JP3586051B2 - デッキクロスメンバ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の車体に車幅方向にわたって補強部材として設けられるデッキクロスメンバに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の運転席前方における車体には、車体のねじり剛性を確保すると共にステアリングコラム等の艤装部品の支持を行なうためのデッキクロスメンバが車幅方向にわたって設けられている。図8に基づいて従来のデッキクロスメンバを説明する。図8には従来のデッキクロスメンバを備えた車体前部の概略構成を示してある。
【0003】
図に示すように、左右のフロントピラー1には取付具2がそれぞれ固定され、各取付具2にはデッキクロスメンバ3の両端部のブラケット4が取り付けられている。デッキクロスメンバ3は本体5がパイプ状をなして車幅方向に延び、本体5の両端部にブラケット4がそれぞれ溶接によって固定されている。車体に生じるねじり力は、デッキクロスメンバ3のブラケット4から本体5の外周面に伝わってねじり剛性が確保されるようになっている。
【0004】
また、デッキクロスメンバ3はステアリングコラム等の艤装部品の支持部材として用いられているため、艤装部品の支持剛性が確保できると共にねじり剛性も確保できる形状(径)になっている。ステアリングコラム等が配されることがない助手席側の本体5は艤装部品の支持剛性を確保する必要がないため、本体5の助手席側部5bは運転席側部5aに比べて小径に構成されている。これにより、軽量化を阻害することなく十分な剛性を確保したデッキクロスメンバ3とすることができる。
【0005】
また、デッキクロスメンバ3の本体5を、艤装部品の支持剛性及びねじり剛性の両方を確保できる構造、例えば上下に分割されたプレス成形品を接合した運転席側部5aと、ねじり剛性を確保できる構造の助手席側部5bとの2部材により構成し、運転席側部5aと助手席側部5bとを溶接により接合する場合もある。この場合、軽量化を阻害することなく十分な剛性が確保できると共に、運転席側部5aと助手席側部5bとを容易に製作することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来のデッキクロスメンバ3は、ブラケット4及び本体5により構成され、ブラケット4と本体5は溶接により接合されている。このため、構成部品が複数になって部品点数が多くなり、接合のためのコストも嵩んでしまう。また、軽量化の阻害を防ぐため、運転席側部5aと助手席側部5bの径を変えているが、パイプ状の本体5を異なる径に製作する加工は容易ではなく、十分な軽量化には至っていないのが現状である。
【0007】
一方、デッキクロスメンバ3の本体5を運転席側部5aと助手席側部5bとで個別に作製すれば、容易に両者を所望の径に作製することが可能であり、軽量化を阻害することなく十分な剛性を確保することが可能である。しかし、例えば上下に分割したプレス成形品で運転席側部5aを構成した場合、デッキクロスメンバ3の構成部品が大幅に増加すると共に、プレス成形品同士の接合及び運転席側部5aと助手席側部5bとの接合が必要になり、接合のためのコストや工数が更に嵩んでしまう。
【0008】
補強部材の部品点数を少なくする技術として、両端に平板状のブラケットを設け、ブラケットの間に管状のビーム部を連続一体的に形成したドア用インパクトビームが公知となっている(特開平4-238725号公報参照)。しかし、公知の補強部材は、ドアの曲げに対する補強部材であり、デッキクロスメンバとして用いた場合、車体のねじり力に対するブラケットの剛性が弱く、ねじり剛性を十分に確保することができないものである。
