JP3585594B2 - 電動式パワーステアリング装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、オルタネータの脈動からエンジン回転数を算出する電動式パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5、6に示す従来例の電動式パワーステアリング装置では、アシスト力を付与するための電動モータmが、コントローラーCを介してバッテリBに接続している。
上記バッテリBには、オルタネータ1を接続している。オルタネータ1は、図示しないエンジンに連動して駆動し、交流電圧を発電するものである。そして、この交流電圧を整流して、バッテリBに蓄電させる。
このオルタネータ1には図示しないレギュレータを接続し、オルタネータ1の発電量を調整している。例えば、バッテリ電圧が上昇すると、レギュレータがオルタネータ1の発電を停止させる。それに対し、バッテリ電圧が下降すると、レギュレータがオルタネータ1に発電を開始させる。このようにして、レギュレーターがオルタネータ1をオン・オフ調整して、バッテリBの蓄電量を一定に保っている。
【0003】
また、上記コントローラーCは、電動モータmを制御するためのものである。コントローラーCは、電動モータmに電圧を印加し、それを正転あるいは逆転させる駆動回路2と、この駆動回路2を制御する制御回路3と、コントローラーCに印加させる主電源及びバックアップ用電源のスイッチングを制御する電源回路4とから構成されている。
これら各回路のうち、制御回路3は、車両の走行状態に応じて駆動回路2を制御する制御部7を備え、さらに、電源電圧Vからオルタネータの脈動周波数を読み込む読込み部5と、読み込まれた脈動周波数からエンジン回転数Nを算出する算出部6とを備えている。
【0004】
この従来例の電動式パワーステアリング装置では、次のようにして、エンジン回転数Nを算出している。
電源電圧Vには、オルタネータ1の発電交流電圧を整流した電圧が重畳している。ここで、オルタネータ1はエンジンに連動して駆動するので、それが発電した交流電圧はエンジン回転の脈動に比例した脈動周波数を有する。したがって、この交流電圧を整流した電圧の脈動周波数も、エンジン回転数Nに比例することになる。
つまり、図6に示すように、電源電圧Vには、オルタネータ1の脈動により脈動が発生することになる。
したがって、この電源電圧Vの脈動周波数を読み取り部5で読み込めば、オルタネータ1の脈動周波数を知ることができる。そして、オルタネータの脈動周波数を知ることができれば、算出部6でエンジン回転数Nを算出できる。
【0005】
このようにしてエンジン回転数Nを算出できれば、制御回路3が電源回路4を制御し、コントローラーCのスイッチングを制御できる。例えば、算出したエンジン回転数Nが設定値よりも大きければ、制御回路3が電源回路4を駆動させ主電源をコントローラーCに印加させる。それに対し、エンジン回転数Nが設定値以下であれば、制御回路3はシステムを起動させる必要が無いと判断し、電源回路4を駆動させバックアップ電源のみをコントローラーCに印加させる。
このようにすれば、コントローラーCのスイッチングを、外部のイグニッションスイッチなどに連動させる必要がなくなるので、外部配線を少なくでき、電動式パワーステアリング装置のコストダウン及び小型化が可能となる。
また、エンジン回転数Nは車速にほぼ比例するので、この算出されたエンジン回転数Nに応じて駆動回路2を制御することができる。したがって、車速センサを設けなくても、車速に応じたアシスト力制御ができ、コストダウン及び小型化が可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例では、電源電圧の脈動にムラが生じたり、脈動が乱れたりすることがあり、正確にエンジン回転数を算出できないことがあった。その原因としては、次のことが考えられる。
第1の原因は、オルタネータ1がレギュレータによりオン・オフ調整されているからである。そして、レギュレータによりオン・オフが繰り返されると、オルタネータ1が発電・停止を繰り返し、その電圧変動が電源電圧にも影響してしまう。
例えば、オルタネータ1の発電を停止させると、その発電電圧が電源電圧Vに重畳しなくなるので、エンジンが回転しているにもかかわらず、電源電圧1の脈動がほとんどなくなってしまうことがある。そのため、間違ったエンジン回転数を算出してしまう。
【0007】
