JP3586769B2 - コンベア・チェーン・ユニット連結棒係止プラグ及びコンベア・チェーン・ユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、コンベア・チェーン・ユニット(以下、単に「ユニット」ともいう)を連結するための連結棒の抜けを防止するプラグに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、主にプラスチック成形された複数種類のユニットを横幅方向に複数個連結していろいろな幅のコンベア・チェーンを形成することが行われてきた。この場合、両サイドに使用されるユニットは、サイドとしての端面を有し、且つユニット相互を連結するための連結棒又はピンを係止するためのプラグを受け入れるため処理を行わなければならないために、コンベア・チェーンの中間部にて使用されるユニットとは別個の種類のものを用意しなければならなかった。従って、例えば2種類の幅のユニットを用いる場合には、それぞれが両端部用のものと、中間部用のものと、少なくとも4種類以上のユニットを製作する必要があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来技術においては、ピンの制約上両端用のユニットと中央用のユニットの別個の単体を提供しなければならず合理的ではなかった。また、過度な横方法の負荷がピンに加わるとプラグがユニットから取れピンが外れてしまうという問題を有していた。
【0004】
一方、連結棒が貫通する開口部にねじ込むような形状によって連結棒の抜けを防止するプラグが既に知られているが、かかる構造では、金属に比べてストレスに比較的弱いプラスチック材などの使用が難しく長時間の使用に耐え得ず、特にサイズの小さいユニットの場合には使用することができないでいた。
【0005】
従って、本願発明は、2種類のユニットのみを提供できるようにそのユニットの形状に制約を与えず、しかも簡単に組み込むことは可能だが容易には外れない新規で有効なプラグを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このために、本願発明においては、コンベア・チェーン・ユニットどうしを連結するために使用するコンベア・チェーン・ユニット連結棒の抜けを防止するためのコンベア・チェーン・ユニット連結棒係止プラグであって、コンベア・チェーン・ユニットは、横方向に延びるリブ2と、当該リブから縦方向前後に延びる複数の突出部3を有するコンベア・チェーン・ユニットであって、当該突出部3には連結棒21が挿入可能な開口部5が形成され、当該開口部5に連結棒21を貫通してコンベア・チェーン・ユニットどうしを相互に連結するようにされ、プラグは第1のフック部13と第2のフック部14とこれらを連結する連結部15を有し、前記コンベア・チェーン・ユニットはリブ2に横溝9が形成されており、プラグは、第1のフック部13が前記コンベア・チェーン・ユニットの両端部の突出部3aの開口部に押し込まれて当該突出部3aを形成する側壁の内側に係止され、第2のフック部14が前記コンベア・チェーン・ユニットのリブ2に形成された横溝9に係止されてコンベア・チェーン・ユニットに固定されるようにしたことを特徴とするコンベア・チェーン・ユニット連結棒係止プラグを提供する。
【0007】
さらに、プラグの両フックを連結部で連結させ、その連結部をコンベア・チェーン・ユニットの両端部の突出部外側端面に形成された溝に嵌合させるように適合させたプラグを提供する。
【0008】
また、コンベア・チェーン・ユニットの突出部をリブから延びる側壁から構成させ、プラグの第2のフックが開口部を通って1つの側壁の裏側で係止するようにした。
【0009】
更には、プラグの連結部うちの一方であるフックが開口部内に押し込まれる方向の連結部からフックを越えて突き出すように構成した。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明に係るプラグをそれが使用されるコンベア・チェーン・ユニット及びそれを縦横方向に複数連結してなるコンベア・チェーン・ユニットの具体例を図を参照しつつ説明する。
【0011】