【0009】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、少ない部品点数で十分に剛性を確保することができるデッキクロスメンバを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための請求項1に係る本発明の構成は、本体が車両の車幅方向に延びると共に、前記本体の両端部が前記車両の運転席前方の左右の骨格部材に固定されるデッキクロスメンバにおいて、前記デッキクロスメンバは板金部材を一体に成形してなり、前記本体部を管状に成形すると共に、前記両端部に略コ字形に拡開したフランジ部を形成したことを特徴とする。デッキクロスメンバは、本体部とフランジ部が一体に成形されて部品点数が削減され、略コ字形に拡開したフランジ部により端部の剛性が確保され、車両に生じるねじり力は、骨格部材に固定されたフランジ部の拡開縁から一体に成形された管状の本体部に伝わり、ねじり剛性が確保される。
【0011】
また、請求項1に係る本発明では、前記フランジ部の車幅方向外側における前記両端部に延長面を形成し、前記フランジ部の開口縁部を互いに内側に折り曲げて開口縁を固定すると共に、前記延長面を曲げて前記開口縁が固定された前記フランジ部の端面に固定したことを特徴とする。これにより、デッキクロスメンバのフランジ部が完全に閉状態の箱型になり、フランジ部の剛性が更に高くなると共にねじり剛性が更に向上し、また、延長面が箱型のフランジ部の支えとなる。
【0012】
上記目的を達成するための請求項2に係る本発明の構成は、本体が車両の車幅方向に延びると共に、前記本体の両端部が前記車両の運転席前方の左右の骨格部材に固定されるデッキクロスメンバにおいて、前記デッキクロスメンバは板金部材を一体に成形してなり、前記本体部を管状に成形すると共に、前記両端部に略コ字形に拡開したフランジ部を形成したことを特徴とする。デッキクロスメンバは、本体部とフランジ部が一体に成形されて部品点数が削減され、略コ字形に拡開したフランジ部により端部の剛性が確保され、車両に生じるねじり力は、骨格部材に固定されたフランジ部の拡開縁から一体に成形された管状の本体部に伝わり、ねじり剛性が確保される。
また、請求項2に係る本発明では、前記フランジ部の車幅方向外側における前記両端部に延長面を形成し、前記延長面を曲げて途中部を前記フランジ部の端面に固定すると共に 、前記延長面の先端部を更に車幅方向外側に曲げて該延長面を前記骨格部材への取り付け部とすることができる。これにより、デッキクロスメンバのフランジ部が箱型になり、フランジ部の剛性が高くなると共にねじり剛性が更に向上し、骨格部材へ延長面を直接取り付けることができる。
【0013】
また、前記フランジ部の車幅方向外側における前記両端部に延長面を形成し、前記延長面を曲げて前記フランジ部の端面に固定することができる。これにより、デッキクロスメンバのフランジ部が箱型になり、フランジ部の剛性が高くなると共にねじり剛性が更に向上する。
【0014】
更に、デッキクロスメンバの本体部の運転席側の径を、助手席側の径に比べて大きくすることにより、軽量化を阻害することなくねじり剛性を確保することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1には第1実施形態例に係るデッキクロスメンバの斜視状態を示してある。尚、図示のデッキクロスメンバは、図8に示した車両の骨格部材である左右のフロントピラー1の取付具2に両端が固定されるものである。
【0016】
図示のデッキクロスメンバ11は、管状の本体部12と、本体部12の両端に一体に形成されフロントピラー1(図8参照)の取付具2(図8参照)に固定されるフランジ部13とからなっている。本体部12は板金部材が巻かれて縁部同士が溶接によって接合され、フランジ部13は本体部12の両端部に略コ字形に拡開して形成されている。また、本体部12の運転席側と助手席側とは径が異なって形成され、運転席側の本体部12の径が助手席側の本体部12の径に比べて大きくなっている。
【0017】
