JP3587614B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータの出力を操舵補助力として利用する電動パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
操舵補助力発生用モータの出力トルクをステアリングシャフトに伝達する伝動機構を備え、その伝動機構は、そのモータの出力シャフト側に一体化される連結部と、この連結部に同行回転可能に嵌め合わされる伝動シャフトとを有する電動パワーステアリング装置が従来より用いられている。
【0003】
すなわち、その連結部として筒状のモータボスが出力シャフトに取り付けられ、そのモータボスに伝動シャフトがスプラインやセレーション等を介して嵌合されていた。その伝動シャフトの外周にウォーム等のギアが設けられ、そのギアに噛み合うギアがステアリングシャフトに設けられることで、モータ出力を操舵補助力としてステアリングシャフトに伝達していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そのモータボスと伝動シャフトとをスプライン等を介して嵌合した場合、スプライン等のピッチ誤差等により嵌合部において歯の衝突音が発生するという問題がある。そこで、そのボスと伝動シャフトとの間にOリングを介在させることで、そのボスと伝動シャフトとの相対回転を規制する摩擦抵抗を付与し、その歯の衝突音の低減を図っていた(実公平6‐16856号公報参照)。
【0005】
しかし、摩擦抵抗によりボスと伝動シャフトとの相対回転を規制しても、スプライン等の歯が長期使用により摩耗すると、その歯の衝突音が大きくなってしまう。
【0006】
そこで、ボスに伝動シャフトを圧入等して相対変位しないようにすることが考えられる。しかし、加工公差や組み立て公差による伝動シャフトの振れや軸心の傾きを吸収できなくなるため、伝動シャフトに設けられるギアとステアリングシャフトに設けられるギアとが円滑に噛み合うことができなくなり、適正な操舵補助力を付与できなくなる。
【0007】
また、上記のような電動パワーステアリング装置においては、車輪の縁石への乗り上げ等に基づきタイヤ側からステアリングシャフトに過大なトルクが作用すると、モータ等の破損が生じる。そこで、そのモータとステアリングシャフトとの間にトルクリミッター機構を設け、モータの出力軸に作用するトルクがリミットトルクを超える場合、その出力軸を空転させていた。
【0008】
しかし、トルクリミッター機構を設けると部品点数や加工工数が多くなるという問題がある。また、リミットトルクを正確に所期設定範囲内に設定するには調節機構が必要なことから、さらに部品点数が多く構成が複雑になっていた。
【0009】
本発明は、上記課題を解決することのできる電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、操舵補助力発生用モータの出力トルクをステアリングシャフトに伝達する伝動機構を備え、その伝動機構は、そのモータの出力シャフト側に一体化される連結部と、この連結部に同行回転可能に嵌め合わされる伝動シャフトとを有する電動パワーステアリング装置において、その連結部と伝動シャフトの何れか一方の内周と、何れか他方の外周とにより挟み込まれることで、径方向に変形する環状の回転規制部材が設けられ、その回転規制部材が径方向変形量に対応する径方向力を連結部と伝動シャフトとに作用させることで発生する摩擦抵抗により、その出力シャフトから伝動シャフトへ出力トルクが伝達可能とされていることを特徴とするものである。
【0011】
本発明の構成によれば、その回転規制部材と連結部との間の摩擦抵抗、および回転規制部材と伝動シャフトとの間の摩擦抵抗により、出力シャフトから伝動シャフトへ出力トルクを伝達できる。これにより、その出力トルクの伝達のために従来のようなスプライン等を設ける必要がなく、歯の衝突音が発生することはない。
【0012】
その伝動シャフトを軸方向に離れた2位置において支持するハウジングが設けられ、その支持位置の間において伝動シャフトの外周に、前記ステアリングシャフトに設けられるギアに噛み合うギアが設けられることで、両ギアの噛み合いを介して操舵補助力を伝達できる。この際、その回転規制部材の径方向への変形により、加工公差や組み立て公差による伝動シャフトの振れや軸心の傾きを吸収できるため、両ギアを円滑に噛み合わせ、適正な操舵補助力を付与できる。
