次に、本発明による遊技機をスロットマシンに適用した第1の実施形態について説明する。
図1は本実施形態によるスロットマシン1の正面図である。
スロットマシン1の前面パネル2の背後には可変表示装置を構成する3個のリール3,4,5が回転自在に設けられている。各リール3,4,5の外周面には複数種類の図柄(以下、シンボルという)から成るシンボル列が描かれている。これらシンボルはスロットマシン1の正面の表示窓6,7,8を通してそれぞれ3個ずつ観察される。また、この表示窓6,7,8の下方右側には、遊技者がメダルを入れるための投入口9が設けられている。
表示窓6〜8には、横3本(中央L1および上下L2A,L2B)および斜め2本(斜め右下がりL3A,斜め右上がりL3B)の入賞ラインが記されている。ゲーム開始に先立ち、遊技者がメダル投入口9に1枚のメダルを投入したときは、各リール3〜5上にある中央の入賞ラインL1だけが図2(a)に示すように有効化される。また、2枚のメダルを投入口9に投入したときはこれに上下の入賞ラインL2A,L2Bが加わり、横3本の入賞ラインL1,L2AおよびL2Bが同図(b)に示すように有効化される。また、3枚のメダルを投入口9に投入したときは全ての入賞ラインL1,L2A,L2B,L3AおよびL3Bが同図(c)に示すように有効化される。
なお、同図における丸印は各リール3〜5上に描かれたシンボルを表している。このような入賞ラインの有効化は、各入賞ラインの端部に配置された有効化ライン表示ランプ23(図1参照)が点灯することにより、遊技者に表示される。
また、表示窓6〜8の下方左側には、1BETスイッチ10,2BETスイッチ11およびマックスBETスイッチ12が設けられている。クレジット数表示部13にメダルがクレジットされている場合には、メダル投入口9へのメダル投入に代え、これら1BETスイッチ10,2BETスイッチ11およびマックスBETスイッチ12の各押ボタン操作により、1回のゲームにそれぞれ1枚,2枚および3枚のメダルが賭けられる。クレジット数表示部13は、表示する数値の桁数に応じた個数の7セグメントLEDで構成されており、現在クレジットされているメダル数を表示する。
これらBETスイッチ10〜12の下方にはクレジット/精算切換スイッチ(C/Pスイッチ)14およびスタートレバー15が設けられており、スタートレバー15の右方の機器中央部には停止ボタン16,17,18が設けられている。C/Pスイッチ14の押しボタン操作により、メダルのクレジット/払い出し(PLAY CREDIT/PAY OUT)を切り換えることが出来る。
また、スタートレバー15のレバー操作により、リール3,4,5の回転が一斉に開始する。停止ボタン16,17,18は、各リール3,4,5に対応して配置されており、これら各リール3〜5の回転が一定速度に達したとき操作が有効化され、遊技者の押しボタン操作に応じて各リールの回転を停止させる。
また、スロットマシン1の正面下部には透音孔19およびメダル受皿20が設けられている。透音孔19は、機器内部に収納されたスピーカから発生した音を外部へ出すものである。メダル受皿20はメダル払出口21から払い出されるメダルを貯めるものである。また、スロットマシン1の正面上部には、各入賞に対してどれだけのメダルが払い出されるかが示されている配当表示部22が設けられている。
また、各リール3,4,5の右方の前面パネル2には液晶表示部24が設けられている。この液晶表示部24は各リール3,4,5の回転表示を模擬的に表示するディスプレイ装置である。
図3は、本実施形態のスロットマシン1における遊技処理動作を制御する制御部と、これに電気的に接続された周辺装置(アクチュエータ)とを含む回路構成を示している。
制御部はマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)30を主な構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイコン30は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPU31と、記憶手段であるROM32およびRAM33を含んで構成されている。CPU31には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路34および分周器35と、一定範囲の乱数を発生する乱数発生器36および発生した乱数の1つを特定する乱数サンプリング回路37が接続されている。
