JP3584990B2 - 抗ヒトインフルエンザウイルス抗体 - Google Patents

抗ヒトインフルエンザウイルス抗体 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ヒトインフルエンザウイルスの感染による発症の診断、予防に利用される抗ヒトインフルエンザウイルス抗体に関する。
【0002】
【従来の技術】
インフルエンザウイルスには3つの型(A、B及びC)があり、インフルエンザの世界的な流行を起こし、多くの死者がでるのはA型のヒトインフルエンザウイルスによるものである。
インフルエンザA型ウイルスは更にウイルス表面タンパク質であるヘマグルチニン( haemagglutinin:以下、HAと略す)及びノイラミニダーゼ(以下、NAと略す)の抗原性により多くのサブタイプに分類され、ヒトインフルエンザA型ウイルスとしてはH1N1サブクラス、H2N2サブクラス、H3N2サブクラスの3種が現在知られている。
これらのサブクラス中、H1N1サブクラス、H3N2サブクラスのウイルスが現在流行しているヒトインフルエンザA型ウイルスであり、H2N2サブクラスのウイルスは消滅し、1968年以降、日本においての分離例は無い。
このインフルエンザA型ウイルスのHAは、球状部領域( head region ) と幹領域( stem region ) という二つの構造の異なった領域で構成され、球状部領域は、ウイルスが標的細胞に結合するための受容体結合部位を含みHAの血球凝集活性に関与し、一方、幹領域は、ウイルスのエンベロープと細胞のエンドソーム膜間の膜融合に必要な融合ペプチドを含み、融合活性に関与している〔ウイリー( Wiley ) ら、アニュアル レビュー オブ バイオケミストリー( Ann. Rev. Biochem. )、第56巻、第365〜394頁(1987)〕。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ヒトインフルエンザA型ウイルスは周期的にHAとNAの型を変えて大流行を引起こし、インフルエンザの流行期である冬期前にワクチン接種を受けても、別の型のウイルスによるインフルエンザが流行するためワクチンの効果が期待できないことが多い。しかし、HA分子やNA分子中の、ウイルスのサブタイプに共通で、抗原変異の生じ難い抗原部位、特に立体構造を認識する抗体を得ることができれば、この抗体はA型ウイルスの感染による発症の診断、予防に利用できる。
本発明の目的は、ヒトインフルエンザA型ウイルスのサブタイプを特異的に認識する抗体、該抗体を用いるヒトインフルエンザウイルスの検出方法、及び該方法に使用するキットを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明を概説すれば、本発明の第1の発明は抗ヒトインフルエンザウイルス抗体に関し、ハイブリドーマAI3C(FERM BP−4516)由来の、下記特性(a)及び(b)を有することを特徴とする。
(a)ヒトインフルエンザA型ウイルスのH3N2サブタイプのヘマグルチニン分子中の幹領域の配列表の配列番号1で表されるTGMRNポリペプチド配列と配列表の配列番号2で表されるQINGKLNR(L/V)IEKポリペプチド配列とを認識する。
(b)ヒトインフルエンザA型ウイルスのH1N1サブタイプとH2N2サブタイプのヘマグルチニン分子中の幹領域の配列表の配列番号3で表されるTGLRNポリペプチド配列と、配列表の配列番号4で表されるGITNKVNSVIEKポリペプチド配列とを認識しない。
また本発明の第2の発明はヒトインフルエンザウイルスの検出方法に関し、本発明の第1の発明の抗ヒトインフルエンザウイルス抗体をH3N2サブタイプのヒトインフルエンザウイルスに結合させる工程を包含することを特徴とする。更に本発明の第3の発明は、本発明の第2の発明の方法を用いて検出を行うためのヒトインフルエンザウイルス検出キットに関し、本発明の第1の発明の抗ヒトインフルエンザウイルス抗体を含有していることを特徴とする。
【0005】
本発明者らは鋭意研究の結果、ヒトインフルエンザA型ウイルスのH3N2サブタイプの幹領域に、共通に保存された抗原部位に対する抗体を得ることに成功し、次に、該抗体がヒトインフルエンザA型ウイルスのH1N1サブタイプ、H2N2サブタイプに全く交さ認識性を示さないことより、H3N2サブタイプの確定診断に有用であることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
