JP3587102B2 - 海洋深層水による水の製造方法、海洋深層水の処理方法、その装置 - Google Patents

海洋深層水による水の製造方法、海洋深層水の処理方法、その装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、概ね海面から200m以上深い海洋深層水による水、その製造方法、その製造装置に関し、殊に海洋深層水を電気透析法と逆浸透膜槽とを利用して脱塩処理し、生物に必要な栄養素を豊富に含み、かつミネラルバランスの優れた飲料水や魚類等の養殖用水または生物等に育成に利用することができる海洋深層水による水、その製造方法、その製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、海洋深層水が清浄でミネラルバランスが優れ、栄養塩類の豊富であることに注目し、様々な利用方法が検討されている。特に、最近では、水道水の水質の悪化に起因する消費者の水道水離れが顕著になり、かつ消費者の健康食品・健康飲料への関心の高まりとともに、ミネラルウォータの需要が上昇している。
【0003】
このような背景から、昨今、多くの天然ミネラル分を含有し、かつ清浄である海洋深層水を飲料水として利用することが試みられ、海洋深層水による飲料水の製造方法が検討されている。ところで、海洋深層水を飲料水として利用するためには、通常、海水淡水化と同様に脱塩操作を行う必要がある。この海水淡水化には、一般に蒸発法、逆浸透法などの技術で行われている。
【0004】
また、海洋深層水の利用は、例えば特開平5−219921号公報に開示された清涼飲料水のように、海洋深層水の水淡水化を行わずに、通常の飲料水に所定の配合割合で混合して清涼飲料を製造することが開示されている。
【0005】
さらに、塩の専売制度の廃止に伴う塩事業法の施行によって、多種多様な塩が製造販売されるようになった。特に、海洋深層水に着目した塩について、特開平10−150947号公報に開示されている。この塩は、海洋深層水を直接濃縮して、天日乾燥させて製造することが示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の蒸発法、逆浸透膜法による海水淡水化で得られる脱塩水は、脱塩操作によって海水中に含まれるミネラル分も同時に除去される。従って、海洋深層水を蒸発法、逆浸透膜法によって脱塩した場合、ミネラル分だけではなく、海洋深層水の重要な含有物である硝酸態窒素(NO−N)、リン酸態リン(PO−Si)、珪酸態リン(SiO−Si)等の各種栄養塩類も除去されるので好ましくない。このような要因で、海洋深層水の淡水化には、現状の淡水化操作による深層水によるミネラルウォータを製造することは行われていない。
【0007】
また、特開平5−219921号公報に開示された清涼飲料水では、海洋深層水を飲料用水に1〜20重%配合、すなわち海洋深層水を5〜100倍に薄めたものを清涼飲料水としており、海洋深層水の特徴である栄養塩類濃度やミネラル分濃度も同様に希釈されている。ミネラル分濃度を上昇させるためには、海洋深層水の配合割合を増加させる必要がある。しかし、海洋深層水の配合割合を増加させると、塩類およびナトリウム濃度も増加することになり、飲料水として適合性を欠くことになる。このような製法による飲料用水は、海洋深層水の特徴の一つであるミネラル分が十分に配合された水を生産することができないという問題があった。
【0008】
一方、特開平10−150947号公報に開示されている塩は、海洋深層水をそのまま濃縮して、天日乾燥させて製造され、海洋深層水の特徴を生かした塩を製造するものである。しかし、この製造方法では、濃縮水を天日や加熱によって、塩を製造することが開示されているが、ミネラル分を多量に含むミネラル水を製造することを考慮した技術ではない。
【0009】
