JP3590993B2 - 量子化出力の情報量制御装置および方法 - Google Patents

量子化出力の情報量制御装置および方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、例えばディジタルビデオ信号をADRC符号化するのに使用される量子化器と関連して設けられ、この量子化から出力される発生情報量を制御するための情報量制御装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
本願出願人は、特開昭61−144989号公報に記載されているような、2次元ブロック内に含まれる複数画素の最大値及び最小値により規定されるダイナミックレンジを求め、このダイナミックレンジに適応した符号化を行う高能率符号化装置を提案している。また、特開昭62−92620号公報に記載されているように、複数フレームに夫々含まれる領域の画素から形成された3次元ブロックに関してダイナミックレンジに適応した符号化を行う高能率符号化装置が提案されている。更に、特開昭62−128621号公報に記載されているように、量子化を行った時に生じる最大歪が一定となるようなダイナミックレンジに応じてビット数が変化する可変長符号化方法が提案されている。
【0003】
先に提案されているダイナミックレンジに適応した符号化方法(ADRCと称する)では、ダイナミックレンジDR(最大値MAXと最小値MINの差)が例えば(8ライン×8画素=64画素)からなるディジタルビデオ信号の2次元的なブロック毎に算出される。また、入力画素データからそのブロック内で最小のレベル(最小値)が除去される。この最小値除去後の画素データが量子化される。
【0004】
この量子化は、元の量子化ビット数(例えば8ビット)より少ないビット数例えば4ビットと対応する216個のレベル範囲に検出されたダイナミックレンジDRを分割し、ブロック内の各画素データが属するレベル範囲を検出し、このレベル範囲を示すコード信号を発生する処理である。
【0005】
量子化ビット数が4ビットの場合では、ブロックのダイナミックレンジDRが16個のレベル範囲に分割されている。最小のレベル範囲に含まれる画素データが(0000)と符号化され、その上のレベル範囲に含まれる画素データが(0001)と符号化され、以下、各レベル範囲に対応して4ビットのコードに符号化され、最大のレベル範囲に含まれる画素データが(1111)と符号化される。従って、各画素の例えば8ビットのデータが4ビットに圧縮されて伝送される。受信側では、受信されたコード信号が代表レベルに復元される。この代表レベルは、例えば16個のレベル範囲の夫々の中央のレベルである。
【0006】
上述のADRCでは、一般的にブロックの大きさを(M画素×Nライン)とし、各画素がkビットに符号化されるものとすると、1ブロック当りで、M×N×k(ビット)のデータ(但し、ダイナミックレンジDRおよび最小値MINを除く)が発生する。元のデータ量が圧縮されるにしても、発生データ量をより減少できることが好ましい。
【0007】
そこで、本願発明者は、従来の量子化に比してデータ表現の効率を図り、必要な伝送データ量を低減することができる、二つのタイプの量子化器を提案している。その一つのものは、特願平5−21981号に記載のように、ブロックを分割してなる領域毎に量子化結果のアクティビィティ例えば領域のダイナミックレンジとしきい値とを比較し、アクティビィティがしきい値より小さい領域を一つの代表コードに変換し、代表コードへの変換がされたかどうかを、ブロック内の領域のそれぞれに関して識別するために、フラグを発生するものである。
【0008】
他のものは、特願平5−19504号に記載のように、ブロック毎に選択される量子化ステップ幅に基づいてそのブロック内のディジタル信号を量子化し、量子化結果に関し、ブロックを分割してなる領域毎に必要量子化ビット数を決定し、この必要量子化ビット数をコード化し、領域毎に伝送量子化ビット数を変更するものてある。
【0009】
これらの量子化器は、ブロックを分割してなる領域内では、空間的相関がブロックより強くなる。従って、この領域では、ブロックに存在する冗長度を取り除くことができる。すなわち、代表コードへ変換する量子化器は、アクティビィティーが低い領域で連続的に同一の量子化出力が発生するような冗長度を取り除くことができ、また、必要量子化ビット数の量子化出力を伝送する量子化器は、不要なビットが含まれるような冗長度を取り除くことができる。このようにして、伝送データ量を低減することができる。然も、画質、音質を低下させることがない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
伝送データ量の圧縮の効率をより高めるために、上述の先に提案されている二つの方式を併用することが可能である。すなわち、アクティビィティーがしきい値より低い領域を代表コードに置き換え、アクティビィティーがしきい値より高い領域は、領域毎に必要量子化ビット数のみを伝送する構成が可能である。このような二つの方式を組み合わせた量子化器を可変長量子化に適用した場合には、量子化出力のデータ量が変化する。可変長量子化は、ブロック毎に適切な量子化ビット数を決定し、この決定された量子化ビット数で量子化を行なうものである。
【0011】
量子化データを通信路を介して伝送する時には、通信路の伝送容量の制約があり、また、ディジタルVTRの記録/再生過程等では、編集その他のビデオ信号の処理のために、ビデオ信号の1フィールドあるいは1フレームのデータ量が一定であることが要請される。このような情報量制御の一方式として、本願出願人は、既にフィードホワード形のもの(特開昭62−12861号公報)を提案している。
【0012】
