JP3896635B2 - 画像データ変換装置及び方法、予測係数生成装置及び方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、データストリームを復号したときの画質の劣化した画像データを、高画質の画像データに変換するための画像データ変換装置等に関する。
【0002】
【従来の技術】
映像・音声・データ等を限られた伝送帯域幅の中で高品質に伝送したり、限られた容量の記録媒体に記録するために、ディジタル画像・音声圧縮技術及びディジタル伝送技術の発展が不可欠である。このような圧縮技術として、現在では、特にMPEG(Moving Picture Experts Group)が用いられている。
【0003】
MPEGで画像データを圧縮(エンコード)する場合、画像データが8×8の正方形のDCTブロックに分割され、このDCTブロック毎にDCT(Discrete Cosine Transform)変換が行われ、DCT変換後の各係数は所定の量子化ステップでわり算を行って量子化され、データの圧縮されたデータストリームが生成される。
【0004】
そして、MPEGで圧縮されたデータを伸長(デコード)する場合、8×8の正方形のDCTブロック毎の各係数に量子化ステップがかけ算され、このDCTブロック毎に逆DCT変換が行われて、画像データが復号される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、DCTブロックの直流成分を粗く量子化すると、直交変換符号化特有の雑音、すなわちブロック歪が生じてしまう。従って、復号処理によって得られる画像データは、このようなブロック歪の影響を受けて、視覚的に大きな画質の劣化に感じられる。
【0006】
また、上述のように、狭帯域の伝送媒体を介してデータの送受信を行うためには、画像データのエンコード/デコードが必要である。しかし、画像データをデコードしても元の完全な画像データ等を再現することができないため、エンコード/デコード処理による画像の劣化(ぼけ)が生じてしまうこともあった。
【0007】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、画像データの圧縮/伸長処理を行ったときに生じた劣化した画像データを、元の高品質な画像データに再現することのできる画像データ変換装置及び方法、予測係数生成装置及び方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために、本発明に係る画像データ変換装置は、復号化処理された入力画像データのうち、歪み除去変換処理の対象となる画像データが復号化の処理単位ブロック内のいずれの領域に位置するかを示す位置情報を特徴量として抽出する特徴量抽出手段と、上記所定ブロック内の中心部の領域に上記歪み除去変換処理の対象となる画像データが位置することを上記特徴量の値が示すとき、上記中心部の近傍の画像データをクラスコード発生の際に用いられる画像データとして切り出し、所定ブロックの境界近傍の領域に上記歪み除去変換処理の対象となる画像データが位置することを上記特徴量の値が示すとき、上記境界から離れた位置の画像データをクラスコード発生の際に用いられる画像データとして切り出す第1の画像データ切出手段と、上記第1の画像データ切出手段により切り出された画像データを圧縮して圧縮データパターンを生成するパターン生成手段と、上記圧縮データパターン及び上記特徴量を用いて、画像データを変換する処理単位ブロックが属するクラスを示すクラスコードを発生するクラスコード発生手段と、画像データを変換するための推定式の予測係数がクラス毎に記憶され、上記クラスコード発生手段で発生されたクラスコードで示されるクラスの予測係数を出力する予測係数記憶手段と、上記所定ブロック内の中心部の領域に上記歪み除去変換処理の対象となる画像データが位置することを上記特徴量の値が示すとき、上記中心部の近傍の画像データを変換処理に用いられる画像データとして切り出し、上記所定ブロックの境界近傍の領域に上記歪み除去変換処理の対象となる画像データが位置することを上記特徴量の値が示すとき、上記境界から離れた位置の画像データを変換処理に用いられる画像データとして切り出す第2の画像データ切出手段と、上記予測係数記憶手段から出力された予測係数と上記第2の画像データ切出手段により切り出された画像データとの積和による推定演算を行なって、変換処理済みの画像データを出力する推定演算手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る画像データ変換方法は、復号化処理された入力画像データのうち、歪み除去変換処理の対象となる画像データが復号化の処理単位ブロック内のいずれの領域に位置するかを示す位置情報を特徴量として抽出し、所定ブロック内の中心部の領域に上記歪み除去変換処理の対象となる画像データが位置することを上記特徴量の値が示すとき、上記中心部の近傍の画像データをクラスコード発生の際に用いられる画像データとして切り出し、上記所定ブロックの境界近傍の領域に上記歪み除去変換処理の対象となる画像データが位置することを上記特徴量の値が示すとき、上記境界から離れた位置の画像データをクラスコード発生の際に用いられる画像データとして切り出し、切り出された画像データを圧縮して圧縮データパターンを生成し、上記圧縮データパターン及び上記特徴量を用いて、画像データを変換する処理単位ブロックが属するクラスを示すクラスコードを発生し、予めクラス毎に記憶された画像データを変換するための推定式の予測係数から上記発生されたクラスコードで示されるクラスの予測係数を出力し、上記所定ブロック内の中心部の領域に上記歪み除去変換処理の対象となる画像データが位置することを上記特徴量の値が示すときには、上記中心部の近傍の画像データを変換処理に用いられる画像データとして切り出し、上記所定ブロックの境界近傍の領域に上記歪み除去変換処理の対象となる画像データが位置することを上記特徴量の値が示すときには、上記境界から離れた位置の画像データを変換処理に用いられる画像データとして切り出し、切り出された画像データと上記出力された予測係数との積和による推定演算を行なって、変換処理済みの画像データを出力することを特徴とする。
【0010】
