JP3590476B2 - 索式ミラー制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、索式の自動車用ドアミラー制御装置に関するものであり、特に、ドアミラーの角度等を制御する制御装置を、十字軸を主体として形成されるユニバーサルジョイント機構からなるようにした索式のミラー制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の、この種の索式ドアミラー制御装置は、例えば実公平4−33156号公報記載の如く、制御装置の基礎となるベース、当該ベースの半球状ソケット部を起点にして首振り運動の可能なように取り付けられるミラー取付板、当該ミラー取付板及び当該ミラー取付板に取り付けられるミラーを駆動するコントロールワイヤ(索)等からなるものである。そして、当該索は、その一端がレバー装置につながるとともに、他端は上記ミラー取付板に取り付けられるようになっているものである。また、ベースとミラー取付板との関係は、当該ミラー取付板の裏面に設けられたピボットの先端部が、上記ベースに設けられた半球状のソケット部に嵌まり込むようになっているものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来のものにおいては、上記ピボットの先端部と半球状ソケット部とは単に嵌合しているにすぎず、上記索の張力によって両者は結合されるようになっているものであるところから、上記索が切断してしまったような場合、上記嵌合関係は破綻してしまうこととなる。すなわち、索の一端が連結されているミラー取付板と、当該ミラー取付板のピボット部の首振り起点となる半球状ソケット部を有するベースとは離れてしまうこととなり、その結果、ミラーは脱落してしまうこととなる。このような問題点を解決するために、たとえ索が切断したとしても、ミラーが脱落することの無いようにした索式のミラー制御装置を提供しようとするのが、本発明の目的(課題)である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明においては、次のような手段を講ずることとした。すなわち、フレームあるいはハウジング等に取り付けられるアクチュエータベース、当該アクチュエータベースに、その一方の軸部が回転自在なように取り付けられる十字軸、当該十字軸の他方の軸部と相対回転運動が可能なように結合するものであって操作レバー等によって駆動される索(ワイヤ)の、その一端が取り付けられるとともに、ミラーの取り付けられる基盤となるアクチュエータ等からなる索式のミラー制御装置に関して、上記アクチュエータベースに、上記十字軸の一方の軸部を支持するものであって、当該軸部の脱落を防止するように形成されたオーバハング部を有する形態からなる軸受部を設け、一方、上記十字軸の他方の軸部を、その横断面形状が半円状の一面取り状の形態からなるようにし、更に、当該半円状断面形態からなる軸部の結合されるアクチュエータの裏面側に、フック状の形態からなるものであって、上記半円状断面部のみを通過させるような形態からなるオーバハング部を有する軸受部を設けるようにした構成を採ることとした。
【0005】
上記構成を採ることにより、本発明においては次のような作用を呈することとなる。すなわち、本発明のものは、十字軸を主体としたユニバーサルジョイント機構をベースに、当該ユニバーサルジョイント機構の一方の部材を形成するアクチュエータにミラーが取り付けられるようになっているとともに、当該ミラーの取り付けられるアクチュエータには、コントロール用の索が連結されるようになっているので、当該索の駆動により上記アクチュエータ、すなわち、ミラーは、自由自在に、その角度が調整されることとなる。具体的には、離れたところにある操作レバー等を操作することによって、当該操作レバーに、その一端がつながるとともに、他端が上記アクチュエータにつながる索が駆動され、これによって、上記アクチュエータが上記ユニバーサルジョイント機構を起点にして駆動されることとなる。特に、上記構成において、上記索は、上記操作レバーとアクチュエータとの間において3本平行に設けられるようになっているとともに、そのアクチュエータにおける連結部はX−Y平面上において、3箇所設けられるようになっている。従って、上記操作レバーを適宜操作することによって、この操作レバーの操作に応じて、上記アクチュエータは上記ユニバーサルジョイント機構の中心点を起点にして首振り運動をすることとなる。すなわち、操作レバーの遠隔操作により、アクチュエータ及び当該アクチュエータに結合されるミラーは、任意の角度に調整(制御)されることとなる。