従って、この発明の目的は、上述のようなアクティビィティーがしきい値より低い領域の量子化出力は、代表コードに変換し、アクティビィティーがしきい値より高い量子化の量子化出力は、必要量子化ビット数のみを伝送する方式の量子化器を使用する時に、量子化器の出力データ量を一定あるいは所定値より少ないものに制御するための情報量制御装置および方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明は、ブロック毎に画素の最大値および最小値の差である第1のダイナミックレンジDRを検出すると共に、ブロックを分割してなる複数の画素からなるサブブロック毎にサブブロックの画素の最大値およびブロックの最小値の差である第2のダイナミックレンジdrを検出する検出手段と、
第1のダイナミックレンジDRと複数の第1のしきい値との大小関係に基づいてブロック毎の第1の量子化ビット数Aが決定され、第1の量子化ビット数Aによって、そのブロック内のディジタル信号を量子化し、各画素に対応するコード信号からなる量子化出力を発生する量子化手段と、
サブブロック毎のアクティビィティーと第2のしきい値とを比較し、アクティビィティーが第2のしきい値より大きい場合と、アクティビィティーが第2のしきい値より小さい場合とを示す第1のフラグを発生する第1のフラグ発生手段と、
第1のフラグによってアクティビィティーが第2のしきい値より大きいことが示されるサブブロックでは、量子化出力を出力し、第1のフラグによってアクティビィティーが第2のしきい値より小さいことが示されるサブブロックでは、量子化出力に代えてサブブロックの量子化出力と等しいビット数を有する一つの代表コードを出力するコード変換手段と、
コード変換手段の出力に関して、第1の量子化ビット数Aの範囲内でサブブロック毎に必要な第2の量子化ビット数a(a=0,1,2,・・・,またはA)を決定し、第2の量子化ビット数aを指示する第2のフラグを発生するフラグ発生手段と、
量子化手段の出力のうち第2のフラグで示される第2の量子化ビット数aに該当するものをコード信号として出力するビット数変換とを有し、
第1のダイナミックレンジDR、最大値および最小値の内の2つのデータと、第1および第2のフラグと、コード信号とを伝送する量子化装置に対する情報量制御装置であって、
第1の方向が第1のダイナミックレンジDRの値の変化とされ、第2の方向が第2のダイナミックレンジdrの値の変化とされ、所定期間の第1のダイナミックレンジDRおよび第2のダイナミックレンジdrの発生度数の分布が登録されると共に、第2のダイナミックレンジの発生度数の登録が第2の量子化ビット数aによる重み付けがなされた度数分布テーブルが第1の量子化ビット数Aの0以外の値のそれぞれについて作成され、
第1の方向において登録されている度数を積算すると共に、第2の方向において登録されている度数を積算することによって、作成された度数分布テーブルを積算型度数分布テーブルにそれぞれ変更し、
複数の積算型度数分布テーブルに対して複数の第1のしきい値および第2のしきい値をそれぞれ与えることによって、第1および第2のしきい値に対応する発生情報量を求め、
求められた発生情報量と目標値を比較し、発生情報量が目標値以下で、且つ発生情報量が目標値に最も近い複数のしきい値を決定するようにした量子化出力の情報量制御装置である。
また、この発明は、第1のダイナミックレンジDR、最大値および最小値の内の2つのデータと、第1および第2のフラグと、コード信号とを伝送する量子化装置に対する情報量制御方法であって、
第1の方向が第1のダイナミックレンジDRの値の変化とされ、第2の方向が第2のダイナミックレンジdrの値の変化とされ、所定期間の第1のダイナミックレンジDRおよび第2のダイナミックレンジdrの発生度数の分布が登録されると共に、第2のダイナミックレンジの発生度数の登録が第2の量子化ビット数aによる重み付けがなされた度数分布テーブルが第1の量子化ビット数Aの0以外の値のそれぞれについて作成するステップと、
第1の方向において登録されている度数を積算すると共に、第2の方向において登録されている度数を積算することによって、作成された度数分布テーブルを積算型度数分布テ ーブルにそれぞれ変更するステップと、
複数の積算型度数分布テーブルに対して複数の第1のしきい値および第2のしきい値をそれぞれ与えることによって、第1および第2のしきい値に対応する発生情報量を求めるステップと、
求められた発生情報量と目標値を比較し、発生情報量が目標値以下で、且つ発生情報量が目標値に最も近い複数のしきい値を決定するステップとからなる情報量制御方法である。
【0014】
【作用】
ブロック毎の第1のダイナミックレンジDRの複数の第1のしきい値T1〜T4との関係によって、ブロックの量子化ビット数が規定される。ブロック内の領域のアクティビィティーが第2のしきい値T0より小さい時には、領域の量子化出力が一つの代表コードへ変換される。ブロック内の領域の量子化ビット数は、領域の第2のダイナミックレンジdrによって規定される。しきい値T0〜T4を可変することによって、量子化出力の発生情報量を制御することができる。第1および第2のダイナミックレンジの発生度数が登録されると共に、第2のダイナミックレンジdrの発生度数が重み付けされる。このテーブルに対して複数のしきい値T0〜T4を適用することによって、複数のしきい値T0〜T4に対応する発生情報量を計算することができる。この発生情報量が目標値以下とできるしきい値T0〜T4が決定される。決定されたしきい値T0〜T4によって、量子化が実際になされる。
【0015】
【実施例】
以下、この発明の一実施例について図面を参照して説明する。図1において、1で示す入力端子にディジタル情報信号例えばディジタルビデオ信号が供給される。このディジタルビデオ信号は、1サンプルが8ビットにディジタル化されるとともに、ラスター走査の順序からブロックの順序にデータの配列が変換されたものである。1ブロックは、1フレーム或いは1フィールドの画面が細分化された結果の(M画素×Nライン)の2次元領域である。
【0016】
入力ディジタルビデオ信号が最大値検出回路2、最小値検出回路3および遅延回路4に供給される。検出回路2は、各ブロックの画素データ中の最大値MAXと各サブブロックの画素データ中の最大値maxとを検出する。同様に、検出回路2は、各ブロックの画素データ中の最小値MINと各サブブロックの画素データ中の最小値minとを検出する。遅延回路4は、最大値および最小値を検出するために必要な時間、データを遅延させる。ブロック全体の最大値MAXと各サブブロックの最大値maxがレジスタ5に登録され、また、ブロック全体の最小値MINと各サブブロックの最小値minがレジスタ6に登録される。
