JP3589001B2 - 液晶パネルの検査方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶パネルのセルギャップの測定、セルギャップのむらが許容範囲内にあるか否かの判定、セルギャップむらの傾向別に液晶パネルの分類を行う液晶パネルの検査方法の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
液晶パネルは、各画素における光の透過率(以下、単に“透過率”という)を変化させることによりパネル全体として画像を表示する。ここで、液晶パネルは一対の基板間に液晶層を挟持して液晶セルが構成される。透過率とは液晶セルとその両側又は片側に配置される偏光手段を透過して射出する側で検出された光の割合を意味するものである。液晶セル内の液晶層の厚み(以下、“セルギャップ”と称する)が2次元的広がりを持つパネル面内の各位置で異なる(即ち、“セルギャップむら”がある)と、同じ液晶配向状態における透過率の値や液晶印加電圧に対する透過率の変化特性が各位置で異なってしまう。すると、このセルギャップむらに応じて各画素における表示品質に差が出て、液晶パネル全体として画質が低下してしまう。
【0003】
このため従来は、液晶パネルの製品化の際には、例えばパネル出射面の中央部と端部との間でのセルギャップむらが、画質維持のために必要な許容範囲を超えてしまう場合には当該液晶パネルは不良品であると判定するセルギャップむら検査が行われる。
【0004】
他方で、液晶パネルの伝統的な製品検査として、液晶パネルの出射面全体における輝度むら検査がある。この輝度むら検査では、液晶パネルの出射面全体をCCDカメラで撮影して、液晶パネルの中央部と端部における輝度を検出して検出値を数値比較したり、或いは、検出された各輝度をディスプレイ画面上にて2次元表示して目視比較したりする。ここで特に、液晶パネルの各画素における輝度とセルギャップとの間には比較的リニアに近い関係があるとされており、このため従来は、液晶パネルのセルギャップ検査方法においては、上述の輝度むら検査方法を応用して、液晶パネルの中央部と端部とにおける輝度の差に基づいて、液晶パネルのセルギャップの差が所定の許容範囲を超えるか否か(即ち、セルギャップむらが大きいために不良品であるか否か)を検査している。
【0005】
更に、RGBの各色用に一枚ずつ液晶パネルをライトバルブとして用いた液晶プロジェクタにおいては、3枚の液晶パネルを透過したRGBの3色の光をプリズム又はダイクロイックミラーで合成する。このため、セルギャップのむらの傾向(例えば、中央部と端部とでセルギャップの差が殆どない、中央部と端部とでは中央部が薄い、右端が左端よりも薄いなどの各傾向)が同じである液晶パネルを組み合わせて一つの液晶プロジェクタを製造することが好ましい。仮に、傾向が異なる液晶パネルを組み合わせてしまうと、その組み合わせ方によっては3枚の液晶パネルにおけるセルギャップむらの影響が増長されて、最終的に一画面内で視認可能な程度の色の違いとして現れかねないのである。
【0006】
このため従来は、セルギャップむらについて不良品であるか否かの検査のみならず、後に各液晶プロジェクタを組み立てる際に、同じセルギャップむらの傾向をもつ3枚の液晶パネルを組み合わせられるように、液晶パネルを同じ傾向を持つグループに分類する分類検査が行われる。
【0007】
以上の如き従来の輝度に基づくギャップむら検査や分類検査は、より具体的には、面状光源上に検査対象である透過型の液晶パネルを載せて、面状光源により液晶パネルをその背面から照射し、液晶パネルの前面から出射される光をカラーCCDカメラで撮影することにより、液晶パネル面の中央部や4隅における光量を検出することにより行われる。このため、カラーCCDカメラによる撮影の前には、バックライトやカラーCCDカメラを含む光検出系の調整工程が設けられる。この調整は後述する本発明で言うところのキャリブレーション(即ち、較正又は目盛定め)等を意味するものである。例えば、バックライトから白色光を照射しつつ各位置においてRGB毎に検出される光量比が夫々1:1:1となるように、各位置における各色の検出ゲインが調整される(即ち、所謂ホワイトバランスがとられる)。これにより、バックライトの輝度むら等を実際の検査の前に較正するようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
液晶パネルに対する要求が高度化される中、上述の輝度を用いてギャップむら検査や分類検査のみならず、液晶パネルのセルギャップ値そのものを測定することが望まれている。
【0009】
しかしながら従来は、前述のように光検出系に対するキャリブレーションを、カラーCCDカメラ等の撮像手段の撮影台上に置かれたバックライトを直接撮影する状態で行うようにしている。このため、キャリブレーション後に光検出系により如何に精度良く光量検出を行おうとも、測定結果には、実際の検査の際に用いられる偏光板やカラーフィルタの存在に起因した誤差が必ず含まれることになってしまうという問題点がある。
【0010】
より詳細には、偏光板やカラーフィルタでは、RGB別に透過率が異なるため、これらの偏光板やカラーフィルタ抜きでホワイトバランスをとる等のキャリブレーションを行った後に実際の光検出を行っても、RGB毎に相異なる偏光板やカラーフィルタの影響により、輝度に基づいた正確な測定を行うことはできないという問題点がある。
【0011】
本発明は上述した問題点に鑑みなされたものであり、バックライト等の面状光源を含む光検出系におけるキャリブレーション等の調整をより的確に行うことにより、より高精度でセルギャップの値を測定することが可能な液晶パネルのセルギャップ測定方法を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の液晶パネルの検査方法は上記課題を解決するために、光源からの光の、一対の偏光手段と該一対の偏光手段の間に配置された液晶パネルとを透過した透過光量を検出して前記液晶パネルのセルギャップの値を出力する光検出工程と、
一対の調整用偏光手段を、その偏光軸により前記液晶パネルが光透過状態となるように配置した状態で、前記一対の調整用偏光手段を通過する透過光量を測定して、前記光検出工程に対する調整を行うキャリブレーション工程とを備え、
前記調整用偏光手段は、前記偏光手段と実質的に同一特性である又は同じものである
ことを特徴とする。
【0013】
請求項1に記載の液晶パネルの検査方法によれば、先ずキャリブレーション工程において、液晶パネルに備えられる偏光部材と実質的に同一特性の調整用偏光部材が、その偏光軸により前記液晶パネルが光透過状態となるように配置される。この状態で、光検出工程に対する調整が行われる。例えば一対の偏光部材を介して光源を撮影することにより各箇所におけるホワイトバランスをとる等の調整が行われる。その後、光検出工程において、光源に対向して配置された液晶パネルは該光源により照らされ、該液晶パネルの前面の少なくとも一個所における光量が検出される。ここでは、例えば偏光軸が相互に平行となるように対向配置された一対の偏光部材を入射面及び前面に備えたノーマリーブラックモードの液晶パネルに対して、液晶駆動電圧を印加してホワイトにした状態(光透過状態)で、光量が検出される。または、偏光軸が相互に直角となるように対向配置された一対の偏光部材を入射面及び前面に備えたノーマリーホワイトモードの液晶パネルに対して、液晶駆動電圧を印加せずにホワイトにした状態(光透過状態)で、光量が検出される。若しくは、偏光部材を入射面及び前面の一方にのみに備えた液晶パネルに対しては、一対の調整用偏光部材の一方を光量検出用に残して、液晶パネルに備えられた一方の偏光部材と一対をなすように液晶パネルを配置して、光量が検出される。または、偏光部材を備えていない液晶パネルに対しては、一対の調整用偏光部材の両方を光量検出用にそのまま残して、液晶パネルをこれらの間に配置して、光量が検出される。従って、偏光部材の透過率がRGB別に相異なっていても、既にこの偏光部材を含めてホワイトバランスをとる等の調整が行われているので、当該光検出工程において偏光部材を含めた液晶パネルから検出される光量は、偏光部材の影響が較正されている。そして、該検出された光量に基づいて、液晶パネルの少なくとも一個所におけるセルギャップの値が出力される。
【0014】
このように光検出工程に対する調整を、例えばカラーCCDカメラ等の撮像手段の撮影台上に置かれた光源を直接撮影する状態で行うのではなく、偏光部材を配置した状態で行うので、偏光部材に起因した誤差が較正された光量を検出することができ、最終的に、この液晶パネル中の液晶部分をより強く反映した光量検出結果に基づいて、液晶部分の厚みであるセルギャップの値を精度良く出力することが可能となる。
