JP3587735B2 - ディスク装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はディスク状記録媒体(以下、ディスクという。)を用いたディスク装置に関するもので、その中でも、振動や衝撃などによる音飛び防止方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の車載用のディスク装置では、音飛び防止の対策が特に重要となっており、さまざまな対策が採られている。音飛び防止対策の代表的な例として、ディスク装置のメカニズム本体をオイルを封入したダンパや単純なゴムダンパで支持したものや、それに加えてバネで姿勢保持を行ったものがあり、外部からの振動や衝撃を減衰してメカニズム本体への影響を軽減している。また、使用するダンパの特性についても想定される振動方向や、内部のメカニズムに影響を与え易い方向に合わせ1次共振周波数を異ならせることにより振動減衰の効果を高めている。
【0003】
また、ミニディスクにおいては、ディスクから読み込んだ圧縮データを一旦メモリに保管してためておき、伸長処理を行って再生を行っている。これにより、読み取りミスがあった場合でも、正常な読み取りが行われるまではメモリ内のデータを再生することで音飛びを防止している。
オイルを封入したダンパの例として、特開平3−234940号公報の粘性体封入ダンパでは、ゴム環状体の内部に高粘性のシリコンオイルを封入し、それを攪拌する攪拌軸部を設け、ゴム状環状体と攪拌部とを抵抗体で架設している。さらに、取付のためゴム状環状体の外周部を材料の異なるフランジ体で覆っている。これにより、攪拌軸部によりシリコンオイルを攪拌したときの粘性抵抗、および、抵抗体の変形による弾性力により外部からの振動を減衰している。
【0004】
振動方向によってダンパの1次共振周波数を変える例として、特開平1−92984号公報の情報記録再生装置では、フレームに対してシャトル上に載置された光カードが動く構成を取っており、光カードの移動方向と直交する方向にヘッドが移動自在にガイド軸によって案内され、フレームが防振部材を介して外装筐体に取り付けられている。ここで、この防振部材には水平方向に貫通孔が形成されたゴム材料等からなる部材で、ヘッドの移動方向(トラッキング方向)に最も柔らかく、次いで光カード主面に対して直交する方向(フォーカス方向)に柔らかく、光カードの移動方向(タイムベース方向)に最も硬くしている。
【0005】
また、特開平2−61881号公報の防振装置では、ピックアップがディスクの半径方向に移動する構成を取っており、ピックアップを搭載したディスクドライブ機構部を防振部材を介してキャビネットに取り付けている。ここで、防振部材はディスクの主面に対して直交方向に貫通孔が設けられた略楕円の筒状のゴムなどの弾性部材で、ピックアップの移動方向(トラッキング方向)のバネ定数を移動方向に直交する2方向(フォーカス方向、及び、タイムベース方向)のバネ定数よりも小さくしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら特開平3−234940号公報の粘性体封入ダンパでは、ゴム環状体の内部にシリコンオイルを封入し、攪拌軸部と抵抗体を形成しているため、構造が複雑になっている。またダンパの取付のためにゴム環状体と材料の異なるフランジ体を設ける必要がある。そのうえダンパ自体にはメカニズムの姿勢をフローティングする支持力はないため別途姿勢保持バネが必要となる。これらの要因からこの構成ではコストが高くなるのに加えて、外部からの振動に対する軸攪拌部の移動ストロークを多くとる必要がありサイズも大きくなる。また方向によってダンパの1次共振周波数を大きく異ならせることも困難である。
【0007】
次に特開平1−92984号公報の情報記録再生装置では、防振部材の硬度をトラッキング方向、フォーカス方向、タイムベース方向の順に柔らかくする事のみを規定しており、3つの異なった1次共振周波数を設定しようとすると、内部のメカニズムに載置されている光ヘッドと防振部材との1次共振周波数が接近し共振を起こす可能性が高くなり、その周波数においては振動に対して弱く音途切れが発生する恐れがある。また、防振部材に取付用のネジ部を設ける必要があるため、振動を減衰するための柔らかい物性と、取付にも耐え得る硬い物性を兼ね備えたものでなければならないためコストが高くなるという課題がある。さらには、カード状の記録媒体を直線移動させて再生を行っているため、ディスク状の記録媒体を回転させて再生を行う場合に比べてサイズが大きくなるという課題がある。
【0008】
また、特開平2−61881号公報の防振装置では、トラッキング方向のバネ定数をフォーカス方向、及び、タイムベース方向のバネ定数よりも小さくしているが、同様に光ヘッドとの1次共振周波数が重なると共振を起こす可能性がある。また、外周に溝を設けてキャビネット及びディスクドライブ機構に設けた孔に嵌合させて取り付けるため作業性が悪く、落下等の衝撃荷重が加わった場合に防振部材が孔から外れ機構部品を損傷する危険性があった。その結果、対策として別の緩衝部材を設ける必要があり、サイズが大きくなるのに加え、部品点数が増えてコストが高くなるという課題があった。
【0009】
これらの事からダンパに求められる課題として、必要な減衰特性を確保しつつ、小型で振動代が小さく低コストな物が求められている。またダンパ自体の構造が簡単であり、ばねや余分な固定部材・緩衝部材を使用しないことが求められる。