デッキクロスメンバ11を作製するに際しては、長尺平板状の板金部材をプレス加工により複数工程で徐々に曲げ加工していくことで管状に形成する。所定の形状に曲げ加工した後、両端部を拡開して平面状の底板部13aと底板部13aに連続した直角に立ち上がる側板部13bを備えるように略コ字形にプレス加工し、フランジ部13を形成する。その後、本体部12の部位を更に曲げ加工し、縁部同士を溶接により接合して本体部12とフランジ部13とが一体に成形されたデッキクロスメンバ11とする。
【0018】
尚、上記構成のデッキクロスメンバ11のフランジ部13は、平面状の底板部13aに連続して側板部13bを直角に設けるようにしたが、両端部の剛性を確保できる範囲で側板部13bの角度を変更することができる。また、底板部13aの形状は平面状に限らず、側板部13bの方向に反った形状にすることも可能である。また、底板部13aにビードや多数の穴を設けて剛性を高めるようにすることも可能である。
【0019】
上述したデッキクロスメンバ11は、各フロントピラー1(図8参照)の取付具2(図8参照)にフランジ部13の底板部13aがそれぞれ固定され、車体の車幅方向にわたる補強部材とされる。また、径が助手席側に比べて大きい運転席側の本体部12にはステアリングコラム等の艤装品が支持され、支持剛性が確保されている。
【0020】
また上述したデッキクロスメンバ11は、両端部が略コ字形に拡開して形成されたフランジ部13となっているため、両端部の剛性が十分に確保された状態になっている。車体に対するねじり力は、フロントピラー1(図8参照)側からフランジ部13に伝わり、底板部13a及び側板部13bを介して本体12の外周面に伝わる。このため、本体12とフランジ部13とが一体に成形されたデッキクロスメンバ11によって車体のねじり剛性が十分に確保される。また、本体部12の運転席側と助手席側との径を異径に形成したので、艤装品に対する支持剛性を確保した状態でねじり力に対する剛性が更に向上されている。
【0021】
上記構成のデッキクロスメンバ11によると、本体12とフランジ部13とを一体に成形したので、両端部の剛性及びねじり力に対する剛性を十分に確保した状態で構成部品を単品とすることができる。このため、両端部の剛性やねじり力に対する剛性を十分に確保して、デッキクロスメンバ11の作製コストを少なくすることができると共に全体の重量を低減することができる。
【0022】
図2に基づいて第2実施形態例を説明する。図2には第2実施形態例に係るデッキクロスメンバの斜視状態を示してある。尚、図示のデッキクロスメンバは、第1実施形態例のデッキクロスメンバ11と同様に、図8に示した車両の骨格部材である左右のフロントピラー1の取付具2に両端が固定されるものである。
【0023】
図示のデッキクロスメンバ21は、管状の本体部22と、本体部22の両端に一体に形成されフロントピラー1(図8参照)の取付具2(図8参照)に固定されるフランジ部23とからなっている。フランジ部23は、平面状の底板部23aと、底板部23aに連続して直角に立ち上がる側板部23bと、底板部23aに連続して車両方向外側に形成される延長面23cとを備えている。
【0024】
本体部22は板金部材が巻かれて縁部同士が溶接によって接合されて管状とされ、フランジ部23は本体部22の両端部を略コ字形に拡開した後に延長面23cが曲げられて側板部23bの端面(隅部)に溶接によって接合される。また、本体部22の運転席側と助手席側とは径が異なって形成され、運転席側の本体部22の径が助手席側の本体部22の径に比べて大きくなっている。
【0025】
デッキクロスメンバ21を作製するに際しては、図1に示したデッキクロスメンバ11と同様に本体部22とフランジ部23を成形した後、延長面23cを曲げ加工して側板部23bの端面に溶接し、フランジ部23を、底板部23a、側板部23b及び延長面23cとで3面が囲まれた箱型にする。
【0026】
図2に示したデッキクロスメンバ21は、フランジ部23が箱型に形成されているので、コストアップを抑えた状態でフランジ部23の強度が上がり、車体側への結合部の剛性が向上してねじり力に対する剛性が一層向上する。また、車体側からのねじり力は、延長面23cから側板部23bの開口縁部に直接伝わり、更に本体部22の外周に伝わる。このため、車体側からのねじり力を効果的に分散することができる。
