JP3587359B2 - ムラサキサツマイモ由来の血液循環改善作用を有する食品素材 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
【従来の技術】
今日、経済状態や食環境の変化に伴って、疾病構造も大きく変化し、低栄養時代に多発していた感染症が減少し、脳血管障害、癌、虚血性疾患、糖尿病、アレルギー疾患などが増加している。その結果、「医食同源」のコンセプトから、食事成分によるこれら疾病の予防や改善に関心が高まっており、健康食品ブームが引き起こされることとなった。しかしながら、なお、健康食品への期待は、食品メーカーはもとより、医薬品、化粧品などの周辺産業にも広がりをみせている。その中で、健康食品の購買動向は、「疾病改善型」にシフトしており、癌、血流改善、視力改善などがテーマとなっている。そこで、様々な機能性食品素材が脚光を浴びている。
【0002】
その内の1つにムラサキサツマイモが挙げられる。ムラサキサツマイモの新用途開発による高付加価値に関する研究が、九州農業試験場をはじめとする農水省の各研究機関で実施されている。その結果、ムラサキサツマイモは、肝機能改善作用、抗変異原性、アンギオテンシンI変換酵素阻害活性(吉元誠, 山川理, 須田郁夫, 食品と開発. 健康産業新聞社, 33: 15−17, 1998)等の生理機能を有することが明らかとなっている。しかしながら、これまでに、ムラサキサツマイモの抽出物の血液循環改善作用に関する報告はなされていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ムラサキサツマイモの水性溶媒抽出物を有効成分として含有する血液循環改善作用を有する食品組成物、特に脳循環・代謝改善作用を有し、日常の食生活において摂取することにより、脳血管障害の予防作用を有する食品組成物を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために種々研究した結果、ムラサキサツマイモの一品種であるアヤムラサキの水性溶媒抽出物を経口摂取したラットが低酸素の環境において、対照に比較して有意に延命であることを見出した。そして、この延命効果は、脳血流量の増加による酸素およびグルコースの供給量の亢進によるものであることをin vivo実験で明らかにした。
【0005】
すなわち、本発明は、
[1] ムラサキサツマイモの水性溶媒抽出物を含有し、血液循環改善作用を有するものであることを特徴とし、血液循環改善のために用いられる旨の表示を付した食品組成物、
[2] ムラサキサツマイモの水性溶媒抽出物を含有し、脳循環・代謝改善作用による脳機能改善作用を有するものであることを特徴とし、脳機能改善のために用いられる旨の表示を付した食品組成物、
[3] ムラサキサツマイモがアヤムラサキである、前記[1]または[2]に記載の食品組成物、
[4] 水性溶媒が含水エタノールである、前記[1]または[2]に記載の食品組成物、
[5] 特定保健用食品である、前記[1]〜[4]のいずれか1つに記載の食品組成物、
[6] 血液循環改善作用を有するものであることを特徴とし、血液循環改善のために用いられる旨の表示を付した食品組成物を製造するための、ムラサキサツマイモの水性溶媒抽出物の使用、
[7] 脳循環・代謝改善作用による脳機能改善作用を有するものであることを特徴とし、脳機能改善のために用いられる旨の表示を付した食品組成物を製造するための、ムラサキサツマイモの水性溶媒抽出物の使用、
[8] ムラサキサツマイモがアヤムラサキである前記[6]または[7]に記載の使用、
[9] 水性溶媒が含水エタノールである前記[6]または[7]に記載の使用、
[10] 特定保健用食品である前記[6]〜[9]のいずれか1つに記載の使用、
[11] ムラサキサツマイモの水性溶媒抽出物を含有し、脳血管障害予防または改善作用を有するものであることを特徴とし、脳血管障害予防または改善のために用いられる旨の表示を付した食品組成物、
[12] ムラサキサツマイモがアヤムラサキである、前記[11]に記載の食品組成物、
[13] 水性溶媒が含水エタノールである、前記[11]に記載の食品組成物、
[14] 特定保健用食品である、前記[11]〜[13]のいずれか1つに記載の食品組成物、からなる。
【0006】
【発明の実施の形態】
