JP3585569B2 - 交流安定化電源装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、例えばパチンコ等の遊技機に使用される交流安定化電源装置に関し、特に、安価な回路構成により交流入力電圧や交流出力電流の変化に対して、交流出力電圧を安定化できる交流安定化電源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、例えばパチンコ等の遊技機では、AC24〔V〕の交流を使用して内部機器を動作させている。また、最近では、遊技機内部に多量の電子機器が配置されている関係から、電圧変動の少ない交流電源が要求されている。このため、従来、各種の交流安定化電源装置を目的や用途に応じて使用していた。このように遊技機に使用される従来の交流安定化電源装置としては、例えば、定電圧変圧器(CVT)や、ブリッジ型インバータが挙げられる。この定電圧変圧器は、低価格であるという利点があるものの、交流出力電流の変化に対する交流出力電圧の変動に対して安定化ができないという不都合をもっている。また、ブリッジ型インバータ等は、精度が高いという利点があるものの、価格が非常に高いという不都合をもっている。
【0003】
このような従来の交流安定化電源装置について以下説明することにする。
まず、上記定電圧変圧器(CVT)を用いた交流安定化電源装置は、古くから提供されているものであり、図8に定電圧変圧器の外観を示し、図9に当該変圧器の等価回路を示す。図8に示すように、この従来の交流安定化電源装置では、定電圧トランス101と、共振コンデンサ102とからなる。この定電圧トランス101には、鉄共振と呼ばれる共振インダクタンスL1と、インダクタンスL2とからなる。また、共振インダクタンスL1には、共振コンデンサ102の静電容量C1が並列接続されている。
【0004】
この交流安定化電源装置では、共振インダクタンスL1と静電容量C1が、交流入力電圧V1の商用周波数に対して並列共振することにより、入力力率を制御して交流出力電圧V2を安定化する現象を応用したものである。なお、符号IoはインダクタンスL1と、コンデンサC1からなる並列共振回路に流れる電流を示している。図では、定電圧トランス101の他に、共振コンデンサ102を別に示したが、共振コンデンサ102を定電圧トランス101に内蔵したものもある。このような定電圧トランス101と共振コンデンサ102を使用した交流安定化電源装置は、基本的には、特開昭52ー50523号公報において原理が説明されており、またこれの応用例としては、特公昭51ー10663号公報に記載されている。
【0005】
図10は、ブリッジ型インバータを用いた交流安定化電源装置を示すものである。この図において、ブリッジ整流器201と、コンデンサ202と、FETトランジスタ203…206と、コンデンサ207と、トランス208と、ダイオードをブリッジ接続したブリッジ整流器209と、インダクタンス210と、コンデンサ211と、FETトランジスタ212…215と、フィルタ用インダクタンス216と、フィルタ用コンデンサ217とから構成されている。
【0006】
交流入力電圧はブリッジ整流器201で整流し、コンデンサ202で平滑して直流にする。交流入力電圧が、AC24〔V〕より低い場合でも、一定の交流出力電圧を得るため、FETトランジスタ(スイッチング素子)203…206と、高周波トランス208と、ダイオードブリッジ整流器209と、インダクタンス素子210およびコンデンサ211からなる平滑回路とで構成される絶縁型のDCーDCコンバータによる昇圧回路を設けている。
【0007】
その後に、図11に示すように、基準正弦波Saと、三角波Sbとにより変調出力信号Scを得て、この変調出力信号ScでFETトランジスタ(スイッチング素子)212…215をスイッチングすることにより、交流出力電圧Vを得ている。このような交流出力電圧Vは、インダクタンス素子216およびコンデンサ217からなるフィルタ回路を用いて交流出力電圧波形を成形し、商用周波数に再度変換する。このような交流安定化電源装置では、高い精度の交流出力電圧が得られる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、定電圧変圧器(CVT)を用いた交流安定化電源装置では、交流入力電圧の変化に対する交流出力電圧の変動(入力変動)については制御されており安定化できるものの、交流出力電流の変化に対する交流出力電圧の変動(負荷変動)については制御できないため、交流出力電圧の精度があまりよくないという欠点があった。
【0009】