マイコン30からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、リール3,4,5を回転駆動するステッピングモータ3M,4M,5M、メダルを収納するホッパ38、液晶表示部24およびスピーカ39がある。これらはそれぞれモータ駆動回路40、ホッパ駆動回路41、表示駆動回路42およびスピーカ駆動回路43によって駆動される。これら駆動回路40〜43は、マイコン30のI/Oポートを介してCPU31に接続されている。各ステッピングモータ3M〜5Mはモータ駆動回路40によって1−2相励磁されており、400パルスの駆動信号が供給されるとそれぞれ1回転する。
また、マイコン30が制御信号を生成するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、スタートレバー15の操作を検出するスタートスイッチ15Sと、メダル投入口9から投入されたメダルを検出する投入メダルセンサ9Sと、前述したC/Pスイッチ14とがある。また、図示しないリール回転センサからの出力パルス信号を受けて各リール3,4,5の回転位置を検出するリール位置検出回路44もある。リール回転センサおよびリール位置検出回路44は同図では各リール3,4,5の駆動機構に含まれている。
リール回転センサは各リール3,4,5が一回転する毎にリセットパルスを発生する。このリセットパルスはリール位置検出回路44を介してCPU31に与えられる。RAM33内には、各リール3〜5について、一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納されており、CPU31はリセットパルスを受け取ると、RAM33内に形成されたこの計数値を“0”にクリアする。このクリア処理により、各シンボルの移動表示と各ステッピングモータ3M〜5Mの回転との間に生じるずれが、一回転毎に解消されている。
さらに、上記の入力信号発生手段として、リール停止信号回路45と、払出し完了信号発生回路46とがある。リール停止信号回路45は、停止ボタン16,17,18が押された時に、対応するリール3,4,5を停止させる信号を発生する。また、メダル検出部47はホッパ38から払い出されるメダル数を計数し、払出し完了信号発生回路46は、このメダル検出部47から入力した実際に払い出しのあったメダル計数値が所定の配当枚数データに達した時に、メダル払い出しの完了を知らせる信号をCPU31へ出力する。
ROM32には、このスロットマシン1で実行されるゲーム処理の手順がシーケンスプログラムとして記憶されている他、入賞判定テーブル,シンボルテーブルおよび入賞シンボル組合せテーブル等がそれぞれ区分されて格納されている。
入賞判定テーブルは、乱数発生器36で発生する一定範囲の乱数を各入賞態様に区画するデータを記憶している。サンプリング回路37で特定された1つの乱数値はこの区画のどのグループに属するかが判定され、入賞態様が決定される。
また、シンボルテーブルは図4に概念的に示される。このシンボルテーブルは各リール3〜5の回転位置とシンボルとを対応づけるものであり、シンボル列を記号で表したものである。このシンボルテーブルにはコードナンバに対応したシンボルコードが各リール3〜5毎に記憶されている。コードナンバは、前述したリセットパルスが発生する回転位置を基準として各リール3〜5の一定の回転ピッチ毎に順次付与されている。シンボルコードはそれぞれのコードナンバ毎に対応して設けられたシンボルを示している。
また、入賞シンボル組合せテーブルには、配当表示部22に示される各入賞シンボル組合せのシンボルコードや、特定ゲーム発生のフラグが成立していることを遊技者に示唆する「リーチ目」を構成するシンボル組合せのシンボルコード、各入賞を表す入賞判定コード、入賞メダル配当枚数等が記憶されている。この入賞シンボル組合せテーブルは、第1リール3,第2リール4、第3リール5の停止制御時、および全リール停止後の入賞確認を行うときに参照される。
次に、本実施形態においてマイコン30で制御される遊技機の動作について説明する。
図5はこの遊技処理の概略を示すフローチャートである。
まず、CPU31により、メダルBETがなされたかどうかが判別される(ステップ101参照)。この判別は、メダル投入口9にメダルが投入され、メダルセンサ9Sからの検出信号入力があった場合、あるいはBETスイッチ10,11,12からの信号入力があった場合に“YES”となる。その場合、次にスタートレバー15の操作によりスタートスイッチ15Sからのスタート信号入力があったか否かが判別される(ステップ102)。
この判別が“YES”の場合、CPU31によって入賞判定(確率抽選処理)が行われ(ステップ103)、引き続いてリール3,4,5の回転処理が行われる(ステップ104)。入賞判定は、スタートレバー15が操作された後の適宜のタイミングに行われ、乱数発生器36で発生し、サンプリング回路37によって特定された1つの乱数値が、入賞判定テーブルにおいてどの入賞グループに属する値になっているか判断されることによって行われる。