【0013】
そのハウジングが、伝動シャフトの一端側を露出させる開口を有することで、その伝動シャフトの一端を前記連結部に嵌め合わすことができる。また、その開口をモータにより閉鎖することで、その伝動シャフトの一端側が露出するのを防止できる。この場合、その伝動シャフトの他端側を露出する開口を設けることで、その伝動シャフトと連結部とを嵌め合わせ、その伝動シャフトをハウジングに挿入し、一端側の開口をモータにより閉鎖した後であっても、その他端側において伝動シャフトのハウジングに対する軸方向移動を規制できる。すなわち、伝動シャフトをハウジングに挿入する前に、モータに圧入荷重が作用しないように連結部を保持しつつ伝動シャフトの一端を連結部に圧入しても、伝動シャフトのハウジングに対する軸方向移動を規制できる。これにより、モータにおける出力シャフトの軸受に圧入荷重による圧痕が生じることはなく、そのような圧痕による異常音の発生を防止できる。
【0014】
その回転規制部材は、設定トルクを超えるトルクの作用により、連結部と伝動シャフトの少なくとも一方に対し相対滑り可能とされているのが好ましい。
これにより、過大なトルクがタイヤ側からステアリングシャフトに作用した場合に、その回転規制部材と連結部との間および回転規制部材と伝動シャフトとの間の中の摩擦抵抗の小さい方において、相対的な滑りを生じさせることができる。すなわち、専用のトルクリミッター機構を設けることなく、モータに過大なトルクが作用するのを防止するトルクリミッター機能を奏させることができる。
【0015】
その回転規制部材は、径方向変形量が一定値以下では径方向変形量に比例して径方向力が増加するものとされ、その一定値を超える領域において、径方向変形量に対する径方向力の増加割合が一定値未満の領域における増加割合よりも小さくなる領域を有し、その一定値を超える領域内の値に回転規制部材の径方向変形量が設定されているのが好ましい。これにより、連結部や伝動シャフトの加工公差により回転規制部材の径方向変形量が変動しても、その径方向力の変動を小さくできる。よって、その径方向力に対応して定まる設定トルクを、調整機構なしに正確に所期設定範囲内に設定することができ、正確にトルクリミッター機能を奏させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1〜図6を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
【0017】
図1に示す電動パワーステアリング装置1は、ステアリングホイール2の操舵により発生する操舵トルクを、ステアリングシャフト3によりピニオン4に伝達することで、そのピニオン4に噛み合うラック5を移動させ、そのラック5にタイロッドやナックルアーム等(図示省略)を介し連結される車輪6の舵角を変化させる。また、その操舵トルクをトルクセンサ7により検出し、その操舵トルクに応じた操舵補助力をモータ8により発生する。
【0018】
そのステアリングシャフト3は、ハウジング21内において、第1シャフト3aと、この第1シャフト3aにピン22により連結される筒状の第2シャフト3bと、この第2シャフト3bの外周にブッシュ25を介して相対回転可能に嵌め合わされる筒状の第3シャフト3cとから構成される。そのハウジング21は、2部材21a、21bからなり、ブラケット28を介して車体に取り付けられる。その第1シャフト3はステアリングホイール2に連結される。その第2シャフト3bは、そのハウジング21に圧入されたステアリングコラム30に、ブッシュ31を介して支持される。その第3シャフト3cは、ハウジング21に取り付けられる2個のボールベアリング26、27により、軸方向に離れた2位置において支持され、その一方のボールベアリング27の内輪は、第3シャフト3cの外周の段差3c′と第3シャフト3cにねじ合わされたナット29とで挟まれる。
【0019】
各シャフト3a、3b、3cの中心に沿って弾性部材としてトーションバー23が挿入される。そのトーションバー23の一端は第1シャフト3aと第2シャフト3bとに前記ピン22により連結され、他端はピン24により第3シャフト3cに連結される。これにより、その第2シャフト3bと第3シャフト3cとは操舵トルクに応じて弾性的に相対回転可能とされている。