ヒトインフルエンザA型ウイルスのH3N2サブタイプのHA分子幹領域中の共通部位を特異的に認識する抗体は、モノクローナル抗体として、次の様に調製することができる。例えばマウス、モルモット、ウサギのような、ほ乳動物を下記抗原で免疫する。抗原としては次のような物質を使用することができる。H3N2サブタイプ、例えばA/Fukuoka /C29/85、A/Sichuan /2/87、A/Ibaraki /1/90、A/Suita /1/90(以上、大阪大学微生物病研究所保存株)、A/Port Chalmers /1/73〔インフルエンザA(H3N2)、ATCC VR−810〕、A2/Aichi /2/68〔インフルエンザA、ATCC VR−547〕より選択されるウイルス粒子を使用することができる。あるいはこれらのウイルスから得られるHA分子、若しくは遺伝子組換え技術を用いて調製されるHAポリペプチド、若しくは本発明の抗体の認識部位、すなわちHA分子中の幹領域の抗原部位を分子内に含有する組換えポリペプチド、又はHA分子中の幹領域の抗原部位を分子内に含有する合成ポリペプチドで免疫することができる。
【0007】
次に免疫動物より得られた脾臓細胞を、例えばマウスのミエローマ細胞と融合させ、得られるハイブリドーマから、下記(A)〜(C)の性質を有する抗体を産生する細胞を選択し、該細胞を培養することによって調製することができる。(A)H3N2のサブタイプウイルスに結合性を有する。
(B)H1N1サブタイプ及びH2N2サブタイプのウイルス、H1N1サブタイプとしては例えばA/Bangkok /10/83、A/Yamagata/120/86、A/Osaka /930/88、A/Suita /1/89(以上、大阪大学微生物病研究所保存株)、A/PR/8/34〔インフルエンザ(H1N1)、ATCC
VR−95〕、A1/FM/1/47〔インフルエンザA(H1N1)、ATCC VR−97〕、A/New Jersey/8/76〔インフルエンザA(H1N1)、ATCC VR−897〕、A/NWS/33〔インフルエンザA(H1N1)、ATCC VR−219〕、A/Weiss /43〔インフルエンザA(H1N1)、ATCC VR−96〕、A/WS/33〔インフルエンザA(H1N1)、ATCC VR−825〕、H2N2サブタイプとしては例えばA/Okuda /57、A/Adachi/2/57、A/Kumamoto/1 /65、A/Kaizuka /2/65、A/Izumi /5/65(以上、大阪大学微生物病研究所保存株)、A2/Japan /305/57〔インフルエンザA(H2N2)、ATCC VR−100〕、及びB型のウイルス、例えばB/Nagasaki/1/87(大阪大学微生物病研究所保存株)、B/Allen /45〔インフルエンザB、ATCC VR−102〕には結合性を有さない。
【0008】
HA分子幹領域中に配列表の配列番号1で表されるアミノ酸配列、及び配列表の配列番号5又は6で表されるアミノ酸配列を有するヒト以外のインフルエンザウイルス、例えばA/duck/Czechoslovakia/1/56(H4N6)、A/chiken/Germany “N”/49(H10N7)(以上、大阪大学微生物病研究所保存株)には結合性を有し、これらのアミノ酸配列を有さないヒト以外のインフルエンザウイルス、例えばA/whistling swan/Shimane /476/83(H5N3)、A/whistling swan/Shimane /37/80(H6N6)、A/tufted duck /Shimane /124R/80(H7N7)、A/turkey/Ontario /6118/68(H8N4)、A/turkey/Wisconsin /66(H9N2)、A/duck/England /56(H11N6)(以上、大阪大学微生物病研究所保存株)には結合性を有さない。
【0009】
(C)H3N2サブタイプのHA分子は認識するが、HA分子中の球状部領域が関与する血球凝集活性は阻害しない。
【0010】
このハイブリドーマの調製に関しては、ネーチャー( Nature )、第256巻、第495〜497頁(1975)を基に行う。免疫用マウスとしては、Balb/c系マウス、Balb/c系マウスと他系マウスとのF1マウスなどが用いられる。免疫はマウス1匹に対して、例えばウイルス粒子(100〜1000HA単位)を抗原として用い、2〜5月間に例えば3回行う。なおマウスの飼育及び脾臓細胞の採取は常法に従う。
【0011】
ミエローマ細胞としてはSP2/0−Ag14(ATCC CRL1581)、p3×63Ag8U.1(ATCC CRL1597)、p3×63Ag8(ATCC TIB9)、p3×63−Ag8.653(ATCC CRL1580)等が好適に用いられる。脾臓細胞とミエローマ細胞は1:1〜10:1の割合で混合し、融合はNaCl(約0.85%)、ジメチルスルホキシド〔10〜20%(v/v)〕及び分子量1000〜6000のポリエチレングリコールを含有するリン酸緩衝液(pH7.2〜7.4)中で、両細胞の混合物を35〜37℃で1〜5分間保温することによって行う。融合細胞の選択は、HAT培地を用い、生育してくる細胞として選択する。融合細胞のクローン化は限界希釈法にて少なくとも3回繰返して行う。