この入賞判定の結果セットされた入賞フラグの種類に応じてリール3,4,5の停止制御が行われる(ステップ105)。次に、リール停止時の表示が所定の入賞シンボル組合せであるか否かが、入賞シンボル組合せテーブルを参照して判断される(ステップ106)。入賞が得られなかったときには“NO”となって処理は初めのステップ101に戻る。また、入賞判定の結果リプレイゲームであるときは処理はステップ102のスタートレバー15の操作待ち処理に戻る(ステップ107)。リプレイゲームでない入賞のときには所定枚数のメダルがホッパ38によって払い出される(ステップ108)。
次に、上述したST105のリール停止制御について、図6および図7のフローチャートを参照して説明する。
遊技者による各停止ボタン16〜18の操作は、前述したように、リール停止信号回路45を介してCPU31によって検出されている(図6,ステップ111参照)。3つの停止ボタン16〜18のうちのいずれかについてON操作があり、1番目の停止ボタンのON操作が検出された場合には、リール3〜5のうちのその停止ボタンに対応するいずれか1つのリールについて、停止制御される(ステップ112)。
この停止制御は、CPU31によってモータ駆動回路40が制御され、操作された停止ボタンに対応するいずれかのステッピングモータ3M〜5Mへの駆動パルス供給が停止されることによって行われる。この際、停止操作されたリールが窓6〜8に停止表示するシンボルの種類は、シンボルテーブルを基にして、ステッピングモータ3M〜5Mに供給された駆動パルス数から知ることが出来る。停止表示されたシンボルの種類はRAM33の所定領域にシンボルコードとして一時記憶される。
引き続いて、2番目の停止ボタンのON操作があったか否かが検出され(ステップ113)、このON操作が検出された場合には、CPU31により、その停止ボタンに対応するいずれか1つのリールについて同様に停止制御される(ステップ114)。停止操作されたこの2番目のリールがいずれかの窓6〜8に停止表示するシンボルの種類も、同様にしてRAM33の所定領域にシンボルコードとして一時記憶される。
このようにして3つのリール3〜5の中の2つのリールが停止制御され、これら2つの各リールが停止表示したシンボルコードがRAM33の所定領域にストアされると、CPU31によってヒットフラグ発生テーブルが作成される。つまり、既に固定された2つのリールの組合せシンボルに対し、残りの1つのリールのどのシンボルが組み合わされると、どの入賞ラインにどのような入賞が発生するかがテーブルとしてRAM33の所定領域に表される。このために、2つのリールによって既に決定されたシンボルに対し、残りのリールが表示する全てのシンボルが組み合わされ、有効化された各入賞ライン毎に入賞の有無が判定される。
図8はこのようにして作成されたヒットフラグ発生テーブルの一例を示しており、第1リール3および第2リール4が既に停止制御され、最後に第3リール5が停止制御される場合を示している。第1リール3および第2リール4が停止表示しているシンボルは同テーブルでシンボルコードとして表されており、これらシンボルは、有効化入賞ラインL1またはL2Aのいずれかにおいて入賞シンボル組合せの一部を構成している。これら有効化入賞ラインL1,L2Aに残りの第3リール5が停止表示する各シンボルコードが組み合わされ、各入賞ライン毎に入賞の有無が判定される。
この判定結果は、入賞(ヒット)を発生させるシンボル組合せにヒットフラグが立つことによって示され、また、このヒットフラグの種類によって大ヒット,中ヒット,小ヒット,入賞なしといった入賞態様が表される。従って、このヒットフラグ発生テーブルが作成されることにより、残りの1つのリールがどのシンボルを停止表示させれば、どのような入賞がどの有効化入賞ライン上に発生するかを事前に知ることが出来る。
次に、このヒットフラグ発生テーブルが参照され、有効化された入賞ラインL1に入賞が発生する期待があるか否かが判断される(ステップ115)。入賞ラインL1に入賞期待がある場合には、スピーカ駆動回路43がCPU31によって制御され、スピーカ39から入賞期待音Aが発生させられる(ステップ116)。この入賞期待音Aは機器前面下方の透音孔19を通って遊技者に伝えられる。ここで、スピーカ駆動回路43,スピーカ39およびCPU31は入賞期待音発生手段を構成している。