また、定電圧変圧器(CVT)を用いた交流安定化電源装置では、商用周波数に対して共振させるために、比較的大きな共振インダクタンスL1が必要であり、構造が鉄なので大きく重いことや、商用周波数に同期した可聴帯域の騒音が発生する欠点があり、さらに入力電圧の商用周波数に対して共振するので、50〔Hz〕と60〔Hz〕で切り替える必要があるという欠点があった。
【0010】
一方、ブリッジ型インバータ等を用いた交流安定化電源回路では、交流入力電圧がAC24〔V〕より低い時にも交流出力電圧を上昇して安定化するために、内部で電圧を昇圧する回路が必要であり、一般的に絶縁型のDCーDCコンバータを設けて電圧を高くした後に、さらにブリッジ型インバータ等で構成するDCーACインバータを設ける必要があり、回路が複雑で高価になるという欠点があった。そこで、本発明の目的は、安価でかつ確実に交流出力電圧を安定化できる交流安定化電源装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本願請求項1に係る発明の交流安定化電源装置は、二つの交流入力線および二つの交流出力端子を備え、交流入力出力線の各一方を共通にしてなる共通ラインと、前記共通ラインに対する他方の交流入力線の交流電圧が正の半サイクルには正側に昇圧させて交流出力線に出力する正側昇圧回路と、前記共通ラインに対する他方の交流入力線の交流電圧が負の半サイクルには負側に昇圧させて交流出力線に出力する負側昇圧回路と、前記交流出力電圧を取込み、当該交流出力電圧が一定の電圧となるように正側昇圧回路および負側昇圧回路の動作をオンオフ制御することにより交流出力電圧を安定化制御する制御回路とを備えた交流安定化電源装置であって、前記正側昇圧回路は、前記他方の交流入力線の交流入力電圧が正の半サイクル毎にオンとなる正側交流スイッチと、前記正側交流スイッチに直列接続され制御パルス信号によりオンオフ制御されるスイッチング素子およびダイオードからなる正側昇圧チョッパとで正側直列体を構成し、前記正側直列体の一方を正側交流スイッチを介してインダクタンス素子の一方に接続し、前記正側直列体の他方を前記正側昇圧チョッパの前記ダイオードを介して共通ラインに対する他の交流出力線に接続し、前記正側昇圧チョッパのスイッチング素子を前記共通ラインに接続し、前記インダクタンス素子の他方を一方の交流入力線に接続してなり、前記負側昇圧回路は、前記他方の交流入力線の交流入力電圧が負の半サイクル毎にオンとなる負側交流スイッチと、前記負側交流スイッチに直列接続され制御パルス信号によりオンオフ制御されるスイッチング素子およびダイオードからなる負側昇圧チョッパとで負側直列体を構成し、前記負側直列体の一方を負側交流スイッチを介して前記インダクタンス素子の一方に接続し、前記負側直列体の他方を前記負側昇圧チョッパの前記ダイオードを介して共通ラインに対する他の交流出力線に接続し、前記負側昇圧チョッパのスイッチング素子を前記共通ラインに接続してなり、前記制御回路は、交流入力電圧に同期して正弦波を発生する発振回路と、前記発振回路からの正弦波電圧を整流する第1の全波整流回路と、前記交流出力電圧を整流する第2の全波整流回路と、前記第1の全波整流回路からの全波整流電圧を基準電圧とし、前記第2の全波整流回路からの全波整流電圧を帰還信号として差を取る差動増幅回路、三角波を発生する三角波発振回路、前記差動増幅回路からの誤差信号および前記三角波発振回路からの三角波を差動増幅し、その差動出力信号を制御パルス信号とするコンパレータを備え、前記コンパレータからの制御パルス信号により前記正側昇圧チョッパのスイッチング素子および前記負側昇圧チョッパのスイッチング素子をオンオフ制御する安定化信号形成回路とからなることを特徴とするものである。
【0012】
【作用】
請求項1記載の発明では、交流出力電圧を制御回路に取り込み、制御回路で、前記交流出力電圧が所定の値になるような制御パルス信号を形成し、これら制御パルス信号を正側昇圧回路および負側昇圧回路に供給する。これにより、正側昇圧回路は、交流の正側の半サイクルで、チョッパをかけて、交流出力電圧が所定の値になるようにする。同様に、負側昇圧回路は、交流の負側の半サイクルで、チョッパをかけて、交流出力電圧が所定の値になるようにする。このように調整制御された交流出力電圧は、出力線から負荷に供給される。
【0013】
請求項1記載の発明では、制御回路は、交流入力電圧に同期して正弦波を発生し、この正弦波電圧を全波整流する。また、交流出力電圧を取り込んで、これを全波整流する。これら全波整流された電圧は、安定化信号形成回路にて、制御パルス信号に変換される。
請求項1記載の発明では、安定化信号形成回路は、第1の全波整流回路からの全波整流電圧を基準電圧とし、第2の全波整流回路からの全波整流電圧を帰還信号として差をとる。その結果を、三角波と比較して、PWM信号とした制御パルス信号とする。
【0014】