本発明に係る予測係数生成装置は、入力画像データにエンコード/デコード処理を行うエンコーダ/デコーダと、上記エンコーダ/デコーダから出力された予測係数算出の対象となる歪みを有する画像データが処理単位ブロック内のいずれの領域に位置するかを示す特徴量を抽出する特徴量抽出手段と、所定ブロック内の中心部の領域に上記歪み除去変換処理の対象となる画像データが位置することを上記特徴量の値が示すとき、上記中心部の近傍の画像データをクラスコード発生の際に用いられる画像データとして切り出し、上記所定ブロックの境界近傍の領域に上記歪み除去変換処理の対象となる画像データが位置することを上記特徴量の値が示すとき、上記境界から離れた位置の画像データをクラスコード発生の際に用いられる画像データとして切り出す第1の画像データ切出手段と、上記第1の画像データ切出手段により切り出された画像データを圧縮して圧縮データパターンを生成するパターン生成手段と、上記圧縮データパターン及び上記特徴量を用いて上記クラスコードを発生するクラスコード発生手段と、上記所定ブロック内の中心部の領域に上記歪み除去変換処理の対象となる画像データが位置することを上記特徴量の値が示すとき、上記中心部の近傍の画像データを変換処理に用いられる画像データとして切り出し、上記所定ブロックの境界近傍の領域に上記歪み除去変換処理の対象となる画像データが位置することを上記特徴量の値が示すとき、上記境界から離れた位置の画像データを変換処理に用いられる画像データとして切り出す第2の画像データ切出手段と、あるクラスコードにおける上記発生した圧縮データパターンの所定サンプルの行列式をX、算出すべき予測係数の行列式をW、エンコード/デコード処理が行われる前の画像データの所定サンプルの行列式をYとしたとき、
W=X−1・Y
なる算出式からクラスコード毎に予測係数の行列式Wを算出する予測係数算出手段と、上記予測係数算出手段により算出された予測係数を記憶する記憶手段とを備え、上記行列式Yのサンプルは、上記第2の画像データ切出手段により切出されたことを特徴とする。
【0011】
本発明に係る予測係数生成方法は、入力画像データにエンコード/デコード処理を行い、上記エンコード/デコード処理の行われた予測係数算出の対象となる歪みを有する画像データが処理単位ブロック内のいずれの領域に位置するかを示す特徴量を抽出し、上記所定ブロック内の中心部の領域に上記歪み除去変換処理の対象となる画像データが位置することを上記特徴量の値が示すときには、上記中心部の近傍の画像データをクラスコード発生の際に用いられる画像データとして切り出し、所定ブロックの境界近傍の領域に上記歪み除去変換処理の対象となる画像データが位置することを上記特徴量の値が示すときには、上記境界から離れた位置の画像データをクラスコード発生の際に用いられる画像データとして切り出し、切り出された画像データを圧縮して圧縮データパターンを生成し、上記圧縮データパターン及び上記特徴量を用いてクラスコードを発生し、上記特徴量の値に応じて、係数算出処理にて用いられる画像データを上記予測係数算出の対象となる画像データ周辺から切り出し、上記所定ブロック内の中心部の領域に上記歪み除去変換処理の対象となる画像データが位置することを上記特徴量の値が示すときには、上記中心部の近傍の画像データを係数算出処理にて用いられる画像データとして切り出し、上記所定ブロックの境界近傍の領域に上記歪み除去変換処理の対象となる画像データが位置することを上記特徴量の値が示すときには、上記境界から離れた位置の画像データを係数算出処理にて用いられる画像データとして切り出し、あるクラスコードにおける上記発生した圧縮データパターンの所定サンプルの行列式をX、算出すべき予測係数の行列式をW、エンコード/デコード処理が行われる前の画像データの所定サンプルの行列式をYとしたとき、
W=X−1・Y
なる算出式から、上記特徴量の値に応じて切出された係数算出処理にて用いられる画像データを上記行列式Yのサンプルとして用いてクラスコード毎に予測係数の行列式Wを算出し、上記算出された予測係数を記憶することを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
本発明は、図1に示すように、MPEGデコードされた画像データに生じるブロック歪を補正するための画像データ変換装置に適用することができる。
【0019】
上記画像データ変換装置1は、画像データの特徴量を抽出する特徴量抽出回路11と、抽出された特徴量に基づいて上記MPEGデコードされた画像データを切り出す領域切出回路12,13と、切り出した画像データを圧縮して圧縮データパターンを生成するADRC(Adaptive Dynamic Range Coding )回路14と、切り出された画像データの属するクラスコードを発生するクラスコード発生回路15と、推定式の予測係数がクラス毎に記憶されているROMテーブル16と、予測係数と上記切り出された画像データに基づいて推定演算する推定演算回路17とを備える。
【0020】
特徴量抽出回路11には、入力端子を介して、MPEGデコードされた画像データが供給される。上記特徴量抽出回路11は、画像データの各ブロック(8×8)(以下、DCTブロックという。)において、ブロック歪の除去の対象となる画像データが、上記ブロック内のどの位置にいるかに応じて、所定の特徴量を出力する。
【0021】
具体的には、特徴量抽出回路11は、図2に示すように、DCTブロックを領域1〜領域9に区分して、上記対象となる画像データが上記領域1〜領域9のいずれかに位置する位置情報を出力する。ここで、DCTブロックをこのように区分したのは、MPEGの画像圧縮時において、DCT変換や動き補償を行ったときの歪がDCTブロックの真ん中よりも境界側に生じ易く、さらに境界側よりも四隅に生じ易いため、ブロック歪の生じる程度が同じものに区分したからである。
【0022】
領域切出回路12,13には、入力端子を介して、MPEGデコードされた画像データが供給される。領域切出回路12は、上記特徴量抽出回路11で抽出された特徴量(位置情報)に基づいて、入力端子より供給された画像データを所定の領域毎に切り出し、この画像データをADRC回路14に供給する。
【0023】
具体的には、領域切出回路12は、歪除去の対象となる画像データが領域1の場合では、当該画像データの近傍の画像データを所定サンプル数切り出す。これは、領域1にはブロック歪があまり生じていないため、かかる歪があまり生じていない画像データに基づいて歪のない画像データを予測演算するためである。
【0024】
