JP3586115B2 - 画像形成装置の支持構造体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像形成装置を構成するために必要となる各種構成要素を支持するための支持構造体に関するものであり、該支持構造体を複数のコの字型部材を組み合わせることにより構成し、高速に対処できる強度を十分に確保できるようにした画像京成装置の支持構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に用いられる画像形成装置の支持構造体(筐体構造体)としては、板金をプレス加工により打ち抜くことにより作成したものを前後のフレームとして、その間に画像形成装置を構成する各種構成要素(ユニット構成を含む)を把持させたような支持構造としている。また他の方法として樹脂の一体成型により筐体(フレーム)を構成し、その筐体(フレーム)の中に各種構成要素を位置決めさせるようにしてなる支持構造とすることが知られている。
【0003】
しかし、前者の支持構造体の構造であれば装置が大型化、さらに高速化などにより支持フレームの基体となる前後の板金フレームにたわみ(ひずみ)が発生しやすく、経時変化により各種構成要素間の位置精度が保てなくなる。例えば、画像形成装置として、レーザ光を感光体表面を光学的に走査するように照射するようにした場合、レーザ光の照射ユニットと、感光体との位置精度を保つように支持しても、フレームの強度の問題で、振動によるフレームの歪みや捩れ等による位置精度を確保できなくなる。
【0004】
また装置の処理速度が高速になってくると、同じく支持フレームの基体となる前後の板金フレームにも、歪みや捩れ等が発生しやすくなり、各種構成要素間の位置精度が上述したように保てなくなる。これは、上述したことと同様であり、フレーム強度の問題などから装置本体に振動が発生し、結果としてずれが生じ、画質の低下につながる。
【0005】
さらに後者の支持構造体の構成では、各構成要素間の位置精度はある程度確保できる。しかし、樹脂の一体成形方法には、筐体(フレーム)の大きさによる製造方法、コストなどの面から制限されることとなる。そのため、大型の装置や、高速処理装置等に採用するには限界がある。
【0006】
そこで最近では、角型の中空形状のパイプを溶接して枠体の支持構造体として完成させると共に、各種構成要素をこの支持構造体にて確保されるスペース内に支持させる構成の装置として商品化されるようになってきている。
【0007】
この構成とすることにより大型の装置であっても角型のパイプを骨幹として支持構造体が構成されているため、支持構造体の強度が確保できると共に、各構成要素の取付け作業の簡略化につながり、大きなメリットある。
【0008】
例えば特開昭63−188160号公報、及び特開平3−33762号公報には、上述したように角型中空パイプを骨幹にして、支持構造体を構成し、この構造体で確保されるスペースに電子写真複写機を構成する各種構成要素を収容し、支持するようにした構成が明記されている。
【0009】
また、画像形成装置において、画像を読取るスキャナを、画像形成装置に備えている。このスキャナは、原稿画像を読取るために光学的に原稿を走査する手段を備え、その走査手段による画像の光を目的の位置、例えば記録媒体である感光体等に照射するか、またCCD等の読取素子に照射している。そのため、この走査手段を含めたその他のスキャナを構成する各種構成要素についても、同様に支持構造体を作製し、その空間で構成される領域内に支持させるようにすることが有効である。つまり、原稿を光学的に走査するために光学走査手段が走行駆動されるが、支持構造体が強度的に強固でなければ、走行駆動に耐えられず、歪みや捩れ等により位置関係がずれ、読取不良が生じる。
【0010】
従って、上記スキャナは、原稿を光学的に走査する走査手段を位置精度を上げて支持する必要があり、そのために上述した中空の角パイプから構成される支持構造体を設けることで、強度を十分に確保でき、位置精度を常時保ち、良好なる読取精度を維持することが可能となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
最近の複写機市場ではデジタル化が進み、一方プリンタ市場では装置の大型化、高速化が進んでいる。そこで問題となるのが、複写機又はプリンタ等の画像形成装置を構成する各種構成要素間における位置精度、装置本体そのものの振動およびひずみの低減などである。これを損なうと、結果として装置から出力再現される画像の画質に影響する。そのため、各複写機やプリンタを構成する各種構成要素を支持するための支持構造体の強度が大きな問題になってくる。
【0012】
そこで、支持構造体が、板金フレーム構造では上述したようにマシン強度、ブレなどの問題があり、樹脂一体成形フレームでは、大きさ、コストなどの面で問題がある。そのため、板金フレーム構造では、マシン強度、ブレなどの問題があり、樹脂一体成型フレームでは、大きさやコストなどの問題がある。
【0013】
また、フレーム構造を特開昭63−188160号公報や特開平3−33762号公報に記載されている通り、複数の角パイプを組み合わせた支持構造体を作製して、各構成要素を支持する構成とすれば、フレーム強度などの面では理想的な強度が確保され、頑丈な装置として商品化できる。しかし、画像形成装置を構成する各構成要素を支持する支持構造体としては、理想的であったとしても、支持構造体自体のコストアップが問題になる。
【0014】
さらに、画像形成装置においては、構成要素単体、又は複数の構成要素をユニット構成し、画像形成装置本体に対して引き出し可能、着脱可能に構成しているため、その支持のための全く別構成の案内支持部品を必要としている。そのため、支持構造体の重量が嵩むだけでなく、さらに上述した案内支持部品を含めて、全体が重くなり、市場での運搬が非常に困難となる。それに加え、運搬のコストを含めて全体でのコストアップが生じる。
【0015】
しかも、支持構造体を構成する角パイプにおいては、その角パイプ内を利用することができず、その角パイプの内径部分で占める有効スペース内で、必要な各構成支持構成する必要がある。そのため、必要な各構成要素を収容するスペースを確保するために、支持構造体の外径がどうしても大きくなり、画像形成装置の大型化を招く結果ともなる。
【0016】
また、画像形成装置を複写機として構成するには、原稿の画像を読取る装置であるスキャナを備える必要があるが、スキャナによる読取速度を速くするには、原稿を光学的に走査する手段の走行速度を速くする必要がある。その結果、支持構造体が頑丈でなければ、その高速走行に対応できず、支持構造体の一部の捩れや、歪みによる画像ブレ等が生じ、目的の画質を確保できなくなる。そのため、上述した角パイプ構成とすれば問題ないものの、重量やコスト、さらに大型化等の問題が生じ、それを解消できなくなる。
【0017】
本発明は、画像形成装置を構成する各種構成要素間における位置精度、画像形成装置本体の振動等による捩れや歪みを低減させてなる支持構造体を提供することを第1の目的とする。
【0018】
本発明は、上記第1の目的を達成すると同時に、支持構造体を構成する枠組を、コの字型の部材を骨幹とし、重量の点を軽減し、さらに装置の小型化をも可能にし、さらに強度においても充分に耐え得る支持構造体を提供することを目的とする。
【0019】
また、本発明の目的は、コの字型の鋼材を複数組み合わせて支持構造体を構成した場合、その鋼材の一部を活用して画像形成装置を構成する一部の構成要素の着脱又は引き出しのための案内支持を可能にし、重量の軽減、さらには装置を小型化を可能にすることにある。
【0020】
さらに、本発明の目的は、原稿の画像を読取るスキャナを備える画像形成装置、つまり複写機において、スキャナ本体での原稿の読取走査においても、充分にその強度を確保できる支持構造体を提供することであって、上述したように支持構造体による重量を軽減し、支持構造体を構成するコの字型鋼材を組み合わせたものにおいて、充分な強度を確保できる支持構造体を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した目的を達成するための請求項1記載の画像形成装置の支持構造体によれば、画像形成装置を構成するために必要となる各種構成要素を支持するために設けられる支持構造体において、
上記支持構造体を断面がコの字形状で骨幹となるコの字型鋼材を複数組み合わせ、該コの字型鋼材にて囲まれるスペースを上記各種構成要素を収容支持するスペースとして確保してなる支持構造体であって、
上記一方のコの字型鋼材の凹部内面に、他のコの字型鋼材の一部を切断した端部を接合させてた状態で結合し、支持構造体を構成したことを特徴とする。
【0022】