請求項1記載の発明では、正側昇圧回路では、交流入力電圧の正の半サイクルにおいて正側昇圧チョッパをかけて、インダクタンス素子の作用により所定の交流出力を得て、正側交流スイッチ等で負荷に交流出力電圧を供給する。また、負側昇圧回路では、交流入力電圧の負の半サイクルにおいて正側昇圧チョッパをかけて、インダクタンス素子の作用により所定の交流出力を得て、正側交流スイッチ等で負荷に交流出力電圧を供給する。
【0015】
【実施例】
以下、本発明について図示の実施例を参照して説明する。図1は、本発明に係る交流安定化電源装置の実施例を示すものである。同図において、交流安定化電源装置は、交流入力から安定化した交流出力を得る装置であり、大別して、正側昇圧回路1と、負側昇圧回路3と、制御回路5と、付属回路7とを備えている。この装置の詳細構成を説明すると、交流入力線Kiの一方の線Kibと、交流出力線Koの一方の線Kobとを共通接続して共通ラインKcとする。
【0016】
また、前記正側昇圧回路1は、交流入力電圧が正の半サイクルでは正側に昇圧して交流出力線に出力する回路である。この正側昇圧回路1は、交流入力電圧が正の半サイクル毎に自動的に切り替える正側交流スイッチ11と、前記正側交流スイッチ11に直列接続されて、かつ制御パルス信号Ppによりオンオフ制御される正側昇圧チョッパ12とからなる正側直列体13の一方をインダクタンス素子20の一方の端子に接続し、前記正側直列体13の他方を他の交流出力線Kodに接続し、イダクタンス素子20の他方を共通ラインに対する他の交流入力線Kiaに接続した構成となっている。
【0017】
前記負側昇圧回路3は、交流入力電圧が負の半サイクルでは負側に昇圧して交流出力線Koa側に出力する回路である。この負側昇圧回路3は、交流入力電圧が負の半サイクル毎に自動的に切り替える負側交流スイッチ31と、前記負側交流スイッチ31に直列接続され制御パルス信号Pmによりオンオフ制御される負側昇圧チョッパ32の負側直列体33の一方をインダクタンス素子20の一方の端子に接続し、前記負側直列体33の他方を他の交流出力線Kodに接続している。
【0018】
上記制御回路5は、交流入力電圧に同期して正弦波を発生する発振回路51と、前記発振回路51からの正弦波電圧を整流する第1の全波整流回路52と、交流出力電圧を整流する第2の全波整流回路53と、前記第1の全波整流回路52からの整流出力信号と前記第2の全波整流回路53からの整流出力電圧とを基に交流出力電圧を安定化する制御パルス信号Pp、Pmを出力する安定化信号形成回路54と、前記各回路51、52、53、54に電力を供給する電源回路55とからなる。この電源回路55は、ダイオードD51、D52、平滑コンデンサC51、C52を備え次のように構成されている。ダイオードD51のアノードとダイオードD52のカソードは電源入力線Kiaに、ダイオードD51のカソードは正側電源線Epに、ダイオードD52のアノードは負側電源線Emに、それぞれ接続されている。
【0019】
また、正側電源線Epと共通ラインKcとの間には平滑コンデンサC51が、負側電源線Emと共通ラインKcとの間には平滑コンデンサC52が、それぞれ接続されている。発振回路51、第1の全波整流回路52、及び第2の全波整流回路53は、正側電源線Epと負側電源線Emとの間に各電源端子が接続されており、かつ各回路51、52、53、54の各アース端子は共通ラインKcに接続されている。
【0020】
なお、付属回路7としては、交流入力線Kia、Kibの間に接続されたフィルタコンデンサ71と、交流出力線Kodと共通ラインKcとの間に接続されたコンデンサ72と、線Kodと線Koaとの間に接続したインダクタンス素子73と、交流出力線Koaと共通ラインKcとの間に接続されたコンデンサ74とからなる。このインダクタンス素子73と、コンデンサ74とで商用周波数用のフィルタが構成されている。図2は、同実施例で使用する正側昇圧回路および負側昇圧回路の構成例を示すものである。同図において、上記正側昇圧チョッパ12は、インダクタンス素子20、スイッチング素子Q11、及びダイオードD11からなる。
【0021】
スイッチング素子Q11のソースは、抵抗R11を介して接地されており、ドレインはダイオードD12のカソードに接続されている。ダイオードD12のアノードは正側交流スイッチ11の出力端子に接続されている。スイッチング素子Q11のゲートは、制御パルス信号Ppが供給されるようになっている。また、トランジスタQ12のコレクタはスイッチング素子Q11のゲートに、そのベースはスイッチング素子Q11のソースにそれぞれ接続されており、そのエミッタは接地されている。なお、トランジスタQ12はスイッチング素子Q11の保護のために設けてあるので、保護が不用なら設ける必要はない。
【0022】