【0012】
ハイブリドーマを通常の動物細胞と同様にして培養すれば、その結果培地中に本発明の抗体を得ることができる。また該ハイブリドーマをプリスタン処理のヌードマウス、又はBalb/cマウスの腹腔内に移植して増殖させることにより腹水中に本発明の抗体を蓄積させることができる。すなわち、これらのマウス腹腔内にプリスタン0.5〜1mgを接種し、その後2〜3週目に腹腔に5×10〜1×10個のハイブリドーマを移植する。通常7〜10日後に腹水が蓄積し、これを採取する。培養物及び腹水中のモノクローナル抗体は通常の手段で精製される。
【0013】
得られたモノクローナル抗体はH3N2サブタイプのHA分子の幹領域を認識し、詳細には以下の性状を有している。
【0014】
(a)染色試験により、H3N2サブタイプで感染したMDCK細胞(ATCCCCL34)を認識し、H1N1サブタイプ及びH2N2サブタイプで感染したMDCK細胞は認識しない。染色試験は4種類の抗体(本発明のモノクローナル抗体、ウサギ抗マウスイムノグロブリンG血清、ヤギ抗ウサギイムノグロブリンG血清、ペルオキシダーゼ−ウサギ抗ペルオキシダーゼ複合体)を用い、ジャーナル オブ クリニカル ミクロバイオロジー(J.Clin. Microbiol ) 、第28巻、第1308〜1313頁(1990)に記載の方法に準じ行う。
【0015】
(b)免疫沈降法により、H3N2サブタイプのHA分子を認識し、H1N1サブタイプ及びH2N2サブタイプのHA分子は認識しない。
【0016】
(c)血球凝集試験において、H1N1サブタイプ、H2N2サブタイプ、H3N2サブタイプのそれぞれの血球凝集活性を阻害しない。
【0017】
(d)HA分子をコードする遺伝子解析により特定される、H3N2サブタイプのHA分子中の幹領域に特有の共通保存領域を認識し、H1N1サブタイプ及びH2N2サブタイプのHA分子中の幹領域に特有の共通保存領域は認識しない。
【0018】
H3N2サブタイプのHA分子中の共通保存領域としては、ジャーナル オブビロロジー(J.Virology )、第67巻、第2552〜2558頁(1993)に記載のH3N2サブタイプのHA分子中の幹領域の配列表の配列番号1で表されるTGMRNポリペプチド配列と配列表の配列番号2で表されるQINGKLNR(L/V)IEKポリペプチド配列がある。図1にHA分子中の三次構造の模式図〔前出ウイリーら〕、及びH3N2サブタイプのHA分子中の共通保存領域の位置を示す。図中A領域、B領域で示す両ポリペプチド配列は、図1に示す様にHA分子中の幹領域の中央で互に近接して位置しており、抗体の一例のHybridoma AI3C(FERM BP−4516)の生産するモノクローナル抗体AI3Cは、該HA分子中の幹領域の配列表の配列番号1で表されるTGMRNポリペプチド配列と配列表の配列番号2で表されるQINGKLNR(L/V)IEKポリペプチド配列とを認識する。
【0019】
H1N1サブタイプ、及びH2N2サブタイプのHA分子中の共通保存領域としては、前出ジャーナル オブ ビロロジーに記載の、H1N1サブタイプ及びH2N2サブタイプのHA分子中の幹領域の配列表の配列番号3で表されるTGLRNポリペプチド配列と配列表の配列番号4で表されるGITNKVNSVIEKポリペプチド配列があるが、本発明の抗体はこれらの部位は認識しない。
【0020】
本発明により得られる抗体、又は抗体由来のFab、抗体をコードする遺伝子より調製した抗体、Fab、Fv、scFv等はヒトインフルエンザA型ウイルスのH3N2サブクラスのHA分子中の幹領域に特有の共通保存領域を特異的に認識する。したがって、球状部領域の抗原変異に全く影響されることなく、ヒトインフルエンザA型ウイルスのH3N2サブクラスを特異的に検出することができ、ヒトインフルエンザウイルスによる発症の診断や予防のための、ヒトインフルエンザウイルスの検出、特に、流行中のウイルスをH1N1サブクラス、H3N2サブクラス、B型ウイルスにタイピングする際に有用である。
【0021】
ヒトインフルエンザウイルスの検出に際しては、ヒトインフルエンザA型ウイルスのH1N1サブクラス、H2N2サブクラスは認識し、H3N2サブクラスは認識しない抗体、例えばHybridoma C179(FERM BP−4517)より産生され(特願平4−272538号)、前出ジャーナル オブ ビロロジーに記載のモノクローナル抗体、C179と組合せ使用することにより、検体中のH1N1サブクラス、H2N2サブクラスとH3N2サブクラスの分別検出を簡便に行うことができる。更に抗B型ウイルス抗体を組合せることにより、流行中のヒトインフルエンザウイルス(H1N1サブタイプ、H3N2サブタイプ、B型ウイルス)のタイピングを正確、迅速、簡便に行うことができる。