ムラサキサツマイモの品種には、アヤムラサキ、山川紫、種子島在来、頴娃紫、知覧紫、ナカムラサキがあるが、これらの品種の中で、本発明ではアヤムラサキを本発明の水性溶媒抽出液の原料として用いている。勿論このアヤムラサキ以外の上記品種でも、後述する試験例での作用を多かれ少なかれ有するかぎり、本発明に包含される。アヤムラサキは、在来種の山川紫に知覧系を交配して九州109号を選抜し、九州109号に低糖多収のサツマヒカリを交配して得られた品種で1995年に農林登録された(吉元誠,山川理,須田郁夫: 食品と開発.33(8): 15−17, 1998)。
【0007】
これらのムラサキサツマイモは、生のまま、好ましくは凍結したものを、抽出効率を上げるために、少切片に細断或いは粉末とする。本発明のムラサキサツマイモの抽出物は、水抽出、水性溶媒抽出、超臨界抽出、ミセル抽出等を用いて得ることが可能である。水抽出、或いは水性溶媒抽出法を用いる場合について説明する。抽出溶媒は、水又は水性アルコールを用いる。アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、等が挙げられるが、これらの中ではエタノールが好ましい。水性アルコールを用いる場合、水とアルコールの混合比率は特に限定されないが、アルコールが30〜70重量%が好ましい。水性溶媒のpHは、中性でもよいが、好ましくはpH約5以下の弱酸性に設定する。さらに好ましくは、pH4〜3である。pHの調整剤は公知であり、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸等の有機酸、或いは、塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸が挙げられる。溶媒の量は、抽出原料1重量部に対して、2〜20重量部、好ましくは、5〜10重量部である。抽出温度は、室温でもよいが、抽出効率を上げるためには加温する。その場合は、デンプンが糊化する温度(64℃)より低い温度に設定する。好ましくは50〜60℃である。抽出時間は、室温の場合1昼夜、加温した場合2〜10時間を目安とする。
【0008】
抽出操作を停止した後、残さを取り除き、抽出液を回収する。残さの除去は、濾過、遠心分離等の公知の固液分離手段を適宜組み合わせて用いる。抽出液はそのままで用いることもできるが、水性アルコールを抽出溶媒として用いた場合は、アルコール部分を留去するのが望ましい。該抽出液は、濃縮又は乾燥し、軟エキス又は乾燥粉末としてもよい。これらの一連の操作は公知(例えば、不和 亮,上杉利幸, “医薬品の開発11”,仲井由宣編,p287−310,廣川書店,平成元年; 市尾義昌“続医薬品の開発15”,原田正敏編,p123−146,廣川書店,平成4年)であり、当業者であれば、これらの公知技術を適宜修正して、軟エキスや乾燥粉末を得ることが可能である。
【0009】
また、さらに、吸着樹脂や膜等を用いて、上記抽出液中のタンパク質、糖質、脂質等を除去してもよい。吸着樹脂としては、無極性の多孔質重合樹脂が好ましく、該樹脂を充填したカラムを用いる。該樹脂としては、スチレン系樹脂、アクリル酸系樹脂が挙げられ、例えば、HP−20、HP−50、SP−206、SP−825(三菱化学(株)製)等や、アンバーライトXAD−4(有機化学工業(株)製)等を用いることができる。通液は、例えば、SV=1〜10の範囲で行う。
【0010】
このようにして得られた本発明の抽出物は、抽出液そのまま(残さを含んでいてもよい)、その濃縮液、エキス、ペースト、或いは乾燥粉末であってもよい。本発明の抽出物は、後述する試験例に示すように、脳血液循環の促進、酸素およびグルコース供給量の増加等の生理活性を有する。後述する反復経口投与毒性試験においても毒性は認められない。そのために、該抽出物を食品に添加して日常的に摂取することにより、脳血管障害の予防あるいは改善が期待できる。
【0011】
本発明の抽出物(エキスの場合)を血液循環改善剤として経口投与する場合は、成人に対しては、エキスの固形分として、1日当たり50〜2000mg相当を投与する。ここで、エキスの固形分とは、エキスの溶媒を蒸発させた後の残さをいう。
また、該エキスを単独で、或いは食品衛生上許容される配合物を混合して、保健機能食品(特定保健用食品および栄養機能食品)に加工することもできる。例えば、安定化剤、保存剤、着色料、香料ビタミン等の配合物を、上記エキスに適宜添加して混合し、常法により錠剤(タブレット)状、粒状、顆粒状、粉末状、カプセル状、液状、クリーム状、飲料等の食品に適した形態にて使用することができる。
