混合し、この混合物をホース先端のノズルから吹き付けるようにしている。
【0008】
そして、上記の混合に用いられる筒体として、筒体内で十分混合できるように、モルタル材料またはコンクリート材料の圧送用ホースの内径に比較して、筒体の外径を著しく大きくし、具体的な一例として、材料圧送用ホースの内径42mmに対して、筒体の外径を300mm(筒体の肉厚が3mmで内径が294mm)と7倍(面積で49倍)もの大きさにし、モルタル材料またはコンクリート材料とセメントミルクとを混合していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、ホース内を一定の速度で圧送されたモルタル材料またはコンクリート材料は、筒体内に到達すると同時に、筒体径が大き過ぎることに起因する急激な気圧の低下に伴って、その流速を著しく減速させることとなり、その結果、後続のモルタル材料またはコンクリート材料の進路を妨害して、筒体内部で所謂詰まりが生じ、混合物の吹き付けが不能になることがあった。
【0010】
また、砂と同時にセメントを混合して圧送するため、圧送用ホースの内壁にセメント粒子が次第に付着して、最後にはホースを閉塞し、砂とセメントとを定量供給することが困難になることがしばしばあった。
【0011】
一方で、例えば混合物としてモルタルにおいては、セメントと砂との配合比を1:4に設定するのが一般的であるが、最終強度が確保できれば、この配合比にする必要はなく、所望する強度が得られる配合比に設定できればよい。
【0012】
この際、従来では、モルタル材料に予めセメントを配合していることから、この分のセメント量とセメントミルクによるセメントの補填量との合計量からセメントの配合比が決定されるが、モルタル材料に予め配合されているセメント量を勘案して、セメントミルクの供給量を制御することは非常に困難であった。
【0013】
本発明は、かゝる実情に鑑みて成されたものであって、上記した別圧送吹き付けの工法に比較して、更なる高所への混合物の吹き付け、或いは、水平距離での遠方への吹き付けが可能で、しかも、圧送用ホースはもとより筒体内での詰まりが解消される混合物の吹き付け工法と、その工法に用いて好適な混合物の吹き付け装置とを提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
即ち、骨材とセメントミルクとの混合物の吹き付け工法として、本発明では、混合物の吹付ノズルを先端に備えたホースを、ノズル近傍に設置される可搬式混合装置の混合用筒体に対して、それの一端側に同芯状に接続すると共に、この混合用筒体の他端側にこの骨材圧送用のホースを同芯状に接続し、かつ、混合用筒体の内径を骨材圧送用ホースの内径3倍までの大径にして、この筒体の骨材圧送用ホースの接続部近傍の筒壁にセメントミルクの圧送用ホースを接続すると共に、筒体内に圧送される骨材に対してセメントミルクを斜め後方から供給するように、セメントミルクの吐出方向を筒体軸線に対して傾斜させて、筒体内に別々に圧送された骨材とセメントミルクとを筒体内で混合し、その混合物をノズルから吐出することを特徴がある(請求項1)。
【0015】
この際、可搬式混合装置へのセメントミルクの供給量を制御するだけで(請求項2)、骨材とセメントミルクとの配合比を簡単に変更することができる。
【0016】
上記の骨材とセメントミルクとを別圧送する吹き付け工法によれば、混合用筒体の内径を骨材圧送用ホースの内径3倍までの大径にしたことで、筒体の内径が大き過ぎることに起因する骨材の急激な流速の低下が生じなくなり、これによって骨材の詰まりを回避することが可能となる。
【0017】
そして同時に、骨材の流速を低下させることなく、筒体内で所謂負圧作用を発生させることが可能となるため、セメントミルクは、筒体内で加速されて筒体の内壁に繰り返し衝突し拡散する。
【0018】
一方、骨材については、これに粘性を高めるセメントを配合せずに圧送することから、従来のようにセメントの付着による圧送用ホースの閉塞は生じず、骨材はプラズマ状態になって筒体内に導入され、かつ、これに加えて、セメントミルクを骨材に対して斜め後方から交差させるように供給することで、筒体内では、プラズマ状態の骨材と加速・拡散したセメントミルクとが瞬時に効率良く混合するようになり、混合物として、これを極めて均一な高品質のものにして吹き付け可能となる。
