JP4728830B2 - 光学的異方性パラメータ測定方法及び測定装置 - Google Patents

光学的異方性パラメータ測定方法及び測定装置 Download PDF

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Description

本発明は、薄膜試料の光学軸の異方性を測定する光学的異方性パラメータ測定方法及び測定装置に関し、特に、液晶配向膜の検査等に用いて好適である。
液晶ディスプレイは、表面に透明電極及び配向膜を積層した裏側ガラス基板と、表面にカラーフィルタ、透明電極及び配向膜を積層形成した表側ガラス基板が、スペーサを介して配向膜同士を向かい合わせ、その配向膜の隙間に液晶を封入した状態で封止されると共に、その表裏両側に偏光フィルタが積層された構造と成っている。
ここで、液晶ディスプレイが正常に動作するためには液晶分子が均一に同一方向に配列されている必要があり、配向膜が液晶分子の方向性を決定する。
この配向膜が液晶分子を整列させることができるのは、一軸性光学的異方性を有しているからであり、配向膜がその全面にわたって均一な一軸性光学的異方性を有していれば液晶ディスプレイに欠陥を生じにくく、光学的異方性の不均一な部分が存在すれば液晶分子の方向が乱れるため液晶ディスプレイが不良品となる。
すなわち、配向膜の品質はそのまま液晶ディスプレイの品質に影響し、配向膜に欠陥があれば液晶分子の方向性が乱れるため、液晶ディスプレイにも欠陥を生ずることになる。
したがって、液晶ディスプレイを組み立てる際に、予め配向膜の欠陥の有無を検査して品質の安定した配向膜のみを使用するようにすれば、液晶ディスプレイの歩留りが向上し、生産効率が向上する。
このため従来より、配向膜について、異方性パラメータとなる光学軸の方位角方向、極角方向、膜厚等を測定し、その配向膜の光学的異方性を評価することにより、欠陥の有無を検査する方法が提案されている。
最も一般的な手法は、エリプソメータを使用する方法であり、かなり正確に測定することが可能であるが、1測定点あたりの測定時間が2分程度と長く、一枚の配向膜の異方性を評価する際に、100×100の合計1万点を測定しようとすると、単純計算で約2週間もかかるため、生産ラインに乗せて全数検査を行うことは到底不可能である。
これは、薄膜試料の測定点に立てられた法線を中心として所定角度間隔で設定された複数の入射方向から前記測定点に対してP偏光又はS偏光の単色光を所定の入射角度で照射させ、その反射光に含まれる偏光成分の内、照射光の偏光方向に直交する偏光成分の反射光強度を測定することにより入射方向に応じた反射光強度変化を検出することにより、光学的異方性薄膜のパラメータとなる方位角方向、極角方向及び膜厚を算出しようとするものである。
特開2001−272308
しかしながら、これによれば、光学的異方性薄膜のパラメータを求めるには、この方法は全ての方位で測定を行う必要があるため、時間がかかるという問題がある。
また、測定は反射光強度の絶対量を必要とするため、受光素子の感度の線形性、ダイナミックレンジなどの外的要因による影響により測定精度が左右され、誤差が大きくなる可能性が高く、測定精度の向上が難しいという問題がある。
さらに、非線形最小二乗法により主誘電率の軸の方向と大きさ、膜の厚さ、および規格化定数の6つ以上のパラメータを同時に算出する必要があるため、ローカルミニマムで収束した解を算出してしまう可能性があるだけでなく、計算に膨大な時間を必要とするといった問題がある。
そこで本発明は、光学的異方性薄膜の光学軸の方向と傾きを高速、高精度に測定し、さらに二次元受光素子による分布測定を可能とする方法と装置を提供することを技術的課題としている。
この課題を解決するために、本発明は、ラビングにより光学的異方性が付与された薄膜試料の異方性パラメータとなる光学軸の方位角方向と極角方向を測定する光学的異方性パラメータ測定装置であって、
ステージに定置された薄膜試料上の測定点に対してP偏光又はS偏光の単色光を所定の入射角度で照射させる発光光学系と、
その反射光に含まれる偏光成分の内、照射光の偏光方向に直交する偏光成分の反射光強度を入射方向に応じて検出する受光光学系と、