【0022】
本発明の抗体を用いるH3N2サブクラスの検出方法としては、従来この分野でよく知られた免疫測定法、すなわち酵素免疫測定法、ラジオイムノアッセイ免疫比濁法、ラテックス凝集法等が使用でき、中でも酵素免疫測定法が、感度、簡便さにおいて最も実用的である。
【0023】
検体としては、うがい液より調製したウイルス液、鼻汁より調製したウイルス液、咽頭ぬぐい液より調製したウイルス液等を使用するのが最も簡便である。例えばウイルス液中のウイルスをヒトインフルエンザウイルス高感受性のMDCK細胞に感染させ、モノクローナル抗体AI3Cを用い、前出の染色試験を行うことにより、高感度、簡便にH3N2サブタイプを検出することができる。この時、C179、抗B型ウイルス抗体と併用すれば、検体中のヒトインフルエンザウイルスの検出を効率よく行うことができる。また各ウイルスが混合感染した場合の検体中からも、各型のウイルスを効率よく分別、検出することができる。
【0024】
また本発明の抗ヒトインフルエンザウイルス抗体を含有するキットを用いることにより、ヒトインフルエンザA型ウイルス、H3N2サブクラスの検出を簡便に行うことができる。なおキット中には、H1N1サブクラス検出用のC179、B型ウイルス検出用の抗B血清を含有させることにより更に簡便に、ヒトインフルエンザウイルスを検出することができる。なおキットに用いる試薬は溶液状でも良いし、凍結乾燥物でも良い。
【0025】
【実施例】
以下に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0026】
実施例1
1.ウイルスの調製
H1N1サブタイプとしてA/PR/8/34、A/Bangkok /10/83、A/Yamagata/120/86、A/Osaka /930/88、A/Suita /1/89、H2N2サブタイプとしてA/Okuda /57、A/Adachi/2/57、A/Kumamoto/1/65、A/Kaizuka /2/65、A/Izumi /5/65、H3N2サブタイプとしてA2/Aichi /2/68、A/Fukuoka /C29/85、A/Sichuan /2/87、A/Ibaraki /1/90、A/Suita /1/90、B型ウイルスとしてB/Nagasaki/1/87を用い、ヒト以外のインフルエンザウイルスとして、H4N6サブタイプとしてはA/duck/Czechoslovakia/1/56、H5N3サブタイプとしてはA/whistling swan/Shimane /476/83、H6N6サブタイプとしてはA/whistling swan/Shimane /37/80、H7N7サブタイプとしてはA/turfted duck/Shimane /124R/80、H8N4サブタイプとしてはA/turkey/Ontario /6118/68、H9N2サブタイプとしてはA/turkey/Wisconsin /66、H10N7サブタイプとしてはA/chicken /Germany “N”/49、H11N6サブタイプとしてはA/duck/England /56を用い、それぞれのウイルスを11日齢の発育鶏卵の尿膜腔内に接種し、34℃で4日間培養後、各ウイルス液を採取した。
【0027】
2.モノクローナル抗体の調製
(1)実施例1−1で調製したA2/Aichi 2/68のウイルス(320HA単位)をフロイント完全アジュバントに使用前に懸濁し、1ヵ月間隔で、Balb/cマウス腹腔内注射により、2度免疫し、その1ヵ月後に、同抗原(320HA単位)のPBS懸濁液を用い腹腔内注射しブーストした。その3日後に、マウスより脾臓を摘出し、脾細胞を調製した。
マウスミエローマとしてはp3×63Ag8を10%牛胎児血清添加DME培地で継代後2日間培養したものを、細胞融合前に生理食塩水で洗浄し、調製した。次に脾細胞とミエローマ細胞を細胞数1:5の割合で混合し、遠心分離して上清を除き、沈殿した細胞塊を充分ほぐした後、かくはんしながら、1mlの混合液〔ポリエチレングリコール−4000(2g)、MEM(2ml)、ジメチルスルホキシド〕に加え、5分間37℃に保温した後、液の全量が10mlになるようにゆっくりMEMを加えた。次に、遠心分離後、上清を除き、ゆるやかに細胞をほぐした。これに正常培地〔PRMI−1640に牛胎児血清10%を加えたもの〕30mlを加え、メスピペットを用いてゆるやかに細胞を懸濁した。
【0028】
懸濁液を96穴の培養プレートに分注し、5%のCOを含む培養器中で、37℃で24時間培養した。次にHAT培地を加え、10〜14日間培養した。続いて培養上清の一部を採り、ハイブリドーマのスクリーニングを行った。