図1は、本願発明にかかるプラグが適用可能なコンベア・チェーン・ユニットの一実施例である。図1のAは、ユニットの搬送面側を示す。ユニットの搬送面1において、中央を直線状に通る一本のリブ2の両側直角方向に同一幅の突出部3が設けられる。該突出部3はそれぞれの方向に同数設けられ、かつその数は偶数でなければならない。さらに、該突出部3はそれぞれの方向に交互に等間隔に設けられる。つまり、該ユニットは、搬送面の中心点20において、それぞれ点対称になるように構成され、これによって、該ユニットが相互に連結され、任意の幅のコンベア・チェーンを構成することを可能にするのである。
【0012】
突出部3は、リブ2につながる2つの側壁4と搬送面1によって構成される。そして、該側壁4には、ユニットを相互に連結する連結棒(図2における21)を前記リブと平行方向に貫通させるための連結棒用開口部5が設けられる。
【0013】
搬送面1は、その用途に応じて、必ずしも平坦なフラット面である必要性はなく、任意形状の開孔部を設けてもよい。さらに、搬送物との関係によって、リブ若しくはいぼ状の突起、プッシャー、サイドガイドを設けたり、又はマグネット板やゴム片等を貼付してもよい。
【0014】
ユニットの外側両端部の端部突出部3aの端部搬送面1aは、リブ2を越えて反対側に配置されているすぐ隣りの突出部3の側壁4に接続するようにする。このようにすることによって、ユニットを複数連結した場合に、その端部搬送面において隙間の少ない連結面を構成することができる。該端部搬送面における連結面は図2のAに示すとおりである。
【0015】
図1のBは図1のAの矢印方向面を図示し、図1のCは図1のAに示す搬送面の裏側を図示する。ユニットの搬送面の裏側、即ち下面において、前記リブ2における所定数間隔の前記突出部3の側壁4に囲まれた部分に凹部10を設け、さらに該凹部10に対応する前記突出部3の前記連結棒21が貫通する部分を円筒とする。これにより、コンベア・チェーンを駆動するための駆動歯車が該凹部に入り込んで該円筒に当接して歯合するようにする。このように、駆動歯車が本コンベア・チェーンに当接する部分を円筒状にすることにより、駆動歯車から受ける駆動ストレスに対して丈夫で耐久性の高いユニットとし、同一駆動歯車の同一歯部による該円筒部における正逆回転を可能とした。
【0016】
図1のDは、図1のAの側面図である。ここに示されているとおり、本ユニットの下面中央部12であるリブ2から両側の突出部3にかけて円弧が形成されるようにする。これにより、複数のユニットを連結してコンベア・チェーンを構成した場合に、該ユニットの下面が所定半径の丸棒状のコーナーガイドに面接触するようにし、もって偏摩耗を排除して耐久性を向上させている。コンベア・チェーンが平面走行している際には、両突出部下の2カ所の平面部18がコンベア台上を滑動する。
【0017】
図2のBは、ユニットを横長方向から見た図であり、リブ2を正面から見る。
図2のCは、ユニットの下面を表す。
【0018】
図2は、図1のコンベア・チェーン・ユニットを縦横方向に複数個連結したコンベア・チェーンを示す。ここでは、図1に示したユニットを基本幅とする第1のユニットとした場合に、該第1のユニットの半分の幅であって前記突出部の数が半分である第2のユニットを用い、これら2種類のユニットを、横幅方向へ複数個連結することにより、所定幅のコンベア・チェーンを構成している。
【0019】
さらに、図2の例においては、前記2種類の長さのユニットをコンベアの進行方向に対して交互に千鳥掛けの位置になるように配置し、当該コンベア・チェーンへの進行横方向から加えられるストレスに対して強化を図っている。
【0020】
各ユニットを連結するための連結棒21は、通常、プラスチックの丸棒を用い、構成するコンベア・チェーンの幅に応じて切断して使用する。
【0021】
尚、図1のDに示すように、該突出部の外側の側壁面には連結棒21を係止するためのプラグ(図3に示す)をユニットの外側端面の内側に受け入れるための溝7が設けられている。
【0022】
