JP3584771B2 - 蓄冷式冷凍機システム用のガス圧縮機及びコールドヘッド - Google Patents
蓄冷式冷凍機システム用のガス圧縮機及びコールドヘッド Download PDFInfo
- Publication number
- JP3584771B2 JP3584771B2 JP01972899A JP1972899A JP3584771B2 JP 3584771 B2 JP3584771 B2 JP 3584771B2 JP 01972899 A JP01972899 A JP 01972899A JP 1972899 A JP1972899 A JP 1972899A JP 3584771 B2 JP3584771 B2 JP 3584771B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cylinder
- refrigerant
- seal
- displacer
- gas compressor
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F25—REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
- F25B—REFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
- F25B2309/00—Gas cycle refrigeration machines
- F25B2309/001—Gas cycle refrigeration machines with a linear configuration or a linear motor
Landscapes
- Compressor (AREA)
- Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スターリング冷凍機システムのような蓄冷式冷凍機システム用のガス圧縮機及びコールドヘッドに関し、特にオーバホールやリサイクルに適したガス圧縮機及びコールドヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
蓄冷式冷凍機システムの一例として、スターリング冷凍機システムについて説明する。図6は、本出願人によりすでに出願済み(特願平10−236111号)のスターリング冷凍機の構造を示してい。このスターリング冷凍機は、ガス圧縮機20、コールドヘッド50、及び両者を接続するキャピラリチューブ45を含んで構成される。
【0003】
ガス圧縮機20は、隔壁22を挟んで面対称な構造を有する。隔壁22の両側にシリンダ23が配置されている。シリンダ23は、柱面状の内周面を有し、その中心軸が隔壁22に垂直になるように配置されている。シリンダ23の内部空洞内にピストン24が配置されている。ピストン24は、シリンダ23の内周面に整合する外周面を有する。ピストン24、シリンダ23、及び隔壁22により、圧縮室25が画定される。圧縮室25は、隔壁22内に形成されたガス流路26を介してキャピラリチューブ45に連通している。
【0004】
ピストン24の、圧縮室25とは反対側の端部にピストンロッド28が連結されている。ピストンロッド28は、シリンダ23の中心軸の延長線に沿って延在している。ピストンロッド28は、スラスト軸受27及び29により、その軸方向に移動可能に、かつ軸に直交する方向には移動が禁止されるように支持されている。スラスト軸受27及び29は、それぞれ軸受支持部材33及び34を介してシリンダ23に固定されている。
【0005】
ピストン24は、スラスト軸受27及び29により、シリンダ23の内周面とピストン24の外周面との間に微小な間隙が形成されるように保持される。この間隙が10μm程度以下であれば、クリアランスシールとして作用する。
【0006】
シリンダ23に、その内部空間を取り囲むように、隔壁22とは反対側の端面から隔壁22に向かって環状のギャップ36が形成されている。ギャップ36の外周面を形成している内壁には環状の永久磁石37が取り付けられている。シリンダ23はヨークを兼ね、永久磁石37、シリンダ23及びギャップ36により磁気回路が形成される。
【0007】