【0019】
また、セメントミルクは圧送抵抗が小さく、かつ、骨材にしても、これにセメントを配合していないことから、これの圧送抵抗も小さく、更に、上記したようにホースの閉塞が生じないことから、既に提案している別圧送吹き付けの工法に比較して、更なる高所への混合物の吹き付け、或いは、水平距離での遠方への吹き付けが可能となる。
【0020】
好適には、金属製、ガラス製、合成樹脂製の繊維の少なくとも一つを、骨材とセメントミルクの少なくとも一方に添加することであって(請求項3)、この繊維の添加によって、モルタルまたはコンクリートの強度アップが達成される。
【0021】
骨材とセメントミルクとの混合物の吹き付け装置として、先端に混合物の吹付ノズルを備えた混合物圧送用のホースと骨材圧送用のホースとを、ノズル近傍に設置される可搬式混合装置の混合用筒体に対して、それの両端部に同芯状に接続すると共に、混合用筒体の内径を骨材圧送用ホースの内径3倍までの大径にして、この筒体の骨材圧送用ホースの接続部近傍の筒壁にセメントミルク圧送用のホースを接続し、かつ、このホースによるセメントミルクの吐出方向を筒体軸線に対して傾斜させて、筒体内に圧送される骨材に対してセメントミルクを斜め後方から供給するように構成することで、請求項1記載の工法に用いて好適な混合物の吹き付け装置が提供される(請求項4)。
【0022】
この際、セメントミルクの筒体内への注入口部に、セメントミルク拡散手段を備えれば(請求項5)、筒体内にセメントミルクが膜状に供給されて、骨材は確実にセメントミルクと接触し、両者の混合が効率的に行われることで、更なる均一な高品質の混合物を得ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は骨材とセメントミルクとの混合物(砂などの細骨材とセメントミルクとを混合したモルタル、又は、砕石などの粗骨材とセメントミルクとを混合したコンクリートであり、通常は配合比がセメント1:砂4:水0.5のモルタルが用いられるもので、以下、モルタルと言う。)1の吹き付けによる法枠2の成形状況ならびに植生基材3の吹き付けによる法面Nの緑化保護状況を示している。
【0024】
具体的には、法面Nに金網などのネット4を張設すると共に、このネット4上に鉄筋5を格子状に配置して、この格子状の鉄筋5による空間部に養生シート6を配置する一方、格子状の鉄筋5を覆うようにモルタル1を吹き付けて、格子状の法枠2を形成し、その後、養生シート6を剥がし、かつ、植物種子や肥料を含んだ植生基材3を法枠2内に吹き付けて、法面Nの緑化保護を図るようにしている。
【0025】
モルタル1の吹き付け装置は、細骨材としての砂8の圧送機9と、この圧送機9に接続されたエアコンプレッサー10と、セメント11と水12との配合比が1:0.5のセメントミルク13の圧送用ポンプ14と、ホース15,16を介して砂8とセメントミルク13とを導入し、これらを混合してモルタル1として吐出する可搬式の混合装置17と、この可搬式混合装置17のモルタル吐出口(図2を参照)18に接続のモルタル圧送用のホース19、及びこのホース19の先端に備えたモルタル吹付ノズル20とから成る。
【0026】
上記ポンプ14によって圧送されるセメントミルク13の供給量は、ポンプ14が備える吐出量ゲージによって設定変更されるもので、事前に測定した骨材(砂)8の圧送量に応じてポンプ14によるセメントミルク13の吐出量を調整することで、砂8とセメントミルク13との配合比を任意に制御できるようになっている。
【0027】
上記のモルタル圧送用のホース19は、可搬式混合装置17を中心にしてモルタル1の吹き付け範囲を3〜20m程度の吹き付け半径にするように、ノズル20を含む長さを3〜20m程度に設定しており、このノズル20の近傍に設置されるところの可搬式の混合装置17は、砂8とセメントミルク13とを混合するための混合用筒体21を主体に構成されている。
【0028】