領域切出回路12は、歪除去の対象となる画像データが領域2,領域3,領域4,領域5の場合では、当該領域外の画像データ、例えば領域1の画像データ及び他のDCTブロックの画像データを所定サンプル数切り出す。これにより、領域2等にある歪の生じ易い画像データを避けて、他の歪の少ない画像データに基づいて予測演算を行うことができる。
【0025】
領域切出回路12は、歪除去の対象となる画像データが領域6,領域7,領域8,領域9の場合では、当該画像データから比較的離れた画像データ、例えば当該DCTブロック及び他のDCTブロックの領域1にある画像データを所定サンプル数切り出す。これは、領域6等の周辺の画像データには歪が大きいため、かかる歪があまり生じていない画像データに基づいて歪のない画像データを予測演算するためである。
【0026】
このように、領域切出回路12は、特徴量抽出回路11の情報によって画像データを切り出す領域及びサンプル数(タップ構造)を変えることができる。領域切出回路12は、上述のように切り出した画像データをADRC回路14に供給する。
【0027】
一方、領域切出回路13は、領域切出回路12と同様に画像データの切出を行って、この切り出した画像データ(以下、予測タップという。)を推定演算回路17に供給する。
【0028】
ADRC回路14は、切り出された各領域の画像データを、例えば8ビットから2ビットに圧縮するような演算を行うことによりパターン圧縮データを形成し、このパターン圧縮データをクラスコード発生回路15へ供給する。
【0029】
ADRC回路14は、通常、VTR(Video Tape Recoder)向け高能率符号化用に開発された適応的量子化を行うものである。ここでは、信号レベルの局所的なパターンを短い語長で効率的に表現できるので、信号パターンのクラス分類のコード発生に使用されている。
【0030】
具体的には、例えば6つの8ビットの画像データをクラス分類しようとする場合では、248という膨大な数のクラスに分類しなければならない。信号波形の特徴を把握する意味では理想的であるが、回路上の負担が多く、実用的ではない。そこで、ADRC回路14で生成されるパターン圧縮データに基づいてクラス分類を行っている。例えば、6つの画像データに対して1ビットの量子化を実行すると、6つの画像データを6ビットで表すことができ、26 =64クラスに分類することが可能である。
【0031】
ここで、ADRC回路14は、領域内のダイナミックレンジをDR、ビット割当をn、領域内画素のデータレベルをL、量子化コードをQとすると、以下の式(1)に従って、領域内の最大値MAXと最小値MINとの間を指定されたビット長で均等に分割して量子化を行う。
【0032】
【数1】
【0033】
ADRC回路14は、領域切出回路12で切り出された各画像データを各2ビットに圧縮する。なお、ここでは、切り出された画像データのサンプル数を例えば6つとし、これが圧縮された画像データをそれぞれq1〜q6 とする。
【0034】
クラスコード発生回路15は、特徴量抽出回路11からの特徴量及びADRC回路14からのパターン圧縮データに基づいて、そのブロックが属するクラスを検出し、そのクラスを示すクラスコードclass をROMテーブル16へ供給する。このクラスコードclass は、ROMテーブル16からの読み出しアドレスを示す。
【0035】
ROMテーブル16には、MPEGのブロック歪の除去前後の画像データのパターンの関係を学習することにより、ブロック歪の除去後の画像データを算出するための線形推定式の予測係数が各クラス毎に記憶されている。なお、ROMテーブル16に記憶されている予測係数の作成方法については後述する。ROMテーブル16からは、クラスコードclass で示されるアドレスから、そのクラスの予測係数であるwn (class )(n =1〜6)が読み出される。この予測係数は、推定演算回路17へ供給される。
【0036】
推定演算回路17は、領域切出回路13から供給される予測タップ、及びROMテーブル16から供給される予測係数であるwn に基づいて、入力された画像データに対応するブロック歪を除去した画像データを算出する。
【0037】
具体的には、推定演算回路17は、領域切出回路13より供給された予測タップとROMテーブル16から供給された予測係数により、予測係数であるwn (n =1〜6)に基づいて、それぞれ以下の式(2)に示す演算を行うことにより、ブロック歪のない画像データを算出して、出力端子を介して出力する。
【0038】
【数2】
【0039】
以上のように、上記画像データ変換装置は、ブロック歪のない画像データを推定するための予測係数をROMテーブル16に記憶しておき、入力される画像データ、及びROMテーブル16から読み出された予測係数に基づいて推定演算を行うことによって、上述の画像データを出力することができる。すなわち、上記画像データ変換装置は、実際の画像データから後述の学習により求められた予測係数に基づいて推定演算するので、より実際に近い波形を再現して画質が良好でMPEGのブロック歪のない画像データを出力することができる。
【0040】
とりわけ、上記画像データ変換装置は、特徴量抽出回路11によってブロック歪の除去の対象となる画像データのDCTブロックの位置を検出し、この検出結果によって画像データの切出領域及びサンプル数を変えることによって、ブロック歪の程度に追従して、より画質のよい画像データを得ることができる。
【0041】
なお、特徴量抽出回路11における領域切出は、上述の場合に限定されるものではなく、以下のようなものも可能である。
【0042】
特徴量抽出回路11は、図3に示すように、歪除去の対象となる画像データに連続しているものであって、当該画像データの輝度レベルと同じ又はほとんど同じ輝度レベルの画像データがいくつあるかを検出することもできる。同一の輝度レベルの画像データを検出するのは、DCT変換の程度によっては、かかる画像データの全てが直流成分のみになってしまい、これら全てにブロック歪が生じることがあるからである。
【0043】
このとき、領域切出回路12は、特徴量抽出回路11の検出結果に応じて切出領域を決定する。具体的には、輝度レベルの連続した画像データ以外の画像データを切り出す。例えば図3に示すように、同一輝度レベルの画像データ(●印)が5つ連続しているときは、当該画像データ以外の画像データを切り出す。これにより、ブロック歪のない画像データに基づいて予測演算することができる。