つまり、支持構造体を構成する骨幹となるコの字型鋼材を組み合わせるものであって、角型のパイプ構成ではなく、この角型パイプの一つの面を除去したような構成のコの字型鋼材であるため、軽量で製造コストが非常に安価でもあり、全体としてのコスト低減が可能となる。
【0023】
そこで、上記支持構造体を構成するコの字型鋼材によれば、一方のコの字型鋼材の凹部内面に他のコの字型鋼材の一部を切断した端部を接合することで、その接合部分を溶接等にて結合するようにしておけば、枠組みの組み立て精度を確保でき、同時に強度も充分に確保できる。例えば図2に示すように、一方のコの字型鋼材(102a,102b)の凹部内面に、他のコの字型鋼材(102d)の端部が全てにおいて合致して接触するようにして接合させている。このように、他のコの字型鋼材(102d)の端部が、上記鋼材の凹部に合致する形状に切除され形成されている。これにより、コの除型鋼材同士の接合部分を大きくでき、その時の結合強度を確保できる。しかも、コの字型鋼材においても、角パイプに匹敵する程度の機械的な強度を確保でき、組み合わによる接合強度を充分に確保でき。よって、この支持構造体にて確保できるスペース内に支持される各種構成要素の位置関係を継時的にも常時維持でき、画質低下を防止できる。
【0024】
上述した構成を特徴とする画像形成装置の支持構造体において、請求項2記載の発明によれば、上記支持構造体に、各種構成要素を支持するための支持用コの字型鋼材を、別途固着するようにしておけば、各種構成要素を適宜支持すると同時に、支持構造体の強度補強を同時に兼ねることができる。従って、支持される各種構成要素の位置精度を常時維持させることができる、充分な強度の高速化に耐える支持構造体を得ることができる。
【0025】
また、上述した構成を特徴とする画像形成装置の支持構造体において、請求項3記載の発明によれば、上記支持構造体を構成してなるコの字型鋼材の凹部スペース内に、各種構成要素を移動可能に支持するための案内部材を設けるようにしたことを特徴とする。つまり、支持構造体を構成するコの字型鋼材の凹部スペースの有効に利用でき、そのためのスペースが必要でなくなる。これは、支持構造体にて各種構成要素を全て収容し支持するスペース以上の案内部材用のスペースを確保する必要がなくなるため、支持構造体全体を小さくでき、結果として画像形成装置を小型化できる。
【0026】
さらに、上述した構成を特徴とする画像形成装置の支持構造体において、請求項4記載の発明によれば、上記支持構造体に、各種構成要素を支持するために設けられた支持用コの字型鋼材の凹部スペースに上記各種構成要素を移動可能に支持するための案内部材を設けるようにしたことを特徴とする。このような構成によれば、支持構造体の支持強度をさらに補強でき、また案内部材のための収容スペースを確保する必要がなくなるため、同時に小型化を図ることができる。よって、軽量化も可能になる。
【0027】
また、本発明の目的、特に画像を光学的に読取るための画像読取装置であるスキャナ部を備える画像形成装置の支持構造体の走行駆動される光学走査手段を支持し、高速化、軽量化における機械的な強度を充分確保すべく、請求項5記載の発明は、画像形成装置にかかる各種構成要素を支持する画像形成にかかる支持構造体に対して結合され、原稿の画像を光学的に走査するために走行駆動され、目的の位置に原稿の画像を結像するための光学走査手段を構成する各種構成要素を支持する支持構造体において、
上記支持構造体は、それぞれが断面コ字状に形成されてなるコの字型鋼材を複数組み合わせてることにより構成し、上記各構成要素を収容し、支持するスペースを確保してなり、
上記原稿を光学的に走査するために走行駆動される光学走査手段を支持する支持用コの字型鋼材を上記支持構造体に個別に結合してなることを特徴とする。
【0028】
つまり、請求項5記載の支持構造体の構成によれば、スキャナ部にて必要となる支持構造体の強度を、走行駆動される光学走査手段を支持する支持用コの字型鋼材を補強用として利用でき、これにより駆動走査に対処できる機械的な強度を充分に確保できると同時に、光学走査手段を走行支持するための手段を収容するスペース部を確保することもいらず、支持構造体の全体が大きくなることもなくなる。
【0029】
また、上述した構成を特徴とする画像形成装置の支持構造体において、請求項6記載の発明によれば、上記支持用コの字型鋼材は、該コの字型鋼材が有する3つの面の中かでも曲げ加工により形成される平面精度を確保できる面を上記光学走査手段の支持面となるように支持構造体に固着されていることを特徴とする。このようにしておけば、画像を光学的に走査する時の走行駆動時に支持面の歪み等による走査ブレ等が解消でき、読取精度が低下するのを防止できる。また、コの字型鋼材の一つの平面精度が確保できる面を支持面とした場合、光学走査手段を直接支持させるようにすることで、支持構成をさらに簡単にでき、全体の小型化、軽量化等を実現可能となる。
【0030】
【発明の実施の形態】
図1及び図2は本発明の一実施形態を構成する支持構造体の一構造例を示す斜視図である。特に図1は上下に分離されてなる支持構造体を示しており、図2は支持構造体を構成するために以下に説明するコの字型鋼材を接合し、結合する本発明の一実施形態による結合例を示す拡大図、また図3は図1における上下の支持構造体を互いに接合し組込んだ状態での一体型支持構造体を示している。さらに、図4はデジタル複写機の全体的な内部構造を示したもので、図1及び図3に示す支持構造体で確保させるスペース内に、デジタル複写機を構成する各種構成要素が支持される。
【0031】
まず図4において、本発明の構成をデジタル複写機、つまりデジタル画像形成装置を例にして説明する。しかし、この例は単なる説明のためのもので、これに限るものではない。つまり、デジタル複写機以外に、単なるプリンタとして機能する画像形成装置等においてもそのまま適用可能である。
【0032】
そこで、図4に示す画像形成装置は、デジタル複写機1であり、該デジタル複写機1本体は大きく分けてスキャナ部2と、レーザ記録部(画像形成部)3から構成されている。さらに画像形成部3は、給紙トレイから供給される記録材であるシート上に画像を記録再現する画像記録ユニット(上段)と、この画像記録ユニットに対してサイズなどの異なる記録材を選択的に供給可能にするために、多くの異なる記録材を収容している多段給紙ユニット(下段)とから構成されている。
【0033】
画像形成装置であるデジタル複写機1を構成する各種構成要素について以下に説明する。まずスキャナ部2は、透明なガラスからなる原稿載置台(原稿台)21と、原稿載置台21上へ自動的に原稿を供給搬送するための両面対応自動原稿送り装置(RADF)22、及び原稿載置台21上に載置された原稿の画像を走査して読取るための原稿画像の走査手段、すなわち光学的走査手段23から構成されている。このスキャナ部2にて読取られた原稿画像は、画像データとして後述する画像データ入力部へと送られ、画像データに対して所定の画像処理が施される。
【0034】
上記RADF22は、図示しない複数枚の原稿を一度にセットしておく原稿トレイ、該トレイにセットされた原稿を1枚ずつ自動的にスキャナ部2の原稿載置台21へと給送する搬送手段、読取り後の原稿を排出する手段、及び排出された原稿を受ける排出トレイ等から構成されている。またRADF22は、オペレータの選択に応じて原稿の片面または両面を光学的走査手段23にて読取らせるように、片面原稿のための搬送経路、両面原稿のための搬送経路、搬送経路切換え手段、各部を通過する原稿の状態を把握し管理するセンサ群、および制御部などから構成されている。このRADF22については、従来から多くの出願、商品化がなされているので、これ以上の説明は省略する。
【0035】
原稿載置台21上の原稿の画像を読取るためのスキャナ部2を構成する光学的走査手段23は、原稿台21面上を原稿を露光するランプリフレクターアセンブリ24と、原稿からの反射光像を光電変換素子(CCD)20に導くための第1の反射ミラー25を搭載してなる第1の走査部材26、また第1の反射ミラー25からの反射光像を光電変換素子(CCD)に導くための第2、第3反射ミラー27,28を搭載してなる第2の走査部材29、原稿からの反射光像を上述した各反射ミラーを介して電気的画像信号に変換する読取ユニット20Uを構成する読取素子(CCD)20上に結像させるための光学レンズ20a、および原稿からの反射光像を電気的画像信号に変換する上述したCCD素子20から構成される。
【0036】
スキャナ部2は、上記RADF22と光学的走査手段23の関連した動作により、原稿載置台21上に読取るべき原稿を順次載置させながら、原稿載置台21の下面に沿って光学的走査手段23の一部を移動させて原稿の画像を読取るように構成されている。そのため、光学的走査手段23を構成する第1の走査部材26は、原稿載置台21に沿って左から右へと一定速度Vで走行駆動され、また第2走査部材29は、その速度Vに対してV/2の速度で同一方向に平行に走査制御される。これにより、原稿載置台21上に載置された原稿の画像を1ライン毎に順次CCD素子20へと結像させて画像を読取ることとなる。