【0029】
(2)インフルエンザA型ウイルスのH3N2サブタイプに保存されているA領域、B領域に反応するモノクローナル抗体を得るために、希釈していない、上記培養上清を1次抗体として用い、3種のサブタイプ(H3N2、H10N7、H1N1)のそれぞれに感染したMDCK細胞の染色試験を行った。染色試験は前出のジャーナル オブ クリニカル ミクロバイオロジーに記載の方法に準じて行った。すなわち96穴マイクロタイタープレート(ファルコン3072:ベクトン ディキンソン社製)上で、ヒトインフルエンザA型ウイルスの各サブタイプ株(H3N2:A2/Aichi /2/68、H10N7:A/chicken /Germany “N”/49、H1N1:A/PR/8/34)に感染させたMDCK細胞を、PBS(pH7.4)で洗浄後、無水エタノールで室温下、10分間固定した。次にこれらの細胞を4種類の抗体〔モノクローナル抗体を含有する前記培養上清、ウサギ抗マウスイムノグロブリンG血清(オルガノテクニカ社製)の1000倍希釈液、ヤギ抗ウサギイムノグロブリンG血清(オルガノテクニカ社製)の500倍希釈液、ペルオキシダーゼ−ウサギ抗ペルオキシダーゼ複合体(オルガノテクニカ社製)の1000倍希釈液〕で連続的に、37℃、30分間ずつ反応させ、処理細胞をPBSで洗浄した。最後にペルオキシダーゼ反応を、0.01%のHと0.3mg/mlの3,3′−ジアミノベンジジン四塩酸のPBS溶液を用い、グラハム、カルノフスキー( Graham、Karnovsky ) の方法で行った。染色された細胞は通常の光学顕微鏡で観察し、H3N2サブタイプ感染のMDCK細胞及びH10N7サブタイプ感染のMDCK細胞をそれぞれ認識する抗体を選抜した。次に該抗体産生の確認された細胞が増殖している穴の細胞を取り出し、限界希釈法を3回行い、目的の細胞をクローニングし、クローニングされたハイブリドーマ株をHybridoma AI3C、該ハイブリドーマが産生するモノクローナル抗体をモノクローナル抗体AI3Cと命名した。
なお、該モノクローナル抗体AI3Cの開発名はモノクロナール抗体F49である。
【0030】
このHybridoma AI3Cは、Hybridoma AI3Cと表示して、工業技術院生命工学工業技術研究所に、FERM BP−4516として寄託されている。
【0031】
(3)プリスタン処理したBalb/cマウスに上記ハイブリドーマ株を5×10個/匹マウスの腹腔内に投与した。10〜21日後に、腹水ガンが誘発されたマウスから腹水を採り、3000rpm /5分の遠心処理により固型成分を除去し、腹水液を調製した。腹水液1ml中には約5mgのモノクローナル抗体AI3C(以下、単にAI3Cと略す)が含有されていた。AI3CはプロテインA−セファロース4B(ファルマシア社製)で精製された。
【0032】
3.モノクローナル抗体の性状
(1)実施例1−2−(3)記載の腹水液の100倍希釈液を段階希釈し、実施例2−(2)記載の染色試験を行い、AI3Cの抗原認識性を検討した。H1N1サブタイプとしてはA/PR/8/34、A/Bangkok /10/83、A/Yamagata/120/86、A/Osaka /930/88、A/Suita /1/89、A1/FM/1/47、H2N2サブタイプとしてはA/Okuda /57、A/Adachi/2/57、A/Kumamoto/1/65、A/Kaizuka /2/65、A/Izumi /5/65、H3N2サブタイプとしてA/Aichi /2/68、A/Fukuoka /C29/85、A/Sichuan /2/87、A/Ibaraki /1/90、A/Suita /1/90、A/Kitakyushu/159/93、更にインフルエンザB型ウイルスとしてB/Nagasaki/1/87を用い、ヒトインフルエンザウイルス以外の実施例1−1記載のウイルスも用いた。その結果を表1、表2に示す。
【0033】
【表1】
Figure 0003584990
【0034】
【表2】
Figure 0003584990
【0035】
表1、表2中の数字は実施例1−2−(3)の腹水液の希釈倍数であり、染色力価は染色試験で細胞を染色可能な該腹水液の最大希釈倍数を示す。また表2中のA領域アミノ酸配列、B領域アミノ酸配列とは各サブタイプにおいてH3N2サブタイプのA領域、B領域にそれぞれ対応する領域のアミノ酸配列を配列表の配列番号で示したものであり、配列表の配列番号1、及び配列番号5又は6で示すアミノ酸配列を有するサブタイプのウイルスをAI3Cは認識する。
【0036】
以上、AI3CはすべてのH3N2サブタイプ及びA/duck/Czechoslovakia/1/56、A/chicken /Gevmany “N”/49を認識し、他のサブタイプ、B型ウイルスは認識しなかった。