【0044】
また、特徴量抽出回路11は、図4に示すように、歪除去の対象となる画像データの近傍の画像データからなる第1の画像データ群とその外周にある画像データからなる第2の画像データ群(第1の画像データ群を除く)とのダイナミックレンジの差を算出すこともできる。領域切出回路12は、この差が所定値より大きいときは、第2の画像データ群にある所定の画像データを切り出す。これは、第1の画像データ群が直流成分のみになるとブロック歪が生じ易くなるとともにダイナミックレンジがほぼ零になり、第2の画像データ群のダイナミックレンジとの差が大きくなるからである。なお、領域切出回路12は、この差が所定値より小さいときは、第1の画像データ群にある所定の画像データを切り出す。すなわち、第1の画像データ群にはブロック歪があまり生じていないため、歪除去の対象となる画像データの近傍の画像データを用いた方が精度のよい予測係数を算出することができるからである。なお、ダイナミックレンジの代わりに、各画像データ群のレベルの平均値の差を求めても同様にすることができる。
【0045】
さらに、特徴量抽出回路11は、図5に示すように、DCTブロックを各画素に対応するように1〜64の領域に区分することもできる。従って、領域切出回路12は、個々の画素に応じて、この画素のブロック歪を除去するための画像データを切り出すことができる。
【0046】
なお、上記領域切出回路12,13は、上述のように、切出領域(タップ構造)を変えることをなく、例えば、常に一定のタップ構造をとることができるのは言うまでもない。
【0047】
また、本実施の形態では、MPEGのブロック歪を除去する場合を例に上げて説明したが、本発明はこれに限定されず、例えばコンピュータ・グラフィックス(CG)のポリゴンの歪を除去することも適用することができる。
【0048】
つぎに、ROMテーブル16に格納される予測係数を作成(学習)するための予測係数生成装置について図6を用いて説明する。
上記予測係数生成装置は、再現すべきMPEG歪のない画質の良好な画像データを用いることによって、ROMテーブル16に予測係数を記憶させるものである。
【0049】
上記予測係数生成装置2は、図6に示すように、高画質の画像データをMPEGエンコードしてデータストリームを生成するMPEGエンコーダ21と、このデータストリームをデコードするMPEGデコーダ22と、歪除去の対象となる画像データの特徴量を抽出する特徴量抽出回路23と、画像データを切り出す領域切出回路24,25と、切り出した画像データを圧縮して圧縮データパターンを生成するADRC回路26と、圧縮データパターンに基づいてクラスコードを発生するクラスコード発生回路27と、クラスコード毎に正規方程式をたてる正規方程式回路28と、上記クラスコード毎に予測係数を決定する予測係数決定回路29と、決定された予測係数を記憶するROMテーブル30とを備える。
【0050】
予測係数を学習によって得るためには、まず、既に知られている高画質の画像データからMPEGエンコード/MPEGデコードされた画像データを生成する必要がある。
【0051】
特徴量抽出回路23には、MPEGエンコーダ21でエンコードされてMPEGデコーダ22でデコードされた画像データが供給される。上記特徴量抽出回路23は、上記特徴量抽出回路11と同じものであり、画像データの各ブロックにおいて、各画素がブロック内のどの位置にいるのかを示す情報である特徴量を出力する。
【0052】
領域切出回路24は、特徴量抽出回路23からの特徴量に基づいて、MPEGデコーダ22からの画像データを所定の領域毎に切り出す。すなわち、領域切出回路24は、先に説明した領域切出回路12,13と同一の働きをするものであり、切り出した画像データをADRC回路26に供給する。
【0053】
領域切出回路25は、領域切出回路24と同様の構成となっていて、上記特徴量抽出回路23で抽出された特徴量に基づいて所定の領域から切り出した画像データを正規方程式回路28に供給する。
【0054】
ADRC回路26は、上述のように各領域の全てのデータ、あるいは一部のデータを、例えば8ビットの画像データから2ビットの画像データに圧縮する演算を行ってパターン圧縮データを形成し、このパターン圧縮データをクラスコード発生回路27に供給する。なお、ADRC回路26は、先に説明したADRC回路14と同一のものである。
【0055】
クラスコード発生回路27は、先に説明したクラスコード発生回路15と同一のものであり、特徴量抽出回路23からの特徴量及びADRC回路26から供給されるパターン圧縮データに基づいて、クラスコードを決定する。これにより、上記クラスコード発生回路27は、そのブロックの属するクラスコードを発生して、そのクラスを示すクラスコードを正規方程式回路28に供給する。
【0056】
正規方程式回路28は、クラスコード発生回路27から供給された各クラスコードclass 、各クラスコードclass 毎に領域切出回路25より供給された画像データx1 ,x2 ,‥‥,xn 、入力端子より供給された高画質の画像データyを用いて、正規方程式を立てる。
【0057】
ここで、正規方程式回路28の説明のために、複数個の高画質の画像データから通常の画像データへの変換式の学習とその予測式を用いた信号変換について述べる。以下に、説明のために学習をより一般化してnサンプルによる予測を行う場合について説明する。画像データのレベルをそれぞれx1 ,x2 ,‥‥,xn として、それぞれにpビットのADRC処理を行った結果の量子化データをq1 、‥‥、qn とする。
【0058】
このとき、上述のように画像データのレベルをそれぞれ、x1 ,x2 ,‥‥,xn とし、高画質の画像データのレベルをyとしたとき、クラス毎に予測係数w1 ,w2 ,‥‥,wn によるnタップの線形推定式を設定する。これを式(3)に示す。学習前は、wn が未定係数である。
【0059】
【数3】
【0060】
学習は、クラス毎に複数の画像データに対して行う。データサンプル数がmの場合、式(3)にしたがって、以下に示す式(4)が設定される。
【0061】
【数4】
【0062】
m>nの場合、予測係数w1 、‥‥wn は、一意的に決まらないので、誤差ベクトルeの要素を以下の式(5)で定義して、式(6)を最小にする予測係数を求める。いわゆる、最小自乗法による解法である。
【0063】
【数5】
