JP3584650B2 - ナビゲーション装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地図データや文字データなどを収納し、所定のファイルシステムで管理される記録媒体を用いたカーナビゲーションシステムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、カーナビゲーションシステムには、地図データや文字データなどを収納した記録媒体としてＣＤ−ＲＯＭが用いられている。このＣＤ−ＲＯＭには、地図データ，文字データ，音声データ，画像データなどがある一定のフォーマットで収納されており、このＣＤ−ＲＯＭを特定のカーナビゲーション装置で駆動すると、地図データをディスプレイ上に表示し、この地図データ上に、ＧＰＳ(Global Positioning System)受信機や自律航法センサで測定した自位置を表示したり、目的地の検索を行ったりすることができるようになっている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
上述した記録媒体では、地図データ，文字データ，音声データ，画像データなどの名前，作成日時，更新日時，属性などが情報として収納されているが、文字データ，音声データ，画像データなどに関連づけた位置情報は収納されていなかった。したがって、このようなファイル管理の記録媒体では、特定のカーナビゲーション装置でのみ使用することができ、モバイルコンピュータなどで使用することができなかった。また、記録媒体が、モバイルコンピュータやナビゲーションシステムなどで使用可能なフォーマットで地図データ，文字データ，音声データ，画像データなどを収納してあったとしても、これらのデータに対応付けした位置情報が収納されていないので、使用する際に非常に不便であった。
【０００４】
本発明は、上述した課題を解決するために提案されるもので、各データのファイルを設けると共にファイルの作成及び更新時の位置情報を記録媒体に収納することで、ユーザにとって分かり易く且つ使い勝手の良いカーナビゲーション装置を提供することを目的としている。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、ファイルの名前を示す名前情報とこのファイルの作成及び更新日時を示す日付情報と所定範囲の地図を示す地図データとを有している地図データのファイルと、名前情報と日付情報と文字が記載された文字データを有し、作成及び更新された時点の位置を経度及び緯度の数値で示す位置情報が付加されている文字データのファイルとを含むファイル収納されているディレクトリが形成されている記録媒体に対し書込及び読出を行う記録媒体駆動部と、ユーザの自位置を測定して、その経度及び緯度を示す位置信号を送信する位置信号送信部と、無線受信部と再生部と検出抽出部とを有し、上記記録媒体駆動部を制御するとともに、上記位置信号送信部からの位置信号を受信するコンピュータと、地図データを表示するディスプレイと、音声を出力するスピーカと、操作キーを有し、当該操作キーの操作に応じて上記コンピュータに無線信号を送信する操作部とを具備するカーナビゲーション装置であって、上記無線受信部は、上記操作部からの無線信号を受信して再生部に出力し、上記再生部は、上記無線受信部からの無線信号と上記位置信号送信部からの位置信号とに基づいて、上記記録媒体駆動部を駆動し、その記録媒体に記録された地図データのなかから、位置信号が示す緯度経度の近傍であってディスプレイの画面分の地図データをディスプレイに表示させ、上記検出抽出部は、上記再生部が上記ディスプレイに再生表示している地図データ上の経度及び緯度に対応した位置情報を有するファイルを記録媒体上で検索して該当するファイルを抽出し、当該抽出したファイルを示すアイコン表示信号を上記再生部に出力し、上記再生部は、上記アイコン表示信号が示すファイルを記録媒体から読み出し、その位置情報が示す位置にアイコンを表示するとともに、ディスプレイ上のアイコンに対応したファイルのデータ内容を上記ディスプレイに表示させまたは上記スピーカから音声として再生させるようにしたものである。
【０００６】
本発明に係るカーナビゲーション装置に用いられるコンピュータは、上記操作部からの無線信号に基づいて、その記録媒体内に新ファイルを作成し、又は既存のファイルを更新する記録部を更に備える。
【０００７】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図１は、本発明に係るカーナビゲーション装置に用いられる記録媒体を示すディスク構造図である。この記録媒体は、図１に示すように、ＭＤ（Mini Disk）１であり、大容量で書込及び読出可能なストレージメディアである。
