JP3584051B2 - 電空変換器 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、気体圧力を電気信号によって制御する電空変換器に係り、特にノズルフラッパ機構を用いて制御弁を駆動し、出力側の気体圧力を制御する電空変換器の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般空気圧計装やプロセス制御における気体圧力を調整する電空変換器(電気信号−気体圧変換器)として、いくつかの提案がされている。
【0003】
この種の電空変換器としては、ノズルフラッパ機構に圧電素子(圧電バイモルフ)を利用したタイプのものがあり、ここに、ノズルフラッパ機構とは、ノズルとフラッパとが対向配置され、該フラッパのノズルに対する間隔量に応じてノズル背圧が変化する機構をいう。
【0004】
そして、ノズルフラッパ機構を用いた電空変換器としては、図5に示すものがある。
図5に示すように、電空変換器100は、内部上方に設けられたノズルフラッパ機構部Nと、内部下方に設けられた制御弁部Bとを備えている。
【0005】
前記ノズルフラッパ機構部Nは、背圧室184に連通された所定口径のノズル142と、該ノズル142に対向配置され、基端部が電空変換器100本体に固定された圧電バイモルフからなるフラッパ162とを備え、該フラッパ162には電圧を印加する駆動回路163が接続されている。
【0006】
前記制御弁部Bは、上下に並設された2枚のダイアフラム134,135と、これらダイアフラム134,135に連動されるセンタディスク132が含まれる。前記ダイアフラム135と134との間隔はセンタディスク132の中央部132aにより一定に保持され、該センタディスク132の下部が、略円筒状の制御弁111の上端面に設けられたパッキン113に着座可能に構成され、排気弁133が構成されている。前記センタディスク132は、バネ123により上方に付勢されている。前記制御弁111は、電空変換器100本体に形成された丸孔部100bに摺動可能に配設され、該制御弁111の下方にはフランジ111aが形成されている。該フランジ111aの上面にはパッキン112が配設され、前記丸孔部100bを形成する周壁の下端面100aが前記パッキン112に当接されている。前記フランジ111aの下面と下蓋114との間にはバネ115が介装され、該バネ115により制御弁111は上方に付勢されている。なお、符号116はリングであり、符号117はパッキンであり、符号118,121はOリングであり、符号130は中子である。
【0007】
また、前記2枚のダイアフラム135と134との間には中間室(フィードバック室)183が形成され、該中間室183は図示しない通路により二次圧ポート181又は一次圧ポート180に連通されている。前記ダイアフラム134の下面側には経路182aにより大気に連結されている大気圧室182が形成されている。
【0008】
また、図中下方には、気体の「供給口」である一次圧ポート180と気体の「出力口」である前記二次圧ポート181とが、開口190で連通され、この開口190が前記制御弁111により開閉される。一次圧ポート180は、通路180a,絞り141,背圧室184を経由して前記ノズル142に連通されている。また、二次圧ポート181は、通路181aを介して圧力センサ150に連通され、該圧力センサ150は前記駆動回路163に接続されている。
【0009】
次に、前記電空変換器100の動作を、▲1▼平衡状態の場合の動作と、▲2▼非平衡状態の動作とに分けて説明する。
▲1▼平衡状態の場合の動作
図5は、電空変換器100の系が平衡状態に保たれている場合を示し、ノズル背圧による力が、中間室183の内圧による力、バネ123,115による力、制御弁111にかかる一次圧,二次圧による力と平衡している。
▲2▼非平衡状態の場合の動作
(i) 二次圧が設定値に対して低すぎる場合の動作
二次圧ポート181の圧力は通路181aを介して圧力センサ150により検出され、この圧力検出により駆動回路163からフラッパ162を下方へ下げる信号が出力され、フラッパ162がノズル142の噴出口に近付く。すると、背圧室184の圧力が上昇し、センタディスク132は下方に押し下げられる。このセンタディスク132の下降により制御弁111が下降し、丸孔部100bを形成する周壁の下端面100aとパッキン112との間に隙間が形成される。この隙間を介して一次圧が二次圧側に供給され、二次圧が高くなり、平衡状態へと向かう。
