JP3591849B2 - 記憶装置及びこの記憶装置の動作方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、アドレス指定可能かつ電気的にプログラム可能な記憶セルのマトリクスを具えた集積記憶装置に関するものであり、これらの各セルは浮動ゲートを有するMOSトランジスタを具えて、これらの浮動ゲートの電荷はプログラミング電圧によって制御可能であり、これらの浮動ゲートの各々は制御ゲートも構成し、この記憶装置は制御回路も具えて、この制御回路は、所望のプログラミング電圧よりも高い高電圧を受ける電圧入力と、このプログラミング電圧を供給する電圧出力と、記憶セルのトランジスタと同じ構成であり、かつ製造公差の観点からほぼ最適値のプログラミング電圧を前記高電圧から導出すべく動作する追加的なトランジスタとを具えている。
【0002】
【従来の技術】
この種の記憶装置は、米国特許US−PS 4,954,990号より既知である。浮動ゲートを有するそれぞれのMOSトランジスタを具えた記憶セルを具えたメモリは、EPROM(消去可能なプログラマブルROM)と称される。これは、個々の記憶セルが電気的にプログラム可能であることを意味する。各記憶セルは、記憶セルのトランジスタの浮動ゲートが充電されているか否か、すなわちプログラムされているか否かに依存する1ビットの値を含む。プログラミングはプログラミング電圧によって実行し、所望の記憶セルのトランジスタの所定端子にプログラミング電圧を印加して、浮動ゲート上に電荷を蓄積させる。
【0003】
プログラミング電圧の値はある程度正確に制御しなければならない。プログラミング電圧が高すぎると、プログラミング中に記憶セルが破壊あるいは少なくとも損傷されて、頻繁な再プログラミングがもはや不可能になり得る。プログラミング電圧が低すぎると、個々の記憶セルが明確にプログラムされなくなり、即ちこれらの記憶セルの読出し時に、どのような値を記憶したのかが不明確になる。しかし、記憶セルの損傷も発生しなければ、記憶セルの不明確なプログラミングもあり得ないプログラミング電圧の範囲は、集積メモリの製造公差にある程度依存して、メモリの外部から決定することは非常に困難である。従って、製造した種々のメモリに対して、関連するメモリの個々の最適電圧範囲内に常にあるようなプログラミング電圧の値を指示することは、実際には不可能である。
【0004】
引例の米国特許US−PS 4,954,990号によるメモリ装置では、記憶セルのトランジスタと同じ特性を有する追加的なトランジスタを用いて、より高いプログラミング電圧または高電圧から、実際の記憶マトリックスに印加するプログラミング電圧を導出して、このプログラミング電圧が、関連するメモリ用にほぼ最適な値を有するようにしている。こうするために、前記高電圧の印加中に、前記追加的なトランジスタを通る電流を測定し、そして複数の電流ミラーによって、前記プログラミング電圧に、この電流に応じた影響を与えて、即ち前記プログラミング電圧が電流が大きくなると共に、前記プログラミング電圧を低下させている。しかし、この回路装置は、さらなる分圧器並びに多数の構成要素を必要とし、その動作は必ずしも高信頼性ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、単純かつ高信頼性の方法で、前記プログラミング電圧をほぼ最適値に調整可能な、前述した種類の記憶装置を構成することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この目的は本発明によって達成され、本発明では、前記追加的なトランジスタのドレインを前記電圧出力に結合して、前記追加的なトランジスタのソースを、第1スイッチ経由で制御電圧入力に結合可能にし、かつ第2スイッチ経由で前記電圧入力に結合可能にして、前記追加的なトランジスタの制御ゲートを、第3スイッチ経由で基準電圧に結合可能にし、かつ少なくとも第4スイッチ経由で前記電圧入力に結合可能にする。
【0007】