【0037】
(2)抗体の血球凝集阻害活性(HI)は次の様に行った。
抗体としては実施例1−(3)の腹水液を用い、該抗体は使用前に3倍容のレセプター分解酵素(RDE:武田薬品工業社製)溶液を加え、37℃、18時間反応後、56℃、45分間の加熱処理でRDEを失活させ、最終的に腹水液の16倍希釈液として調製し、被検液とし、その段階希釈液を調製し、次に実施例1−1記載の各ウイルス(16HA単位)と混合し、室温で30分間反応させた。その後、ニワトリ赤血球を加えよく混和し、各ウイルスで赤血球凝集活性に及ぼす抗体の影響を検討した。AI3Cはすべてのサブタイプのウイルスの血球凝集活性に影響を与えなかった。
【0038】
4.エピトープの決定
AI3Cの認識タンパク質がHA分子であることを免疫沈降反応によって決定した。すなわち、H3N2サブタイプのA2/Aichi /2/68を30分間MDCK細胞に吸着、感染させた後、培地中のメチオニンを10μCiの「35S〕メチオニンで置換したMEMで24時間培養し、感染細胞を標識した。次に該細胞を集め、次にRIPA緩衝液〔50mMトリス(pH7.4)、150mM NaCl、1mM EDTA、1%ノニデットP−40、1%デオキシコール酸、0.1%SDS〕に再懸濁した。続いて不溶物を遠心除去した後、上清を得た。次に該上清をAI3Cと混合し、1時間、4℃で保温した後、プロテインA−セファロースCL4Bビーズを添加し、室温で2時間保持し、免疫沈降物をビーズに吸着させた。次に該ビーズを集め、RIPA緩衝液で5回洗浄した後、沸騰し、AI3Cの結合タンパク質を遊離させた。次に該タンパク質のSDS−12.5%ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行い、ゲルを固定し、1Mサリチル酸ナトリウムに浸してから乾かし、オートラジオグラフィーを行った。AI3Cの結合する標識タンパク質は、その電気泳動パターンより、A2/Aichi /2/68のHA分子と同定された。同様の試験をH1N1サブタイプ、H2N2サブタイプ、他のH3N2サブタイプ及び実施例1−1記載のB型ウイルス、ヒト以外のウイルスをそれぞれ用い行った。AI3CはすべてのH3N2サブタイプ、A/duck/Czechoslovakia/1/56、及びA/chicken /Germany “ N ”/49のHA分子と特異的に免疫沈降した。これらのウイルスのHA分子の幹領域に共通に保存されているアミノ酸配列は前出の配列番号1で表されるアミノ酸配列、及び配列番号2、5、6で表されるアミノ酸配列であり、AI3Cのエピトープはこの両アミノ酸配列と決定した。
【0039】
実施例2
1.C179の調製
プリスタン処理したBalb/cマウスにHybridoma C179(FERM BP−4517)を5×10個/匹マウスの腹腔内に投与した。10〜21日後に、腹水ガンが誘発されたマウスから腹水を採り、3000rpm /5分の遠心処理により固型成分を除去し、腹水液を調製した。腹水液1ml中には約5mgのモノクローナル抗体C179(以下、単にC179と略す)が含有されていた。C179はプロテインA−セファロース4B(ファルマシア社製)で精製した。
【0040】
2.抗B型ウイルス抗体の調製
実施例1−1に記載のヒトインフルエンザB型ウイルス、B/Nagasaki/1/87の5000HA単位をフロイント完全アジュバントに使用前に懸濁し、1ヵ月間隔で、ウサギ筋肉内に注射し、二度免疫した。二度目の免疫の10日後に、心臓より全採血し、抗B型ウイルス血清を調製した。
【0041】
3.ヒトインフルエンザウイルス検出キットの作製
実施例1−2−(3)記載のAI3CのPBS溶液(1mg/ml)1ml、実施例2−1記載のC179のPBS溶液(1mg/ml)1ml、及び実施例2−2記載の抗B型ウイルス血清1mlをそれぞれ5ml容のバイアルに分注し、凍結乾燥を行い、それぞれの凍結乾燥標品を得た。次にこれらの標品と、抗体溶解、希釈用の1%ブロックエース(雪印社製)含有PBS100ml入バイアルを組合せ、ヒトインフルエンザウイルス検出キットを作製した。
【0042】
実施例3
1.臨床分離株のタイピング
1968年以降に患者より分離された分離株80株(大阪府立公衆衛生研究所保存株)のタイピングを行った。
すなわち、96穴マイクロプレート(コーニング26860)の各穴にMDCK細胞を1×10個ずつ分注し、翌日、各分離株のウイルス液25μlを1株につき3穴分注し、35℃、45分間保温し、ウイルスを感染させた。