第2の原因は、バッテリBに、この電動式パワーステアリング装置以外に、他の電気負荷8を接続しているからである。そして、他の電気負荷8で電圧変動が生じると、その電圧変動が電源電圧Vに重畳してしまう。
例えば、他の電気負荷8でをオン・オフすると、このときに生じる電圧変動により電源電圧Vの脈動が乱れてしまうことがある。そのため、間違ったエンジン回転数を算出してしまう。
この発明は、電源電圧の脈動のムラや乱れによる電源電圧の脈動の変化を無視することで、正確なエンジン回転数を算出する電動式パワーステアリング装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、アシスト力を付与する電動モータと、電動モータに電圧を印加する駆動回路、及び駆動回路を制御する制御回路からなるコントローラーと、コントローラーに接続したバッテリと、エンジンに連係するオルタネータとを備え、しかも、上記コントローラーの制御回路は、オルタネータの脈動周波数あるいは周期を読み込む読込み部と、読み込まれた周波数あるいは周期からエンジン回転数を算出する算出部とを備えた電動式パワーステアリング装置を前提とする。
そして、制御回路には、読込み部で読み込まれた周波数あるいは周期を、所定の基準にしたがって算出部へ出力する信号と出力しない信号とにより分けるフィルター部を設けた点に特徴を有する。
このような構成としたので、電源電圧の脈動にムラが生じたり、乱れたりすると、これらムラや乱れにより変化した周波数や周期は、信号として算出部へ出力されない。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、制御回路のフィルター部は、読込み部で読み込まれた最新の周期を含め、過去X回の周期をメモリできるメモリ機能を有し、しかも、最新にメモリされた周期が、その前にメモリされた周期を基準として所定の範囲内にあるか否かを比較して判断するステップと、所定の範囲内にあるときカウントするステップと、所定の範囲外にあるときカウントをゼロにするステップとからなる第1プログラムを実行し、同時に、カウント数が所定の数X以上であれば、メモリされたX回の周期の平均値を算出するステップと、この平均周期を制御回路の算出部へ出力するステップとからなる第2プログラムを実行する点に特徴を有する。
【0010】
このような構成としたので、第1プログラムでは、まず、最新にメモリされた周期が、その前にメモリされた周期を基準として所定の範囲内にあるか否かを比較される。なお、所定の範囲としては、例えば、最新にメモリされた周期が、その前にメモリされた周期の設定%の範囲で変化しているか否かを判断すればよい。
そして、所定の範囲内にあるときは、正常な周期としてカウントされる。しかし、所定の範囲外にあるときは、異常な周期としてカウントをゼロにする。
また、第2プログラムでは、カウント数が所定の数X以上であれば、つまり、正常な周期がX回続けてメモリされたら、これらメモリされたX回の周期の平均値を算出する。そして、この平均周期を、オルタネータの脈動の周期とみなして制御回路の算出部へ出力する。
【0011】
第3の発明は、第1あるいは第2の発明において、制御回路には、算出されたエンジン回転数が上限設定値よりも大きくなったとき、上限値以上の回転数を無視し、上限設定値を出力するリミッタを設けた点に特徴を有する。
このような構成としたので、エンジン回転数が上限設定値よりも大きければ、この上限値が出力される。したがって、例えば、上限設定値を高回転域で設定しておけば、算出されたエンジン回転数に応じてアシスト力を制御する場合、車両の高速走行時に小さなアシスト力に一定に保つことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1〜3に示すこの発明の実施の形態における電動式パワーステアリング装置では、コンパレータ9を設け、それに電源電圧Vを入力している。このコンパレータ9は、電源電圧Vをある基準電圧で比較し、その脈動を矩形波に変換して出力するものである。
そして、矩形波に変換された出力信号は、制御回路3の読込み部5に導かれ、その周期が読み込まれることになる。そして、この読み込まれた周期は、フィルター部10に出力される。
上記フィルター部10は、読み込まれた周期を所定の基準にしたがって、算出部6に出力するものと出力しないものとにより分けるものである。
そして、この実施の形態におけるフィルター部10では、図2及び3に示すフローチャートに対応した第1及び第2プログラムを逐次実行することで、読み込まれた周期をより分けている。