(ii)二次圧が設定値に対して高すぎる場合の動作
二次圧ポート181の圧力は通路181aを介して圧力センサ150により検出され、この圧力検出により駆動回路163からフラッパ162を上方へ上げる信号が出力され、フラッパ162がノズル142の噴出口から離れる。すると、背圧室184の圧力が下降し、センタディスク132は上昇する。このセンタディスク132の上昇により制御弁111が上昇し、開口190が閉じる。その後、円筒体133aの下端面とパッキン113との間に隙間(排気弁133)が形成される。この隙間を介して二次圧が、[前記隙間→円筒体133aの内部→大気室182→経路182a→大気]の経路で外部に開放され、二次圧が低くなり、平衡状態へと向かう。
【0010】
次に、中間室183の役割について説明する。
中間室183が一次圧ポート180に連通している場合には、二次圧の変化に対応してセンタディスク132を上方へ持ち上げようとする力は変化しないが、中間室183が二次圧ポート181に連通している場合には二次圧の変化がセンタディスク132を持ち上げようとする力を変化せしめ、二次圧の変化がセンタディスク132の上昇力を機械的にフィードバック制御することになり、これに対して圧力センサ150は、背圧室184の圧力を電気的にフィードバック制御することとなる。
【0011】
最後に、ノズルフラッパ機構について説明する。
前記従来のノズルフラッパ機構部を模式的に示した場合を図6に示す。図6において、符号501はフラッパであり(図5のフラッパ162に相当する)、符号502はノズルであり、符号503は背圧室であり、符号Psup は常時一定圧力で供給される気体であり、符号Pout は背圧室503の内圧出力である。図7に、前記図6に示すノズルフラッパ機構部の「フラッパの変位とノズル背圧の関係」を示す。図7から明らかなように、ノズルフラッパ機構部において、Y軸方向に示すノズル背圧が低い領域では、フラッパ変位に対してノズル背圧変化が小さいし、背圧自体は正圧であって負圧にはならない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従って、センタディスクを上下に動かすためには、図5から明らかなように、面積の異なる2枚のダイアフラムにより中間室183を形成して、該中間室に圧力を導入することによって得られる上向きの力を利用していた。そのため、構造が複雑になり重量も大きく高価となっていた。
【0013】
また、前記2枚のダイアフラム134,135と周辺部品の殆どは可動部品である。ここに、可動部品の質量が大きいと、応答性への影響が大きく、該応答性の改善のためには系全体を大きな力でバランスさせる必要がある。そのためには、比較的大きな力をノズル背圧で発生する必要があり(前記図7に示す如く従来例はノズル背圧変化が小さい)、ノズル背圧を大きくするためにはフラッパの力を大きくする必要があり、これを駆動するためには大きな電力が必要となってしまい、アクチュエータ,電気回路の小形化,簡素化の面から好ましくなかった。
【0014】
更に、駆動力が大きくなると、センタディスクと係合する制御弁自体にも強い材質が要求される。ここに、制御弁も可動部品であるので、軽量材質(例えば、合成樹脂)が好ましいが、合成樹脂は強度(特に座屈強度)の面で弱いため、従来は制御弁に金属を使用せざるを得なかった。
【0015】
そこで、本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、アクチュエータ,電気回路の簡素化,小形化,軽量化、シンプルな構造で安価な電空変換器を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、絞り(241)を介して供給された圧力気体を噴出するノズル(242)と、該ノズル(242)に近接対向して配設されたフラッパ(262)と、前記ノズル(242)の背圧を受ける背圧室(284)と、前記フラッパ(262)の変位に伴う前記背圧室(284)の圧力変化を受けて応動するダイアフラム(234)と、該ダイアフラム(234)と連動して気体供給口(280)と気体出力口(281)とを結ぶ開口(290)の開閉を行う制御弁(211)とを備え、前記開口(290)の開閉は、前記制御弁(211)の外周部に設けられたフランジ部(fl)により形成された弁(211a)と電空変換器本体(210)に形成された弁座(210c)との離接により行う電空変換器において、前記絞り(241)は、前記背圧室(284)側に前記ノズル(242)と同軸上に配設され、前記ダイアフラム(234)は一枚で構成