【0037】
原稿画像を光学的走査手段23にて読取ることにより得られた読取画像データは、画像処理部へ送られ、各種処理が施された後、画像処理部のメモリに一旦記憶される。そして、出力指示に応じてメモリ内の画像処理された処理画像データを読出す。この処理済みの画像データは、画像形成部3に転送され、記録材であるシートP上に画像として記録再現されることになる。
【0038】
次に画像形成部3について説明する。この画像形成部3は、画像が記録される記録材であるシートをサイズ毎に収容しておき、選択された記録材を順次供給する記録材供給部4と、画像を形成させるための記録材であるシートの搬送系、レーザ書込ユニット38を含む画像を形成するための電子写真プロセス部30とから構成されている。
【0039】
レーザ書込ユニット38は、上述した光学的走査手段23にて読取った後の画像処理されたメモリから読出した処理済み画像データ、または外部の装置から転送されてきた画像データに応じてレーザ光を出射する半導体レーザ光源、レーザ光を等角速度偏向するポリゴンミラー、等角速度で偏向されたレーザ光が電子写真プロセス部30を構成する感光体ドラム31上において等角速度で偏向されるように補正するf−θレンズなどを含めてユニット化されている。
【0040】
上記電子写真プロセス部30は、周知である感光体ドラム31の周囲に帯電器32、現像器33、転写器34、剥離器35、クリーニング器36、除電器(図示せず)をその順に配置して構成している。
【0041】
一方、記録材供給部4、およびシートの搬送系は、上述した画像形成を行う電子写真プロセス部30の特に転写器34が配置された転写位置へとシートPを供給搬送する供給搬送路41と、該供給搬送路41へと選択的に順次シートPを送り込むための給紙装置42、43、44と、必要なサイズのシートを適宜給紙させるための手差し給紙装置45と、転写後のシートPに形成された画像、特にトナー像を定着するための定着器46と、定着後のシートPの裏面に再度画像を形成するためにシートPを再供給するための再供給搬送経路47と、再供給経路47から送り込まれてくるシートPを再度画像記録部へと再供給するための再供給トレイ(給紙装置/中間トレイ)48とから構成されている。
【0042】
また、定着器46の下流側における装置の左側には、画像が記録されたシートPを排出ローラ49を介して受け取り、このシートPに対して所定の処理を施す後処理装置7が配置されている。
【0043】
以上のような構成からなるデジタル複写機1は、スキャナ部2にて原稿の画像を読取り画像データとして画像メモリに蓄積させると共に、レーザ書込手段38及び電子写真プロセス部30において、画像メモリから画像データを順次読出しながら、レーザ書込手段38によってレーザ光線を走査させることにより感光体ドラム30の表面上に静電潜像として形成する。この潜像は、現像器33にてトナーにより可視像化され、該可視像化されたトナー像は、上述したシートの給紙トレイのいずれかから搬送されたシートPの上に転写器34の作用にて静電転写される。その後、シートPは定着器46を介して定着さ、最終的に排出ローラ49を経て後処理装置7へと排出される。
【0044】
このようにして画像が形成されたシートPは、例えば裏面に再度画像を形成するのであれば再供給搬送経路47、及び再供給ユニット48を経て電子写真プロセス部30へと導かれ、または上述したようにそのままの状態で装置外に排出する場合は、定着器47から排紙ローラ49を経へた後、後処理装置7内へと導かれ、必要に応じてシートPに対して所定の後処理が施される。
【0045】
(本発明の第1の実施形態)
次に、本発明の第1の実施形態について説明する。この第1の実施形態は、画像形成装置としてデジタル複写機1を得るための支持構造体である。
【0046】
特に、上述したデジタル複写機1を構成する各種構成要素、例えばスキャナ部2、画像形成部3、さらに記録材供給部4等を支持するための支持構造体の構成について説明する。つまり図4に示すデジタル複写機1における上記各種構成要素を支持する構造体について詳細に説明する。
【0047】
上述したようにデジタル複写機1は、スキャナ部2と、レーザ記録部である画像形成部3と、記録材供給部4の一部を構成する多段記録材供給部5のスリーユニット体にて構成されている。デジタル複写機1としては、少なくとも、スキャナ部2と画像形成部3とで構成できる。
【0048】
そのため、画像形成部3には、シートPに画像を再現するために、必要最小限、つまり一つの給紙トレイ42を備え、この給紙トレイ42より給送されるシートを搬送路41への送り込むための連通経路50を設ける。そのため、再供給搬送経路47、再供給トレイ48、及びその経路やトレイのシートを給送する搬送手段等は、基本構造より省かれる。
【0049】
そこで、図4において、多段記録材供給部5を連結する場合においては、両面画像形成の機能を付加するために、上述した再供給搬送経路47及び再供給トレイ48等を画像形成部3側に設ける。そのための、スペースをも画像形成部3側に確保されている。そして、反転搬送路53を多段記録材供給部5に設け、さらに連結搬送路50に連通する連通経路51等が設けられる。
【0050】
ここで、多段記録材供給部5は図3に示すように、画像形成部3の基本構成として備えられる給紙トレイ42とは別に、給紙トレイ43及び給紙トレイ44を個別に収容しており、上記給紙トレイ42とは別のサイズのシート給紙に対応させるようにしている。そのため、多数のシートへの画像の再現に対応できるようにして機能アップされる。
【0051】
そして、上部の画像形成部3における搬送経路41へと合流される垂直方向の連結搬送経路50に連通する連通経路51が、多段記録材供給部5側に設けられている。しかも、多段記録材供給部5には、再供給経路47に連通し、シートの反転搬送を行う時の反転経路53をも合わせて設けられている。これは、先に説明したように両面画像形成の機能を付加する場合には、反転経路53が形成される。
【0052】
上述したように、要望に応じてこのデジタル複写機1に対して多段記録材供給部5、再供給トレイ48、再供給搬送経路47を付加して機能アップさせることが可能になる。あるいは後処理装置7、自動原稿送り装置22などを追加することにより、所望する多彩な要望に答えられる複写システムを構成させることにもなる。
【0053】
なお、複写システムを要望に応じて展開させるシステム構成のユニットとしては、多段記録材供給部5の給紙部の数を異ならせたものを複数準備したり、後処理装置7としても、ステープル装置、紙折り装置、仕分け装置、穴開け装置、製本装置などを組み込んだ後処理ユニットとして準備されている。
【0054】
また自動原稿送り装置22としても、両面および片面原稿の両方に対応したものから、片面原稿のみに対応したもの、原稿を循環搬送させるものなど多くの原稿送り装置として準備されている。
【0055】
このようなシステム構成の中で、少なくともレーザ記録部である画像形成部3の主本体と、その主本体に対して結合される図4の例では多段記録材供給部5の他の本体とを組み合わせる。この組み合わせによる結合によるひずみ等の影響を防止するために、本発明は図1及び図2に示すように、断面がコの字形状に構成されてなるコの字型部材(以下、コの字型鋼材と称する)を組み合わせることにより上記画像形成部3を構成する各種構成要素、及び多段記録材供給部5の各種構成要素を支持する支持構造体を提供する。
【0056】
上記コの字型鋼材を骨幹として作製される支持構造体で確保される内部スペース内に、図4に示すようなデジタル複写機1を構成する各種構成要素が、それぞれ支持される。
【0057】
まず最初に、デジタル複写機1の基体となる図4に示したレーザ記録部を構成する画像形成部3の支持構造体について説明する。この画像形成部3は、その各種構成要素が、図1に示すコの字型鋼材を複数組み合わ、接合して形成された第1の支持構造体100にて確保される空間部(スペース)内に保持されるように設けられる。
【0058】
上記第1の支持構造体100は、例えば4本のコの字型鋼材を組み合わせて溶着等にて接合してなる前後枠体101,102とを、少なくとも上下部に4本連結用コの字型鋼材103〜106にて連結して構成されている。
【0059】
上記前後枠体101,102を連結する連結用コの字型鋼材103,104,105,106はそれぞれ互いに開口が対向するようにして組み込まれている。このような前後の枠体101,102、そして連結用コの字型鋼材103〜106にて支持構造体100が構成され、それぞれのコの字型鋼材を組み合わせて確保されるスペース内に、上述した画像形成部3を構成する各種構成要素が支持されるようになる。
【0060】
