JP3584968B2 - ネガ型フォトレジスト・パターンの形成方法 - Google Patents

ネガ型フォトレジスト・パターンの形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネガ型フォトレジストとして機能する組成物を使用してレジスト・イメージを製作する方法に関する。本発明はまた、こうしたレジスト・イメージに関する。本発明記載の組成物は、追加の光触媒や、光開始剤、あるいは架橋剤の添加を必要としない。前記ネガ型フォトレジストは、水または水性塩基組成物中で現像可能である。
【0002】
【従来の技術】
集積回路中のプリント回路板の製造において基板上に金属回路などのパターンを形成するために広く使用されている1つの方法は、金属の付着または金属の除去から保護すべき基板の領域の上、または金属コーティングした基板の上にフォトレジスト材料のパターンをイメージ通りに形成するものである。フォトレジスト層は通常、金属の付着または金属の除去工程によって実質的な影響を受けず、したがって下の領域を保護する、高分子有機材料で形成される。
【0003】
そのようなパターンは、フォトリソグラフィの技術により、フォトレジスト材料をガラス・マスタ(glass master)などの写真イメージを通して照射でイメージ通りに露光することによって形成される。使用される照射は通常、X線、紫外線放射、あるいは電子ビーム放射である。
【0004】
感光性の材料または組成物あるいはその両方は、ポジ型作用(例えば、光可溶化可能)またはネガ型作用(例えば、光不溶化可能または光架橋可能)である。ポジ型作用の(光)感応性組成物は、化学線(遠〜近紫外線、X線、または電子ビーム)により可溶性(現像可能)になり、選択的な現像液を用いて除去でき、未露光部分はそのまま残る。ネガ型作用の(光)感応性組成物は、化学線で露光されると不溶性になる組成物である。選択的な現像液により組成物の未露光部分を溶解して除去することができ、露光部分はそのまま残る。このような露光された材料の現像によりネガ型階調のイメージが生じる。
【0005】
遠紫外線および電子ビーム用の既存の(フォト)レジスト組成物の大部分は化学増幅の原理に基づくものであり、ポリマー・マトリックス、光酸発生剤(PAG)、および架橋剤(ネガ型階調イメージ発生用)からなる。光酸を発生するオニウム塩は(フォト)リソグラフィの分野で公知である。有用な(光)触媒は、たとえば、金属ハロゲン化物の錯体、あるいはテトラフルオロホウ酸塩、ヘキサフルオロアンチモン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩(一例としてトリフェニルスルホニウムトリフラート)などの強酸の塩;カンファースルホン酸−t−ブチルフェニルヨードニウムなどのヨードニウム化合物;ヘキサフルオロヒ酸塩、およびヘキサフルオロリン酸塩が含まれる。そのような(フォト)レジストは高い(光)速度と高い解像度を示すが、PAG拡散(特に、フォトレジストを処理するのに使用される約160℃という高い露光後ベーク温度における)、露光中の酸の出ガス(outgassing)、N−メチルピロリジノンなどのアミノ化合物による浮遊物汚染を非常に受けやすいこと、コート(coat)・トラックおよびマスクの汚染、処理時間遅延依存性、および限られた保存期間など、いくつかの大変重大なリソグラフィおよび加工上の問題が発生する。
【0006】
ライザー(Reiser)(「Photoreactive Polymers. The Science and Technology of Resists」,John Wiley & Sons,NY,(1989)p.22, p.258, p.311参照)は、ポリ(シンナム酸ビニル)、ポリ(ビニルシンナミリドアセタート)、カルコン、ポリ(ビニルアルコール)にエステル結合しているまたはポリエステルの主鎖に組み込まれているフェニルジアクリル酸エステル、ならびにジメチルマレイミドやジフェニルシクロプロペンがペンダント結合した発色団基を備えるメタクリル酸系のコポリマーなど、ポリマーに結合している官能基の光誘起極性変化(photoinduced polarity changes)の原理に基づく、ネガ型階調(フォト)レジスト材料の背景について記述している。また、ポリマー鎖にアジド基を付加して調製されたナイトレン化学に基づくネガ型レジストや、ビスアジドまたは4−アジドカルコンに基づく系についても記述している。マクロラジカル・カップリング反応(ベンゾフェノンおよびp−ジメチルアミノフェニル基を含むコポリマーの光架橋)に基づくネガ型システム、ならびに光誘起極性変化に基づくネガ型階調レジストについても論じられている。