【0017】
レジスタ5および6の出力が供給される減算回路7では、最大値から最小値が減算される。その結果、減算回路7は、ブロック全体のダイナミックレンジDR(=MAX−MIN)(第1のダイナミックレンジ)と各サブブロックのダイナミックレンジdr(=max−MIN)(後述する図3参照。第2のダイナミックレンジ)とを発生する。これらのDRおよびdrがレジスタ8に登録される。減算回路9では、遅延回路4からのビデオデータからブロック全体の最小値MINが減算され、減算回路7から最小値MINが除去されたビデオデータPDIが得られる。ブロックの最小値MINは、遅延回路10を介して出力端子14に取り出される。
【0018】
レジスタ8に登録されているブロックのダイナミックレンジDRおよびサブブロックのダイナミックレンジdrが量子化器11およびバッファリングユニット12に供給される。量子化器11には、最小値除去で正規化されたビデオデータPDIと、バッファリングユニット12で決定されたしきい値T0、T1〜T4が供給される。この量子化器11は、アクティビィティーがしきい値T0より低いサブブロックに関しては、そのサブブロックに関して一つの代表コードのみを伝送するタイプのものである。また、量子化器11は、ブロックのダイナミックレンジDRとしきい値T1〜T4の関係からブロック毎に量子化ビット数xが0,1,2,3,または4ビットに変化する可変長量子化を行なう。
【0019】
量子化器11からは、ブロック毎に代表コードに置き換えたどうかを示すフラグF1と、ダイナミックレンジDR、drと、量子化出力であるコード信号DT1とが発生し、これらが次段のビット数変換器13に供給される。また、フラグF1が出力端子15に取り出される。
【0020】
ビット数変換器13は、サブブロック毎に必要量子化ビット数を決定し、必要量子化ビット数のコード信号のみを出力するものである。このビット数変換器13には、バッファリングユニット12からしきい値T1〜T4が供給される。さらに、量子化器11からのフラグF1を受け取って、各画素のデータが代表コードに置き換えられたサブブロックに関しては、代表コードを出力する。すなわち、量子化器11の処理がビット数変換器13の処理より優先的になされる。
【0021】
そして、ビット数変換器13からは、必要量子化ビット数を指示するフラグF2と、ダイナミックレンジDRと、コード信号DT2とが出力端子16、17および18にそれぞれ取り出される。さらに、バッファリングユニット12からは、しきい値T0、T1〜T4を指示するしきい値番号コードが出力端子19に取り出される。以上の出力端子14〜19にそれぞれ取り出された、ダイナミックレンジ情報(MIN、DR)、コード信号DT2、フラグF1、F2、しきい値番号コードが符号化出力である。
【0022】
この符号化出力が図示しないが、フレーム化回路に供給される。フレーム回路は、符号化出力に対して同期信号の付加、エラー訂正符号の符号化処理がなされる。フレーム化回路から取り出された伝送データは、例えば回転ヘッドによって磁気テープに記録される。
【0023】
なお、受信(または再生)側は、図示されてないが、フラグF1で指示されるサブブロックの代表コードをそのサブブロックの全画素に対して割り当て、また、フラグF2により指示される数の`0’ のビットを各コード信号の上位側に付加し、それによってコード信号を4ビット一定のものに変換し、この変換後のコード信号を先に提案されているADRCの復号と同様の方法で復号する。
【0024】
量子化器11およびビット数変換器13は、一例として図2に示す構成とされる。また、ブロックは、図3Aに示すように、1枚の画像を分割することで得られた(M・N)の部分画像である。そして、図3Bに示すように、このブロックを16等分することによって、結果のm・nの小領域(サブブロックと称する)SB0〜SB15を形成する。例えば(M=N=16)とされ、(m=n=4)とされる。
【0025】
図2において、21は、最小値除去後のビデオデータPDIが供給される第1の量子化回路である。この量子化回路21は、量子化ステップ幅(Δ)発生回路22からの量子化ステップ幅Δによって、データPDIを量子化し、コード信号DT1を出力する。すなわち、PDIをΔで除算し、商を切捨てで整数化した値がコード信号DT1とされる。量子化回路21は、除算回路或いはROMで構成できる。量子化ビット数をxビットとすると、ダイナミックレンジDRが1/2とされることによって、量子化ステップ幅Δが形成される。
【0026】
この例では、x=0,1,2,3,または4(ビット)の可変長量子化を行なっているので、量子化ステップ幅発生回路22には、ダイナミックレンジDRとしきい値T1〜T4とが供給される。ダイナミックレンジDRとしきい値T1〜T4の大小関係からそのブロックの量子化ビット数xが決定される。
【0027】
量子化回路21からのコード信号DT1がデータ変換回路23に供給される。データ変換回路23は、サブブロックの代表コードを形成する回路を有し、比較回路24からのフラグF1に応答してコード信号DT1、または一つの代表コードを1サブブロックに関して出力する。比較回路24には、サブブロックのダイナミックレンジdrとバッファリングユニット12で決定されたしきい値T0とが供給される。
【0028】
この一実施例では、サブブロックのアクティビィティの指標として、サブブロックのダイナミックレンジdrを採用している。ダイナミックレンジdrがしきい値T0より小さい場合には、そのサブブロックのアクティビィティが低いと判断される。アクティビィティとしては、dr以外にサブブロックの画素データの標準偏差等を採用することができる。フラグF1は、16個のサブブロックのそれぞれに関して、比較結果を指示するために、1ブロック当りでサブブロック数と等しいビット数例えば16ビットを必要とする。
【0029】