つまり上述した構成の第1の支持構造体100にて確保される上述したスペース内には、支持板、各種フレーム及び取付板等が設けられ、レーザ走査手段38、電子写真プロセス部30、搬送経路41、定着装置46、給紙トレイ42、排出ローラ49等が支持、配置される。また、画像形成装置として多数のシートサイズによる多様化、両面画像形成機能を満足させるために、上記スペース内に上述した構成要素を含めて、再供給搬送路47、中間トレイ48、それらに係る搬送手段等が配置される。そして再供給トレイ48、及び給紙トレイ42と搬送経路41を連通するための垂直の搬送経路50等が支持、配置することで、主本体である画像形成部3が構成される。この装置そのもので、記録材に画像を再現できる画像形成機能(プリント機能)を備え、画像形成装置(プリンタ)となる。
【0061】
ここで、画像形成部3の中でも、特にレーザ走査ユニット38と電子写真プロセス部30の感光体ドラム31表面との位置関係は、記録再現される画像のひずみなどの点から相互間の位置精度を有する必要がある。そのために第1の支持構造体100等のひずみの影響が少なく、所定の位置関係が保てるように、レーザ走査手段38と電子写真プロセス部30は同一支持構造体100のスペース内に位置決められて保持されている。
【0062】
また、第1の支持構造体100の上面側には、スキャナ部2を構成する各種構成要素、つまり光学的走査手段23等を含めた各種構成要素を支持する第2の実施形態において説明する支持構造体が搭載される。そのため、第1の支持構造体100の前側枠体101と後側枠体102の上面部分に図2に示すようにスキャナ部2の底面の一部が当接支持されるようにして設けられる。これにより、デジタル複写機1の全体が構成される。
【0063】
図2を参照して、本発明による支持構造体100を構成する前後枠101,102の接合、及び連結用コの字型鋼材103〜106の接合関係について、詳細に説明する。また、図2の上側円は、図1の支持構造体100の上側円で囲った部分の詳細を示している。
【0064】
図2の上側円において、支持構造体100を構成する基本となる前後枠体101,102を、コの字型鋼材101a〜101d、102a〜102dを組み合わせて構成する場合、上のコの字型鋼材102aの凹部内面に、他のコの字型鋼材102dの上方向の端部が当接するようにして接合される。尚、図1、図5、及び図6における他のコの字型鋼材102dの下方向の端部の接合構造の変形例として、他のコの字型鋼材102dの上方向の端部と同様に、図2の下側円に示す様に下のコの字型鋼材102bの凹部内面に、他のコの字型鋼材102dの下方向の端部が当接するようにして接合されても良い。
【0065】
つまり、他のコの字型鋼材102dの上方向の端部は、コの字型鋼材102aの凹部内面に合致(嵌まり込む)する形状に切断されており、その凹部内面の全域(全周)に当接する状態で接合される。更に、他のコの字型鋼材102dの上方向の端部と同様に、他のコの字型鋼材102dの下方向の端部をも下のコの字型鋼材102bの凹部内面に当接して接合すれば、コの字型鋼材102dの所定の長さL1に切断加工し、上下の平行なコの字型鋼材102a,102bに接合した状態での全体の長さL2を所定の関係をもって確保できる。すなわち上記他方のコの字型鋼材102dの長さL1が決まれば、自ずと平行なコの字型鋼材102a,102bを組み合わせた時の全体での距離L2が一定の関係を保つことができる。
【0066】
この上下での接合は、図2では一つの隅において図示しているが、四隅全てにおいて同様に関係をもって行われても良い。これにより前後の枠体101,102を構成するコの字型鋼材同士が平行な関係を保って組み立てを行なえる。
【0067】
そして、前後の枠体101,102を連結する連結用コの字型鋼材103〜106の接合においては、図2に示すようにコの字型鋼材102dの上下を一部切り欠き、それぞれの連結用コの字型鋼材105,106を嵌め込むようにして接合させている。このようにして、互いにコの字型鋼材の接合部分を充分に確保でき、その接合部を溶接等にて結合すれば、結合による充分な機械的な強度を確保できる。
【0068】
また、上述したような構成の支持構造体100において、図2に示すように距離L2を正確に確保でき、また上下のコの字型鋼材101aと101b,102aと102bを平行は位置関係を保つことができると同時、それらを結合させた時の機械的な強度を確保できる。さらに、強度を補強できる態様を説明する。
【0069】
つまり、支持構造体100にて確保されるスペース内に画像形成部3を構成する各種構成要素を支持するための支持部材を設ける必要がある。その支持部材として、図1に示すように支持用のコの字型鋼材107a、107b,108a,108b等を設け、これを前後の枠体101,102に溶接等にて結合(固着)する。これにより、支持用コの字型鋼材107a,107b,108a,108bにて支持構造体100の機械的な強度の補強が合わせて行える。
【0070】
次に、画像形成部3の下方に配置される多段記録材供給部5の基体となる第2の支持構造体、つまり図3に示す多段記録材供給部5を構成する各種構成要素を支持すための第2の支持構造体110の構造について説明する。
【0071】
多段記録材供給部5も、該供給部を構成する各種構成要素が、図1に示しているように、コの字型鋼材を複数組み合わせ、それぞれを溶着して接合されてなる第2の支持構造体110にて確保されるスペースに収容され、支持される構成となっている。
【0072】
この第2の支持構造体110は、上述した第1の支持構造体100と同様に4本のコの字型鋼材を矩形形状に接合した前後の枠体111,112とを、下部にて2本の連結用のコの字型鋼材113,114にて連結して構成されている。このように構成される支持構造体110にて確保されるスペース内に上述した各構成要素が支持されている。つまり、支持構造物110の各コの字型鋼材にて囲われるスペースで確保される部分には、後に説明する支持板や、その他のフレーム、あるいは取付板等にて、供給部5を構成する構成要素である給紙トレイ43,44、およびシート搬送経路51や反転搬送経路を構成する経路53等が支持、配置され、多段記録材供給部5を構成している。
【0073】
なお、両面画像を形成する場合には、上述したように反転搬送経路53を設ける。しかし、両面画像形成機能を必要としない場合には、反転搬送経路53は設けられない。
【0074】
そこで、上記第2の支持構造体110を構成する前後枠体111,112の上部コの字型鋼材111a,112aの上面側には、レーザ照射ユニット38を含めた画像形成部3の基体である第1の支持構造物100の下部の一部が当接して結合されるように4カ所に凹部60が設けられている。この4カ所の凹部60に対応して、上部の第1の支持構造体100側には、両支持構造体を結合するために設けられた結合用のコの字型鋼材109a,109bが設けられている。このコの字型鋼材109a,109bは、前後枠体101,102の下部コの字型鋼材101b,102bに形成された凹部に嵌め込まれて結合されている。
【0075】
従って、上記第2の支持構造体110の前後枠体111,112の上部のコの字型鋼材111a,112aに設けられた凹部60は、上述したの第1の支持構造体100の連結用コの字型鋼材109a,109bが嵌まり込むような大きさに形成されている。そして、凹部60に上記連結用コの字型鋼材109a,109bを嵌め込み、互いに接合した部分を溶接等にて結合させる。
【0076】
その状態を図3に示している。この場合、上下の第1及び第2の支持構造体100,110の上下で相対向するコの字型鋼材101b,102bと、111a,112aと平行状態のものを直接結合させることなく、互いが直交する関係のもの同士を結合するようにしている。そのため、第1の支持構造体100側において、結合用コの字型鋼材109a,109bを設け、これと直交する第2の支持構造体110のコの字型鋼材111a,112aに形成される接合部である凹部60に嵌め込み、この部分を結合している。
【0077】
このように構成することで、上下の第1の支持構造体110,110との接合部分をできるだけ少なくすることができる。これは、互いを結合して一体型の支持構造体10を構成する時に、各支持構造体100,110との間に及ぼすひずみなどの影響を極力低減させ、それらに支持される各種構成要素による位置ずれ等をなくし、信頼性の高いデジタル複写機1を提供できる。
【0078】
これは、第1の支持構造体100を構成するコの字型鋼材と、第2の支持構造体100を構成するコの字型鋼材の互いに平行なもの同士、例えば上述したようにコの字型鋼材101bと111aとが長手方向に渡って広い領域で直接当接し結合されれば、以下のような不具合が生じる。つまり、このような構成とすれば、それぞれの支持構造体100と110を溶接等にて結合(溶着)させる時に、互いの支持構造体100と110に無理な力が働き、最悪の場合には支持構造体100及び110に捩れや、歪みが発生する。その結果として、一方の支持構造体100もしくは110に所定の関係を保って支持された各種構成要素の位置関係に大きく影響(ひずみ)し、画像形成装置においては、画像ずれ、シートずれ等による画質不良が発生する。