本発明による記憶装置の制御回路内のスイッチの適切な制御は、前記追加的なトランジスタのドレインが、製造公差に応じた最適なプログラミング電圧をほぼ正確に出力するように、前記追加的なトランジスタのプログラミングを行うことを可能にする。このプログラミング電圧は、高い信頼性で、ほぼ最適な値に調整することができる、というのは、この調整は、前記追加的なトランジスタの特性のみを利用して、さらなる素子は利用しないからである。
【0008】
EPROM及び特にEEPROM(電気的に消去可能なEPROM)は専らMOSトランジスタを用いて構成されて、プログラミング電圧を発生する制御回路が集積された記憶装置の一部を形成するので、集積記憶装置内のスイッチもMOSトランジスタによって構成することが好ましい。従って、本発明の好適例は、記憶セルのトランジスタをNMOSトランジスタとして構成する際に、前記第1及び第3スイッチをNMOSトランジスタとして構成して、前記第2及び第4スイッチをPMOSトランジスタとして構成して、前記第1及び第2スイッチのゲートを共に、第1制御入力を介して制御可能にして、前記第3及び第4スイッチのゲートを共に、第2制御入力を介して制御可能にしたことを特徴とする。この構成は、所望のプログラミング電圧の発生を調整するための2つの制御入力のみによって、本発明による記憶装置の完全な制御を可能にする。
【0009】
メモリのプログラミング中には、選択した記憶セルのトランジスタはプログラミング電圧を直接受けずに、アドレスデコード(復号化)回路の少なくとも一部を具えた選択回路経由で受ける。最適なプログラミング電圧を発生する前記追加的なトランジスタの調整において、このことを考慮に入れるために、本発明のさらなる好適例は、前記第4スイッチと前記追加的なトランジスタの制御ゲートとの間にさらなるNMOSトランジスタを接続して、このNMOSトランジスタのゲートを、前記第4スイッチに接続した端子に接続したことを特徴とし、前記追加的なトランジスタの制御ゲートを、第5スイッチ経由で前記電圧入力に接続可能にして、この第5スイッチも、PMOSトランジスタとして構成し、かつ前記第1制御入力を介して制御可能にする。こうして、このさらなるトランジスタが選択回路のように動作して、通常動作中には、このさらなるトランジスタが前記第5スイッチによって擬似的に橋絡(ブリッジ)されて、前記制御ゲートの電圧はもはや、前記追加的なトランジスタの調整したしきい値に影響を与えない。
【0010】
本発明による記憶装置を動作させる方法は、単純かつ高信頼性の方法で、ほぼ最適な値を有するプログラミング電圧を高電圧から導出することを意図したものであり、この方法は、前記追加的なトランジスタのゲートに前記プログラミング電圧を発生させて、通常の記憶動作中には、前記追加的なトランジスタのソースを前記高電圧に結合して、前記追加的なトランジスタの制御ゲートが本質的に、前記高電圧の電位を有し、少なくともメモリを最初に活性化する前の第1調整ステップ中に、前記追加的なトランジスタの制御ゲートが低電圧を受けて、前記追加的なトランジスタのソースが本質的に、前記追加的なトランジスタの完全なプログラミングを行ってこのトランジスタを常時オン状態に設定するのに十分な期間だけ高電圧を受けて、第2調整ステップ中に、前記記憶セルのプログラミング期間に相当する期間だけ、前記追加的なトランジスタのゲートに本質的に高電圧を印加して、前記追加的なトランジスタのソースが、前記基準電圧と前記高電圧の分圧値との間の調整電圧を受けて、この分圧値はメモリの動作中の所望特性に応じた値であることを特徴とする。
【0011】
このように本発明によれば、前記追加的なトランジスタの記憶特性を利用して、メモリを最初に活性化する前に、このトランジスタをしきい値にプログラムして、このしきい値は本質的に、前記高電圧と、前記追加的なトランジスタのプログラミング、従って記憶セルのトランジスタのプログラミングに必要なプログラミング電圧との差に相当する。通常の動作については、前記追加的なトランジスタを、前記プログラムしたしきい値電圧を有するソース・フォロワーとして動作させる。
