JP3589991B2 - 半導体メモリ装置用の冗長マルチプレクサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体メモリ装置用の冗長マトリクスに関し、この冗長マトリクスはエラーのあるビット線路を冗長ビット線路により置換するためのものである。この冗長マトリクスでは、ビット線路を置換すべきフューズに記憶された情報からデコーダで制御信号が形成され、冗長ビット線路を備えた2つの冗長領域が中央バスに対して両側で制御信号により選択可能である。
【0002】
【従来の技術】
図3は、半導体メモリ装置用の従来の冗長マルチプレクサを示す。中央バスないし中央領域1の両側に入/出力ユニット(I/O)2が設けられており、これらにはどのビット線路にエラーがあり、冗長ビット線路により置換しなければならないかという情報が入力される。ここではもちろん、存在する全ての冗長ビット線の数だけビット線路を置換することができる。エラーのあるビット線についての情報はフューズ(FUSES)3に格納される。したがってここでは符号化されたフューズ情報CFIが存在し、この情報はどのビット線路にエラーがあり、冗長ビット線路により置換しなければならないかを指示する。ここでは、この符号化されたフューズ情報が中央バス1の各側で、点線により概略的に示した相応のフューズバス4とバッファおよびデコーダ5(これが復号化されたフューズ情報FIを送出する)を介して直接、または読み出しまたは書き込みの際に使用される制御ユニット6,7を介して冗長マルチプレクサ(RMUX)8,9に出力される、と仮定する。例えば図3で中央バス1の右にあるフューズ3から符号化されたフューズ情報CFIがバッファおよびデコーダ5(これがここから復号化されたフューズ情報FIを形成する)を介して制御ユニット6へ送信され、これから冗長マルチプレクサ9の全インタフェース幅を介して読み出し増幅器(SSA)10により分配され、そして所属の冗長ビット線路がメモリセルフィールド13の横の領域11で制御される。
【0003】
長ビット線路を選択するためのこの種の手順は、冗長マルチプレクサ8,9と読み出し増幅器10ないしメモリセルフィールド13との間のインタフェース幅が比較的狭い場合には問題とならない。しかしインタフェース幅が例えば128ビットeDRAMの場合のように増大すると、インタフェース幅が大きいために時間遅延が発生し、この時間遅延は深刻な問題となる。図3に概略的に示したように、各冗長ビット線路を制御するための制御信号はインタフェースの全幅を通過しなければならない。そのためフューズ情報CFIないしFIはインタフェース幅の最大で3/4にわたって伝播しなければならない。例えばフューズ情報CFIないしFIは、図3で中央バス1の左にあるフューズ(点線4参照)の領域3から制御ユニット7へ伝播し、そしてそこから冗長マルチプレクサ9の右縁部または左縁部まで、領域11にある冗長ビット線路に所属の読み出し増幅器10が発見されるまで伝播しなければならない。
【0004】
この時間遅延は最終的に次のことに起因する。すなわち、冗長ビット線路の制御が冗長マルチプレクサ9に対する領域11と、冗長マルチプレクサ8に対する領域12とでインタフェースの全幅を介して中央バス1の両側で行われることに起因する。
【0005】
したがってエラーのあるビット線路の修理手段の最大数を冗長ビット線路により維持するためには、通常の構成では必然的に大きな遅延時間が存在する。この遅延時間は、制御信号がインタフェース幅の3/4を介して伝播することに起因するものである。
【0006】
図4は、図3に示した既存の冗長マルチプレクサ8ないし9の詳細を示す。中央バス1の両側にデコーダ5が配置されており、このデコーダは5つのフューズ3から情報を受信する(アドレス情報“Coded Fused address”に対する4つのフューズと、“Fused Enable”に対する1つのフューズ)。このデコーダ5から16のスイッチ信号がそれぞれ中央バス1の両側で、(図4の右のデコーダ5に対しする)冗長マルチプレクサ8ないし(図4の左のデコーダ5に対する)冗長マルチプレクサ9のそれぞれ16のスイッチ14を制御するために送出される。