また方向によってダンパの減衰特性を異ならせる場合においても、ダンパの1次共振周波数と光ヘッドの1次共振周波数が重ならないような配慮が可能で、かつダンパの各方向の1次共振周波数を光ヘッドの1次共振周波数に対し高い側もしくは低い側のどちら側にすべきか明確にする必要がある。
【0010】
一方、ミニディスクのドライブ装置などのように、メモリを介して再生を行う構成においては、不連続で衝撃的な振動はメモリ経由の再生により、音切れの発生を回避できる。そのためダンパに求められる減衰特性を主に連続的に発生する振動周波数帯域に対象を絞って防振部材の特性を調整することで、上記した複雑で大掛かりな防振構造を採らない、比較的単純なゴム系の弾性部材のみでメカニズムを支持可能なダンパ構造が利用できる可能性が高い。
【0011】
ただし一部の安価なドライブ装置で見られるようなごく単純なちょうちん形状や鼓形のものでは、車載環境における過大な振動耐久性能が求められる環境では、大振幅が発生したとき頻繁に外側の壁と衝突が発生し内部のメカニズムにダメージを与えたり、防振部材に過度な圧縮変形や屈曲を連続的に加え続けることになり特性劣化を起こす可能性がある。また衝突後は迅速に中央付近の初期位置へ復帰させ次の振動に備えることが望ましいが、その復帰力が出しにくい欠点がある。またメカニズムの自重を支える姿勢保持バネを廃止すると、防振部材自体に常時荷重が加わるため防振部材のクリープ変形による特性劣化の対策が必要になる。
【0012】
そのため車載用途において、ゴム系の弾性部材のみでメカニズムを支持しようとしても従来単純なダンパ構造に見られる上記の課題を解決する必要がある。
そこで、本発明はMD等に用いられているメモリによる効果も考慮に入れ、上記した課題が解決でき、更に取付作業性も大幅に改善できる、廉価なディスク再生装置を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のディスク装置は、光ヘッドによりディスクの信号記録面から読み取った信号をメモリに一旦格納した後、前記メモリから排出した信号の再生を行うディスク装置であって、前記光ヘッドを移動自在に設けた可動ベースと、外部からの振動を減衰する防振部材と、前記可動ベースを前記防振部材を介して遊動自在に支持する固定ベースとからなり、前記防振部材において、前記光ヘッドが移動する第1方向の前記防振部材の1次共振周波数を前記第1方向の前記光ヘッドの1次共振周波数より低く設定し、前記信号記録面に対して略垂直なる第2方向の前記防振部材の1次共振周波数を前記第2方向の前記光ヘッドの1次共振周波数より高く設定し、前記光ヘッドが移動する前記第1方向に対して略垂直で前記信号記録面に対して略平行なる第3方向の1次共振周波数を前記第3方向の前記光ヘッドの1次共振周波数より高く設定したものである。
【0014】
請求項2記載のディスク装置は、請求項1記載のディスク装置において、可動ベースに第1方向と略平行に設けた軸部が挿通する内円筒部と、固定ベースに固定される外枠部と、前記内円筒部と前記外枠部の間で第2方向に架設して外部からの振動を減衰する第1減衰部と、前記外枠部と前記内円筒部を第3方向に架設して外部からの振動を減衰する第2減衰部とから形成された防振部材を有するものである。
【0015】
請求項3記載のディスク装置は、光ヘッドによりディスクの信号記録面から読み取った信号をメモリに一旦格納した後、前記メモリから排出した信号の再生を行うものであって、光ヘッドを移動自在に設けた可動ベースと、外部からの振動を減衰する防振部材と、前記可動ベースを前記防振部材を介して遊動自在に支持する固定ベースとからなり、前記防振部材は、可動ベースに設けた軸部が挿通する内円筒部と、内円筒部より外側に設けた外枠部と前記内円筒部との間で重力方向とは異なる第1角度をもって架設して外部からの振動を減衰する第1減衰部と、重力方向とは異なり、かつ前記第1減衰部と所定の角度をもって前記外枠部と前記内円筒部との間を架設して外部からの振動を減衰する第2減衰部とから形成されており、前記光ヘッドが移動する第1方向の前記防振部材の1次共振周波数を前記第1方向の前記光ヘッドの1次共振周波数より低く設定し、前記信号記録面に対して略垂直なる第2方向の前記防振部材の1次共振周波数を前記第2方向の前記光ヘッドの1次共振周波数より高く設定し、前記光ヘッドが移動する前記第1方向に対して略垂直で前記信号記録面に対して略平行なる第3方向の1次共振周波数を前記第3方向の前記光ヘッドの1次共振周波数より高く設定した防振部材を有するものである。
【0016】
請求項4記載のディスク装置は、光ヘッドによりディスクの信号記録面から読み取った信号をメモリに一旦格納した後、前記メモリから排出した信号の再生を行うものであって、光ヘッドを移動自在に設けた可動ベースと、前記可動ベースの前記軸部が挿通する内円筒部を形成し、内円筒部より外側に外枠部を形成し、前記内円筒部と前記外枠部との間を架設して外部からの振動の減衰を行う減衰部を形成し、前記外枠部に第1溝部、及び、第2溝部を形成し、前記第1溝部と前記第2溝部との間に位置決め用の仕切り部を形成した防振部材と、前記防振部材の前記第1溝部と嵌合する第1切欠き部を形成し、前記防振部材を遊動可能に支持する固定ベースと、前記防振部材の前記第2溝部と嵌合する第2切欠き部を形成し、前記固定ベースと固着して前記位置決め用の仕切り部の挟着を行い、前記防振部材の取付位相を規制する規制部材とからなり、前記光ヘッドが移動する第1方向の前記防振部材の1次共振周波数を前記第1方向の前記光ヘッドの1次共振周波数より低く設定し、前記信号記録面に対して略垂直なる第2方向の前記防振部材の1次共振周波数を前記第2方向の前記光ヘッドの1次共振周波数より高く設定し、前記光ヘッドが移動する前記第1方向に対して略垂直で前記信号記録面に対して略平行なる第3方向の1次共振周波数を前記第3方向の前記光ヘッドの1次共振周波数より高く設定した防振部材を有するものである。