【0020】
その第3シャフト3cに、操舵トルクに応じた操舵補助力を付与するため、操舵補助力発生用モータ8の出力トルクが伝動機構を介して伝達される。その伝動機構は、その第3シャフト3cの外周に圧入されるウォームホイール10と、そのウォームホイール10に噛み合うウォーム9と、このウォーム9が外周に一体的に形成されている伝動シャフト50とを有する。その伝動シャフト50がモータ8に接続される。
【0021】
その操舵トルクを検出するトルクセンサ7は、そのハウジング21により保持される第1、第2検出コイル33、34と、その第2シャフト3bの外周に嵌め合わされてピン35により固定される磁性材製の第1検出リング36と、その第3シャフト3cの外周に圧入される磁性材製の第2検出リング37とを有する。その第1検出リング36の一端面と第2検出リング37の一端面とは互いに対向するように配置され、各検出リング36、37の対向端面に、それぞれ歯36a、37aが周方向に沿って複数設けられている。その第1検出リング36の他端側は一端側よりも外径の小さな小径部36bとされている。その第1検出コイル33は、第1検出リング36と第2検出リング37の対向間を覆うように配置され、第2検出コイル34は、第1検出リング36を覆うように配置され、各検出コイル33、34は、ハウジング21に取り付けられるプリント基板41に接続される。
【0022】
そのプリント基板41に、図2に示す信号処理回路が形成されている。すなわち、第1検出コイル33は抵抗45を介して発振器46に接続され、第2検出コイル34は抵抗47を介して発振器46に接続され、各検出コイル33、34は差動増幅回路48に接続される。これにより、トルク伝達によりトーションバー23が捩れ、第1検出リング36と第2検出リング37とが相対的に回転すると、各検出リング36、37の歯36a、37aの対向面積が変化する。その面積変化により、その歯36a、37aの対向間における第1検出コイル33の発生磁束に対する磁気抵抗が変化することから、その変化に応じ第1検出コイル33の出力が変化し、その出力に対応した伝達トルクが検出される。また、第2検出コイル34は第1検出リング36の小径部36bに対向する。その小径部36bの外径は、操舵抵抗の作用していない状態で、第2検出コイル34の発生磁束に対する磁気抵抗と第1検出コイル33の発生磁束に対する磁気抵抗とが等しくなるように、設定されている。これにより、温度変動による第1検出コイル33の出力変動は、温度変動による第2検出コイル34の出力変動に等しくなるので差動増幅回路48により打ち消され、伝達トルクの検出値の温度による変動が補償される。その差動増幅回路48から出力される伝達トルクに対応した信号に応じて前記モータ8が駆動され、前記伝動シャフト50、ウォーム9、ウォームホイール10を介してステアリングシャフト3に操舵補助力が付与される。
【0023】
図3に示すように、そのハウジング21は、その内部において上記伝動シャフト50を軸方向に離れた2位置において、ボールベアリング61、62を介して支持する。その支持位置の間において、その伝動シャフト50の外周に前記ウォーム9が設けられている。なお、その支持位置の間における伝動シャフト50の外径は、両ボールベアリング61、62の内径よりも大きくされている。また、そのハウジング21は、その伝動シャフト50の一端側を露出させる開口63と、他端側を露出させる開口64とを有する。その一端側の開口64を閉鎖するように、前記モータ8がハウジング21に取付けられる。
【0024】
そのモータ8の出力シャフト8aに一体化されるモータボス(連結部)65に、伝動シャフト50の一端側が同行回転可能に嵌め合わされる。なお、そのモータボス65と出力シャフト8aとの一体化は、例えば両者を嵌め合わされた後にモータボス65をかしめることで行なえるが、その一体化の方法は特に限定されず、両者が一体的に回転すればよい。
【0025】