【0007】
これらのスイッチ信号に依存して、スイッチ14に入力されるデータ(Data in)が冗長マルチプレクサ8,9のスイッチ14によりさらに導通される(Data out)。これは場合により冗長ビット線路を例えば中央バス1の領域で制御するためであり、このことは図4に“RED”により概略的に示されている。
【0008】
この既存のコンセプトはユニラテラルと称することができる。なぜなら冗長マルチプレクサ8,9に対して中央バス1の両側で区別がなく、冗長マルチプレクサ8,9は中央バス1に対して、およびひいては全インタフェース幅に対しても“単方向性”だからである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、単方向性構造に起因する遅延時間をスイッチ信号の伝播の際に回避し、このスイッチ信号に対する比較的に短い伝播時間を特徴とする冗長マルチプレクサを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この課題は冒頭に述べた形式の冗長マルチプレクサにおいて、デコーダがスイッチ信号ないし制御信号を、両方の冗長領域のうち中央バスの一方の側にあるゾーンにだけそれぞれ送出することによって解決される。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の冗長マルチプレクサはしたがってバイラテラル・コンセプトである。デコーダで復号されるフューズ情報は制御信号ないしスイッチ信号で中央バスの片側でだけ評価される。これにより、これらの信号が伝播しなければならない距離がインタフェース幅の1/4に低減される。言い替えると、信号伝播時間が係数3だけ減少される。すなわちデコーダに対するフューズ情報、およびデコーダから送出されるスイッチ信号ないし制御信号は中央バスの一方または他方の側に留まる。しかし入/出力ユニットに入力された情報の符号化はフューズで、またこの情報の復号化はバッファおよびデコーダ全体で行われるから、この構成の半分にある、すなわち中央バスの一方の側にあるエラーのあるビット線路を、中央バスの他方の側にある冗長ビット線路により置換することができる。したがって全ての「修理手段」が開放されたままとなる。言い替えるとこの“バイラテラル”指向コンセプトの機能性はユニラテラル・コンセプトと等価である。しかし、制御信号ないしスイッチ信号に対する遅延時間が比較的に小さいという利点を有する。なぜなら、インタフェース幅の3/4ではなく1/4の距離だけを乗り越えれば良いからである。
【0012】
実際の実施例ではインタフェース幅を約3mmにすることができる。ユニラテラル・コンセプトの場合には、スイッチ信号ないし制御信号の伝播は2.25mm以上の距離を必要とするが、本発明によるバイラテラル・コンセプトの場合は信号の伝播に対して約0.75mmの距離が必要なだけである。
【0013】
この比較的に短い線路ないし信号経路によってキャパシタンスが低下し、このことは伝播時間の減少の他に比較的に小さな制御素子ないしドライバの使用を可能にする。
【0014】
【実施例】
以下、本発明を図面に基づき詳細に説明する。
【0015】
図1と図2には、図3と図4で使用したのと同じ参照符号を有する構成部材が示されており、詳細には説明しない。
【0016】
図1は、本発明の冗長マルチプレクサに対する実施例を示す。この冗長マルチプレクサは重要な点で図3に示した既存の冗長マルチプレクサとは異なる。符号化されたフューズ情報CFIはフューズ3からバッファおよびデコーダ5に送出される。この符号化された情報CFIは冗長マルチプレクサ8および9に対して“バイラテラル”に次のように送信される。すなわち、スイッチ信号ないし制御信号がそれぞれ制御バス1の一方の側でだけ伝播するように送信される。冗長マルチプレクサ9はフューズ情報FIを領域11にある冗長ビット線路に対するデコーダ5から受け取る。一方、冗長マルチプレクサ8はフューズ情報FIを領域12にある冗長マルチプレクサに対するデコーダ5から受信する。同じように冗長マルチプレクサ9はフューズ情報FIを領域11にある冗長ビット線路に対するデコーダ5から受け取り、一方、冗長マルチプレクサ8にはフューズ情報FIが領域12にある冗長ビット線路に対するデコーダ5から供給される。