前記発光光学系及び前記受光光学系を測定点に立てられた法線の回りに回転させ、所定角度間隔で設定された複数の入射方向から測定点に光を照射させる回転テーブルと、
前記反射光強度が極小値を示す入射方向のうち、最大ピークとなる二つの極大値に挟まれた極小値または中間ピークとなる二つの極大値に挟まれた極小値が測定された入射方向に基づいてその測定点における光学軸の方位角方向を決定すると共に、前記反射光強度が最大ピークとなる極大値とこれに隣接する中間ピークとなる極大値に挟まれた極小値が測定された入射方向Φ もしくは、最大ピークとなる極大値が測定された入射方向により定まる角度Φ 、Φ に基づいて、式(2)又は式(3)により、その測定点における光学軸の極角方向θ算出する演算処理装置とを備え
当該演算処理装置に対し、前記薄膜試料のラビング方向及びこれに直交する方向を中心に所定の角度範囲内で測定された反射光強度を入力させるように成されたたことを特徴とする。
Figure 0004728830
Φ :Φ =0としたときに、最大ピークとなる極大値と中間ピークとなる極大値に挟まれた極小値が測定された入射方向
Φ :Φ =0としたときに、最大ピークとなる極大値が測定された入射方向
Φ :Φ =0としたときに、最大ピークとなる極大値が測定された入射方向
θ :基板平面からの光学軸の極角方向の角度(傾斜角)
μ :+/−(S偏光入射に対するP偏光の反射強度のとき「+」、P偏光入射に対するS偏光の反射強度のとき「−」)
φ :薄膜への入射角度
φ :基板へ抜けた時の光の角度
:基板の屈折率
ε :薄膜試料の常光誘電率

本発明によれば、まず、薄膜試料をステージに定置し、その測定点に立てられた法線の回りに回転する回転テーブルで発光光学系及び受光光学系を回転させながら、所定角度間隔で設定された複数の入射方向から前記測定点に対してP偏光又はS偏光の単色光を所定の入射角度で照射させ、その反射光に含まれる偏光成分の内、照射光の偏光方向に直交する偏光成分の反射光強度を測定することにより入射方向に応じた反射光強度変化を検出する。
入射方向を0〜360°の間で変化させたときに、光学異方性を有する薄膜試料の反射光強度の測定値は、最大ピークとなる二つの極大値が隣接すると共に、中間ピークとなる二つの極大値が隣接し、夫々の極大値の間に四つの極小値を有する波形となる。
ここで、薄膜試料の光学軸の方位角方向の角度、即ち、測定面内における光学軸の向きは最大ピークとなる二つの極大値に挟まれた極小値が測定された方向に等しいので、その方向を方位角方向と決定し、その角度をその測定点における方位角方向Φ=0と置く。
なお、この方向は、中間ピークとなる二つの極大値に挟まれた極小値が測定される方向から180°ずれているので、中間ピークとなる二つの極大値に挟まれた極小値が測定される方向からも特定できる。
次に、薄膜試料の光学軸の極角方向の角度、即ち、基板平面に対する光学軸の傾斜角は、式(2)もしくは式(3)により算出できる。
ここで、式(2)(3)中、極角方向の角度θ以外の変数は、すべて既知もしくは測定値であるから、式(2)によるときは、最大ピークとなる極大値と中間ピークとなる極大値に挟まれた極小値が測定される角度を検出することにより、また、式(3)によるときは、最大ピークとなる極大値が測定される角度を検出することにより算定できる。
Figure 0004728830
Φ:最大ピークとなる二つの極大値に挟まれた極小値が測定された入射方向(=方位角方向=0)
Φ:最大ピークとなる極大値と中間ピークとなる極大値に挟まれた極小値が測定された入射方向
Φ:最大ピークとなる極大値が測定された入射方向
Φ:最大ピークとなる極大値が測定された入射方向
θ :基板平面からの光学軸の極角方向の角度(傾斜角)
μ :+/−(S偏光入射に対するP偏光の反射強度のとき「+」、P偏光入射に対するS偏光の反射強度のとき「−」)
φ:薄膜への入射角度
φ:基板へ抜けた時の光の角度
:基板の屈折率
ε:薄膜試料の常光誘電率
さらに、薄膜試料上の任意の測定エリアに対して、P偏光又はS偏光の単色光を所定の入射角度で照射させ、その反射光に含まれる偏光成分の内、照射光の偏光方向に直交する偏光成分の反射光強度分布を二次元的に検出することにより、測定エリア内に存する各測定点について反射光強度を入射方向に応じて検出することにより、複数の測定点について個別に方位角方向、極角方向を算出できる。