上記負側昇圧チョッパ32は、インダクタンス素子20、スイッチング素子Q31及びダイオードD31からなる。スイッチング素子Q31のソースは、抵抗R31を介して接地されており、ドレインはダイオードD32のアノードに接続されている。ダイオードD32のカソードは負側交流スイッチ31の出力端子に接続されている。スイッチング素子Q31のゲートは、制御パルス信号Pmが供給されるようになっている。また、トランジスタQ32のエミッタはスイッチング素子Q31のゲートに、そのベースはスイッチング素子Q31のソースにそれぞれ接続されており、そのコレクタは接地されている。なお、トランジスタQ12はスイッチング素子Q11の保護のために設けてあるので、保護が不用なら設ける必要はない。
【0023】
正側交流スイッチ11は、スイッチング素子Q21、トランジスタQ22、Q23と、抵抗R21、22、23、24とからなる。スイッチング素子Q21のコレクタはダイオードD11のアノードに、そのエミッタは抵抗R21を介してインダクタンス素子20の一方の端子に、そのベースはトランジスタQ22のエミッタに、それぞれ接続されている。トランジスタQ22のコレクタはスイッチング素子Q21のコレクタに、ベースは抵抗R23を介してトランジスタQ22のエミッタに接続されており、かつ抵抗R24を介して共通ラインKCに接続されている。トランジスタQ23のコレクタはスイッチング素子Q21のベースに、そのベースはスイッチング素子Q21のエミッタに、そのエミッタはインダクタンス素子20の一方の端子に、それぞれ接続されている。
【0024】
また、スイッチング素子Q21のベース・エミッタ間には抵抗R22が接続されている。なお、トランジスタQ23および抵抗R21はスイッチング素子Q21の保護のために設けたものであり、保護が不用なら外してよい。また、トランジスタQ22とスイッチング素子Q21とでダーリントン接続しているが、不用ならはトランジスタQ22および抵抗R23を外してもよい。
【0025】
負側交流スイッチ31は、スイッチング素子Q41、トランジスタQ42、Q43と、抵抗R41、42、43、44とからなる。スイッチング素子Q41のコレクタはダイオードD31のカソードに、そのエミッタは抵抗R41を介してインダクタンス素子20の一方の端子に、そのベースはトランジスタQ42のエミッタに、それぞれ接続されている。トランジスタQ42のコレクタはスイッチング素子Q41のコレクタに、ベースは抵抗R43を介してトランジスタQ42のエミッタに接続されており、かつ抵抗R44を介して共通ラインKcに接続されている。トランジスタQ43のコレクタはスイッチング素子Q41のベースに、そのベースはスイッチング素子Q41のエミッタに、そのエミッタはインダクタンス素子20の一方の端子に、それぞれ接続されている。
【0026】
また、スイッチング素子Q41のベース・エミッタ間には抵抗R42が接続されている。なお、トランジスタQ43および抵抗R41はスイッチング素子Q41の保護のために設けたものであり、保護が不用なら外してよい。また、トランジスタQ42とスイッチング素子Q41とでダーリントン接続しているが、不用ならはトランジスタQ42および抵抗R43を外してもよい。
【0027】
図3は、同実施例で使用する発振回路の構成例を示すものである。同図において、発振回路51は、演算増幅器Z511、Z512と、抵抗R511…R518と、コンデンサC511…C513と、ダイオードD511、D512とからなる。なお、発振回路は、電源線Ep、Emに接続されて直流電力の供給を受けられるようになっており、かつ図ではアースのマークは共通ラインKcを示すものとする。以下、各説明でも同様である。
【0028】
演算増幅器Z512の入力端子には交流入力電圧が抵抗R518を介して入力されている。また、演算増幅器Z511からの出力信号は抵抗R513を介して演算増幅器512の入力端子に供給されるようになっている。コンデンサC512は演算増幅器Z511の入出力端子に接続されている。演算増幅器Z512の出力端子は、抵抗R512を介して演算増幅器Z511の入力端子に接続されている。演算増幅器Z511の入力端子はコンデンサC511を介して接地されている。同様に、演算増幅器Z511の他の入力端子は抵抗R511を介して接地されている。また、演算増幅器Z512の入出力端子間には、コンデンサC513が接続されている。なお、ダイオードD511、D512の接続回路は、演算増幅器Z512の入力端子に抵抗R514…517の直列回路は演算増幅器Z512の出力端子に接続されている。
【0029】
図4は、同実施例で使用する第1の全波整流回路の構成例を示すものである。同図においては、第1の全波整流回路52は、演算増幅器Z521、Z522と、ダイオードD521、D522と、抵抗R521…R524とからなる。入力された正弦波信号は抵抗R521を介して演算増幅器Z521の一方の入力端子に供給されるようになっている。また、正弦波は、抵抗R522を介して演算増幅器Z522の一方の入力端子に供給されるようになっている。
