JP3590835B2 - 蓄熱板およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蓄熱材が内部に埋め込まれた蓄熱板に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8(a)は従来における蓄熱板の概略図で一部を削除した図を示し、(b)は前記削除部分の拡大図であり、図9は蓄熱板に分散された蓄熱体の断面図である。図8において、11は蓄熱板の外装で、石膏や樹脂、木材などの固体状の物質で形成される。12は蓄熱材で、水やパラフィン、塩化カルシウム六水和物、硫酸ナトリウム十水和物などの水和物が用いられる。13は蓄熱材12が充填された容器で、金属や樹脂でできており、外装11の内部に配置される。容器13の形状は、図8のような複数の小容器13の集まりである場合も、単一の立方体である場合もある。蓄熱材12と容器13とで蓄熱体10を構成する。14は、外装11と容器13との間の熱伝達を促進する伝熱材であり、石膏や樹脂、金属酸化物などが利用される。容器13が外装11に密着できるような平板状の場合には、伝熱材14が省略できる。あるいは逆に、伝熱材14の外形を平板状にして外装11の作用を兼ねさせることで、外装11が省略される場合もある。図9において、12と13は図8における蓄熱材と容器を示す。15は容器13の栓であり、容器13がプラスチックスの場合には同材質のプラスチックスが溶着される場合が多い。容器13が金属の場合には、同材質の金属をねじ込むか、溶接される。蓄熱体は上記例の他、適当な大きさの熱交換容器に間隙をおいて充填され、その間隙に熱媒体が流されて外部との間で熱交換が行われ、蓄熱装置として利用されることもあるが、基本的な機能は蓄熱板に充填される場合と同様であり、またその製造方法は蓄熱板の製造過程の一部と一致するので、以下では主に蓄熱板についてのみ記述する。
【0003】
次に、従来の蓄熱板の製造方法について説明する。まず、図9に示すような中空の容器13を成形し、成形後の容器13に蓄熱材12を充填し、容器13を栓15で密封して蓄熱体を製造する。外装11が樹脂や木材のように最初から固体状の場合には、外装11を適当な形状に成形してから、蓄熱体と伝熱材14となる材料を外装11に充填することで、蓄熱板は完成する。外装11が石膏のように最初は液体状の場合には、型枠に蓄熱体を分散配置させてから、型枠と蓄熱体との隙間に外装11となる材料を流し込み、外装11を固化させることで、蓄熱板は完成する。
【0004】
上述のように構成された蓄熱板に外部から熱交換器等を用いて熱を供給すると、蓄熱材12の温度が上昇し、蓄熱材12の熱容量と温度差に起因する顕熱が貯蔵されて行く。蓄熱材12が使用温度範囲内で相変化する物質の場合には、初め固相にあった蓄熱材12の温度が徐々に上昇し、やがて蓄熱材12の転移点(融点)まで上昇すると、蓄熱材12は固相から液相へと相変化し、相変化に起因する潜熱が貯蔵される。蓄熱材12の転移(融解)が完了すると、蓄熱材12の温度は上昇を再開し、蓄熱材12の熱容量と温度差に起因する顕熱が貯蔵されて行く。外部からの熱供給が停止すると、蓄熱材12の温度が低下し、顕熱と潜熱が外装11から外部へ放出される。蓄熱板から外部への熱の放出は、緩慢で長時間にわたって行われるので、床暖房装置や壁暖房装置などへの利用が特に好都合となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように構成された蓄熱板において、蓄熱材12は、熱を一時的に貯蔵するという蓄熱板の基本作用発現のために不可欠の物である。また、上述のように外装11に伝熱材14の機能を兼ねさせるか、伝熱材14に外装11の機能を兼ねさせることで、伝熱材14か外装11を省略することも可能であるが、蓄熱板として外部との間で円滑な熱交換操作を行う上で、あるいは床や壁に設置、固定する上で、外装11と伝熱材14のいずれかは不可欠の物である。
【0006】
蓄熱体の容器13の機能は、蓄熱板の製造過程および使用過程において蓄熱材12を、蓄熱材が外装11や伝熱材14へ流出、混入して蓄熱機能や伝熱機能が低下すること、あるいは蓄熱材12が外装11や伝熱材14を腐食することを防止することなどであるが、特に蓄熱板の製造行程における利便性を与えているものである。すなわち容器13を利用することで、蓄熱材12の融点を考慮することなく、また外装11や伝熱材14に対する蓄熱材12の腐食性なども全く考慮することなく、外装11、蓄熱材12、伝熱材14を自由に組み合わせて、特別な温度管理もなく蓄熱板を製造することが可能となる。しかし、これら容器13の機能は、熱を一時的に貯蔵するという蓄熱板本来の目的とは関係がなく、また蓄熱板としての形状を維持する機能、あるいは蓄熱操作上不可欠の伝熱促進機能とも関係がない。すなわち、容器13の機能は蓄熱板の構造上都合の良いものであって、蓄熱板を使用する上で求められるものではない。また、一般に容器13は、厚さ2〜5mm程度の樹脂製であるので、蓄熱板当たりの容器13の数が増加すればするほど、蓄熱材12の充填可能な量が減少することになり、蓄熱板としての能力低下の原因にもなっている。さらに、従来の蓄熱板の製造方法に記述したように、容器13は、成形、変形加工、密閉という多数の工程を経て完成形となる物なので、蓄熱板の製造工程の簡略化を妨げる原因の一つになっている。