【0006】
また、このような、ミラーの角度制御を行なうアクチュエータ及びユニバーサルジョイント機構部の構造は、十字軸の一方の軸部が、アクチュエータベースに設けられた軸受部に係合するとともに、他方の軸部がアクチュエータ裏面側に設けられたフック状の形態からなる軸受部に係合するようになっているものである。そして、これら両軸受部には、それぞれオーバハング部が形成されており、上記十字軸の軸部は上記軸受部に係合した(嵌め込まれた)後は、上記オーバハング部で保持され、本十字軸が上記軸受部から抜け落ちないようになっているものである。従って、使用中において、上記索がたとえ切断したとしても、アクチュエータ及び当該アクチュエータに取り付けられるミラーは、上記ユニバーサルジョイント機構部から脱落したりするようなことが無い。
【0007】
次に、請求項2記載の発明について説明する。本発明の構成も、その基本的な点は、上記請求項1記載のものと同じである。その特徴とするところは、上記ユニバーサルジョイント機構部を形成する十字軸の上記各軸受部への係合のさせ方についてである。すなわち、上記索式のミラー制御装置において、上記アクチュエータベースをプラスチック材にて形成するとともに、当該アクチュエータベース内に形成される上記軸受部を弾性変形が可能なようにし、上記十字軸の一方の軸部を上記軸受部に装着するに当っては、まず、上記軸部が上記軸受部に形成されたオーバハング部を押し拡げるように弾性変形をさせた状態で係合させるようにしたことである。
【0008】
このような構成及び組付手順(装着手順)を採ることによって、上記アクチュエータベース内に形成された軸受部への、上記十字軸の装着作業が簡単に行なわれることとなる。すなわち、十字軸に形成された一方の軸部は、円柱状の形態からなるものであり、一方、当該軸部の装着される軸受部は上記軸部の形状に合わせて円形の形態からなるとともに、その上方部には、上記軸部の径よりも小さな値の隙間を形成するようにオーバハング部が設けられるようになっているものである。ところで、このオーバハング部を有する本軸受部はプラスチック材にて形成されており、上記オーバハング部にて形成される隙間の部分は弾性変形により拡がるようになっているものである。従って、上記十字軸の軸部を軸受部に係合させるに当っては、まず、上記オーバハング部によって形成される隙間のところを上記軸部にて押し拡げることによって、上記十字軸の軸部を通過させ、これによって軸部を上記軸受部内に係合させるようにする。このように、弾性変形を利用することによって、上記十字軸の軸部を上記軸受部に係合させることができるようになる。また、このようにして一旦係合させた後は、上記オーバハング部は弾性力により元の状態に戻ることとなるので、上記係合した軸部は、軸受部のところから外れる(抜け落ちる)ようなことが無い。
【0009】
次に、請求項3記載の発明について説明する。このものも、その基本的な点は上記請求項1記載及び請求項2記載のものと同じである。その特徴とするところは、十字軸の他方の軸部の上記アクチュエータ裏面側に設けられた軸受部への係合手順(装着手順)についてである。すなわち、上記索式のミラー制御装置において、上記アクチュエータをプラスチック材にて形成するとともに、当該アクチュエータの裏面側に形成された軸受部に、上記十字軸の他方の軸部を装着するに当って、まず、当該軸部のところに形成された半円状の一面取り部のところが、上記軸受部のところに形成されたオーバハング部のところを通過するように位置決めをし、このような状態において、上記十字軸の他方の軸部を上記軸受部内に挿入し、更に、このように仮装着された状態の十字軸を全体的に90°回転させ、更に、このように、十字軸とアクチュエータとの一体化されたものの本十字軸の一方の軸部をもって、上記アクチュエータベースに形成された軸受部のところに装着(嵌合)させるようにしたことである。
【0010】
このような係合手順(装着手順)を採ることによって、本発明のものにおいては次のような作用を呈することとなる。すなわち、ユニバーサルジョイント機構を形成する十字軸の各軸受部への係合(装着)作業の、その作業性が向上することとなる。具体的には、まず、上記十字軸の軸部のうち、その横断面形態が半円状に一面取りの成された部分をもって、上記軸受部の幅の狭くなっている部分を通過させ、そして、当該軸部を円形状の軸受部内に設置する。このように軸部の上記軸受部内への収納(仮設置)がすんだ状態において、上記十字軸全体を上記軸受部内に納まっている軸部の中心を支点にして90°回転させる。これによって、本十字軸の軸部(他方の軸部)は上記軸受部に設けられたオーバハング部のところに係合することとなり、抜け落ちたりすることの無いように保持されることとなる。