【0012】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
図1の下部に、ゲートの電荷を制御可能な浮動ゲートを有する記憶トランジスタTMを具えた記憶装置の一部の構成要素を示す。ここには多数の選択トランジスタTRS及びTCSも設けている。各記憶トランジスタTMには、選択トランジスタTRS が関連している。これらの、記憶トランジスタTM及び選択トランジスタTRSの対は、行及び列のマトリクス(行列)の形態で配置され、簡単のため、最初及び最後の列の最初の2行のみを示す。このマトリクスの個々の行は、行アドレス線X、X、等をによって選択し、これらの線はアドレスデコーダ(図示せず)によって制御する。各行内のメモリ・ワード(語)のビットは並列的に書込み及び読出しを行い、ここでは簡単のため、各メモリ・ワードの最初及び最後のビットの素子のみを示す。
【0014】
個々の列は列選択線XSによって選択し、この線には、記憶トランジスタTMと選択トランジスタTRSとの直列接続の一端を接続する。選択線CSを列選択トランジスタTCSに接続して、列選択トランジスタTCSは(n+1列から成るマトリクスについては)列アドレス線Y〜Yによって制御し、これらの線自体には、アドレスデコーダ(図示せず)によって給電する。列アドレス線Y〜Yは、書込み選択線CWに接続した書込み選択トランジスタTCWも制御し、書込み選択線CWは、書込みモード、及びこれに加えて消去モードのみにおいて活性になる。
【0015】
選択トランジスタTCS及びTCWの他端は、3つの位置を具えた選択スイッチSSに接続し、選択スイッチSSは簡単のため機械的スイッチとして示してあるが、実際にはトランジスタによっても同様に実現することができ、そしてメモリの書込みモード、読出しモード、あるいは消去モードを調整すべく、まとめて制御することができる。
【0016】
選択スイッチSSの左側位置(図1に示す位置と異なる)では、選択トランジスタTCSがプログラミング電圧用の線に接続され、プログラミング電圧は、図1の上部の制御回路Cの出力Voによって供給される。しかし、書き込むべき情報(図1に示さず)によって追加的な制御が行われて、即ち、書き込むべきワードの1つの2進値のビット用の選択トランジスタTCSのみがプログラミング電圧に接続される。従って、列アドレス線Yによって駆動される列の列選択線CSも、書き込むべき情報に応じてプログラミング電圧を搬送する。上記のようにしてオン状態にした行選択トランジスタTRSによって、行アドレス線のうちの1本、例えばXのみが駆動されので、プログラミング電圧は、書き込むべき情報に応じて、記憶トランジスタTMの群のうちの1つの端子に現われる。
【0017】
同時に、選択スイッチSSのこの左側位置では、例えば接地電位のような基準電位が選択トランジスタTCWに印加されて、選択した列では、選択線CWもこの基準電位を有する。これにより基準電位が、この選択線CWに接続され、同時に行アドレス線によって駆動される選択トランジスタTWを介して、記憶トランジスタのゲートに印加されて、記憶トランジスタは、選択した列線CS及び選択した行選択トランジスタTRSを介してプログラミング電圧を受けるので、記憶トランジスタTMの関連端子とゲートとの間にプログラミング電圧が存在して、結果的に、これらの記憶トランジスタの浮動ゲートがトンネル効果によって充電される。
【0018】
読出しモードでは、選択スイッチSSの中央位置(すなわち図に示す位置)で、選択トランジスタTCSの1つの端子が開放されて、同時に、読出しトランジスタTRが入力Rを介して駆動されて、すべての記憶トランジスタTMの1つの端子が基準電位に接続される。そして書込み中に浮動ゲートが充電されている記憶トランジスタTMが、この基準電位を、比較的低い抵抗で、関連する行選択トランジスタTRSの1つの端子に接続して、この電位は、行アドレス線Xによって選択した行に応じて、この場合には読出し線として動作する線CSに転送される。列アドレス導線Yの1本のみが駆動されるので、1列のみの線CSが選択スイッチSSに接続されて、選択スイッチSSは図に示す位置で、読み出したワードを取得することができる。