【0079】
この点、本発明においては、第1及び第2の支持構造体100,110を上下に組み合わせ接合する時には、上述した通りコの字型鋼材を互いに直交する関係で位置付けて、接合させるようにしており、上述した不具合を解消できる。つまり、接合部分が非常に少なくなるため、互いに及ぼす歪み等の影響が極力抑えられ、ひずみを防止する効果が、コの字型鋼材を骨幹とすることを含めて助長できる。
【0080】
ここで、第1及び第2の支持構造体100,110を互いに結合する場合、両者を位置決めする必要がある。そのため、第2の支持構造体110側のコの字型鋼材111a,112aに設けられた凹部60を位置決め部材として利用できる。そして、第1の支持構造体100のコの字型鋼材109a,109bにも、同様の切り欠きを形成し、それらが嵌め込まれて位置決めされるようにしている。
【0081】
特に、図5には、図2における第1及び第2の支持構造体100,110を接合し、一体化された状態を示すもので、さらに上述のコの字型鋼材109a,109bとコの字型鋼材111a,112aの凹部60との接合部の断面、つまりA−A線の断面を示している。図5(a)は第1及び第2の支持構造体100,110とを接合させる状態を、図4(b)は接合された後の結合状態を示している。
【0082】
図に示すように、第1の支持構造体100側の接合用コの字型鋼材109b(109a)に、第2の支持構造体110側のコの字型鋼材111a,112aに設けられた凹部60に対応して、切り欠き61が形成されている。この切り欠き61は、コの字型鋼材109b(109a)の両端部に形成されており、コの字型鋼材111a,112aの幅(d)に一致するように形成されている。また、凹部60においても、結合用コの字型鋼材108(107)の幅に一致するように形成されている。
【0083】
このようにして、第1の支持構造体100の結合用コの字型鋼材109b(109a)の切り欠き61に、第2の支持構造体110のコの字型鋼材111a,112aの凹部60に図4(b)に示すように嵌合させる。これにより、両者の位置関係が保たれた状態で接合される。この接合された状態で、その接合部を溶接等にて直接結合させるか、あるいは他の連結部材を設けて溶接等にて結合し、複数のシートサイズに適用できる画像形成装置を構成する一体型の支持構造体10を完成できる。
【0084】
そして、第1の支持構造体100の上部には、スキャナ部2が搭載されるようになっており、これにより各ユニット毎に位置精度が確立されたデジタル複写機1がシステムとして完成する。
【0085】
以上説明したように、例えばデジタル複写機1を構成する図4にて説明した各種構成要素を収容し、支持するために構成される分離構成されてなる第1の支持構造体100と、第2の支持構造体110を、複数のコの字型鋼材を組み合わせて構成し、互いを結合することで一体型支持構造体10を得ると共に、第1及び第2の支持構造体100,110を結合させる場合に、その各支持構造体同士の接合部をできるだけ少なく抑えることで、第1及び第2の支持構造体同士に及ぼす、捩れや、歪み等の発生を抑えてることができる。
【0086】
この実施形態においては、画像形成部3の基体となる第1の支持構造体100と、多段記録材供給部5の基体となる第2の支持構造体110とについて説明しているが、上述したように複写システムを構成するためにその他多くのユニットが準備されている。そのため、これらのユニットを分離してなる支持構造体についても応用が可能である。
【0087】
また、画像形成部3の第1の支持構造体100のコの字型鋼材と、多段記録材供給部5の第2の支持構造体100のコの字型鋼材との中で、対向すると共に互いに直交する関係にあるもの同士を接合させるように、互いを結合させるように説明した。しかし、極力当接する面積を抑えるようにコの字型鋼材同士が当接するようにすればよい。
【0088】
本発明の第1の実施形態においては、第1の支持構造体100に図4に示す画像形成部3及びシートPの供給部4の一部を構成する各種構成要素を支持するようにしておけば、少なくとも画像形成装置のプリント機能を充分に達成できる。そのため、上記支持構造体100において、図2にて説明したようにコの字型鋼材を組み合わせ、接合させることで各コの字型鋼材、例えば101a,101b等の平行関係及びその間隔L2を位置精度を確保でき、また組わ合わせて構成された支持構造体の機械的な強度を充分に確保できる。これにより、レーザ照射ユニット38及び感光体31等の位置精度を確保できる。
【0089】
しかも、コの字型鋼材においても、角パイプと同様の機械的な強度を確保できる。さらに、画像形成部3を構成するための各種構成要素を支持するための支持部材を構成するコの字型鋼材107,108等を設け、上記支持構造体100に固着することで、さらなる機械的な強度を確保でき、高速処理対応の支持構造体を得ることができる。
【0090】
(本発明の第1の実施形態による他の態様)
ここで、本発明のデジタル複写機1を構成する各種構成要素を収容し支持するための図1及び図3に示す第1及び第2の支持構造体100,110を構成するコの字型鋼材は、特に一面が開口された状態となり、その開口に対向した凹部のスペースを有している。そのスペース部を利用して、以下に示すような案内部材を設けることで、各種構成要素を移動可能に支持することが可能となる。
【0091】
そのため、連結用コの字型鋼材103〜106、そして支持用コの字型鋼材107a,107b,108a,108bは、それぞれ開口が支持構造体100,110が確保する支持スペース内に向くように設けられている。
【0092】
それを利用して、画像形成装置を構成する各構成要素を移動可能に設けるための案内部材の一部を構成することができる。つまり、図1及び図2において、支持構造体100,110を構成するコの字型鋼材の一部を用いて、画像形成部3、多段供給部5を構成する各構成要素の一部をユニット化し、そのユニットを移動可能に設ける。
【0093】
そこで、第1の支持構造体100を例に説明する。そのために、図6に示すように、支持構造体100を構成する前後の枠体101,102を連結する連結用コの字型鋼材104、106を定着装置46、搬送路41等を含むシートの搬送経路からなる搬送ユニット62を引き出し可能にする案内手段として利用している。つまり、上記搬送ユニット62の両端部(シート搬送方向における前後に対応する両端部)が上記コの字型鋼材の凹部スペース内で支持される。そのため、上記コの字型鋼材104,106の凹部のスペースを利用して案内部材を構成するプーリや、コロ70を設け、該コロ70等に、上記搬送ユニット60の両端部を支持させるようにし、必要に応じて引き出し可能に設ける。このような構成としておけば、搬送路41、電子写真ブロセス部30の感光体31と対向する転写位置、転写後のシートを定着装置46を経て排出する搬送経路を画像形成装置の外部へと引き出すことが可能となる。そのため、その搬送経路でのジャムシートの除去が非常に簡単になる。
【0094】
このようなユニット62ではなく、給紙カセット42、必要に応じて設けられる中間トレイ48を含むものをユニット化し、この給紙ユニットを上述したコの字型鋼材104,106に設けた案内部材のコロ70等に引き出し可能に支持させるようにすることもできる。従って、上記案内部材であるコロ70等を設けるスペースがコの字型鋼材の凹部スペースで確保されており、各種構成要素を支持するために支持スペースを確保する支持構造体100の支持スペースを有効利用でき、案内部材を確保するスペースが別に必要とならず、支持構造体100自身が大きくなることはない。
【0095】
しかも、支持構造体100を構成する上部の連結用コの字型鋼材103を利用し、またこれと対向するように別途支持用のコの字型鋼材103aを前後の枠体101,102の上部コの字型鋼材101a,102aに固着する。このコの字型鋼材103aは、凹部が連結用コの字型鋼材103の凹部に対向するように設けている。
【0096】
そして、上記連結用コの字型鋼材103と、対向する支持用コの字型鋼材103aの凹部に案内部材であるコロ等を設け、例えばユニット化されているレーザ照射ユニット38の両端部を支持するようにする。これにより、簡単に画像形成装置より引き出し可能となる。そのため、ユニット内の光学手段等の清掃や交換等を簡単に行えるようになる。
【0097】