【0017】
請求項記載のディスク装置は、請求項2又は請求項3に記載のディスク装置において、第1減衰部、第2減衰部の少なくともいずれか一方は、内筒部から外枠部に向かう方向と直交する横断面が略四角形を有するものである。
【0018】
請求項記載のディスク装置は、請求項2又は請求項3に記載のディスク装置において、第1減衰部、第2減衰部の少なくともいずれか一方は、内筒部から外枠部に向かう方向と直交する横断面が略円形を有するものである。
【0019】
請求項記載のディスク装置は、請求項2又は請求項3に記載のディスク装置において、第1減衰部又は第2減衰部の一方は前記内筒部から外枠部に向かう方向と直交する横断面が略四角形を有し、残る他方は前記内筒部から外枠部に向かう方向と直交する横断面が略円形を有するものである。
【0020】
以上の構成により、ダンパの1次共振周波数を光ヘッドの1次共振周波数を基準に各方向で設定することにより、必要な減衰特性を確保しつつ、小型で振動代が小さく低コストな振動減衰構造とすることができる。また、第1減衰部と第2減衰部の幅を変えることで簡単に所望の減衰特性を得ることができる。またダンパ自体の構造が簡単であり、またメカニズムの自重を支える姿勢保持バネや余分な固定部材・緩衝部材を使用することがない。さらに前記した姿勢保持バネがない構成のため、防振部材に常時加わるメカニズム荷重による防振部材のクリープ変形に対しても強い構造とすることができる。
【0021】
また、走行時に段差への乗り上げ等により発生する衝撃的な振動時には衝突の発生しない中央付近への復帰が早く、音飛びもメモリによって防止する。比較的実車走行時に発生頻度の大きい周波数帯域は防振部材の固有の減衰カーブにより振動を機械的に減衰し、メモリに頼ることなく音飛びを防止する。特に、ミニディスクのドライブ装置などのようにメモリを介して再生を行う構成においては、高い周波数の振動でダンパの減衰が不足し瞬間的に読み取りエラーが発生してもメモリ経由の再生により、音切れの発生を回避できる。大振幅が発生したときも外側の壁と衝突を抑え、振幅発生後は迅速に中央付近の初期位置へ復帰させ次の振動に備えることができるため、メモリ上に再生データが残っているうちに次の読み取りを再開できるためその効果を高めることができる。
【0022】
また、第1減衰部と第2減衰部を重力方向と異なる角度をもって形成した構成では、大振幅の振動に対して第1減衰部および第2減衰部に直接引張圧縮の繰り返し変形が加わらないため、防振部材の耐久性を向上することができ、経時的に安定した減衰特性を得ることができる。また、第1減衰部と第2減衰部の形成角度を変えることで簡単に所望の減衰特性を得ることができる。
【0023】
また、防振部材を固定ベースの切欠き部に挿入し、規制部材によって防振部材を挟着して固定するこてで、所望の減衰特性を得るための防振部材の位相合せのときの作業性を改善することができ、衝撃荷重が加わっても防振部材が外れることがない。また1方向のみの組み立てとなり作業性を大幅に改善することができる。また、振動の方向によって必要とされる減衰特性が異なる場合に、取付位相を規制することで信頼性の高いディスク装置を提供することができる。
【0024】
また、第1減衰部と第2減衰部について、内筒部から外枠部に向かう方向と直交する横断面を、略四角形又は略円形とすることにより、防振部材の振動特性を各方向について最適の状態に設定することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のディスク装置について図面を参照しながら説明を行う。
図1は本発明のディスク装置の第1の実施例における平面図、図2は同実施例の側面図、図3は同実施例の正面図、図4は同実施例の斜視図、図5は同実施例の防振部材の取付に関わる分解斜視図、図6は同実施例の信号伝送系のブロック図、図7は同実施例におけるダンパの無負荷状態での側面図、図8は同状態の正面断面図、図9は同状態の平面断面図、図10は第1方向の振動が加わった状態の正面断面図、図11は第2方向に振動が加わった状態の側面図、図12は同状態の正面断面図、図13は第3方向に振動が加わった状態の側面図、図14は同状態の平面断面図、図15は第1方向の減衰特性、図16は第2方向の減衰特性、図17は第3方向の減衰特性、図18は実車の振動データの周波数分析結果である。
【0026】
図19は本発明のディスク装置の第2の実施例における側面図、図20は同実施例の斜視図、図21は同実施例の防振部材の取付に関わる分解斜視図、図22は同実施例におけるダンパの無負荷状態での側面図、図23は第2方向に振動が加わった状態の側面図、図24は第3方向に振動が加わった状態の側面図である。
【0027】
まず、図1〜図18を用いて、同ディスク装置における第1の実施例に関する説明を行う。
図6を用いて、同ディスク装置の信号伝送系のブロック構成、および、メモリによる効果について説明を行う。
スピンドルモータ2のターンテーブル2aにディスク11が載置されると、制御回路14がスピンドルモータ2と送りモータ13と光ヘッド3の動作制御を行い、光ヘッド3がディスク11から記録信号を読み取る。読み取られた記録信号は信号処理回路15がデジタルデータに変調し、制御回路14がメモリに当該デジタルデータを蓄積する。さらに、再生回路17がメモリ16からデジタルデータを読みだしてD/A変換を行って外部出力を行う。これにより、ディスク11に記録された信号の演奏が行われる。ここで、外部からの振動が加わると、制御回路14による振動補正の許容範囲を超えてしまい、光ヘッド3による読み取りが正常に行えなくなる。そこで再び読み取りが再開できるまでは、メモリ16内に蓄積されたデータを再生して音途切れを防止する。