【0064】
【数6】
【0065】
ここで、式(6)のwn による偏微分係数を求める。それは以下の式(7)を”0”にするように、各wn (n =1〜6)を求めればよい。
【0066】
【数7】
【0067】
以下、式(8)、式(9)のようにXij、Yi を定義すると、
【0068】
【数8】
【0069】
【数9】
【0070】
式(7)は、行列を用いて式(10)へ書き換えられる。
【0071】
【数10】
【0072】
この方程式は、一般に正規方程式と呼ばれている。なお、ここでは、n=6である。
【0073】
全ての学習用のデータの入力が終了した後、正規方程式回路28は、各クラスコードclass に、式(10)に示す正規方程式を立てて、このデータを予測係数決定回路29に供給する。
【0074】
予測係数決定回路29は、正規方程式を掃き出し法等の一般的な行列解法を用いて、各wn について解き、各クラス毎に予測係数を算出する。換言すると、上記式(10)を式(11)のように書き換え、
X・W=Y ・・・・・・・・・・(11)
掃き出し法等の行列解法により式(12)が求められ、クラスコード毎に予測係数の行列式Wが算出される。
【0075】
W=X-1・Y ・・・・・・・・・(12)
そして、予測係数決定回路30は、算出された予測係数をROMテーブル30に書き込む。
【0076】
このような学習を行った結果、ROMテーブル30には、クラス毎に、高画質の画像データyを推定するための統計的に最も真値に近い推定ができる予測係数が格納される。このROMテーブル30に格納されたテーブルが、上述のように、本発明の画像データ変換装置1において使用されるROMテーブル16である。かかる処理により、線形推定式により、通常の画像データから高画質の画像データを作成するための予測係数の学習が終了する。
【0077】
以上のように、上記予測係数生成装置2は、画像データ変換装置1でMPEG歪の除去を行うことを考慮して、予めMPEGエンコード/MPEGデコード処理を行ってブロック歪の生じる前後の画像データによって学習することにより、MPEG歪の除去した画像データを再現するための予測係数を生成することができる。
【0078】
なお、本実施の形態の説明では、圧縮データパターンを生成するパターン生成手段として、ADRC回路14,26を設けることにしたが、これはほんの一例であり、信号波形のパターンを少ないクラスで表現できるような情報圧縮手段であれば何を設けるかは自由であり、例えば、DPCM(予測符号化)、VQ(ベクトル量子化)等を用いても良いのは勿論である。
【0079】
また、本実施の形態では、領域分割回路24及び領域分割回路25によって領域分割を行っていたが、本発明はこれに限定されることなく、例えばこれらの領域分割を1つの回路によって行ってもよいのは勿論である。
【0080】
つぎに、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、上述の実施の形態と同じ回路には同じ番号を付け、詳細な説明は省略するものとする。
第2の実施の形態に係る画像データ変換装置は、MPEGエンコード/MPEGデコードされたときのぼけ(劣化)の生じた画像データを、劣化のない画像データに変換処理するものである。
【0081】
上記画像データ変換装置1Aは、図7に示すように、画像データの前処理を行う前処理部18と、前処理の行われた画像データを切り出す領域切出回路12A,13Aと、切り出した画像データを圧縮して圧縮データパターンを生成するADRC回路14と、圧縮データパターンに基づいてクラスコードを発生するクラスコード発生回路15と、推定式の予測係数がクラス毎に記憶されているROMテーブル16と、上記クラスコード毎に予測係数と領域切出回路13からの画像データに基づいて推定演算する推定演算回路17とを備える。
【0082】
前処理部18は、画像データにノイズ信号を重畳させる。ここで、画像データにノイズ信号を重畳させるのは、ブロック歪をごまかすとともに、後述するようにこのノイズ信号を除去する際に画像データの画質も向上させるためである。
【0083】
領域切出回路12Aは、前処理部18からの画像データを所定の領域毎に切り出して、切り出した画像データをADRC回路14に供給する。領域切出回路13Aは、前処理部18からの画像データを切り出して、これを推定演算回路17に供給する。ここで、領域切出回路12,13は、常に一定の領域(例えば、サンプル数が6つ)の画像データを切り出すようになっている。
【0084】
ADRC回路14は、上述の切り出された各領域の画像データからパターン圧縮データを形成し、このパターン圧縮データをクラスコード発生回路15に供給する。クラスコード発生回路15は、ADRC回路14からのパターン圧縮データに基づいて、そのブロックが属するクラスを検出し、そのクラスを示すクラスコードclass をROMテーブル16へ供給する。
【0085】
ROMテーブル16には、MPEGエンコード/MPEGデコードにより画質のぼける前後の画像データのパターンの関係を学習することにより、高画質の画像データを算出するための線形推定式の予測係数が各クラス毎に記憶されている。なお、ROMテーブル16に記憶されている予測係数の作成方法については後述する。ROMテーブル16からは、クラスコードclass で示されるアドレスから、そのクラスの予測係数であるwn (class )が読み出される。この予測係数は、推定演算回路17へ供給される。
【0086】
推定演算回路17は、領域切出回路13Aから供給される画像データ、及びROMテーブル16から供給される予測係数であるwn に基づいて上述の式(2)の推定演算を行って、画質を向上させた画像データを算出する。
【0087】
以上のように、上記画像データ変換装置1Aは、画質のよい画像データを推定するための予測係数をROMテーブル16に記憶しておき、入力される画像データ、及びROMテーブル16から読み出された予測係数に基づいて推定演算を行うことによって、高画質の画像データを出力することができる。すなわち、上記画像データ変換装置は、エンコード・デコードする前の画像データから後述の学習により求められる予測係数に基づいて推定演算するので、画質がぼける前の画像データを再現して、画質の良好な画像データを出力することができる。
【0088】
つぎに、ROMテーブル16に格納される予測係数を作成(学習)するための予測係数生成装置について図8を用いて説明する。