図4に示すように、その伝動シャフト50の一端は、そのモータボス65に、環状の回転規制部材51を介して嵌め合わされる。その回転規制部材51として本実施形態では、図5の(1)、(2)に示すように、割り溝51aを有する金属製リング本体51bに、周方向に沿って一定間隔で、径方向外方へ突出する複数の半円筒状突出部51cを一体的に形成したものが用いられる。その回転規制部材51は、そのモータボス65の内周と伝動シャフト50の外周とにより挟み込まれることで、径方向に変形する。その回転規制部材51が、その径方向変形量に対応する径方向力をモータボス65と伝動シャフト50とに作用させることで発生する摩擦抵抗により、その出力シャフト8aから伝動シャフト50へ出力トルクが伝達可能とされている。そのような回転規制部材51として、例えばトレランスリング(レンコルトレランスリングス社製、SV型)を用いることができる。
【0026】
図6は、その回転規制部材51の径方向変形量と径方向力との関係を示し、径方向変形量が一定値δa以下では径方向変形量に比例して径方向力が増加するものとされ、その一定値δaを超える領域において、径方向変形量に対する径方向力の増加割合が一定値δa未満の領域における増加割合よりも小さくなる領域Aを有する。その一定値δaを超える領域A内の値δbに回転規制部材51の径方向変形量が設定されている。
【0027】
その回転規制部材51は、設定トルクを超えるトルクの作用により、モータボス65と伝動シャフト50の少なくとも一方に対し相対滑りするものとされている。すなわち、その設定トルクは、回転規制部材51の内周と伝動シャフト50の外周との間の摩擦抵抗、および回転規制部材51の外周とモータボス65の内周との間の摩擦抵抗、すなわち、回転規制部材51の径方向変形量に対応する。その具体的な値は実験により求めることができる。
【0028】
その伝動シャフト50は、ハウジング21に組み込まれる前に、先ず、一端側にベアリング61が嵌め込まれ、次に、出力シャフト8aに一体化されたモータボス65に回転規制部材51を介して圧入される。その圧入はモータボス65を保持しつつ行なわれることで、モータ8に圧入荷重が作用することがないものとされる。次に、その伝動シャフト50と共に一端側のベアリング61を、ハウジング21に一端側の開口63から圧入することなく挿入する。この挿入前に、他端側のベアリング62をハウジング21に圧入しておき、その他端側のベアリング62に伝動シャフト50の他端側を圧入することなく挿入する。次に、モータ8をハウジング21に取り付ける。次に、その伝動シャフト50の他端側の開口64から、その他端にナット66をねじ合わせ、このナット66と伝動シャフト50とで他端側のベアリング62の内輪を挟み込む。これにより、その伝動シャフト50の他端側において、その伝動シャフト50のハウジング21に対する軸方向移動を規制する。しかる後に、その伝動シャフト50の他端側の開口64の内周にカバー67をねじ合わせることで、その開口64を閉鎖する。
【0029】
上記構成によれば、回転規制部材51が発生させる摩擦抵抗により、出力シャフト8aから伝動シャフト50へモータ8の出力トルクを伝達できるので、その伝達のために従来のようなスプライン等を設ける必要がなく、歯の衝突音が発生することはない。
【0030】
その回転規制部材51の径方向への変形により、加工公差や組み立て公差による伝動シャフト50の振れや軸心の傾きを吸収できるため、ウォーム9とウォームホイール10とは円滑に噛み合うことができ、適正な操舵補助力を付与できる。
【0031】
その伝動シャフト50を支持するハウジング21は、伝動シャフト50の一端側を露出させる開口63を有するので、その伝動シャフト50の一端をモータボス65に嵌め合わせることができる。その一端側の開口63をモータ8により閉鎖することで、その伝動シャフト50の一端側が露出するのを防止できる。この場合、その伝動シャフト50の他端側を露出する開口64を設けることで、その他端側において伝動シャフト50のハウジング21に対する軸方向移動を規制できる。これにより、伝動シャフト50をハウジング21に挿入する前に、モータ8に圧入荷重が作用しないようにモータボス65を保持しつつ伝動シャフト50の一端をモータボス65に圧入できる。よって、モータ8における出力シャフト8aの軸受に圧入荷重による圧痕が生じることはなく、そのような圧痕による異常音の発生を防止できる。
【0032】