ダイナミックレンジdrがしきい値T0よりも小さいサブブロックでは、そのサブブロックの全ての画素データが一つの代表コードに変換される。サブブロック内の量子化出力の平均値、それらの中間値等のような代表コードがデータ変換回路23で生成される。場合によっては、サブブロック内の量子化コードの最小値を代表コードとして採用しても良い。図2では、省略されているが、代表コードを生成するのに必要なデータがデータ変換回路23に供給される。
【0030】
上述のように、量子化回路21、量子化ステップ幅発生回路22、データ変換回路23および比較回路24により構成される量子化器11によれば、必要伝送データ量を減少できる。単にADRCのみの場合(x=4ビットの例)では、1ブロック当りで、8(DR)+8(MIN)+4×M×N(ビット)が発生する。これに対して、量子化器11は、例えば16個のサブブロック中で4個のもののダイナミックレンジdrがしきい値T0より小さい場合では、8(DR)+8(MIN)+16(フラグF1)+3×M×N+16(代表コード)(ビット)である。両者の発生データ量との差は、(M×N)−32ビットであり、ブロックサイズ(M×N)がフラグF1のデータ量と比較して大きい時には、発生データ量の低減効果が大きい。常にフラグF1が必要とされるが、ブロックが大きくなるほど、その発生データ量に占める割合が低下する。
【0031】
上述のように発生したコード信号DT1がデータ変換回路2およびコード化回路26に供給される。また、フラグF1がデータ変換回路2に供給される。これらのデータ変換回路25およびコード化回路26は、ビット数変換器13を構成する。このビット数変換器13は、サブブロック毎に必要ビット数を決定し、必要ビット数のデータのみを伝送するために設けられている。
【0032】
図3Aおよび図3Bにそれぞれ示すブロックおよびサブブロックの構成において、例えば(M=N=16)とし、(m=n=4)とする。簡単のために、データ変換回路23において、代表コードへの変換がなされず、1次元ブロックの場合を考えると、図3Cにその一例を示すように、画素データが分布する。ここで、破線で区切られたサブブロック内では、隣接データの相関が強いために、ブロック内の最小値MINに対する各サブブロックの画素の最大値の差である、各サブブロックのダイナミックレンジdr(第2のダイナミックレンジ)は、dr0、dr1、dr2、dr3となり、最大値MAXが含むサブブロックSB1以外のもののダイナミックレンジdrがブロックのダイナミックレンジDRより小さいものとなる。その結果、量子化ビット数をもとのxビットより少なくすることが可能となる。この実施例では、ビット数変換器13において量子化に不必要なビットを最上位ビットから最下位ビットに向かって順に削除する。
【0033】
一例として、ブロックの量子化ビット数xを4ビットとすると、4、3、2、1、0ビットの合計5状態が存在する。1ビットおよび0ビットを同一表現すると、4状態となり、2ビットで必要量子化ビット数を表現できる。従って、あるサブブロックに関して、(4ビット×m×n)必要であったデータ量は、必要量子化ビット数が1ビットの場合では、(1ビット×m×n+2)に減少できる。上述の例では、サブブロックの64ビットのデータ量を18ビットに減少することができる。勿論、量子化に必要なビット数が4ビットの場合には、データ量が2ビット増えるが、サブブロック内では、隣接データの相関が一般的に強いので、データ量の削減が可能である。
【0034】
図2におけるコード化回路26は、サブブロックの必要ビット数を表す2ビットのフラグF2を生成するためのもので、このフラグF2が出力端子16に取り出されると共に、データ変換回路25に供給される。例えばサブブロック内の最大値を検出することによって、必要ビット数が4状態の何れかを決定でき、その結果の2ビットのフラグF2が生成される。データ変換回路25では、フラグF2に応答したビット数をコード信号DT1から削除し、必要ビット数のコード信号DT2に変換する。このビット数の削減は、MSB(最上位ビット)から下位ビットに向けてなされる。コード信号DT2が出力端子18に取り出される。
【0035】
このように、ブロック毎に量子化ビット数が定まる量子化において、符号化出力の必要伝送データ量を量子化器11およびビット数変換器13によって、低減できる。また、データ表現を効率化しているので、画像データならば画質を向上でき、オーディオデータならば音質を向上することができる。
【0036】
次に、発生データ量を所定値以下に制御する情報量制御のためのバッファリングユニット12について説明する。可変長量子化例えばブロックのダイナミックレンジDRに適応して量子化ビット数を変える可変長ADRCは、各画素の割当てビット数xをブロックのダイナミックレンジDRに応じたもの、例えば0、1、2、3、または4ビットの何れかとするものである。1ブロック内の割当てビット数は同一である。ダイナミックレンジDRとしきい値T1〜T4(T1<T2<T3<T4)との大きさの関係に基づいて、割当てビット数xが決定される。
【0037】
可変長ADRCは、ダイナミックレンジDRが小さいブロックでは、割当てビット数xを少なくし、ダイナミックレンジDRが大きいブロックでは、割当てビット数xを多くすることで、効率の良い符号化を行うことができる。即ち、(DR<T1)のブロックは、コード信号が伝送されず、ダイナミックレンジDRおよび最小値MINのみが伝送され、(T1≦DR<T2)のブロックは、(x=1)とされ、(T2≦DR<T3)のブロックは、(x=2)とされ、(T3≦DR<T4)のブロックは、(x=3)とされ、(DR≧T4)のブロックは、(x=4)とされる。
【0038】
かかる可変長ADRCでは、しきい値T1〜T4を変えることで、バッファリングを行なうことができる。従って、1フィールド或いは1フレームまたはより短い期間で発生する情報量を所定値にすることが要求される伝送路例えばディジタルVTRに対しても、可変長ADRCを適用できる。
【0039】