【0007】
本発明は上述のような問題点を解決するためになされたもので、主として蓄熱板の製造行程上の利便性から安易に使用されている容器13の必要性を見直すことで、蓄熱板の実際の利用段階で効果的に動作する構成要素からなる蓄熱板、すなわち、従来の蓄熱板よりも単純でありながら熱の利用効率の良い蓄熱板を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
外装11や蓄熱材12、容器13、伝熱材14は、蓄熱板の使用中において、取り換えたり材質を変更したりすることはない。特に、蓄熱体の蓄熱材12は容器13に一旦充填されると、蓄熱板を廃棄するまで再び容器13から取り出すことは無いのが通常である。ところで、従来の蓄熱板では、蓄熱材12は容器13に取り囲まれ、さらに容器13は伝熱材14に取り囲まれ、さらに場合によっては伝熱材14は外装11に取り囲まれている。すなわち、従来の蓄熱板を蓄熱板の外部から見たとき、蓄熱材12は容器13と伝熱材14又は外装11に二重に、あるいは伝熱材14のさらに外側に外装11を設ける場合には三重に取り囲まれていることになる。上述のように、伝熱材14あるいは外装11は蓄熱板を使用する上で必須の要素であるが、容器13は蓄熱板を使用する上で必須の要素ではない。また、使用中において蓄熱板内部に手を加えることは無い。したがって、蓄熱材12に対して容器13の機能を代替するような伝熱材14あるいは外装11を、物性に配慮してそれぞれ適切に選択し、蓄熱板を製造すれば、容器13を蓄熱板から無くし、従来の蓄熱板よりも単純でありながら熱の利用効率の良い蓄熱板を得ることが可能になる。
【0009】
本発明による蓄熱板は、上述のような課題を解決する手段として、固体状の物質の内部に該物質に対して不溶性の蓄熱材が分散配置され、前記固体状の物質の成形温度は前記蓄熱材の融点よりも低く、前記固体状物質と前記蓄熱材との間には、前記蓄熱材を前記固体状物質に分散配置する前に、固体状の蓄熱材の内部に形成したことにより生ずる空隙が設けられていることを特徴とする。
【0010】
また、前記固体状の物質の表面には、前記蓄熱材の透過を阻止する手段が設けられていることを特徴とする。また、前記固体状の物質の非放熱面には、断熱材が取り付けられていることを特徴とする。また、前記固体状の物質には、該物質に熱を供給する手段を有することを特徴とする。また、前記固体状の物質には、該物質から熱を抽出する手段を有することを特徴とする。
【0011】
また、前記蓄熱材は、水あるいは水と有機溶媒の混合物であることを特徴とする。
また、前記蓄熱材は、パラフィンであることを特徴とする。
また、前記蓄熱材は、水和物あるいは相分離防止剤が添加された水和物あるいは過冷却防止剤が添加された水和物であることを特徴とする。
また、前記蓄熱材は、有機溶媒であることを特徴とする。
また、前記蓄熱材は、プラスチックスであることを特徴とする。
また、前記蓄熱材は、溶融塩であることを特徴とする。
また、前記蓄熱材は、金属であることを特徴とする。
【0012】
また、前記固体状の物質は、土あるいは砂あるいは石あるいはそれらの混合物であることを特徴とする。
また、前記固体状の物質は、気硬性セメントあるいはい水硬性セメントあるいはモルタルあるいはコンクリートあるいは石膏であることを特徴とする。
また、前記固体状の物質は、プラスチックスであることを特徴とする。
また、前記固体状の物質は、セラミックスであることを特徴とする。
また、前記固体状の物質は、金属であることを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明による蓄熱板の製造方法においては、固体状の物質の内部に蓄熱材を分散配置させるときに、前記蓄熱材は内部に中空を含有することを特徴とする。
さらに、本発明による蓄熱板の製造方法においては、固体状の物質の内部に蓄熱材を分散配置させるときに、前記固体状の物質となる原料あるいは素材の温度を、該物質が固化するまでは前記蓄熱材の融点よりも低い温度に維持することを特徴とする。
【0014】
【作用】
本発明による蓄熱板では、蓄熱板の伝熱材あるいは外装となる固体状の物質の成形温度が充填する蓄熱材の融点よりも低く、かつ成形後の伝熱材あるいは外装の耐熱温度が充填する蓄熱材の融点よりも高くなっている。以下では、伝熱材が蓄熱材の周囲を取り囲む構造の蓄熱板に関して作用の説明を行う。外装が蓄熱材の周囲を取り囲む構造の蓄熱板の場合には、以下の説明において伝熱材を外装に読み替えれば良い。また、伝熱材の周囲をさらに外装が取り囲む構造の蓄熱板の場合には、外装は床や壁に設置、固定する際の強度維持や外観の向上に寄与し、伝熱材が以下の説明と同様の作用をもたらすので、説明を省略する。
【0015】