その回転規制部材51は、過大なトルクがタイヤ側からステアリングシャフト3に作用した場合に、モータボス65と伝動シャフト50の少なくとも一方に対して相対的に滑るため、専用のトルクリミッター機構を設けることなく、モータ8に過大なトルクが作用するのを防止するトルクリミッター機能を奏させることができる。この場合、その回転規制部材51の径方向変形量に対する径方向力の増加割合が、その径方向変形量に対して径方向力が比例して増加する場合の増加割合よりも小さくされることで、モータボス65や伝動シャフト50の加工公差により回転規制部材51の径方向変形量が変動しても、その径方向力の変動を小さくできる。これにより、その径方向力に対応して定まる設定トルクを、調整機構なしに正確に所期設定範囲内に設定することができ、正確にトルクリミッター機能を奏させることができる。
【0033】
図7は本発明の第2実施形態を示し、以下、第1実施形態との相違点を説明する。なお、第1実施形態と同一部分は同一符号で示す。
【0034】
先ず、伝動シャフト50を支持するハウジング21は、その伝動シャフト50の一端側を露出する開口63のみを有し、その伝動シャフト50の他端側は閉鎖されている。その伝動シャフト50の他端側を支持するベアリング62の外輪62aは、そのハウジング21の内面に当接し、内輪62bは、その伝動シャフト50の外周に形成された第1フランジ50aに当接する。その伝動シャフト50の一端側を支持するベアリング61の外輪61aは、下記の予圧付与部材67に当接し、内輪61bは、その伝動シャフト50の外周に形成された第2フランジ50bに当接する。
【0035】
その予圧付与部材67は伝動シャフト50を囲む環状とされ、その外周に形成された雄ねじ部67aを介し、ハウジング21の内周に形成された雌ねじ孔2a″にねじ合わされる。また、その予圧付与部材67の外周の雄ねじ部67aにロックナット66がねじ合わされ、このロックナット66がハウジング21に押し付けられることで予圧付与部材67の回転がロックされる。
【0036】
その伝動シャフト50は、モータボス65に嵌め合わされる前に、ハウジング21によりベアリング61、62を介して支持される。次に、その予圧付与部材67をハウジング21にねじ込み、一端側のベアリング61の外輪61aを軸方向から押す。その押し付け力は、そのベアリング61の外輪61a、ボール61c、内輪61bから伝動シャフト50の第2フランジ50b、第1フランジ50aを介して他端側のベアリング62の内輪62bに伝達され、その内輪62bからボール62cを介して外輪62aに伝達され、その外輪62aはハウジング21に押し付けられる。これにより、ベアリング61、62に予圧を付与し、その一端側の開口63がモータ8により閉鎖される前に、一端側において伝動シャフト50のハウジング21に対する軸方向移動を規制する。次に、ロックナット66により予圧付与部材67の回転をロックする。次に、出力シャフト8aに一体化されたモータボス65に回転規制部材51を挿入する。若しくは、モータボス65に回転規制部材51を挿入した後に、そのモータボス65を出力シャフト8aに一体化する。しかる後に、モータ8を保持しつつ、モータボス65を回転規制部材51を介して伝動シャフト50に圧入する。また、モータ8をハウジング21に取り付け、その一端側の開口63を閉鎖する。
【0037】
上記第2実施形態によれば、伝動シャフト50を支持するベアリング61、62に軸方向から予圧を付与することで、その伝動シャフト50の軸方向移動を阻止して騒音発生を防止できる。また、その軸方向移動の阻止により、ウォーム9とウォームホイール10との間のバックラッシを必要以上に小さくする必要がないので、ステアリングホイール2を操舵後に直進位置へ円滑に戻すことができる。また、予圧付与部材67を伝動シャフト50の一端側に配置することで、組み立てラインにおいてハウジング21にモータ8を取り付ける方向と予圧付与部材67を取り付ける方向とが同一となり、作業者の姿勢変更が不要になるため、組み立て時の作業性を向上できる。その予圧付与部材67とロックナット66とは、そのモータ8の取り付け後はハウジング21の外部に露出することはないので、ハウジング21の外部から作用する力により予圧付与部材67が緩んでしまうことはない。他は上記第1実施形態と同様である。