図4は、この発明によるバッファリング回路の一部を示す。このバッファリング回路は、所定期間(ビデオ信号の場合の1フレーム、1フィールド、またはそれより短い一定期間)に量子化器13から出力されるデータ量を目標値以下で、且つ最大の量に制御するものである。可変長ADRCの場合では、用意されている複数のしきい値の組を順に適用して発生しうるデータ量を計算し、上述の条件を満たすデータ量を発生するしきい値が決定される。このように決定されたしきい値は、所定期間でなされる可変長ADRCにおいて使用される。
【0040】
すなわち、所定期間内のブロックのダイナミックレンジDRと決定されたしきい値T1〜T4とからブロック毎に量子化ビット数xが決定され、決定された量子化ビット数xとダイナミックレンジDRから量子化ステップ幅Δが決定される。そして、量子化ステップ幅ΔによってADRCがなされ、符号化出力に対して上述のように、サブブロック毎のビット数圧縮処理がなされる。図4および図8の構成は、上述の処理におけるしきい値T0、T1〜T4を決定するための処理と関連するものである。
【0041】
図4において、34a〜34dは、RAMで構成されたテーブルであって、各テーブルは、ブロックの量子化ビット数(1,2,3または4)とそれぞれ対応している。0ビットの場合では、コード信号が伝送されないので、これを考慮する必要がない。テーブル34a〜34dに対するアドレスとして、ダイナミックレンジDRおよびdrが供給される。
【0042】
図5に示すように、テーブル34a〜34dは、水平方向のアドレス(DR=0〜255)と垂直方向のアドレス(dr=0〜255)とによって、書込み/読出し位置が規定される。テーブル34a〜34dには、度数が登録される。ここで、度数は、所定期間に発生するDRおよびdrの個数であり、サブブロック毎の必要量子化ビット数に対応して重み付けがされる。この登録の結果、DRおよびdrを水平および垂直方向とする、2次元の度数分布表がテーブル34a〜34d内に作成される。
【0043】
テーブル34a〜34dの読出しデータが加算器35a〜35dにそれぞれ供給され、ROM36a〜36dの読出し出力と加算される。これらのROM36a〜36dに対するアドレスは、テーブル34a〜34dのアドレスと共通である。加算器35a〜35dの出力がテーブル34a〜34dの同一アドレスに対して書込まれる。この動作を所定期間、繰り返すことによって、テーブル34a〜34d内には、所定期間の度数分布表が作成される。
【0044】
ROM36a〜36dは、サブブロックの量子化ビット数に応じた重み付け処理のためのものである。すなわち、上述のビット数変換器13では、ダイナミックレンジDRおよびdrの関係によって、サブブロックの量子化ビット数が変化する。例えば、ブロックの量子化ビット数が4ビットの場合には、サブブロックの量子化ビット数が0,1,2,3,または4ビットに変化しうる。このサブブロックの量子化ビット数に応じた値をROM36dが出力する。
【0045】
テーブル例えば4ビットテーブル34dへの登録についてより具体的に説明する。DR=31とすると、drが16以上の場合には、量子化ビット数が4ビットであるので、そのDRおよびdrで指示される座標(位置)に4を登録する。若し、drが8以上16未満であれば、その座標に3を登録する。drが4以上8未満の場合では、その座標に2を登録する。drが2以上4未満の場合では、その座標に1を登録する。drが0または1の場合には、何も登録しない(テーブル34a〜34dは、初期クリアされている)。他の量子化ビット数のテーブルについても同様の処理によって度数分布表が作成される。
【0046】
度数分布表の作成後に、DRの軸の方向に、最大値(255)から最小値(0)に向かって登録値を積算し、それからdrの軸の方向に、最大値(255)から最小値(0)に向かって登録値を積算する。このようにして、積算形の度数分布表がテーブル34a〜34d内に作成される。
【0047】
積算形度数分布表を作成することによって、あるしきい値の組に対して発生するデータ量の算出がより簡単となることを説明する。理解の簡単のために、ブロックのダイナミックレンジDRのみの度数分布および積算形度数分布について説明する。1フレーム等の所定期間のダイナミックレンジDRの度数が図6Aに示すものとする。図6Aにおいて、横軸が0〜255までのDRであり、縦軸が度数(ブロック数単位)である。DRの軸に対してT1〜T4のしきい値を適用した時に、各範囲(割当て量子化ビット数と対応する)に含まれるブロック数がN0〜N4で表されている。
【0048】
この度数分布において、DRの大きい方から小さい方へ各度数を積算することによって作成される積算形度数分布を図6Bに示す。しきい値T1〜T4のそれぞれにおける積算度数をS1〜S4とすると、発生データ量Iは、次式で表される。
I=S1+S2+S3+S4=(N1+N2+N3+N4)+(N2+N3+N4)+(N3+N4)+N4=N1+2N2+3N3+4N4
また、各割当て量子化ビット数に対するブロック数も、簡単に求めることができる。例えば1ビットの量子化ビット数が割当てられるブロック総数は、S2−S1=N1と求めることができる。
【0049】
このように求められた発生データ量Iと目標値Itとを比較することによって、そのしきい値が適切かどうかを判断できる。そして、しきい値を変化させることによって、目標値It以下で、且つ最大である発生データ量Iを生じさせるしきい値T1〜T4を最適しきい値として決定する。この最適しきい値によって、実際に伝送される量子化出力が生成される。このようなバッファリング処理は、しきい値T1〜T4とダイナミックレンジDRとによって、ブロックの割当てビット数が決定される場合に適用されるものである。
【0050】
この実施例では、ブロック単位の処理に加えてサブブロック単位の処理を行なっているために、上述のバッファリング処理に対してサブブロックの処理を考慮したバッファリング処理が必要となる。すなわち、上述のように、度数を登録する時に重み付けがなされ、また、代表コードに変換するかどうかの基準となるしきい値T0を考慮する。一例として、図7に示すように、5個のしきい値T0〜T4を一組とし、複数(p)の組を用意し、最適なしきい値の組を決定する。このしきい値の組は、例えばしきい値番号N=0のしきい値の組が最も発生データ量を多くするもので、Nが大きくなるに従って発生データ量が単調に減少するように設定されたものである。また、しきい値T0は、しきい値T1〜T4に応じて変化する値である。復元画像の品質の点では、N=0のしきい値の組を使用した場合が最良である。上述のように、積算形度数分布表を一旦作成しておけば、しきい値の組のそれぞれと対応する発生データ量の算出を迅速に行なうことができる。