この磁気回路に鎖交するように、ギャップ36内に電磁コイル40が挿入されている。電磁コイル40は、コイル支持部材41を介してピストンロッド28に固定されている。
【0008】
電磁コイル40に、電流リード43及び44を介して電流が供給される。電流リ−ド43及び44は、シリンダ23に固定された軸受支持部材34とピストンロッド28に固定されたコイル支持部材41との間を接続するコイルばねを含んで構成される。コイルばねは、ピストンロッド28の軸方向に弾性変形する。電流リード43及び44を構成するコイルばねとして、ピストン24等の可動部分の往復運動が、運転周波数に共鳴するようなものが採用される。
【0009】
ピストン24、スラスト軸受27、29、電流リード43、44等が配置された空間は、外側ケース30により密閉されている。
【0010】
コールドヘッド50は、シリンダ51、ディスプレーサ(ピストン)52、コイルばね53、及び外枠57を含んで構成される。シリンダ51は、柱面状、例えば円柱面状の内周面を有する。シリンダ51の一端は閉塞され、他端は外枠57で塞がれている。シリンダ51の内部空洞内にディスプレーサ52が挿入されている。ディスプレーサ52の外周面とシリンダ51の内周面との間に、シール部材54が配置されている。
【0011】
シリンダ51の一端とディスプレーサ52との間に、低温側オリフィス61を通して膨張空間55が画定され、ディスプレーサ52と外枠57との間に、室温(常温)側オリフィス62を通して圧縮空間56が画定される。ディスプレーサ52内には、膨張空間55と圧縮空間56とを連通させるガス流路58が設けられている。ガス流路58内には、銅金網、鉛球等の蓄冷材59が充填されている。
【0012】
ディスプレーサ52は、圧縮空間56内に配置されたコイルばね53により、軸方向に関して弾性的に支持されている。圧縮空間56は、キャピラリチューブ45及びガス流路26を介してガス圧縮機20の圧縮室25に連通している。
【0013】
このようなスターリング冷凍機の動作原理は、上記の出願明細書に詳しく述べられており、以下では簡単に説明する。
【0014】
電磁コイル40に所定周波数の交流電流を流すと、電流リード43、44の弾性力に抗してピストン24が往復運動する。隔壁22の両側の2つのピストン24が、相互に反対向きに移動するように、交流電流の位相が制御される。2つのピストン24が近づく向きに移動する時、圧縮室25内が高圧になり、両者が遠ざかる向きに移動するとき、圧縮室25内が低圧になる。ピストン24が往復運動を繰り返すことにより、周期的にガス圧を変化させることができる。
【0015】
コールドヘッド50への冷媒ガスの供給及び排気を繰り返すことにより、逆スターリングサイクルを実行させ、膨張空間55に寒冷を発生させることができる。
【0016】
スラスト軸受27、29により、ピストン24がシリンダ23内に所定のクリアランスをもって支持される。このため、シリンダ23の内周面へのピストン24の片当たりによる磨耗を防止し、信頼性を高めることができる。また、ピストン24を板ばねで支持する場合に比べて、大きなストロークを確保することができる。また、スラスト軸受27、29は、板ばねのように疲労破壊を起こすこともない。ピストン24のストロークを大きくすることにより、スターリング冷凍機の性能の向上を図ることができる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、これまでのスターリング冷凍機においては、気密性を要する接続箇所、例えばコールドヘッド50のシリンダ51と外枠57との接続固定は溶接により行われている。一方、ガス圧縮機20側においても、ケース30は、実際には図示のような一体の有底円筒形状に作られているわけではなく、円筒状部材の内部にシリンダ23やピストン24等の各構成要素を組み込んだ後に、円筒状部材の一端に円板状部材を溶接することにより作られている。
【0018】
そして、これまでのスターリング冷凍機は、冷凍機としての保証寿命が過ぎ、かつ冷凍性能を満足し得ない状態になると、冷凍機はスクラップ処分されていた。しかし、冷凍機の構成部品の中には、再利用できる部品が多く存在している。
【0019】
そこで、本発明の課題は、部品の再利用化に適した蓄冷式冷凍機システム用のガス圧縮機及びコールドヘッドを提供することにある。
【0020】