上記予測係数生成装置は、再現すべき画像にボケのない画質の良好な画像データを用いることによって、ROMテーブル16に予測係数を記憶させるものである。
【0089】
上記予測係数生成装置2Aは、図8に示すように、高画質の画像データをMPEGエンコードしてデータストリームを生成するMPEGエンコーダ21と、このデータストリームをデコードするMPEGデコーダ22と、デコードされて得られた画像データに所定の前処理を施す前処理部31と、前処理された画像データを切り出す領域切出回路24A,25Aと、画像データを圧縮して圧縮パターンデータを生成するADRC回路26と、圧縮パターンデータに基づいてクラスコードを発生するクラスコード発生回路27と、クラスコード毎に正規方程式をたてる正規方程式回路28と、上記クラス毎に予測係数を決定する予測係数決定回路29と、決定された予測係数を記憶するROMテーブル30とを備える。
【0090】
前処理部31には、MPEGエンコーダ21でエンコードされてMPEGデコーダ22でデコードされた画像データが供給される。前処理部31は、上記前処理部18と同じものであり、画像データにノイズ信号を重畳して、領域切出回路24A,25Aに供給する。
【0091】
領域切出回路24Aは、MPEGデコーダ22からの画像データを所定の領域毎に切り出す。すなわち、領域切出回路24Aは、先に説明した領域切出回路12A,13Aと同一の働きをするものであり、切り出した画像データをADRC回路26に供給する。また、領域切出回路25Aは、領域切出回路24Aと同様の構成となっていて、所定の領域を切り出した画像データを正規方程式回路28に供給する。
【0092】
ADRC回路26は、例えば8ビットの画像データから2ビットの画像データに圧縮する演算を行ってパターン圧縮データを形成し、このパターン圧縮データをクラスコード発生回路27に供給する。
【0093】
クラスコード発生回路27は、先に説明したクラスコード発生回路15と同一のものであり、ADRC回路26から供給されるパターン圧縮データに基づいて、クラスコードを決定する。これにより、上記クラスコード発生回路27は、そのブロックの属するクラスを発生して、そのクラスを示すクラスコードを正規方程式回路28に供給する。
【0094】
正規方程式回路28は、クラスコード発生回路27から供給された各クラスコードclass 、各クラスコードclass 毎に領域切出回路25Aより供給された画像データx1 ,x2 ,‥‥,xn 、入力端子より供給された高画質の画像データyを用いて、正規方程式を立てる。全ての学習用のデータの入力が終了した後、正規方程式回路28は、各クラスコードclass に、上述の式(10)に示す正規方程式を立てて、このデータを予測係数決定回路30に供給する。
【0095】
予測係数決定回路30は、正規方程式を各wn について解き、各クラス毎に予測係数を算出して、算出した予測係数をROMテーブル30に書き込む。
【0096】
このような学習を行った結果、クラスコード毎に、高画質の画像データyを推定するための統計的に最も真値に近い推定可能な予測係数が格納される。このROMテーブル30に格納されたテーブルが、上述のように、本発明の画像データ変換装置1Aにおいて使用されるROMテーブル16である。かかる処理により、線形推定式に従って通常の画像データから高画質の画像データを作成するための予測係数の学習が終了する。
【0097】
以上のように、上記予測係数生成装置2Aは、劣化した画像データの画質を画像データ変換装置1Aで向上させるために、MPEGエンコード/MPEGデコード処理を行った後、さらにノイズ信号を重畳させる前処理を行うことによって、画像にボケのない画像データを再現するための予測係数を生成することができる。
【0098】
なお、上記画像データ変換装置1A及び上記予測係数生成装置2Aにおける前処理としては、上述のようにノイズ信号を重畳させるだけでなく、高帯域成分を除去処理するロー・パス・フィルタを用いてもよい。このとき、ブロック歪が落ちるものの画質が劣化するので、上記画像データ変換装置1Aによって画質を向上させれば、高画質の画像データを生成することができる。すなわち、前処理は、画像データの画質を落とすことができるものであれば、特に限定されるものではない。
【0099】
なお、本実施の形態では、画像データの画質を向上させるためのハードウェアである画像データ変換装置に、予測係数が既に記憶されているROMテーブルが設けられている場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0100】
例えば、光ディスク等の記録媒体に通常の画像データとともに予測係数を記憶させておき、上述の画像データ変換装置を光ディスク再生装置に適用してもよい。
【0101】
このとき、上記光ディスク再生装置は、光ディスクに記憶された画像データの読み出しを開始する前に上記予測係数を読み出して、この予測係数を上記ROMテーブルに記憶させる。これにより、上記光ディスク再生装置は、いかなる画像データであっても、ROMテーブルを取り替えることなく、波形再現性のよい高音質の画像データを得ることができる。
【0102】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係る画像データ変換装置及び方法によれば、予測係数記憶手段から出力されたものであって実際の画像データにより求められた予測係数と切り出された画像データとに基づいて推定演算することによって、より実際に近い波形を再現して画質の良好な画像データを出力することができる。特に、変換処理の対象となる画像データの特徴量を抽出するしてブロック歪の除去の対象となる画像データの位置を検出することによって、ブロック歪の程度に追従してより画質のよい画像データを得ることができる。
【0103】
本発明に係る予測係数生成装置及び方法によれば、予めエンコード/デコード処理を行ってブロック歪の生じることを学習することによって、歪の除去した画像データを再現するための予測係数を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像データ変換装置の具体的な構成を示すブロック図である。
【図2】上記画像データ変換装置の特徴量抽出回路で区分される領域を説明する図である。
【図3】上記の特徴量抽出回路で区分される領域を説明する図である。