【0013】
図2に示すフローチャートでは、まず、ステップ101で、読込み部5で読み込まれた周期がバッファにメモリされる。このバッファは、最新に読み込まれた周期を含め過去X回の周期をメモリできるものである。そして、より新しい周期がメモリされると、メモリされている最も古い周期は消去されることになる。
ステップ102、103では、最新にメモリされた周期tx(x=1、2、・・・)が、その前にメモリされた周期tx−1を基準として所定の範囲内にあるか否か判断している。
つまり、ステップ102では、メモリされた最新の周期txが、その前にメモリされた周期tx−1としきい値a(>1)との積よりも大きいか否か判断される。そして、大きくなければ、次にステップ103で、この最新の周期txが、周期tx−1としきい値b(<1)との積よりも小さいか否かが判断される。さらに、小さくなければ、ステップ104でカウント+1とする。
このように、最新の周期txが、tx−1×b<tx≦tx−1×aの範囲にあれば、この周期txは正常なものであると判断され、カウント+1とする。
そして、より新しい周期tx+1がメモリされれば、今度は、この周期tx+1がその前にメモリされた周期txを基準として所定の範囲内にあるか否か判断されることになる。
【0014】
ただし、ステップ102で、メモリされた最新の周期txがその前にメモリされた周期tx−1としきい値a(>1)との積よりも大きければ、あるいは、ステップ103で、メモリされた最新の周期txが、その前にメモリされた周期tx−1としきい値b(<1)との積よりも小さければ、カウントが0に戻されることになる。
つまり、最新の周期txが、tx<tx−1×bあるいはtx−1×a≦txの範囲にあれば、この周期txは異常であると判断され、カウント数が0に戻される。
【0015】
図3に示すフローチャートでは、ステップ201で、カウント数が所定の数Xよりも大きいか否か判断される。
そして、カウント数がXに達していれば、ステップ202で、メモリされているX個の周期の平均値Tを算出する。平均の周期Tは、メモリされているX個の周期を足し合わせ、Xで割り算すれば算出できる。
このようにして平均周期Tを算出したら、ステップ203で、この平均周期Tを算出部6に出力する。
なお、算出部6では、平均周期Tをオルタネータ1の脈動の周期としてみなし、エンジン回転数Nを算出する。エンジン回転数Nは、次式(1)
N=60/k×a×T・・・(1)
k:オルタネータの極数 (オルタネータの一回転で発生する脈動)
a:プーリ比 (エンジンとオルタネータとの回転数比)
T:平均周期 (sec)
により算出することができる。
【0016】
ここで、図2、3に示すフローチャートを、より具体的に説明する。
例えば、しきい値aを1.5とし、また、しきい値bを0.5とする。つまり、メモリされた最新の周期txが、その前にメモリされた周期tx−1を基準として±50%の範囲にあれば、この周期txが正常なものと判断されることになる。逆にいえば、周期txが、その前にメモリされた周期tx−1を基準として±50%の範囲外にあれば、電圧電源Vの脈動に異常があったと判断される。
また、所定の数Xを4とする。つまり、4回続けて、メモリされた周期txがその前にメモリされた周期tx−1を基準として±50%の範囲にあれば、その4回の周期の平均値を算出し、この平均周期Tをオルタネータ1の脈動の周期とみなして算出部6に出力する。
【0017】
いま、ある周期t0が初めてメモリされたとする。そして、その次にメモリされた周期t1が、周期t0を基準として±50%の範囲にあったならば、カウント+1となる。
新しく周期t2がメモリされると、今度はこの周期t2が、周期t1を基準として±50%の範囲にあるか否か比較して判断される。そして、±50%の範囲にあれば、カウント+1となるので、カウント数は2となる。
このようにして、4回続けて、つまり、周期t1〜t4がそれぞれ周期t0〜t3を基準として±50%の範囲にあれば、カウント数が4になる。したがって、これら周期t1〜t4の平均周期Tをオルタネータ1の脈動の周期とみなし、算出部6に出力することになる。
【0018】
そして、より新しい周期t5がメモリされると、メモリされている最も古い周期t1が消去される。
そして、この周期t5が周期t4を基準として±50%の範囲にあるか否か比較して判断され、±50%の範囲にあればカウント+1とする。したがって、カウント数が5となり、周期t2〜t5の平均周期Tをオルタネータの脈動の周期とみなして算出部6に出力することになる。