本発明の他の課題は、オーバホールに適した蓄冷式冷凍機システム用のガス圧縮機及びコールドヘッドを提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、シリンダと、前記シリンダとの間に圧縮室を形成するように前記シリンダ内に配置されるピストンと、前記ピストンを、前記シリンダ内でその軸方向に往復運動させる往復駆動手段と、前記シリンダを保持部材を介して収容していると共に、前記ピストン及び前記往復駆動手段を収容しているケースと、前記ケースに設けられて前記圧縮室に対して冷媒の導入と排出とを行うための冷媒配管の接続部とを有し、前記ケースにおける溶接箇所には、繰り返し溶接が可能なように複数の溶接リップを設けたことを特徴とする蓄冷式冷凍機システム用のガス圧縮機が提供される。
【0022】
なお、このガス圧縮機においてシールの必要な箇所には複数のシール部材が設けられる。
【0023】
前記シールの必要な箇所は前記冷媒配管の接続部であり、該接続部は、前記ケースに凹部による受部を設けると共に、中心に前記冷媒の通路を有して前記受部に嵌合される嵌合部と該嵌合部の周囲に設けられたフランジ部とから成るプラグ部材を前記受部に装着し、かつ該プラグ部材に前記冷媒配管を接続して構成され、前記受部と前記嵌合部との接合面の一方、及び前記ケースと前記フランジとの接合面の一方にはそれぞれO−リングによるシール部材を設け、前記嵌合部と前記フランジ部との間のコーナ部と前記受部における開口の縁部との間にはインジウムによるシール部材を介在させる。
【0024】
本発明によればまた、一端が閉塞されたシリンダと、前記シリンダの他端に取り付けられ、該シリンダと共に閉じた空間を画定するシリンダホルダと、前記シリンダ内に配置され内部に蓄冷材が設けられたディスプレーサと、前記ディスプレーサを、該ディスプレーサの外周面が前記シリンダの内周面と微小間隙を隔てて対峙させ、かつ前記シリンダの軸方向に移動可能に支持する支持手段と、前記シリンダホルダと前記ディスプレーサとの間に画定された無効空間へ連通し、冷媒の導入と排出とを行う冷媒供給路と、前記シリンダホルダに設けられて前記冷媒供給路に対して冷媒の導入と排出とを行うための冷媒配管の接続部とを有し、シールの必要な箇所には複数のシール部材が設けられ、前記シールの必要な箇所が前記冷媒配管の接続部であり、該接続部は、前記シリンダホルダに凹部による受部を設けると共に、中心に前記冷媒供給路と連通する通路を有して前記受部に嵌合される嵌合部と該嵌合部の周囲に設けられたフランジ部とから成るプラグ部材を前記受部に装着し、かつ該プラグ部材に前記冷媒配管を接続して構成され、前記受部と前記嵌合部との接合面の一方、及び前記シリンダホルダと前記フランジとの接合面の一方にはそれぞれO−リングによるシール部材を設け、前記嵌合部と前記フランジ部との間のコーナ部と前記受部における開口の縁部との間にはインジウムによるシール部材を介在させたことを特徴とする蓄冷式冷凍機システム用のコールドヘッドが提供される。
【0025】
本発明によれば更に、一端が閉塞されたシリンダと、前記シリンダの他端に取り付けられ、該シリンダと共に閉じた空間を画定するシリンダホルダと、前記シリンダ内に配置され内部に蓄冷材が設けられたディスプレーサと、前記ディスプレーサを、該ディスプレーサの外周面が前記シリンダの内周面と微小間隙を隔てて対峙させ、かつ前記シリンダの軸方向に移動可能に支持する支持手段と、前記シリンダホルダと前記ディスプレーサとの間に画定された無効空間へ連通し、冷媒の導入と排出とを行う冷媒供給路と、前記シリンダホルダに設けられて前記冷媒供給路に対して冷媒の導入と排出とを行うための冷媒配管の接続部とを有し、シールの必要な箇所には複数のシール部材が設けられ、前記シールの必要な箇所が前記シリンダホルダであり、該シリンダホルダは、前記シリンダが取付けられている端部とは反対側の端部が開口にされると共に、該開口がボルト締めによる蓋部材で塞がれるようにされており、該蓋部材は前記開口部に入り込む嵌合部を有し、前記蓋部材と前記シリンダの開口部端面との接合面の一方にはO−リングによるシール部材を設け、前記蓋部材と前記嵌合部との間のコーナ部と前記開口の縁部との間にはインジウムによるシール部材を介在させたことを特徴とする蓄冷式冷凍機システム用のコールドヘッドが提供される。