【0028】
図1〜図5を用いて、同ディスク装置の構成について説明を行う。
可動ベース1はディスク11を回転自在に収納したカートリッジ10を、定位置に位置決めを行うもので、スピンドルモータ2を固定している。スピンドルモータの回転軸にはディスク11のセンタリング、および、チャッキングを行うターンテーブル2aを回転軸(図示せず)と同心に設け、ディスク11の回転駆動を行っている。また、可動ベース1にはディスク11に記録された信号の読み取りを行うべく、ディスク11の半径方向の第1方向に光ヘッド3が移動自在にガイド軸8,9により案内支持されている。さらに、可動ベース1の両側面には円柱状の軸部1aが4本形成されている。
【0029】
固定ベース4を曲げ加工により形成した両側面4aには、それぞれ略U字状の切欠き部4bが前後2カ所に形成されている。固定ベース4の両側面4aはその中央で、略弧状の一対の切欠き部6aを形成した規制部材6を固着している。このとき、規制部材6の切欠き部6aは固定ベース4の切欠き部4bを延在した形状となっている。
【0030】
ダンパ(防振部材)5は内部損失の大きいゴム材料などからなり、光ヘッド3の移動方向(第1方向)と同方向にトラバースメカの軸部1aを挿入するために孔加工を施した内円筒部5aを形成し、内円筒部5aと同心なる外枠部5bを形成している。内円筒部5aと外枠部5bとの間には、ディスク11の信号記録面(番号で図示せず)と垂直な方向(第2方向)に幅A1の第1減衰部5f,5gを架設し、光ヘッド3の移動方向に直交しディスク11の信号記録面に平行な方向(第3方向)に幅A2の第2減衰部5h,5iを架設している。さらに、第1減衰部5f,5gと第2減衰部5h,5iのそれぞれの間には薄膜部5jを形成している。この様に第1の実施例では、第1減衰部5f,5gと第2減衰部5h,5iが互いに略垂直な十字型構造をとっている。
【0031】
また、ダンパ5の外枠部5bの下側には固定ベース4の切欠き部4bと同形状なるU字状の第1溝部5cを形成し、外枠部5bの上側には規制部材6の切欠き部6aと同形状なる円弧状の第2溝部5dを形成し、第1溝部5cと第2溝部5dとの間には一対の位置決め用の仕切り部5eを形成している。ダンパ5を固定ベース4の切欠き部4bに挿入し、規制部材6を固定ベース4の側面4aに締結すると、固定ベース4の切欠き部4bに第1溝部5cが嵌合し、規制部材6の切欠き部6aに嵌合し、固定ベース4の側面4aと規制部材6との間で位置決め用の仕切り部5eが挟着される。
【0032】
これにより、ダンパ5の固定ベース4からの外れを防止し、後述するダンパ5の減衰特性を方向によって異ならせる場合に、ダンパ5の取付位相を規制することができ、ダンパ5が自然に動くことがなく、各方向で最適な減衰特性が選られるとともに、良好な減衰特性の再現性が得られる。さらに、ダンパ5の組立を1方向のみで行うため、作業性も良くなる上に、組立時に装置の姿勢を変えるなどの不要な工数を削減することができる。
【0033】
次に、ダンパ5による振動の減衰効果に関する説明を行う。
まず、実際に自動車で走行した時の振動を、周波数と振動レベルとの関係で分析すると、図18に示す様に、10Hz近辺と70〜200Hzの帯域で振動が大きいという結果が得られた。また、図15〜17は、横軸で加振周波数、縦軸に固定ベース4の加振加速度に対する可動ベース1上の発生加速度との関係(減衰特性)はある周波数で共振点をもつ関係となっている。
【0034】
図18の分析結果を元に、70〜200Hzの振動を減衰させるために、第1〜第3方向の全方向において、ダンパ5の1次共振周波数を60Hz以下に抑えている(図15〜図17)。ここで、第1方向(トラッキング方向)は光ヘッド3が移動しディスク11に記録された情報トラックに追随する方向で、他の方向と比較して外部からの振動に弱く音飛びが発生しやすい。また、第2方向(フォーカス方向)は可動ベース1の自重を受け持つ重力方向で、比較的大きな振動が発生しやすい。さらに、第3方向(タイムベース方向)はカートリッジ10を着脱する方向で、外部から直接荷重が加わる方向である。また、第2方向および第3方向では、第1方向と比較して外部からの振動に強く音飛びが発生しにくい。
【0035】
以上のことから、第1方向では、光ヘッド3の1次共振周波数fo1hに対して、ダンパ5の1次共振周波数fo1dを低く設定している(図15)。これにより、外部からの振動に対して一番弱い第1方向に関しては、低域から高域までの周波数の振動を機械的に減衰させて音飛びを防止している。
また、第2方向では、光ヘッド3の1次共振周波数fo2hに対して、ダンパ5の1次共振周波数fo2dを高く設定している(図16)。これにより、比較的大きい振動に関しては、ディスク11からのデータの読み取りが不能になるが、メモリ16内に蓄積されたデータを再生する間に、衝突の発生しにくい中央付近への復帰が迅速になされ、正常にディスク11からのデータの読み取りが可能な状態となる。さらに、1次共振周波数fo2hを高く設定することにで耐荷重性が良くなるため、位置精度およびクリープ性の向上が図られる。これにより、可動ベース1の自重をダンパ5のみで支持することができ、可動ベース1を支持するためのバネが不要となる。
【0036】