以後、同様にして、最新にメモリされた周期が、その前にメモリされた周期を基準として±50%の範囲にあるか否か比較され、±50%の範囲にあれば、その最新の周期を含めて過去4回の平均周期Tを、算出部6に出力することになる。
【0019】
しかし、例えば、メモリされた最新の周期t6が、その前にメモリされた周期t5を基準として±50%の範囲外にあったとする。このとき、この周期t6は異常なものであると判断され、カウントは0に戻される。
そして、さらに次にメモリされた周期t7が、その前にメモリされた周期t6を基準として±50%の範囲にあるか否か比較され、±50%の範囲にあれば+1とする。このようにして、これら第1及び第2プログラムを繰り返していくことになる。
なお、このときは、カウント数が新たに4に達するまでは、周期t2〜t5の平均周期Tにより算出されたエンジン回転数Nが、最新のエンジン回転数Nとしてみなされることになる。
【0020】
次に、この実施の形態における電動式パワーステアリング装置の作用を説明する。
いま、エンジン回転数がほぼ一定であれば、フィルター部10に入力される周期もほぼ一定に保たれる。したがって、メモリされた最新の周期が、その前にメモリされた周期を基準として±50%の範囲外にあることはない。
また、そのエンジン回転数からエンジン回転数を急に高くしたり低くしても、電源電圧Vの脈動はそれに追随して変動するので、急激に小さくなったり大きくなったりしない。つまり、エンジン回転数を急に高くしたり低くしても、メモリされた最新の周期が、その前にメモリされた周期を基準として±50%の範囲を一気に越えることはなく、徐々に小さくなったり大きくなったりする。
以上述べた状態では、周期t0〜t4までがフィルター部に入力された以後は、フィルター部10に最新の周期がメモリされるごとに、その周期を含めて過去4回の平均周期Tが算出部6に出力される。そして、これら平均周期Tに基づいて式(1)によりエンジン回転数Nを算出することになる。
【0021】
ここで、例えば、あるエンジン回転数のときに、レギュレータによりオルタネータ1が発電を停止したとする。このとき、オルタネータ1の脈動がなくなるので、エンジンが回転しているにもかかわらず、電源電圧Vの脈動がほとんどなくなる。したがって、このときの電源電圧Vの脈動の周期は、その前にメモリされた周期を基準として±50%の範囲を一気に越えることになる。そして、±50%の範囲を越えれば、カウント数が0に戻される。
このように、オルタネータ1のオフにより電源電圧の脈動がなくなっても、その間の周期変化を無視できるので、間違ったエンジン回転数を算出してしまうことがない。
そして、再びレギュレータがオルタネータ1の発電を開始すれば、電源電圧Vに脈動が発生するので、フィルター部10は、最初の周期t0からメモリし始め、同様にしてエンジン回転数Nを算出していく。
【0022】
また、例えば、他の電気負荷8のオン・オフなどにより電圧変動が生じ、電源電圧Vの脈動が乱れたとする。そして、このときの電源電圧Vの脈動の周期が、その前にメモリされた周期を基準として±50%の範囲を越えれば、カウント数が0に戻されることになる。
このように、他の電気負荷8の電圧変動により電源電圧Vの脈動が一瞬乱れたとしても、その瞬間の周期変化は無視できるので、間違ったエンジン回転数を算出してしまうことがない。
そして、再び電源電圧Vの脈動が安定したら、最初の周期t0からメモリし始め、同様にしてエンジン回転数Nを算出していく。
【0023】
なお、オルタネータ1が発電を停止したり、他の電気負荷で電圧変動が生じたりする間は、これらの直前に算出されたエンジン回転数が、現在のエンジン回転数としてみなされることになる。しかし、これら電源電圧Vの脈動の変化は、実際のエンジン回転数の変動の速度に比べれば非常に短い時間でおきるので、直前に算出されたエンジン回転数を保持していてもなんら問題はない。
この実施の形態における電動式パワーステアリング装置によれば、電源電圧の脈動にムラが生じたり、乱れたりすると、これらムラや乱れにより変化した周波数や周期は、算出部6へ信号として出力されない。したがって、間違ったエンジン回転数を算出してしまうことがない。
【0024】
図4に示す他の実施形態は、制御回路における算出部6と制御部7との間にリミッタ11を設けた例である。そして、このリミッタ11により、算出部6で算出されたエンジン回転数Nが上限設定値Nmaxより大きくなったとき、この上限設定値Nmax以上の回転数は無視し、上限設定値Nmaxをエンジン回転数として制御部7に出力される。