【０００８】
ＭＤ１内には、ディレクトリ１０が形成されており、このディレクトリ１０内に、ｎ個のファイル１１−１〜１１−ｎが収納されている。ファイル１１−１は、地図データのファイルであり、このファイルの名前を示す名前情報ａ１と、このファイルの作成及び更新日時を示す日付情報ｂ１と、ある範囲の地図を示す地図データｄ１とを有している。ファイル１１−２は、文字データのファイルであり、ファイル１１−１と同様に名前情報ａ２，日付情報ｂ２，文字が記載された文字データｄ２を有している。そして、このファイル１１−２には、更に、このファイル１１−２が作成及び更新された時点の位置を経度及び緯度の数値で示す位置情報ｃ２が付加されている。
【０００９】
具体的には、図２に示すように、名前情報ａ２の「Ｎａｍｅ」欄に、「 ｍｙ ｈｏｕｓｅ」なる情報が記載され、日付情報ｂ２の「 Ｄａｔｅ」欄に、「１９９６／１２／０４」なる情報が記載され、位置情報ｃ２の緯度「Ｌａｔ」の欄に「３５°３７′４０″」なる情報が記載されていると共に経度「Ｌｎｇ」欄に「１３５°４４′５０″」なる情報が記載され、文字データｄ２の「Ｄａｔａ」欄に文字データが記載されている。図１において、ファイル１１−３は、音声データｄ３を有したファイルであり、ファイル１１−２と同様に、名前情報ａ３，日付情報ｂ３，位置情報ｃ３を有している。そして、ファイル１１−３以降のファイル１１−４〜１１−ｎも同様に名前情報ａ４〜ａｎ，日付情報ｂ４〜ｂｎ，位置情報ｃ４〜ｃｎと、画像データｄ４，ｄｎ等を有している。
【００１０】
次に、このＭＤ１の使用例について説明する。図３は、ＭＤ１をカーナビゲーションシステムに適用した例を示すブロック図である。図３に示すように、カーナビゲーション装置は、ＭＤドライブ２と、ＧＰＳ受信機３と、自律航法センサ４と、コンピュータ５と、ディスプレイ６と、スピーカ７と、ジョイスティック８とを具備している。
【００１１】
ＭＤドライブ２は、ＭＤ１の書込及び読出を行う機器であり、コンピュータ５で制御される。また、ＧＰＳ受信機３及び自律航法センサ４は、ユーザの自位置を測定して、その経度及び緯度を示す位置信号Ｐをコンピュータ５に送る機器である。
【００１２】
コンピュータ５は、ジョイスティック８でリモートコントロール可能な処理装置であり、無線受信部２０と再生部２１と検出抽出部２２と記録部２３とを有している。
【００１３】
無線受信部２０は、ジョイスティック８からの無線信号Ｃ１，Ｃ２を受信して、再生部２１，記録部２３に出力する部分である。
【００１４】
再生部２１は、無線受信部２０からの受信信号Ｃ１とＧＰＳ受信機３または自律航法センサ４からの位置信号Ｐとに基づいて、ＭＤドライブ２を駆動し、対応するファイルをＭＤ１から読み出して、読出ファイルをディスプレイ６やスピーカ７に再生させる部分である。具体的には、ジョイスティック８の作動ボタン８０が押されると、ＭＤドライブ２を介してＭＤ１のディレクトリ１０からファイル１１−１を読み出し、位置信号Ｐが示す経度及び緯度の近傍であって且つディスプレイ６の画面分の地図データを、ディスプレイ６に再生して表示する。したがって、図４に示すように、ディスプレイ６上の地図は、ユーザの自位置Ｕの移動に応じて漸次スクロールされる。
【００１５】
また、再生部２１は、検出抽出部２２からのアイコン表示信号Ｉに基づいて、所定のアイコンをディスプレイ６に表示させる機能も有している。すなわち、検出抽出部２２は、再生部２１がディスプレイ６に再生表示している地図データ上の経度及び緯度に対応した位置情報を有するファイルを、ＭＤ１内で検索して、該当するファイルをファイル１１−１〜１１−ｎの中から抽出し、抽出したファイルを示すアイコン表示信号Ｉを再生部２１に出力するようになっている。これにより、再生部２１は、アイコン表示信号Ｉが示すファイルをＭＤ１から読み出し、図４に示すように、その位置情報が示す位置にアイコンＩ１〜Ｉ３を表示する。
【００１６】
さらに、再生部２１は、ディスプレイ６上のアイコンＩ１〜Ｉ３に対応したファイルのデータ内容をディスプレイ６に表示し、または、スピーカ７から音声として再生する機能をも有している。具体的には、ジョイスティック８の４つのカーソル移動ボタン８１のいずれかを押して、図４に示す十字カーソルＫを移動させ、アイコンＩ１〜Ｉ３のいずれかに一致させた後、確定ボタン８２を押すと共に再生ボタン８３を押す。すると、再生部２１が無線受信部２０からの受信信号Ｃ１に基づいて、当該アイコンに対応したファイルをＭＤ１内のファイル１１−２〜１１−ｎの中から読み出し、読み出したファイル内の文字データや画像データをディスプレイ６に表示させ、または音声をスピーカ７から出力する。
【００１７】