【0051】
バッファリング回路の発生データ量の計算としきい値を決定するための構成を図8に示す。テーブル34a〜34dには、しきい値テーブル(ROMで構成される)37からしきい値の組が供給される。しきい値テーブル37には、図7に示すような複数のしきい値の組が格納されている。最初にN=0のしきい値の組が読出される。テーブル34a〜34dに対しては、アドレスとしてしきい値が供給される。
【0052】
テーブル34aには、最初にしきい値T0,T1がアドレスとして供給され、次にしきい値T0,T2が供給される。しきい値T1,T2を与えることは、図6Bの例であれば、積算度数S1が読出され、次にS2が読出されることを意味する。テーブル34aの出力がレジスタ38aおよび減算器39aに供給される。減算器39aには、レジスタ38aの出力が供給される。減算器39aは、T0,T1の座標のデータからT1,T2の座標のデータを減算し、減算器39aの出力がレジスタ40aに取り込まれる。この減算出力は、(dr≧T0)のサブブロックであって、割当てビット数が1ビットのブロックに関して、そのデータ量を表している。すなわち、ビット数変換器13の処理で発生するデータ量を表している。
【0053】
テーブル34bに対して、最初にしきい値T0,T2が供給され、次にしきい値T3,T0が供給される。レジスタ38bおよび減算器39bによって、レジスタ40bには、割当てビット数が2ビットのブロックであって、(dr≧T0)のサブブロックに関するデータ量が格納される。テーブル34cに対しては、しきい値T0,T3およびT0,T4が順次供給され、レジスタ38cおよび減算器39cにより、割当てビット数が3ビットのブロックであって、(dr≧T0)のサブブロックに関するデータ量が求められ、これがレジスタ40cに格納される。テーブル34dに対しては、しきい値T0,T4が供給され、レジスタ40dに割当てビット数が4ビットであって、(dr≧T0)のサブブロックに関するデータ量が格納される。
【0054】
このようにして求められた(dr≧T0)のサブブロックに関する発生データ量が加算器41、42および43により加算される。次に、(dr<T0)のサブブロック(すなわち、量子化器11によって、代表コードに変換される対象のサブブロック)に関する発生データ量が1ビットテーブル34aを用いて計算される。これらの(dr≧T0)に関する発生データ量と(dr<T0)の発生データ量とが加算器43により加算され、所定期間の発生データ量Iが計算される。
【0055】
この発生データ量Iが比較判定回路44に供給され、目標データ量Itと比較される。比較判定回路44の判定結果がしきい値テーブル37およびレジスタ45に供給される。しきい値テーブル37は、I>Itの場合では、しきい値の組を次の組に進めるためにアドレスがインクリメントされる。また、レジスタ45は、I≦Itの場合を示す比較判定回路44の出力によって、しきい値の組T0〜T4を取り込む。このように決定されたしきい値T0が出力端子46aに取り出され、しきい値T1〜T4が出力端子46bに取り出される。この決定されたしきい値T0〜T4が所定期間のデータの量子化のために使用される。
【0056】
テーブル34a〜34dに積算形の度数分布表が作成された後でなされる、発生データ量Iの計算について、図9を参照してより詳細に説明する。図9Aが1ビットテーブルを示し、図9B、図9Cおよび図9Dがそれぞれ2ビットテーブル、3ビットテーブルおよび4ビットテーブルをそれぞれ示す。これらのテーブルに適用されるしきい値T1〜T4の一例が図9に示されている。また、各しきい値に対して記載されている1,2,3,4の数字は、サブブロックの量子化ビット数を表し、矢印で示す範囲のダイナミックレンジdrに対して量子化ビット数が規定される。
【0057】
最初に(dr≧T0)のサブブロックに関してなされる量子化、すなわち、必要ビット数に量子化出力を変換する量子化により発生するデータ量の計算について説明する。図9Aの1ビットテーブルでは、しきい値T0,T1の座標のデータd1と、しきい値T0,T2の座標のデータd3とを読み取り、減算器39aによって、d1−d3を演算し、1ビット量子化のブロックに関する発生データ量I1を計算する。図9Bの2ビットテーブルにおいて、しきい値T0,T2およびT0,T3の座標のデータd9およびd11をそれぞれ読み取り、減算器39bによって、d9−d11を演算し、2ビット量子化のブロックに関する発生データ量I2を計算する。同様に、図9Cの3ビットテーブルにおいて、しきい値T0,T3およびT0,T4の座標のデータd13およびd15を読み取り、減算器39cによって、d13−d15を演算し、3ビット量子化のブロックに関する発生データ量I3を計算する。さらに、図9Dの4ビットテーブルにおいて、しきい値T0,T4の座標のデータd17を読み取る。これは、4ビット量子化のブロックに関する発生データ量I4である。これらの発生データ量I1〜I4を加算することによって、(dr≧T0)のサブブロックに関する発生データ量I0が計算される。
【0058】
すなわち、この実施例において、必要ビット数に変換する量子化により発生するデータ量I01は、
I01=P・(I1+I2+I3+I4)
である。但し、Pは、サブブロック内の画素数である。
【0059】
次に、(dr<T0)のサブブロックに関する発生データ量が計算される。これは、図9Aの1ビットテーブルを使用してなされる。このテーブルにおいて、(d6−d7)がDR≧T4(すなわち、4ビット量子化)で、且つdr<T0(すなわち、代表コードに変換される)のサブブロック数である。
【0060】
同様に、3ビット量子化の場合で、代表コードに変換されるサブブロック数は、〔(d4−d5)−(d6−d7)〕である。2ビット量子化の場合には、〔(d2−d3)−(d4−d5)〕が代表コードに変換されるサブブロック数である。1ビット量子化の場合には、〔(d0−d1)−(d2−d3)〕が代表コードに変換されるブロック数である。
【0061】
従って、代表コードに変換する量子化によって発生するデータ量I02は、
Figure 0003590993
【0062】
さらに、伝送フラグF1およびF2のビット数を計算する必要がある。サブブロック内の画素数をPとし、ブロック内のサブブロックの数をQとし、所定期間(バッファリング期間)内のブロック数をKとする。必要量子化ビット数を指示するフラグF2は、(dr≧T0)のサブブロック毎に2ビットである。このサブブロック数は、座標(DR=T1、dr=T0)の値d1である。よって、フラグF2の伝送ビット数は、2d1である。
【0063】
一方、フラグF1は、サブブロック毎にdrがしきい値T0未満かどうかを示すのに1ビット必要である。従って、フラグF1の伝送ビット数は、Q・Kとなる。このフラグF1およびF2のデータ量の計算は、図8では、省略されている。しかしながら、フラグF1のデータ量は、ブロック内のサブブロック数Qと、バッファリング期間内のブロック数Kで定まり、フラグF2のデータ量は、1ビットテーブルの値d1を読み取ることによって、簡単にこれらのデータ量を計算することができる。
【0064】
上述のように、この発明の一実施例により発生するデータ量Iは、次式で求められる。
Figure 0003590993
【0065】
最終的な発生データ量は、上式のIに対して付加コードのデータ量を加えたものである。例えばADRCの場合では、ブロック毎にダイナミックレンジ情報を伝送する必要があり、これが付加コードのデータ量となる。しかしながら、付加コードのデータ量は、固定であり、可変のデータ量は、上式で計算されるので、バッファリング処理を行なうことができる。
【0066】
図10は、この発明によるバッファリング処理の方法を説明するフローチャートである。最初にブロックの割当てビット数毎に、ダイナミックレンジDRおよびdrを軸とする度数分布表が作成される(ステップ51)。次に、各度数分布表が積算形度数分布表に変換される(ステップ52)。次のステップ53で、しきい値発生テーブルのしきい値番号Nが0に設定される。
【0067】
そして、ステップ54において、このしきい値の組を積算形度数分布表に適用することによって、発生データ量Iが計算される。この発生データ量Iと目標データ量Itとがステップ55において比較される。I>Itならば、ステップ56に処理が移り、しきい値番号NがN+1とされる。そして、再び発生データ量Iが計算され、これが目標データ量Itと比較される。この処理がI≦Itとなるまで、繰り返され、制御結果(すなわち、決定されたしきい値番号N)が設定される。これによりバッファリング処理が終了する。
【0068】
この発明は、DCTとADRCとを組み合わせたハイブリッド符号に対しても適用できる。さらに、各サブブロックの必要量子化ビット数は、サブブロックの標準偏差等から決定しても良い。よりさらに、この発明は、ディジタルビデオ信号に限らずディジタルオーディオ信号の符号化に対しても適用することができる。
【0069】
【発明の効果】
この発明における量子化器は、ブロック毎に量子化ビット数が定まる符号化において、二つの適応量子化を組み合わせているので、符号化出力の必要伝送データ量を低減できる。この量子化器を使用する可変長量子化の場合において、発生データ量を目標値以下に制御することができる。従って、ディジタルVTRのような伝送路に対してこの発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の全体的なブロック図である。
【図2】この発明を適用できる量子化器の一例のブロック図である。
【図3】量子化器におけるサブブロックの分割の一例とコード信号の値の一例を示す略線図である。
【図4】この発明の一実施例の一部のブロック図である。
【図5】この発明の一実施例における2次元テーブルの説明に用いる略線図である。
【図6】この発明の一実施例における度数分布表および積算形度数分布表の説明に用いる略線図である。
【図7】この発明の一実施例におけるしきい値発生用のテーブルの説明のための略線図である。
【図8】この発明の一実施例の他の部分のブロック図である。
【図9】この発明の一実施例の情報量制御の説明に用いる略線図である。
【図10】この発明の一実施例の情報量制御の説明に用いるフローチャートである。
【符号の説明】
1 ディジタルビデオ信号の入力端子
11 サブブロックの量子化コードを代表コードへ変換する量子化器
13 サブブロックの量子化コードのビット数を変換するビット数変換器
23 量子化コードを代表コードへ変換するコード変換回路
25 量子化コードを必要量子化ビット数のコードへ変換するコード変換回路
26 必要量子化ビット数を示すフラグを生成するコード化回路

Claims (4)

  1. ブロック毎に画素の最大値および最小値の差である第1のダイナミックレンジDRを検出すると共に、上記ブロックを分割してなる複数の画素からなるサブブロック毎にサブブロックの画素の最大値および上記ブロックの最小値の差である第2のダイナミックレンジdrを検出する検出手段と、
    上記第1のダイナミックレンジDRと複数の第1のしきい値との大小関係に基づいてブロック毎の第1の量子化ビット数Aが決定され、上記第1の量子化ビット数Aによって、そのブロック内のディジタル信号を量子化し、各画素に対応するコード信号からなる量子化出力を発生する量子化手段と、
    上記サブブロック毎のアクティビィティーと第2のしきい値とを比較し、上記アクティビィティーが上記第2のしきい値より大きい場合と、上記アクティビィティーが上記第2のしきい値より小さい場合とを示す第1のフラグを発生する第1のフラグ発生手段と、
    上記第1のフラグによって上記アクティビィティーが上記第2のしきい値より大きいことが示されるサブブロックでは、上記量子化出力を出力し、上記第1のフラグによって上記アクティビィティーが上記第2のしきい値より小さいことが示されるサブブロックでは、上記量子化出力に代えて上記サブブロックの上記量子化出力と等しいビット数を有する一つの代表コードを出力するコード変換手段と、
    上記コード変換手段の出力に関して、上記第1の量子化ビット数Aの範囲内でサブブロック毎に必要な第2の量子化ビット数a(a=0,1,2,・・・,またはA)を決定し、上記第2の量子化ビット数aを指示する第2のフラグを発生するフラグ発生手段と、
    上記量子化手段の出力のうち上記第2のフラグで示される上記第2の量子化ビット数aに該当するものをコード信号として出力するビット数変換とを有し、
    上記第1のダイナミックレンジDR、上記最大値および上記最小値の内の2つのデータと、上記第1および第2のフラグと、上記コード信号とを伝送する量子化装置に対する情報量制御装置であって、
    第1の方向が上記第1のダイナミックレンジDRの値の変化とされ、第2の方向が上記第2のダイナミックレンジdrの値の変化とされ、所定期間の上記第1のダイナミックレンジDRおよび上記第2のダイナミックレンジdrの発生度数の分布が登録されると共に、上記第2のダイナミックレンジの発生度数の登録が上記第2の量子化ビット数aによる重み付けがなされた度数分布テーブルが上記第1の量子化ビット数Aの0以外の値のそれぞれについて作成され、
    上記第1の方向において登録されている度数を積算すると共に、上記第2の方向において登録されている度数を積算することによって、上記作成された度数分布テーブルを積算型度数分布テーブルにそれぞれ変更し、
    複数の上記積算型度数分布テーブルに対して上記複数の第1のしきい値および上記第2のしきい値をそれぞれ与えることによって、上記第1および第2のしきい値に対応する発生情報量を求め、
    求められた上記発生情報量と目標値を比較し、上記発生情報量が上記目標値以下で、且つ上記発生情報量が上記目標値に最も近い上記複数のしきい値を決定するようにした量子化出力の情報量制御装置。
  2. 請求項1記載の情報量制御装置において、
    上記ビット数変換手段は、上記量子化手段の出力のうちから上記第2のフラグで示される上記第2の量子化ビット数aに該当するもの以外の不要なビットを削除することで、上記第2の量子化ビット数のコード信号を出力することを特徴とする情報量制御装置。
  3. 請求項1記載の情報量制御装置において、
    上記数の第1のしきい値および第2のしきい値からなる組を複数有するしきい値発生手段を有し、上記複数の組は、発生情報量が単調に変化する順に出力され、
    出力されたしきい値の組の各しきい値複数の上記積算型度数分布テーブルに与えることによって、発生情報量を計算することを特徴とする情報量制御装置。
  4. ブロック毎に画素の最大値および最小値の差である第1のダイナミッ クレンジDRを検出すると共に、上記ブロックを分割してなる複数の画素からなるサブブロック毎にサブブロックの画素の最大値および上記ブロックの最小値の差である第2のダイナミックレンジdrを検出する検出手段と、
    上記第1のダイナミックレンジDRと複数の第1のしきい値との大小関係に基づいてブロック毎の第1の量子化ビット数Aが決定され、上記第1の量子化ビット数Aによって、そのブロック内のディジタル信号を量子化し、各画素に対応するコード信号からなる量子化出力を発生する量子化手段と、
    上記サブブロック毎のアクティビィティーと第2のしきい値とを比較し、上記アクティビィティーが上記第2のしきい値より大きい場合と、上記アクティビィティーが上記第2のしきい値より小さい場合とを示す第1のフラグを発生する第1のフラグ発生手段と、
    上記第1のフラグによって上記アクティビィティーが上記第2のしきい値より大きいことが示されるサブブロックでは、上記量子化出力を出力し、上記第1のフラグによって上記アクティビィティーが上記第2のしきい値より小さいことが示されるサブブロックでは、上記量子化出力に代えて上記サブブロックの上記量子化出力と等しいビット数を有する一つの代表コードを出力するコード変換手段と、
    上記コード変換手段の出力に関して、上記第1の量子化ビット数Aの範囲内でサブブロック毎に必要な第2の量子化ビット数a(a=0,1,2,・・・,またはA)を決定し、上記第2の量子化ビット数aを指示する第2のフラグを発生するフラグ発生手段と、
    上記量子化手段の出力のうち上記第2のフラグで示される上記第2の量子化ビット数aに該当するものをコード信号として出力するビット数変換とを有し、
    上記第1のダイナミックレンジDR、上記最大値および上記最小値の内の2つのデータと、上記第1および第2のフラグと、上記コード信号とを伝送する量子化装置に対する情報量制御方法であって、
    第1の方向が上記第1のダイナミックレンジDRの値の変化とされ、第2の方向が上記第2のダイナミックレンジdrの値の変化とされ、所定期間の上記第1のダイナミックレンジDRおよび上記第2のダイナミックレンジdrの発生度数の分布が登録されると共に、上記第2のダイナミックレンジの発生度数の登録が上記第2の量子化ビット数aによる重み付けがなされた度数分布テーブルが上記第1の量子化ビット数Aの0以外の値のそれぞれについて作成するステップと、
    上記第1の方向において登録されている度数を積算すると共に、上記第2の方向において登録されている度数を積算することによって、上記作成された度数分布テーブルを積算型度数分布テーブルにそれぞれ変更するステップと、
    複数の上記積算型度数分布テーブルに対して上記複数の第1のしきい値および上記第2のしきい値をそれぞれ与えることによって、上記第1および第2のしきい値に対応する発生情報量を求めるステップと、
    求められた上記発生情報量と目標値を比較し、上記発生情報量が上記目標値以下で、且つ上記発生情報量が上記目標値に最も近い上記複数のしきい値を決定するステップとからなる情報量制御方法。
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