【0015】
本発明の液晶パネルのセルギャップ測定方法は上記課題を解決するために請求項1に記載の液晶パネルのセルギャップ測定方法において、前記光検出工程の時点で前記液晶パネルに一対の前記偏光手段が備えられていない場合には、前記光検出工程において、一対の前記調整用偏光手段間に前記液晶パネルを挿入した状態で前記光量を検出することを特徴とする。
【0016】
本発明の液晶パネルのセルギャップ測定方法によれば、光検出工程の時点で液晶パネルに一対の偏光手段が備えられていない場合には、先ず調整工程において、一対の調整用偏光手段が配置され、光検出工程に対する調整が行われる。次に、光検出工程において、このように配置した一対の調整用偏光手段をそのまま残して、これらの間に液晶パネルを挿入した状態で、光量が検出される。
従って、偏光手段の透過率がRGB別に相異っていても、偏光手段を含めてホワイトバランスをとる等の調整が行われた後、当該光検出工程における光量の検出が行われるので、この検出される光量は、偏光手段の影響が較正されている。
【0017】
この結果、液晶パネルからの光量を高精度で検出することができ、最終的にセルギャップの値を精度良く出力することが可能となる。
【0018】
本発明の液晶パネルのセルギャップ測定方法は上記課題を解決するために請求項1に記載の液晶パネルのセルギャップ測定方法において、前記光検出工程の時点で前記液晶パネルに一対の前記偏光手段が備えられている場合には、前記調整工程後に一対の前記調整用偏光手段を外してから前記光検出工程を行うことを特徴とする。
【0019】
本発明の液晶パネルのセルギャップ測定方法によれば、光検出工程の時点で液晶パネルに一対の偏光手段が備えられている場合には、先ず調整工程において、一対の調整用偏光手段が配置され、光検出工程に対する調整が行われる。次に、光検出工程において、このように配置した一対の調整用偏光手段を外して、これらの間に一対の偏光手段を備えた液晶パネルを挿入した状態で、光量が検出される。従って、偏光手段の透過率がRGB別に相異っていても、偏光手段を含めてホワイトバランスをとる等の調整が行われた後、当該光検出工程における光量の検出が行われるので、この検出される光量は、偏光手段の影響が較正されている。
【0020】
この結果、液晶パネルからの光量を高精度で検出することができ、最終的にセルギャップの値を精度良く出力することが可能となる。
【0021】
本発明の液晶パネルのセルギャップ測定方法は上記課題を解決するために請求項1に記載の液晶パネルのセルギャップ測定方法において、前記光検出工程の時点で前記液晶パネルに一対の前記偏光手段のうちの一方の偏光手段が備えられている場合には、前記調整工程後に一対の前記調整用偏光手段のうち該一方の偏光手段に対応する一方の調整用偏光手段を外してから前記光検出工程を行うことを特徴とする。
【0022】
本発明の液晶パネルのセルギャップ測定方法によれば、光検出工程の時点で液晶パネルに一方の偏光手段のみが備えられている場合には、先ず調整工程において、一対の調整用偏光手段が配置され、光検出工程に対する調整が行われる。次に、光検出工程において、このように配置した一対の調整用偏光手段のうち液晶パネルに備えられた一方の偏光手段に対応する一方を外した状態で、即ち、一枚の調整用偏光手段と液晶パネルの備えた偏光手段との間に、この偏光手段を除く液晶パネルを挿入した状態で、光量が検出される。従って、偏光手段の透過率がRGB別に相異っていても、偏光手段を含めてホワイトバランスをとる等の調整が行われた後、当該光検出工程における光量の検出が行われるので、この検出される光量は、偏光手段の影響が較正されている。
【0023】
この結果、液晶パネルからの光量を高精度で検出することができ、最終的にセルギャップの値を精度良く出力することが可能となる。
【0024】
本発明の液晶パネルのセルギャップ測定方法は上記課題を解決するために液晶パネルのセルギャップ測定方法において、光源からの光の、液晶パネルの透過光量を検出する光検出工程と、
調整用カラーフィルタを通過する透過光量を測定して、前記光検出工程に対する調整を行うキャリブレーション工程とを備え、
前記調整用カラーフィルタは、前記液晶パネルに備えられるカラーフィルタと実質的に同一特性又は同じものであることを特徴とする。
【0025】
本発明の液晶パネルのセルギャップ測定方法によれば、光検出工程の時点で液晶パネルにカラーフィルタが備えられている場合には、先ず調整工程において、上記カラーフィルタと実質的に同一特性の調整用カラーフィルタが液晶パネルと共に配置され、光検出工程に対する調整が行われる。次に、光検出工程において、液晶パネルに備えられた偏光手段または調整用偏光手段の間に、カラーフィルタと共に偏光手段を除く液晶パネル部を挿入した状態で、光量が検出される。従って、カラーフィルタの透過率や偏光手段の透過率がRGB別に相異っていても、カラーフィルタや偏光手段を含めてホワイトバランスをとる等の調整が行われた後、当該光検出工程における光量の検出が行われるので、この検出される光量は、カラーフィルタや偏光手段の影響が較正されている。
【0026】
この結果、液晶パネルからの光量を高精度で検出することができ、最終的にセルギャップの値を精度良く出力することが可能となる。
【0027】
本発明の液晶パネルの測定方法は上記課題を解決するために、光源からの光により液晶パネルを照らしつつ該液晶パネルの前面の少なくとも一個所における光量を検出する光検出工程と、該検出された光量に基づいて前記液晶パネルの前記少なくとも一箇所におけるセルギャップの値を出力するセルギャップ出力工程とを備えた液晶パネルのセルギャップ測定方法において、前記光検出工程の前に、前記液晶パネルに備えられるカラーフィルタと同じ又は実質的に同一特性の調整用カラーフィルタを配置した状態で前記光検出工程に対する調整を行う調整工程を更に備えたことを特徴とする。
【0028】
本発明の液晶パネルのセルギャップ測定方法によれば、先ず調整工程において、液晶パネルに備えられるカラーフィルタと同じ又は実質的に同一特性のカラーフィルタが配置される。この状態で、光検出工程に対する調整が行われる。例えばカラーフィルタを介して光源を撮影することにより各箇所におけるホワイトバランスをとる等の調整が行われる。その後、光検出工程において、光源に対して配置された液晶パネルは該光源により照らされ、該液晶パネルの前面の少なくとも一個所における光量が検出される。従って、カラーフィルタの透過率がRGB別に相異っていても、既にこのカラーフィルタを含めてホワイトバランスをとる等の調整が行われているので、当該光検出工程においてカラーフィルタを含めた液晶パネルから検出される光量は、カラーフィルタの影響が較正されている。そして、セルギャップ出力工程において、該検出された光量に基づいて、液晶パネルの少なくとも一個所におけるセルギャップの値が出力される。
【0029】
このように光検出工程に対する調整を、例えばカラーCCDカメラ等の撮像手段の撮影台上に置かれた光源を直接撮影する状態で行うのではなく、実際の光検出の際に存在するカラーフィルタと同じ又は同一特性の調整用カラーフィルタを配置した状態で行うので、カラーフィルタに起因した誤差が較正された光量を検出することができ、最終的に、この液晶パネル中の液晶部分をより強く反映した光量検出結果に基づいて、セルギャップの値を精度良く出力することが可能となる。
【0030】
本発明の液晶パネルのセルギャップ測定方法は上記課題を解決するために、液晶パネルのセルギャップ測定方法において、前記セルギャップ出力工程は、前記検出された光量の所定関数として前記少なくとも一個所におけるセルギャップの値を演算出力する演算出力工程を含むことを特徴とする。
【0031】
本発明の液晶パネルのセルギャップ測定方法によれば、光量とセルギャップとの間には所定の対応関係があるため、この対応関係を示す所定関数を予め用意しておけば、演算出力手段により、この所定関数を用いてセルギャップの値を演算出力できる。
【0032】
本発明の液晶パネルのセルギャップ測定方法は上記課題を解決するために液晶パネルのセルギャップ測定方法において、前記セルギャップ出力工程は、各光量に対する前記セルギャップの各値が予め設定されたルックアップテーブルを格納する記憶手段から、前記検出された光量に対応する前記セルギャップの値を読み出して前記少なくとも一個所におけるセルギャップの値として出力する読み出し出力工程を含むことを特徴とする。