例えば、図9(a)に示すように、有効化された入賞ラインL1上に、第2のリール4および第3のリール5のシンボル「7」が停止表示され、第1のリール3が回転しているときに、この入賞期待音Aが発生する。
また、入賞ラインL1に入賞期待が無い場合には、次に有効化された入賞ラインL2Aに入賞が発生する期待があるか否かが、ヒットフラグ発生テーブルに基づいて判断される(ステップ117)。入賞ラインL2Aに入賞期待がある場合には、スピーカ駆動回路43がCPU31によって制御され、入賞期待音Aと異なる入賞期待音Bがスピーカ39から発生させられる(ステップ118)。この入賞期待音Bも透音孔19を通って遊技者に伝えられる。
例えば、図9(b)に示すように、有効化された入賞ラインL2A上に、第1のリール3および第2のリール4のシンボル「サンダーV」が停止表示され、第3のリール5が回転しているときに、この入賞期待音Bが発生する。
また、入賞ラインL2Aに入賞期待が無い場合には、次に有効化された入賞ラインL2Bに入賞が発生する期待があるか否かが、ヒットフラグ発生テーブルに基づいて判断される(図7,ステップ119参照)。入賞ラインL2Bに入賞期待がある場合には、スピーカ駆動回路43がCPU31によって制御され、入賞期待音A,Bと異なる入賞期待音Cがスピーカ39から発生させられる(ステップ120)。この入賞期待音Cも透音孔19を通って遊技者に伝えられる。
例えば、図9(c)に示すように、有効化された入賞ラインL2B上に、第1のリール3および第3のリール5のシンボル「7」が停止表示され、第2のリール4が回転しているときに、この入賞期待音Cが発生する。
また、入賞ラインL2Bに入賞期待が無い場合には、次に有効化された入賞ラインL3Aに入賞が発生する期待があるか否かが、ヒットフラグ発生テーブルに基づいて判断される(ステップ121)。入賞ラインL3Aに入賞期待がある場合には、スピーカ駆動回路43がCPU31によって制御され、入賞期待音A,B,Cと異なる入賞期待音Dがスピーカ39から発生させられる(ステップ122)。この入賞期待音Dも透音孔19を通って遊技者に伝えられる。
例えば、図9(d)に示すように、有効化された入賞ラインL3A上に、第1のリール3および第3のリール5のシンボル「サンダーV」が停止表示され、第2のリール4が回転しているときに、この入賞期待音Dが発生する。
また、入賞ラインL3Aに入賞期待が無い場合には、次に有効化された入賞ラインL3Bに入賞が発生する期待があるか否かが、ヒットフラグ発生テーブルに基づいて判断される(ステップ123)。入賞ラインL3Bに入賞期待がある場合には、スピーカ駆動回路43がCPU31によって制御され、入賞期待音A,B,C,Dと異なる入賞期待音Eがスピーカ39から発生させられる(ステップ124)。この入賞期待音Eも透音孔19を通って遊技者に伝えられる。
例えば、図9(e)に示すように、有効化された入賞ラインL3B上に、第2のリール4および第3のリール5のシンボル「サンダーV」が停止表示され、第1のリール3が回転しているときに、この入賞期待音Eが発生する。
その後、3つのリール3〜5のうちの残りの1つのリールについて、停止ボタン操作がされたか否かが判断される(ステップ125)。この3番目の停止ボタンのON操作が検出された場合には、CPU31により、その停止ボタンに対応するいずれか1つのリールについて、停止制御される(ステップ126)。そして、この最後のリールによっていずれかの窓6〜8に停止表示されるシンボルの種類も、RAM33の所定領域にシンボルコードとして一時記憶される。
この結果、RAMの所定領域には、各窓6〜8に表示される合計9個の全てのシンボルがシンボルコードとして一時記憶される。前述した入賞判定処理(図5,ステップ106参照)では、この記憶データが参照され、有効化された各入賞ライン毎に入賞の有無が判断される。
なお、上述した本実施形態では全ての入賞ラインが有効化されたことを前提に説明したが、有効化されていない入賞ラインがある場合には、その入賞ラインについての入賞期待の判断は飛ばされて処理される。
このような本実施形態によれば、入賞を発生させる所定シンボルの組合せが揃いそうになっている入賞ラインの種類に応じた入賞期待音A〜Eが、スピーカ39から発生させられる。遊技者はこの入賞期待音A〜Eから、複数の入賞ラインL1,L2A,L2B,L3A,L3Bのうちのどの入賞ラインに所定シンボルが揃いそうになっているかを識別することが出来る。従って、遊技者は、どの入賞ラインに入賞が発生しそうな遊技状態になっているか、ということを速やかに把握できるようになり、スロットマシン1の操作性は向上する。
また、遊技者は、入賞期待音A〜Eの中の好みの入賞期待音が発生する入賞ライン上に所定シンボルの組合せを停止表示させることにより、好みの入賞期待音を楽しむことが出来る。