蓄熱板を成形する際には、まず所定の形状にした蓄熱材を伝熱材の型枠内に分散配置させる。蓄熱材の温度は融点よりも低く、固相となっているので、蓄熱材が変形したり蓄熱材同士が混合したりすることはない。次に、型枠と蓄熱材との隙間に伝熱材になる材料を流し込む。伝熱材となる材料は、成形前は液相あるいは液相と固相の混合相、あるいは容易に塑性変形可能な固相となっているので、型枠と蓄熱材との隙間に容易に流し込むことが可能である。また、蓄熱材の温度は融点よりも低く、固相となっているので、伝熱材となる材料の注入によって蓄熱材が変形したり、蓄熱材同士あるいは蓄熱材と伝熱材となる材料が混合したりすることはない。伝熱材となる材料は、型枠に注入してから一定時間後に、乾燥や伝熱材となる材料内の化学反応、焼成操作などによって固化する。固化の過程においても、蓄熱材の温度は融点よりも低く、固相となっているので、蓄熱材が変形したり蓄熱材同士、あるいは蓄熱材と伝熱材となる材料が混合したりすることはない。伝熱材となる材料が一旦固化すれば、蓄熱材は伝熱材の中に分散して存在することになる。
【0016】
成形後の蓄熱板が使用される場合の蓄熱材の様子は、従来例と基本的に同様である。ただし、蓄熱板の使用温度は成形温度とは無関係であり、成形後の伝熱材の耐熱温度を越えない限り、蓄熱材の融点より低い温度範囲だけで使用することも、蓄熱材の融点より高い温度範囲だけで使用することも、あるいは蓄熱材の融点を含む温度範囲で使用することも可能である。以下に、それぞれの場合について、蓄熱材の様子を記述する。
【0017】
蓄熱材の融点より低い温度範囲だけで使用する場合は、蓄熱材が常に固相の状態になる。蓄熱材は固相のままであるので、使用中において蓄熱材同士、あるいは蓄熱材と伝熱材となる材料が混合したりすることはない。蓄熱板に外部から熱交換器等を用いて熱を供給すると、蓄熱材の温度が上昇し、蓄熱材の熱容量と温度差に起因する固相の顕熱が貯蔵されて行く。外部からの熱供給が停止すると、蓄熱材の温度が低下し、貯蔵した固相の顕熱が蓄熱板から外部へ放出される。蓄熱板から外部への熱の放出は緩慢なので、長時間にわたり蓄熱板を熱源とする加熱や暖房利用が可能となる。また、蓄熱板から外部へ熱交換器等を用いて熱を抽出すれば、より迅速に貯蔵した熱を利用することができる。2回目以降の熱の供給と放出は、上記の繰り返しとなる。
【0018】
蓄熱材の融点より高く、沸点よりも低い温度範囲だけで使用する場合は、蓄熱材が常に液相の状態になる。成形後に蓄熱板を使用温度に上昇させると、蓄熱材の融点で蓄熱材は融解し、液相となる。液相となった蓄熱材は形が無くなるが、蓄熱材が融解前の固相状態で占めていた空間の形は、固相の伝熱材で保持されたままであるので、伝熱材が容器となって蓄熱板からの蓄熱材の流出を阻止する。これにより、使用中において蓄熱材同士あるいは蓄熱材と伝熱材となる材料が混合したりすることはない。蓄熱板に外部から熱交換器等を用いて熱を供給すると、蓄熱材の温度が上昇し、蓄熱材の熱容量と温度差に起因する液相の顕熱が貯蔵されて行く。外部からの熱供給が停止すると、蓄熱材の温度が低下し、貯蔵した液相の顕熱が蓄熱板から外部へ放出される。蓄熱板から外部への熱の放出は緩慢なので、長時間にわたり蓄熱板を熱源とする加熱や暖房利用が可能となる。また、蓄熱板から外部へ熱交換器等を用いて熱を抽出すれば、より迅速に貯蔵した熱を利用することができる。2回目以降の熱の供給と放出は、上記の繰り返しとなる。蓄熱材の沸点よりも高い温度範囲だけで使用する場合は、蓄熱材が常に気相の状態になるが、基本的な作用は上記と同様である。
【0019】
蓄熱材の融点を含む温度範囲で使用する場合は、蓄熱材は温度に応じて固相か液相、あるいはその混合相のいずれかの状態になる。蓄熱板に外部から熱交換器等を用いて熱を供給すると、蓄熱材の温度が上昇し、蓄熱材の熱容量と温度差に起因する固相の顕熱が貯蔵されて行く。蓄熱材の温度が蓄熱材の融点まで上昇すると、蓄熱材は固相から液相へと相変化し、相変化に起因する潜熱が貯蔵される。液相となった蓄熱材は形が無くなるが、蓄熱材が融解前の固相状態で占めていた空間の形は、固相の伝熱材で保持されたままであるので、伝熱材が容器となって蓄熱板からの蓄熱材の流出を阻止する。これにより、使用中において蓄熱材同士、あるいは蓄熱材と伝熱材となる材料が混合したりすることはない。蓄熱材の融解が完了し、蓄熱材が完全に液相になると、蓄熱材の温度は上昇を再開し、蓄熱材の熱容量と温度差に起因する液相の顕熱が貯蔵されて行く。
【0020】
外部からの熱供給が停止すると、蓄熱材の温度が低下し、貯蔵した液相の顕熱が蓄熱板から外部へ放出される。蓄熱材の温度が低下し、融点あるいは結晶核生成温度に達すると、蓄熱材は液相から固相へと相変化し、貯蔵した潜熱が蓄熱板から外部へ放出される。液相の蓄熱材は伝熱材の形成する空間に保持されているので、伝熱材の空間の形、すなわち融解前の固相の蓄熱材と同じ形に凝固する。蓄熱材の凝固が完了し、蓄熱材が完全に固相になると、蓄熱材の温度は下降を再開し、貯蔵した固体の顕熱が蓄熱板から外部へ放出される。蓄熱板から外部への熱の放出は緩慢なので、長時間にわたり蓄熱板を熱源とする加熱や暖房利用が可能となる。また、蓄熱板から外部へ熱交換器等を用いて熱を抽出すれば、より迅速に貯蔵した熱を利用することができる。2回目以降の熱の供給と放出は、上記の繰り返しとなる。蓄熱材の沸点を含む温度範囲で使用する場合は、蓄熱材は温度に応じて液相か気相、あるいはその混合相のいずれかの状態になるが、基本的な作用は上記と同様である。
【0021】