本発明は、上述のような課題に鑑みなされたものであり、海洋深層水を利用して、生物に必要な栄養素を豊富に含み、かつミネラルバランスの優れた飲料水や魚類等の養殖用水または生物等の育成に用いることができる海洋深層水による水、その製造方法、その製造装置を提供することを目的としたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決したものであり、請求項1の発明は、海洋深層水を逆浸透膜法と電気透析法とによって脱塩処理する海洋深層水による水の製造方法において、海洋深層水を前記電気透析法における脱塩水用原水とし、前記逆浸透膜法によって処理して得た逆浸透膜透過脱塩水を、前記電気透析法における濃縮水用原水とし、前記逆浸透膜法によって処理して得た濃縮水を製塩原水とし、前記電気透析法によって処理して得たミネラル脱塩水を飲料水等とすることを特徴とする海洋深層水による水の製造方法である。
この発明によれば、海洋深層水を逆浸透膜法によって脱塩処理し、かつ逆浸透膜法によって処理して得た逆浸透膜透過脱塩水を利用して海洋深層水を電気透析法によって脱塩処理し、Na+ イオンとCl- イオンの濃度差を高めるようにし、効率的に脱塩処理し、海洋深層水からミネラル分が豊富に含まれる飲料水等の水を製造することができる。
【0012】
また、請求項2の発明は、固形物や海洋生物等をろ過槽にてろ過、除去した後の前記海洋深層水を、逆浸透膜法と電気透析法とによって脱塩処理するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の海洋深層水による水の製造方法である。
また、請求項3の発明は、前記電気透析法による脱塩処理において、海洋深層水中のナトリウムイオン、塩素イオン、硫酸イオンを取り除くことを特徴とする請求項1または2に記載の海洋深層水による水の製造方法である。
この発明によれば、海洋深層水の脱塩処理を逆浸透膜法と電気透析法とで行っており、電気透析法が、その陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とのそれぞれの分画分子量を適宜な値に選択することによって、海洋深層水中のNa+ イオンとCl- イオンを選択的に濃縮して脱塩処理するようにして、ミネラル分が豊富に含まれる飲料水等の水を製造することができる。
【0013】
さらに、請求項4の発明は、海洋深層水を逆浸透膜法と電気透析法とによって脱塩処理する方法において、海洋深層水を前記電気透析法における脱塩水用原水とし、前記逆浸透膜法によって脱塩処理して得た逆浸透膜透過脱塩水を前記電気透析法における濃縮水用原水とすることを特徴とする海洋深層水の処理方法であり、請求項5の発明は、固形物や海洋生物等をろ過槽にてろ過、除去した後の前記海洋深層水を、逆浸透膜法と電気透析法とによって脱塩処理するようにしたことを特徴とする請求項4に記載の海洋深層水の処理方法である。
また、請求項6の発明は、海洋深層水を逆浸透膜法と電気透析法とによって脱塩処理する海洋深層水の処理方法において、前記逆浸透膜法による脱塩処理によって、逆浸透膜透過脱塩水と、海洋深層水中のミネラル分を残留、濃縮させた逆浸透膜濃縮塩水とを得ると共に、前記逆浸透膜透過脱塩水と海洋深層水とを用いた前記電気透析法による脱塩処理によって、海洋深層水中のミネラル分を残留させたミネラル脱塩水を得ることを特徴とする海洋深層水の処理方法であり、請求項7の発明は、固形物や海洋生物等をろ過槽にてろ過、除去した後の前記海洋深層水を、逆浸透膜法と電気透析法とによって脱塩処理するようにしたことを特徴とする請求項6に記載の海洋深層水の処理方法である。
さらに、請求項8の発明は、海洋深層水を脱塩処理する逆浸透膜槽と、海洋深層水と前記逆浸透膜槽からの逆浸透膜透過脱塩水とが供給されて電気透析する電気透析槽とを備え、前記逆浸透膜槽における脱塩処理によって、前記逆浸透膜透過脱塩水と、海洋深層水中のミネラル分を残留、濃縮させた逆浸透膜濃縮塩水とを得ると共に、前記逆浸透膜透過脱塩水と海洋深層水とを用いた前記電気透析槽における脱塩処理によって、海洋深層水中のミネラル分を残留させたミネラル脱塩水を得ることを特徴とする海洋深層水の処理装置である。