また、連結用コの字型鋼材105に対向するように支持用コの字型鋼材105aを上述した支持用コの字型鋼材103aと同様に隣接して設け、これらの凹部のスペースに案内手段である支持用のコロ71を設ける。そして、レーザ照射ユニット38からのレーザビームを電子写真プロセス部30の感光体31に反射する固定用の反射ミラーを含めて上記電子写真プロセス部30をユニット化したプロセスユニット63の両端部を上記コロ71に支持させる。これにより、上述したようにプロセスユニット63を引き出し可能にできる。また、プロセスユニット63を交換可能にできる。このプロセスユニット63としては、通常、感光体31、帯電器32、現像部33、及びクリーニング部36であり、転写器34及び剥離器35は、上述した搬送ユニット62側に設けられる。
【0098】
なお、図6において支持構造体100には、先に説明したように別途他の支持用コの字型鋼材107a,107b、108a,108bが、それぞれ対向するように設けられている。その支持用コの字型鋼材107a,107b、108a,108bの凹部にも案内部材を構成するコロ72,73等を設け、画像形成部3を構成するたの構成要素の単体、あるいはユニットを引き出し可能に支持できる。
【0099】
上記支持用コの字型鋼材107a,107b及び108a,108bにおいては、支持構造体100の補強用としての役割を果たすことは上述した通りであり、同時に各種構成要素を支持する手段としても凹部スペースを利用できる。また、画像形成部3を構成する一部をユニット化し、そのユニットを引き出し可能に支持する場合の案内部材を設けるスペースとして利用でき、引き出しを容易にするためにも、コロ70〜73等を設けるスペースを確保できる。そのための余分なスペースを準備する必要がなくなり、軽量化及び小型化に貢献できる。
【0100】
以上は、第1の支持構造体100による画像形成部3の各構成要素を支持する場合の一例を説明した。次に図7を参照に下部に設けられる第2の支持構造体110側での給紙ユニットの支持構成について説明する。
【0101】
図7において、第2の支持構造体110を構成する連結用コの字型鋼材113,114の凹部のスペースに案内部材であるコロ75を設ける。そして、下部の給紙トレイ44、給紙手段等を含む下段給紙ユニット64の端部に案内部材64a等を設け、その案内部材64aをコロ75に支持させる。これにより上限給紙ユニット64を引き出し可能に設け、シートのジャム処理、シートの補充等を簡単に行えるようにできる。
【0102】
また、上部の給紙トレイ43、給紙手段を含む上段給紙ユニット65を支持するために、支持構造体110を構成する前後の枠体111,112に別途支持用コの字型鋼材115〜118を固着し、それぞれに案内部材であるコロ76,77等を設ける。そして、上段給紙ユニット65の端部に設けた案内部材65aをコロ76等に支持させることで、上記下段給紙ユニット64とは別に上段給紙ユニット65を引き出し可能にできる。
【0103】
上記支持用コの字型鋼材115〜118を固着することで、支持構造体110の強度が補強されることは、画像形成部3にかかる第1の支持構造体100と同様であり、同時にその凹部で確保されるスペースを用いて各種構成要素を支持するための案内部材であるコロ75,76等を設け、別途スペースを確保する必要がなくなる。
【0104】
よって、本発明による支持構造体100,110においては、骨幹を成すコの字型鋼材の開放される凹部スペースを利用して支持手段や案内部材の一部を設けることが可能となり、特別に支持手段や案内部材のためのスペースを確保する必要がなくなるため、支持構造体自身が大きくなることもなく、画像形成装置が大きくなるのを同時に阻止できる。しかも、支持用コの字型鋼材を別途設けることで、支持構造体100,110の補強ともなる。この場合、各種構成要素を支持するためのものであるため、支持構造体を大きくする必要もない。
【0105】
(本発明の第2の実施形態)
以上説明した第1の実施形態においては、複数の異なるサイズのシート給紙を可能にする多段記録材供給部5を画像形成部3と別構成とした支持構造体の事例を説明した。
【0106】
次に、本発明の第2の実施形態として、画像形成装置としてスキャナ部を備えるデジタル複写機1の支持構造体について説明する。すなわち、画像形成装置そのものとしては、上述した第1の実施形態にて説明した支持構造体100等をそのまま用いる。そして、スキャナ部2を構成する各構成要素を支持するための支持構造体の特徴について説明する。
【0107】
そこで、上述した画像形成装置の画像形成部3にかかる各構成要素を支持する第1及び第2の支持構造体100,110を結合してなる一体型支持構造体10上に設けられる支持構造体について説明する。この支持構造体は、スキャナ部2単体でも構成可能であって、画像形成装置本体とは別体で設けられる。そして、必要に応じて画像形成装置本体に結合することで、デジタル複写機1を作製することが可能となる。
【0108】
ここで、スキャナ部2においては、透明な原稿載置台21上に載置される原稿の画像を読取るためにCCD20及びレンズ20a等からなる読取ユニット20Uを備え、該ユニット20UのCCD20の受光面に原稿の画像を結像するようにしている。そのため、CCD20までに至る原稿からの反射光の光路がずれることなく、先に説明した第1及び第2走査部材26,29等を原稿載置台21に対して平行に移動させることで、原稿の画像を光学的に走査できる。またCCD20及びレンズ20a等を構成する読取ユニット20Uを支持する支持体を振動やずれ等、また歪みや捩れ等ない部分に固定支持する必要がある。
【0109】
そのようなことを達成するたるためのスキャナ部2の支持構造体の構造について以下に詳細に説明する。ここでは、スキャナ部2としては、原稿の画像を光学的に読取ユニットを構成するCCD20等に結像する構成を例に説明する。しかし、このようなスキャナ部に限るものではない。
【0110】
図8には、スキャナ部2を構成する各種構成要素を支持するめの空間(スペース)を確保してなる支持構造体200の一例を示している。またこの支持構造体200にスキャナ部2を構成する各構成要素である第1走査部材26、第2走査部材29、及びレンズ20aとCCD20からなる読取ユニットである光学的走査手段23を実際に支持した状態を図9に斜視図で、図10にその平面図で示している。
【0111】
図8において、上述した光学的走査手段23を支持するための支持構造体200は、4本のコの字型鋼材を組み合わせて構成される両側の枠体201及び202を、上部で2本の連結角パイプ203及び204を連結し、結合させ、光学的走査手段23を構成する各種構成要素を収容支持するための空間、つまり収容スペースを確保している。
【0112】
そして、支持構造体200は、さらに光学的走査手段23を構成する第1及び第2の走査部材26,29を直接、または間接的に支持するために、両側枠体201,202間にそれぞれ平行に結合された2本のコの字型鋼材205,206と、その支持用コの字型鋼材205と206との間に結合されてなる読取ユニット20Uを直接又は間接的に支持するための支持用コの字型鋼材207を設けて構成されている。
【0113】
上記支持用コの字型鋼材205及び206は、上述したように光学的走査手段23の第1及び第2の走査部材26,29を支持するために設けられたものであって、支持用コの字型鋼材207は、読取ユニット20Uであるレンズ20a及びCCD20を支持するためのものである。
【0114】
つまり、図9及び図10に示すように、第1及び第2の走査部材26,29を支持用コの字型鋼材205,206の上面で支持している。第1及び第2走査部材26,29は、支持用コの字型鋼材203,204上面をスムースに移動できるように、例えばコロ等の部材26a,29aを設けている。そして、第1及び第2走査部材26,29を同一方向に走行駆動させるために、駆動用のワイヤ80が両側枠体201,202に回転可能に支持されるプーリ81,82等にて張架され、その張架されるワイヤ80を駆動するために駆動プーリ83が、例えば支持用コの字型鋼材203,204に設けられた支持部材(図示せず)に回転可能に軸支された駆動軸に固着され、図示しない駆動モータ等の回転力を駆動プーリ83に伝達している。
【0115】
また、第2の走査部材29につては、第1の走査部材26の走行速度Vに対して、V/2の速度で走行駆動されるようにするために、回転可能にプーリ84を設け、該プーリ84を含む上述した各プーリ81,82,83にワイヤ80を適宜巻回し、第1の走査部材26にワイヤ80の途中を固定している。このな構成は周知のことであって、本発明の特徴そのものではなく、駆動プーリ83が正転駆動されると、第1走査部材26を速度Vにて図10において右方向に、そして同一方向に第2走査部材29が速度V/2で走行駆動される。
【0116】