【0012】
さらにまた、食品素材、例えば、ローヤルゼリー、クロレラ、スピルリナ、人参、核酸、霊芝、アガリクス・プラゼイ・ムリル、マイタケ、菌糸体(冬虫夏草培養物等)、キチン・キトサン、レシチン、アロエ、イチョウ葉、ウコン、ブルーベリー、ノコギリヤシ、大豆イソフラボン、紅麹、等との併用で、これらの素材の有する本来の生理作用に、さらにプラスした本発明の抽出物の相乗又は相加効果が期待できる。本発明の抽出物の原料であるムラサキサツマイモは、すでに食品として長く使用された実績があり、原料としての安全性の面でも全く問題はない。その抽出物も上記のように毒性は全く認められない。
【0013】
【実施例】
以下、試験例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
以下の試験例に用いたエキスは、アヤムラサキから抽出したエキス(日農化学工業株式会社製、lot.90414)である。
【0014】
[試験例1] 反復経口投与毒性試験
Crj:CD(SD)IGSラット(雄4週齢)に対して、アヤムラサキエキス(以下「エキス」ともいう)を、毎日1回、最高800mg/kgで、連続3週間強制経口投与した。経口投与後の一般症状、体重、摂餌量、摂水量、臓器重量、血球、血液生化学的検査、及び臓器病理所見において、毒性学的な異常は認められなかった。
【0015】
[試験例2] 低酸素条件下での延命効果
脳は代謝活性の極めて旺盛な組織で、生体の酸素消費量の20%を消費するといわれている。脳出血、脳梗塞等による虚血状態が誘起され、脳が低酸素状態に陥ると、その代謝機能は急激に低下し、生命現象の維持が困難となる。すなわち、脳への酸素供給は、生命維持、さらには、思考など「人が人たる」に重要である能力維持にとって不可欠である。イチョウ葉エキスの脳代謝機能亢進の評価として、低酸素条件下での生存時間の延長効果を検討した報告(L.Karcher et.al.,Naunyn−Schmiedeberg’s Arch Pharmacol. 327: 31−35, 1984)がある。この報告にしたがって、以下の投与経路により、エキスの酸素欠乏下での脳機能の維持効果を調べた。
【0016】
1) 腹腔内投与
SDIGS系ラット(雄8週齢)を体重に基づいて以下の5群に群分けした(1群8匹)。エキスは注射用蒸留水に溶解後、固形分含量として10.5mg/10ml/kg, 52.5mg/10ml/kg, 105mg/10ml/kg, 及び210mg/10ml/kgを腹腔内投与した。対照群には注射用蒸留水10ml/kgを腹腔内投与した。投与後30分経過した時点で、2匹ずつ順次減圧デシケーターに入れ減圧した(180mmHg)。生存時間の判定は、180mmHg到達時点から呼吸停止時点までの時間とした。なお、呼吸停止は外観から観察して判断した。統計処理は、Dunnettの多重比較により、対照群と試験群との同時比較を行った。結果を第1図に示す。
図1から、エキスは、用量依存的に延命効果作用を有することが認められた。生体は、生命維持に対する緊急時ににおいて、一番に脳機能を維持する方向に反応することが知られている。アヤムラサキエキスは、酸素欠乏下で、脳機能の維持に極めて優れた作用を有することが本試験で明らかにされた。
【0017】
2) 経口投与
該エキスを機能性食品素材として開発する場合には経口摂取でも同様の効果を示すことが重要である。
SDIGS系ラット(雄7週齢)を体重に基づいて群分けした(1群5匹)。試験前日に一晩絶食した。エキスは注射用蒸留水に溶解後、固形分含量として210mg/10ml/kgを経口投与した。対照群には注射用蒸留水を10ml/kgを経口投与した。投与後50分経過した時点で、2匹ずつ順次減圧デシケーターに入れ減圧した(180mmHg)。生存時間の判定は試験例1と同様であった。結果を第2図に示す。
図2から、エキスの経口投与は、腹腔内投与と同様に、低酸素下で延命効果を有することが明らかである。このエキスの有効成分は現在明らかでないが、少なくとも有効性を示す成分は、消化管からの吸収が十分に行われていることを示している。
なお、対照群での生存時間が腹腔内での試験に比べ短いのは、絶食の影響とラットの週齢によるものと考えられる。
【0018】
[試験例3] 脳血流量増加作用