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1を参照して、本発明の実施の形態を図6と同様のスターリング冷凍機に適用した場合について説明する。本図でも、ガス圧縮機本体100は、左右一対のまったく同じ構造のガス圧縮機で構成され、ここでは、左側のガス圧縮機について説明する。ガス圧縮機は、シリンダ150と、シリンダ150との間に圧縮室を形成するようにシリンダ150内に配置されたピストン151と、シリンダ150を保持している磁性材料から成る略円柱状の保持部材152と、この保持部材152の外周に溶接により接続固定されるケース153とを有する。保持部材152は、右側のガス圧縮機用の保持部材と一体に作られている。シリンダ150は、その一端側のフランジの複数箇所においてボルト160により保持部材152に固定されている。ケース153は、保持部材152への溶接箇所とは反対側の端部に開口を持つ円筒状部材153−1と、この円筒状部材153−1の開口を塞ぐように溶接により固定される蓋部材153−2とから成る。保持部材152は、ケース153と共にガス圧縮機のケースの一部を兼ねる他、磁気回路形成用のヨーク部材としても作用する。
【0028】
ピストン151を、シリンダ150内でその軸方向に往復運動させる往復駆動機構は、シリンダ150と同心状になるように保持部材152に形成された筒状空間、特に環状空間の内壁に固定された環状の永久磁石154と、永久磁石154に対向しつつ環状の空間内を軸方向に移動可能なように配置された環状の可動コイル155と、可動コイル155とピストン151とを連結している連結部材156とを含む。連結部材156は、ピストン151と連結されている小径の筒状部に設けたフランジ部と、可動コイル155と連結されている大径の筒状部のフランジ部とをボルト161で連結して構成される。
【0029】
ピストン151における圧縮室とは反対側の端部に設けられた台座151−1と蓋部材153−2の内壁側に設けられた台座153−2aとの間にはコイルばね157が設けられている。蓋部材153−2には、絶縁部材162を介して端子163が挿通されている。この端子163は、可動コイル部材155に電源を供給するためのものである。このために、ケース153内では、リード線164により端子163と可動コイル部材155とが接続されている。シリンダ150の内壁には、テフロン系の樹脂材料によるピストンシール158が設けられている。また、シリンダ150におけるフランジ部のコーナ部にはO−リングによるシール部材165が設けられている。
【0030】
保持部材152には、一対のガス圧縮機にあけるガス圧縮室に共通の冷媒連通路170が設けられている。この冷媒連通路170は、接続部180を介してキャピラリチューブのような冷媒配管190に接続されている。接続部180の構造については後述する。
【0031】
ガス圧縮機としての動作原理は、図6に示されたものとほとんど同じであるので説明は省略する。
【0032】
本形態によるガス圧縮機の特徴は、ケース153における溶接箇所には、繰り返し溶接が可能なように複数の溶接リップを設けたことにある。このようにするのは、後で詳しく説明されるように、部品リサイクルの観点からガス圧縮機の構成部品を再利用することを考えているからである。
【0033】
ガス圧縮機の解体からその一部部品を再利用して組み立てを行う過程は図2に示されている。解体処理されたガス圧縮機の構成部品は、消耗部品と修正部品と再利用部品とに分別される。消耗部品は、ピストンシール158、冷媒、リード線164、コイルばね157、O−リングによるシール部材165等である。修正部品は、シリンダ150、冷媒配管190等である。これらの修正部品は、傷付を無くすためのホーニング加工等による研磨が行われる。再利用部品は、ピストン151、保持部材152、永久磁石154、可動コイル155、端子163等である。修正部品、再利用部品は、洗浄のうえ真空中でベーキング(焼き出し)が行われて再利用される。スクラップとなった部品は、新品と代替され、これらの代替部品と修正部品、及び再利用部品とによりリサイクル製品としてガス圧縮機の組立てが行われる。
【0034】