この混合用筒体21は、図2及び図3に示すように、その内径Dが砂圧送用ホース15の内径dよりもやゝ大径(後述するように、同径〜3倍でよい。)であって、一端側(モルタル吐出口18側)を順次絞り気味にして、その吐出口18の外周面部に、モルタル圧送用ホース19を同芯状に接続するための雄ねじ部22を形成する一方、他端側にも、砂圧送用ホース15を同芯状に接続するための雄ねじ部23を形成し、かつ、この筒体21の砂圧送用ホース15の接続部近傍の筒壁21aに、セメントミルク13の注入コック24を接続するための雌ねじ部25を形成して、このコック24にセメントミルク圧送用のホース16を接続するようにしている。
【0029】
そして、前記雌ねじ部25の筒体内方への延長軸線Pを、筒体軸線Qを通す状態で且つ筒体軸線Qに対して例えば40度の角度θで傾斜させて、筒体21内に圧送される砂8に対してセメントミルク13を斜め後方から供給するように構成する一方、雌ねじ部25による筒体21内へのセメントミルク13の注入口部を筒体21の軸線方向で絞って、この絞り口部によってセメントミルク13を膜状に拡散させるための拡散手段26を構成している。
【0030】
上記構成のモルタル吹き付け装置によれば、混合用筒体21の内径Dを砂圧送用ホース15の内径dよりもやゝ大径にしたことで、一定の速度で筒体21内に圧送される砂8の急激な流速の低下が生じなくなり、筒体21内での砂8の詰まりが確実に回避される。
【0031】
これと同時に、砂8の流速を低下させることなく、筒体21内で所謂負圧作用が発生することで、セメントミルク拡散手段26を通して筒体21内に加速導入されたセメントミルク13は、瞬時に濃密な膜状のセメントミルク13と化し、一方、砂8については、従来のように、粘性を高めるセメントを配合せずに圧送することから、砂8はプラズマ状態になって筒体21内に導入されることとなり、これに加えて、セメントミルク13を砂8に対して斜め後方から交差させるように供給することで、筒体21内では、濃密な膜状のセメントミルク13と砂8とが瞬時に効率良く混合されるのであって、これに上記した砂8の詰まりが回避されることが相乗することで、モルタル1を極めて均一な高品質のものにして、これをノズル20から法面Nに吹き付けることができる。
【0032】
即ち、従来のように、セメントと砂と水を機械的に撹拌して、モルタルそのものをホースで圧送する吹き付け工法に比較して、上記構成のモルタル吹き付け装置では、機械式の不均一な撹拌に頼ることがない。その結果、混合斑の少ない極めて高品質のモルタル1を容易に且つ瞬時に得ることができるのであり、かつ、従来必要とした3割ものリバウンドロスを大幅に低減させることも可能となり、砂8の使用量を大幅に削減することが可能となる。
【0033】
また、セメントミルク13は圧送抵抗が小さく、砂8にしても、これにセメントを配合していないことから、これの圧送抵抗も小さく、これらを別々に圧送することに加えて、これらをモルタル1にして圧送するラインも短いことから、高所へのモルタル1の吹き付け、或いは、水平距離での遠方へのモルタル1の吹き付けが可能となり、モルタル吹き付け能力の大幅な改善が達成される。
【0034】
因みに、砂圧送用ホース15の内径dを42mmにして、砂8を200Kg/バッチ/1.5分で筒体21内に圧送し、セメントミルク圧送用ホース16の内径d1を25mmにして、セメントミルク13を75Kg/1.5分で筒体21内に拡散圧送し、これらを混合する筒体21の全長を1000mm、内径Dを94mmとし、かつ、モルタル圧送用ホース19の内径d2を42mmにして、モルタル1をモルタル吐出口18からノズル20に圧送した実施の形態では、水平距離で400m以上にわたるモルタル1の吹き付け確認が成されている。
【0035】
上記の実施の形態では、骨材として砂8を用いて、この砂8とセメントミルク13とを混合したモルタル1の吹き付けについて説明したが、砂8に代えて砕石を用いて、この砕石とセメントミルク13との混合によるコンクリートの吹き付けも可能である。
【0036】
従って、上記構成の吹き付け装置と、砂8または砕石と、セメント11と、水12とを用意すれば、場所と時間とに制約されることなく、随時にモルタル1あるいはコンクリートの吹き付けが可能であって、現在問題となっているトンネル内のコンクリート剥落事故等に繋がる問題、即ち、打設の時間的な制約や、過剰な水セメント比に起因する生コンの不良施工を回避できるのであり、本発明の吹き付け工法によれば、モルタルあるいはコンクリート構造物の品質低下を来す虞れが殆どないのである。