【0030】
演算増幅器Z521の一方の入力端子はダイオードD521のアノードに、演算増幅器Z521の出力端子はダイオードD521のカソード、ダイオードD522のアノードに接続されている。ダイオードD522のカソードは演算増幅器Z522の一方の入力端子に接続されている。演算増幅器Z522の出力端子は演算増幅器Z522の他方の入力端子に接続されており、かつ抵抗R523を介して演算増幅器Z521の一方の入力端子に接続されている。また、演算増幅器Z521の他方の入力端子は接地されている。演算増幅器Z522の出力端子は抵抗R524A介して安定化信号形成回路54の一方の入力端子に接続されている。
【0031】
図5は、同実施例で使用する第2の全波整流回路の構成例を示すものである。同図においては、第2の全波整流回路53は、演算増幅器Z531、Z532と、ダイオードD531、D532と、抵抗R531…R536とからなる。交流出力電圧Voは抵抗R531、R532で分圧される。この分圧電圧は、抵抗R533を介して演算増幅器Z531の一方の入力端子に供給されるようになっている。また、分圧された交流電圧は、抵抗R534を介して演算増幅器Z532の一方の入力端子に供給されるようになっている。
【0032】
演算増幅器Z531の一方の入力端子はダイオードD531のアノードに、演算増幅器Z531の出力端子はダイオードD531のカソードとダイオードD532のアノードに接続されている。ダイオードD532のカソードは演算増幅器Z532の一方の入力端子に接続されている。演算増幅器Z532の出力端子は演算増幅器Z532の他方の入力端子に接続されており、かつ抵抗R535を介して演算増幅器Z531の一方の入力端子に接続されている。
【0033】
また、演算増幅器Z531の他方の入力端子は接地されている。演算増幅器Z531の出力端子は、抵抗R536を介して安定化信号形成回路54の他方の入力端子に接続されている。図6は、同実施例で使用する安定化信号形成回路54の構成例を示すものである。同図において、演算増幅器Z541、Z542、Z543と、PWMコンパレータCP541と、アンド回路AD541と、基準電圧源V541と、フリップフロップ回路FF541と、ナンド回路ND541、ND542と、トランジスタQ541、Q542と、三角波発振器OS541と、抵抗R541…R546と、コンデンサC541…C543とからなる。
【0034】
第1の全波整流回路52からの出力電圧は端子T2に、第2の全波整流回路53からの出力電圧は端子T1に供給されるようになっている。端子T1は演算増幅器Z541の非反転入力端子に、端子T2は反転入力端子にそれぞれ接続されている。演算増幅器Z541の出力端子から出力される誤差信号SeはコンパレータCP541の一方の入力端子(負側端子)と、端子T3とに与えられるようになっている。コンパレータCP541の他方の入力端子(正側端子)の反転端子には三角波発振器OS541から三角波Sfが入力されるようになっている。このコンパレータCP541の比較出力は、アンド回路AD541の一方の入力端子に入力されるようになっている。アンド回路AD541の他方の入力端子には、演算増幅器Z543の出力端子から出力される所定のクロックが入力されている。
【0035】
前記演算増幅器Z543の一方の入力端子には、直流電源DC541の正極が接続されている。また、前記演算増幅器Z543の他方の入力端子であって、反転入力部には三角波発振器OS541から三角波Sfが入力されるようになっている。また、直流電源DC541の負極は端子T4に接続されている。三角波発振器OS541の二つの端子は、端子T5、T6にそれぞれ接続されている。なお、端子T7は、安定化信号形成回路54の内部のアース極に接続されている。
【0036】
前記演算増幅器Z542の出力端子は、前記演算増幅器Z541の出力端子に接続されている。前記演算増幅器Z542の非反転入力端子は端子T15に、同増幅器Z542の反転入力端子は端子T16に、それぞれ接続されている。
【0037】
このアンド回路AD541の出力端子は、各ナンド回路ND541、ND542の一方の入力端子と、基準電圧源V541の端子とに、それぞれ接続されている。また、前記ナンド回路ND541の他方に入力端子には、フリップフロップ回路FF541の一方の出力端子が接続されている。前記ナンド回路ND542の他方に入力端子には、フリップフロップ回路FF541の他方の出力端子が接続されている。これらナンド回路541、542からの出力信号は、トランジスタQ541、Q542のベースにそれぞれ供給されるようになっている。前記トランジスタQ541、Q542の各エミッタは、端子T10、T9にそれぞれ接続されている。前記トランジスタQ541、Q542の各コレクタは、端子T11、T8にそれぞれ接続されている。そして、端子T9、T10をそれぞれ接地し、かつ端子T11、T8から各制御パルス信号Pp、Pmを取り出すことができる。また、端子T11から出力される制御パルス信号Ppは正側昇圧チョッパ12に、端子T8から出力される制御パルス信号Pmは負側昇圧チョッパ32に、それぞれ供給されるようになっている。