図3を参照して、保持部材152とケース153との溶接箇所に隣接して、保持部材152にはその周方向に複数個の溶接リップ152−1を設けている。溶接リップ152−1は、周知のように、溶接に際して生ずる応力ひずみを周辺部に伝えないようにするためのものである。オーバホールあるいは部品再利用のための解体処理に際しては、ケース153と保持部材152の溶接箇所が溶解分離される。そして、ケース153の開口部の端面及び開口部に近い内面が研磨される。一方、保持部材152の最初の溶接リップ152−1が残っている場合には、研磨により除去される。そして、再利用のために組立てを行う際には、2番目の溶接リップ152−1に対応する箇所においてケース153と保持部材152の溶接が行われる。なお、ケース153が研磨により長さ寸法が少しずつ小さくなることを考慮して、はじめの長さ寸法は、最小限の寸法より大きくなるように設定される。
【0035】
なお、上記の溶接構造は、図1に示されているケース153の筒状体153−1と蓋部材153−2との間の溶接にも適用される。このために、蓋部材153−2には、複数の環状の溶接リップ153−2bが設けられている。
【0036】
次に、図4を参照して、接続部180の構造について説明する。接続部180は、保持部材152の外周部に凹部による受部152−2を設けると共に、中心に冷媒の通路を有して受部152−2に嵌合される嵌合部181−1とこの嵌合部181−1の周囲に設けられたフランジ部181−2とから成るプラグ部材181を受部152−2に装着し、かつプラグ部材181に冷媒配管190を接続して構成される。そして、受部152−2と嵌合部181−1との接合面の一方(ここでは受部152−2側)、及び保持部材152の外周面とフランジ部181−2との接合面の一方(ここではフランジ部181−2側)にはそれぞれ、O−リングによるシール部材182、183を設け、嵌合部181−1とフランジ部181−2との間のコーナ部と受部152−2における開口の縁部との間にはインジウムによるシール部材184を介在させている。このように気密性を必要とする接続部においては、複数個のシール部材を使用してシールを行うことにより、シール部材を代えれば複数回の再利用が可能となる。
【0037】
図1に戻って、コールドヘッド200について説明する。このコールドヘッド200も部品再利用の対象である。コールドヘッド200は、図6に示されたコールドヘッド50とほぼ同じ構造であり、シリンダ201、ディスプレーサ202、コイルばね203、及びシリンダホルダ204を含んで構成される。シリンダ201は、柱面状、例えば円柱面状の内周面を有する。シリンダ201の一端は閉塞され、他端はシリンダホルダ204で塞がれている。シリンダ201の内部空洞内にシリンダに収容されたディスプレーサ202が挿入されている。本形態では、ディスプレーサ202を収容しているシリンダの外周面とシリンダ201の内周面との間に微小な間隙を画定することにより、図6で説明したようなシール部材を不要としているが、シール部材を配置してシールするようにしても良い。
【0038】
シリンダ201の一端とディスプレーサ202との間に、膨張空間205が画定され、ディスプレーサ202とシリンダホルダ204との間に、無効空間206が画定される。ディスプレーサ202の内部構造は、図6で説明したものと同じであり、膨張空間205と無効空間206とを連通させる冷媒流路が設けられ、冷媒流路内には、銅金網、鉛球等の蓄冷材が充填されている。
【0039】
ディスプレーサ202は、無効空間206内に配置されたコイルばね203により、軸方向に関して弾性的に支持されている。無効空間206は、冷媒配管190を介してガス圧縮機本体100のガス圧縮室に連通している。
【0040】
シリンダホルダ204は、ディスプレーサ202とは反対側の端部が開口にされ、この開口を蓋部材204−1で塞ぐように構成される。蓋部材204−1は、複数のボルト207によりシリンダホルダ204の開口端面に固定される。
【0041】
このコールドヘッド200においても、シールの必要な箇所には複数のシール部材が設けられる。すなわち、蓋部材204−1はシリンダホルダ204の開口部に入り込む嵌合部を有し、蓋部材204−1とシリンダ204の開口部の端面との接合面の一方(ここでは蓋部材204−1側)にはO−リングによるシール部材209を設け、蓋部材204−1と前記嵌合部との間のコーナ部とシリンダホルダ204の開口の縁部との間にはインジウムによるシール部材210を介在させる。