なお、薄膜試料として例えば液晶配向膜を用いた場合は、ラビングにより光学軸が揃い、そのラビング方向近傍とこれに直交する方向近傍から入射させたときに、反射光強度が最小となる極値が存在する。
また、反射光強度が最大ピーク又は中間ピークとなる極大値が存在する角度(方向)は、極角方向に依存し、液晶配向膜を製造する場合、ラビング強度(圧力)によって経験的におおよその極角方向をコントロールしているので、その極角方向に基づき式(3)より特定可能である。
したがって、ラビング方向とこれに直交する方向を中心に例えば所定の角度範囲において光を入射させたり、ラビング方向と反射光強度が最大ピークとなる極大値が存在すると予想される角度(方向)を中心に所定の角度範囲において光を入射させることにより、測定範囲を絞ることができる。
なお、この角度範囲は、液晶配向膜の製造ラインなどにおいては、経験的に測定された方位角方向等の統計上のバラツキに基づき、バラツキが少なければ±20°程度の限定された範囲で足り、ばらつきが多い場合は±45°程度と範囲を広げればよい。
このように、反射光の極小値・極大値の入射方向さえわかれば光学軸の方位角方向と極角方向を決定することができ、さらに、これらの値が既知となった測定点について薄膜試料の異方性層の膜厚t、常光誘電率ε、異常光誘電率εを測定する場合は、2ないし3方向からエリプソメータあるいはリフレクトメータで測定を行なえば足り、極めて短時間且つ正確にこれらの光学異方性パラメータを測定できる。
本発明は、光学的異方性薄膜の光学軸の方向と傾きを高速、高精度に測定するという目的を達成するため、ステージに薄膜試料を定置し、その測定点に立てられた法線の回りに回転する回転テーブルで発光光学系と受光光学系を回転させながら、P偏光又はS偏光の単色光を所定の入射角度で測定点に照射させ、その反射光に含まれる偏光成分の内、照射光の偏光方向に直交する偏光成分の反射光強度を入射方向に応じて検出し、前記反射光強度の極小値を示す入射方向のうち、最大ピークとなる二つの極大値に挟まれた極小値又は中間ピークとなる二つの極大値に挟まれた極小値が測定された入射方向に基づいて測定点における光学軸の方位角方向を決定し、前記反射光強度が最大ピークとなる極大値とこれに隣接する中間ピークとなる極大値に挟まれた極小値が測定された入射方向、もしくは、最大ピークとなる極大値が測定された入射方向に基づいてその測定点における光学軸の極角方向を決定するようにした。
図1は本発明に係る光学的異方性パラメータ測定装置の一例を示す説明図、図2は反射光強度の最小値を示す入射方向と光学軸の方位角方向及び極角方向の関係を示す概念図、図3は反射光強度の測定結果を示すグラフ、図4は他の光学的異方性パラメータ測定装置を示す説明図、図5は薄膜試料の回転に伴う各測定点の位置の推移を示す説明図、図6は傾斜角分布の測定結果を示す説明図である。
本例の光学的異方性パラメータ測定装置1は、ステージ2に定置された基板表面に配向膜(薄膜試料)3を形成するラビング装置10に一体的に設けられており、ラビング処理終了直後に、配向膜3の光学異方性パラメータとなる光学軸OXの方位角方向Φと極角方向θを測定できるようになっている。
ラビング装置10は、測定装置1及びラビングローラ9を備えた移動フレームF、Fを備えており、測定装置1を備えた移動フレームFを退避させた状態で、ラビングローラ9を備えた移動フレームFを移動させながらラビングを行い、ラビング終了後、ラビングローラ9を備えた移動フレームFを退避させた状態で、測定装置1を備えた移動フレームFを所定の位置まで進出させて異方性パラメータの測定を行う。
測定装置1は、配向膜3上の測定点Mに対してP偏光又はS偏光の単色光を所定の入射角度で照射させる発光光学系4と、その反射光に含まれる偏光成分の内、照射光の偏光方向に直交する偏光成分の反射光強度を入射方向に応じて検出する受光光学系5と、発光光学系4及び受光光学系5を測定点Mに立てられた法線Rの回りに回転させ、所定角度間隔で設定された複数の入射方向から測定点Mに光を照射させる回転テーブル6と、その測定結果に基づいて測定点Mにおける光学軸の極角方向を決定する演算処理装置7とを備えている。