【図4】上記特徴量抽出回路で区分される領域を説明する図である。
【図5】上記特徴量抽出回路で区分される領域を説明する図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る予測係数生成装置の具体的な構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る画像データ変換装置の具体的な構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る予測係数生成装置の具体的な構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
11,23 特徴量抽出回路、12,13,24,25 領域切出回路、14,26 ADRC回路、15,27 クラスコード発生回路、16,30 ROMテーブル、28 正規方程式回路、29 予測係数決定回路、31 前処理部
Claims (14)
- 復号化処理された入力画像データのうち、歪み除去変換処理の対象となる画像データが復号化の処理単位ブロック内のいずれの領域に位置するかを示す位置情報を特徴量として抽出する特徴量抽出手段と、
所定ブロック内の中心部の領域に上記歪み除去変換処理の対象となる画像データが位置することを上記特徴量の値が示すとき、上記中心部の近傍の画像データをクラスコード発生の際に用いられる画像データとして切り出し、上記所定ブロックの境界近傍の領域に上記歪み除去変換処理の対象となる画像データが位置することを上記特徴量の値が示すとき、上記境界から離れた位置の画像データをクラスコード発生の際に用いられる画像データとして切り出す第1の画像データ切出手段と、
上記第1の画像データ切出手段により切り出された画像データを圧縮して圧縮データパターンを生成するパターン生成手段と、
上記圧縮データパターン及び上記特徴量を用いて、画像データを変換する処理単位ブロックが属するクラスを示すクラスコードを発生するクラスコード発生手段と、
画像データを変換するための推定式の予測係数がクラス毎に記憶され、上記クラスコード発生手段で発生されたクラスコードで示されるクラスの予測係数を出力する予測係数記憶手段と、
上記所定ブロック内の中心部の領域に上記歪み除去変換処理の対象となる画像データが位置することを上記特徴量の値が示すとき、上記中心部の近傍の画像データを変換処理に用いられる画像データとして切り出し、上記所定ブロックの境界近傍の領域に上記歪み除去変換処理の対象となる画像データが位置することを上記特徴量の値が示すとき、上記境界から離れた位置の画像データを変換処理に用いられる画像データとして切り出す第2の画像データ切出手段と、
上記予測係数記憶手段から出力された予測係数と上記第2の画像データ切出手段により切り出された画像データとの積和による推定演算を行なって、変換処理済みの画像データを出力する推定演算手段と
を備える画像データ変換装置。 - 上記特徴量抽出手段は、上記変換処理の対象となる画像データに連続し、かつ、この画像データのレベルに略等しいレベルの画像データを検出し、
上記画像データ切出手段は、上記検出された画像データ以外のものであって、検出された画像データの近傍の画像データを切り出すことを特徴とする請求項1記載の画像データ変換装置。 - 上記特徴量抽出手段は、上記変換処理の対象となる画像データの近傍の画像データである第1の画像データ群と、この第1の画像データ群の周囲の1又は2画素外側に位置する画像データである第2の画像データ群とのダイナミックレンジの差を検出し、
上記画像データ切出手段は、ダイナミックレンジの差が所定値より大きいときは第2の画像データ群の画像データを切り出し、ダイナミックレンジの差が所定値より小さいときは第1の画像データ群の画像データを切り出すことを特徴とする請求項1記載の画像データ変換装置。 - 上記特徴量抽出手段は、上記変換処理の対象となる画像データの近傍の画像データである第1の画像データ群と、この第1の画像データ群の周辺の画像データである第2の画像データ群とのそれぞれのレベルの平均値の差を検出し、
上記画像データ切出手段は、平均値の差が所定値より大きいときは第2の画像データ群の画像データを切り出し、平均値の差が所定値より小さいときは第1の画像データ群の画像データを切り出すことを特徴とする請求項1記載の画像データ変換装置。 - 上記第1の画像データ切出手段によって切出される画像データと上記第2の画像データ切出手段によって切出される画像データとは同一であることを特徴とする請求項1に記載の画像データ変換装置。
- 上記第1および第2の画像データ切出手段は、上記各処理単位ブロック内において、上記歪み除去変換処理の対象となる画像データの歪みの傾向に応じて分けられる領域、又は上記歪み除去変換処理の対象となる画像データに連続する領域における画像データの輝度レベルに基づき、上記検出された画像データの近傍の画像データを切り出すことを特徴とする請求項1記載の画像データ変換装置。
- 復号化処理された入力画像データのうち、歪み除去変換処理の対象となる画像データが復号化の処理単位ブロック内のいずれの領域に位置するかを示す位置情報を特徴量として抽出し、
所定ブロック内の中心部の領域に上記歪み除去変換処理の対象となる画像データが位置することを上記特徴量の値が示すとき、上記中心部の近傍の画像データをクラスコード発生の際に用いられる画像データとして切り出し、上記所定ブロックの境界近傍の領域に上記歪み除去変換処理の対象となる画像データが位置することを上記特徴量の値が示すとき、上記境界から離れた位置の画像データをクラスコード発生の際に用いられる画像データとして切り出し、切り出された画像データを圧縮して圧縮データパターンを生成し、
上記圧縮データパターン及び上記特徴量を用いて、画像データを変換する処理単位ブロックが属するクラスを示すクラスコードを発生し、
予めクラス毎に記憶された画像データを変換するための推定式の予測係数から上記発生されたクラスコードで示されるクラスの予測係数を出力し、
上記所定ブロック内の中心部の領域に上記歪み除去変換処理の対象となる画像データが位置することを上記特徴量の値が示すときには、上記中心部の近傍の画像データを変換処理に用いられる画像データとして切り出し、上記所定ブロックの境界近傍の領域に上記歪み除去変換処理の対象となる画像データが位置することを上記特徴量の値が示すときには、上記境界から離れた位置の画像データを変換処理に用いられる画像データとして切り出し、切り出された画像データと上記出力された予測係数との積和による推定演算を行なって、変換処理済みの画像データを出力することを特徴とする画像データ変換方法。 - 入力画像データにエンコード/デコード処理を行うエンコーダ/デコーダと、