【0011】
その結果、十字軸とアクチュエータとは一体化され、これらは、上記索による張力の如何にかかわらず、常に一定の状態に維持される。また、このようにして十字軸とアクチュエータとの一体化された状態のものを、上記十字軸の一方の軸部をもって、上記アクチュエータベースに形成された軸受部に装着(係合)させることによって、アクチュエータベース、十字軸、アクチュエータにて完全なユニバーサルジョイント機構が形成されることとなる。このようなユニバーサルジョイント機構を基礎に、そのアクチュエータのところに取り付けられるミラーは、上記索からの駆動力によって上記ユニバーサルジョイント機構の回転中心を起点にして、自由に首振り運動をすることができるようになる。すなわち、索の作動に応じてミラー角度の制御が成されることとなる。また、このような構成からなる本ユニバーサルジョイント機構を形成する十字軸は、それぞれの軸受部から脱落したりするようなことが無くなる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図1ないし図5を基に説明する。本発明の実施の形態に関するものの、その構成は、図1に示す如く、カップ状の形態からなるものであって、ミラーハウジング6あるいはミラーフレーム等に取り付けられるアクチュエータベース1と、当該アクチュエータベース1に、その一方の軸部21が回転自在に取り付けられる十字軸2と、当該十字軸2の他方の軸部22と相対回転運動が可能なように結合するものであって上記アクチュエータベース1及び十字軸2とともにユニバーサルジョイント機構を形成するアクチュエータ3と、当該アクチュエータ3と一体となって作動するミラー4と、上記アクチュエータ3に、その一端が結合されるとともに、他端が離れたところにある操作レバーに連結される索5と、からなることを基本とするものである。
【0013】
このような基本構成において、上記アクチュエータベース1はプラスチック材からなるものであって、その内部には、図2に示す如く、十字軸2の一方の軸部21の装着される軸受部11が設けられるようになっているものである。また、このような構成からなるものが、インジェクション成形手段等により一体成形されるようになっているものである。そして更に、上記軸受部11は、上記十字軸2の軸部21が嵌まり込むように、ほぼ同じ径からなる円形の形態にて形成されうようになっているものである。また、その上方部には、上記軸部21の挿入用のガイド溝15が設けられるようになっているものである。また、当該ガイド溝15の周りには、図2に示すようなオーバハング部111が設けられるようになっている。そして、このオーバハング部111を含む本軸受部11の上記ガイド溝15の周りは、弾性変形が可能なようになっているものである。従って、上記十字軸2の一方の軸部21を上記軸受部11に係合させるに当っては、上記ガイド溝15の部分を押し拡げるように弾性変形をさせることによって、装着を行なうことができる。
【0014】
次に、このような構成からなる軸受部11に、その一方の軸部21が回転自在に結合される十字軸2は、図4に示す如く、十字状の形態からなるものであり、ユニバーサルジョイント機構の主要部を成すものである。そして、本実施の形態のものにあっては、プラスチック材あるいはガラス繊維入りの強化プラスチック材等にて一体成形されるようになっているものである。このような基本構成において、上記アクチュエータベース1の軸受部11に係合する一方の軸部21は、円柱状の形態からなるものであり、本十字軸2の本体部に対してトラニオン状に設けられるようになっているものである。また、このようなトラニオン状の軸部(一方の軸部)21に対して直交するように形成される他方の軸部22は、その先端部の横断面形態が、図5に示す如く、円形を基本にして、その一面が切り取られた状態(一面取り状)の半円状のものからなるものである。従って、その、アクチュエータ3に形成された軸受部33への装着に当っては、上記半円状の平面部(一面取り部)222をもって、上記軸受部33に形成されるオーバハング部333のところの隙間を通過させるようにしているものである。
【0015】