発光光学系4の光軸4x及び受光光学系5の光軸5xは測定点Mで等角的に交差するように設計されてモータ11により回転される回転テーブル6に取り付けられている。
回転テーブル6は、その回転軸6xが測定点Mに立てられた法線Rに一致するように配され、法線Rに対する回転軸6xの傾きを調整するあおり調整機構12、発光光学系4及び受光光学系5の光軸4x及び5xの交点の高さを配向膜3に一致させるZテーブル(高さ調整機構)13、発光光学系4及び受光光学系5の光軸4x及び5xの交点の位置を任意の測定点Mに一致させるXYテーブル(XY移動機構)14を備えている。
発光光学系4は、波長632.8nm、光強度25mWのHe−Neレーザ21が、測定精度の高いブリュースター角付近の入射角(本例では60°)となるように配置され、その照射光軸4xに沿って、P偏光を透過させるグラントムソンプリズム(消光比10―6)からなる偏光子22が配されている。
受光光学系5は、前記レーザ21から照射されて配向膜3で反射された光の光軸5xに沿って、配向膜3からの裏面反射による光を消去するピンホールスリット23と、S偏光を透過させるグラントムソンプリズム(消光比10―6)からなる検光子24と、波長選択フィルタ25と、光電子増倍管26が配されており、光電子倍増管26の検出信号が演算処理装置7に出力されるようになっている。
また、回転テーブル6の中心には、回転軸6xと同軸的に光軸が配されたあおり検出用撮像装置15が配されている。
この撮像装置15には、ステージ2に向ってレーザ光を同軸落射させる光源装置(図示せず)が内蔵され、配向膜3で反射されたレーザ光を撮像できるようになっている。
これにより、回転テーブル6の回転軸6xが法線Rに対して傾斜していない場合は、回転テーブル6を回転させても反射光の受光点が移動しないので、あおりがないと判断できる。また、回転テーブル6の回転軸6xが法線Rに対して傾斜している場合は、回転テーブル6を回転させたときにあおりを生じ、反射光の受光点が一定せず閉曲線の軌跡を描くので、この軌跡からあおり量を検出することができる。
演算処理装置7では、回転テーブル6を所定角度回転するたびごとに、光電子倍増管26から出力される検出信号を入力し、その回転角度(入射方向)と反射光強度の関係を記憶する。
光学異方性を有する配向膜3について入射方向を0〜360°まで変化させたときに検出される反射光強度変化は、一般に、図3のグラフGに示すように、最大ピークとなる二つの極大値Λ、Λと、中間ピークとなる二つの極大値Λ、Λと、夫々の間に、四つの極小値V〜Vを有する波形となる。
すなわち、図2に示すように、平面図でみて光学軸OXの長手方向から入射されたときに最小値V、Vが測定され、光学軸OXを含む縦断面において光学軸に対して直交する方向から入射されたときに極小値V、Vが測定される。
そして、反射光強度の極小値を示す入射方向ν〜νのうち、最大ピークとなる二つの極大値Λ、Λに挟まれた極小値Vが測定された入射方向νに基づいて測定点における光学軸の方位角方向Φが決定される。すなわち、入射方向νを方位角方向Φ=0とする。
次いで、反射光強度が最大ピークとなる極大値Λとこれに隣接する中間ピークとなる極大値Λに挟まれた極小値Vが測定された入射方向ν、反射光強度が最大ピークとなる極大値Λとこれに隣接する中間ピークとなる極大値Λに挟まれた極小値Vが測定された入射方向ν、もしくは、最大ピークとなる極大値Λ又はΛが測定された入射方向λ又はλに基づいてその測定点における光学軸の極角方向θが決定される。
この場合、式(2)に基づいて算出する場合は、
Φ=ν−ν=ν−ν
とし、式(3)に基づいて算出する場合は、
|Φ|=|Φ|=|λ−λ|/2=|λ−λ|/2
とすればよい。
その後、配向膜3の光学軸OXの方位角方向Φ、極角方向θが既知となるので、任意の2方向からエリプソメータ、あるいはリフレクトメータで測定を行なえば、薄膜試料の主誘電率の大きさ及び厚さを求めることができる。
以上が本発明装置の一構成例であって、次に本発明方法に付いて説明する。
薄膜試料として、ガラス基板8上に可溶性ポリイミドを塗布し、200℃で加熱した。