このような構成において、第1及び第2の走査部材26,29は、支持構造体200を構成する支持用コの字型鋼材205,206に支持され、図10に示すように原稿載置台21上に載置される原稿を光学的に走査することができる。そして、その走査により、支持用コの字型鋼材207に固定された読取ユニット20UのCCD20に、その前面に設けたレンズ20aを介して結像し、画像を光学的に読取走査することができる。
【0117】
上記原稿載置台21は、図示していないが、他の支持手段を介して支持構造体200を構成する連結用コの字型鋼材203,204等の上部に支持される。
【0118】
ここで、スキャナ部2においては、画像を読取るためのCCD20を含む読取ユニット20Uと、原稿の画像を光学的に走査する第1及び第2走査部材26,29との位置関係を精度よく保つことが重要となる。つまり、原稿を走査する第1及び第2の支持部材26,29が、支持用コの字型鋼材205,206の支持面上を走行する時に、その支持面の歪み等が生じれば当然、走査光路のブレ等が生じて正確な読取りを行えなくなる。
【0119】
また、本実施形態においては、支持用コの字型鋼材205,206の上面で直接第1及び第2の走査部材26,29を支持するように説明したが、該支持用コの字型鋼材205,206に第1及び第2の走査部材26,29を支持するために別構成の支持手段を設けるような場合において、上記支持用コの字型鋼材205,206の歪み等が生じていれば、当然その歪みによるぶれ等が生じる。これは、支持用コの字型鋼材207においても同様である。
【0120】
以上のようにしてスキャナ部2を単体で構成するための支持構造体200を得ることができ、この支持構造体200は、位置精度を要求される例えば第1や第2走査部材26,29、さらに読取ユニット20U等を支持する支持用コの字型鋼材205,206,207等を基準にして組み付けられる。そのため、歪み等の影響を受けることなく、所定の位置関係を維持して、各種構成要素を支持でき、読取りを良好に行い、その精度を向上できる。
【0121】
図9及び図10に示すように光学的走査手段23を構成するための各構成要素を収容し、支持するための支持構造体200によれば、先に説明したように原稿を光学的に走査するために、第1及び第2の走査部材26,29を走行支持するための基準となる支持用コの字型鋼材205,206に直接支持させるような例を説明した。このような場合、支持構造体200を構成する支持用コの字型鋼材205,206の上面にコロ等の支持部材26a,29aを介して上記第1及び第2の走査部材26,29を支持するため、支持用コの字型鋼材206,207の支持面に歪みが生じていないようにする必要がある。
【0122】
そのため、コの字型鋼材を製造するにあたっては、図11(a)に示すように、平板Hを把持しておき、型に合わせて両端部を順次曲げながらコの字型の鋼材として形成している。
【0123】
コの字型の鋼材が有する複数の面の中でも加工の工程、あるいは機械の特性において、その形成される面における平面精度が異なり、ひずみが発生しやすい(ひずみが大きい)面と、ひずみが発生しにくい(ひずみが小さい)面とに分けられる。
【0124】
例えば、加工後のコの字型鋼材の有する平面の中で、図11(b)に示すように両腕部分HA,HBの平面は、他の平面HCと比較してひずみも少なく、高い平面精度の要求にも対応できる面として加工することが可能である。そして、両腕部分HA,HBの中間に位置する平面HCは、他の面HA,HBに比較してひずみが大きいものの両腕部分HA,HBが曲げられたことで、経時的な変化が少ない(強度的に強度)といった特徴を有している。
【0125】
従って、本発明においては、コの字型鋼材の有する複数の平面部HA,HB,HCのながでも、その平面部HA,HB,HCが有するそれぞれの特徴を活かし、スキャナ部2の特に各種構成要素を支持する支持面として考慮するようにしている。
【0126】
図9及び図10を参照してさらに詳細に説明すれば、スキャナ部2を構成する各種構成要素の中で、第1及び第2の走査部材26,29は、支持される支持用コの字型鋼材205,206の曲げ加工により形成された腕部分の平面部HA又はHBに走行可能に支持される。従って、第1及び第2の走査部材26,29による原稿の光学的な走査時にひずみによるブレ等が大きく軽減され、読取り精度を向上できる。
【0127】
そして、支持用コの字型鋼材207の曲げ加工により形成された腕部分HA,HBの間にある平面部HCには、上記第1及び第2の走査部材により走査された光像をCCD20に結像するレンブ20aを含めた読取ユニット20Uを固定支持するようにしている。この支持においては、固定されているため、平面部HCの平面精度等はそれほど要求されず、走査される第1及び第2走査部材との位置関係を経時的に維持できれば十分である。この点、支持コの字型鋼材207によれば、平面部HCを用いて上記読取ユニット20Uを固定支持するため、位置調整が行われた状態で固定支持される。そして、その位置変動は経時的にも防止することが可能となり、常時良好なる読取精度を維持できる。
【0128】
また、支持用コの字型鋼材205,206の上面で、第1及び第2の走査部材26,29をコロ26a,29aを介して支持させるようにしているが、上記上面の背面側にもコロを設けて挟持させるようにすれば、走行時にぶれ等がさらに軽減され良好なる走査が可能になる。この場合、支持用コの字型鋼材205,206の凹部スペースを利用できる。
【0129】
なお、スキャナ部2の各種構成要素を支持する支持構造体200においても、支持用コの字型鋼材205,206等を個別に固着しているため、支持構造体200自身の補強用となり、原稿の画像を光学的に読取るための第1及び第2の走査部材26,29が走行され時の強度を十分に確保させることが可能となる。しかも、補強用となると同時にその部分を支持部材として利用できるため、支持構造体200による収容スペースを十分に確保した状態においても、支持構造体自身が大きくなることはない。
【0130】
(スキャナ部と画像形成部とを備えた複写機の支持構造体)
特にスキャナ部2においては、画像形成部3とは分離した状態で設けられる形態を説明した。そのため、互いの位置関係は要求されない。しかし、スキャナ部2が画像を光学的に読取るCCD20等の読取ユニット20Uの構成ではなく、原稿の画像を直接感光体31へと照射する構成においては、その互いの位置関係を保持する必要がある。そのため、画像形成部3の支持構造体100と、スキャナ部2の支持構造体200とを組付け、結合する時に生じる歪みをなくすようにすることが要求される。
【0131】
これは、本発明の第1の実施形態において説明した通りであり、支持構造体100,200の骨幹を構成するコの字型鋼材との接合部分をできるだけ少なくすることを配慮すればよい。
【0132】
そのため、図12に示すように、画像形成部3を構成するための各構成要素を収容に支持するための空間(スペース)を確保してなる支持構造体100に対して、スキャナ部2を構成する支持構造体200側に位置決めのための切り欠き68を形成しておく。この切り欠き68は、支持構造体200を構成する両側枠体201,202の下部のコの字型鋼材201a,202aに端部に形成されている。そして、切り欠き68は、画像形成部3を支持するための支持構造体100を構成する前後枠体101,102の上部コの字型鋼材101a,102aの幅に対応した大きさに形成されている。
【0133】
従って、支持構造体100上に上部のスキャナ部2にかかる支持構造体200のコの字型鋼材201a,202aの切り欠き68を、コの字型鋼材101a,102aに合わせて組み込む。これにより、両者が位置合わせされ、この状態で両者を結合させる。また、支持構造体100と下部の支持構造体110との位置合わせ及び結合は、第1の実施形態において説明した通りである。
【0134】
このようにして接合し、互いを結合する時の接合部分を最小限にでき、組み立て時における互いの影響を極力なくし、結合時に生じる歪みや捩れ等を極力小さくできる。もし、支持構造体200と下部の支持構造体100とのコの字型鋼材同士、互いに長手方向に平行な関係で結合されるようになれば、広範囲で結合されることになるので、互いの支持構造体200,100の結合時に無理な力が働いて、互いに影響しあい、大きな歪みや、捩れとうが発生することが考えられる。そのため、支持構造体200側が歪み、折角の第1及び第2の走査部材26,29や読取ユニット20UのCCD20等の維持された位置関係が崩れるだけでなく、支持構造体100側との位置関係も大きく崩される結果となる。
【0135】
しかし、図12に示したように、互いのコの字型鋼材が直交するように接合させた後、結合させることで、上述した不具合を解消し、スキャナ部2における位置関係を崩すことなく、下部に組付けられる画像形成部3の支持構造体100との位置関係をも崩すことがなくなる。
【0136】