【0007】
フィーリー(W.E.Feely)等(Proceedings of the 7th International Conference on Photopolymers,SPE,49(1985)参照)は、メラミン架橋剤を使用して光触媒なしでネガ型階調のイメージを形成する方法について論じている。
【0008】
米国特許第4284707号は、オニウム塩なしでの2つのコポリマーの架橋に基づくネガ型作用材料を記載している。
【0009】
米国特許第4603195号は、2,1,5−ナフトキノンジアゾ化学に基づくネガ型階調有機ケイ素フォトレジストを記載している。また、J.M.ショウ(Shaw)およびM.ハザキス(Hatzakis)は、いくつかの商用のジアゾキノン化学に基づくポジ型階調ノボラック・フォトレジストが、ネガ型階調の、塩基で現像可能な、高解像度で高感度の電子ビーム・レジストとして機能することを記述している(ショウおよびハザキス、IEEE Trns.Electron Devices, vol.ED−25, 425(1978)参照)。
【0010】
メタクリル酸グリシジル単位を含むポリマー材料に基づくネガ型階調電子ビーム・レジストが、開発されてきた(T.ヒラエティ(Hiraeti)等、J.Electrochem.Soc.,vol.118,669(1971); Y.タニグチ(Taniguchi)等、J.Appl.Phys.vol.18,1143(1979); L.F.トンプソン(Thompson)等、J.Vac.Sci.Technol.vol.12, 1280(1975)参照)。
【0011】
メタクリル酸アリルおよびメタクリル酸プロパギルと2−ヒドロキシエチルメタクリル酸エステルのコポリマーが感応性のネガ型階調電子ビーム・レジスト材料として機能することが見出された(Z.C.H.タン(Tan)等、Proc.SPIE,vol.461,135(1984)、およびR.C.デイリー(Daly)等、Proc.SPIE,vol.539,138(1985)参照)。
【0012】
一連の溶剤現像可能で良好なプラズマ安定性をもつ比較的有効なネガ型階調の電子ビーム・レジストが、クロロ、ヨード、またはクロロメチル基を芳香環のパラ位に含むポリスチレン型のコポリマーを使って開発された(J.ルイトキス(Luitkis)等、SPE Reg.Tech.Conf., Ellenville, NY, p.223(1982);H.S.チューング(Choong)等、J.Vac.Sci.Technol.vol.19, 1121(1981)参照)。ポリ(ビニルピリジン)をヨウ化メチルで四級化することによっても類似の結果が達成できる(K.I.リー(Lee)等、Polym.Bull., vol.10, 39(1983)参照)。
【0013】
他のいくつかのネガ型階調遠紫外線レジストの例は下記の通りである:
【0014】
ポリ(p−ヒドロキシスチレン)、またはポリ(p−ヒドロキシスチレン)とスチレンもしくはビニルシクロヘキサンとのコポリマーをベースとし、パウダーリンク(powderlink)架橋剤およびPAGを含む、CGR化学増幅レジスト。
【0015】
SNR−(シプレー(Shipley)ネガ型レジスト)は、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)、メラミン架橋剤、およびPAGをベースとしている。
【0016】
ZEP−520およびZEP−7000は、従来の結合鎖切断型のポジ型階調の溶剤現像可能なレジスト配合物である(Nippon Zeon Co., Ltd.)。
【0017】
KRSはケタール化学をベースとする、化学増幅されたポジ型階調のレジストである(O.M.ターネンバウム(Tanenbaum)等、J.Vac.Sci.Technol.B14(6),
3829(1996)参照)。
【0018】