【0014】
この発明によれば、海洋深層水を逆浸透膜槽で脱塩処理し、かつ逆浸透膜槽の脱塩処理で得られた逆浸透膜透過脱塩水を利用して海洋深層水を電気透析槽によって脱塩処理し、この電気透析槽の希釈室と濃縮室とにおいて、濃縮室側に脱塩水を送り込んで、希釈室と濃縮室との間のNa+ イオンとCl- イオンの濃度差を高めることによって、Na+ イオンとCl- イオンの輸送効率を高めて脱塩処理し、希釈室側から海洋深層水のミネラル分を多量に含む飲料水等の水を製造することができる。
【0015】
また、請求項9の発明は、前記電気透析槽が多段に構成されていることを特徴とする請求項8に記載の海洋深層水の処理装置である。
この発明によれば、電気透析槽を多段にすることによって、さらに脱塩効率を上げることができる。
【0016】
また、請求項10の発明は、前記逆浸透膜槽と前記電気透析槽との前段に、海洋深層水中の固形物や海洋生物等をろ過、除去するろ過槽を設けたことを特徴とする請求項8または9に記載の海洋深層水の処理装置である。
この発明によれば、海洋深層水中に混入する固形物等、または海洋深層水の取水中の輸送配管で輸送される過程で混入する固形物等を除去して、イオン交換膜の目詰まりを解消して連続処理を可能とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る海洋深層水による水、その製造方法、その製造装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0018】
図1を参照して、本発明の海洋深層水による水およびその製造方法の一実施形態を説明する。
なお、本発明で使用する海洋深層水は、海面から概ね200m以上の深い海水から取水した清浄な海水である。因みに、200m以下の浅い海水は、海洋表層水と呼ばれる。海洋深層水は、富栄養性の硝酸塩、燐酸塩、珪酸塩が豊富であり、かつミネラル分がバランスよく含まれている海水である。
【0019】
先ず、海洋深層水の成分について、海水表層水と海洋深層水との水質を比較しして示す。なお、表1は、その結果の一部を示したものである。表1から明らかなように、海洋深層水は、表層水よりも低温であることが示されている。しかも、アンモニウムイオン濃度が低く、硝酸イオン、リン酸イオン、シリカの栄養塩類濃度が高いことがわかる。
【0020】
表1に示した海洋深層水から純度の高い塩化ナトリウムの脱塩処理が可能であれば、脱塩処理された海洋深層水を、健康飲料水、生物の育成、あるいは養殖用水等に利用することができる。無論、海洋深層水の脱塩処理によって得られた塩化ナトリウムは、食塩として利用することができる。
【0021】
【表1】
Figure 0003587102
【0022】
続いて、本実施形態の海洋深層水による水の製造装置について、図1を参照して説明する。同図において、本実施形態の製造装置は、電気透析槽1と逆浸透膜槽2とで構成され、海面から概ね200m以上深い海水から取水された海洋深層水は、輸送配管を経て、それぞれの海洋深層水入口から電気透析槽1の希釈室1a、逆浸透膜槽2の濃縮室2aにそれぞれ供給される。
【0023】
先ず、図1を参照して、本実施形態の製造装置について、簡単に説明すると、海洋深層水を脱塩処理する逆浸透膜槽2と、海洋深層水と逆浸透膜槽2からの脱塩水とが供給されて電気透析する電気透析槽1とを備えており、逆浸透膜槽からは、製塩原水を得るとともに、電気透析槽1からは、ミネラル分が濃縮された水を得ることができる。
【0024】
電気透析槽1と逆浸透膜槽2とは、脱塩水送水管により、電気透析槽1の濃縮室1b側の脱塩水入口と逆浸透膜槽2の脱塩水室2b側の脱塩水出口とが接続され、脱塩水が電気透析槽1の濃縮室1bに送り込まれている。電気透析槽1の希釈室1a側の脱塩水出口からは、ミネラル水が送水される。電気透析槽1の濃縮室1b側の濃縮水出口から濃縮水が排出される。この濃縮水は、ミネラル飲料水として不要な成分が含まれている。一方、逆浸透膜槽2の濃縮室2aからは、製塩原水が排出される。
【0025】
電気透析槽1は、例えば図3に示したように、陽極電極板3と陰極電極板4とが設けられ、陽極電極板3と陰極電極板4との間に、陽イオン交換膜(K)5〜5と陰イオン交換膜(A)6,6とが配置されている。陰イオン交換膜(A)6は、陽イオン交換膜5,5間に配置され、陰イオン交換膜6は、陽イオン交換膜5,5間に配置されている。なお、図3は、電気透析法による海洋深層水の原理を簡単に説明するための図であり、イオン交換膜の数は、さらに増やしてもかなわないし、イオン交換膜の組み合わせも変更して構わない。
【0026】
この電気透析槽1には、海洋深層水と脱塩水とが送り込まれ、陽極電極板3と陰極電極板4には、直流電圧が印加される。海洋深層水中の陽イオンは、陰極電極板4に向かって移動し、陰イオンは、陽極電極板3に向かって移動する。その間に、陽イオン交換膜5〜5と陰イオン交換膜6,6とが配置され、希釈室1aと濃縮室1bとが形成されている。例えば、陰イオン交換膜6と陽イオン交換膜5の間の希釈室1aの中のNaイオンは、陽イオン交換膜5を通過して、陰イオン交換膜6で阻止される。Naイオンは、陽イオン交換膜5と陰イオン交換膜6とで囲まれた濃縮室1b内に留まる。
【0027】
一方、陰イオン交換膜6と陽イオン交換膜5との間の希釈室1a中のClー イオンは、陰イオン交換膜6を通過して、陽イオン交換膜5で阻止されて、濃縮室1b内に留まる。濃縮室1b内では、NaイオンとClー イオンとが集積される。同様に、他の希釈室1a,濃縮室1bでも同様に、海洋深層水中の陽,陰イオンが、移動または阻止される。
【0028】
なお、海洋深層水中には、Naイオン以外の陽イオンが存在するが、陽イオン交換膜5〜5 は、所定の分画分子量に設定することによって、他の陽イオンが通過できないように設定することが可能である。このようにイオン交換膜の分画分子量を選択することで、所用なイオンが選択できるイオン選択透過性膜とすることができる。または、選択すべきイオンのイオン半径(結晶半径)を考慮して、陰イオン交換膜6,6と陽イオン交換膜5〜5との孔の直径を選択するようにしてもよい。さらにまた、合成樹脂の材質の相違に起因するイオン選択透過性膜を用いることによって、必要なイオンを選択することができる。さらに、運転電流および印加電圧を制御することにより、最適なイオン交換を行うことができる。
【0029】
これらのイオン交換膜は、イオン選択透過性膜を用いることにより、電気透析槽において、陽イオンまたは陰イオン同士内でのイオンの選択が可能であることが実験的に検証された。
【0030】
次に、図2を参照して、本発明の他の実施形態を説明する。同図の海洋深層水による水の製造装置は、電気透析槽1,1と、逆浸透膜槽2とで構成され、海洋深層水が電気透析槽1と逆浸透膜槽2とに送り込まれ、逆浸透膜槽2の脱塩水が電気透析槽1,1に送り込まれる。電気透析槽1の脱塩水は電気透析槽1に送り込まれる。このように電気透析槽を多段に構成することで、海洋深層水のミネラル分が多量に含まれた飲料水として送水される。電気透析槽1,1の濃縮水は、排水される。1a,1b,2a,2bは、先に説明した通りである。
【0031】
続いて、本発明の海洋深層水による水の製造方法について説明する。図1の海洋深層水による水の製造装置では、海洋深層水を逆浸透膜法と電気透析法とによる脱塩処理して得られる水を飲料水、または生物育成用等の水とする海洋深層水による水の製造方法である。さらに、詳細に説明すると、海洋深層水を逆浸透膜法と電気透析法とによって脱塩処理し、逆浸透膜法によって処理された脱塩水を、電気透析法における濃縮水用原水とし、逆浸透膜法によって処理された濃縮水を製塩原水とし、電気透析法によって処理された脱塩水をミネラル分を多量に含む飲料水等とする海洋深層水による水の製造方法である。この電気透析法による脱塩処理では、海洋深層水中の主としてナトリウムイオン、塩素イオン、硫酸イオンを取り除く。