【0038】
なお、端子12は基準電圧源V541の入力端子に接続されており、基準電圧源V541の他方の端子は端子T14に接続されている。また、フリップフロップ回路FF541の所定の端子は端子T13に接続されている。
【0039】
また、端子T4、T6は抵抗R541、R542をそれぞれ介して接地されている。端子T5はコンデンサC541を介して接地されている。端子T7、T13、T16は接地されている。端子T12には電源電圧が供給されるようになっている。また、端子T14、T15は共通接続しておき、かつ抵抗R543、コンデンサC542の並列回路を介して端子T4に接続されている。端子T1は、抵抗R544、コンデンサC543の並列回路を介して端子T3に接続されている。また、端子T11、T12の間には抵抗R545が、端子T8、T12の間には抵抗R546がそれぞれ接続されており、各端子T11、T8をプルアップできるようになっている。
【0040】
このように構成された実施例の動作を説明する。まず、制御回路5の発振回路51は、交流入力電圧に同期して、図7(a)に示すような正弦波信号Saを発振する。この正弦波信号Saは、第1の全波整流回路52に入力される。第1の全波整流回路52は、図7(b)に示すように、全波整流した波形を形成し、その信号Sbを出力する。一方、第2の全波整流回路53には、交流出力電圧Voを抵抗R531、R532で分圧した分圧電圧が入力される。この交流出力電圧が全波整流されると、例えば、図7(c)に示すような信号Sdのようになる。
【0041】
このように、第1の全波整流回路52からの信号Sbと、第2の全波整流回路53からの台形状の信号Scは、安定化信号形成回路54に入力されると、安定化信号形成回路54内の演算増幅器Z541において差がとられることになり、演算増幅器Z541からは、図7(d)に示すように、くぽんだ信号Seとなる。この信号Seは、コンパレータCP541において、図7(e)に示すように、発振器OS541からの三角波信号Sfと比較されることになる。これにより、トランジスタQ541、Q542から、図7(f)に示すように、PWM(パルスワイド変調)された制御パルス信号Sh(Pp、Pm)が得られることになる。このような制御パルス信号Pp、Pmは、それぞれ正側昇圧チョッパ12および負側昇圧チョッパ32に入力される。
【0042】
交流入力電圧が正の半サイクルにおいて、正側交流スイッチ11がオンし、正側昇圧チョッパ12は制御パルス信号Ppが入力され、スイッチング素子Q11がオンする。すると、電流が、交流入力線Kia、インダクタンス素子20、正側交流スイッチ11、ダイオードD12、スイッチング素子Q11、抵抗R11、共通ラインKc、交流入力線Kibという経路を介して流れることになる。そして、スイッチング素子Q11がオフになっても、正側交流スイッチ11がオン状態なので、ダイオードD11、インダクタンス素子73、交流出力端子Koa、負荷、交流出力線Kob、共通ラインKcという経路を通して負荷に交流を供給できることになる。
【0043】
一方、交流入力電圧が負の半サイクルにおいて、負側交流スイッチ31がオンし、負側昇圧チョッパ32は制御パルス信号Pmが入力され、スイッチング素子Q31がオンする。電流が、交流入力線Kib、共通ラインKc、抵抗R31、スイッチング素子Q31、ダイオードD32、負側交流スイッチ31、インダクタンス素子20、交流入力線Kiaという経路を介して流れることになる。そして、スイッチング素子Q31がオフになっても、負側交流スイッチ31がオン状態なので、ダイオードD31、インダクタンス素子73、交流出力端子Koa、負荷、交流出力線Kob、共通ラインKcという経路を通して負荷に交流を供給できることになる。
【0044】
なお、交流出力は、インダクタンス素子73とコンデンサ74からなる商用周波数のフィルタに加えて平滑し、図7(g)に示すように、入力商用周波数に同期した安定な交流出力電圧Voを得ることができる。また、正弦波信号と交流出力電圧を全波整流して、各々基準電圧波形および帰還信号とするのは、安定化信号形成回路54内部の演算増幅器やPWMコンパレータCP541が同相入力電圧範囲として負の電圧を許容していないため、本来は正弦波である基準電圧波形の基となる波形や交流出力電圧を全波整流して正の電圧信号に変換するためである。
【0045】