また、第3方向では、光ヘッド3の1次共振周波数fo3hに対して、ダンパ5の1次共振周波数fo3dを高く設定している(図17)。これにより、比較的大きい振動に関しては、ディスク11からのデータの読み取りが不能になるが、メモリ16内に蓄積されたデータを再生する間に、衝突の発生しにくい中央付近への復帰が迅速になされ、正常にディスク11からのデータの読み取りが可能な状態となる。さらに、1次共振周波数fo2hを高く設定することにで耐荷重性が良くなるため、位置精度およびクリープ性の向上が図られ、カートリッジ10を着脱する際にも可動ベース1が所定以上に動かされることなくダンパ5のみで力を受けることができる。これにより、可動ベース1を支持するためのバネが不要となるうえ、可動ベース1をロックする機構も不要となる。
【0037】
また、第1〜第3方向において、ダンパ5の1次共振周波数を光ヘッド3の1次共振周波数に対してずらすことにより、光ヘッド3が外部からの振動に対して不用意に共振することがなく、読み取りミスを未然に防止することができる。また、より内部損失の大きいゴム材料などを用いることにより、減衰特性の共振倍率を低く抑えて、外部からの振動を減衰効果を高めることができる。
【0038】
また、ダンパ5の1次共振周波数を調整する場合には、第1減衰部5f,5gの幅A1、および、第2減衰部5h,5iの幅A2を変えることによって、簡単に所望の減衰特性を得ることができる。例えば、図7において、第1方向の1次共振周波数fo1dや第2方向の1次共振周波数fo2dを大きくするには、幅A1や幅A2を大きくすればよい。逆に、第1方向の1次共振周波数fo1dや第2方向の1次共振周波数fo2dを小さくするには、幅A1や幅A2を小さくすればよい。このとき、第1減衰部5f,5gや第2減衰部5h,5iの厚みを変更すれば一層効果的である。
【0039】
次に、図7〜図14を用いて、外部からの振動が加わった状態における説明を行う。
図10において、第1方向に振動が加わると、第1減衰部5f,5g、および、第2減衰部5h,5iの複合作用によってストロークL1の範囲で振動を減衰している。また、衝撃荷重が加わりL1以上のストロークで可動ベース1が移動しても、可動ベース1の側面は外枠部5bと当接し、外枠部5bが若干変形することで衝撃荷重を緩和しており、第1減衰部5f,5g、および、第2減衰部5h,5iが座屈することはない。ここで、第1減衰部5f,5g、および、第2減衰部5h,5iは、図10のように引張変形のみとなるため、比較的低いバネ定数で変形が行われ、ダンパ5の1次共振周波数fo1dを低くして高周波数帯域の振動を効果的に減衰することができる。
【0040】
また、図11および図12において、第2方向に振動が加わると、第2減衰部5h,5iは斜めに引張変形し、第1減衰部5f,5gは圧縮と引張の繰り返し変形を起こす。ここで、小振幅の振動の時には、図12(a)に示す様に圧縮変形による減衰が主となり、大振幅の振動時には、図12(b)に示す様に曲げ変形による減衰が主となる。さらに、引張圧縮と曲げを伴う変形となるため、ダンパ5の1次共振周波数fo2dを高くしてバネ定数が高くすることで、外部からの力に対して強くすることができる。これによって、実車で走行したときに凹凸道で生じる衝撃的な力が加わっても、第1減衰部5f,5gが座屈することはない。また、常時加わるメカニズム荷重に対してのクリープ変形を低く抑えることができる。ここで、引張圧縮と曲げを伴う変形となるため、ダンパ5の1次共振周波数fo2dを高くしてバネ定数が高くすることで、外部からの力に対して強くすることができる。これによって、実車で走行したときに凹凸道で生じる衝撃的な力が加わっても、第1減衰部5f,5gが座屈することはない。また、常時加わるメカニズム荷重に対してのクリープ変形を低く抑えることができる。
【0041】
さらに、図13および図14において、第3方向に振動が加わると、第1減衰部5f,5gは斜めに引張変形し、第2減衰部5h,5iは圧縮と引張の繰り返し変形を起こす。ここで、小振幅の振動の時には、図14(a)に示す様に圧縮変形による減衰が主となり、大振幅の振動時には、図14(b)に示す様に曲げ変形による減衰が主となる。ここで、引張圧縮と曲げを伴う変形となるため、ダンパ5の1次共振周波数fo3dを高くしてバネ定数が高くすることで、外部からの力に対して強くすることができる。これにより、カートリッジ10が装置内に挿入された時などの押し込み力に対しても、第2減衰部5h,5iが座屈することはない。
【0042】
この様な十字型の減衰部の構造にすることで、外部から比較的大きな力が加わりやすい第2方向や第3方向に対しては、1次共振周波数を高くつまり硬くすることで、座屈に対して強い構造とすることができる。
また、オイルダンパに比べて十字型構造の減衰部5f〜5iは振動により大きな変形を受け、微小な変形時より大きな反発力が作用し、初期位置である中央付近に即座に戻ろうとする。このことにより、比較的大きい振動が加わりディスク11からのデータの読み取りが不能になった場合でも、メモリ16内に蓄積されたデータを再生する間に、衝突の発生しにくい中央付近への復帰が迅速になされ、次の振動に備えることができ、正常にディスク11からのデータの読み取りが可能な状態となる。
【0043】
次に、図19〜24を用いて、同ディスク装置における第2の実施例に関する説明を行う。
ダンパ(防振部材)18は内部損失の大きいゴム材料などからなり、光ヘッド3の移動方向(第1方向)と同方向にトラバースメカの軸部1aを挿入するために孔加工を施した内円筒部18aを形成し、内円筒部18aと同心なる外枠部18bを形成している。内円筒部18aと外枠部18bとの間には、ディスク11の信号記録面(番号で図示せず)と垂直な重力方向(第2方向)に対して角度B1をもって第1減衰部18f,18gを架設し、重力方向(第2方向)に対して角度B2をもって第2減衰部18h,18iを架設している。さらに、第1減衰部18f,18gと第2減衰部18h,18iのそれぞれの間には薄膜部18jを形成している。このように第2の実施例では、各減衰部18f〜18iを重力方向に対して角度をもって形成したX字型構造をとっている。