次に、本発明による遊技機を上述したスロットマシン1に適用した第2の実施形態について説明する。
本実施形態と上記の第1の実施形態との相違は、図5のステップ105に示すリール停止制御処理が相違している点にあり、その他の構成は上記実施形態と同様である。つまり、本実施形態における各リール3〜5の停止制御処理は、図10および図11のフローチャートに示される。
本処理においても、上述したステップ111〜114と同様に、まず、1番目の停止ボタンがON操作されたか否かが判断され(図10,ステップ131参照)、このボタン操作が検出された場合には対応するいずれかのリール3〜5について停止制御が行われる(ステップ132)。引き続いて2番目の停止ボタンがON操作されたか否かが判断され(ステップ133)、このボタン操作が検出された場合には、対応するいずれかのリール3〜5について停止制御が行われる(ステップ134)。
いずれか2つのリールについて停止制御が行われると、上述したヒットフラグ発生テーブルが作成され、どの入賞ラインにどのような入賞が発生するかが調べられる。ここで、ある入賞ラインに入賞が発生する期待があることが分かると、次に、未だ停止操作されていない残った最後のリールの種類が、右側の第3リール5であるか否かが判断される(ステップ135)。この最後のリールが第3リール5である場合には、スピーカ駆動回路43がCPU31によって制御され、入賞期待音Aがスピーカ39から発生させられる(ステップ136)。
例えば、図12(a)に示すように、第1リール3および第2リール4のシンボル「7」が入賞ラインL3B上に揃って入賞期待があり、停止操作されていない最後のリールが第3リール5である場合には、この入賞期待音Aが発生する。
また、最後に残ったリールが第3リール5でない場合には、次に、この最後のリールが第2リール4であるか否かが判断される(ステップ137)。この最後のリールが第2リール4である場合には、スピーカ駆動回路43がCPU31によって制御され、入賞期待音Aと異なる入賞期待音Bがスピーカ39から発生させられる(ステップ138)。
例えば、図12(b)に示すように、第1リール3および第3リール5のシンボル「7」が入賞ラインL2B上に揃って入賞期待があり、停止操作されていない最後のリールが第2リール4である場合には、この入賞期待音Bが発生する。
また、最後に残ったリールが第2リール4でない場合には、次に、この最後のリールが第1リール3であるか否かが判断される(図11,ステップ139参照)。この最後のリールが第1リール3である場合には、スピーカ駆動回路43がCPU31によって制御され、入賞期待音A,Bと異なる入賞期待音Cがスピーカ39から発生させられる(ステップ140)。
例えば、図12(c)に示すように、第2リール4および第3リール5のシンボル「7」が入賞ラインL1上に揃って入賞期待があり、停止操作されていない最後のリールが第1リール3である場合には、この入賞期待音Cが発生する。
次に、3つのリール3〜5のうちの最後のリールについて、停止ボタン操作がされたか否かが判断される(ステップ141)。この3番目の停止ボタンのON操作が検出された場合には、CPU31により、その停止ボタンに対応する最後のリールについて、停止制御される(ステップ142)。その後、前述した入賞判定処理(図5,ステップ106参照)が行われ、有効化された各入賞ライン毎に入賞の有無が判断される。
このような本実施形態によれば、最後のシンボルを入賞ライン上に停止表示させるリールの種類に応じた入賞期待音A〜Cが、スピーカ39から発生させられる。遊技者は、この入賞期待音A〜Cの中の好みの入賞期待音が発生するリールに、最後のシンボルを停止表示させる操作をすることにより、好みの入賞期待音を楽しむことが出来る。
次に、本発明による遊技機を前述したスロットマシン1に適用した第3の実施形態について説明する。
本実施形態と前述した第1の実施形態との相違も、図5のステップ105に示すリール停止制御処理が相違している点にあり、その他の構成は前述した第1の実施形態と同様である。つまり、本実施形態における各リール3〜5の停止制御処理は、図13および図14のフローチャートに示される。
本処理においても、前述したステップ111〜114と同様に、まず、1番目の停止ボタンがON操作されたか否かが判断され(図13,ステップ141参照)、このボタン操作が検出された場合には対応するいずれかのリール3〜5について停止制御が行われる(ステップ142)。引き続いて2番目の停止ボタンがON操作されたか否かが判断され(ステップ143)、このボタン操作が検出された場合には、対応するいずれかのリール3〜5について停止制御が行われる(ステップ144)。