以上のように、画像形成部3を構成する各構成要素を支持する支持構造体100と、スキャナ部2を構成する各種構成要素を支持する支持構造体200とを互いに結合させることで、一つの一体型の支持構造体を作製できる。そして、その組み立て時に、互いの接合面積を小さくしているため、互いの支持構造体100,200の歪み等を極力抑制でき、それぞれの位置関係を一定に維持した状態で一体型支持構造体を作製できる。
【0137】
【発明の効果】
本発明の画像形成装置により支持構造体によれば、コの字型鋼材を用いても高速処理対応する強度を充分に得ることができる。
【0138】
また、画像形成装置を構成する各種構成要素を支持するための支持用コの字型鋼材をさらに支持構造体に結合させることで、さらに強度補強を行え、そのための特別な部材を設ける必要がないため、上記構成要素を支持、収容するスペースを充分に確保、支持構造体全体が大きくなることもない。
【0139】
そのため、支持構造体自身が大きくならず、支持構造体全体の軽量化を行え、これに伴い装置の小型化、及び軽量化によるコスト低減が可能になる。
【0140】
さらに、支持用コの字型鋼材の凹部スペースを利用して案内部材等を設けることで別途スペースを確保することなく、支持構造体を大きくすることなく、構成要素単体、また構成要素を組み合わせたユニット化したユニットを移動可能に案内支持できる。
【0141】
そして、画像読取を行うスキャナ部においても、原稿の画像を光学的に読取り走査する光学走査手段を支持する支持用コの字型鋼材を支持構造体に結合させることで、光学走査手段の走行駆動に耐える機械的強度を確保できる。
【0142】
このコの字型鋼材の平面精度を確保できる部分を光学走査手段の支持面として利用することで、読取精度が低下することもなく、良好なる読取精度を常時維持させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を説明するためのもので、画像形成装置を構成する各種構成要素を支持するための第1の支持構造体と第2の支持構造体とを接合して構成する一体型の支持構造体を作製するための斜視図である。
【図2】第1の支持構造体にかかるコの字型鋼材を組み合わせる図1の円で囲った部分の詳細を示す本発明の第1の実施形態を説明するための拡大図である。
【図3】図1における第1及び第2の支持構成体を接合し、一体型の支持構成体を構成した状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の画像形成装置としてデジタル複写機の構造、及び該複写機を構成する各種構成要素を説明するための構成図である。
【図5】図1において、第1及び第2の支持構造体の位置決め状態での接合関係を説明するためので、(a)は位置決め前の状態を、(b)は位置決め完了による接合状態を示す図である。
【図6】本発明による支持構造体の支持スペース内で支持される各種構成要素を引き出し可能に案内する支持構造の一例を示す図である。
【図7】本発明による支持構造体の支持スペース内で支持される給紙関係にかかる各種構成要素を引き出し可能に案合支持する構造の一例を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態を説明するためのもので、画像読取装置であるスキャナ部の各種構成要素を支持する支持構造体の構成を示す斜視図である。
【図9】図8に示す支持構造体に実際に画像読取装置であるスキャナ部の各種構成要素を支持した状態を示す斜視図である。
【図10】図9の斜視図に示される支持構造体の平面図である。
【図11】本発明にかかるコの字型鋼材の加工例の一例を説明するための図である。
【図12】本発明の第2の実施形態において、画像形成部を構成する支持構造体とを互いに結合させて一体型の支持構造体を作製するための斜視図である。
【符号の説明】
1 デジタル複写機(電子機器)
2 スキャナ部
20 CCD(読取素子)
20a 結像レンズ
20U 読取ユニット
26 第1の走査部材(光学走査手段)
29 第2の走査部材(光学走査手段)
3 画像形成部
30 画像形成プロセス部
31 感光体ドラム(読取部)
4 給紙部
41 搬送路
42 給紙トレイ
43 給紙トレイ
44 給紙トレイ
46 定着器
5 多段記録材供給部
100 第1の支持構成体
103〜106 連結用コの字型鋼材
103a,105a 支持用コの字型鋼材
107a〜108b 支持用コの字型鋼材
110 第2の支持構造体
113,114 連結用コの字型鋼材
115〜117 支持用コの字型鋼材
200 支持構造体(スキャナ部用)
201a 接合用の角パイプ
205〜207 支持用コの字型鋼材

Claims (5)

  1. 画像形成装置を構成するために必用となる各種構成要素を支持するために設けられる支持構造体において、
    上記支持構造体を断面がコの字形状で骨幹となるコの字型鋼材を複数組み合わせ、該コの字型鋼材にて囲まれるスペースを上記各種構成要素を収容支持するスペースとして確保してなる支持構造体であって、
    上記一方のコの字型鋼材端部が他のコの字型鋼材の凹部内面に嵌合する様に該一方のコの字型鋼材端部の対向する各壁一部を切断し、該一方のコの字型鋼材端部を他のコの字型鋼材の凹部内面全域に当接させて接合して、支持構造体を構成したことを特徴とする画像形成装置の支持構造体。
  2. 画像形成装置にかかる各種構成要素を支持する画像形成にかかる支持構造体に対して結合され、原稿の画像を光学的に走査するために走行駆動され、目的の位置に原稿の画像を結像するための光学走査手段を構成する各種構成要素を支持する支持構造体において、
    上記支持構造体は、それぞれが断面コの字形状に形成されてなるコの字型鋼材を複数組み合わせることにより構成し、上記各構成要素を収容し、支持するスペースを確保してなり、
    上記一方のコの字型鋼材端部が他のコの字型鋼材の凹部内面に嵌合する様に該一方のコの字型鋼材端部の対向する各壁一部を切断し、該一方のコの字型鋼材端部を他のコの字型鋼材の凹部内面全域に当接させて接合して、支持構造体を構成し、
    上記原稿を光学的に走査するために走行駆動される光学走査手段を支持する支持用コの字型鋼材を上記支持構造体に個別に結合してなることを特徴とする画像形成装置の支持構造体。
  3. 支持構造体は、第1の支持構造体及び第2の支持構造体を結合してなり、相互に平行な第1の支持構造体のコの字型鋼材と第2の支持構造体のコの字型鋼材にそれぞれの凹部を設け、第1及び第2の支持構造体のコの字型鋼材に直交する別のコの字型鋼材を第1及び第2の支持構造体のコの字型鋼材の凹部に嵌め込んで接合し、該別のコの字型鋼材を第1及び第2の支持構造体のコの字型鋼材間に介在させたことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置の支持構造体。
  4. 画像形成装置を構成するために必用となる各種構成要素を支持するために設けられる支持構造体において、
    上記支持構造体を断面がコの字形状で骨幹となるコの字型鋼材を複数組み合わせ、該コの字型鋼材にて囲まれるスペースを上記各種構成要素を収容支持するスペースとして確保してなる支持構造体であって、
    上記支持構造体は、第1の支持構造体及び第2の支持構造体を連結してなり、相互に平行な第1の支持構造体のコの字型鋼材と第2の支持構造体のコの字型鋼材にそれぞれの凹部を設け、第1及び第2の支持構造体のコの字型鋼材に直交する別のコの字型鋼材を第1及び第2の支持構造体のコの字型鋼材の凹部に嵌め込んで接合し、該別のコの字型鋼材を第1及び第2の支持構造体のコの字型鋼材間に介在させたことを特徴とする画像形成装置の支持構造体。
  5. 画像形成装置にかかる各種構成要素を支持する画像形成にかかる支持構造体に対して結合され、原稿の画像を光学的に走査するために走行駆動され、目的の位置に原稿の画像を結像するための光学走査手段を構成する各種構成要素を支持する支持構造体において、
    上記支持構造体は、それぞれが断面コの字形状に形成されてなるコの字型鋼材を複数組み合わせることにより構成し、上記各構成要素を収容し、支持するスペースを確保してなり、
    上記支持構造体は、第1の支持構造体及び第2の支持構造体を連結してなり、相互に平行な第1の支持構造体のコの字型鋼材と第2の支持構造体のコの字型鋼材にそれぞれの凹部を設け、第1及び第2の支持構造体のコの字型鋼材に直交する別のコの字型鋼材を第1及び第2の支持構造体のコの字型鋼材の凹部に嵌め込んで接合し、該別のコの字型鋼材を第1及び第2の支持構造体のコの字型鋼材間に介在させ、
    上記原稿を光学的に走査するために走行駆動される光学走査手段を支持する支持用コの字型鋼材を上記支持構造体に個別に結合してなることを特徴とする画像形成装置の支持構造体。
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