【0033】
本発明の記載の液晶パネルのセルギャップ測定方法によれば、光量とセルギャップとの間には所定の対応関係があるため、この各光量とセルギャップの各値との対応関係を示すルックアップテーブル(早見表)を記憶装置の中等に予め用意しておけば、このルックアップテーブルからセルギャップの値を読み出して出力できる。
【0034】
本発明の液晶パネルの検査方法は上記課題を解決するために液晶パネルの検査方法において、前記光検出工程において少なくとも2種類の色毎に光量を別個に検出し、前記光検出工程により検出された2種類の色のうち選択的に一種類の色の光量に基づいて前記セルギャップの値を出力することを特徴とする。
本発明の液晶パネルの検査方法は前記検出は、前記液晶パネルの複数の個所における光量を導入する光ファイバと、前記光ファイバで導入された光を色光分離するダイクロイックプリズムと、前記色光分離された光を各々受光する光検出器と、を用いて行われることを特徴とする。尚、ダイクロイックプリズムの代わりにダイクロイックミラーを用いても良い。
【0035】
本発明の液晶パネルの検査方法によれば、先ずキャリブレーション工程において、少なくとも2種類の色間のバランスがとられる。その後、光検出工程において、これら2種類の色毎に光量が別個に検出される。次に、セルギャップ出力工程において、光検出工程により検出された2種類の色のうち選択的に一種類の色(例えば、R又はG)の光量に基づいて、セルギャップの値が出力される。従って、例えばセルギャップの変化に対して敏感に反応する色の光量に基づいて、当該セルギャップの値を精度良く出力することも出きる。
【0036】
本発明の液晶パネルの検査方法は上記課題を解決するために液晶パネルの検査方法において、前記光検出工程においてR(赤色)G(緑色)B(青色)毎に光量を別個に検出し、検出されたRGB毎の光量から換算される輝度に基づいて前記セルギャップの値を出力することを特徴とする。
【0037】
本発明の液晶パネルの検査方法によれば、先ずキャリブレーション工程において、各箇所においてRGBの色間のバランスがとられる。その後、光検出工程において、これらRGB毎に光量が別個に検出される。次に、セルギャップ出力工程において、光検出工程により検出されたRGB毎の光量から、例えば各輝度の人間の目に対する特性を考慮して計算式{0.6×Rの光量+0.3×Gの光量+0.1×Bの光量}により計算される輝度に基づいて、セルギャップの値が出力される。従って、光量検出時における偏光手段やカラーフィルタの影響が較正された輝度に基づいて、当該セルギャップの値を精度良く出力することが出きる。
【0038】
本発明の液晶パネルの検査方法は上記課題を解決するために液晶パネルの検査方法において、前記光検出工程と前記キャリブレーション工程において、前記液晶パネルの複数の個所における光量を夫々検出し、前記複数の個所の間における前記光量の差をセルギャップむらの指標値として夫々出力するセルギャップむら出力工程を備えたことを特徴とする。
【0039】
本発明の液晶パネルの検査方法によれば、キャリブレーション工程の後、光検出工程において、該液晶パネルの前面の複数の個所における光量が検出される。
そして、これら複数の箇所の間における光量の差が、ギャップむら出力手段によりセルギャップむらの指標値として夫々出力される。
【0040】
この結果、セルギャップむらの指標値として出力された光量の差が、予め経験上または計算上設定された所定の許容範囲に入っているか否かにより、当該検査された液晶パネルがセルギャップむらに関して良品であるか不良品であるかを精度良く検査できる。
【0041】
本発明の液晶パネルの検査方法は上記課題を解決するために液晶パネルの検査方法において、予めセルギャップむらの傾向別に分類を設定し、前記光検出工程で検出された光量に基づいて、前記液晶パネルが前記分類のいずれに属するかを判定する分類工程を備えたことを特徴とする。
【0042】
本発明の液晶パネルの検査方法によれば、キャリブレーション工程の後、光検出工程において、該液晶パネルの前面の光量が検出される。そして、これらの間における光量の差に基づいて、セルギャップむらの傾向別に予め設定された複数の分類のうち液晶パネルがどの分類に属するかが、分類手段により判定される。
ここに、“セルギャップむらの傾向”とは、例えば、セルギャップが、中央部と端部とで差がない、中央部が薄い、右端が左端よりも薄い等のセルギャップむらの方向性や、差が大きい、差が中程度である、差が小さい等のセルギャップむらの程度などを要素とする各種の傾向が挙げられ、液晶パネルの用途や要求される仕様等を勘案して適当な数の分類が用意される。そして後に、例えば3枚の液晶パネルを組み合わせてプロジェクタを構成する場合には、同じ分類に属する液晶パネルを組み合わせて使用すれば、各液晶パネルにおけるセルギャップのむらが相互に増長される事態を未然に防ぐことができるのである。
【0043】
この結果、より適切な調整を用いて、各液晶パネルをセルギャップむらの傾向別に精度良く分類することが出来る。
【0044】
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされよう。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0046】
(セルギャップ検査装置の全体構成)
本発明におけるセルギャップ測定方法、セルギャップむら検査方法及びセルギャップの傾向別分類方法を含むセルギャップ検査方法に用いられるセルギャップ検査装置の全体構成を図1に示す。
【0047】
図1に示すように、セルギャップ検査装置100は、カラーCCDカメラ50と、パソコン(パーソナルコンピュータ)10と、カラーモニター等の表示装置20とプリンタ30とを備えて構成されている。
【0048】
液晶パネル101は、CCDカメラ50に対向配置された面上光源の一例を構成するバックライト110上に載せられている。CCDカメラ50は、図2に示すように、バックライト110により背面から照射される液晶パネル101の液晶面101aにおいて、中央に位置する点P1と四隅に夫々位置する4つの点P2〜P5とにおけるRGBの各光量を夫々検出してRGB別の光検出信号を生成する。本実施の形態では、後述のように、液晶パネル101に備えられる偏光手段として偏光板を例に挙げる。そして、液晶パネル101としては、(i)その出射面及び入射面に、一対の偏光板が取り付けられているもの、(ii)その出射面及び入射面に、一対の偏光板のうちの一方のみが取り付けられているもの、及び(iii)その出射面及び入射面に、偏光板が取り付けられていないもののいずれでもよい。これらいずれの場合でも後述のように、当該セルギャップ検査装置100により検査される際には、液晶パネル101は、その出射面及び入射面に取り付けられた偏光板又は検査用に別途用意された偏光板からなる一対の偏光板間に液晶パネル101の偏光板を除く部分が挟持された状態とされる。更に、本実施の形態では、後述のように、液晶パネル101としては、(iv)カラーフィルタを内蔵するもの及び(v)カラーフィルタを内蔵しないもののいずれでもよい。
【0049】
図1において、パソコン10は、CCDカメラ50からの光検出信号が入力されるインターフェース12と、フロッピーディスク、光ディスク等の記録媒体13aから検査用プログラムや後述のルックアップテーブルを読み込んだり、記録媒体13aに各種の検査結果データを格納したりするFD(フロッピーディスク)ドライブ、光ディスクドライブ等の読取装置13と、検査用プログラム、ルックアップテーブル等を格納したり検査結果データを格納したりするためのHD(ハードディスク)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の記憶装置14と、後述の検査用プログラムが実行されるCPU(中央演算装置)15と、キーモード、マウス等の制御命令や各種パラメータを入力したり設定するための入力装置17を備えて構成されている。
【0050】
表示装置20は、後述のようにセルギャップむらの指標値、液晶パネルのセルギャップむらの傾向別の分類、セルギャップの測定値等の検査結果データを所定フォーマットで表示したり、各種命令やパラメータ指定等が可能なメニュー画面等を表示可能なように構成されており、プリンタ30は、このような検査結果データ等を所定フォーマットで印刷可能なように構成されている。
【0051】