【0042】
図5は、シリンダホルダ204と冷媒配管190との接続を、図1で説明したガス圧縮機側の接続部180と同様の構造により実現した例を示す。この接続部210は、シリンダホルダ204の外周部に凹部による受部204−2を設けると共に、中心に冷媒の通路を有して受部204−2に嵌合される嵌合部211−1とこの嵌合部211−1の周囲に設けられたフランジ部211−2とから成るプラグ部材211を受部204−2に装着し、かつプラグ部材211に冷媒配管190を接続して構成される。そして、シリンダホルダ204の外周面とフランジ部211−2との接合面の一方(ここではフランジ部211−2側)には、O−リングによるシール部材212を設け、嵌合部211−1とフランジ部211−2との間のコーナ部と受部204−2における開口の縁部との間にはインジウムによるシール部材213を介在させている。このように、コールドヘッド200においても、気密性を必要とする接続部において、複数個のシール部材を使用してシールを行うことにより、シール部材を代えれば複数回の再利用が可能となる。
【0043】
図2に戻って、解体処理されたコールドヘッドの構成部品も、消耗部品と修正部品と再利用部品とに分別される。消耗部品は、ディスプレーサシール(使用しない場合もある)、冷媒、コイルばね203、シール部材209、210等である。修正部品は、シリンダ201等である。この修正部品も、傷付を無くすためのホーニング加工等による研磨が行われる。再利用部品は、シリンダホルダ204等である。修正部品、再利用部品は、洗浄のうえ真空中でベーキング(焼き出し)が行われて再利用される。スクラップとなった部品は、新品と代替され、これらの代替部品と修正部品、及び再利用部品とによりリサイクル製品としてコールドヘッドの組立てが行われる。
【0044】
なお、本発明はスターリング冷凍機システムに限らず、同様なガス圧縮機及びコールドヘッドを持つパルス管冷凍機(例えば、特許第2780934号に開示)にも適用可能である。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、蓄冷式冷凍機システムにおけるガス圧縮機及びコールドヘッドにおいて、溶接箇所には複数の溶接リップを設け、シールを必要とする箇所には必ず複数のシール部材を用いるようにしたことにより、オーバホールが可能となり、しかも廃棄する必要の無い部品を再利用してリサイクル製品を作ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をスターリング冷凍機に適用した場合の実施の形態を示した断面図である。
【図2】図1に示されたスターリング冷凍機を分解処理して部品の再利用により再組立てを行う場合の流れを示した図である。
【図3】図1のガス圧縮機における溶接部の構造を示した拡大断面図である。
【図4】図1のガス圧縮機における接続部の構造を示した拡大断面図である。
【図5】図1に示されたコールドヘッドに図4に示された接続部を適用した場合の断面図である。
【図6】本出願人により提案されているスターリング冷凍機を示した断面図である。
【符号の説明】
100 ガス圧縮機本体
150 シリンダ
151 ピストン
151−1、153−2a 台座
152 保持部材
153 ケース
153−1 筒状体
153−2 蓋部材
154 永久磁石
155 可動コイル
156 連結部材
157、203 コイルばね
158 ピストンシール
180、210 接続部
190 冷媒配管
200 コールドヘッド
201 シリンダ
202 ディスプレーサ
204 シリンダホルダ
Claims (5)
- シリンダと、
前記シリンダとの間に圧縮室を形成するように前記シリンダ内に配置されるピストンと、
前記ピストンを、前記シリンダ内でその軸方向に往復運動させる往復駆動手段と、
前記シリンダを保持部材を介して収容していると共に、前記ピストン及び前記往復駆動手段を収容しているケースと、
前記ケースに設けられて前記圧縮室に対して冷媒の導入と排出とを行うための冷媒配管の接続部とを有し、
前記ケースにおける溶接箇所には、繰り返し溶接が可能なように複数の溶接リップを設けたことを特徴とする蓄冷式冷凍機システム用のガス圧縮機。 - 請求項1記載のガス圧縮機において、シールの必要な箇所には複数のシール部材が設けられていることを特徴とする蓄冷式冷凍機システム用のガス圧縮機。