いくつかのフォトレジスト材料が公知であり、所望のマスキング・パターンを形成することができるが、許容できる結像特性(解像度および感度)を示し、特に集積回路用のイメージまたはパターン・マスクとして適切であり、かつ水中で現像可能であり、化学増幅されていないネガ型階調の組成物を提供することはきわめて珍しい。前述した通り、化学増幅されたフォトレジストは、特定の汚染物質によるダメージ、処理時間遅延依存性、および限られた保存期間を含めて様々な問題を抱えている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は高解像度、高感度であり、水または水溶液中で現像可能であり、化学増幅されていない、新規なネガ型階調のフォトレジスト組成物を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、光触媒または光(重合)開始剤を添加する必要なくパターン形成されたネガ型階調フォトレジストを実現する方法を提供する。さらに本発明は、架橋剤として機能する個々の多官能性化合物を添加する必要なしにパターン形成されたネガ型階調フォトレジストの製作を可能にする。
【0021】
本発明は架橋を可能とする成分を含む特定の材料を組み入れた、パターン形成されたネガ型フォトレジストを製作する方法を提供する。本発明は、化学増幅されていない材料を使用することを可能にする。
【0022】
具体的には、本発明は、ネガ型フォトレジストのパターンを形成する方法に関し、この方法は、
a.式1で表される少なくとも1つの反復単位を有するポリマーを含むネガ型フォトレジスト組成物の層を基板上に設ける段階であって、式1は、
【化9】
Figure 0003584968
で表され、上式で、
RはH、CH3−、アルキル−、−CH2SiMe3であり、
R'は−(CH2CH2O) q R"、アルキル、シクロアルキル、アリールであり、R"はアルキル、シクロアルキル、アリールであり、は、一般的に1〜10の整数であり、nは5〜14の整数である段階と、
b.前記層を照射によりイメージ通りに露光する段階と、
c.前記層の未露光部分を除去することによりフォトレジストを現像してパターンを形成する段階とを含む。
【0023】
本発明はまた、前記方法により得られたパターン形成されたネガ型フォトレジストにも関する。
【0024】
本発明の別の態様は、基板およびその基板上にパターン形成されたネガ型フォトレジストの層を備える構造物であって、パターン形成されたネガ型フォトレジストが前記式1で表される反復単位を少なくとも1つ有するポリマーを架橋させることにより得られる構造物に関する。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明によれば、特定のポリマーがネガ型フォトレジストとして使用でき、遠紫外線、電子ビーム、およびX線を含む照射に対して高感度であり、水中または水性塩基中で現像可能なサブミクロンのイメージの形成が可能であることが判明した。
【0026】
本発明で使用されるポリマーは、式1で表される少なくとも1つの反復単位を含む。
【化10】
Figure 0003584968
上式で、
RはH、CH3−、アルキル−、−CH2SiMe3であり、
R'は−(CH2CH2O) q R"、アルキル、シクロアルキル、アリールであり、R"はアルキル、シクロアルキル、アリールであり、は、一般的に1〜10、好ましくは1〜5、より好ましくは1〜3の整数であり、nは、一般的に5〜14、好ましくは1〜5000の、より好ましくは100〜3000の整数である。
【0027】
本発明に従って使用するのに適当なコポリマーの例は、式2で表される。
【化11】
Figure 0003584968
【化12】
Figure 0003584968
【化13】
Figure 0003584968
上式で、R、R'、R"、およびnは、前記式1について論じたのと同じ意味であり、kは、一般的に0.1〜0.6、好ましくは0.15〜0.5の値、より好ましくは0.2〜0.4の値であり、lは、一般的に0.1〜0.6、好ましくは0.15〜0.5、より好ましくは0.2〜0.4の値であり、mは、一般的に0.1〜0.6、好ましくは0.15〜0.5、より好ましくは0.2〜0.4の値であり、k+l+m=1である。
【0028】
上式1および2において、アルキル基は、一般的に1〜12個の炭素原子、好ましくは1〜3個の炭素原子、最も好ましくは1〜2個の炭素原子を含む。適当なアルキル基の例として、メチル、エチル、ブチル、イソプロピル、イソブチル、tert−ブチル、ネオペンチル、およびドデシルが挙げられる。
【0029】
上式1および2において、アリール基は、一般的に6〜13個の炭素原子、好ましくは6〜10個の炭素原子を含み、その例として、フェニルが挙げられる。
【0030】
上式1および2において、シクロアルキル基は、一般的に3〜12個の炭素原子、好ましくは3〜10個の炭素原子を含む。シクロアルキル基の例として、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルが挙げられる。