【0032】
また、図2の海洋深層水による水の製造装置では、電気透析槽を多段の設けることによって、ミネラル分を濃縮して多量にミネラルを含む飲料水等の水とすることができる。
【0033】
さらに、本発明の海洋深層水による水の製造方法について、図1を参照して詳細に説明する。海洋深層水は、電気透析槽1と逆浸透膜槽2とに供給され、逆浸透膜槽2では、脱塩処理が行われる。この脱塩水は、電気透析槽1の濃縮室1bに送り込まれ、海洋深層水は、電気透析槽1の希釈室1aに供給される。希釈室1aのNaイオンとClイオンの濃度は高く、濃縮室1bが脱塩水であるので、濃縮室1b内のNaイオンとClイオンの濃度が低く、希釈室1aのNaイオンとClイオンの濃縮室1bへの輸送度は大きい。従って、希釈室1a内のNaイオンとClイオンの濃度は急速に低下して、ミネラル分を蓄積することができる。このように電気透析槽を多段にすることによって、脱塩水中のカルシウムイオン濃度、カリウムイオン濃度、シリカイオン濃度を高くすることができる。
【0034】
一方、図4は、本発明の他の実施形態を示しており、海洋深層水を一旦、ろ過槽6に送り込まれ、その後、電気透析槽1と逆浸透膜槽2とに送り込まれている。取水された海洋深層水には、輸送管内に付着する固形物が混入するおそれがあるので、ろ過槽7でろ過することによって、海洋深層水中に混入する固形物や海洋生物等が除去され、イオン交換膜に付着する固形物を可能な限り削減することができ、長期に亘って、安定した水を製造することができる。
なお、図2の製造装置においても同様に、ろ過槽7を設けることによって、同様な効果を得ることができる。
【0035】
上記にように、本発明では、上記実施形態で示した海洋深層水による水の製造装置による電気透析槽と逆浸透膜槽とによって、海洋深層水がろ過槽等を経て、電気透析槽に送られ、脱塩処理が行われている。脱塩処理が行われた海洋深層水は、表1に示したような、生物に必要な栄養素を豊富に含み、かつミネラルバランスの優れた飲料水や魚類等の養殖用水または生物等に育成に利用することができる。
【0036】
上述のように、本発明において、陽イオン交換膜としては、主として海洋深層水のナトリウムイオンを選択的に取り除く膜を適用する。また、陰イオン交換膜としては、主として海洋深層水の塩素イオン、硫酸イオンを取り除く膜を適用する。さらには、陽イオン交換膜としては、海洋深層水のカルシウムイオン、カリウムイオン、シリカの透過性の低いイオン交換膜を適用することで、電気透析槽の希釈室側からミネラル分の損なわれない海洋深層水を製造することが可能であり、この脱塩処理した海洋深層水を健康飲料水として利用することができる。
【0037】
なお、電気透析法は、電流によるイオン溶液の分離を行う方法である。この分離は、イオンに対して選択透過性を持つイオン交換膜を用いて、電極間に直流電圧を印加して、電流を通すことによって行うようにしてもよい。
【0038】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、海洋深層水を、電気透析法と逆浸透膜法とによって脱塩処理して、海洋深層水から清浄でミネラルバランスが優れ、栄養塩類の豊富な生物に必要な栄養素を豊富に含み、また魚類等の養殖用水または植物等の育成に利用することができる極めて有用な水を製造することができる利点がある。
【0039】
また、本発明によれば、海洋深層水を、電気透析法で脱塩処理をする際に、逆浸透膜法で生成した脱塩水とで、電気透析するので、NaイオンとClイオンの輸送効率を高めて、脱塩処理をして、ミネラルバランスの優れた飲料水や栄養塩類の豊富な生物に必要な栄養素を豊富に含み、また魚類等の養殖用水または植物等の育成に利用することができる極めて有用な水を効率良く製造することができる。
【0040】
なお、本発明によれば、電気透析槽内に分画分子量を選択したイオン選択透過性膜が用いられており、選択的にイオンを除去して、有効なイオンを水に含有させることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る海洋深層水による水、その製造方法、その製造装置の一実施形態を示す図である。
【図2】本発明に係る海洋深層水による水、その製造方法、その製造装置の他の実施形態を示す図である。
【図3】本発明の電気透析槽の一例を示す図である。
【図4】本発明に係る海洋深層水による水、その製造方法、その製造装置の他の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
1 電気透析槽
2 逆浸透膜槽
3 陽極電極板
4 陰極電極板
〜5 陽イオン交換膜
,6 陰イオン交換膜
7 ろ過槽

Claims (10)

  1. 海洋深層水を逆浸透膜法と電気透析法とによって脱塩処理する海洋深層水による水の製造方法において、海洋深層水を前記電気透析法における脱塩水用原水とし、前記逆浸透膜法によって処理して得た逆浸透膜透過脱塩水を、前記電気透析法における濃縮水用原水とし、前記逆浸透膜法によって処理して得た濃縮水を製塩原水とし、前記電気透析法によって処理して得たミネラル脱塩水を飲料水等とすることを特徴とする海洋深層水による水の製造方法。
  2. 固形物や海洋生物等をろ過槽にてろ過、除去した後の前記海洋深層水を、逆浸透膜法と電気透析法とによって脱塩処理するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の海洋深層水による水の製造方法。
  3. 前記電気透析法による脱塩処理において、海洋深層水中のナトリウムイオン、塩素イオン、硫酸イオンを取り除くことを特徴とする請求項1または2に記載の海洋深層水による水の製造方法。
  4. 海洋深層水を逆浸透膜法と電気透析法とによって脱塩処理するに当たり、海洋深層水を前記電気透析法における脱塩水用原水とし、前記逆浸透膜法によって脱塩処理して得た逆浸透膜透過脱塩水を前記電気透析法における濃縮水用原水とすることを特徴とする海洋深層水の処理方法。
  5. 固形物や海洋生物等をろ過槽にてろ過、除去した後の前記海洋深層水を、逆浸透膜法と電気透析法とによって脱塩処理するようにしたことを特徴とする請求項4に記載の海洋深層水の処理方法。
  6. 海洋深層水を逆浸透膜法と電気透析法とによって脱塩処理する海洋深層水の処理方法において、前記逆浸透膜法による脱塩処理によって、逆浸透膜透過脱塩水と、海洋深層水中のミネラル分を残留、濃縮させた逆浸透膜濃縮塩水とを得ると共に、前記逆浸透膜透過脱塩水と海洋深層水とを用いた前記電気透析法による脱塩処理によって、海洋深層水中のミネラル分を残留させたミネラル脱塩水を得ることを特徴とする海洋深層水の処理方法。
  7. 固形物や海洋生物等をろ過槽にてろ過、除去した後の前記海洋深層水を、逆浸透膜法と電気透析法とによって脱塩処理するようにしたことを特徴とする請求項6に記載の海洋深層水の処理方法。
  8. 海洋深層水を脱塩処理する逆浸透膜槽と、海洋深層水と前記逆浸透膜槽からの逆浸透膜透過脱塩水とが供給されて電気透析する電気透析槽とを備え、前記逆浸透膜槽における脱塩処理によって、前記逆浸透膜透過脱塩水と、海洋深層水中のミネラル分を残留、濃縮させた逆浸透膜濃縮塩水とを得ると共に、前記逆浸透膜透過脱塩水と海洋深層水とを用いた前記電気透析槽における脱塩処理によって、海洋深層水中のミネラル分を残留させたミネラル脱塩水を得ることを特徴とする海洋深層水の処理装置。
  9. 前記電気透析槽が多段に構成されていることを特徴とする請求項8に記載の海洋深層水の処理装置。
  10. 前記逆浸透膜槽と前記電気透析槽との前段に、海洋深層水中の固形物や海洋生物等をろ過、除去するろ過槽を設けたことを特徴とする請求項8または9に記載の海洋深層水の処理装置。
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