バックライト110は、面状光源の一例を構成しており、輝度と発光効率に優れた熱陰極蛍光管、長寿命であり発熱の少ない冷陰極蛍光管、そのまま面状光源として用いることが可能な分散型EL(エレクトロルミネッセンス)、安定した連続スペクトルが得られるハロゲンランプやメタルハライドランプ等の公知の光源を用いて構成される。尚、熱陰極蛍光管や冷陰極蛍光管の如き線状光源を用いて面状光源を構成する場合には、拡散板を用いた直下型の面状光源としてもよいし、拡散板及び導光板を用いたエッジライト型の面状光源としてもよい。
【0052】
(調整工程及び光検出工程)
次に、本実施の形態のセルギャップ検査方法におけるキャリブレーション等の調整工程及び光検出工程について説明する。
【0053】
先ず、偏光板の透過率の色(波長)依存性について、図3を参照して説明する。
【0054】
偏光板は、例えば、ヨウ素錯体等の二色性物質を吸着させたポリビニルアルコールのフィルムを回転するローラーの間に入れ、加熱しながら、一定方向に3〜5倍一軸延伸して、ポリビニールアルコールの高分子を一定方向(偏光軸の方向)に配向させることにより、同時にその中の二色性物質をも、この一定方向に配向させたものから構成されている。或いは、ポリビニルプチラール膜にヨウ素を吸着させたものや耐湿性、耐熱性、耐光性等に優れた、酸性染料などの二色性染料を用いて構成される。
【0055】
偏光板の性能たる偏光度Pは、2枚の偏光板を偏光軸を相互に平行にして対向配置した場合の平行透過率T1と、偏光軸を相互に直交にして対向配置した場合の直交透過率T2とを用いて、次のように表される。
【0056】
P={(T1−T2)/(T1+T2)}1/2
しかるに、このように構成される偏光板の透過率は、図3に示すような色(波長)依存性を持ち、光の波長が短いほど、透過率は低くなる。即ち、R→G→Bの順にエネルギ及びその吸収率が高くなるため、偏光板における透過率も低くなる。
【0057】
従って、例えば偏光板を外した状態で、図1に示したCCDカメラ50のホワイトバランスをとったとしても、即ち各点においてRGB色間で光量の値が相互に1:1:1となるように検出ゲイン等を調整したとしても、実際の液晶パネル101からの光量を検出する際に、偏光板130’、140’を挿入したのでは、この偏光板130’、140’におけるRGB色間の透過率の差の分だけ、検出された光量には誤差が含まれることになる。
【0058】
次に、カラーフィルタの透過率の色(波長)依存性について、図4を参照して夫々説明する。
【0059】
カラーフィルタは、例えば、顔料分散法、染色法、印刷法、電着法等により製造される。これらのうち顔料分散法が分光特性、パターン精度、製造コスト、耐熱性、耐光性等の面で総合的に優れており、現在主流となっている。この顔料分散法により製造されるカラーフィルタは、RGBの色別に選択的に光を吸収したり透過したりする顔料が分散された材料からなる。また、特にプロジェクタ用のライトバルブなどに用いられる強い光源光が透過する液晶パネル用のカラーフィルタにおいては、高い耐光性や耐熱性が要求されるため、一つの色(例えば、R)に係るカラーフィルタ部分が、他の色(例えば、G及びB)の光を反射すると共に当該一つの色(例えば、R)の光のみを透過するように構成された干渉フィルタ型(ダイクロイックミラー型)のカラーフィルタも開発されている。
【0060】
しかるに、このように構成されるカラーフィルタの透過率は、図4に示すような色毎に異なり、光の波長が短いほど、透過率は低くなる。即ち、R→G→Bの順にエネルギ及びその吸収率が高くなるため、カラーフィルタにおける透過率も低くなる。
【0061】
従って、例えばカラーフィルタのない状態で、図1に示したCCDカメラ50のホワイトバランスをとったとしても、即ち各点においてRGB色間で光量の値が相互に1:1:1となるように検出ゲイン等を調整したとしても、実際のカラーフィルタ付きの液晶パネルからの光量を検出する際に、このカラーフィルタにおけるRGB色間の透過率の差の分だけ、検出された光量には誤差が含まれることになる。
【0062】
次に、本実施の形態におけるキャリブレーション工程及び光検出工程について図5及び図6を参照して説明する。図5は、本実施の形態におけるキャリブレーション工程及び光検出工程を示す概念図であり、図6は、比較例におけるキャリブレーション工程及び光検出工程を示す概念図である。
【0063】
本実施の形態におけるセルギャップ測定の対象として、図5(1)〜図5(4)の左側に夫々示した4種類の液晶パネルについて説明を加える。本実施の形態においては液晶パネルの液晶層はTN(ツイステッドネマチック)型液晶を想定している。また、セルギャップ検査の時点で、偏光板が取り付けられていない液晶パネル101(図5(1))、一方の偏光板130のみが液晶パネル101に取り付けられてなる液晶パネル201(図5(2))、両方の偏光板130及び140が液晶パネル101に取り付けられてなる液晶パネル301(図5(3))、及び両方の偏光板130及び140が取り付けられていると共にカラーフィルタ150が設けられた液晶パネル101からなる液晶パネル401(図5(4))を例として説明する。
【0064】
本実施の形態のキャリブレーション工程では、図5(1)〜図5(4)夫々の中央に示すように、どの例の場合にも、液晶パネル101に備えられる一対の偏光板130及び140と同じ又は実質的に同一特性の一対のキャリブレーション用偏光板130’及び140’が、偏光軸が相互に平行となるようにバックライト110上に対向配置される。ここで、偏光軸を相互に平行にすることにより、ノーマリブラックモードの液晶パネル101を最大限にホワイトにした(即ち、液晶印加電圧により最大限に液晶分子の配向方向を変化させた光透過)状態を基準とした、或いは、ノーマリホワイトモードの液晶パネル101を最大限にホワイトにした(即ち、液晶印加電圧を掛けずに、液晶分子の配向方向を変化させない光透過)状態を基準としたキャリブレーションが可能となる。
【0065】
そして、図5(1)〜図5(3)の場合には、この状態で、バックライト110、CCDカメラ50等を含む光検出系に対するキャリブレーションが行われる。より具体的には、一対のキャリブレーション用偏光板130’及び140’を介してバックライト110を撮影することにより各点P1〜P5におけるホワイトバランスがとられる。また、図5(4)の場合には、更に、液晶パネル401に内蔵されるカラーフィルタ150と同じキャリブレーション用カラーフィルタ150’が、カラーフィルタ150に対応する側のキャリブレーション用偏光板130’に取り付けられた状態で、キャリブレーションが行われる。より具体的には、一対のキャリブレーション用偏光板130’及び140’並びにキャリブレーション用カラーフィルタ150’を介してバックライト110を撮影することにより各点P1〜P5におけるホワイトバランスがとられる。
【0066】
その後、光検出工程では、伽図5(1)〜図5(4)夫々の右側に示すように、バックライト110上に載せられた液晶パネル101〜401は、バックライト110により背面から照らされ、液晶パネルの前面の複数の点P1〜P5における光量が、CCDカメラ50により検出される。
【0067】
より詳細には、図5(1)の右側に示すように、偏光軸が相互に平行となるように対向配置された一対のキャリブレーション用偏光板130’及び140’を入射面及び前面に検査用に配備したノーマリーブラックモードの液晶パネル101に対して、液晶駆動電圧を印加してホワイトにした状態(光透過状態)で、各点P1〜P5における光量がCCDカメラ50により検出される。または、偏光軸が相互に直角となるように対向配置された一対のキャリブレーション用偏光板130’及び140’を入射面及び前面に検査用に配備したノーマリーホワイトモードの液晶パネル101に対して、液晶駆動電圧を印加せずにホワイトにした状態(光透過状態)で、各点P1〜P5における光量がCCDカメラ50により検出される。
【0068】
図5(2)の右側に示すように、偏光板130を出射面に備えており、偏光軸が相互に平行となるように対向配置されたキャリブレーション用偏光板140’を入射面に検査用に配備したノーマリーブラックモードの液晶パネル201に対して、液晶駆動電圧を印加してホワイトにした状態(光透過状態)で、各点P1〜P5における光量がCCDカメラ50により検出される。または、偏光軸が相互に直角となるようにキャリブレーション用偏光板140’を入射面に検査用に配備したノーマリーホワイトモードの液晶パネル201に対して、液晶駆動電圧を印加せずにホワイトにした状態(光透過状態)で、各点P1〜P5における光量がCCDカメラ50により検出される。
【0069】