いずれか2つのリールについて停止制御が行われると、前述したヒットフラグ発生テーブルが作成され、どの入賞ラインにどのような入賞が発生するかが調べられる。ここで、ある入賞ラインに入賞が発生する期待があることが分かると、次に、入賞が発生する期待のある入賞ラインの本数が1本であるか否かが判断される(ステップ145)。入賞期待のある入賞ラインの本数が1本である場合には、スピーカ駆動回路43がCPU31によって制御され、入賞期待音Aがスピーカ39から発生させられる(ステップ146)。
例えば、図15(a),(b),(c)に示すように、1本の入賞ラインL2A,L3A,L3Bにそれぞれシンボル「サンダーV」が揃う入賞期待がある場合には、この入賞期待音Aが発生する。
また、入賞期待のある入賞ラインの本数が1本でない場合には、次に、入賞期待のある入賞ラインの本数が2本であるか否かが判断される(ステップ147)。この入賞ラインの本数が2本である場合には、スピーカ駆動回路43がCPU31によって制御され、入賞期待音Aと異なる入賞期待音Bがスピーカ39から発生させられる(ステップ148)。
例えば、図16(a)に示すように、2本の入賞ラインL1,L3B上にそれぞれシンボル「サンダーV」が揃う入賞期待がある場合には、この入賞期待音Bが発生する。同様に同図(b)に示すように、2本の入賞ラインL3A,L2B上にそれぞれシンボル「サンダーV」が揃う入賞期待がある場合にも、この入賞期待音Bが発生する。
また、入賞期待のある入賞ラインの本数が2本でない場合には、次に、入賞期待のある入賞ラインの本数が3本であるか否かが判断される(図14,ステップ149参照)。この入賞ラインの本数が3本である場合には、スピーカ駆動回路43がCPU31によって制御され、入賞期待音A,Bと異なる入賞期待音Cがスピーカ39から発生させられる(ステップ150)。
例えば、図17に示すように、3本の入賞ラインL3A,L1,L3B上にそれぞれシンボル「サンダーV」が揃う入賞期待がある場合には、この入賞期待音Cが発生する。
次に、3つのリール3〜5のうちの最後のリールについて、停止ボタン操作がされたか否かが判断される(ステップ151)。この3番目の停止ボタンのON操作が検出された場合には、CPU31により、その停止ボタンに対応する最後のリールについて、停止制御される(ステップ152)。その後、前述した入賞判定処理(図5,ステップ106参照)が行われ、有効化された各入賞ライン毎に入賞の有無が判断される。
このような本実施形態によれば、入賞を発生する所定シンボルの組合せが揃いそうになっている入賞ラインの本数に応じた入賞期待音A〜Cが、スピーカ39から発生させられる。遊技者はこの入賞期待音A〜Cから、所定シンボルが揃いそうになっている入賞ラインの本数を識別することが出来る。
また、遊技者は、識別した入賞ラインの本数に応じて入賞の可能性の度合いを把握することが出来、入賞度合いに応じた遊技操作を行うことが可能になる。つまり、入賞期待のある入賞ラインの本数が少ない場合には、最後の停止ボタンのON操作を真剣に行わなければならないが、入賞期待のある入賞ラインの本数が多い場合には、最後の停止ボタンのON操作は余裕を持って行える。
従って、遊技者は、余裕を持って遊技を行える遊技状態かといったことを速やかに把握できるようになり、スロットマシン1の操作性は向上する。
また、例えば図16(a)に示すように、入賞期待のある入賞ラインがL1,L3Bと複数あり、最後に停止させる第3リール5の最上段のコマまたは中央のコマにシンボルを揃えると入賞が発生する場合には、入賞を発生させ易くなる。
つまり、この第3リール5の停止制御処理では、CPU31によって4コマ分の引き込み制御処理が行われ、停止ボタンを操作するタイミングが4コマ分ずれても、シンボル「サンダーV」が最上段のコマに停止表示されるように第3リール5が停止制御される。しかし、同図(a)に示すこの場合には、さらに1コマ分停止ボタンを操作するタイミングがずれても、中央のコマに「サンダーV」が停止表示され、入賞が発生する。すなわち、入賞を発生させ易くなっている。
従って、この状態を入賞期待音Bの報知によって識別することにより、最後の停止ボタンの操作は余裕を持って行えることが分かる。
なお、上記各実施形態では、可変表示装置が3個のリール3〜5によって構成されている場合について説明したが、可変表示装置はこの構成に限定されるものではない。例えば、液晶表示装置,プラズマディスプレイ装置,CRT,ドット式表示装置,7セグメントLED,エレクトロルミネセンス表示装置等により、可変表示装置を構成してもよい。