【0027】
図3、図4に基づいて第3実施形態例を説明する。第3実施形態例が請求項1に係る本発明のデッキクロスメンバに相当する。図3には第3実施形態例に係るデッキクロスメンバの斜視状態、図4には図3中のIV方向矢視を示してある。尚、図示のデッキクロスメンバは、第1、第2実施形態例のデッキクロスメンバ11、21と同様に、図8に示した車両の骨格部材である左右のフロントピラー1の取付具2に両端が固定されるものである。
【0028】
図3に示したデッキクロスメンバ31は、管状の本体部32と、本体部32の両端に一体に形成されフロントピラー1(図8参照)の取付具2(図8参照)に固定されるフランジ部33とからなっている。フランジ部33は、平面状の底板部33aと、底板部23aに連続して直角に立ち上がる側板部33bと、底板部33aに連続して車幅方向外側に形成される延長面33cとを備えている。
【0029】
本体部32は板金部材が巻かれて縁部同士が溶接によって接合されて管状とされ、フランジ部33は本体部32の両端部を略コ字形に拡開されて成形される。フランジ部33が成形された後、側板部33bは開口縁側がそれぞれ内側に折り曲げられて開口縁が互いに接合され、前面側が底板部33aと平行な平面状態にされる。そして、内側に折り曲げられて平面状態にされた側板部33bの部位の端面に、延長面33cが曲げられて溶接によって接合される。また、本体部32の運転席側と助手席側とは径が異なって形成され、運転席側の本体部32の径が助手席側の本体部32の径に比べて大きくなっている。
【0030】
デッキクロスメンバ31を作製するに際しては、図1に示したデッキクロスメンバ11と同様に本体部22とフランジ部23を成形した後、側板部33bを内側に折り曲げて開口縁を互いに接合し、延長面23cを曲げ加工して開口縁が接合された側板部23bの端面に溶接し、フランジ部23を、底板部23a、側板部23b及び延長面23cとで4面が囲まれた閉状態の箱型にする。
【0031】
図3に示したデッキクロスメンバ31は、フランジ部33が閉状態の箱型に形成されているので、コストアップを抑えた状態でフランジ部33の強度が大幅に上がり、車体側への結合部の剛性が向上してねじり力に対する剛性が一層向上する。また、車体側からのねじり力は、延長面23cから側板部23bを介して本体部22の外周に直接伝わる。このため、車体側からのねじり力を効果的に分散することができる。
【0032】
また、図4に示すように、フランジ部33は、折り曲げられることにより平面状態にされると共に、開口縁が接合された側板部23bの端面に、延長面23cが接合された状態になっている。このため、フランジ部33を取付具2に固定する際には、折り曲げられた側板部23bから底板部23aにボルト34を貫通させてボルト34を取付具2に締めつけるようになっている。この時、延長面23cが側板部23bの端面に接合されているため、延長面23cがスペーサの代わりとなり、ボルト34を締めつけてもフランジ部33がつぶれることがない。従って、車体側への取り付け部の変形をなくした状態で剛性を向上させることができる。
【0033】
図5乃至図7に基づいて第4実施形態例を説明する。第4実施形態例が請求項2に係る本発明のデッキクロスメンバに相当する。図5には第4実施形態例に係るデッキクロスメンバの斜視状態、図6には端部の詳細状況、図7には図6中のVII-VII 線矢視を示してある。尚、図示のデッキクロスメンバは、図8に示した車両の骨格部材である左右のフロントピラー1に両端が直接固定されるものである。
【0034】
図示のデッキクロスメンバ41は、管状の本体部42と、本体部42の両端に一体に形成されフロントピラー1(図8参照)に直接固定されるフランジ部43とからなっている。フランジ部43は、平面状の底板部43aと、底板部43aに連続して直角に立ち上がる側板部43bと、底板部43aに連続して車幅方向外側に形成される延長面43c(途中部)とを備えている。延長面43cには更に車幅方向外側に延びる先端部43dが形成されている。