図5(3)の右側に示すように、偏光軸が相互に平行となるように対向配置された一対の偏光板130及び140を出射面及び入射面に備えたノーマリーブラックモードの液晶パネル301に対して、液晶駆動電圧を印加してホワイトにした状態(光透過状態)で、各点P1〜P5における光量がCCDカメラ50により検出される。または、偏光軸が相互に直角となるように一対の偏光板130及び140を出射面及び入射面に備えたノーマリーホワイトモードの液晶パネル301に対して、液晶駆動電圧を印加せずにホワイトにした状態(光透過状態)で、各点P1〜P5における光量がCCDカメラ50により検出される。
【0070】
或いは、図5(4)の右側に示すように、偏光軸が相互に平行となるように対向配置された一対の偏光板130及び140を出射面及び入射面に備えると共にカラーフィルタ150を内蔵するノーマリーブラックモードの液晶パネル401に対して、液晶駆動電圧を印加してホワイトにした状態(光透過状態)で、各点P1〜P5における光量がCCDカメラ50により検出される。または、偏光軸が相互に直角となるように一対の偏光板130及び140を出射面及び入射面に備えると共にカラーフィルタ150を内蔵するノーマリーホワイトモードの液晶パネル401に対して、液晶駆動電圧を印加せずにホワイトにした状態(光透過状態)で、各点P1〜P5における光量がCCDカメラ50により検出される。
【0071】
従って、図5(1)〜(3)の場合には、偏光板130及び140、或いはこれと同一のキャリブレーション用偏光板130’及び140’の透過率が、図3に示したようにRGB別に相異っていても、既にこの偏光板を含めてホワイトバランスをとる等のキャリブレーションが行われているので、当該光検出工程において偏光板を含めた液晶パネル101〜301から検出される光量は、偏光板の影響が較正されている。
【0072】
他方、図5(4)の場合には、このような作用に加えて、カラーフィルタ150、或いはこれと同一のキャリブレーション用カラーフィルタ150’の透過率が、図4に示したようにRGB別に相異っていても、既に、このカラーフィルタを含めてホワイトバランスをとる等のキャリブレーションが行われているので、当該光検出工程においてカラーフィルタ150を含めた液晶パネル401から検出される光量は、カラーフィルタ150の影響が較正されている。
【0073】
ここで、図6を参照して、比較例におけるキャリブレーション工程及び光検出工程について説明する。
【0074】
比較例におけるセルギャップ測定の対象として、図5(1)〜図5(4)の左側に夫々示したものと同一の図6(1)〜図6(4)の左側に夫々示した4種類の液晶パネル101〜401について説明を加える。
【0075】
比較例におけるキャリブレーション工程では、図6(1)〜図6(4)夫々の中央に示すように、どの例の場合にも、バックライト110上には何も載せられることなく、バックライト110、CCDカメラ50等を含む光検出系に対するキャリブレーションが行われる。
【0076】
その後、光検出工程では、図6(1)〜図6(4)夫々の右側に示すように、バックライト110上に載せられた液晶パネル101〜401は、バックライト110により背面から照らされ、液晶パネルの前面の複数の点P1〜P5における光量が、CCDカメラ50により検出される。
【0077】
従って、図6(1)〜(3)の場合には、液晶パネル101〜301に取り付けられた偏光板130及び140の透過率が図3に示したようにRGB別に相異っているため、この偏光板130及び140を含めることなくホワイトバランスをとる等のキャリブレーションが行われているので、当該光検出工程において偏光板を含めた液晶パネル101〜301から検出される光量には、偏光板の存在による誤差が含まれている。
【0078】
他方、図6(4)の場合には、このような偏光板による誤差に加えて、カラーフィルタ150の透過率が図4に示したようにRGB別に相異っているため、このカラーフィルタ150を含めることなくホワイトバランスをとる等のキャリブレーションが行われているので、当該光検出工程においてカラーフィルタを含めた液晶パネル401から検出される光量には、カラーフィルタの存在による誤差が含まれている。
【0079】
以上図5及び図6を参照して説明したように、本実施の形態のセルギャップ測定方法によれば、バックライト110、CCDカメラ50等を含む光検出系に対するキャリブレーションを、バックライト110を直接撮影する状態で行うのではなく、実際の光量検出の際に用いられる偏光板やカラーフィルタを配置した状態で行うので、偏光板やカラーフィルタに起因した誤差が較正された光量を検出することができる。この結果、最終的に、この液晶パネル101中の液晶部分をより強く反映した光量検出結果に基づいて、後述のようにセルギャップの値を精度良く出力することが可能となり、更には、光量の差をセルギャップむらの指標値として精度良く出力したり、セルギャップの傾向別に液晶パネルを精度良く分類することが可能となる。
【0080】
尚、以上の実施の形態では、液晶パネル101の構成要素のうち偏光板及びカラーフィルタをバックライト110上に配置してキャリブレーションを行うようにしたが、セルギャップの値、即ち液晶層の厚みを精度良く測定する観点から言えば、液晶パネルを構成する液晶層を除く他の構成要素を偏光板やカラーフィルタと共にバックライト110上に配置した状態でキャリブレーションを行うようにしてもよい。このようにキャリブレーションを行えば、光検出工程により、液晶パネル101中の液晶部分をより強く反映した光量検出結果を得ることが出来る。
【0081】
尚、以上の実施の形態においては、TN型液晶を用いた液晶パネルに一対の偏光手段が配置されることを前提として説明したが、反射型液晶パネルのように偏光手段を液晶パネルの前面側だけに設けた場合にも本発明は適用でき、その場合、調整(キャリブレーション)用偏光手段と液晶パネルとを光透過状態に設定してキャリブレーション等の調整工程を行えばよい。但し、反射型液晶パネルの場合には、偏光手段として偏光ビームスプリッタを用い、光源からの均一光を調整用偏光ビームスプリッタを透過(又は反射)させて一方の偏光軸の光のみとして液晶パネルに照射し、反射型液晶パネルには入射する一方の偏光軸を他方の偏光軸に回転させるように電圧印加し、パネルからの反射光を調整用偏光ビームスプリッタを反射(又は透過)させ、その面状の光を検出することになる。
【0082】
また、透過型液晶パネルであっても、ゲストホスト液晶などの場合は偏光手段が片側だけであり、その場合には調整用偏光板を液晶パネルの一方側に配置し、液晶パネルの背面に配置された面状光源から液晶パネル及び調整用偏光板を介して透過してくる光を上記した実施の形態と同様に考えることができる。即ち、本発明は、一対の偏光手段を備える液晶パネルには限らないものである。
【0083】
(セルギャップ出力工程の第1の実施の形態)
次に、本実施の形態のセルギャップ測定方法におけるセルギャップ出力工程を、セルギャップむら検査工程及び分類工程と共に説明する。
【0084】
先ず、当該セルギャップ出力工程等を行うためのパソコン10における構成について説明を加える。
【0085】
図1において、本実施の形態では特に、CPU15は、記録媒体13a又は記憶装置14に格納された検査用プログラムにしたがって、選択手段の一例として機能して、CCDカメラ50からインターフェース12を介して入力される複数の点P1〜P5におけるRの光量及びGの光量を示す光検出信号に基づいて、複数の点P1〜P5のうち少なくとも一点(例えば、点P1)について、検出されたRの光量とGの光量との大小を比較し、小さくない方の光量に対応する色を検査用色として選択する。即ちRの透過率(光量)>Gの透過率(光量)の場合には、Rを検査用色として設定し、Rの透過率(光量)<Gの透過率(光量)の場合には、Gを検査用色として設定し、両者が等しい場合は(極めて希ではあるが)、R又はGを検査用色として設定するように構成されている。尚、本実施の形態では、CCDカメラ50で検出されるR、G等の光の光量とR、G等の光の透過率とは、それらの性質上物理的には同等の意味を持つ。
【0086】
ここで、検査用色の選択について、図7を参照して説明する。
【0087】
液晶パネル101において一対の基板間に挟持された液晶中の光の伝播は一般に、Berremanの4×4マトリクス法で計算することが出来る。また、液晶パネル101の一対の基板の対向面に夫々設けられた配向膜の配向方向及び液晶の性質により規定される液晶のツイスト角が90°であるTN(ツイステッドネマチック)モードの場合には、Gooch−Tarryの式で次に示すように、簡単に計算できる。