図3は、該連結棒を係止するためのプラグを示す。プラグは2つのフック13,14とこれらを連結する連結部15からなる。コンベア・チェーンを組み立てる際の作業性を考慮して、連結部15の一方の端はフック13を越えて突き出している。該突き出し部16を有する方のフック13を図1のDに示す連結用開口部5に押し込む。特に図2で明らかなように、フック13は突出部を構成する側壁の内側に掛かることで、何らかの理由で連結棒を開口部から抜けさせるような負荷が連結棒にかかっても、その連結棒がフック13の頭部を押すことでさらに強固にフック13が側壁に係止されるためにフックが容易に外れることがない。他方のフック14はユニットのリブ端部に設けられる横溝9(図1のCに示す)にはまり、該2カ所のフックにより確実な抜け防止を確保している。さらに、当該プラグの連結部15には両端に向かってテーパー処理されており、長時間の使用によりユニットの端面が摩耗して磨り減るような状態になっても、フックの端部が外部の突起等に引っかかって抜け落ちてしまう事態を防止すると共に、横からのプラグ装着なので、設置現場における着脱作業性に優れている。
【0023】
【発明の効果】
2つのフックがそれぞれリブの溝と連結棒(ピン)が貫通する開口部内で係止されることで容易にフックが外れないばかりは、その構成をとることによって、正逆回転可能な構成となるコンベア・チェーン・ユニットをも提供でき、しかもそのユニットの幅を2種類用意することで、その短い幅のユニットの整数倍の任意の幅広のチェーンを構成できることともなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明にかかるコンベア・チェーン・ユニットを表す。
【図2】図1のコンベア・チェーン・ユニットを縦横方向に複数個連結したコンベア・チェーンを示す。
【図3】図2のコンベア・チェーンを連結する連結棒を係止するためのプラグを示す。
Claims (5)
- コンベア・チェーン・ユニットどうしを連結するために使用するコンベア・チェーン・ユニット連結棒の抜けを防止するためのコンベア・チェーン・ユニット連結棒係止プラグであって、
前記コンベア・チェーン・ユニットは、横方向に延びるリブ2と、当該リブから縦方向前後に延びる複数の突出部3を有するコンベア・チェーン・ユニットであって、当該突出部3には連結棒21が挿入可能な開口部5が形成され、当該開口部5に連結棒21を貫通してコンベア・チェーン・ユニットどうしを相互に連結するようにされ、
前記プラグは、第1のフック部13と第2のフック部14とこれらを連結する連結部15を有し、
前記コンベア・チェーン・ユニットは、リブ2に横溝9が形成されており、
前記プラグは、第1のフック部13が前記コンベア・チェーン・ユニットの両端部の突出部3aの開口部に押し込まれて当該突出部3aを形成する側壁の内側に係止され、第2のフック部14が前記コンベア・チェーン・ユニットのリブ2に形成された横溝9に係止されて、コンベア・チェーン・ユニットに固定されるようにした、
ことを特徴とするコンベア・チェーン・ユニット連結棒係止プラグ。 - 前記コンベア・チェーン・ユニットの突出部3aの側壁外側に溝7が形成され、前記プラグの連結部15が前記溝7に受け入れられるようにした請求項1に記載のコンベア・チェーン・ユニット連結棒係止プラグ。
- 前記プラグの連結部が2つのフック部のうちの前記開口部内に押し込まれる第1のフック部を越えて突き出ている請求項2に記載のコンベア・チェーン・ユニット連結棒係止プラグ。
- 前記プラグの連結部の外周面端部にはテーパーが設けられている請求項2に記載のコンベア・チェーン・ユニット連結棒係止プラグ。
- コンベア・チェーン・ユニット連結棒によって相互に連結されるようにしたコンベア・チェーン・ユニットであって、
前記コンベア・チェーン・ユニットは、横方向に延びるリブ2と、当該リブから縦方向前後に延びる複数の突出部3を有するコンベア・チェーン・ユニットであって、当該突出部3はコンベア・チェーン・ユニット連結棒21が挿入可能な開口部5が設けられ、該開口部5に連結棒21を貫通してコンベア・チェーン・ユニットどうしを相互に連結するようにされ、前記リブ2は横溝9が形成され、
コンベア・チェーン・ユニット連結棒係止プラグが第1のフック部13と第2のフック部14を有し、前記第1のフック部13が前記コンベア・チェーン・ユニットの端部の突出部3aの開口部5に挿入されて当該端部の突出部3aを形成する側壁の内側に係止されるようになし、前記第2のフック部14が前記コンベア・チェーン・ユニットのリブ2に形成された横溝9に係止されるようになしてコンベア・チェーン・ユニット連結棒21がコンベア・チェーン・ユニットから抜けないようにした、
ことを特徴とするコンベア・チェーン・ユニット。
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