【0035】
本体部42は板金部材が巻かれて縁部同士が溶接によって接合されて管状とされ、フランジ部43は本体部42の両端部を略コ字形に拡開されて成形される。フランジ部43が成形された後、延長面43cが曲げられて側板部43bの端面(隅部)に溶接によって接合され、先端部43dが車幅方向外側に曲げられる。延長面43cには1個のボルト穴44が形成され、先端部43dには2個のボルト穴44が形成されている。また、本体部42の運転席側と助手席側とは径が異なって形成され、運転席側の本体部42の径が助手席側の本体部42の径に比べ大きくなっている。
【0036】
デッキクロスメンバ41を作製するに際しては、図1に示したデッキクロスメンバ11と同様に本体部42とフランジ部43を成形した後、延長面43cを曲げ加工して側板部43bの端面に溶接し、フランジ部43を、底板部43a、側板部43b及び延長面43cとで3面が囲まれた箱型にする。更に、フロントピラー1(図8参照)の形状に合わせるように先端部43dを車幅方向外側に曲げ加工する。
【0037】
図5に示したデッキクロスメンバ41は、フランジ部43が箱型に形成されているので、コストアップを抑えた状態でフランジ部43の強度が上がり、車体側への結合部の剛性が向上してねじり力に対する剛性が一層向上する。また、車体側からのねじり力は、延長面43cから側板部43bの開口縁部に直接伝わり、更に本体部22の外周に伝わる。このため、車体側からのねじり力を効果的に分散することができる。
【0038】
図6、図7に基づいてデッキクロスメンバ41のフロントピラー1への取り付け状況を説明する。図7に示すように、フロントピラー1は、フロントピラーアウタ6とフロントピラーインナ7とによって構成され、フロントピラーアウタ6とフロントピラーインナ7の間にはバルクブラケット8が設けられている。バルクブラケット8は、デッキクロスメンバ41のフランジ部43が固定される部位におけるフロントピラーインナ7の裏面側に接合されている。
【0039】
図6に示すように、セットピン9によりフランジ部43の先端部43dがフロントピラーインナ7の所定位置に仮固定され、仮固定された後、図6、図7に示すように、延長面43c及び先端部43dがボルト45によってフロントピラー1に直接固定される。延長面43c側のボルト45は、フロントピラーアウタ6に設けられた作業穴46側から締めつけが行なわれ、作業穴46はボルト45を締めつけた後にキャップ47によって覆われるようになっている。
【0040】
上記構成のデッキクロスメンバ41は、フランジ部43がフロントピラー1に3点締めによって直接固定されるようになっているので、フロントピラーアウタ6を基準にしてセットピン9を挿入することで、フロントピラー1に対して精度良く、しかも、高い結合剛性を保ってデッキクロスメンバ41を固定することができると共に、バルクブラケット8を小型化することができる。また、フロントピラーインナ7に作業用の穴をあける必要がないので、遮音性を阻害する虞がない。また、フランジ部43の先端部43dでは、セットピン9の挿入方向とボルト45の締めつけ方向が同一となっているので、寸法管理がし易く作業性が良好となっている。
【0041】
従って、デッキクロスメンバ41を用いることにより、コストアップを抑えた状態でねじり剛性に対処できると同時に、デッキクロスメンバ41の取り付け位置精度を向上させ、しかも、取付具2(図8参照)を省略して部材点数を減少させることができる。
上述した実施形態例では、フランジ部の車幅方向外側における両端部に延長面を形成し、延長面を曲げてフランジ部の端面に固定したので、両端部が箱型となって剛性が上がり、ねじり剛性が更に向上する。
【0042】
【発明の効果】