このガラス基板8をステージ2の上に定置し、測定装置1をステージ2から退避させた状態で、ラビング装置10をステージ2上に進出させ、ラビングローラ9でラビングを行った。
ラビング終了後、ラビング装置10を退避させ、測定装置1を進出させ、Zテーブル13及びXYテーブル14にて、光軸4x及び5xの交点位置が予め設定された測定点に一致するように、高さ調整及びXY位置調整を行う。
その後、回転テーブル6を回転させ、撮像装置15であおり量を検出し、あおり調整テーブル11であおり調整を行った後、反射光強度が最大となるようにZテーブル13で、再度高さ調整を行った。
その後、回転テーブル6を回転させさせながら、入射方向に対するS偏光の反射光強度を測定した。
ラビングされた配向膜3は、方位角方向Φがそのラビング方向(X方向)と略平行であると予想でき、極角方向θがこれと略直交する位置にあると予想できるので、本例では、ラビング方向を中心に±20°、これと直交する方向(Y方向)を中心に±20°の範囲で2°間隔で反射光強度を測定した。
なお、この測定範囲は、光学軸の予想し得る方位角方向と、経験的に測定されている実際の方位角方向のずれを勘案して、例えば、±45°、±30°など任意の角度範囲に設定すればよい。
図3の拡大グラフG、Gは、X方向及びY方向を中心とした夫々の測定範囲における反射光強度変化である。
この測定データから、光学軸OXの方位角方向Φ、極角方向θを求めた。
極角方向θを求める際、式(2)の常光誘電率はラビング前のポリイミド膜の誘電率ε=3.00と設定した。
グラフGの測定結果に対してフィッティング計算を行い、受光強度が極小となる方位νを算出したところ、ν=0.4°であった。したがって、光学軸OXの方位角方向ΦはY軸から04°傾いていることがわかる。
また、グラフGの測定結果に対してフィッティング計算を行い、受光強度が極小となる方位νを算出し、Φ=ν−ν、常光誘電率ε=3.00(ラビング前のポリイミド膜の誘電率)として式(2)に基づいて極角方向θを算出したところθ=22.5°であった。
なお、このときの一測定点の測定時間は約2秒であった。
この結果をもとに、配向膜3の光学軸の方位角方向とそれに直交する方向の2方向で、エリプソメータで測定をおこなったところ、常光誘電率ε=2.79、異常光誘電率ε=3.44、異方層の膜厚t=11nmであった。この常光誘電率εの値から極角方向θを再計算すると24.5°であった。
このとき、エリプソメータで測定する時間を入れても、測定時間は一測定点あたり約4秒であり、従来手法と同等の結果を高速に測定することができた。
図4は光学的異方性パラメータ測定装置の他の実施形態を示し、図1と共通する部分は同一符号を付して詳細説明は省略する。
本例の光学的異方性パラメータ測定装置31において、発光光学系4は、キセノンランプ32が配され、その光軸4xに沿って、反射鏡33の集光点にピンホールスリット34、その透過光を平行化するコリメートレンズ35、干渉フィルタ36、P偏光を透過させる偏光子22が配されている。
このとき、干渉フィルタ35は中心波長450nm、半値全幅2nmに選定され、配向膜3に照射されるビーム径は10mm、入射角度はブリュースター角付近である60°となるように設定した。
また、受光光学系5は、その光軸5xに沿って、S偏光を透過させる検光子24、波長選択フィルタ37、2次元CCDカメラ38が配されている。
これにより、配向膜3に照射された10mmの測定エリアAに含まれる複数の測定点Mijからの反射光強度を同時に測定することができる。
実施例1と同様、ラビング装置10でラビングした。なお、本例では、ラビングの際、配向膜3の左側より右側の方がラビング強度が大きくなるようにラビングを行なった。
ラビング装置10を退避させ、測定装置1を進出させ、Zテーブル13及びXYテーブル14にて高さ調整及びXY位置調整を行い、あおりを調整した後、回転テーブル6を回転させ、入射方向に対する反射光強度の2次元分布測定を行なった。
図5(a)は回転前の測定エリアA内の測定点Mij(i,j=1〜10)を示す。