【0044】
また、ダンパ18の外枠部18bの下側には固定ベース4の切欠き部4bと同形状なるU字状の第1溝部18cを形成し、外枠部18bの上側には規制部材6の切欠き部6aと同形状なる円弧状の第2溝部18dを形成し、第1溝部18cと第2溝部18dとの間には一対の位置決め用の仕切り部18eを形成している。ダンパ18を固定ベース4の切欠き部4bに挿入し、規制部材6を固定ベース4の側面4aに締結すると、固定ベース4の切欠き部4bに第1溝部18cが嵌合し、規制部材6の切欠き部6aに嵌合し、固定ベース4の側面4aと規制部材6との間で位置決め用の仕切り部18eが挟着される。これにより、ダンパ18の固定ベース4からの外れを防止するとともに、ダンパ18の取付位相を規制している。
【0045】
また、ダンパ18の1次共振周波数を調整する場合には、第1減衰部18f,18gの形成角度B1、および、第2減衰部18h,18iの形成角度B2を変えることによって、簡単に所望の減衰特性を得ることができる。 例えば、図22において、角度B1や角度B2を小さくすると、第2方向の1次共振周波数fo2dを大きく、または、第1方向の1次共振周波数fo1dを小さくすることができる。逆に、図22において、角度B1や角度B2を大きくすると、第2方向の1次共振周波数fo2dを小さくでき、第1方向の1次共振周波数fo1dを大きくすることができる。
【0046】
次に、図23〜図24を用いて、外部からの振動が加わった状態における説明を行う。
最初に、第1方向の振動に関しては、前述した第1の実施例において図10を用いての説明と同様の作用のため、容易に類推できるためここでの説明は省略する。
【0047】
また、図23において、第2方向に振動が加わると、第1減衰部18fおよび第2減衰部18hは斜めに引張変形を起こし、第1減衰部18gおよび第2減衰部18iは曲げを伴った圧縮変形を起こす。同時に、4カ所の薄膜部18jは第1減衰部18f,18gおよび第2減衰部18h,18iの変形に伴ってそれぞれ変形する。ここで、内円筒部18aがL2だけ動かされても薄膜部18jは塑性変形をすることない厚みに設定されているため、薄膜部18jに亀裂などが発生することがない。さらに、第1減衰部18f,18gおよび第2減衰部18h,18iは、それぞれ第2方向に対して斜めに形成されているため、図7に示す第1の実施例に比べて応力を緩和することができダンパの耐久性を向上することができる。さらに、第1減衰部18f,18gおよび第2減衰部18h,18iは曲げ変形と圧縮引張変形の両方により、ダンパ5の1次共振周波数fo2dを高くしてバネ定数が高くすることができ、外部からの力に対して強くすることができる。これによって、実車で走行したときに凹凸道で生じる衝撃的な力が加わっても、第1減衰部18f,18gおよび第2減衰部18h,18iが座屈することはない。
【0048】
また、図24において、第3方向に振動が加わると、第1減衰部18fおよび第2減衰部18iは斜めに引張変形を起こし、第1減衰部18gおよび第2減衰部18hは曲げを伴った圧縮変形を起こす。同時に、4カ所の薄膜部18jは第1減衰部18f,18gおよび第2減衰部18h,18iの変形に伴ってそれぞれ変形する。ここで、内円筒部18aがL3だけ動かされても薄膜部18jは塑性変形をすることない厚みに設定されているため、薄膜部18jに亀裂などが発生することがない。さらに、第1減衰部18f,18gおよび第2減衰部18h,18iは、それぞれ第2方向に対して斜めに形成されているため、図7に示す第1の実施例に比べて応力を緩和することができダンパの耐久性を向上することができる。ここで、引張圧縮と曲げを伴う変形となるため、ダンパ18の1次共振周波数fo3dを高くしてバネ定数が高くすることで、外部からの力に対して強くすることができる。これにより、カートリッジ10が装置内に挿入された時などの押し込み力に対しても、第1減衰部18f,18gおよび第2減衰部18h,18iが座屈することはない。
【0049】
以上の第2の実施例の様なX字型構造のダンパ18により、第1の実施例の様な十字型構造のダンパ5に比べて、常時加わるメカニズム荷重に対してのクリープ変形に関しては若干劣るものの、各減衰部が重力方向に対して斜めに形成されているため応力が各減衰部に分散され、座屈が発生しにくく安定した経年的に安定した減衰特性を得ることができる。
【0050】
また、オイルダンパに比べてX字型構造の減衰部18f〜18iは振動により大きな変形を受け、微小な変形時より大きな反発力が作用し、初期位置である中央付近に即座に戻ろうとする。このことにより、比較的大きい振動が加わりディスク11からのデータの読み取りが不能になった場合でも、メモリ16内に蓄積されたデータを再生する間に、衝突の発生しにくい中央付近への復帰が迅速になされ、次の振動に備えることができ、正常にディスク11からのデータの読み取りが可能な状態となる。
【0051】
従来のオイルダンパ(図示せず)では外部からの振動を減衰させるために、ダンパの1次共振周波数を光ヘッドの1次共振周波数に対して低く設定していた。そのため、減衰動作において大きな振動代が必要であり、大きな振動が加わった場合に、衝突の発生しにくい中央付近への復帰に長い時間を必要としていた。さらに、可動ベース1の自重をダンパのみで支持することができなかったため、バネが別途必要であった。さらに、カートリッジ10を着脱する動作において可動ベース1が動きやすいため、着脱動作時に可動ベース1を固定するロック機構が必要であった。