- 請求項2記載のガス圧縮機において、前記シールの必要な箇所が前記冷媒配管の接続部であり、該接続部は、前記ケースに凹部による受部を設けると共に、中心に前記冷媒の通路を有して前記受部に嵌合される嵌合部と該嵌合部の周囲に設けられたフランジ部とから成るプラグ部材を前記受部に装着し、かつ該プラグ部材に前記冷媒配管を接続して構成され、前記受部と前記嵌合部との接合面の一方、及び前記ケースと前記フランジとの接合面の一方にはそれぞれO−リングによるシール部材を設け、前記嵌合部と前記フランジ部との間のコーナ部と前記受部における開口の縁部との間にはインジウムによるシール部材を介在させたことを特徴とする蓄冷式冷凍機システム用のガス圧縮機。
- 一端が閉塞されたシリンダと、
前記シリンダの他端に取り付けられ、該シリンダと共に閉じた空間を画定するシリンダホルダと、
前記シリンダ内に配置され内部に蓄冷材が設けられたディスプレーサと、
前記ディスプレーサを、該ディスプレーサの外周面が前記シリンダの内周面と微小間隙を隔てて対峙させ、かつ前記シリンダの軸方向に移動可能に支持する支持手段と、
前記シリンダホルダと前記ディスプレーサとの間に画定された無効空間へ連通し、冷媒の導入と排出とを行う冷媒供給路と、
前記シリンダホルダに設けられて前記冷媒供給路に対して冷媒の導入と排出とを行うための冷媒配管の接続部とを有し、
シールの必要な箇所には複数のシール部材が設けられ、
前記シールの必要な箇所が前記冷媒配管の接続部であり、該接続部は、前記シリンダホルダに凹部による受部を設けると共に、中心に前記冷媒供給路と連通する通路を有して前記受部に嵌合される嵌合部と該嵌合部の周囲に設けられたフランジ部とから成るプラグ部材を前記受部に装着し、かつ該プラグ部材に前記冷媒配管を接続して構成され、前記受部と前記嵌合部との接合面の一方、及び前記シリンダホルダと前記フランジとの接合面の一方にはそれぞれO−リングによるシール部材を設け、前記嵌合部と前記フランジ部との間のコーナ部と前記受部における開口の縁部との間にはインジウムによるシール部材を介在させたことを特徴とする蓄冷式冷凍機システム用のコールドヘッド。 - 一端が閉塞されたシリンダと、
前記シリンダの他端に取り付けられ、該シリンダと共に閉じた空間を画定するシリンダホルダと、
前記シリンダ内に配置され内部に蓄冷材が設けられたディスプレーサと、
前記ディスプレーサを、該ディスプレーサの外周面が前記シリンダの内周面と微小間隙を隔てて対峙させ、かつ前記シリンダの軸方向に移動可能に支持する支持手段と、
前記シリンダホルダと前記ディスプレーサとの間に画定された無効空間へ連通し、冷媒の導入と排出とを行う冷媒供給路と、
前記シリンダホルダに設けられて前記冷媒供給路に対して冷媒の導入と排出とを行うための冷媒配管の接続部とを有し、
シールの必要な箇所には複数のシール部材が設けられ、
前記シールの必要な箇所が前記シリンダホルダであり、該シリンダホルダは、前記シリンダが取付けられている端部とは反対側の端部が開口にされると共に、該開口がボルト締めによる蓋部材で塞がれるようにされており、該蓋部材は前記開口部に入り込む嵌合部を有し、前記蓋部材と前記シリンダの開口部端面との接合面の一方にはO−リングによるシール部材を設け、前記蓋部材と前記嵌合部との間のコーナ部と前記開口の縁部との間にはインジウムによるシール部材を介在させたことを特徴とする蓄冷式冷凍機システム用のコールドヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01972899A JP3584771B2 (ja) | 1999-01-28 | 1999-01-28 | 蓄冷式冷凍機システム用のガス圧縮機及びコールドヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01972899A JP3584771B2 (ja) | 1999-01-28 | 1999-01-28 | 蓄冷式冷凍機システム用のガス圧縮機及びコールドヘッド |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000220901A JP2000220901A (ja) | 2000-08-08 |