【0038】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態ではラックピニオン式の電動パワーステアリング装置に本発明を適用したが、電動パワーステアリング装置の型式は特に限定されず、例えばボールスクリュー式にも適用できる。また、出力トルクの伝動機構は特に限定されず、例えば、伝動シャフトとステアリングシャフトとをベベルギアを介して連動させてもよい。また、連結部はモータボスに限定されず、例えば、伝動シャフト側に形成された凹部の内周に連結部の外周が回転規制部材を介して挿入されてもよい。また、回転規制部材はトレランスリングに限定されず、径方向変形量に対応する径方向力を連結部と伝動シャフトとに作用させることができればよい。
【0039】
【発明の効果】
本発明の電動パワーステアリング装置によれば、異常音を低減し、部品点数を増加させることなく過大トルクがモータに作用するのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の電動パワーステアリング装置の断面図
【図2】本発明の実施形態の電動パワーステアリング装置のトルクセンサの回路構成の説明図
【図3】図1のIII‐III線断面図
【図4】本発明の実施形態の電動パワーステアリング装置の要部の断面図
【図5】本発明の実施形態の回転規制部材の(1)は断面図、(2)は正面図
【図6】その回転規制部材の径方向変形量と径方向力との関係を示す図
【図7】本発明の第2実施形態の電動パワーステアリング装置の要部の断面図
【符号の説明】
3 ステアリングシャフト
8 操舵補助力発生用モータ
8a 出力シャフト
9 ウォーム
10 ウォームホイール
21 ハウジング
50 伝動シャフト
51 回転規制部材
61、62 ベアリング
63、64 開口
65 モータボス(連結部)

Claims (3)

  1. 操舵補助力発生用モータの出力トルクをステアリングシャフトに伝達する伝動機構を備え、その伝動機構は、そのモータの出力シャフト側に一体化される連結部と、この連結部に同行回転可能に嵌め合わされる伝動シャフトとを有する電動パワーステアリング装置において、
    その連結部と伝動シャフトの何れか一方の内周と、何れか他方の外周とにより挟み込まれることで、径方向に変形する環状の回転規制部材が設けられ、
    その回転規制部材は、割り溝を有する金属製リング本体に、周方向に沿って一定間隔で、径方向外方へ突出する複数の半円筒状突出部を一体的に形成したものとされ、
    その回転規制部材が径方向変形量に対応する径方向力を連結部と伝動シャフトとに作用させることで発生する摩擦抵抗により、その出力シャフトから伝動シャフトへ出力トルクが伝達可能とされ
    その回転規制部材は、設定トルクを超えるトルクの作用により、連結部と伝動シャフトの中の少なくとも一方に対し相対滑り可能とされ、
    その回転規制部材は、径方向変形量が一定値以下では径方向変形量に比例して径方向力が増加するものとされ、その一定値を超える領域において、径方向変形量に対する径方向力の増加割合が一定値未満の領域における増加割合よりも小さくなる領域を有し、その一定値を超える領域内の値に回転規制部材の径方向変形量が設定されていることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. その伝動シャフトを軸方向に離れた2位置において支持するハウジングが設けられ、
    その支持位置の間において伝動シャフトの外周に、前記ステアリングシャフトに設けられるギアに噛み合うギアが設けられている請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. そのハウジングは、前記連結部に嵌め合わされる伝動シャフトの一端側を露出させる開口と、他端側を露出させる開口とを有し、
    その一端側の開口は、そのハウジングに取付けられる前記モータにより閉鎖され、
    その伝動シャフトの他端側において、その伝動シャフトのハウジングに対する軸方向移動が規制される請求項2に記載の電動パワーステアリング装置。
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