【0037】
ここで、上記の吹き付け工法によるモルタルおよびコンクリートの28日圧縮強度を測定したところ、従来工法の15N/mm2 に比較して、平均30N/mm2 以上と大幅に向上できることが判明したのであり、これによって、例えば法枠による法面の保護工法においては、従来と同等強度の法枠を小型の法枠でも得ることができるなど、工事の大幅なコスト低減が達成される。
【0038】
上記の実施の形態では、混合用筒体21の内径Dを、砂圧送用ホース15の内径dの2.2倍(面積で4.8倍)に設定しているが、内径Dの異なる複数本の筒体21を用意して、モルタルの吹き付け実験を繰り返し行ったところ、筒体内径Dがホース内径dの3.0倍(面積で9倍)までの筒体21では、砂8の詰まりは一切生じず、筒体内径Dがホース内径dの4.0倍以上の筒体21では、砂8の詰まりがしばしば生じ、この間の筒体21では、ごく稀に砂8の詰まりが生じたのであり、逆に、混合用筒体21の内径Dをホース内径dよりも小さくしても、砂8の詰まりが生じたのであって、このことから、混合用筒体21の内径Dは、砂圧送用ホース15の内径dの1.0倍〜3.0倍(面積で9.0倍)の範囲に設定することが肝要である。
【0039】
尚、セメントミルク拡散手段26を設けることは必須の要件ではなく、即ち、図4(A),(B)に示すように、雌ねじ部25による注入口部を絞ることなく、雌ねじ部25を筒体21に対して単純に連設してもよいのであり、この構成では、セメントミルク13は拡散を伴って筒体21内に棒状に圧送されて、筒体21の内壁に繰り返し衝突し、砂8と混合するようになる。
【0040】
これに対して、図5(A),(B)に示すように、口部の絞りによるセメントミルク拡散手段26を備えた際は、散水ホースの口部を潰して吐水するときのように、セメントミルク13は扇形の膜状と化して、この膜状のセメントミルク13が筒体21内を斜めに横断するように、筒体21内に圧送されて、筒体21の内壁に繰り返し衝突するのであって、セメントミルク13が膜状に拡散して、砂との接触効率が格段と高くなることから、セメントミルク拡散手段26を備えることは極めて好適である。
【0041】
上記したモルタル又はコンクリートの吹き付けに際して、金属製、ガラス製、合成樹脂製の繊維の少なくとも一つを、骨材とセメントミルクの少なくとも一方に添加し、吹き付けるようにすれば、従来必要とした鉄筋を使用することなく、極めて圧縮強度および引っ張り強度の高いモルタル又はコンクリート構造物を作成することができる利点がある。
【0042】
特に、高所の作業においては、重量が大きな鉄筋を運搬する必要がなくなるため、非常に容易にしかも安全に施工することが可能となる。
【0043】
添加する繊維としては、連続した繊維と所定長さに切断した繊維の何れでも用いることができ、また、繊維の太さも素材によって任意のものが使用できる。
【0044】
比較的繊維長が短いものを使用する場合は、骨材やセメントミルクに予め混合して圧送すればよく、繊維長が長いものは、可搬式の混合装置17やノズル20の適宜箇所に、繊維を風圧で送るホースを接続して、骨材とセメントミルクの混合物に添加するようにすればよい。
【0045】
金属製繊維の原料としては、鋼やステンレス等が用いられるが、錆を生じにくい性質のものが好ましい。合成樹脂製繊維の原料としては、アラミド等が用いられ、引っ張り強度が高いものが好ましい。
【0046】
また、いずれの繊維も、モルタルまたはコンクリートに対して、通常、体積比0.01〜3.0%程度の割合で使用するが、必要とする強度に応じて増減可能である。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、モルタル等の強度に最も影響を及ぼすセメント分のバラツキを生じさせることなく、骨材と均一に混合された高品質の混合物を、従来に比べて更に高所に或いは水平距離で遠方に吹き付け可能で、しかも、筒体内での詰まりが効果的に解消される混合物の吹き付け工法が提供される。