蓄熱材と伝熱材との間に設けられた空隙は、蓄熱体が使用される際に、蓄熱材と伝熱材の熱膨張の差によって発生する応力を、緩和することができる。すなわち、蓄熱体の利用時に、蓄熱材1は固相や液相などの相に関わらず、温度に応じて密度が変化する。一般に、物質の密度は温度が上昇するほど小さくなる。すなわち、物質の体積は温度が高くなるほど大きくなる。製造段階に固相であった蓄熱材の体積は、使用時の温度が製造時よりも高くなれば、膨張して大きくなる。伝熱材の体積も温度上昇に合わせて大きくなるが、使用時の温度において、伝熱材の膨張よりも蓄熱材の膨張の方が大きければ、両者の膨張差によって蓄熱材には圧縮応力が作用し、逆に伝熱材には引張応力が作用して、伝熱材に亀裂を生じさせる可能性もある。ところが、蓄熱材と伝熱材との間に空隙があれば、空隙の体積は蓄熱材に比べて容易に膨張・収縮ができるので、蓄熱材と伝熱材の熱膨張差を吸収し、伝熱材の応力破壊を防止することが可能になる。
【0022】
伝熱材の表面に設けられた蓄熱材の透過を阻止する手段は、伝熱材からの蓄熱材の漏洩を阻止する。すなわち、伝熱材の中で蓄熱材の占める空間と伝熱材の外部との間に製造上の問題で微小な孔が開いてしまうと、蓄熱材が融解して液相となったときに、あるいは気化して気相となったときに、蓄熱材が微小な孔を通して伝熱材から流れ出してしまうが、伝熱材の表面に設けられた蓄熱材の透過を阻止する手段は、伝熱材を密封しているので、流れ出た蓄熱材の一部が蓄熱板の外に漏洩することを阻止することができる。
【0023】
伝熱材の非放熱面に設けられた断熱材は、蓄熱板の特定の表面以外からの熱の散逸を減少させる。すなわち、蓄熱板の表面のうち、放熱の必要な特定の部分以外を断熱材で覆うと、断熱材で覆われた面を通過する熱は、断熱材で覆われていない面よりも小さいので、蓄熱板からの放熱量の大半は、断熱材に覆われていない面から行われる。このため、貯蔵した熱を必要な方向に有効に放熱することが可能になる。
【0024】
蓄熱材に水を用いれば、氷点下から100℃程度までの顕熱あるいは潜熱蓄熱機能を安定的かつ安価かつ安全に利用することができる。
また、蓄熱材にパラフィンを用いれば、常温から70℃程度までの顕熱あるいは潜熱蓄熱機能を安定的に利用することができる。
また、蓄熱材に水和物あるいは相分離防止剤が添加された水和物あるいは過冷却防止剤が添加された水和物を用いれば、常温付近から120℃程度までの顕熱あるいは潜熱蓄熱機能を安価に有効利用することができる。
また、蓄熱材に有機溶媒を用いれば、低温から100℃程度までの顕熱あるいは潜熱蓄熱機能を安定的に利用することができる。
また、蓄熱材にプラスチックスを用いれば、常温から200℃程度までの顕熱あるいは潜熱蓄熱機能を安定的に利用することができる。
また、蓄熱材に溶融塩を用いれば、200℃から1300℃程度までの高温の顕熱あるいは潜熱蓄熱機能を利用することができる。
また、蓄熱材に金属を用いれば、100℃から1600℃程度までの高温の顕熱あるいは潜熱蓄熱機能を利用することができる。
【0025】
また、伝熱材に気硬性セメントあるいはい水硬性セメントあるいはモルタルあるいはコンクリートあるいは石膏を用いれば、常温付近で成形、固化することができ、100℃から1000℃程度までの耐熱機能を利用することができる。
また、伝熱材にゴムを用いれば、常温付近で成形、固化することができ、常温付近の温度で弾性の高い蓄熱材の保持機能を利用することができる。
また、伝熱材にプラスチックスを用いれば、常温から200℃付近で成形、固化することができ、常温付近から200℃程度の温度で耐食性や強度の高い蓄熱材の保持機能を利用することができる。
また、伝熱材にセラミックスを用いれば、常温付近で成形し、700〜1000℃程度で焼成することができ、1000℃から2000℃程度までの耐熱機能を利用することができる。
また、伝熱材に金属を用いれば、常温付近で成形し、1000℃程度で焼成することができ、100℃から1200℃程度までの耐熱機能を利用することができる。
【0026】
さらに、蓄熱板の蓄熱材を製造する際に、蓄熱材の内部が中空になるようにすれば、蓄熱材と伝熱材との間の熱膨張の差によって発生する応力を緩和するための、蓄熱材と伝熱材との間の隙間を容易に形成させることができる。すなわち、中空を有する蓄熱材の体積は、蓄熱材の正味の体積に、蓄熱材中に設けた中空の体積を加えた体積となるので、蓄熱材が中空を有する状態で蓄熱材を伝熱材に分散配置させれば、蓄熱板の使用時に蓄熱材が固相のままで膨張する場合には、膨張による応力を蓄熱材中の中空で緩和することができ、あるいは蓄熱材が融解して液相になる場合には、製造時に設けていた中空は浮力差で蓄熱材の上方に移動して伝熱材の中に蓄熱材のない空間を部分的に形成し、膨張による応力を蓄熱材のない空間で緩和することができる。
【0027】
さらに、蓄熱板の製造において、伝熱材となる材料の温度を該材料が固化するまでは蓄熱材の融点よりも低い温度になるように維持すれば、固化の際に乾燥や伝熱材となる材料内の化学反応、焼成操作などによって蓄熱材の温度が融点以上になり、液相になって伝熱材となる材料にとけ込んだり、漏洩することを防止することができる。
【0028】
【実施例】
実施例1.