図5(b)は回転テーブル6の回転に伴い回転した画像を示すもので,各測定点Mijを極座標Mij=(r,α)で表わせば、回転テーブル6が角度γだけ回転したときのMijの位置はMij=(r,α+γ)で表わされる。
したがって、Mij=(r,α+γ)に対応するCCDカメラ39の画素領域で反射光強度を測定すればよい。
このようにして、合計100ポイントの各測定点Mijについて、実施例1と同様、ラビング方向(X方向)を中心に±20°、これと直交する方向(Y方向)を中心に±20°の範囲で2°間隔で反射光強度を測定し、式(7)を用いて極角方向θの分布を求めた。このときの100ポイントの測定点の測定時間は2秒であった。
この結果をもとに、試料の各測定点Mijについて、光学軸OXの方位角方向Φと、それに直交する方向の2方向で、エリプソメータで測定をおこない、常光誘電率ε、異常光誘電率ε、異方層の膜厚tを測定した。
図6は、測定された常光誘電率εの値から再計算された極角方向θの分布を示す。
これによれば、右側が30〜34°、左側が27〜29°の分布であった。
なお、同じ配向膜3極角方向θを従来方法で10×10=100ポイントを測定したところ、右側が30〜34°、左側が27〜29°の分布であり、測定時間は100ポイントで約100分であり、本発明では、エリプソメータで測定する時間を入れても100ポイントの測定点についての測定時間は約6秒であった。
したがって、従来手法と同等の結果を極めて高速に測定することができた。
なお、上述の説明では、光学的異方性パラメータ測定装置1を、ステージ2に定置された基板表面に配向膜(薄膜試料)3を形成するラビング装置10に一体的に設けた場合について説明したが、本例はこれに限らず、薄膜試料に光学的異方性を付与する装置であれば、光配向処理装置その他の光学異方性付与装置に一体に設けてもよい。
この場合、ラビング装置10と同様に、測定装置1のステージ2を光学異方性付与装置のステージと兼用すればよい。
本発明は、光学異方性を有する薄膜製品、特に、液晶配向膜の品質検査などに適用することができる。
本発明に係る光学的異方性パラメータ測定装置の一例を示す説明図。 光学軸の方位角方向及び極角方向の関係を示す概念図。 その測定結果を示すグラフ。 他の光学的異方性パラメータ測定装置を示す説明図。 薄膜試料の回転に伴う各測定点の位置の推移を示す説明図。 極角方向分布を示す説明図。
符号の説明
1、31 光学的異方性パラメータ測定装置
2 ステージ
3 配向膜(薄膜試料)
OX 光学軸
Φ 方位角方向
θ 極角方向
M 測定点
R 法線
4 発光光学系
5 受光光学系
6 回転テーブル
7 演算処理装置


Claims (5)

  1. ラビングにより光学的異方性が付与された薄膜試料の異方性パラメータとなる光学軸の方位角方向と極角方向を測定する光学的異方性パラメータ測定装置であって、
    ステージに定置された薄膜試料上の測定点に対してP偏光又はS偏光の単色光を所定の入射角度で照射させる発光光学系と、
    その反射光に含まれる偏光成分の内、照射光の偏光方向に直交する偏光成分の反射光強度を入射方向に応じて検出する受光光学系と、
    前記発光光学系及び前記受光光学系を測定点に立てられた法線の回りに回転させ、所定角度間隔で設定された複数の入射方向から測定点に光を照射させる回転テーブルと、
    前記反射光強度が極小値を示す入射方向のうち、最大ピークとなる二つの極大値に挟まれた極小値または中間ピークとなる二つの極大値に挟まれた極小値が測定された入射方向に基づいてその測定点における光学軸の方位角方向Φ を決定すると共に、前記反射光強度が最大ピークとなる極大値とこれに隣接する中間ピークとなる極大値に挟まれた極小値が測定された入射方向Φ もしくは、最大ピークとなる極大値が測定された入射方向により定まる角度Φ 、Φ に基づいて、式(2)又は式(3)により、その測定点における光学軸の極角方向θ算出する演算処理装置とを備え
    当該演算処理装置に対し、前記薄膜試料のラビング方向及びこれに直交する方向を中心に所定の角度範囲内で測定された反射光強度を入力させるように成されたたことを特徴とする光学的異方性パラメータ測定装置。
    Figure 0004728830