JP3584771B2 true JP3584771B2 (ja) | 2004-11-04 |
Family
ID=12007385
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP01972899A Expired - Fee Related JP3584771B2 (ja) | 1999-01-28 | 1999-01-28 | 蓄冷式冷凍機システム用のガス圧縮機及びコールドヘッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3584771B2 (ja) |
-
1999
- 1999-01-28 JP JP01972899A patent/JP3584771B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000220901A (ja) | 2000-08-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2402607B1 (en) | Long life seal and alignment system for small cryocoolers | |
KR20100092501A (ko) | 냉동 압축기 내에 공진 스프링을 장착하기 위한 방법 및 장치 | |
JP2008215440A (ja) | 板ばね及び冷凍機 | |
US20050120721A1 (en) | Cryocooler cold-end assembly apparatus and method | |
JP3584771B2 (ja) | 蓄冷式冷凍機システム用のガス圧縮機及びコールドヘッド | |
EP0774630B1 (en) | Stirling refrigerator | |
JP5657479B2 (ja) | 蓄冷式冷凍機 | |
CN112879265A (zh) | 一种用于驱动双制冷机的四缸直线压缩机 | |
JP2822954B2 (ja) | 振動式圧縮機 | |
JP2001289525A (ja) | 振動型圧縮機 | |
JP2000179965A (ja) | 冷凍機用コールドヘッドの真空容器及びその製造方法 | |
JP3588748B2 (ja) | 冷凍機用コールドヘッド | |
JP2006144568A (ja) | 振動型圧縮機 | |
JP3584766B2 (ja) | 冷凍機用コールドヘッド | |
JP3584767B2 (ja) | 冷凍機用コールドヘッド | |
JP2785779B2 (ja) | スターリング冷凍機及びその製造方法 | |
JP3858301B2 (ja) | 冷凍機 | |
JPH1183220A (ja) | リニア圧縮機及びそれを用いたスターリング冷凍機 | |
JPH09291880A (ja) | リニアモータ圧縮機 | |
JP2000220896A (ja) | 蓄冷式冷凍機システム用のコールドヘッド及びそのための冷媒充填用治具 | |
KR100287716B1 (ko) | 선형압축기의 헤드커버와 토출파이프 접합방법 및 접합구조 | |
JP2002013475A (ja) | リニア圧縮機 | |
JP2004092618A (ja) | 圧縮機 | |
JPH0714773Y2 (ja) | 極低温冷凍機 | |
JP2004003436A (ja) | スターリング機関及びそれを用いた貯蔵庫 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040721 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040726 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080813 Year of fee payment: 4 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080813 Year of fee payment: 4 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |