JP3590331B2 - 身体サポート具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、座席や椅子などのシートなどに着座する際に使用するもので、ユーザーの着座形状(体形)に合わせた形状を保持し、ユーザー個人の体形に応じたフィット感を得ることのできるシートサポートや、靴底をユーザーの足裏形状に合致した形状に保持して、ユーザー個人の足に応じたフィット感を得ることができる靴底サポートなどの身体サポート具に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
例えば、各種の自動車のシートは、平均的なユーザーに適合するように作製されているので、ユーザーによっては多少フィット感に欠けることがある。
【0003】
このような事情に鑑み、これを解決する手段として従来から各種の身体サポート具(シートサポート)が提案され、いくつかは既に実用に供されているものもある。
【0004】
本発明者は、このような身体サポート具の実用性を更に追求し、図1〜図5に示すように、ユーザーの着座形状に合わせた形状を保持することができ、且つ取り扱いも容易で簡易に構成可能とすべく、柔軟性を有するクッション体を、硬化樹脂を含浸させたシート状の被覆体で被覆し、身体の部分に当接させその部分に合致した形状に硬化させて使用するシートサポートを発明した(特願平11−316012号)。
【0005】
前記発明は、簡単にユーザー個人の着座形状(体形)に成形することができ、しかもこの身体サポート具は、被覆体が硬化して形状を保持するものでありながら中身は柔軟性を有するクッション体であるから、硬いだけでなく適度な柔軟性も得られて、良好なホールド性と座り心地とが得られることとなり、その上単にクッション体を、硬化樹脂を含浸させた被覆体で被覆するだけで構成できるため、この構成は簡易に設計実現可能な構成であり、量産性に秀れ、安価な製品を提供可能となるなどの秀れた効果を発揮する画期的な身体サポート具となる。
【0006】
しかし、このスポンジなどを採用するクッション体は、その柔軟性によりスプリングバックする性質がある。即ち、図5に示すように硬化樹脂が硬化して身体部分に合致した形状に固まるまでこのサポート具に身体を当接していなければならないが、完全に硬化する前にこの当接をやめてしまったり、当接している間押し付け力を弱めてしまうと、矢印に示すようなクッション体のスプリングバック(弾性復帰力)によってサポート具の形状が多少変化してしまうおそれがある。そのため、例えば空気中で数十分で硬化する場合にはこの完全硬化までの数十分の間は必ずサポート具に身体を押し付けていなければならない。そうでないと良好なホールド性やフィット感が得られない場合がある。
【0007】
本発明は、前記発明にこのような改良すべき点を見い出しこれを解決したもので、簡易な手段によって、前記スプリングバックによる戻り変形を抑制でき、身体サポート具の硬化保持性能が向上し、これにより硬化に際しての身体押し付け時間を短縮することも可能となる極めて画期的な身体サポート具を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0009】
柔軟性を有するクッション体1を、硬化樹脂を含浸させたシート状の被覆体2で被覆し、身体の部分Hに当接させその部分Hに合致した形状に硬化させて使用する身体サポート具Aであって、前記クッション体1に貫通孔8A若しくは貫通状態の切欠部8Bを形成又はクッション体1の形状を設定して、クッション体1の厚み方向にクッション体1のない部分が生じるように構成して、身体の部分Hに当接してその部分Hに合致した形状に硬化させる際、身体当接側の前記被覆体2Aとこれと対向する反対側の前記被覆体2Bとが、前記クッション体1のない部分8を介して接触し硬化によって接着するように構成したことを特徴とする身体サポート具に係るものである。
【0010】
また、前記クッション体1は、所定厚の柔軟性材により構成し、このクッション体1に貫通孔8A若しくは貫通状態の切欠部8Bを形成し、このクッション体1の外縁に対する内側にクッション体1のない部分が生じるように構成して、身体の部分Hに当接してその部分Hに合致した形状に硬化させる際、身体当接側の前記被覆体2Aとこれと対向する反対側の前記被覆体2Bとが、前記貫通孔8A若しくは切欠部8Bを介して接触し硬化によって接着するように構成したことを特徴とする請求項1記載の身体サポート具に係るものである。
【0011】
また、前記クッション体1は、スポンジなどの柔軟性と通気性とを有するブロック状の発泡材により構成し、このブロック状のクッション体1を前記シート状の被覆体2で被覆したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の身体サポート具に係るものである。
【0012】
また、前記シート状の被覆体2は、布材に硬化樹脂を含浸させて構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の身体サポート具に係るものである。
【0013】
また、前記シート状の被覆体2で少なくとも前記クッション体の身体当接側とこれと対向する反対側とを被覆したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の身体サポート具に係るものである。
【0014】
また、前記硬化樹脂は、湿気にさらすことで短時間で硬化する性質を有するか若しくは触媒液を加えることで短時間で硬化する性質を有するものを採用したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の身体サポート具に係るものである。
【0015】
また、座席や椅子などのシート3に着座した際の尻や腰や背中や首などの前記身体の部分Hに当接させその部分Hに合致した形状に硬化させて使用するように構成した請求項1〜6のいずれか1項に記載の身体サポート具に係るものである。
【0016】
また、靴底に収納し得る形状に構成し、足の裏Hに当接させその足の裏Hに合致した形状に硬化させて使用することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の身体サポート具に係るものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
好適と考える本発明の実施の形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいてその作用効果を示して簡単に説明する。
【0018】
例えば、図1,図2に示すように、シート3の尻や腰や背中や首などの部分Hが当接する位置,即ちシート3のホールド性が要求される部位と、ユーザーの身体との間に本発明の身体サポート具Aをセットし、ユーザーが着座しながらこの身体サポート具Aを押圧変形させると、硬化樹脂を含浸させたシート状の被覆体2がこの押圧変形した形に硬化して、ユーザー個人の着座形状の身体サポート具A形状に保持成形されることになる。
【0019】
従って、簡単にユーザー個人の着座形状の身体サポート具Aに成形することができる上、この身体サポート具Aのシート3側に接している部分もシート3に合った形状で固化するため、シート3に対して位置ズレしにくくい状態で設置できることになり、しかもこの身体サポート具Aは、前記被覆体2が硬化して形状を保持するものでありながら中身は柔軟性を有するクッション体1であるため、硬いだけでなく適度な柔軟性も得られ、良好なホールド性と座り心地とが得られることになる。
【0020】
また、例えば図3に示すように、単にクッション体1を、硬化樹脂を含浸させた被覆体2で被覆するだけで本発明の身体サポート具Aを構成できるため、この構成は簡易に設計実現可能な構成であり、量産性に秀れ、安価な製品を提供可能となる。
【0021】
このように本発明は、被覆体2が硬化して形状を保持するものでありながら中身は柔軟性を有するクッション体1であるから、硬いだけでなく適度な柔軟性も得られて、良好なホールド性と座り心地とが得られるが、図5に示すように、反面このクッション体1の柔軟性によって、スプリングバック(弾性復帰力)が働くため、ある程度被覆体2が硬化していてもまだ完全に硬化していないときに、身体サポート具Aに身体の部分Hを押し付けるのを止めたり、押し付け力を弱めてしまうと、身体サポート具Aの形状がこのスプリングバックによって多少変化するおそれがある。
【0022】
しかし、この点本発明は、クッション体1に貫通孔8A若しくは貫通状態の切欠部8Bを形成又はクッション体1の形状を設定して、クッション体1の厚み方向にクッション体1のない部分8が生じるように構成することで、例えば図6に示すように身体の部分Hに当接してその部分Hに合致した形状に硬化させる際、身体当接側(表側)の前記被覆体2Aとこれと対向する反対側(裏側)の前記被覆体2Bとが、前記クッション体1のない部分8を介して接触し硬化によって接着するように構成している。
【0023】
従って、被覆体2がたとえまだ完全に硬化していなくても、この被覆体2の表裏が直接密着して接着するため、前記クッション体1のスプリングバックは抑制され働きにくくなり、クッション体1の形状は変化しにくくなる。
【0024】
従って、ある程度被覆体2が硬化してしまえば、もはや身体の押し付け力を弱めても形状がその後変化することはなく、身体サポート具Aの硬化保持性能が向上する。その結果身体部分Hに合致した形状に確実に保持成形でき、身体を押し付けていなければならない時間も短縮できることとなる。即ち、良好なホールド性や座り心地とが得られる体形に合致した形状に素早く保持(成形)できることとなり、極めて画期的な身体サポート具となる。
【0025】
尚、本発明はこのようなシートサポートに限られるものではなく、例えば靴底に収納し得る形状に構成し、足の裏Hに当接させその足の裏Hに合致した形状に硬化させて使用するサポート具、即ち、靴底をユーザーの足裏形状に合致した形状に保持して、ユーザー個人の足に応じたフィット感を得ることができる靴底サポートなどにも適用することもでき、広範囲に適用可能な身体サポート具である。
【0026】
また、クッション体1に貫通孔8A若しくは切欠部8Bを形成して、クッション体1にクッション体1のない部分8を形成すれば、良好なクッション性(適度な柔軟性)を確保すべくクッション体1を所定厚としても、クッション体1の内側で被覆体2の表裏が直接接着されるため、強いスプリングバックでも確実に抑制できることとなる。即ち、例えば、前記クッション体1は、ブロック状の柔軟性材により構成すれば、このブロック状のクッション体1は適度な厚みを有するので、成形することで身体を保持するに十分なホールド性が得られる身体サポート具Aを成形できることになり、しかもこの厚みのあるクッション体1により極めて良好な座り心地も得られることになる。このようにクッション性を高めることで、前記スプリングバックが大きく働くことになるが、この点は前記被覆体2の表裏の直接接触による接着力によって抑制することができ、スプリングバックの問題を解決できることとなる。
【0027】
また、例えば、前記シート状の被覆体2は、布材,例えばポリエステル布に硬化樹脂を含浸させて構成すれば、この布材には硬化樹脂を非常に含浸させ易いため、このシート状の被覆体2を一層簡易に構成可能となる。
【0028】
また、例えば、前記硬化樹脂は、湿気にさらすことで短時間で硬化するか若しくは触媒液を加えることで短時間で硬化するものを採用すれば、通常の状態では被覆体2が硬化することがないので極めて取り扱い容易となり、しかも一旦硬化し始めれば短時間で硬化するので身体サポート具A成形に際して身体押し付け時間を短縮でき、例えば長時間着座姿勢を取らずとも良く、ユーザー個人の着座形状に成形することが一層容易に行えることとなる。
【0029】
また、例えば、前記被覆体2の周囲を柔軟性を有する収納カバー4に収納する構成とすれば、取り扱いに際してはこの収納カバー4に触ることで、ユーザーが硬化樹脂を含浸させた被覆体2に触れてしまうことを防止できるので、素手で本発明の身体サポート具Aを取り扱うことができ、一層取り扱い容易となる。
【0030】
また、例えば、前記シート3の尻や腰や背中や首などの身体の部分が当接する位置に設けた保持部5に保持し得る、例えばシートカバー7に止着したり、保持できるように構成すれば、シート3のホールド性を要求される部分に簡易に本発明の身体サポート具Aを保持させることができる上に、この保持部5に保持した状態で身体サポート具Aの成形作業も一層容易に行うことができるため、一層取り扱い容易となる。
【0031】
また、例えば、防湿性袋6に前記収納カバー4を介して密封収納し、この防湿性袋6を開封して湿気に触れることで前記被覆体2が短時間で硬化するように構成するか若しくは、防湿性袋6を開封して触媒液を加えることで前記被覆体2が短時間で硬化するように構成すれば、防湿性袋6から取り出さない限りは確実に被覆体2の硬化を防止することができるので、運搬や流通などの取り扱いも容易に行えることとなる。
【0032】
【実施例】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0033】
図1〜図10に示す実施例は、図1,図2に示すような、自動車用のシート3に用いるシートサポートとして構成している。
【0034】
本実施例は、柔軟性を有するクッション体1を、硬化樹脂を含浸させたシート状の被覆体2で被覆して身体サポート具Aを構成している。
【0035】
具体的に説明すると、クッション体1は、板状あるいは塊状など所定厚のブロック状の柔軟性材により構成している。例えば図3に示すように、柔軟性材としてスポンジなどの柔軟性(可撓性)と通気性とを有する横長ブロック形の発泡材を採用している。