なお、本実施例によれば、定電圧変圧器(CVT)より高精度で小形軽量な交流電源回路が得られ、かつブリッジ型インバータよりも簡単な回路構成で精度の高い遊技機用の交流安定化電源を得ることがてきる。
【0046】
【発明の効果】
二つの交流入力線および二つの交流出力端子を備え、交流入力出力線の各一方を共通にしてなる共通ラインと、前記共通ラインに対する他方の交流入力線の交流電圧が正の半サイクルには正側に昇圧させて交流出力線に出力する正側昇圧回路と、前記共通ラインに対する他方の交流入力線の交流電圧が負の半サイクルには負側に昇圧させて交流出力線に出力する負側昇圧回路と、前記交流出力電圧を取込み、当該交流出力電圧が一定の電圧となるように正側昇圧回路および負側昇圧回路の動作をオンオフ制御することにより交流出力電圧を安定化制御する制御回路とを備えた交流安定化電源装置であって、前記正側昇圧回路は、前記他方の交流入力線の交流入力電圧が正の半サイクル毎にオンとなる正側交流スイッチと、前記正側交流スイッチに直列接続され制御パルス信号によりオンオフ制御されるスイッチング素子およびダイオードからなる正側昇圧チョッパとで正側直列体を構成し、前記正側直列体の一方を正側交流スイッチを介してインダクタンス素子の一方に接続し、前記正側直列体の他方を前記正側昇圧チョッパの前記ダイオードを介して共通ラインに対する他の交流出力線に接続し、前記正側昇圧チョッパのスイッチング素子を前記共通ラインに接続し、前記インダクタンス素子の他方を一方の交流入力線に接続してなり、前記負側昇圧回路は、前記他方の交流入力線の交流入力電圧が負の半サイクル毎にオンとなる負側交流スイッチと、前記負側交流スイッチに直列接続され制御パルス信号によりオンオフ制御されるスイッチング素子およびダイオードからなる負側昇圧チョッパとで負側直列体を構成し、前記負側直列体の一方を負側交流スイッチを介して前記インダクタンス素子の一方に接続し、前記負側直列体の他方を前記負側昇圧チョッパの前記ダイオードを介して共通ラインに対する他の交流出力線に接続し、前記負側昇圧チョッパのスイッチング素子を前記共通ラインに接続してなり、前記制御回路は、交流入力電圧に同期して正弦波を発生する発振回路と、前記発振回路からの正弦波電圧を整流する第1の全波整流回路と、前記交流出力電圧を整流する第2の全波整流回路と、前記第1の全波整流回路からの全波整流電圧を基準電圧とし、前記第2の全波整流回路からの全波整流電圧を帰還信号として差を取る作動増幅回路、三角波を発生する三角波発振回路、前記作動増幅回路からの誤差信号および前記三角波発振回路からの三角波を作動増幅し、そのさ像出力信号を制御パルス信号とするコンパレータを備え、前記コンパレータからの制御パルス信号により前記正側昇圧チョッパのスイッチング素子および前記負側昇圧チョッパのスイッチング素子をオンオフ制御する安定化信号形成回路とから構成したので、高精度で小型軽量な交流安定化電源を得ることができる。
また、請求項1記載の発明によれば、入力電圧、出力電圧の変動があっても確実に出力電圧を安定化することができる。
【0047】
請求項1記載の発明によれば、制御回路は、PWMの制御パルス信号を形成できるので、正確にチョッパ動作をさせることができる。
請求項1記載の発明によれば、制御回路は、安定で正確な三角波により制御パルスを形成しているので、正確に交流出力を安定化できる。
請求項1記載の発明によれば、昇圧回路は、正負交流スイッチと、正負昇圧チョッパと、インダクタンス素子とから構成されているので、確実に昇圧ができ、交流出力の安定化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の交流安定化電源装置の実施例を示すブロック図である。
【図2】同実施例で使用する正負昇圧回路の構成例を示す回路図である。
【図3】同実施例で使用する正弦波発振回路の構成例を示す回路図である。
【図4】同実施例で使用する第1の全波整流回路の構成例を示す回路図である。
【図5】同実施例で使用する第2の全波整流回路の構成例を示す回路図である。
【図6】同実施例で使用する安定化信号形成回路の構成例を示す回路図である。
【図7】同実施例の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図8】従来の定電圧トランスの構成例を示す斜視図である。
【図9】同トランス等の等価回路を示す回路図である。
【図10】従来のブリッジ型インバータの回路である。
【図11】従来のブリッジインバータの回路図である。
【符号の説明】
1・・・正側昇圧回路
3・・・負側昇圧回路
5・・・制御回路
7・・・付属回路
11・・・正側交流スイッチ
12・・・正側昇圧チョッパ
13・・・正側直列体
31・・・負側交流スイッチ
31・・・負側昇圧チョッパ
33・・・負側直列体
51・・・三角波発振回路
52・・・第1の全波整流回路
53・・・第2の全波整流回路