【0019】
メモリの消去モードを決定する選択スイッチSSの右側位置では、選択した列の列選択線CSが基準電位に接続されて、この基準電位は、選択した行選択トランジスタTRSを介して、選択したメモリ・ワードの記憶トランジスタTMの1つの端子に印加される。同時にプログラミング電圧が、選択した列の選択トランジスタTCWを介して列線CWに印加されて、このプログラミング電圧が、選択した選択トランジスタTWを介して、選択したデータ・ワードの記憶トランジスタTMのゲートに印加されるので、これらの記憶トランジスタの浮動ゲート上に存在するあらゆる電荷は再び、トンネル効果によって除去される。
【0020】
従って、書込みモード及び消去モードにおける、選択したメモリ・ワードの記憶トランジスタの1つの端子とゲートとの間に存在するプログラミング電圧は、書込みあるいは消去の継続時間中に適切な電荷量がこれらのトランジスタの浮動ゲートに、あるいは浮動ゲートから転送される程度に高くなくてはならない。他方では、このプログラミング電圧は、高過ぎてもいけない、というのは、高過ぎれば、これらの記憶トランジスタが損傷され、そして書込み及び消去サイクルの回数が減少するかあるいは誤り率が増加するからである。従って、記憶デバイス用のプログラミング電圧は、図1の上部に示す制御回路Cによって発生する。
【0021】
図中では、記憶マトリクスの記憶トランジスタTMと同じ構成のトランジスタT0が、浮動ゲート兼制御ゲートGSを具えている。トランジスタT0のドレインDは電圧出力Voに接続されて、この出力からメモリ用のプログラミング電圧を導出することができる。トランジスタT0のソースSは点Pに接続されて、点Pは、第1MOSトランジスタT1を介して調整電圧入力Vcに接続するか、あるいは共にPMOSトランジスタとして構成した第2トランジスタT2と第4トランジスタT4との直列接続を介して、高電圧を印加する電圧入力Viに接続することができる。この高電圧は、慣例のように、メモリの低い動作電圧から高電圧発生器によって発生することができ、この高電圧発生器は、図1に示す回路装置と同様に、メモリ及び関連するアドレス選択回路と共に集積することができる。
【0022】
トランジスタT0の制御ゲートGSは、第3トランジスタT3を介して基準電圧に接続され、そしてトランジスタT6とトランジスタT4との直列接続を介して電圧入力Viに接続され、トランジスタT6は、一定電圧降下を有する一種のダイオードとして接続してある。さらに制御ゲートGSは、第5PMOSトランジスタT5を介して点Qに接続することができ、点Qは、2つのトランジスタT2とT4との接続を構成する。すべてのトランジスタT1〜T6、換言すればトランジスタT0以外のすべてのトランジスタは通常、常時オフ型のMOSトランジスタである。トランジスタT1、T2及びT5のゲートは第1制御入力1に接続して、トランジスタT3及びT4のゲートは第2制御入力2に接続する。
【0023】
電圧出力Voにおけるプログラミング電圧を調整するために、制御入力1及び2、並びに調整電圧入力Vcが、2つの連続する調整ステップ及びこれに続く通常動作中に表1に示す電圧を受けて、電圧入力Viは一定の高電圧Vhを連続して受ける。
【表1】
Figure 0003591849
【0024】
従ってステップ1中には、調整電圧入力は、電圧入力Viにも存在する高電圧Vhを受ける。制御入力1及び2も、高電圧Vhを受けるか、あるいはより高い電圧を受けて、この電圧から安定化回路によって高電圧Vhを得る。これらの電圧の正確な値は厳密なものではない、というのは、このステップ中に、トランジスタT2、T4及びT5がオフ状態になって、トランジスタT1及びT3がオン状態になることのみが重要だからである。