因みに、機械式の不均一な撹拌に頼ることがないので、混合斑の少ない極めて高品質のモルタル1を容易に且つ瞬時に得ることができるのであり、かつ、従来必要とした3割ものリバウンドロスを大幅に低減させることも可能となり、砂8の使用量を大幅に削減することが可能となる。併せて、モルタルおよびコンクリートの28日圧縮強度を測定したところ、従来工法の15N/mm 2 に比較して、平均30N/mm 2 以上と大幅に向上できることが判明したのであり、これによって、例えば法枠による法面の保護工法においては、従来と同等強度の法枠を小型の法枠でも得ることができるなど、工事の大幅なコスト低減が達成される。
【0048】
これに加えて、請求項2記載の発明によれば、骨材とセメントミルクとの配合比が容易に制御可能な混合物の吹き付け工法が提供され、請求項3記載の発明によれば、従来必要とした重量が大きな鉄筋を使用することなく、極めて圧縮強度および引っ張り強度が高くて、耐用年数の長いモルタルまたはコンクリートの構造物を構築できる混合物の吹き付け工法が提供される。
【0049】
そして、請求項4記載の発明によれば、請求項1〜3記載の工法に用いて好適な混合物の吹き付け装置が提供され、これに加えて、請求項5記載の発明によれば、骨材とセメントミルクとの混合が効率的に行われる高品質混合物の吹き付け装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】法枠の成形状況ならびに植生基材の吹き付けによる法面の緑化保護状況を示す形態図である。
【図2】可搬式混合装置の断面図である。
【図3】可搬式混合装置の筒体をモルタル吐出口側から見た端面図である。
【図4】(A)及び(B)はセメントミルク拡散手段を備えない構成での筒体内へのセメントミルクの圧送説明図である。
【図5】(A)及び(B)はセメントミルク拡散手段を備えた構成での筒体内へのセメントミルクの圧送説明図である。
【符号の説明】
1…混合物(モルタル)、8…骨材(砂)、13…セメントミルク、15…骨材圧送用ホース、16…セメントミルク圧送用ホース、17…可搬式混合装置、19…混合物圧送用ホース、20…混合物の吹付ノズル、21…混合用筒体、21a…筒壁、24…注入量調整用のコック、26…セメントミルク拡散手段、d,D…内径。

Claims (5)

  1. 骨材とセメントミルクとの混合物の吹き付け工法であって、混合物の吹付ノズルを先端に備えたホースを、ノズル近傍に設置される可搬式混合装置の混合用筒体に対して、それの一端側に同芯状に接続すると共に、この混合用筒体の他端側にこの骨材圧送用のホースを同芯状に接続し、かつ、混合用筒体の内径を骨材圧送用ホースの内径3倍までの大径にして、この筒体の骨材圧送用ホースの接続部近傍の筒壁にセメントミルクの圧送用ホースを接続すると共に、筒体内に圧送される骨材に対してセメントミルクを斜め後方から供給するように、セメントミルクの吐出方向を筒体軸線に対して傾斜させて、筒体内に別々に圧送された骨材とセメントミルクとを筒体内で混合し、その混合物をノズルから吐出することを特徴とする混合物の吹き付け工法。
  2. 可搬式混合装置へのセメントミルクの供給量を制御して、骨材とセメントミルクとの配合比を変更することを特徴とする請求項1に記載された混合物の吹き付け工法。
  3. 金属製、ガラス製、合成樹脂製の繊維の少なくとも一つを、骨材とセメントミルクの少なくとも一方に添加することを特徴とする請求項1または2に記載された混合物の吹き付け工法。
  4. 骨材とセメントミルクとの混合物の吹き付け装置であって、先端に混合物の吹付ノズルを備えた混合物圧送用のホースと骨材圧送用のホースとを、ノズル近傍に設置される可搬式混合装置の混合用筒体に対して、それの両端部に同芯状に接続すると共に、混合用筒体の内径を骨材圧送用ホースの内径3倍までの大径にして、この筒体の骨材圧送用ホースの接続部近傍の筒壁にセメントミルク圧送用のホースを接続し、かつ、このホースによるセメントミルクの吐出方向を筒体軸線に対して傾斜させて、筒体内に圧送される骨材に対してセメントミルクを斜め後方から供給するように構成して成ることを特徴とする混合物の吹き付け装置。
  5. セメントミルクの筒体内への注入口部に、セメントミルク拡散手段を備えて成る請求項4に記載された混合物の吹き付け装置。
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