上記エンコーダ/デコーダから出力された予測係数算出の対象となる歪みを有する画像データが処理単位ブロック内のいずれの領域に位置するかを示す特徴量を抽出する特徴量抽出手段と、
所定ブロック内の中心部の領域に上記歪み除去変換処理の対象となる画像データが位置することを上記特徴量の値が示すとき、上記中心部の近傍の画像データをクラスコード発生の際に用いられる画像データとして切り出し、上記所定ブロックの境界近傍の領域に上記歪み除去変換処理の対象となる画像データが位置することを上記特徴量の値が示すとき、上記境界から離れた位置の画像データをクラスコード発生の際に用いられる画像データとして切り出す第1の画像データ切出手段と、
上記第1の画像データ切出手段により切り出された画像データを圧縮して圧縮データパターンを生成するパターン生成手段と、
上記圧縮データパターン及び上記特徴量を用いて上記クラスコードを発生するクラスコード発生手段と、
上記所定ブロック内の中心部の領域に上記歪み除去変換処理の対象となる画像データが位置することを上記特徴量の値が示すとき、上記中心部の近傍の画像データを変換処理に用いられる画像データとして切り出し、上記所定ブロックの境界近傍の領域に上記歪み除去変換処理の対象となる画像データが位置することを上記特徴量の値が示すとき、上記境界から離れた位置の画像データを変換処理に用いられる画像データとして切り出す第2の 画像データ切出手段と、
あるクラスコードにおける上記発生した圧縮データパターンの所定サンプルの行列式をX、算出すべき予測係数の行列式をW、エンコード/デコード処理が行われる前の画像データの所定サンプルの行列式をYとしたとき、
W=X−1・Y
なる算出式からクラスコード毎に予測係数の行列式Wを算出する予測係数算出手段と、
上記予測係数算出手段により算出された予測係数を記憶する記憶手段とを備え、
上記行列式Yのサンプルは、上記第2の画像データ切出手段により切出されたことを特徴とする予測係数生成装置。 - 上記特徴量抽出手段は、上記変換処理の対象となる画像データに連続し、かつ、この画像データのレベルに略等しいレベルの画像データを検出し、上記画像データ切出手段は、上記検出された画像データ以外のものであって、検出された画像データの近傍の画像データを切り出すことを特徴とする請求項8記載の予測係数生成装置。
- 上記特徴量抽出手段は、上記変換処理の対象となる画像データの近傍の画像データである第1の画像データ群と、この第1の画像データ群の周囲に位置する画像データである第2の画像データ群とのダイナミックレンジの差を検出し、
上記画像データ切出手段は、ダイナミックレンジの差が所定値より大きいときは第2の画像データ群の画像データを切り出し、ダイナミックレンジの差が所定値より小さいときは第1の画像データ群の画像データを切り出すことを特徴とする請求項8記載の予測係数生成装置。 - 上記特徴量抽出手段は、上記変換処理の対象となる画像データの近傍の画像データである第1の画像データ群と、この第1の画像データ群の周辺の画像データである第2の画像データ群とのそれぞれのレベルの平均値の差を検出し、
上記画像データ切出手段は、平均値の差が所定値より大きいときは第2の画像データ群の画像データを切り出し、平均値の差が所定値より小さいときは第1の画像データ群の画像データを切り出すことを特徴とする請求項8記載の予測係数生成装置。 - 上記第1の画像データ切出手段によって切出される画像データと上記第2の画像データ切出手段によって切出される画像データとは同一であることを特徴とする請求項8に記載の予測係数生成装置。
- 上記第1および第2の画像データ切出手段は、上記歪み除去変換処理の対象となる画像データの歪みの傾向に応じて分けられる領域、又は上記歪み除去変換処理の対象となる画像データに連続する領域における画像データの輝度レベルに基づき、上記検出された画像データの近傍の画像データを切り出すことを特徴とする請求項8記載の予測係数生成装置。
- 入力画像データにエンコード/デコード処理を行い、
上記エンコード/デコード処理の行われた予測係数算出の対象となる歪みを有する画像データが処理単位ブロック内のいずれの領域に位置するかを示す特徴量を抽出し、
所定ブロック内の中心部の領域に上記歪み除去変換処理の対象となる画像データが位置することを上記特徴量の値が示すときには、上記中心部の近傍の画像データをクラスコード発生の際に用いられる画像データとして切り出し、上記所定ブロックの境界近傍の領域に上記歪み除去変換処理の対象となる画像データが位置することを上記特徴量の値が示すときには、上記境界から離れた位置の画像データをクラスコード発生の際に用いられる画像データとして切り出し、
切り出された画像データを圧縮して圧縮データパターンを生成し、
上記圧縮データパターン及び上記特徴量を用いてクラスコードを発生し、
上記特徴量の値に応じて、係数算出処理にて用いられる画像データを上記予測係数算出の対象となる画像データ周辺から切り出し、
上記所定ブロック内の中心部の領域に上記歪み除去変換処理の対象となる画像データが位置することを上記特徴量の値が示すときには、上記中心部の近傍の画像データを係数算出処理にて用いられる画像データとして切り出し、上記所定ブロックの境界近傍の領域に上記歪み除去変換処理の対象となる画像データが位置することを上記特徴量の値が示すときには、上記境界から離れた位置の画像データを係数算出処理にて用いられる画像データとして切り出し、
あるクラスコードにおける上記発生した圧縮データパターンの所定サンプルの行列式をX、算出すべき予測係数の行列式をW、エンコード/デコード処理が行われる前の画像データの所定サンプルの行列式をYとしたとき、
W=X−1・Y
なる算出式から、上記特徴量の値に応じて切出された係数算出処理にて用いられる画像データを上記行列式Yのサンプルとして用いてクラスコード毎に予測係数の行列式Wを算出し、
上記算出された予測係数を記憶することを特徴とする予測係数生成方法。
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