【0031】
本発明に従って使用されるポリマーおよびコポリマーは、一般的に少なくとも約20000の平均分子量を有し、より一般的に約20000〜約1000000の平均分子量を有し、その一例は約60000である。使用されるポリマーおよびコポリマーはまた、一般的に式1で表される反復単位を少なくとも約5モル%、より一般的に約10〜約60モル%、好ましくは約20〜約40モル%含む。
【0032】
本発明に従って使用されるポリマーは、照射により側鎖エステル基中の炭素−酸素結合の転位が起こり、ポリマー鎖間にエステル型の橋を形成して架橋すると考えられる。
【0033】
式1で表される反復単位を含むホモポリマーは、メタクリル酸メトキシエトキシエチル、メタクリル酸エトキシエトキシエチル、メタクリル酸フェノキシエチル、メタクリル酸シクロヘキシルオキシエチル、およびその類似体など長鎖の側鎖エステル基を含むアクリル系またはメタクリル系モノマーのラジカル重合またはアニオン重合によって調製することができる。
【0034】
式1で表される反復単位を含むコポリマーは、前述した長鎖の側鎖エステル基を含むアクリル系/メタクリル系モノマーと、インデンやスチレンおよびその官能性誘導体(たとえばp−ヒドロキシスチレン、p−アセトキシスチレン、p−ニトロスチレン、p−クロロスチレンおよびそれらの類似体)など他のモノマーとのラジカル共重合あるいはアニオン共重合;ノルボルネンやノルボルナジエンおよびその官能性誘導体(たとえば5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、安息香酸−7−ノルボルナジエニルおよびそれらの類似体)との共重合;マレイン酸無水物との共重合;あるいは脂環式や多環式または芳香族の基を含むメタクリル系モノマーおよびその官能性誘導体(たとえばメタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸フリル、メタクリル酸テトラヒドロフリル、アダマンタンメタクリル酸エステル、メタクリル酸ジシクロペンテニル、メタクリル酸−8−ヒドロキシカルボニルトリシクロ(5、2、1、02、6)デカニル、トリメリト酸−4−メタクリルオキシエチル無水物、4−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、p−ヒドロキシメタクリルアミド、およびそれらの類似体)との共重合によって調製することができる。
【0035】
前述したコモノマーとの共重合により、遠紫外線、電子ビームまたはX線照射に対する感度、水や水性塩基溶液への溶解度、ガラス転移温度、熱安定性、塩素化されたプラズマ中での安定性など重要なフォトレジスト特性の調整が可能となる。
【0036】
ポリメタクリル酸エステルと、短鎖の側鎖エステル基(下記のスキーム1参照、例えばポリ(メタクリル酸メチル))、およびいくつかの官能性誘導体との公知の光化学反応(下記のスキーム2参照、例えばポリ(メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル))は、ポジ型階調(フォト)レジスト材料を提供する。前者の反応は、主鎖の炭素−炭素結合の切断(スキーム1)を含み、低分子量オリゴマーを生成する。後者の反応(スキーム2)は、側鎖基の転位によりカルボン酸単位を生成し、ポリマー材料の露光領域が水性塩基に可溶化する。
【化14】
Figure 0003584968
【化15】
Figure 0003584968
【0037】
一方、本発明は驚くべきことに、光触媒(光酸発生剤、あるいは光塩基発生剤)の添加を必要とせずに、前記式1および2で表されるポリマーおよびコポリマー中のペンダント側鎖エステル基の感光性に基づく熱的に安定なネガ型階調組成物を与える。
【0038】
本発明のネガ型階調組成物は室温で安定であり、すなわち使用前に長期間の保存が可能である。そのような良好な保存安定性は、本発明の組成物が熱硬化性ではないことによるものである。
【0039】
メタクリル酸メトキシエトキシエチルなど式1のモノマーをメタクリル酸トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルなどのケイ素含有メタクリル酸エステルおよびスチレン型コモノマーと共重合させると、2層リソグラフィの適用例に有用な高ケイ素含有量の放射線感光性材料の調製が可能になる(下記のスキーム3参照)。これは、照射および現像によりネガ型階調のイメージを形成でき、酸素プラズマによる厚い底層へのパターン転写に使用することができる。
【化16】
Figure 0003584968
【0040】
本発明によるネガ型階調フォトレジストは、界面活性剤を含み金属イオンを含まない水性塩基組成物中または水中で現像することができる。
【0041】
【実施例】
以下の非限定的な実施例は、本発明をさらに詳しく例示するために示したものである。
【0042】
実施例1
メタクリル酸メトキシエトキシエチルをテトラヒドロフラン(THF)溶液中で、ラジカル開始剤として0.5重量%の2,2’−アゾビス−イソブチロニトリル(AiBN)を使用し、約65℃で約17時間重合させた。ヘキサン中でポリ(メタクリル酸メトキシエトキシエチル)を析出させ、真空オーブン中で約60℃で約5時間乾燥し、シクロヘキサノンに溶解し、0.2ミクロンのフィルターでろ過し、シリコン・ウェーハ上に2000〜3000rpmでスピン・コートして、0.3〜0.5ミクロンの厚膜を形成させ、約100℃で3分間塗布後ベークを行った後、約25KeVまたは約50KeVの電子ビーム照射あるいは遠紫外線(193nmまたは248nm)照射で露光した。露光されたウェーハは約100℃で約5分間露光後ベーク(PEB)を行い、室温に冷却し、純水中で約15〜45秒間現像し、細線解像度1ミクロン以下のネガ型階調のイメージを形成した。実施例1で調製した材料の50KeVでの感度は約9μC/cmであった(図1参照)。
【0043】
実施例2
実施例1に記載の方法に従って調製したメタクリル酸メトキシエトキシエチルとメタクリル酸メチル(15モル%)のコポリマーは、ネガ型階調の水で現像可能な電子ビームおよび遠紫外線(フォト)レジストとして機能する。このレジストの50KeVの電子ビーム感度は約21μC/cmである。
【0044】
実施例3
メタクリル酸メトキシエトキシエチル(43モル%)、メタクリル酸テトラヒドロフリル(41.5モル%)、および4−メタクリルオキシエチルトリメリト酸無水物(15.5モル%)のターポリマーを、実施例1に記載の方法に従って調製した。193nmの遠紫外線光で露光すると、約100℃でPEB(約4分間)を施し希釈塩基溶液中で現像した後にネガ型階調のイメージを形成する。感度は約55mJ/cmである(図2参照)。
【0045】
実施例4
メタクリル酸メトキシエトキシエチルを、実施例1に記載の方法に従って4−メタクリルオキシエチルトリメリト酸無水物(10モル%)と共重合させた。遠紫外線照射または電子ビーム照射で露光すると、約100℃でPEB(4分間)を施し希釈水性塩基(0.14N標準TMAH現像液3ml+水777ml)で現像した後にネガ型階調のイメージを形成する。248nmの遠紫外線照射に対する感度は約90mJ/cmである。50KeVの電子ビームの感度は約15μC/cmであった。
【0046】
実施例5
メタクリル酸メトキシエトキシエチル(90モル%)を、実施例1に記載の方法に従ってメタクリル酸(10モル%)と、4重量%のAiBNを使用して共重合させた。このコポリマーはネガ型階調の水性塩基で現像可能な遠紫外線および電子ビーム・レジストとして機能する。
【0047】
実施例6
メタクリル酸メトキシエトキシエチル(95モル%)を、実施例1に記載の方法に従って2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸(5モル%)と共重合させた。電子ビーム照射の後に、ネガ型階調のイメージが水性塩基中で現像可能である。
【0048】
実施例7
メタクリル酸メトキシエトキシエチル(58モル%)、4−メタクリルオキシエチルトリメリト酸無水物(19モル%)、およびメタクリル酸ジシクロペンテニル(23モル%)のターポリマーを、実施例1に記載の方法に従って調製した。50KeVの電子ビーム照射で露光した厚さ0.3ミクロンの膜が、希釈塩基(実施例4参照)中での現像後にネガ型階調のイメージを形成する。感度は約28μC/cmである。ネガ型階調のイメージはメチルイソブチルケトン(MIBK)/イソプロピルアルコール(IPA)1:4の混合物中でも現像可能である。
【0049】
同じモノマーの60モル%:15モル%:25モル%の割合によるターポリマーの感度は、約24μC/cmである。このターポリマーの193nmの遠紫外線照射の感度は約150mJ/cmである。
【0050】
実施例8
メタクリル酸メトキシエトキシエチル(56モル%)とp−ヒドロキシスチレン(44モル%)のコポリマー(図3(b))を、実施例1に記載の方法に従って調製した。50KeVの電子ビーム照射で露光した厚さ0.3ミクロンの膜が、通常のPEBおよび希釈水性塩基(実施例4参照)中での現像後に、ネガ型階調のサブミクロンのイメージを形成する(図3(a))。感度は約93μC/cmである。このコポリマーの193nmの遠紫外線照射の感度は約180mJ/cmである。
【0051】
実施例9
メタクリル酸メトキシエトキシエチル(80モル%)とスチレン(20モル%)のコポリマーを、実施例1に記載の方法に従って、1重量%のAiBNとTHFおよびシクロヘキサンの混合溶媒を使用して調製した。
【0052】
このコポリマーの25KeVの電子ビーム感度は約110μC/cmであり、ネガ型階調のイメージが水性塩基中で現像された。
【0053】
実施例10
メタクリル酸メトキシエトキシエチル(70モル%)を、実施例7に記載の方法に従ってp−アセトキシスチレン(30モル%)と共重合させた。ネガ型階調のイメージが水性塩基中で現像された。このコポリマーの25KeVの電子ビーム感度は約110μC/cmであった。
【0054】
実施例11
実施例8のコポリマーを、THF:アセトン溶液(5:1)中で濃アンモニア(コポリマー20gあたり40g)を使って36時間室温で加水分解した。アセトキシ基のヒドロキシ基による置換をIR分析によって制御した。加水分解の完了後、溶媒を真空中で除去した。メタノール中でコポリマーを析出させて分離し、真空中で60℃で乾燥させた。このコポリマーの25KeVの電子ビーム感度は約110μC/cmであることがわかった。
【0055】
実施例12
メタクリル酸メトキシエトキシエチル(70モル%)を、実施例1に記載の方法に従ってp−ヒドロキシフェニルメタクリルアミド(30モル%)と共重合させた。このコポリマーは、遠紫外線照射および電子ビーム照射に対して感応性を有する。ネガ型階調のイメージが水性塩基中で現像可能である。
【0056】
実施例13
メタクリル酸メトキシエトキシエチル(54モル%)を、0.5重量%のAiBNを使ってTHF/シクロヘキサノン溶液中で、実施例1に記載の方法に従ってメタクリル酸−2−ブロモエチルと共重合させた。このコポリマーの25KeVの電子ビーム感度は約25μC/cmであった。ネガ型階調のイメージが希釈水性塩基溶液中で現像可能である。
【0057】
実施例14
メタクリル酸メトキシエトキシエチルを、実施例1に記載の方法に従ってメタクリル酸−1−アダマンタン(30モル%、1−アダマンタノールと塩化メタクリロイルから調製)と共重合させた。このコポリマーは、遠紫外線照射または電子ビーム照射による露光および水性塩基での現像の後、ネガ型階調のイメージを形成する。
【0058】
実施例15
メタクリル酸メトキシエトキシエチル(50モル%)を、実施例1に記載の方法に従ってノルボルネン(20モル%)、マレイン酸無水物(20モル%)、およびメタクリル酸(10モル%)と共重合させた。遠紫外線または電子ビーム露光の後、ネガ型階調のイメージが水性塩基中で現像された。
【0059】
実施例16
メタクリル酸メトキシエトキシエチルを、実施例1に記載の方法に従ってメタクリル酸トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(50モル%)と共重合させた。このコポリマーは、遠紫外線(193nm)照射または電子ビーム照射の後にネガ型階調のイメージを形成し、これは希釈水性塩基中で現像可能である。このコポリマーの50KeVの電子ビーム感度は約36μC/cmである。
【0060】
実施例17
メタクリル酸フェノキシエチルを、実施例1に記載の方法に従ってメタクリル酸(10モル%)と共重合させた。このコポリマーは、遠紫外線照射および電子ビーム照射に対して感応性を有する。ネガ型階調のイメージが、標準水性現像液CD−26中で約15秒で現像可能である。CD−26はシプレー(Shipley)から市販されている現像液であり、水酸化テトラメチルアンモニウムの0.26N溶液である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリ(メタクリル酸メトキシエトキシエチル)の膜(0.3μm)を、50KeVの電子ビーム露光した後、100℃で4分間ベーキングし、水で20秒間現像したときの感度曲線図である。
【図2】本発明に従って使用されるコポリマーを、遠紫外線(193nm)照射で露光し、水性塩基で現像したときの感度曲線図である。
【図3】本発明に従って使用されるコポリマー(b)を、50KeVの電子ビーム照射で露光し、水性塩基で現像したときの感度曲線図(a)である。

Claims (15)

  1. フォトレジストのパターンを形成する方法であって、
    (a)ネガ型フォトレジスト組成物の層を基板上に設ける段階と、
    (b)前記層を照射によりイメージ通りに露光する段階と、
    (c)前記層の未露光部分を除去することによりフォトレジストを現像してパターンを形成する段階とを含み、
    前記ネガ型フォトレジスト組成物が一般式1で表される少なくとも1つの反復単位を有するポリマーを含み、
    Figure 0003584968
    上式で、nは5〜10,000の整数であり、
    RはH、アルキル、及び−CH 2 Si(CH 3 3 よりなる群から選択され、
    ' は−(CH 2 CH 2 O) q " 、アルキル、シクロアルキル、及びアリールよりなる群から選択され、
    qは1〜10の整数であり、
    " はアルキル、シクロアルキル、及びアリールよりなる群から選択され、
    前記ネガ型フォトレジスト組成物が、光触媒、光重合開始剤、及び架橋剤のいずれをも含有しないことを特徴とする
    フォトレジストのパターンを形成する方法。
  2. 前記ポリマーが、前記一般式1の反復単位を少なくとも5モル%含む請求項1に記載の方法。
  3. 前記ポリマーが、メタクリル酸メトキシエトキシエチル、メタクリル酸エトキシエトキシエチル、メタクリル酸フェノキシエチル、及びメタクリル酸シクロヘキシルオキシエチルよりなる群から選択された少なくとも1つのモノマーを含んで形成される請求項1に記載の方法。
  4. 前記ポリマーが、一般式2で表される少なくとも1つのコポリマーを含む請求項1に記載の方法。
    Figure 0003584968
    Figure 0003584968
    Figure 0003584968
    上式で、
    RはH、アルキル、及び−CH 2 Si(CH 3 3 よりなる群から選択され、
    ' は−(CH 2 CH 2 O) q " 、アルキル、シクロアルキル、及びアリールよりなる群から選択され、
    qは1〜10の整数であり、
    " はアルキル、シクロアルキル、及びアリールよりなる群から選択され、
    XはHまたはClであり、
    は0.2〜0.4の値、kは0.2〜0.4の値、lは0.2〜0.4の値であり、
    k+l+m=1であり、
    nは5〜10,000の整数である
  5. 記ポリマーが、ケイ素を含有するメタクリル酸エステルを含むコポリマーである請求項に記載の方法。
  6. 記ポリマーが、下記a)〜n)よりなる群から選択されるコポリマーである、請求項1に記載の方法。
    a)メタクリル酸メトキシエトキシエチルとメタクリル酸メチルとのコポリマー
    b)メタクリル酸メトキシエトキシエチルとメタクリル酸テトラヒドロフリル及び4−メタクリルオキシエチルトリメリト酸無水物とのコポリマー
    c)メタクリル酸メトキシエトキシエチルと4−メタクリルオキシエチルトリメリト酸無水物とのコポリマー
    d)メタクリル酸メトキシエトキシエチルと2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸とのコポリマー
    e)メタクリル酸メトキシエトキシエチルと4−メタクリルオキシエチルトリメリト酸無水物及びメタクリル酸ジシクロペンテニルとのコポリマー
    f)メタクリル酸メトキシエトキシエチルとp−ヒドロキシスチレンとのコポリマー
    g)メタクリル酸メトキシエトキシエチルとスチレンとのコポリマー
    h)メタクリル酸メトキシエトキシエチルとp−アセトキシスチレンとのコポリマー
    i)メタクリル酸メトキシエトキシエチルとp−ヒドロキシフェニルメタクリルアミドとのコポリマー
    j)メタクリル酸メトキシエトキシエチルとメタクリル酸−2−ブロモエチルとのコポリマー
    k)メタクリル酸メトキシエトキシエチルとメタクリル酸−1−アダマンタンとのコポリマー
    l)メタクリル酸メトキシエトキシエチルとノルボルネンとのコポリマー、
    m)メタクリル酸メトキシエトキシエチルとメタクリル酸トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルとのコポリマ及び
    n)メタクリル酸フェノキシエチルとメタクリル酸のコポリマー
  7. 前記照射が、紫外線照射、X線照射、及び電子ビーム照射よりなる群から選択される請求項1に記載の方法。
  8. 前記現像が水または水溶液中で行われる請求項1に記載の方法。
  9. 請求項1に記載の方法により得られるパターン形成されたネガ型フォトレジスト。
  10. 基板及びその基板上にパターン形成されたネガ型フォトレジストの層を備える構造物であって、
    前記パターン形成されたネガ型フォトレジストが一般式1で表される反復単位を少なくとも1つ有するポリマーを架橋させることにより得られ、
    Figure 0003584968
    上式で、nは5〜10 4 の整数であり、
    RはH、CH3、アルキル、及び−CH2Si(CH33 よりなる群から選択され、
    R'は−(CH2CH2O) q R"、アルキル、シクロアルキル、及びアリールよりなる群から選択され、
    qは1〜10の整数であり、
    R"はアルキル、シクロアルキル、及びアリールよりなる群から選択され
    前記架橋反応には、光触媒、光重合開始剤、及び架橋剤のいずれもが共存しないことを特徴とする
    構造物。
  11. 前記ポリマーが、前記一般式1の反復単位を少なくとも5モル%含む請求項10に記載の構造物。
  12. 前記ポリマーが、メタクリル酸メトキシエトキシエチル、メタクリル酸エトキシエトキシエチル、メタクリル酸フェノキシエチル、及びメタクリル酸シクロヘキシルオキシエチルよりなる群から選択された少なくとも1つのモノマーを含んで形成される、請求項10に記載の構造物。
  13. 前記ポリマーが、一般式2で表される少なくとも1つのコポリマーを含む
    請求項10に記載の構造物。
    Figure 0003584968
    Figure 0003584968
    Figure 0003584968
    上式で、
    RはH、アルキル、及び−CH 2 Si(CH 3 3 よりなる群から選択され、
    ' は−(CH 2 CH 2 O) q " 、アルキル、シクロアルキル、及びアリールよりなる群から選択され、
    qは1〜10の整数であり、
    " はアルキル、シクロアルキル、及びアリールよりなる群から選択され、
    XはHまたはClであり、
    は0.2〜0.4の値、kは0.2〜0.4の値、lは0.2〜0.4の値であり、
    k+l+m=1であり、
    nは5〜10,000の整数である
  14. 記ポリマーが、ケイ素を含有するメタクリル酸エステルを含むコポリマーである請求項1に記載の構造物。
  15. 記ポリマーが、下記のa)〜n)よりなる群から選択されるコポリマーである、請求項10に記載の構造物。
    a)メタクリル酸メトキシエトキシエチルとメタクリル酸メチル、
    b)メタクリル酸メトキシエトキシエチルとメタクリル酸テトラヒドロフリル及び4−メタクリルオキシエチルトリメリト酸無水物とのコポリマー
    c)メタクリル酸メトキシエトキシエチルと4−メタクリルオキシエチルトリメリト酸無水物とのコポリマー
    d)メタクリル酸メトキシエトキシエチルと2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸とのコポリマー
    e)メタクリル酸メトキシエトキシエチルと4−メタクリルオキシエチルトリメリト酸無水物及びメタクリル酸ジシクロペンテニルとのコポリマー
    f)メタクリル酸メトキシエトキシエチルとp−ヒドロキシスチレンとのコポリマー
    g)メタクリル酸メトキシエトキシエチルとスチレンとのコポリマー
    h)メタクリル酸メトキシエトキシエチルとp−アセトキシスチレンとのコポリマー
    i)メタクリル酸メトキシエトキシエチルとp−ヒドロキシフェニルメタクリルアミドとのコポリマー
    j)メタクリル酸メトキシエトキシエチルとメタクリル酸−2−ブロモエチルとのコポリマー
    k)メタクリル酸メトキシエトキシエチルとメタクリル酸−1−アダマンタンとのコポリマー
    l)メタクリル酸メトキシエトキシエチルとノルボルネンとのコポリマー
    m)メタクリル酸メトキシエトキシエチルとメタクリル酸トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルとのコポリマー、及び
    n)メタクリル酸フェノキシエチルとメタクリル酸のコポリマー
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