各穴をPBSで洗浄後、0.5%トラガカントゴム(和光純薬社製)、及び5μg/mlのトリプシンを含有するイーグルMEM100μlを添加した。これを35℃で16時間保温した後、添加液を除去し、各穴をPBSで洗浄した。次に各穴の細胞を、室温下、無水エタノールで10分間固定した。次に実施例2で作製したキットを用い、AI3C溶液(1mg/ml)の1000倍希釈液、C179溶液(1mg/ml)の1000倍希釈液、抗B型血清(原血清濃度)の1000倍希釈液を調製し、これらの抗体希釈液を用い、各細胞の染色試験を行った。すなわち、各分離株が感染した3穴のうち、1穴にはAI3C希釈液、他の1穴にはC179希釈液、残りの1穴には抗B型ウイルス血清希釈液の各100μlをそれぞれの穴で反応させた後、ウサギ抗マウスイムノグロブリンG血清の1000倍希釈液100μl、ヤギ抗ウサギイムノグロブリン血清の500倍希釈液100μl、ペルオキシダーゼ−ウサギ抗ペルオキシダーゼ複合体の1000倍希釈液100μlで連続的に、37℃、30分間ずつ反応させ、処理細胞をPBSで洗浄した。最後にペルオキシダーゼ反応を、0.01%のHと0.3mg/mlの3,3′−ジアミノベンジジン四塩酸のPBS溶液100μlを用い、各細胞を染色し、各穴を水道水で洗浄し、乾燥させた。染色させた細胞はフォーカスとして3穴のうち、いずれか1穴分に形成され、可視化できた。可視化が困難な場合は通常の光学顕微鏡で観察し、H1N1サブタイプ、H3N2サブタイプ及びB型のいずれかであるかのタイピングを行った。該方法に従って行われたタイピングの結果を、従来法の血清学的に赤血球凝集抑制反応でタイピングされた結果と比較した。その結果を下記表3に示す。
【0043】
【表3】
Figure 0003584990
【0044】
表3に示す様に従来法ではH1N1サブタイプと判定されていた2分離株が、H1N1サブタイプとH3N2サブタイプのウイルスの混合物であることも判明し、本発明により各分離株のタイピングを正確に行うことができた。
【0045】
なおフェレット免疫血清としては、A/Kumamoto/37/79(H1N1)、A/Bangkok /10/83(H1N1)、A/Yamagata/120/86(H1N1)でそれぞれフェレットを免疫して得たH1N1サブタイプ判定用血清、A/Ishikawa/7/32(H3N2)、A/Phillippin/2/82(H3N2)、A/Fukuoka /C29/85(H3N2)、A/Sichuan /2/87(H3N2)でそれぞれフェレットを免疫して得たH3N2サブタイプ判定用血清、B/Singapore /222/79、B/Ibaraki /2/85、B/Yamagata/16/88、B/Aichi /5/88でそれぞれフェレットを免疫して得たB型ウイルス判定用血清(以上、大阪府立公衆衛生研究所保有)を用いた。
【0046】
2.臨床検体中のウイルスのタイピング
1993〜1994年発症の患者のうがい液10mlを4℃、3000回転、30分間の遠心分離を行い、上澄液を調製した。次にこの上澄液をウイルス液検体とし、実施例3−1に従い、ウイルス感染細胞の染色試験を行った。
すなわち、24穴マイクロプレート(コーニング258201)の各穴にMDCK細胞を1×10個ずつ分注し、翌日、ウイルス液検体0.8mlを1検体につき3穴分注し、35℃、45分間保温し、ウイルスを感染させた。次に各穴をPBSで洗浄後、5μg/mlのトリプシンを含有するイーグルMEM1mlを添加した。これを35℃で40時間保温後、添加液を除去し、各穴をPBSで洗浄し、以下、AI3C、C179、抗B型ウイルス血清を用い、各細胞の染色試験を行った。
また、ウイルス感染後、35℃で4日間保温した各細胞についても、同様に染色試験を行った。
なお、従来法として、24穴マイクロプレートの各穴にMDCK細胞を1×10個ずつ分注し、翌日、ウイルス液検体0.8mlを1検体につき4穴分注し、35℃、45分間保温し、ウイルスを感染させた。
【0047】
各穴をPBSで洗浄後、5μg/mlのトリプシンを含有するイーグルMEM1mlを添加し、35℃、4日間培養した。培養4日目に細胞変性を観察し、変性のみられた検体につき当該穴の細胞培養液の血球凝集活性を測定した。また変性のみられなかった検体については再度、ウイルス液によるMDCK細胞感染を行い、4日後に再度細胞変性の有無を確認し、細胞変性のみられた検体は当該穴の細胞培養液の血球凝集活性を測定した。