54・・・安定化信号形成回路
55・・・電源回路
Claims (1)
- 二つの交流入力線および二つの交流出力端子を備え、交流入力出力線の各一方を共通にしてなる共通ラインと、
前記共通ラインに対する他方の交流入力線の交流電圧が正の半サイクルには正側に昇圧させて交流出力線に出力する正側昇圧回路と、
前記共通ラインに対する他方の交流入力線の交流電圧が負の半サイクルには負側に昇圧させて交流出力線に出力する負側昇圧回路と、
前記交流出力電圧を取込み、当該交流出力電圧が一定の電圧となるように正側昇圧回路および負側昇圧回路の動作をオンオフ制御することにより交流出力電圧を安定化制御する制御回路とを備えた交流安定化電源装置であって、
前記正側昇圧回路は、前記他方の交流入力線の交流入力電圧が正の半サイクル毎にオンとなる正側交流スイッチと、前記正側交流スイッチに直列接続され制御パルス信号によりオンオフ制御されるスイッチング素子およびダイオードからなる正側昇圧チョッパとで正側直列体を構成し、前記正側直列体の一方を正側交流スイッチを介してインダクタンス素子の一方に接続し、前記正側直列体の他方を前記正側昇圧チョッパの前記ダイオードを介して共通ラインに対する他の交流出力線に接続し、前記正側昇圧チョッパのスイッチング素子を前記共通ラインに接続し、前記インダクタンス素子の他方を一方の交流入力線に接続してなり、
前記負側昇圧回路は、前記他方の交流入力線の交流入力電圧が負の半サイクル毎にオンとなる負側交流スイッチと、前記負側交流スイッチに直列接続され制御パルス信号によりオンオフ制御されるスイッチング素子およびダイオードからなる負側昇圧チョッパとで負側直列体を構成し、前記負側直列体の一方を負側交流スイッチを介して前記インダクタンス素子の一方に接続し、前記負側直列体の他方を前記負側昇圧チョッパの前記ダイオードを介して共通ラインに対する他の交流出力線に接続し、前記負側昇圧チョッパのスイッチング素子を前記共通ラインに接続してなり、
前記制御回路は、
交流入力電圧に同期して正弦波を発生する発振回路と、
前記発振回路からの正弦波電圧を整流する第1の全波整流回路と、
前記交流出力電圧を整流する第2の全波整流回路と、
前記第1の全波整流回路からの全波整流電圧を基準電圧とし、前記第2の全波整流回路からの全波整流電圧を帰還信号として差を取る差動増幅回路、三角波を発生する三角波発振回路、前記差動増幅回路からの誤差信号および前記三角波発振回路からの三角波を差動増幅し、その差動出力信号を制御パルス信号とするコンパレータを備え、前記コンパレータからの制御パルス信号により前記正側昇圧チョッパのスイッチング素子および前記負側昇圧チョッパのスイッチング素子をオンオフ制御する安定化信号形成回路と
からなることを特徴とする交流安定化電源装置。
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JP13101695A JP3585569B2 (ja) | 1995-05-01 | 1995-05-01 | 交流安定化電源装置 |
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JP13101695A JP3585569B2 (ja) | 1995-05-01 | 1995-05-01 | 交流安定化電源装置 |
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JPH08308226A JPH08308226A (ja) | 1996-11-22 |
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ID=15048028
Family Applications (1)
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JP13101695A Expired - Lifetime JP3585569B2 (ja) | 1995-05-01 | 1995-05-01 | 交流安定化電源装置 |
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GB0526625D0 (en) | 2005-12-30 | 2006-02-08 | Microgen Energy Ltd | Power supply |
-
1995
- 1995-05-01 JP JP13101695A patent/JP3585569B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH08308226A (ja) | 1996-11-22 |
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