ここで、この実施の形態における電動式パワーステアリング装置では、制御部7が、算出されたエンジン回転数Nから車速を推定し、アシスト力を制御しているものとする。そして、この場合は、車両の低速走行時には、車速に応じて大きなアシスト力を付与し、また、高速走行時にはほとんどアシスト力を付与しないのが一般的である。
したがって、上限設定値Nmaxを高速走行域のエンジン回転数、例えば5000(rpm)程度としておけば、高速走行域で小さなアシスト力に一定に制御することができる。
なお、リミッタ11は、フィルター部10と算出部6との間に設けてもよい。この場合、上限設定値は周期tmaxとして設定されることになるが、この設定周期tmaxは、上限設定エンジン回転数Nmaxを決めれば式(1)から求めることができる。
【0025】
【発明の効果】
第1の発明によれば、電源電圧の脈動にムラや乱れが生じると、それにより変化した周波数や周期は、算出部へ信号として出力されない。したがって、間違ったエンジン回転数を算出することがない。
第2の発明によれば、第1の発明において、X回続けて、正常とみなされた周期がメモリされると、それらX回の周期の平均値をオルタネータの脈動の周期として算出部へ信号として出力する。
そして、もし、異常な周期が読み込まれると、カウント数をゼロにすることにより、その周期を含んだX回の周期の平均処理は行わない。
したがって、間違った周期を算出部へ信号として出力することがなく、より正確なエンジン回転数を算出できる。
第3の発明によれば、第1あるいは第2の発明において、例えば、算出されたエンジン回転数から車速を推定しアシスト力を制御する場合、アシスト力のほとんど要らない高速域において、アシスト力を小さく一定に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態の電動式パワーステアリング装置の回路図である。
【図2】フィルター部10で逐次実行される第1プログラムを示したフローチャートである。
【図3】フィルター部10で逐次実行される第2プログラムを示したフローチャートである。
【図4】他の実施形態の電動式パワーステアリング装置の回路図である。
【図5】従来例の電動式パワーステアリング装置の回路図である。
【図6】電源電圧の脈動特性を示した図である。
【符号の説明】
m 電動モータ
C コントローラー
B バッテリ
1 オルタネータ
2 駆動回路
3 制御回路
5 読込み部
6 算出部
7 制御部
8 他の電気負荷
10 フィルター部
11 リミッタ
Claims (3)
- アシスト力を付与する電動モータと、電動モータに電圧を印加する駆動回路、及び駆動回路を制御する制御回路からなるコントローラーと、コントローラーに接続したバッテリと、エンジンに連係するオルタネータとを備え、しかも、上記コントローラーの制御回路は、オルタネータの脈動周波数あるいは周期を読み込む読込み部と、読み込まれた周波数あるいは周期からエンジン回転数を算出する算出部とを備えた電動式パワーステアリング装置において、制御回路には、読込み部で読み込まれた周波数あるいは周期を、所定の基準にしたがって、算出部へ出力する信号と出力しない信号とにより分けるフィルター部を設けたことを特徴とする電動式パワーステアリング装置。
- 制御回路のフィルター部は、読込み部で読み込まれた最新の周期を含め過去X回の周期をメモリできるメモリ機能を有し、しかも、最新にメモリされた周期が、その前にメモリされた周期を基準として所定の範囲内にあるか否かを比較して判断するステップと、所定の範囲内にあるときカウントするステップと、所定の範囲外にあるときカウントをゼロにするステップとからなる第1プログラムを実行し、同時に、カウント数が所定の数X以上であれば、メモリされたX回の周期の平均値を算出するステップと、この平均周期を制御回路の算出部へ出力するステップとからなる第2プログラムを実行することを特徴とする請求項1記載の電動式パワーステアリング装置。
- 制御回路には、算出されたエンジン回転数が上限設定値よりも大きくなったとき、上限値以上の回転数を無視し、上限設定値を出力するリミッタを設けたことを特徴とする請求項1あるいは2記載の電動式パワーステアリング装置。
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