このような構成からなる上記十字軸2の、その他方の軸部22と係合するアクチュエータ3は、プラスチック材にて一体成形されるようになっているものであり、上記カップ状の形態からなるアクチュエータベース1の内部に嵌り込んで、このアクチュエータベース1と球面結合をするようになっているものである。そして更に、本アクチュエータ3の、その裏面側には、フック状の軸受部33が設けられるようになっており、上記十字軸2の他方の軸部22と相対回転運動が可能なように係合されるようになっているものである。従って、このように、本アクチュエータ3の軸受部33と上記十字軸2の他方の軸部22とが係合(結合)され、更には当該十字軸2の一方の軸部21と上記アクチュエータベース1の軸受部11とが結合されることによって、ユニバーサルジョイント機構が形成されるようになっているものである。なお、このような構成からなる本アクチュエータ3の、その軸受部33のところには、図3及び図5に示すようなオーバハング部333が設けられるようになっている。そして、このオーバハング部333の作用により、上記十字軸2の他方の軸部22が上記軸受部33内に装着された(係合した)後には、図5に示す如く、当該十字軸2の抜け落ち(脱落)等が防止されるようになっているものである。
【0016】
また、このような構成からなる本アクチュエータ3の、その平面部には、図1に示す如く、索5の一端が装着されるようになっているものである。特に、本実施の形態のものにあっては、上記索5の取り付けられる位置は、図1に示す如く、3箇所となっており、この3箇所の位置は、X−Y平面上において、XX方向またはYY方向のいずれか一方において2箇所設定されるようになっているとともに、残りの他方において1箇所設定されるようになっているものである。このような設定をすることによって、3本の索5を同時に作動させることにより、上記アクチュエータ3を、そのユニバーサルジョイント機構の回転中心を支点にして首振り運動をさせることができるようになる。また、このような構成からなるアクチュエータ3には、図1に示す如く、ミラー4が取り付けられるようになっているので、上記3本の索5の作動によって、上記ミラー4は、その角度が任意に調整(制御)されることとなる。
【0017】
次に、このような構成からなる上記アクチュエータ3に、その一端が取り付けられるとともに、他端側が離れたところにある操作レバー(図示せず)に連結される索5は、本実施の形態のものにおいては、3本一組の状態で形成されるようになっているものである。そして、その具体的構成は、複数の鋼線のより線からなる内索と、当該内索の、その外側にコイルスプリングを密着巻することによって形成される外索と、からなる二重索構造からなるものである。従って、本索5は、3次曲面的に曲げられた状態において使用されても、内索と外索との相互作用により、ある程度の押し引き操作をすることが可能なようになっているものである。このような3本の索5が、上記アクチュエータ3のX−Y平面上に適宜装着されることによって、本アクチュエータ3及びミラー4を所定の角度に制御することができるようになっている。
【0018】
次に、このような構成からなる本実施の形態のものについての、その作用等について説明する。すなわち、本ミラー制御装置は、十字軸2を主体としたユニバーサルジョイント機構をベースに、当該ユニバーサルジョイント機構の一方の部材を形成するアクチュエータ3のところにコントロール用の索5が連結されるようになっているものであるので、当該索5を作動させることによって上記アクチュエータ3、すなわち、ミラー4を自由に、その角度制御をすることができる。具体的には、離れたところにある操作レバーを操作することによって、当該操作レバーに一端がつながるとともに、他端が上記アクチュエータ3につながる索5が駆動され、これによって、上記アクチュエータ3が上記ユニバーサルジョイント機構の中心点を起点にして駆動される。特に、上記構成において、上記索5は、上記操作レバーとアクチュエータ3との間において3本平行に設けられるようになっているとともに、そのアクチュエータ3における連結部はX−Y平面上において、3箇所にて形成されるようになっているものである。従って、上記操作レバーを適宜操作することによって、この操作レバーの操作に応じて、上記アクチュエータ3は上記ユニバーサルジョイント機構の中心点を起点にして首振り運動をすることとなる。すなわち、操作レバーの遠隔操作により、アクチュエータ3及び当該アクチュエータ3に結合されるミラー4は、その角度が自由に調整(制御)されることとなる。
【0019】
また、このようなミラー4の角度制御を行なうユニバーサルジョイント機構は、十字軸2の一方の軸部21がアクチュエータベース1に設けられた軸受部11に係合されるとともに、他方の軸部22がアクチュエータ3の裏面に設けられたフック状の形態からなる軸受部33に係合されることによって形成されるようになっているものである。そして、これら両軸受部11、33には、それぞれオーバハング部111、333が形成されており、上記十字軸2の軸部21、22が上記軸受部11、33に係合した(嵌め込まれた)後には、上記各オーバハング部111、333で保持され、上記軸受部11、33から抜け出ないようになっているものである。従って、使用中において、上記索5が、たとえ切断したとしても、上記アクチュエータ3及び当該アクチュエータ3に取り付けられるミラー4は、上記ユニバーサルジョイント機構部から脱落したりするようなことが無い。
【0020】
次に、上記のような構成からなる本ユニバーサルジョイント機構を形成する各部材1、2、3の、その装着手順等について説明する。まず、上記アクチュエータ3の裏面側に形成されているフック状軸受部33への上記十字軸2の装着に当っては、上記十字軸2の他方の軸部22のうち、その横断面形態が半円状に一面取りの成されている部分222をもって、図3及び図5に示す如く、上記軸受部33の幅の狭くなっている部分を通過させる。そして、円形状の軸受部33内に納まった状態において、上記十字軸2全体を上記軸受部33内に納まっている軸部22の中心点を支点にして90°回転させる。これによって本十字軸2の軸部(他方の軸部)22は上記軸受部33に設けられたオーバハング部333のところに係合することとなり、抜け落ちたりするようなことがなくなる。その結果、十字軸2とアクチュエータ3とは一体化され、これらは、上記索5による張力の如何にかかわらず、常に一定の状態に維持されることとなる。
【0021】
そして、次に、このようにして十字軸2とアクチュエータ3との一体化された状態のものを、上記十字軸2の一方の軸部21をもって、上記アクチュエータベース1に形成された軸受部11に装着(係合)する。なお、この装着作業に当って、上記十字軸2に形成された一方の軸部21は、図2に示す如く、円柱状の形態からなるものであり、一方、当該軸部21の装着される軸受部11は上記軸部21の形状に合わせた円形の形態からなるものであるとともに、その上方部には上記軸部21の径よりも小さな値の隙間からなるガイド溝15が設けられるようになっている。そして、このガイド溝15のところにはオーバハング部111が設けられるようになっているものである。ところで、このオーバハング部111を有する本軸受部11はプラスチック材にて形成されており、上記オーバハング部111にて形成されるガイド溝15の部分は弾性変形により拡がるようになっているものである。従って、上記十字軸2の軸部21を軸受部11に係合させるに当っては、上記ガイド溝15のところを上記軸部21にて押し拡げることによって係合させることができる。すなわち、弾性変形を利用して、簡単な操作にて、上記十字軸2の軸部21を上記軸受部11に係合させることができるようになる。また、このようにして一旦係合させた後は、上記オーバハング部111は弾性力により元の状態に戻るようになっているので、上記係合した軸部21は、軸受部11のところから外れる(抜け落ちる)ようなことが無い。
【0022】
このような手順を経ることによって、アクチュエータベース1、十字軸2、アクチュエータ3からなるユニバーサルジョイント機構が形成されることとなる。そして、このようなユニバーサルジョイント機構を基礎に、そのアクチュエータ3のところに取り付けられるミラー4は、上記索5からの駆動力によって上記ユニバーサルジョイント機構の回転中心を起点にして、自由に首振り運動をすることができるようになる。すなわち、索5の作動に応じてミラー角度の制御が行なわれることとなる。また、このような構成からなる本ユニバーサルジョイント機構を形成する十字軸2は、それぞれの軸受部から脱落したりすることが無く、従って、ミラー4の脱落等も防止されることとなる。そして、このような機能を有するユニバーサルジョイント機構部周りの構成は、ビス止め部の無い、いわゆるビスレスの構造にて形成されることとなる。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、フレームあるいはハウジング等に取り付けられるアクチュエータベース、当該アクチュエータベースに、その一方の軸部が回転自在なように取り付けられる十字軸、当該十字軸の他方の軸部と相対回転運動が可能なように結合するものであって操作レバー等によって駆動される索(ワイヤ)の、その一端が取り付けられるとともに、ミラーの取り付けられる基盤となるアクチュエータ等からなる索式のミラー制御装置に関して、上記アクチュエータベースに、上記十字軸の一方の軸部を支持するものであって、当該軸部の脱落を防止するように形成されたオーバハング部を有する形態からなる軸受部を設け、一方、上記十字軸の他方の軸部を、その横断面形状が半円状の一面取り状の形態からなるようにし、更に、当該半円状断面形態からなる軸部の結合されるアクチュエータの裏面側に、フック状の形態からなるものであって、上記半円状断面部のみを通過させるような形態からなるオーバハング部を有する軸受部を設けるようにした構成を採ることとしたので、これら各部材にて形成されるユニバーサルジョイント機構をベースに、上記索の駆動を介して上記アクチュエータ及びミラーが任意に制御されるようになった。すなわち、離れたところにある操作レバーを操作することによって、当該操作レバーの操作に応じて、上記ミラーの角度制御が行なわれるようになった。
【0024】
また、このようなミラーの角度制御を行なうユニバーサルジョイント機構部の、その構造は、十字軸の一方の軸部がアクチュエータベースに設けられた軸受部に係合するとともに、他方の軸部がアクチュエータ裏面に設けられたフック状の軸受部に係合するようになっているものであり、更に、これら両軸受部には、それぞれオーバハング部が形成されるようになっているものであるので、上記十字軸の各軸部が上記軸受部に係合した(嵌め込まれた)後は、当該各軸部は上記オーバハング部にて保持されることとなり、本十字軸が上記軸受部から抜け落ちたりすることがなくなった。その結果、使用中において、上記索がたとえ切断したとしても、アクチュエータ及び当該アクチュエータに取り付けられるミラーが、上記ユニバーサルジョイント機構部から脱落したりするようなことが無くなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全体構成を示す展開斜視図である。
【図2】本発明にかかるユニバーサルジョイント機構の全体構成を示す縦断面図である。
【図3】本発明にかかる十字軸とアクチュエータとの結合関係を示す展開斜視図である。
【図4】本発明にかかる十字軸の全体構成を示す斜視図である。
【図5】本発明にかかる十字軸とアクチュエータ軸受部との間の結合構造を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 アクチュエータ
11 軸受部
111 オーバハング部
15 ガイド溝
2 十字軸
21 軸部(一方の軸部)
22 軸部(他方の軸部)
222 一面取り部(平面部)
3 アクチュエータ
33 軸受部
333 オーバハング部
4 ミラー
5 索
6 ハウジング(ミラーハウジング)

Claims (3)

  1. フレームあるいはハウジングに取り付けられるアクチュエータベース、当該アクチュエータベースに、その一方の軸部が回転自在なように取り付けられる十字軸、当該十字軸の他方の軸部と相対回転運動が可能なように結合するものであって操作レバー等によって駆動される索(ワイヤ)の、その一端が取り付けられるとともに、ミラーの取り付けられる基盤となるアクチュエータ等からなる索式のミラー制御装置において、上記アクチュエータベースに、上記十字軸の一方の軸部を支持するものであって当該軸部の脱落を防止するように形成されたオーバハング部を有する形態からなる軸受部を設け、一方、上記十字軸の他方の軸部を、その横断面形状が半円状の形態からなるようにし、更に、当該半円状断面形態からなる軸部の結合されるアクチュエータの裏面側に、フック状の形態からなるものであって、上記半円状断面部のみを通過させるような形態からなるオーバハング部を有する軸受部を設けるようにした構成からなることを特徴とする索式ミラー制御装置。
  2. 請求項1記載の索式ミラー制御装置において、上記アクチュエータベースをプラスチック材にて形成するとともに、当該アクチュエータベース内に形成される上記軸受部を弾性変形が可能なようにし、上記十字軸の一方の軸部をもって、上記軸受部に形成されたオーバハング部からなる隙間の部分を押し拡げるように弾性変形をさせ、このような状態において、上記十字軸の一方の軸部を上記軸受部に係合させるようにしたことを特徴とする索式ミラー制御装置。
  3. 請求項1記載の索式ミラー制御装置において、上記アクチュエータをプラスチック材にて形成するとともに、上記十字軸の他方の軸部のところに形成された半円状の部分をもって、上記軸受部のところに形成されたオーバハング部のところを通過させるように上記十字軸の他方の軸部を上記軸受部内に挿入し、このような状態に挿入され、仮装着された状態の上記十字軸を全体的に90°回転させ、更に、このように十字軸とアクチュエータとの一体化されたものの本十字軸における上記一方の軸部をもって、上記アクチュエータベースに形成された軸受部のところに装着(嵌合)させるようにしたことを特徴とする索式ミラー制御装置。
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