記録部２３は、無線受信部２０からの受信信号Ｃ２に基づいて、ＭＤ１内に新ファイルを作成したり、既存のファイルを更新したりするための部分である。具体的には、ジョイスティック８の文字ボタン８４を押すと、記録部２３がひらがなとカタカナの５０音及び英数字などを表示するパネルをディスプレイ６に表示する。この状態で、カーソル移動ボタン８１を操作して、図４に示す十字カーソルＫをパネル上の一文字に一致させると共に確定ボタン８２を押して、選択文字を確定する。
【００１８】
このように、必要な文字を次々に選択確定した後、記録ボタン８５を押すと、選択した文字列を示す信号Ｃ２がジョイスティック８からコンピュータ５に送信される。すると、記録部２３が無線受信部２０からの受信信号Ｃ２に基づいて文字による名前情報や文字データを作成する。これと同時に、その時点の日付情報を図示しない内部タイマによって作成すると共に、ＧＰＳ受信機３または自律航法センサ４からの位置信号Ｐに基づいて、位置情報を作成する。そして、これらの情報及びデータを含む１つのファイルを作成し、ＭＤ１のディレクトリ１０内に収納する。また、作成したファイルの名前情報及び位置情報が既存のファイルの名前情報及び位置情報と同じである場合には、作成したファイルを既存のファイルに上書きして更新する。
【００１９】
このような記録部２３は、上記文字データファイルの作成及び更新と同様に、音声データファイルや画像データファイルの作成更新も可能にしている。すなわち、マイク９０やカメラ９１を記録部２３に接続して、これらから音声や画像を記録部２３に取り込むと共に、ファイルの名前をジョイスティック８のカーソル移動ボタン８１，確定ボタン８２を用いて選択確定し、記録ボタン８５を押すことによって、上記と同様に、名前情報，日付情報，位置情報，音声データまたは画像データを含んだファイルが作成，更新される。
【００２０】
かかる構成により、ジョイスティック８の作動ボタン８０を押すと、図４に示すように、ディスプレイ６上に自位置Ｕが表示され、地図が自位置Ｕの進行に従ってスクロールされていく。このとき、図１に示すファイル１１−１，１１−２，１１−３の位置情報が示す経度及び緯度がディスプレイ６に表示されている地図上の経度及び緯度に含まれている場合には、 ファイル１１−１，１１−２，１１−３に対応したアイコンＩ１，Ｉ２，Ｉ３が図４に示すように各位置に表示される。
【００２１】
そして、ユーザがアイコンＩ１の内容を知りたい場合には、カーソル移動ボタン８１を操作して、十字カーソルＫを矢印のように移動させ、十字カーソルＫがアイコンＩ１に一致したところで、確定ボタン８２を押すと共に再生ボタン８３を押すと、ファイル１１−２の文字データｄ２の内容がディスプレイ６に表示される。同様に、十字カーソルＫをアイコンＩ２やアイコンＩ３迄移動させ、確定ボタン８２，再生ボタン８３を押すことで、ファイル１１−３やファイル１１−４の音声データｄ３や画像データｄ４がスピーカ７，ディスプレイ６で再生される。以後、進行に応じて、アイコンＩ１〜Ｉ３が地図と共に移動し、ディスプレイ６の画面から消えていくと共に、新しい領域内に位置するファイルのアイコンがディスプレイ６の画面に表示される。このとき、ユーザが気に入ったレストランなどを見つけ、それをアイコン表示したいと思った場合には、当該レストランなどの近くで、ジョイスティック８の文字ボタン８４を押すと共に、カーソル移動ボタン８１及び確定ボタン８２によって、ディスプレイ６に表示されているパネルの文字を選択確定した後、記録ボタン８５を押せば、名前情報「レストラン」，文字データ「フランス風のお店であり・・・」などと共に、その日付情報と位置情報とを含む新しいファイルがＭＤ１のディレクトリ１０内に作成される。また、マイク９０やカメラ９１を用いて、そのレストランの音声データや画像データなどを含んだ新しいファイルを作成することもできる。
【００２２】
ところで、ＭＤ１は、従来のカーナビゲーション用のＣＤ−ＲＯＭなどと異なり、ディレクトリ１０内にファイル１１−１〜１１−ｎを収納した構造となっているので、 ＭＤ１のフォーマットがパソコンなどで認識できるフォーマットに一致している限り、パソコンなどで、ディレクトリ１０やファイル１１−１〜１１−ｎの存在を認識することができる。したがって、別の記録媒体との間で、ディスク複写やファイル複写及びファイル移動を容易に行うことができる。また、ネットワークを介して、モバイルコンピュータから他のコンピュータの記録媒体にディスクやファイルの複写や移動を行うことができる。
【００２３】
このような記録媒体を用いることにより、各ファイル単位で地図の所定位置にアイコンを表示することことができるので、ユーザにとって分かり易く且つ使い勝手が良い。また、ディスクやファイルの複写や移動を容易に行うことができ、ファイル管理が容易である。
【００２４】