【0036】
また、このクッション体1の大きさは、あてがう部位Hの身体幅よりもやや大きめに設定し、あてがう部位Hを包み込むようにホールドして極めて良好なサポート効果が得られるように構成する。
【0037】
被覆体2は、布材に硬化樹脂を含浸させて構成している。更に詳しくは、布材としてポリエステル布を採用している。
【0038】
また、本実施例では、この被覆体2は、前記クッション体1の全体を被覆し得るように構成している。
【0039】
更に説明すると、本実施例では二枚の被覆体2を使用し、図3におけるクッション体1の上下面に、夫々一枚ずつ被覆体2を重合当接させた上で、夫々の被覆体2の全周縁部同士を重合止着することにより、この二枚の被覆体2でクッション体1の全体を被覆した構成としている。即ち、このようにして止着することで、クッション体1の押圧変形時にクッション体1が周側面外側方向に大きく迫り出すことがなく、止着部が存する箇所でも良好なクッション性が得られることになる。
【0040】
尚、本実施例ではこのようにクッション体1の全体を被覆体2で被覆したが、図9(b)のように、身体当接側とこれと対向する反対側のみを被覆体2で被覆する構成でも良い。
【0041】
また、この被覆体2に含浸させる硬化樹脂は、例えば湿気硬化ウレタンなどの水を加えるか水分を含ませるなど湿気にさらすことで短時間で硬化する性質を有する湿気硬化型樹脂を採用している。
【0042】
また、この他にも、これらの条件を満たし、本実施例の被覆体2に最適なものとして、例えば、スリーエムヘルスケア(株)製のキャスティング製品が市販されている。このキャスティング製品は、水に浸すと短時間(3〜5分)で強くしっかりと硬化するという性質がある。
【0043】
また、この硬化樹脂としては、他に例えば、主剤に触媒液を加える(噴霧する)ことで短時間で硬化する性質を有するもの(触媒硬化型樹脂)でも良いし、その他の性質のものでも良いが、本実施例のように何かのきっかけにより硬化するものとした方が、通常硬化することがないために、運搬・流通に便利となったり、適時に身体サポート具Aを成形することができるために望ましい。
【0044】
また、この本実施例の身体サポート具Aは、図4に示すように収納カバー4に収納した状態で防湿性袋6に密封収納している。従って、この収納状態では被覆体2が湿気にさらされることがないから、確実に硬化することを防止でき、防湿性袋6を開封して取り出し、収納カバー4内の身体サポート具Aに霧吹きなどで水を加えたり水分を含ませるなどして湿気にさらすことで被覆体2が短時間で硬化するように構成している。
【0045】
また、本実施例の身体サポート具Aは、前記シート3に設けた保持部5に保持し得るように構成している。
【0046】
具体的に説明すると、本実施例では、例えば図1,図2に示すように、シート3に被覆装着するシートカバー7に前記保持部5を設けた構成としている。
【0047】
更に詳しくは、シート3の背もたれ部3Aに被覆装着する背もたれカバー7Aに設けているもので、この背もたれカバー7Aの前面部中程の内側面に、本実施例の身体サポート具Aを収納し得る側部開口型の収納袋を形成してこの収納袋を前記保持部5としても良いし、身体サポート具Aを収納した収納カバー4を取扱い袋4Aに更に収納し、これを単にシートカバー7の内面に止着保持するように構成しても良い。
【0048】
また、本実施例では、前述のように身体サポート具Aを収納カバー4・4Aに入れて取り扱うため、シート3に硬化樹脂が付いて汚したりすることを確実に防止でき、しかも取り扱いに際してはユーザーがこの収納カバー4に触ることになるために、確実に硬化樹脂を含浸させた被覆体2に触れることを防止でき、これにより素手で身体サポート具Aを取り扱って成形作業を行うことができるので、一層取り扱い容易となる。
【0049】
また、身体サポート具Aはこの収納カバー4・4Aにより被覆するから、一層良好なクッション性が得られることになる。
【0050】
また、本実施例では、被覆体2で被覆するクッション体1に貫通孔8A若しくは貫通状態の切欠部8Bを形成又はクッション体1の形状を設定して、クッション体1の厚み方向にクッション体1のない部分8が生じるように構成して、身体の部分Hに当接してその部分Hに合致した形状に硬化させる際、身体当接側の前記被覆体2Aとこれと対向する反対側の前記被覆体2Bとが、前記クッション体1のない部分8を介して接触し硬化によって接着するように構成している。
【0051】
具体的には、クッション体1に貫通孔8A若しくは貫通状態の切欠部8Bを形成し、このクッション体1の外縁に対する内側にクッション体1のない部分8が生じるように構成している。
【0052】
従って、被覆体2がたとえまだ完全に硬化していなくても、この被覆体2の表裏が直接密着して接着するため、前記クッション体1のスプリングバックは抑制され働きにくくなり、クッション体1の形状は変化しにくくなる。
【0053】
従って、ある程度被覆体2が硬化してしまえば、もはや身体の押し付け力を弱めても形状がその後変化することはなく、身体サポート具Aの硬化保持性能が向上する。その結果身体部分Hに合致した形状に保持成形でき、身体を押し付けていなければならない時間を短縮できることとなる。即ち、良好なホールド性や座り心地とが得られる体形に合致した形状に素早く保持(成形)できることとなり、極めて画期的な身体サポート具となる。
【0054】
具体的には、図7,図8に示すように貫通孔8Aや切欠部8Bの形状・位置・数などは、前記表裏接着によってスプリングバックを防止できるように構成する。
【0055】
例えばスプリングバックが大きいと予想される場合には、貫通孔8Aや切欠部8Bを大きくしたり、数を多くしたりすることとなり、スプリングバックが小さいと考えられる場合には、小さくても良く、また一つでもよいこととなる。また、図9(c)に示すようにクッション体1の形状を設定して、クッション体1の厚み方向にクッション体1のない部分8がクッション体1の外側(左右)に生じるように構成して、身体の部分Hに当接してその部分Hに合致した形状に硬化させる際、身体当接側の前記被覆体2Aとこれと対向する反対側の前記被覆体2Bとが、前記左右のクッション体1のない部分8を介して接触し硬化によって接着するように構成しても良い。また、図9(b)に示すように、左右に分離して所定形状のクッション体1を配設し、このクッション体1間にクッション体1のない部分8を形成しても良い。
【0056】
また、これまでの本実施例はシートサポートとしたものであるが、例えば図10に示すように靴底サポートとしても良い。即ち、図10に示すように靴底形の板状クッション体1の上下を硬化樹脂を含浸させる被覆体2でサンドし、靴底に入れて足で踏み付けて硬化させるが、この場合も多数設けた貫通孔8Aを介して被覆体2の上下が直接密着して接着するため、前記クッション体1のスプリングバックは抑制され働きにくくなり、クッション体1の形状は変化しにくくなる。従って、ある程度被覆体2が硬化してしまえば、もはや足の押し付け力を弱めても、足を動かさず押し付けなくてもその後変化することはなく、身体サポート具Aの硬化保持性能が向上する。その結果クッション体1により良好なフィット感が得られると共に足を動かさずに押し付けていなければならない時間を短縮できることとなる。
【0057】
【発明の効果】
本発明は上述のように構成したから、簡単にユーザー個人の着座形状の身体サポート具に成形することができ、しかもこの身体サポート具は、被覆体が硬化して形状を保持するものでありながら中身は柔軟性を有するクッション体であるから、硬いだけでなく適度な柔軟性も得られて、良好なホールド性と座り心地とが得られることとなり、その上本発明は、単にクッション体を、硬化樹脂を含浸させた被覆体で被覆するだけで構成できるため、この構成は簡易に設計実現可能な構成であり、量産性に秀れ、安価な製品を提供可能となるなどの秀れた効果を発揮する画期的な身体サポート具となる。
【0058】
更に本発明は、このような作用・効果を発揮するクッション体を硬化樹脂を含浸させた被覆体で被覆する構成でありながら、被覆体がたとえまだ完全に硬化していなくても、この被覆体の表裏が直接密着して接着するため、前記クッション体1のスプリングバックは抑制され働きにくくなり、クッション体1の形状は変化しにくくなる。
【0059】
従って、ある程度被覆体が硬化してしまえば、もはや身体の押し付け力を弱めても形状がその後変化することはなく、身体サポート具Aの硬化保持性能が向上し、その結果身体部分に合致した形状に保持成形でき、身体を押し付けていなければならない時間を短縮できることとなる。即ち、良好なホールド性や座り心地とが得られる体形に合致した形状に素早く保持(成形)できることとなり、極めて画期的な身体サポート具となる。
【0060】
また、請求項2記載の発明においては、良好なクッション性(適度な柔軟性)を確保すべくクッション体を所定厚としても、クッション体の内側で被覆体の表裏が直接接着されるため、強いスプリングバックでも確実に抑制できる極めて画期的な身体サポート具となる。
【0061】
また、請求項3記載の発明においては、クッション体が適度な厚みを有するから、身体を保持するに十分なホールド性が得られる身体サポート具を成形できることになり、しかもこの厚みのあるクッション体により極めて良好なクッション性(座り心地)も得られることになるなど極めて実用性に秀れた身体サポート具となる。
【0062】
また、請求項4記載の発明においては、布材,例えばポリエステル布には硬化樹脂を非常に含浸させ易いために、前記シート状の被覆体を一層簡易に構成可能となる極めて実用性に秀れた身体サポート具となる。
【0063】
また、請求項6記載の発明においては、通常の状態では被覆体が硬化することがないので極めて取り扱い容易となり、しかも一旦硬化し始めれば短時間で硬化するので身体サポート具成形に際して、例えば長時間着座姿勢を取らずとも良く、容易にユーザー個人の着座形状に成形可能となるなど極めて実用性に秀れた身体サポート具となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施例の使用状態を示す説明断面図である。
【図2】第一実施例の使用状態を示す説明斜視図である。
【図3】第一実施例の一部を切り欠いた説明斜視図である。
【図4】第一実施例の身体サポート具の取り扱いを示す説明斜視図である。
【図5】従来例の使用状態を示す説明平断面図である。
【図6】第一実施例の使用状態を示す説明平断面図である。
【図7】第一実施例の説明斜視図である。
【図8】第一実施例のクッション体の別例形状を示す説明斜視図である。
【図9】第一実施例のクッション体の別例形状並びに被覆体の被覆別例を示す説明断面図である。
【図10】第二実施例を示す説明分解斜視図である。
【符号の説明】
1 クッション体
2 被覆体
2A 被覆体
2B 被覆体
3 シート
8 部分
8A 貫通孔
8B 切欠部
A 身体サポート具
H 部分,足の裏
Claims (8)
- 柔軟性を有するクッション体を、硬化樹脂を含浸させたシート状の被覆体で被覆し、身体の部分に当接させその部分に合致した形状に硬化させて使用する身体サポート具であって、前記クッション体に貫通孔若しくは貫通状態の切欠部を形成又はクッション体の形状を設定して、クッション体の厚み方向にクッション体のない部分が生じるように構成して、身体の部分に当接してその部分に合致した形状に硬化させる際、身体当接側の前記被覆体とこれと対向する反対側の前記被覆体とが、前記クッション体のない部分を介して接触し硬化によって接着するように構成したことを特徴とする身体サポート具。
- 前記クッション体は、所定厚の柔軟性材により構成し、このクッション体に貫通孔若しくは貫通状態の切欠部を形成し、このクッション体の外縁に対する内側にクッション体のない部分が生じるように構成して、身体の部分に当接してその部分に合致した形状に硬化させる際、身体当接側の前記被覆体とこれと対向する反対側の前記被覆体とが、前記貫通孔若しくは切欠部を介して接触し硬化によって接着するように構成したことを特徴とする請求項1記載の身体サポート具。
- 前記クッション体は、スポンジなどの柔軟性と通気性とを有するブロック状の発泡材により構成し、このブロック状のクッション体を前記シート状の被覆体で被覆したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の身体サポート具。
- 前記シート状の被覆体は、布材に硬化樹脂を含浸させて構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の身体サポート具。
- 前記シート状の被覆体で少なくとも前記クッション体の身体当接側とこれと対向する反対側とを被覆したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の身体サポート具。
- 前記硬化樹脂は、湿気にさらすことで短時間で硬化する性質を有するか若しくは触媒液を加えることで短時間で硬化する性質を有するものを採用したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の身体サポート具。
- 座席や椅子などのシートに着座した際の尻や腰や背中や首などの前記身体の部分に当接させその部分に合致した形状に硬化させて使用するように構成した請求項1〜6のいずれか1項に記載の身体サポート具。
- 靴底に収納し得る形状に構成し、足の裏に当接させその足の裏に合致した形状に硬化させて使用することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の身体サポート具。
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