図1(a)は、本発明による蓄熱板Pの概略図であり、図2は図1の蓄熱板の製造方法を示す図である。図1(a)において、1は蓄熱板の伝熱材、2は伝熱材1の内部に分散配置される蓄熱材である。伝熱材1と蓄熱材2となる物質の組み合わせは後述するが、選択条件として、蓄熱材2は伝熱材1に対して不溶・非腐食性であり、蓄熱材2の融点が伝熱材1の成形温度よりも高いことを必須とする。ところで、ここでの成形温度とは、流動状態の物質が硬化して固体に変化するときの温度を示す。また、伝熱材1や蓄熱材2の大きさや形状は、使用目的に応じて自由に設定することができる。図2において、1と2は図1と同一あるいは相当する部分を示す。3は伝熱材1となる物質を注入し、必要な形状に固化させる際に使用する型枠である。
【0029】
図1(a)の蓄熱板Pの製造工程について説明する。まず、適当な大きさの固相の蓄熱材2を製造する。固相の蓄熱材2の製造には、液相の状態でたこ焼き器のような複数の型枠に入れて冷却し、固相にした後に型枠から取り出す方法や、液相を一つの型枠に入れて冷却し、固相にした後に型枠から取り出して適当な大きさに分割・成形する方法など、種々の方法を採ることができる。製造した固相の蓄熱材2を型枠3に充填する。蓄熱材2の充填量は、必要となる蓄熱量に応じて種々に設定することができる。図1や図2では、説明を明快にするために伝熱材1中の蓄熱材2の数を少なくしてあるが、大きな蓄熱量が必要であれば蓄熱材2を多数細密に充填することが可能である。この点は、以下の図でも同様である。
【0030】
次に、伝熱材1となる物質を流動状態で蓄熱材2と型枠3との間隙に注入する。その際、蓄熱材2同士の隙間にも伝熱材1となる物質が入り込めるように、全体に振動を与えたり、伝熱材1と蓄熱材2を攪拌したりすれば、より効果的である。最後に、伝熱材1の固化処理をする。伝熱材1にセメントや樹脂を選択すれば、伝熱材1を静置するだけで乾燥や伝熱材となる材料内の化学反応が進み、固化処理を完了させることができる。伝熱材1にセラミックスや金属を選択すれば、伝熱材1を炉内で焼結させることで固化処理を完了させることができる。いずれにせよ、伝熱材1が固化した後に、型枠3から伝熱材1を外すことで、蓄熱板の製造が完了する。一連の製造過程において、必要であれば冷却操作を行うことで、伝熱材1となる材料の温度を該物質が固化するまでは蓄熱材2の融点よりも低く維持し、蓄熱材2の温度が融点以上になって融解し、伝熱材1となる材料に溶け込んだり、漏洩することを防止することができる。
【0031】
蓄熱板の製造において重要なことは、伝熱材1となる物質の物性である。必要な機能を発揮する蓄熱材2の凝固点がT1であり、また、蓄熱板Pの使用温度の上限がT2であるとすると、これに対応する伝熱材1に求められる条件は、成形温度T3がT1よりも低く、かつ成形後すなわち固化した後の耐熱温度T4がT2よりも高いこと、すなわちT3<T1かつT2<T4となることである。この温度関係の一例を図1(b)に示している。このような伝熱材1と蓄熱材2を選択すれば、固相の蓄熱材2は、蓄熱板Pの製造時に伝熱材1を注入しても固相状態を維持でき、伝熱材1と蓄熱材2とは混じり合うことがない。よって、従来例のような蓄熱材12を密閉するための容器13を用いる必要が無く、蓄熱板の製造および構造を単純化することが可能である。
【0032】
次に、蓄熱板の使用方法について説明する。まず、蓄熱板すなわち蓄熱材2に外部から熱を供給する。これにより蓄熱材2の温度は徐々に上昇し、作用で述べたように使用温度域に応じた蓄熱材2の変化と熱の貯蔵が行われる。この際、作用で述べたように、たとえ蓄熱材2が液相や気相になったとしても、伝熱材1が蓄熱材2の容器として作用するので、蓄熱材2が蓄熱板から漏洩することはない。また、熱の供給が停止した後は、蓄熱材2に貯蔵された熱が伝熱材1を通して外部に放出され、作用で述べたように蓄熱材2は加熱前と全く同じ状態に復帰する。蓄熱板からの熱の放出は緩慢で長時間にわたり行われるので、加熱や暖房、特に床暖房装置や壁暖房装置、パネルヒーターなどへの利用が可能である。
【0033】
次に、本発明で適用される伝熱材1と蓄熱材2の組み合わせ例を示す。
組み合わせ例
【0034】
Figure 0003590835
【0035】
Figure 0003590835
【0036】
Figure 0003590835
【0037】
Figure 0003590835
【0038】
上記例のような組み合わせは、他に種々の物質から選択することができる。たとえば、伝熱材1には気硬性セメント、水硬性セメント、コンクリート、石膏、耐熱モルタル、アルミナセメント、水硬性アルミナなどに水や粘結材などの副原料を混合した物、土石と接着剤(にかわ、つのまた、こんにゃくのり、アラビアゴムのり等)の混合物、ポリエチレンやポリプロピレン等の樹脂、各種のゴムやエポキシ系樹脂など、種々の物質が所要の使用温度や蓄熱材2の材質などに応じて選択、利用することができる。
【0039】
たとえば、蓄熱材2には硫酸ナトリウム十水和物、炭酸ナトリウム十水和物、チオ硫酸ナトリウム五水和物、酢酸ナトリウム三水和物、塩化マグネシウム六水和物、硫酸アルミニウム十水和物、硝酸マグネシウム六水和物、硫酸アルミニウムアンモニウム十二水和物、硫酸アルミニウムカリウム十二水和物、硝酸ニッケル(II)六水和物、塩化カルシウム六水和物、炭酸カルシウム六水和物、ふっ化カリウム四水和物、燐酸水素二カルシウム六水和物、硝酸カルシウム四水和物などの水和物、マンニトール、エリスリトールなどのアルコール、n−トリアコンタン、n−オクタコサン、n−ヘプタコサン、n−ヘキサコサン、n−テトラコサン、n−ドコサン、n−ヘネイコサン、n−エイコサン、n−ノナデカン、n−オクタデカン、n−ヘキサデカン、n−テトラデカン、n−ドデカン等の各種パラフィン、水、ペンタエリストール、ポリエチレン、アセトアミド、プロピオナミド、ナフタレン、ステアリン酸、ビフェニル、ポリエチレングリコール、ポリミチン酸、カンフェン、3−ヘプタデカノン、エライジン酸、シアナミド、ラウリン酸、トリミリスチン、カプリン酸、乳酸、グリセリン、酢酸、カプリル酸、エチレンジアミン、ギ酸等の各種有機物、包接化合物、およびそれらの混合物、あるいはそれらに相分離防止剤や酸化防止剤等が添加された物質など、種々の物質が所要の使用温度や蓄熱量に応じて選択、利用することができる。
【0040】
Figure 0003590835
【0041】
Figure 0003590835
【0042】
上記例のような組み合わせは、他に種々の物質から選択することができる。たとえば、伝熱材1には窒化珪素、炭化珪素、窒化ホウ素、酸化ジルコニウム、ホウ化ジルコニウム、ホウ化物サーメット等のセラミックス、チタン酸アルミニウム、チタン酸バリウム、マンガン/コバルト/ニッケル混合物、五酸化バナジウム/金属酸化物等の金属など、種々の物質が所要の使用温度や蓄熱材2の材質などに応じて選択、利用することができる。
【0043】
たとえば、蓄熱材2には水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、亜硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸リチウム、硝酸ナトリウム、塩化リチウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の溶融塩あるいはそれらの混合物、亜鉛、アルミニウム、アンチモン、硫黄、インジウム、カドニウム、カリウム、ガリウム、カルシウム、金、銀、珪素、ゲルマニウム、コバルト、サマリウム、錫、ストロンチウム、セシウム、セリウム、セレン、タリウム、チタン、テルル、銅、ナトリウム、鉛、ニッケル、バリウム、ビスマス、砒素、ベリリウム、マグネシウム、マンガン、ヨウ素、ランタン、リチウム、燐、ルビジウム等の金属あるいはそれらの混合物など、種々の物質が所要の使用温度や蓄熱量に応じて選択、利用することができる。
【0044】
実施例2.
図3は、本発明の他の実施例を示す蓄熱板Pの蓄熱材2部分の断面図である。また図4は、本実施例の製造方法をより安定的に行わせるための、蓄熱材2の断面図を示している。図3において、2は実施例図1と同一あるいは相当する部分を示す。4は伝熱材1の内部にあって、伝熱材1と蓄熱材2との間に設けられた空隙であり、蓄熱材2の占める空間とつながっている。たとえば図3(a)に示すように、蓄熱材2の一部に適当な大きさの窪みSを設け、伝熱材1となる材料を流し込む型枠3に窪みが鉛直下向きになるように置き、伝熱材1となる材料をゆっくりと流し込んで固化させれば、窪みに存在した気体が伝熱材1と蓄熱材2との間に閉じこめられて、空隙4が形成される。固化した蓄熱板Pの蓄熱材2が、蓄熱材2の融点以上に加熱されると蓄熱材2は融解して液相となり、それまで鉛直下方にあった空隙は密度差のために鉛直上方へ移動するので、図3(b)のように上方に空隙4が形成されることになる。図4において、2は実施例図1と同一あるいは相当する部分を示す。5は蓄熱材2の中に設けられた空隙である。
【0045】
本実施例の蓄熱板Pの使用方法は、実施例1と同様である。ただし、本実施例の場合には、伝熱材1に囲まれた蓄熱材2の存在する空間に、空隙4が図3のように存在する。蓄熱板の利用時に、蓄熱材2は固相や液相などの相に関わらず、温度に応じて密度が変化する。作用で説明したように、製造段階に固相であった蓄熱材2の体積は、使用時の温度が製造時よりも高くなれば、膨張して大きくなる。伝熱材1の体積も温度上昇に合わせて大きくなるが、使用時の温度において、伝熱材1の膨張よりも蓄熱材2の膨張の方が大きければ、両者の膨張差によって伝熱材1に引張応力が発生し、伝熱材1に亀裂を生じさせる可能性もある。ところが、空隙4は固相や液相にある蓄熱材2と比較して、容易に収縮、膨張できるので、伝熱材1と蓄熱材2の膨張差による圧力を空隙4で緩和することが可能である。
【0046】
また、上述のような蓄熱体Pの製造において、図4のように蓄熱材2の製造段階で蓄熱材2の中に空隙5を設けておけば、本実施例の製造方法をより安定的に行わせることができる。たとえば回転成形法を用いれば、図4のような中空の蓄熱材2を容易に製造することができる。図4の蓄熱材2を用いれば、上述のように窪みを設けた蓄熱材2の向きを伝熱材成型時に配慮する必要もなく、実施例1と同様の単純な操作で膨張圧の差による圧力を緩和するための空隙5を、伝熱材1の中に設けることができる。空隙5は、蓄熱体Pを固相のままで使用する場合には、図4の位置で変わりなく、蓄熱体を一度でも融解させる場合には、密度差によって空隙5は図3(b)の空隙4と同様の位置に移動するが、圧力を緩和する機能は空隙の位置に関わらずほぼ同様である。
【0047】
実施例3.
図5は本発明の他の実施例を示す蓄熱板Pの上面図と断面図である。図5において、1と2は実施例図1と同一あるいは相当する部分を示す。6は、伝熱材1の周囲を被覆する被覆材であり、シリコンのようなゴムやプラスチックス、防水紙、金属箔などを用いることができる。このように構成された蓄熱板Pにおいて、被覆材6は蓄熱材2の外部への漏洩を防止する。すなわち、製造後の蓄熱板において、蓄熱材2の一部分が伝熱材1の外表面に接する位置にあり、伝熱材1の外表面と蓄熱材2の接点において、伝熱材1の外部と蓄熱材2の占める空間とが微小な孔でつながってしまった場合に、蓄熱板Pの利用で蓄熱材2が固相から液相へと相変化したときに、被覆材6がなければ液相となった蓄熱材2は伝熱材1にできた微小な孔から伝熱材1の外部へ漏洩してしまうが、伝熱材1を密封する被覆材6があれば外部への蓄熱材2の漏洩は阻止される。
【0048】
被覆材6がシリコンのような接着・硬化性を兼ね備えた材質であれば、硬化の温度が蓄熱材2の融点よりも低く、かつ硬化後の耐熱温度が蓄熱板の使用温度よりも高いような材料を被覆材6に用いることができる。すなわち、伝熱材1を液相の被覆材6となる材料に浸け、伝熱材1の全表面に被覆材6となる材料を付着させた後に、被覆材6となる材料を硬化させれば、伝熱材1の表面を被覆材6で完全に密封することができる。また、被覆材6が防水紙や金属箔のような接着性のない材質であれば、硬化の温度が蓄熱材2の融点よりも低く、かつ硬化後の耐熱温度が蓄熱板の使用温度よりも高いような接着剤を用い、伝熱材1と被覆材6を接着させれば、伝熱材1の表面を完全に密封することができる。
【0049】
実施例4.
図6は本発明の他の実施例を示す蓄熱板の概略図である。図6において、7は伝熱材1で放熱の必要な部分以外の面を覆うための断熱材である。図示していないが、伝熱材1や蓄熱材2等の蓄熱板Pの構成要素は、実施例図1と同様のものである。作用の項で説明したように、放熱面以外の部分を断熱材7で覆うことにより、蓄熱板Pからの放熱量の大半は、放熱面から行われ、貯蔵した熱を必要な方向に有効に放熱することが可能になる。また、実施例1において伝熱材1の成形には適当な型枠3を必要としたが、放熱面が図6に示すように一面だけであるときには、型枠3の代わりに断熱材7でできた型枠を用いることができ、製造工程をさらに一つ省略した上で、熱損失の小さい効率の良い蓄熱板を得ることができる。
【0050】
実施例5.
図7は本発明による他の実施例を示す蓄熱板の概略図である。図7において、1と2は実施例図1と同一あるいは相当する部分を示す。8は伝熱材1内部に設けられ、伝熱材1に対して熱を供給あるいは抽出する手段である。熱供給/抽出手段8は、たとえば熱交換器の管路や電熱器、熱電素子など、種々の手段を適用することができる。このように伝熱材1内部に熱を供給する手段あるいは抽出する手段を設けることにより、伝熱材1に対して効率良く熱を供給あるいは抽出することができる。
【0051】
【発明の効果】
本発明による蓄熱板においては、固体状の伝熱材中に分散配置された蓄熱材が該伝熱材に対して不溶性であり、かつその融点が該伝熱材の成形温度よりも高い。このため、蓄熱板の製造過程において、固相の蓄熱材が充填された型枠に流体状の伝熱材となる物質を流し込み、伝熱材となる材料を固化させても、蓄熱材と伝熱材は溶け合うことはなく、伝熱材の成形前の形のままに蓄熱材を伝熱材中に存在させることができる。
【0052】
したがって、本発明によれば、従来の蓄熱板では不可欠であった蓄熱容器の成形と蓄熱材の充填、密閉加工などの操作が不要になり、製造工程を簡略化することができる。また、蓄熱容器を使わないことによって、従来の蓄熱板において蓄熱容器が占めていた空間も蓄熱材を充填する空間として使用することができるので、蓄熱板の容積当たりの蓄熱量を、従来よりも多くすることも可能である。また、従来の蓄熱板において伝熱材と蓄熱材との間に介在していた蓄熱容器を使わないことによって、伝熱材と蓄熱材との間の熱交換が直接的に行われるので、従来よりも熱交換効率の良い蓄熱板を提供することが可能である。さらに、伝熱材と蓄熱材とは不溶性であるので、使用後の蓄熱板を蓄熱材の融点以上かつ沸点未満の温度下で解体すれば、従来の蓄熱板よりも容易に伝熱材と蓄熱材を分離回収し、素材を再使用することも可能となる。
【0053】
また、本発明によれば、伝熱材と蓄熱材との間に空隙が設けられているので、蓄熱板の使用によって伝熱材と蓄熱材の温度が上昇し、両者の熱膨張差で伝熱材や蓄熱材に大きな応力が発生するような場合でも、該空隙が発生した応力を緩和するので、伝熱材の応力破壊を防止することが可能である。
また、伝熱材の中で蓄熱材の占める空間と伝熱材の外部との間に製造上の問題で微小な孔が開いてしまうと、蓄熱材が融解して液相となったときに、あるいは気化して気相となったときに、蓄熱材が微小な孔を通して伝熱材から流れ出してしまうが、本発明によれば伝熱材や外装の表面には蓄熱材の透過を阻止する手段が設けられているので、該微小な孔を通して伝熱材から流れ出ようとする蓄熱材が蓄熱板の外に漏洩することを阻止することが可能である。
また、本発明によれば、蓄熱板の放熱面以外の部分が断熱材で覆われているので、貯蔵した熱を必要な方向に有効に放熱する効率の良い蓄熱板とすることが可能になる。
また、本発明によれば、蓄熱材と伝熱材あるいは外装となる材料に作用の項で述べたような種々の物質を選択することができるので、必要とする蓄熱温度や蓄熱量などの使用目的に合わせて、種々の蓄熱板の設計が可能である。
また、本発明によれば、伝熱材内部に熱を供給あるいは抽出する手段を設けてあるので、蓄熱材に対して迅速に効率良く熱の供給あるいは抽出操作を行うことができる。
【0054】
さらに、本発明によれば、伝熱材に分散配置させる蓄熱材を製造する際に、蓄熱材の内部が中空になるようにするので、伝熱材中の蓄熱材のある空間に容易に空隙を設けることができ、上述のように伝熱材の応力破壊を防止することが可能である。
【0055】
さらに、本発明によれば、蓄熱板の製造過程において冷却操作を行うことで、伝熱材や外装となる材料の温度を該物質が固化するまでは蓄熱材の融点よりも低く保ち、蓄熱材の温度が融点以上になって融解し、伝熱材や外装となる材料に溶け込んだり、漏洩することを防止することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による蓄熱板の実施例を示し、(a)はその概略図であり、(b)はその温度特性を示す図である。
【図2】本発明による蓄熱板の製造方法を示す図である。
【図3】本発明による蓄熱板の蓄熱材部分の断面図を示し、(a)は成型時の状態、及び成形後蓄熱材の非溶融使用時の状態を示す図であり、(b)は蓄熱材の成形後において溶融状態で使用されるときの図である。
【図4】本発明による蓄熱板における蓄熱材の他の実施例を示す断面図である。
【図5】本発明による蓄熱板における他の実施例の斜視図である。
【図6】本発明による蓄熱板の更に他の実施例の斜視図である。
【図7】本発明による蓄熱板の他の実施例の斜視図である。
【図8】従来の蓄熱板の概略図を示す。
【図9】従来蓄熱板の蓄熱体の断面図を示す。
【符号の説明】
1 伝熱材
2 蓄熱材
3 型枠
4 空隙
5 空隙
6 被覆材
7 断熱材
8 熱供給/抽出手段

Claims (18)

  1. 固体状の物質の内部に該物質に対して不溶性の蓄熱材が分散配置され、前記固体状の物質の成形温度は前記蓄熱材の融点よりも低く、前記固体状物質と前記蓄熱材との間には、前記蓄熱材を前記固体状物質に分散配置する前に、固体状の蓄熱材の内部に形成したことにより生ずる空隙が設けられていることを特徴とする蓄熱板。
  2. 前記固体状物質の表面には、前記蓄熱材の透過を阻止する手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の蓄熱板。
  3. 前記固体状の物質の非放熱面には、断熱材が取り付けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の蓄熱板。
  4. 前記固体状の物質には、該物質に熱を供給する手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の蓄熱板。
  5. 前記固体状の物質には、該物質から熱を抽出する手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の蓄熱板。
  6. 前記蓄熱材は、水あるいは水と有機溶媒の混合物であることを特徴とする請求項1乃至請求項5に記載の蓄熱板。
  7. 前記蓄熱材は、パラフィンであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の蓄熱板。
  8. 前記蓄熱材は、水和物あるいは相分離防止剤が添加された水和物あるいは過冷却防止剤が添加された水和物であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の蓄熱板。
  9. 前記蓄熱材は、有機溶媒であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の蓄熱板。
  10. 前記蓄熱材は、プラスチックスであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の蓄熱板。
  11. 前記蓄熱材は、溶融塩であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の蓄熱板。
  12. 前記蓄熱材は、金属であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の蓄熱板。
  13. 前記固体状の物質は、土あるいは砂あるいは石あるいはそれらの混合物であることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれかに記載の蓄熱板。
  14. 前記固体状の物質は、気硬性セメントあるいは水硬性セメントあるいはモルタルあるいはコンクリートあるいは石膏であることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれかに記載の蓄熱板。
  15. 前記固体状の物質は、プラスチックスであることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれかに記載の蓄熱板。
  16. 前記固体状の物質は、セラミックスであることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれかに記載の蓄熱板。
  17. 前記固体状の物質は、金属であることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれかに記載の蓄熱板。
  18. 固体状の物質の内部に蓄熱材を分散配置させるときに、前記蓄熱材は内部に中空を含有し、前記固体状の物質となる原料あるいは素材の温度を、該物質が固化するまでは前記蓄熱材の融点よりも低い温度に維持することを特徴とする請求項1乃至請求項17のいずれかに記載の蓄熱板の製造方法。
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