【0017】
このようにしてスイッチ信号ないし制御信号が伝播しなければならない伝播距離がインタフェース幅の1/4に低減される。このことは図1の概略的回路図から簡単にわかる。すなわちスイッチ信号ないし制御信号に対する伝播時間を係数3だけ低減することができる。
【0018】
図2は図4に類似する、マルチプレクサ8(8と8)ないし9(9、9)の個々のスイッチ14に対するデコーダ5の配属を示す。ここでは図4の構成では組合せが16であるのに対し、全部で36の組合せが可能である。なぜなら各デコーダ5がスイッチ14を両方のマルチプレクサ8と9で担当するからである。したがってここではデコーダ5にそれぞれ6つのアドレス信号(Coded Fused address)が供給される。このことは図2に示されており、また“Enable”信号は省略することができる。
【0019】
図4の既存の構成では、それぞれ1つの冗長マルチプレクサ8ないし9を有する各デコーダ5が1つの冗長ビット線路をエラーのあるビット線の修理にために接続できるのに対し、図1と図2に示された本発明の冗長マルチプレクサでは、各マルチプレクサ8、8と9、9によってそれぞれ1つの冗長ビット線路が接続される。したがってここでは各デコーダ5は2つのエラーのあるビット線路を修理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】半導体メモリ装置用の本発明の冗長マルチプレクサの説明のための概略的回路図である。
【図2】図1の冗長マルチプレクサの詳細図である。
【図3】半導体メモリ装置用の既存の冗長マルチプレクサの概略的回路である。
【図4】図3の冗長マルチプレクサの詳細図である。
【符号の説明】
1 中央バス
5 デコーダ
8,9 冗長マルチプレクサ
14 スイッチ

Claims (2)

  1. エラーのあるビット線路を冗長ビット線路により置換するための、半導体メモリ装置用の冗長マルチプレクサであって、
    どのビット線路を置換すべきであるかという、フューズ(3)に格納された情報から、デコーダ(5)で制御信号ないしスイッチ信号が形成される形式の冗長マルチプレクサにおいて、
    第1の冗長領域(8)と第2の冗長領域()とが、制御信号ないしスイッチ信号により選択可能であり、
    前記第1の冗長領域(8)は第1の冗長ビット線路を有し、かつ中央バス(1)の第1の側の第1の領域(11)にあり、
    前記第2の冗長領域()は第2の冗長ビット線路を有し、かつ前記第1の側に対向する、中央バス(1)の第2の側の第2の領域にあり、
    フューズ(3)に格納された情報(CFT)がデコーダ(5)を介して両方の冗長領域(8,9)にバイラテラルに送信され、
    制御信号ないしスイッチ信号はそれぞれ中央バス(1)の一方の側にだけ伝播し、
    第1および第2の冗長領域(8,9)の、中央バス(1)の第1の側ないし第2の側にある部分が、制御信号ないしスイッチ信号によって、第1ないし第2の領域(11,12)にある冗長ビット線路に対するフューズ情報だけを受信し、
    該フューズ情報はデコーダ(5)により復号化された情報であり、
    これにより制御信号ないしスイッチ信号が通る信号経路は、第1ないし第2の冗長領域(8,9)のうち、中央バス(1)の一方の側にある部分の半分であり、
    当該信号経路を通る制御信号ないしスイッチ信号の伝播時間は冗長マルチプレクサのインタフェース幅の1/4によって与えられる、
    ことを特徴とする冗長マルチプレクサ。
  2. 2つの冗長領域(8,9)の各部分(8、9;8、9)によって、エラーのあるビット線路の各々に少なくとも1つの冗長ビット線路(11,12)が接続可能である、請求項1記載の冗長マルチプレクサ。
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