【0088】
即ち、ノーマリーブラックモードの時、液晶セルの透過率は
T=Sin(π/2×(1+u1/2)/(1+u
但し、u=2Δnd/λ (n:屈折率、d:セルギャップ、λ:波長)
また、ノーマリーホワイトモードの時、液晶セルの透過率は
T=1−{Sin(π/2×(1+u1/2)/(1+u)}
で計算できる。
【0089】
但し、透過率を計算する際には、液晶のΔnにも波長分散があるので、この影響を加味する必要がある。液晶の波長分散は液晶の種類によって異なるが、以下にその一例を示す。
【0090】
Figure 0003589001
特に可視光においては、液晶のΔnは、波長が短い程大きく、波長が長い程小さくなるため、RGB別の光の透過率の差は、更に大きくなっていることが判る。
【0091】
このような計算に基づきシミュレーションされるか或いは実験的に得られる液晶パネル101のセルギャップとRGB各色の透過率(光量)との関係を図7の特性図に示す。図7には、輝度=0.6G(Gの透過率)+0.3R(Rの透過率)+0.1B(Bの透過率)として計算した輝度を透過率に換算した輝度についての特性曲線をも示している。
【0092】
図7に示すように、セルギャップdに対するRの透過率(光量)の変化特性、Gの透過率(光量)の変化特性、Bの透過率(光量)の変化特性とは相異なり、更に、関係式(輝度=0.6×Gの透過率+0.3×Rの透過率+0.1×Bの透過率)を用いて透過率換算した輝度の変化特性もこれらと相異なっている。そして、セルギャップdが約4.2μm程度のところを境に、これよりもセルギャップdが小さい範囲では、セルギャップdに対するRの光量の変化率の方が、セルギャップdに対するGの光量の変化率よりも大きくなっており、Rの光量の方がセルギャップの増減に対してより敏感に反応することが分かる。これに対して、約4.2μm程度よりもセルギャップdが大きい範囲では、セルギャップdに対するGの光量の変化率の方が、セルギャップdに対するRの光量の変化率よりも大きくなり、Gの光量の方がセルギャップdの増減に対してより敏感に反応することが分かる。また、Bの光量については、セルギャップdが約3μm程度のところに極小値を持ち、約4.6μm程度の所に極大値を持つので、Bの透過率からセルギャップを特定することは理論上も(実際上も)不可能であることが分かる。また、前述のように従来のセルギャップむら検査に用いられていた輝度の場合にも、セルギャップdが約3.5μm〜4.5μm辺りでは、セルギャップdの変化に対する輝度の変化が少ないので、輝度に基づいてセルギャップむらの検査やセルギャップ測定を精度良く行うことが理論上も実際上も基本的に困難であることも分かる。
【0093】
従って、上述のように検査プログラムにしたがって選択手段として機能するCPU15により検査用色として設定されるR又はGは、その光量がセルギャップdの増減に対してより敏感に反応する方の色となる。
【0094】
再び、図1に戻り、CPU15は検査用プログラムにしたがって、表示装置20と共にギャップむら出力手段の一例としても機能して、複数の点P1〜P5の間における検査用色(R又はG)の光量の差(例えば、点P1を基準とする差)を、セルギャップむらの指標値として夫々出力するように構成されている。
【0095】
この結果、本実施の形態によれば、セルギャップむらの指標値として表示装置20の画面上に表示された光量(透過率)の差が、予め経験上または計算上設定された所定の許容範囲(例えば、±0.数μm程度)に入っているか否かにより、当該検査された液晶パネル101が、セルギャップむらに関して良品であるか不良品であるかを精度良く検査できる。
【0096】
尚、検査用プログラムに従ってCPU15により、中央の点P1と4隅の点P2〜P5夫々との間における検査用色(R又はG)の光量の差が、予め設定された許容範囲内にあるか否かを自動的に判定するように構成してもよい。この場合、判定結果としては、例えば、各点間のセルギャップ夫々について、表示画面上に判定結果を示す欄を設けておき、この欄に“良品”或いは“不良品”の如きテキストデータを表示する。或いは、一つでも許容範囲内にない光量の差が存在する場合に、液晶パネル101全体に対する判定結果として、“不良品”の如きテキストデータを表示してもよい。このように本実施の形態のセルギャップ検査装置100によれば、液晶パネル101の中央部と端部におけるセルギャップdの差を自動的に数値比較できるだけでなく、自動的に良品又は不良品であるとの判定結果が出力されるので便利である。
【0097】
更に、本実施の形態では、CPU15は検査用プログラムにしたがって、表示装置20と共に分類手段の一例としても機能して、セルギャップむらの傾向別に予め設定された複数の分類のうち前記液晶パネルがどの分類に属するかを複数の点P1〜P5の間における検査用色の光量の差に基づいて判定する。
【0098】
ここに、“セルギャップむらの傾向”とは、例えば、セルギャップが、中央部と端部とで差がない、中央部が薄い、端部が薄い、右端が左端よりも薄い、左端が右端よりも薄い、上端が下端よりも薄い、下端が上端よりも薄い等のセルギャップむらの方向性や、差が大きい、差が中程度である、差が小さい等のセルギャップのむらの程度などを要素とする各種の傾向が挙げられ、液晶パネルの用途や要求される仕様等を勘案して適当な数の分類が用意される。そして後に、例えば3枚の液晶パネルを組み合わせてプロジェクタを構成する場合には、同じ分類に属する液晶パネルを組み合わせて使用すれば、各液晶パネルにおけるセルギャップのむらが相互に増長される事態を未然に防ぐことができるのである。そして、このようにして得られた判定結果を表示装置20に表示したり、プリンタ30に印刷したりするように構成されている。プリンタ30は、このような分類結果を小型のシール上に印刷して、液晶パネルの端部に貼り付けられるようにしてもよい。
【0099】
ここで特に、ライトバルブとして用いられる1インチ程度の小型な液晶パネル101では、拡大される画像に液晶中の不純物粒子の影響で白抜け等が現れるのを防ぐため、10インチ程度の大型の液晶パネルの場合とは異なり、液晶中にギャップ材(スペーサ)を入れずに、基板を接着するシール剤中にギャップ材を入れるのが一般的である。このため、ある程度のセルギャップむらが存在してしまうのは止むを得ない事実である。従って、本実施の形態のように、液晶パネル101を高精度でセルギャップむらの傾向別に分類することは、一枚の液晶パネル101では問題とならないようなセルギャップむらがある液晶パネル101を良品として扱えることに繋がるので、実践上極めて有利である。
【0100】
更に、本実施の形態では、CPU15は検査用プログラムにしたがって、表示装置20と共にセルギャップ出力手段の一例としても機能して、複数の点P1〜P5夫々における検査用色の光量に基づいて、複数の点P1〜P5夫々におけるセルギャップの値を出力するように構成されている。
【0101】
ここで特に、Rの光量とセルギャップとの間及びGの光量とセルギャップとの間には、予め実験的に又は理論計算やシミュレーションにより求めることが出来る、例えば、図7に示したような一定の関係がある。そして、Rの光量がその極小値をとるセルギャップdの値(例えば、約4.5μm)と、Gの光量がその極小値をとるセルギャップdの値(例えば、約4.0μm)とは異なり、両者が一致するセルギャップdの値(例えば、約4.2μm)を境にして、それより小さいセルギャップdの値に対しては、Rの光量がセルギャップdの値と一対一対応にあり、それより大きいセルギャップdの値に対しては、Gの光量がセルギャップdの値と一対一対応にある。従って、Rの光量及びGの光量を変数とする、この一対一対応の関係を示す所定関数を用いて演算すれば、検査用色として選択されたR又はGの光量を入力としてセルギャップdがその演算結果として一義的に定まることになる。或いは、R及びGの各光量とセルギャップdの各値との対応関係を示すルックアップテーブル(早見表)を予め作成しておけば、検査用色として選択されたR又はGの光量に対応するルックアップテーブル上の値として、セルギャップdは、一義的に定まることになる。
【0102】
そこで、本実施の形態では、このようなR及びBの光量とセルギャップdとの対応関係を2次関数、3次関数などで近似した所定関数を予め検査用プログラムに組み込んでおき、実際の検査時に、R又はGの光量を入力として、CPU15により、この所定関数を用いてセルギャップdの値を演算出力するように構成されている。或いは、R及びGの各光量とセルギャップdの各値との対応関係を示すルックアップテーブル(早見表)を予め作成して記録媒体13aや記憶装置14中に予め格納しておき、CPU15により、選択されたR又はGの光量に対応するルックアップテーブル上のセルギャップdの値を読み出して出力するように構成されている。