すなわち、0.5%ヒヨコ赤血球50μlに細胞培養液50μlを混合し、30分後の凝集の有無より、ヒトインフルエンザウイルスの有無を判定した。ヒトインフルエンザウイルスの存在が確認された細胞培養液については、H1N1サブタイプ、H3N2サブタイプ、B型ウイルス判定用のフェレット免疫血清、すなわち、A/Yamagata/32/89(H1N1)でフェレットを免疫して得たH1N1サブタイプ判定用血清、A/Osaka /1089/93(H3N2)、及びA/Kitakyushu/159/93(H3N2)でそれぞれフェレットを免疫して得たH3N2サブタイプ判定用血清、B/Bangkok /63/90及びB/Mie /1/93でそれぞれフェレットを免疫し得たB型ウイルス判定用血清(以上、大阪府立公衆衛生研究所保有)を用い、該各血清の赤血球凝集抑制反応でタイピングを行った。すなわち各血清25μlごとに、細胞培養液25μlを添加し、37℃、1時間保温した後、0.5%ヒヨコ赤血球50μlを混合し、30分後の凝集の有無より、ヒトインフルエンザウイルスのタイピングを行った。
本発明の方法と、従来法の結果を表4に示す。
【0048】
【表4】
Figure 0003584990
【0049】
本発明方法ではうがい液より調製したウイルス液検体を細胞に感染後、2日後には、25/33(76%)をタイピングすることができ、更に保温を続けた場合、従来法のタイピングと結果が完全に一致し、1993〜1994年に流行のウイルスはH3N2サブタイプと決定した。
【0050】
従来法において使用するフェレット血清は、流行中のヒトインフルエンザウイルス株を分離し、フェレットを免疫し、調製して得ているため、ヒトインフルエンザウイルスの抗原性の変化により、その結合活性消失が生じること、よって常に、最新、複数の抗血清を準備する必要がある。また、最近、フェレットが入手困難であり、自家繁殖の結果、高力価血清の調製が困難となっている。
【0051】
一方、本発明方法は、検体調製後、ウイルスの増殖力が強い場合は2日後に、タイピングが可能なこと、H1N1サブタイプ検出用抗体、H3N2サブタイプ検出用抗体が、それぞれのサブタイプの抗原変化の影響を受けないこと、高力価の抗体がモノクローナル抗体として常に安定して供給されること等で特に優れている。
【0052】
【発明の効果】
本発明の抗ヒトインフルエンザウイルス抗体、その検出方法及び本発明のキットを用いることにより、インフルエンザウイルス分離株だけでなく、患者のうがい液からも迅速に高感度でかつ正確にインフルエンザウイルスを検出でき、しかも、同時にタイピングを行うことができる。
その結果、短時間に大量の検体のタイピングが可能となり、その年におけるインフルエンザの流行予測が迅速に行えることになる。
【0053】
【配列表】
【0054】
Figure 0003584990
【0055】
Figure 0003584990
【0056】
Figure 0003584990
【0057】
Figure 0003584990
【0058】
Figure 0003584990
Figure 0003584990
【0059】
Figure 0003584990
【0060】
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【0061】
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【0062】
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【0063】
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【0064】
Figure 0003584990
【0065】
Figure 0003584990
【0066】
Figure 0003584990

【図面の簡単な説明】
【図1】ヘマグルチニン分子の三次構造の模式図である。

Claims (3)

  1. ハイブリドーマAI3C(FERM BP−4516)由来の、下記特性(a)及び(b)を有する抗ヒトインフルエンザウイルス抗体。
    (a)ヒトインフルエンザA型ウイルスのH3N2サブタイプのヘマグルチニン分子中の幹領域の配列表の配列番号1で表されるTGMRNポリペプチド配列と配列表の配列番号2で表されるQINGKLNR(L/V)IEKポリペプチド配列とを認識する。
    (b)ヒトインフルエンザA型ウイルスのH1N1サブタイプとH2N2サブタイプのヘマグルチニン分子中の幹領域の配列表の配列番号3で表されるTGLRNポリペプチド配列と、配列表の配列番号4で表されるGITNKVNSVIEKポリペプチド配列とを認識しない。
  2. 請求項1記載の抗ヒトインフルエンザウイルス抗体をH3N2サブタイプのヒトインフルエンザA型ウイルスに結合させる工程を包含することを特徴とするヒトインフルエンザウイルスの検出方法。
  3. 請求項2記載の方法を用いて検出を行うための検出キットであって、請求項1記載の抗体を含有していることを特徴とするヒトインフルエンザウイルス検出キット。
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