低酸素下での延命効果を考えた場合、その要因の一つとして、脳組織への酸素及びエネルギー源であるグルコースの供給の促進が考えられる。そこで、脳血流量に対するエキスの効果を評価した。
SDIGS系ラット(雄6〜7週齢)を用いた。対照群は3匹、試験群は11匹用いた。試験前日に一晩絶食した。ウレタン麻酔(1.4g/kg i.p.)したラットにポリエチレンチューブ(内径0.76mm、外径1.22mm)を口から胃底部に到達するまで挿入した。頭皮を切開し冷却生理食塩水で冷やしながら、ミニドリル(日本理化学器械株式会社「NRK ミニター M−11−BS型」)で頭頂骨を剥離し、3〜4mm四方の小窓を開けた。露出した硬膜上に血流量測定装置(プライムテック株式会社「LASERFLO BPM2」)をセットした。血流量が安定するまで20分〜40分間観察した。血流量が安定した時点で、エキスをポリエチレンチューブを介して経口投与した。エキスは注射用蒸留水に溶解後、固形分含量として210mg/5ml/kg投与した。対照群には注射用蒸留水を5ml/kg投与した。エキス投与時間を0分とし、60分間継続して血流量(100g組織あたり1分間に流れる血液量)を計測した。第3図に代表例を示す。
測定の間対照群では血流量はほぼ一定に推移した(図3(1))。一方、エキス経口投与群では、投与後30分頃から血流が漸次増加し続ける例(図3(2))、30分付近および50〜60分付近に血流量の増加が認められる例(図3(3))、50〜60分付近に血流量の増加が認められる例(図3(4))など、幾つかのパターンが認められた。この血流量の増加する時間は、エキスの体内動態と密接に関与していると考えられる。これらの結果から、アヤムラサキエキスの経口摂取は、脳血流量を増加させ、その結果、脳組織代謝に必須である酸素及びグルコースの供給を亢進することが期待される。
【0019】
[試験例4] 耳介血流量増加作用
SDIGS系ラット(雄7週齢)3匹を用いて、末梢の血流改善効果を調べた。
ウレタン麻酔(1.4g/kgi.p)したラットの耳介に血流量測定装置(プライムテック株式会社「LASERFLO BPM2」)をセットした。20分〜40分間観察して、血流量が安定しているのを確認した上で、エキスを腹腔内投与した。エキスは注射用蒸留水に溶解後、固形分含量として20mg/10ml/kgを投与した。対照群には注射用蒸留水10mg/kgを投与した。60分間継続して血流量(100g組織あたり1分間に流れる血液量)を計測した。代表的な結果を第4図に示す。
【0020】
エキス投与15分から25分にかけて耳介での血流量は最大となった。上記経口投与による脳血流量試験に比べ血流量の増加が早い時間で起こるのは、消化管からの吸収を必要としない腹腔内投与にのためと考えられる。この試験結果から、アヤムラサキエキスは末梢組織においても血流改善作用を有することが示された。したがって、アヤムラサキエキスは、冷え性、肩こり等の末梢血流不良にも有効であることが期待される。
【0021】
[試験例5] 血管拡張作用
血流量増加作用の要因を調べるために以下の試験を行った。
SDIGS系ラット(雄8〜9週齢)を用いた。ラットの後頭部を強打後、放血致死させ、大動脈の弓部から横隔膜までを摘出した。Krebs−Henseleit液中で、血管に付着した脂肪や結合組織を取り除き、螺旋状に切開した後等分割して、2本の血管標本を作成した。この標本に0.5gの負荷をかけ、95%O2−5%CO2の混合ガスを通気した、Krebs−Henseleit液を満たしたマグヌス管(10ml、37℃)中で1時間平衡化した。α1受容体作動薬であるフェニレフリン(最終濃度1×10−7M)にて収縮を惹起後、エキスを最終濃度が0.1mg/ml、0.3mg/ml、1.1mg/ml、及び3.2mg/mlになるように累積的に添加した。張力の変化をトランスデューサを用いて測定した。結果を図5に示す。
【0022】
図5から、アヤムラサキエキスは、フェニレフリンによる血管の収縮を抑制することが認められた。すなわち、アヤムラサキエキスは、血管拡張作用を有し、この作用が血流量増加の要因の一つとして考えられる。この血管拡張作用は内皮細胞依存性である結果が得られている。