【0103】
以上の結果、本実施の形態のセルギャップ検査装置100により、セルギャップdの大小に応じて、より適切なRの光量又はGの光量を用いて、液晶パネル101のセルギャップむらの指標値を出力したり、液晶パネル101をセルギャップむらの傾向別に分類したり、液晶パネル101のセルギャップを精度良く測定できる。
【0104】
次に、以上のように構成されたセルギャップ検査装置100により実行されるセルギャップ出力工程について、ギャップむら出力工程及び分類工程と共に説明する。尚、セルギャップ検査装置100にロードされる記録媒体13a或いはパソコン10内蔵の記憶装置14には、前述のR及びGの各光量に対応する各セルギャップの値を示すルックアップテーブルが予め格納されているものとする。
【0105】
先ず、前述のようにキャリブレーション工程及び光検出工程を経て、CCDカメラ50から各点P1〜P5についての光検出信号が入力されると、CPU15により、各点P1〜P5のうち一点又は複数の点について、Rの光量とGの光量との大小が比較され、小さくない方の光量に対応するR又はGが、検査用色として選択される。このように検査用色として選択されるR又はGは、前述のようにその光量がセルギャップdの増減に対してより敏感に反応する方の色となる。
【0106】
次に、このように選択された検査用色(即ちR又はG)の中央の点P1と4隅の点P2〜P5夫々との間における光量の差が、表示装置20の画面上にセルギャップむらの指標値として夫々表示される。
【0107】
これと並行して、検査用色(即ちR又はG)の各点P1〜P5における光量に対応するセルギャップの値が、記録媒体13a又は記憶装置14に格納されたルックアップテーブルから読み出され、各点P1〜P5におけるセルギャップ測定値(5つの測定値)として夫々出力される。
【0108】
以上の結果、検査者は、セルギャップの大小に応じてより適切なRの光量又はGの光量についての光量の差をセルギャップむらの指標値として表示装置20上で見た後、この表示された光量の差が、許容範囲に入っているか否かを判断する。或いは、この判定は、前述のようにCPU15により自動的に行われる。更に、セルギャップの大小に応じてより適切なRの光量又はGの光量を用いて、液晶パネル101が、予め設定されたセルギャップむらの傾向別の分類のうちどれに属するかを判定でき、例えば、プリンタ30により分類コードが印刷されたシールを印刷出力できる。更にまた、セルギャップの大小に応じてより適切なRの光量又はGの光量を用いて、セルギャップを精度良く測定できる。
【0109】
尚、本実施の形態では、CCDカメラ50は、点P1〜P5のみならず液晶パネル101の出射面101a全体を撮像するように構成されている。そして、CPU15及び表示装置20は、検査用色の光検出信号の出力レベルを液晶パネル101の出射面101a全体について擬似カラー化して2次元表示するように構成されている。図8にこのような擬似カラー化した2次元表示の一例を示す。
【0110】
図8に示すように、表示装置20の画面20aには、例えば、液晶パネル101の出射面101aの中央に位置する点P1におけるセルギャップの値を基準として、それよりも小さいセルギャップを持つ箇所を赤色として、それよりも大きいセルギャップを持つ箇所を黄色として、しかも点P1におけるセルギャップの値からの差を色濃度に対応するようにした擬似カラー出射面102が表示されている。この結果、セルギャップ検査装置100によれば、液晶パネル101の中央部と4隅におけるセルギャップdの差を、表示装置20の画面20a上における色の差として視覚的に認識できる。尚、図8に示した表示画面20a内の左上領域には、前述の分類結果を示すテキスト又はコード情報20bが表示されており、その下側には、各点P1〜P5におけるセルギャップの値を示す数値データ20cとセルギャップむらデータ20dとがリスト形式で表示されている。
【0111】
尚、以上説明した実施の形態においては、CCDカメラ50の分光特性の違いや撮影用台上に載せられるバックライト110やフィルタ120の色温度の違い等により図7に示したような特性は変動する。従って、図7に示したような一つの特性について前述のルックアップテーブルを予め用意しておき、実際の検査の際に、これらの分光特性やバックライトの色温度等のパラメータの相違に応じてルックアップテーブルから読み出した各セルギャップ値に対して補正を加えるのが好ましい。このような補正は、例えば、CPU15を制御する検査用プログラムの中に、ルックアップテーブルから読み出した各セルギャップ値と上記分光特性等のパラメータとを入力とする所定関数を用いた補正用プログラムを組み込んでおけばよい。
【0112】
(セルギャップ出力工程の第2の実施の形態)
本発明によるセルギャップ出力工程の第2の実施の形態について説明する。
【0113】
先ず、本実施の形態では、検査用プログラムにしたがってCPU15は、CCDカメラ50から、R、G及びBの光量から換算される輝度の光量とGの光量との大小を比較し、小さくない方の光量に対応する色又は輝度を検査用色として選択するように構成されている。輝度は、各輝度の人間の目に対する特性を考慮して、例えば、計算式{0.6×Rの光量+0.3×Gの光量+0.1×Bの光量}により計算される。
【0114】
ここで、前述した第1の実施の形態におけるRの場合と同様に、図7に示したように、セルギャップdに対する輝度の変化特性と、セルギャップdに対するGの光量(Gの透過率)の変化特性とは相異なり、一般にはセルギャップdが約4.6μm程度のところを境に、これよりもセルギャップdが大きい範囲では、セルギャップdに対するGの光量の変化率の方が、セルギャップdに対する輝度の変化率よりも大きくなる。
【0115】
従って、本実施の形態においても、上述の第1の実施の形態において用いられたRの光量の代わりに輝度を用いて、上述の各実施の形態の場合と同様に、中央の点P1と4隅の点P2〜P5の間における検査用色として選択された輝度又はGの光量の差を、セルギャップむらの指標値として出力したり、この差に基づいてセルギャップむらの傾向別に液晶パネル101を分類したり、或いは、この差に基づいてCPU15によりセルギャップの値を出力したり出来る。
【0116】
(セルギャップ検査装置の変形形態)
本発明のセルギャップ測定方法に用いられるセルギャップ検査装置の変形形態について図9を参照して説明する。本変形例は、図1に示したセルギャップ検査装置100と比べて、光検出部のみが異なる。従って、ここでは、この光検出部のみを説明し、その他の部分についての説明は省略する。
【0117】
図9において、セルギャップ検査装置の光検出部は、対物レンズ1、光ファイバ2及び光センサ部3を備えて構成されている。また、液晶パネル101は、白色光を液晶パネル101の入射面全体に均等に照射するバックライト110の上に、RとGとを透過すると共にBを透過しないフィルタ120を介して載せられている。
【0118】
光ファイバ2は、液晶パネル101の出射面101a上の中央に位置する点P1及び4隅に位置する4つの点P2〜P5に、夫々先端側が対物レンズ1を介して対面するように配置されている。
【0119】
光センサ部3は、各光ファイバ2毎に、ダイクロイックプリズム4、R検出用の光検出器5及びG検出用の光検出器6を備えて構成されている。ダイクロイックプリズム4は、色光分離手段の一例を構成しており、光ファイバ2の後端側から出力される光に含まれるRの光をダイクロイック面4で透過すると共にGの光をダイクロイック面4aで反射することにより、これらのR及びGの光を相互に分離するように構成されている。また、光検出器5及び6は、このように分離されR及びGの光を夫々受光し、その光量を示す光検出信号を、インターフェース12に出力するように構成されている。尚、ダイクロイックプリズム4の代わりにダイクロイックミラーから、このような色光分離手段を構成してもよい。
【0120】
このように、対物レンズ1、光ファイバ2及び光センサ部3は、液晶パネル101の出射面101a上の5つの点P1〜P5における、Rの光量及びGの光量を夫々検出するように構成されている。
【0121】