【0052】
それに対して、本発明における第1または第2の実施例では、比較的耐振特性で不利な第1方向ではダンパ5または18の1次共振周波数を光ヘッドの1次共振周波数より低くして、外部からの振動をより減衰させ、音飛びを機械的な減衰で防止している。それに対して、比較的耐振特性で有利な第2方向および第3方向の1次共振周波数を高くすることにより、振動代が小さくて済み、可動ベース1を支持するためのバネが不要となり、可動ベース1をロックする機構も不要となる。以上のことから、ダンパ5または18を単純なゴム材料からなる低コストかつ小型のもので構成し、それに附随する部品も不要となり装置全体としても低コストかつ小型なものにすることができる。
【0053】
なお、第1及び第2の実施例において、ダンパ5及び18の第1及び第2減衰部5f、5g、5h、5i、18f、18g、18h、18iは、内円筒部5a、18aから外枠部5b、18bに向かう半径方向に直交する横断面の形状を、図25(a)に示すように略四角形としているが、この横断面の形状は図25(b)に示すように略円形としてもよい。また、第1減衰部又は第2減衰部の一方の横断面形状を略四角形とし、残る他方の横断面形状を略円形としてもよい。このように、第1減衰部と第2減衰部の横断面形状を適宜に設定することで、各方向の減衰特性を細かく調整することができる。
【0054】
さらに、図26に示すように、規制部材6には、ダンパ5に対向する部分を加工し、ダンパ5の内円筒部5aに所定の間隔をあけて対向する第2方向規制部20を設け、この第2方向規制部20で、ダンパ5の第2方向の移動量を所定の範囲に規制してもよい。この場合、可動ベース1及び光ヘッド3に作用する第2方向の衝撃が及び変形が緩和されるので、同方向の振動によるダンパ5の疲労が軽減される。
【0055】
【発明の効果】
以上の構成により本発明によれば、ダンパの1次共振周波数を光ヘッドの1次共振周波数を基準に各方向で設定することにより、必要な減衰特性を確保しつつ、小型で振動代が小さく低コストな振動減衰構造とすることができる。また、第1減衰部と第2減衰部の幅を変えることで簡単に所望の減衰特性を得ることができる。またダンパ自体の構造が簡単であり、またメカニズムの自重を支える姿勢保持バネや余分な固定部材・緩衝部材を使用することがない。さらに前記した姿勢保持バネがない構成のため、防振部材に常時加わるメカニズム荷重による防振部材のクリープ変形に対しても強い構造とすることができる。
【0056】
また、走行時に段差への乗り上げ等により発生する衝撃的な振動時には、衝突の発生しにくい中央付近への復帰が早く、音飛びもメモリによって防止する。比較的実車走行時に発生頻度の大きい周波数帯域は防振部材の固有の減衰カーブにより振動を機械的に減衰し、メモリに頼ることなく音飛びを防止する。特に、ミニディスクのドライブ装置などのようにメモリを介して再生を行う構成においては、高い周波数の振動でダンパの減衰が不足し瞬間的に読み取りエラーが発生してもメモリ経由の再生により、音切れの発生を回避できる。大振幅が発生したときも外側の壁と衝突を抑え、振幅発生後は迅速に中央付近の初期位置へ復帰させ次の振動に備えることができるため、メモリ上に再生データが残っているうちに次の読み取りを再開できるためその効果を高めることができる。
また、第1減衰部と第2減衰部を重力方向と異なる角度をもって形成した構成では、大振幅の振動に対して第1減衰部および第2減衰部に直接引張圧縮の繰り返し変形が加わらないため、防振部材の耐久性を向上することができ、経時的に安定した減衰特性を得ることができる。また、第1減衰部と第2減衰部の形成角度を変えることで簡単に所望の減衰特性を得ることができる。
【0057】
また、防振部材を固定ベースの切欠き部に挿入し、規制部材によって防振部材を挟着して固定するこてで、所望の減衰特性を得るための防振部材の位相合せのときの作業性を改善することができ、衝撃荷重が加わっても防振部材が外れることがない。また1方向のみの組み立てとなり作業性を大幅に改善することができる。また、振動の方向によって必要とされる減衰特性が異なる場合に、取付位相を規制することで信頼性の高いディスク装置を提供することができる。
【0058】
さらに、第1減衰部、第2減衰部の、内筒部から外枠部に向かう方向と直交する横断面を、略四角形又は略円形とすることによっても、各方向に対する防振部材の減衰特性を適正状態に改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のディスク装置の第1の実施例における平面図
【図2】同実施例の側面図
【図3】同実施例の正面図
【図4】同実施例の斜視図
【図5】同実施例の防振部材の取付に関わる分解斜視図
【図6】同実施例の信号伝送系のブロック図
【図7】同実施例におけるダンパの無負荷状態での側面図
【図8】同状態の正面断面図
【図9】同状態の平面断面図
【図10】第1方向に振動が加わった状態の正面断面図
【図11】第2方向に振動が加わった状態の側面図
【図12】同状態の正面断面図
【図13】第3方向に振動が加わった状態の側面図
【図14】同状態の平面断面図
【図15】第1方向の減衰特性を示す図
【図16】第2方向の減衰特性を示す図
【図17】第3方向の減衰特性を示す図
【図18】実車の振動データの周波数分析結果を示す図
【図19】第2の実施例における側面図
【図20】同実施例の斜視図
【図21】同実施例の防振部材の取付に関わる分解斜視図
【図22】同実施例におけるダンパの無負荷状態での側面図