    Φ :Φ =0としたときに、最大ピークとなる極大値と中間ピークとなる極大値に挟まれた極小値が測定された入射方向
    Φ :Φ =0としたときに、最大ピークとなる極大値が測定された入射方向
    Φ :Φ =0としたときに、最大ピークとなる極大値が測定された入射方向
    θ :基板平面からの光学軸の極角方向の角度(傾斜角)
    μ :+/−(S偏光入射に対するP偏光の反射強度のとき「+」、P偏光入射に対するS偏光の反射強度のとき「−」)
    φ :薄膜への入射角度
    φ :基板へ抜けた時の光の角度
    :基板の屈折率
    ε :薄膜試料の常光誘電率
  2. 前記回転テーブルに、前記法線に対する回転軸の傾きを調整するあおり調整機構、発光光学系及び受光光学系の光軸の交点高さを薄膜試料に一致させる高さ調整機構、発光光学系及び受光光学系の光軸の交点位置を任意の測定点に一致させるXY移動機構の少なくともいずれか一を備えた請求項1記載の光学異方性パラメータ測定装置。
  3. 前記法線を中心として所定角度間隔で入射されるP偏光又はS偏光の単色光の入射方向が、最大ピークとなる二つの極大値に挟まれた極小値が存在すると予想される第一の角度と、最大ピークとなる極大値と中間ピークとなる極大値に挟まれた極小値、最大ピークとなる極大値、あるいは中間ピークとなる極大値のいずれかが存在すると予想される第二の角度を中心として、それぞれ所定の角度範囲で、所定角度間隔で複数設定されてなる請求項1記載の光学的異方性パラメータ測定装置。
  4. ラビングにより光学的異方性が付与された薄膜試料の異方性パラメータとなる光学軸の方位角方向と極角方向を測定する光学的異方性パラメータ測定装置であって、
    ステージに定置された薄膜試料上の測定エリアに対してP偏光又はS偏光の単色光を所定の入射角度で照射させる発光光学系と、
    その反射光に含まれる偏光成分の内、照射光の偏光方向に直交する偏光成分の反射光強度分布を測定することにより、測定エリア内に存する各測定点についてそれぞれの反射光強度を入射方向に応じて検出する二次元受光素子を有する受光光学系と、
    前記発光光学系及び前記受光光学系を測定エリアに立てられた法線の回りに回転させ、所定角度間隔で設定された複数の入射方向から測定エリアに光を照射させる回転テーブルと、
    各測定点について前記反射光強度が極小値を示す入射方向のうち、最大ピークとなる二つの極大値に挟まれた極小値又は中間ピークとなる二つの極大値に挟まれた極小値が測定された入射方向に基づいてその測定点における光学軸の方位角方向Φ を決定すると共に、前記反射光強度が最大ピークとなる極大値とこれに隣接する中間ピークとなる極大値に挟まれた極小値が測定された入射方向Φ もしくは、最大ピークとなる極大値が測定された入射方向により定まる角度Φ 、Φ に基づいて、式(2)又は式(3)により、その測定点における光学軸の極角方向θを決定する演算処理装置を備え
    当該演算処理装置に対し、前記薄膜試料のラビング方向及びこれに直交する方向を中心に所定の角度範囲内で測定された反射光強度を入力させるように成されたことを特徴とする光学的異方性パラメータ測定装置。
    Figure 0004728830
    Φ :Φ =0としたときに、最大ピークとなる極大値と中間ピークとなる極大値に挟まれた極小値が測定された入射方向
    Φ :Φ =0としたときに、最大ピークとなる極大値が測定された入射方向
    Φ :Φ =0としたときに、最大ピークとなる極大値が測定された入射方向
    θ :基板平面からの光学軸の極角方向の角度(傾斜角)
    μ :+/−(S偏光入射に対するP偏光の反射強度のとき「+」、P偏光入射に対するS偏光の反射強度のとき「−」)
    φ :薄膜への入射角度
    φ :基板へ抜けた時の光の角度
    :基板の屈折率
    ε :薄膜試料の常光誘電率
  5. 前記ステージが、薄膜試料に光学的異方性を付与するラビング装置、光配向処理装置その他の光学異方性付与装置のステージである請求項1又は4記載の光学的異方性パラメータ測定装置。
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