このことは、制御入力1及び2の電圧が既に高電圧Vhに等しい場合である、というのは、トランジスタT4はエントンスメント型であり、結果的に、回路点Qが浮動状態になって、トランジスタT3は通常、前記高電圧よりもずっと低いしきい値電圧を有して、これにより、このトランジスタが確実にオン状態になって、図2aに示すように、トランジスタT0の制御ゲートGSを基準電位に接続するからである。トランジスタT1によって、回路点Pは、制御入力1の電圧よりもトランジスタT1のしきい値電圧に等しい分だけ低いが、最大でも調整電圧入力Vcの電圧に等しい電圧を有する。従ってトランジスタT0をプログラムすることができ、即ちトランジスタT0が常時オンの状態に入って、この状態では、ゲートGSがソースSに接続されると、トランジスタT0はほどんど電圧降下なしに導通する。このことは、制御入力1の電圧が、トランジスタT0を高い信頼性で図に示す状態に設定するのに十分なものである限り、この電圧を正確に規定する必要がないことを表わしている。
【0025】
トランジスタT0の、このように明確に規定した状態に基づいて、調整手順の第2ステップを実行して、このステップ中には、制御入力2が本質的に基準電位を受けて、調整電圧入力Vcには、基準電圧と前記高電圧の分圧値との間の電圧が印加される。以下、この電圧のより正確な値について詳細に説明する。制御入力1はまだ高電圧を受けている。
【0026】
図2bに、この時点で活性であるトランジスタを示す。既に述べたように、トランジスタT3は常時オフ型であり、その1つの端子及びゲートが共に基準電位に接続されているので、トランジスタT3はオフ状態であり、従って不活性である。しかし、トランジスタT1は電圧降下のない完全な導通状態である、というのは、制御入力1の電圧、従ってトランジスタT1のゲートの電圧が、調整電圧入力Vcの電圧よりも十分に大きい正の値だからであり、これにより回路接続点Pの電圧、従ってトランジスタT0のソースSの電圧も決まる。
【0027】
そして制御入力2の電圧が低いために、トランジスタT4がオン状態になって、回路節点Qも高電圧Vhを有して、この電圧は電圧入力Viにも印加されて、この電圧からトランジスタT6のしきい値電圧を引いた電圧が、トランジスタT0のゲートGSに印加される。トランジスタT6は記憶マトリクス内のアクセストランジスタを表わすので、記憶マトリクスの記憶セル内のトランジスタは、アクセストランジスタのしきい値電圧に等しい分だけ低いプログラミング電圧を受ける。
【0028】
ここでは、調整電圧入力Vcの電圧が、従って回路点P及びトランジスタT0のソースSの電圧も、基準電圧に等しいものと仮定する。結果として、トランジスタT0が再プログラムされ、即ちEEPROM(電気的に消去可能なプログラマブルROM)では部分的に消去されて、これによりトランジスタT0のしきい値電圧が正の値に移動(シフト)する。この際に生じるしきい値電圧は種々の要因に依存する。まず第1に、前記高電圧の値が高いほど、この移動量が大きくなる。前記高電圧を発生する発生器がメモリ自体のチップ上に集積されているので、この高電圧値に関する連続的な補償が達成される。しかし他方では、トランジスタT0の製造に依存する特性が、例えばより低いプログラミング電圧を必要とする際には、ソースS及び制御ゲートGSに印加する所定電圧に対しては、前記しきい値が自動的に低下し、従って通常動作条件ではプログラミング電圧も低下する、というのは、記憶セルのトランジスタは、追加的なトランジスタT0と同様に、より低いプログラミング電圧を必要とするからである。逆の場合、即ちより高いプログラミング電圧が必要な際にも、同様のことが成り立つ。このようにして、個々の記憶トランジスタに必要なプログラミング電圧、あるいは最適なプログラミング電圧に影響を与えるメモリの製造公差は、十分な程度まで自動的に補償される。
【0029】