【図23】第2方向に振動が加わった状態の側面図
【図24】第3方向に振動が加わった状態の側面図
【図25】第1及び第2減衰部の横断面図
【図26】第2方向規制部を設けた規制部を含むディスク装置の部分分解斜視図
【符号の説明】
1 可動ベース
2 スピンドルモータ
3 光ヘッド
4 固定ベース
4a 側面
4b 切欠き部
5 防振部材
5a 内円筒部
5b 外枠部
5c 第1溝部
5d 第2溝部
5e 位置決め用の仕切り部
5f,5g 第1減衰部
5h,5i 第2減衰部
5j 薄膜部
6,7 規制部材
6a,7a 切欠き部
10 カートリッジ
11 ディスク
18 防振部材
18a 内円筒部
18b 外枠部
18c 第1溝部
18d 第2溝部
18e 位置決め用の仕切り部
18f,18g 第1減衰部
18h,18i 第2減衰部
18j 薄膜部

Claims (7)

  1. 光ヘッドによりディスクの信号記録面から読み取った信号をメモリに一旦格納した後、前記メモリから排出した信号の再生を行うディスク装置であって、
    前記光ヘッドを移動自在に設けた可動ベースと、
    外部からの振動を減衰する防振部材と、
    前記可動ベースを前記防振部材を介して遊動自在に支持する固定ベースとからなり、
    前記防振部材において、前記光ヘッドが移動する第1方向の前記防振部材の1次共振周波数を前記第1方向の前記光ヘッドの1次共振周波数より低く設定し、前記信号記録面に対して略垂直なる第2方向の前記防振部材の1次共振周波数を前記第2方向の前記光ヘッドの1次共振周波数より高く設定し、前記光ヘッドが移動する前記第1方向に対して略垂直で前記信号記録面に対して略平行なる第3方向の1次共振周波数を前記第3方向の前記光ヘッドの1次共振周波数より高く設定したディスク装置。
  2. 可動ベースに第1方向と略平行に設けた軸部が挿通する内円筒部と、固定ベースに固定される外枠部と、前記内円筒部と前記外枠部の間で第2方向に架設して外部からの振動を減衰する第1減衰部と、前記外枠部と前記内円筒部を第3方向に架設して外部からの振動を減衰する第2減衰部とから形成された防振部材を有する請求項1記載のディスク装置。
  3. 光ヘッドによりディスクの信号記録面から読み取った信号をメモリに一旦格納した後、前記メモリから排出した信号の再生を行うものであって、
    前記光ヘッドを移動自在に設けた可動ベースと、
    外部からの振動を減衰する防振部材と、
    前記可動ベースを前記防振部材を介して遊動自在に支持する固定ベースとからなり、
    前記防振部材は、可動ベースに設けた軸部が挿通する内円筒部と、内円筒部より外側に設けた外枠部と前記内円筒部との間で重力方向とは異なる第1角度をもって架設して外部からの振動を減衰する第1減衰部と、重力方向とは異なり、かつ前記第1減衰部と所定の角度をもって前記外枠部と前記内円筒部との間を架設して外部からの振動を減衰する第2減衰部とから形成されており、
    前記光ヘッドが移動する第1方向の前記防振部材の1次共振周波数を前記第1方向の前記光ヘッドの1次共振周波数より低く設定し、前記信号記録面に対して略垂直なる第2方向の前記防振部材の1次共振周波数を前記第2方向の前記光ヘッドの1次共振周波数より高く設定し、前記光ヘッドが移動する前記第1方向に対して略垂直で前記信号記録面に対して略平行なる第3方向の1次共振周波数を前記第3方向の前記光ヘッドの1次共振周波数より高く設定したディスク装置。
  4. 光ヘッドによりディスクの信号記録面から読み取った信号をメモリに一旦格納した後、前記メモリから排出した信号の再生を行うものであって、
    前記光ヘッドを移動自在に設け、軸部を設けた可動ベースと、
    前記可動ベースの前記軸部が挿通する内円筒部を形成し、内円筒部より外側に外枠部を形成し、前記内円筒部と前記外枠部との間を架設して外部からの振動の減衰を行う減衰部を形成し、前記外枠部に第1溝部、及び、第2溝部を形成し、前記第1溝部と前記第2溝部との間に位置決め用の仕切り部を形成した防振部材と、
    前記防振部材の前記第1溝部と嵌合する第1切欠き部を形成し、前記防振部材を遊動可能に支持する固定ベースと、
    前記防振部材の前記第2溝部と嵌合する第2切欠き部を形成し、前記固定ベースと固着して前記位置決め用の仕切り部の挟着を行い、前記防振部材の取付位相を規制する規制部材とからなり、
    前記光ヘッドが移動する第1方向の前記防振部材の1次共振周波数を前記第1方向の前記光ヘッドの1次共振周波数より低く設定し、前記信号記録面に対して略垂直なる第2方向の前記防振部材の1次共振周波数を前記第2方向の前記光ヘッドの1次共振周波数より高く設定し、前記光ヘッドが移動する前記第1方向に対 して略垂直で前記信号記録面に対して略平行なる第3方向の1次共振周波数を前記第3方向の前記光ヘッドの1次共振周波数より高く設定したディスク装置。
  5. 前記第1減衰部、第2減衰部の少なくともいずれか一方は、前記内筒部から外枠部に向かう方向と直交する横断面が略四角形を有する請求項2又は3のディスク装置。
  6. 前記第1減衰部、第2減衰部の少なくともいずれか一方は、前記内筒部から外枠部に向かう方向と直交する横断面が略円形を有する請求項2又は3のディスク装置。
  7. 前記第1減衰部又は第2減衰部の一方は前記内筒部から外枠部に向かう方向と直交する横断面が略四角形を有し、残る他方は前記内筒部から外枠部に向かう方向と直交する横断面が略円形を有する請求項2又は3のディスク装置。
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