なお、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形や変更が可能である。例えば、上記実施の形態では、地図データのファイルとして、１つのファイル１１−１のみをＭＤ１に収納したが、各地域別の地図データを含む複数のファイルを記録媒体中に収納するようにしても良い。
【００２５】
また、上記実施の形態では、各ファイルに位置情報を付加した構造としたが、図５に示すように、位置情報管理ファイル１２を設け、この位置情報管理ファイル１２に、各ファイルの位置情報を収納するようにしてもよい。すなわち、ファイル１１−１〜１１−ｎの名前とそのファイルの位置情報とを関連づけた状態で、位置情報管理ファイル１２に収納しておく。
【００２６】
さらに、上記実施の形態では、ファイル１１−１〜１１−ｎに位置情報を付加したが、図６に示すように、ファイル１１−１〜１１−ｎには位置情報を付加せず、ディレクトリ１０にそのディレクトリの名前情報と位置情報とを付加するようにしてもよい。
【００２７】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように、本発明によれば、ファイル単位でアイコン化することができるので、ユーザにとって分かり易く且つ使い勝手の良い記録媒体を提供することができる。また、記録媒体やファイルの複写や移動を容易に行うことができる。特に、複数の情報ファイルのうち、一以上のファイルを、ナビゲーションシステムの地図データを含むファイルにして、ナビゲーションシステムなどに適用すれば、各ファイル単位で地図の所定位置にアイコンを表示することことができるので、非常に便利である。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る記録媒体を示すディスク構造図である。
【図２】各ファイルに含まれる情報例を示すファイル構成図である。
【図３】ＭＤをカーナビゲーションシステムに適用した例を示すブロック図である。
【図４】ディスプレイの表示状態を示す概略図である。
【図５】本発明の他の例を示す記録媒体の構造図である。
【図６】本発明のさらに他の例を示す記録媒体の構造図である。
【符号の説明】
１ ＭＤ、 １０ ディレクトリ、 １１−１〜１１−ｎ ファイル、 ａ１〜ａｎ 名前情報、 ｂ１〜ｂｎ 日付情報、 ｃ２〜ｃｎ 位置情報、 ｄ１地図データ、 ｄ２ 文字データ、 ｄ３ 音声データ、 ｄ４ 画像データ

Claims (2)

1. ファイルの名前を示す名前情報とこのファイルの作成及び更新日時を示す日付情報と所定範囲の地図を示す地図データとを有している地図データのファイルと、名前情報と日付情報と文字が記載された文字データを有し、作成及び更新された時点の位置を経度及び緯度の数値で示す位置情報が付加されている文字データのファイルとを含むファイル収納されているディレクトリが形成されている記録媒体に対し書込及び読出を行う記録媒体駆動部と、
   ユーザの自位置を測定して、その経度及び緯度を示す位置信号を送信する位置信号送信部と、
   無線受信部と再生部と検出抽出部とを有し、上記記録媒体駆動部を制御するとともに、上記位置信号送信部からの位置信号を受信するコンピュータと、
   地図データを表示するディスプレイと、
   音声を出力するスピーカと、
   操作キーを有し、当該操作キーの操作に応じて上記コンピュータに無線信号を送信する操作部と
   を具備するカーナビゲーション装置であって、
   上記無線受信部は、上記操作部からの無線信号を受信して再生部に出力し、
   上記再生部は、上記無線受信部からの無線信号と上記位置信号送信部からの位置信号とに基づいて、上記記録媒体駆動部を駆動し、その記録媒体に記録された地図データのなかから、位置信号が示す緯度経度の近傍であってディスプレイの画面分の地図データをディスプレイに表示させ、
   上記検出抽出部は、上記再生部が上記ディスプレイに再生表示している地図データ上の経度及び緯度に対応した位置情報を有するファイルを記録媒体上で検索して該当するファイルを抽出し、当該抽出したファイルを示すアイコン表示信号を上記再生部に出力し、
   上記再生部は、上記アイコン表示信号が示すファイルを記録媒体から読み出し、その位置情報が示す位置にアイコンを表示するとともに、ディスプレイ上のアイコンに対応したファイルのデータ内容を上記ディスプレイに表示させまたは上記スピーカから音声として再生させることを特徴とするカーナビゲーション装置。
2. 上記コンピュータは、上記操作部からの無線信号に基づいて、その記録媒体内に新ファイルを作成し、又は既存のファイルを更新する記録部を更に備えることを特徴とする請求項１記載のカーナビゲーション装置。

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