請求項1に係る本発明のデッキクロスメンバは、板金部材を一体に成形してなり、本体部を管状に成形すると共に、両端部に略コ字形に拡開したフランジ部を形成したので、本体部とフランジ部が一体に成形されて部品点数が削減され、略コ字形に拡開したフランジ部により端部の剛性が確保され、車両に生じるねじり力は、骨格部材に固定されたフランジ部の拡開縁から一体に成形された管状の本体部に伝わり、ねじり剛性が確保される。この結果、少ない部品点数で両端部の剛性及び十分なねじり剛性を確保することが可能になる。
【0043】
また、フランジ部の車幅方向外側における両端部に延長面を形成し、フランジ部の開口縁部を互いに内側に折り曲げて開口縁を固定すると共に、延長面を曲げて開口縁が固定されたフランジ部の端面に固定したので、両端部が箱型となると共に両端部の締めつけの際に延長面によってフランジ部がつぶれることがなく、車体側への取り付け部の変形をなくした状態でねじり剛性を向上させることができる。
【0044】
請求項2に係る本発明のデッキクロスメンバは、板金部材を一体に成形してなり、本体部を管状に成形すると共に、両端部に略コ字形に拡開したフランジ部を形成したので、本体部とフランジ部が一体に成形されて部品点数が削減され、略コ字形に拡開したフランジ部により端部の剛性が確保され、車両に生じるねじり力は、骨格部材に固定されたフランジ部の拡開縁から一体に成形された管状の本体部に伝わり、ねじり剛性が確保される。この結果、少ない部品点数で両端部の剛性及び十分なねじり剛性を確保することが可能になる。
更に、フランジ部の車幅方向外側における両端部に延長面を形成し、延長面を曲げて途中部をフランジ部の端面に固定すると共に、延長面の先端部を更に車幅方向外側に曲げて延長面を骨格部材への取り付け部としたので、コストアップを抑えた状態でねじり剛性に対処できると同時に、デッキクロスメンバの取り付け位置精度及び取り付け剛性を向上させ、しかも、車体側の取付部材を省略して部材点数を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態例に係るデッキクロスメンバの斜視図。
【図2】第2実施形態例に係るデッキクロスメンバの斜視図。
【図3】第3実施形態例に係るデッキクロスメンバの斜視図。
【図4】図3中IV方向矢視図。
【図5】第4実施形態例に係るデッキクロスメンバの斜視図。
【図6】端部の取り付き状況説明図。
【図7】図6中のVII-VII 線矢視図。
【図8】従来のデッキクロスメンバの斜視図。
【符号の説明】
1 フロントピラー
2 取付具
11,21,31,41 デッキクロスメンバ
12,22,32,42 本体部
13,23,33,43 フランジ部
13a,23a,33a,43a 底板部
13b,23b,33b,43b 側板部
23c,33c,43c 延長面
43d 先端部
Claims (2)
- 本体が車両の車幅方向に延びると共に、前記本体の両端部が前記車両の運転席前方の左右の骨格部材に固定されるデッキクロスメンバにおいて、前記デッキクロスメンバは板金部材を一体に成形してなり、前記本体部を管状に成形すると共に、前記両端部に略コ字形に拡開したフランジ部を形成し、前記フランジ部の車幅方向外側における前記両端部に延長面を形成し、前記フランジ部の開口縁部を互いに内側に折り曲げて開口縁を固定すると共に、前記延長面を曲げて前記開口縁が固定された前記フランジ部の端面に固定したことを特徴とするデッキクロスメンバ。
- 本体が車両の車幅方向に延びると共に、前記本体の両端部が前記車両の運転席前方の左右の骨格部材に固定されるデッキクロスメンバにおいて、前記デッキクロスメンバは板金部材を一体に成形してなり、前記本体部を管状に成形すると共に、前記両端部に略コ字形に拡開したフランジ部を形成し、前記フランジ部の車幅方向外側における前記両端部に延長面を形成し、前記延長面を曲げて途中部を前記フランジ部の端面に固定すると共に、前記延長面の先端部を更に車幅方向外側に曲げて該延長面を前記骨格部材への取り付け部としたことを特徴とするデッキクロスメンバ。
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