上記一連の試験結果は、本発明のムラサキサツマイモ由来の水性溶媒抽出物が血管の機能改善、酸素供給量の増加等の生理活性に基づく脳機能改善作用を有することを示すものである。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、優れた血液循環改善作用を有するムラサキサツマイモの水性溶媒抽出物が提供される。該抽出物、或いは該抽出物の有効量を含有する食品は末梢血循環不全に関連する各種の疾患、例えば、冷え性、手足のしびれ、糖尿病、更年期障害、リウマチ、神経痛、静脈瘤、脳血管障害等の発症予防及び改善に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ラットに対するアヤムラサキエキスの腹腔内投与後の、低酸素下での、ラットの生存時間を示す図である。SDIGS系ラット(雄8週齢)に対し、アヤムラサキエキス、10.5mg/kg、 52.5mg/kg、 105mg/kg、及び210mg/kg(固形分含量)を腹腔内に投与後、減圧デシケーターに入れ、180mmHg到達時点から呼吸停止時点までの時間を計測した。データは平均値±標準偏差(n=8)を示す。p<0.05(*)。
【図2】同じくラットに対するアヤムラサキエキスの経口投与後の、低酸素下での、ラットの生存時間を示す図である。SDIGS系ラット(雄7週齢)は試験前日に一晩絶食した。アヤムラサキエキス、210mg/kg(固形分含量)を経口投与後、減圧デシケーターに入れ、180mmHg到達時点から呼吸停止時点までの時間を計測した。データは平均値±標準偏差(n=5)を示す。p<0.01(**)。
【図3】ラットに対するアヤムラサキエキスの経口投与後の脳の経時的血流量の変化を示す図である。SDIGS系ラット(雄6〜7週齢)は試験前日に一晩絶食した。ポリエチレンチューブ経由でアヤムラサキエキス経口投与(エキス投与時間を0分とする)し、脳の硬膜上より血流量(100g組織あたり1分間に流れる血液量)を60分間継続して計測した。
【図4】ラットに対するアヤムラサキエキスの腹腔内投与後の耳介の経時的血流量の変化を示す図である。SDIGS系ラット(雄7週齢)の耳介に血流量測定装置(プライムテック株式会社「LASERFLO BPM2」)をセットし、アヤムラサキエキスを腹腔内投与した。60分間継続して血流量(100g組織あたり1分間に流れる血液量)を計測した。
【図5】ラットの摘出大動脈標本の張力変化を示す図である。SDIGS系ラット(雄8〜9週齢)の大動脈の血管標本に対し、α1受容体作動薬であるフェニレフリン(最終濃度1×10−7M)にて収縮を惹起後、アヤムラサキエキスを累積的に添加したマグヌス管中での大動脈標本の張力の変化を、トランスデューサを用いて測定した。
Claims (14)
- ムラサキサツマイモの水性溶媒抽出物を含有し、血液循環改善作用を有
するものであることを特徴とし、血液循環改善のために用いられる旨の表示を付した食品
組成物。 - ムラサキサツマイモの水性溶媒抽出物を含有し、脳循環・代謝改善作用
による脳機能改善作用を有するものであることを特徴とし、脳機能改善のために用いられ
る旨の表示を付した食品組成物。 - ムラサキサツマイモがアヤムラサキである、請求項1または2記載の食
品組成物。 - 水性溶媒が含水エタノールである、請求項1または2記載の食品組成物
。 - 特定保健用食品である、請求項1〜4のいずれか1項記載の食品組成物
。 - 血液循環改善作用を有するものであることを特徴とし、血液循環改善の
ために用いられる旨の表示を付した食品組成物を製造するための、ムラサキサツマイモの
水性溶媒抽出物の使用。 - 脳循環・代謝改善作用による脳機能改善作用を有するものであることを
特徴とし、脳機能改善のために用いられる旨の表示を付した食品組成物を製造するための
、ムラサキサツマイモの水性溶媒抽出物の使用。 - ムラサキサツマイモがアヤムラサキである請求項6または7記載の使用
。 - 水性溶媒が含水エタノールである請求項6または7記載の使用。
- 特定保健用食品である請求項6〜9のいずれか1項記載の使用。
- ムラサキサツマイモの水性溶媒抽出物を含有し、脳血管障害予防また
は改善作用を有するものであることを特徴とし、脳血管障害予防または改善のために用い
られる旨の表示を付した食品組成物。 - ムラサキサツマイモがアヤムラサキである、請求項11記載の食品組
成物。 - 水性溶媒が含水エタノールである、請求項11記載の食品組成物。
- 特定保健用食品である、請求項11〜13のいずれか1項記載の食品
組成物。
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