以上のように構成されたセルギャップ検査装置の光検出部から出力される光検出信号を用いても、前述のキャリブレーション工程及び光検出工程を、R及びGの光について各点P1〜P5において行うことができ、更に、前述した検査結果出力工程の第1及び第2の実施の形態を行うことが出来る。
【0122】
以上説明したように、各実施の形態によれば、より適切なキャリブレーションを行うことにより、高精度で液晶パネルのセルギャップを測定することができ、高精度で液晶パネルのセルギャップむらを検査することができ、高精度でセルギャップむらの傾向別に液晶パネルを分類できる。
【0123】
【発明の効果】
本発明の液晶パネルの検査方法によれば、キャリブレーション工程を、偏光部材やカラーフィルタを配置した状態で行うようにしたので、偏光部材やカラーフィルタに起因した誤差が較正することが出来、このように検出された光量に基づいて、精度良くセルギャップの値を測定できる。更に、このように検出された光量に基づいて、高精度で液晶パネルのセルギャップむらを検査したり、高精度でセルギャップむらの傾向別に液晶パネルを分類したりすることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセルギャップ測定方法に用いられるセルギャップ検査装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明のセルギャップ測定方法の測定対象である液晶パネルの斜視図である。
【図3】液晶パネルに備えられる偏光板における波長と透過率(光量)との関係を示す特性図である。
【図4】液晶パネルに備えられるカラーフィルタにおける波長と透過率(光量)との関係を示す特性図である。
【図5】本実施の形態のセルギャップ測定方法におけるキャリブレーション工程及び光検出工程の様子を概念的に示す概念図である。
【図6】比較例のセルギャップ測定方法におけるキャリブレーション工程及び光検出工程の様子を概念的に示す概念図である。
【図7】液晶パネルにおけるセルギャップと各色の透過率(光量)及び輝度との関係を示す特性図である。
【図8】本実施の形態における図1の検査装置に備えられたカラーモニターの表示画面の一例を示す平面図である。
【図9】本発明のセルギャップ測定方法に用いられるセルギャップ検査装置の変形例における光検出部の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…対物レンズ
2…光ファイバ
3…光センサ部
4…ダイクロイックプリズム
5、6…光検出器
10…パソコン
12…インターフェース
13…読取装置
13a…記録媒体
14…記憶装置
15…CPU
17…入力装置
20…表示装置
20a…表示画面
30…プリンタ
50…カラーCCDカメラ
100…セルギャップ検査装置
101…液晶パネル
101a…液晶パネルの出射面
110…バックライト
120…フィルタ
130、140…偏光板
130’、140’…キャリブレーション用偏光板
150…カラーフィルタ
150’…キャリブレーション用カラーフィルタ

Claims (13)

  1. 光源からの光の、一対の偏光手段と該一対の偏光手段の間に配置された液晶パネルとを透過した透過光量を検出して前記液晶パネルのセルギャップの値を出力する光検出工程と、
    一対の調整用偏光手段を、その偏光軸により前記液晶パネルが光透過状態となるように配置した状態で、前記一対の調整用偏光手段を通過する透過光量を測定して、前記光検出工程に対する調整を行うキャリブレーション工程とを備え、
    前記調整用偏光手段は、前記偏光手段と実質的に同一特性である又は同じものである
    ことを特徴とする液晶パネルの検査方法。
  2. 前記光検出工程の時点で、前記液晶パネルに一対の偏光手段が構成されていない場合には、前記調整用偏光手段を用いて前記光検出工程を行うことを特徴とする請求項1に記載の液晶パネルの検査方法。
  3. 前記光検出工程の時点で、前記液晶パネルに少なくとも一方の偏光手段が備えられている場合には、前記キャリブレーション工程後に前記一対の調整用偏光手段のうち前記液晶パネルの偏光手段に対応する調整用偏光手段を外してから前記光検出工程を行うことを特徴とする請求項1に記載の液晶パネルの検査方法。
  4. 前記光検出工程の時点で前記液晶パネルにカラーフィルタが備えられている場合には、前記一対の調整用偏光手段に加えて前記カラーフィルタと同じ又は実質的に同一特性の調整用カラーフィルタを用いて前記キャリブレーション工程を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の液晶パネルの検査方法。
  5. 光源からの光の、液晶パネルの透過光量を検出する光検出工程と、
    調整用カラーフィルタを通過する透過光量を測定して、前記光検出工程に対する調整を行うキャリブレーション工程とを備え、
    前記調整用カラーフィルタは、前記液晶パネルに備えられるカラーフィルタと実質的に同一特性又は同じものであることを特徴とする液晶パネルの検査方法。
  6. 前記光検出工程と前記キャリブレーション工程において検出された光量に基づいて前記液晶パネルのセルギャップの値を出力するセルギャップ出力工程において、前記検出された光量の所定関数として前記セルギャップの値を演算出力する演算出力工程を含むことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の液晶パネルの検査方法。
  7. 前記光検出工程と前記キャリブレーション工程において検出された光量に基づいて前記液晶パネルのセルギャップの値を出力するセルギャップ出力工程において、光量に対するセルギャップの値が予め設定されたルックアップテーブルを格納する記憶手段から、前記検出された光量に対応するセルギャップの値を読み出して出力する読み出し出力工程を含むことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の液晶パネルの検査方法。
  8. 前記光検出工程において少なくとも2種類の色毎に光量を別個に検出し、
    前記光検出工程により検出された2種類の色のうち選択的に一種類の色の光量に基づいて前記セルギャップの値を出力することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の液晶パネルの検査方法。
  9. 前記光検出工程において少なくとも2種類の色毎に光量を別個に検出する検査方法であって、
    前記液晶パネルの複数の個所における光量を導入する光ファイバと、
    前記光ファイバで導入された光を色光分離するダイクロイックプリズムと、
    前記色光分離された光を各々受光する光検出器と、
    を用いて行われることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の液晶パネルの検査方法。
  10. 前記光検出工程において少なくとも2種類の色毎に光量を別個に検出する検査方法であって、
    前記液晶パネルの複数の個所における光量を導入する光ファイバと、
    前記光ファイバで導入された光を色光分離するダイクロイックミラーと、
    前記色光分離された光を各々受光する光検出器と、
    を用いて行われることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の液晶パネルの検査方法。
  11. 前記光検出工程においてR(赤色)G(緑色)B(青色)毎に光量を別個に検出し、
    検出されたRGB毎の光量から換算される輝度に基づいて前記セルギャップの値を出力することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の液晶パネルの検査方法。
  12. 前記光検出工程と前記キャリブレーション工程において、前記液晶パネルの複数の個所における光量を夫々検出し、
    前記複数の個所の間における前記光量の差をセルギャップむらの指標値として夫々出力するセルギャップむら出力工程を備えたことを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の液晶パネルの検査方法。
  13. 予めセルギャップむらの傾向別に分類を設定し、
    前記光検出工程で検出された光量に基づいて、前記液晶パネルが前記分類のいずれに属するかを判定する分類工程を備えたことを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の液晶パネルの検査方法。
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