指示した電圧を印加する期間である、調整手順の第2ステップの持続期間も、影響を与える。前記追加的なトランジスタのしきい値電圧についての飽和値が存在しても、十分長い期間の後にはこの値に達して、メモリの通常動作中には、最終条件に達する前に十分な期間だけプログラミング手順を中断して、この中断はメモリの書込み及び消去動作を加速すべく行い、このことの効果を考慮に入れるために、調整手順の第2ステップの持続期間は本質的に、通常動作における記憶セルのプログラミング期間に等しいことが好ましい。第2ステップの持続期間を延長することによって、トランジスタT0のしきい値電圧を増加させることができ、そして、第2ステップがメモリの動作中の通常のプログラミング期間よりも短い持続期間を有する際には、前記しきい値電圧をより低い値に調整することができ、前記プログラミング期間は往々にして、メモリ・チップ上に集積された発振器によっても決まる。
【0030】
さらに影響を与える可能性のあるものは、調整電圧入力における調整電圧の値である。この値が基準電圧よりも高い際には、トランジスタT0の制御ゲートGSとソースSとの電圧差が、通常動作中に記憶セルのトランジスタが受けるプログラミング電圧よりも小さく、このため、これらのトランジスタが少し増加した電圧ストレスにされされても、これらのトランジスタは短い期間内に、明確にプログラムされた状態に達する。従って調整電圧入力Vcの電圧は、所定の程度まで、プログラミング期間を決定するために用いることができ、このプログラミング期間によって、その後の段階においてメモリを高い信頼性で動作させることができる。
【0031】
上述した、実質的に製造に依存する最適値を有するプログラミング電圧を得るための調整手順は、メモリを最初に活性化させる前に、例えば製造の終了と試験手順との間に、1回だけ実行する必要がある、というのは、浮動ゲートを有するトランジスタの設定は、長期間にわたって記憶可能なデータと同様に、非常に長期間の安定性を有するからである。しかし所望すれば、前記調整手順は任意の時点で反復することができ、例えばメモリを含む装置を電源投入した際にいつも反復する。
【0032】
通常動作中には、制御入力1及び2が共に基準電位を受けて、これにより、トランジスタT1がオン状態になって、調整電圧入力Vcの電圧は、負でない限り無関係になる。トランジスタT3はオフ状態のままである。しかし、制御入力1が低電位であるために、今度はトランジスタT2がオン状態になって、これにより、トランジスタT0のソースが電圧入力Viに結合されて高電圧Vhを受けて、さらに、トランジスタT5がオン状態になって、これにより、トランジスタT0の制御ゲートGSが、高電圧Vhを有する回路節点Qに直接接続される。結果的に、トランジスタT6が不活性になる。この状態を図2cに示す。この時トランジスタT0のドレインD、従って電圧出力Voには、電圧入力Viにおける高電圧VhよりもトランジスタT0の事前調整したしきい値電圧に等しい分だけ低いプログラミング電圧が生じる。
【0033】
明らかに、回路節点Qも電圧入力Viに直接接続されて、これによりトランジスタT4は、調整手順の第2ステップ中のみに、トランジスタT6経由でトランジスタT0の制御ゲートに給電することができ、そして通常動作中には実質的に不活性である。このことは、チップ上の素子を実際に実現する問題、あるいは配置する問題である。
【図面の簡単な説明】
【図1】プログラミング電圧用の制御回路を具えた、本発明による記憶装置を示す図である。
【図2】図1の制御回路の構成要素を示し、これらは個々の調整ステップ中及び通常動作中に活性状態である。
【符号の説明】
1 第1制御入力
2 第2制御入力
CS 列選択線
CW 選択線
D ドレイン
GS 制御ゲート
P、Q 回路接続点
R 入力
S ソース
SS 選択スイッチ
T0 追加的なトランジスタ
T1 第1MOSトランジスタ
T2 第2トランジスタ(PMOS)
T3 第3トランジスタ
T4 第4トランジスタ(PMOS)
T5 第5トランジスタ(PMOS)
T6 トランジスタ
TCW 制御線選択トランジスタ
TCS 列選択トランジスタ
TM 記憶トランジスタ
TR 読出しトランジスタ
TRS 行選択トランジスタ
TW 選択トランジスタ
Vc 調整電圧入力
Vi 電圧入力
Vo 制御回路の電圧出力
、X 行アドレス線
、Y 列アドレス線

Claims (4)

  1. アドレス指定可能で、かつ電気的にプログラム可能な記憶セルのマトリクスを具えた集積記憶装置であって、前記記憶セルの各々が、浮動ゲートを有するMOSトランジスタ(TM)を具えて、前記浮動ゲートの電荷がプログラミング電圧によって制御可能であり、前記MOSトランジスタの各々が制御ゲートも具えて、前記記憶装置が制御回路も具えて、該制御回路が、所望のプログラミング電圧よりも高い高電圧を受ける電圧入力と、前記プログラミング電圧を供給する電圧出力と、前記記憶セルのトランジスタ(TM)と同じ構造を有して、製造公差の観点からほぼ最適値のプログラミング電圧を前記高電圧から導出すべく動作する追加的なトランジスタ(T0)とを具えている記憶装置において、
    前記追加的なトランジスタのドレイン(D)を前記電圧出力(Vo)に結合して、前記追加的なトランジスタのソース(S)が、第1スイッチ(T1)経由で制御電圧入力(Vc)に結合可能であり、かつ第2スイッチ(T2)経由で前記電圧入力(Vi)に結合可能であり、前記追加的なトランジスタの制御ゲート(GS)が、第3スイッチ(T3)経由で基準電圧(0V)に結合可能であり、かつ少なくとも第4スイッチ(T4)経由で前記電圧入力に結合可能であることを特徴とする記憶装置。
  2. 前記記憶セルのトランジスタをNMOSトランジスタとして構成する際に、前記第1及び第3スイッチをNMOSトランジスタとして構成し、前記第2及び第4スイッチをPMOSトランジスタとして構成して、前記第1及び第2スイッチのゲートが共に第1制御入力を介して制御可能であり、前記第3及び第4スイッチのゲートが共に第2制御入力を介して制御可能であることを特徴とする請求項1に記載の記憶装置。
  3. 前記第4スイッチと前記追加的なトランジスタの制御ゲートとの間にさらなるNMOSトランジスタを接続して、該NMOSトランジスタのゲートを、前記第4スイッチに接続した端子に接続して、前記追加的なトランジスタの制御ゲートが、第5スイッチ経由で前記電圧入力に接続可能であり、前記第5スイッチも、PMOSトランジスタとして構成し、かつ前記第1制御入力を介して制御可能であることを特徴とする請求項2に記載の記憶装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1に項記載の記憶装置を動作させる方法において、
    通常動作中には、前記プログラミング電圧を前記追加的なトランジスタのドレインに発生させて、前記追加的なトランジスタのソースを前記高電圧に結合して、前記追加的なトランジスタの制御ゲートが本質的に前記高電圧の電位を有し、少なくとも前記記憶装置を最初に活性化させる前の第1調整ステップ中には、前記追加的なトランジスタの完全なプログラミングを行うのに十分な期間だけ、前記追加的なトランジスタの制御ゲートが低電圧を受けて、前記追加的なトランジスタのソースが本質的に高電圧を受けて、これにより、前記追加的なトランジスタを通常のオン状態に設定し、そして第2調整ステップ中には、前記記憶セルのプログラミング期間に相当する期間だけ、前記追加的なトランジスタの制御ゲートに本質的に高電圧を印加して、前記追加的なトランジスタのソースが調整電圧を受けて、該調整電圧が、前記記憶装置の動作中の所望の特性に応じて、前記基準電圧と前記高電圧の分圧値との間の値を取ることを特徴とする記憶装置の動作方法。
JP13837893A 1992-06-13 1993-06-10 記憶装置及びこの記憶装置の動作方法 Expired - Fee Related JP3591849B2 (ja)

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DE4219464A DE4219464A1 (de) 1992-06-13 1992-06-13 Verfahren und Schaltungsanordnung zum Erzeugen einer Programmierspannung
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