され、該ダイアフラム(234)の一面は前記背圧室(284)に臨み、該ダイアフラム(234)の他面は大気室(282)に臨み、前記制御弁(211)は、軸方向に形成された貫通口を有する略筒体形状であり、該貫通口は前記気体出力口(281)に連通口(211c)を介して連通されており、前記制御弁(211)の一端は前記ダイアフラム(234)の他面に接離可能に当接され、他端は前記気体出力口(281)側の圧力が作用する圧力室(220)に連通され、前記気体出力口(281)側の圧力が作用する圧力室(220)と大気室(282)との間は、前記ダイアフラム(234)の他面と接離可能な前記制御弁(211)の一端で遮断されており、前記ダイアフラム(234)の他面と前記制御弁(211)とが離れると、前記圧力室(220)と大気室(282)とが連通し、前記弁座(210c)の径と前記圧力室(220)に連通された前記制御弁(211)の他端の外径とは、ほぼ等しく形成されている。
【0017】
また、前記制御弁は、合成樹脂により構成されている。
【0018】
【作用】
ノズルとフラッパとの間隔が大きくなると、前記ノズルからの気体噴出量が増加する。前記気体噴出により気体の流速が一定値以上になると、前記ノズルと絞りの近傍でジェットポンプ作用が働き、図3に示すように、背圧室が「負圧」となる。これにより、ノズル背圧の出力範囲が広げられ、符号401で示す範囲でフラッパ変位とノズル背圧変化が比例に近い領域が広がる。即ち、符号401で示すフラッパ変位に対して従来は符号402のノズル背圧変化であったが、本発明によれば符号403で示すように、比例に近い領域(直線に近い領域)が広がる。これにより、ノズル背圧変化量が同じ場合にはフラッパ変位は小さくてすむ。
【0019】
また、図4に示すように、電空変換器本体210の弁座210cの径と制御弁211のバネ収納筒211dの外径とはほぼ等しい。従って、気体供給側280で制御弁211のフランジ(弁)flの上下面に作用する力は互いに相殺され(F8 =F9 )、気体出力側281のフランジflの上面および制御弁211の筒体211eの下端面に作用する力の大部分は互いに相殺される(F5 =F6 +F7 )。系の平衡状態ではF1 ≦F2 +F3 +F4 (ただし、F1 >F2 )が成立し、従来例と比べダイアフラム233を押し下げる力F1 を小さくすることができる。これらからフラッパ262の変位は、小さく押さえることができ、且つ、フラッパにかかる力を小さくすることができる。よって、フラッパ262の小形化およびこれを駆動する電気回路の小形化が実現できる。
【0020】
【実施例】
以下、本発明を図示の実施例に基づいて説明する。
図1に本発明の電空変換器の実施例の全体構成の側断面図を示し、図2に本発明の要旨の一部をなすノズルフラッパ機構部300の原理図を示す。
(1) ノズルフラッパ機構部
先ず、図2に基づいて前記ノズルフラッパ機構部300を説明する。
【0021】
図2に示すように、背圧室305の上面中央には底部に図中斜面部302aを有するノズル302が配設され、該ノズル302の先端に対向して基端部が支持されたフラッパ301が配設されている。前記ノズル302の下方同軸上に図中の先端の尖った気体供給用の絞り303が配設されている。そして、前記絞り303の下方には供給口306が形成され、該供給口306からは常時一定圧力の気体Psup が供給され、前記背圧室305の側面に設けられた出力口307からは背圧室305の内圧変化が出力されている。
【0022】
そして、かかる構成のノズルフラッパ機構部300において、フラッパ301に対して駆動手段(図示せず)により変位が与えられ、ノズル302との「間隔が狭められる」と背圧室305の内圧が上昇する。このように「ノズル背圧が高い場合」には、図3の符号E1 の範囲にあるため、従来例c曲線および本発明d曲線共、僅かのフラッパ変位に対して大きなノズル背圧の変化が得られる。
【0023】
逆に、ノズル302とフラッパ301との「間隔が広がる」と、背圧室305の内圧が下降する。更に、該間隔が広がるようにフラッパ301が変位すると、ノズル302より流出する気体流量が増え、その結果空間304近傍の流速が上り、該流速が「一定以上」に達したとき、絞り303からノズル302に向かう気体の流れは、周囲の気体を引き込んで、所謂ジェットポンプとしての動作を開始する。このジェットポンプ作用の結果、背圧室305のノズル背圧を更に下げ、背圧室305が負圧になるため(図3の符号E2 参照)、ノズル背圧範囲が広くなる。
【0024】
即ち、図3に示すように、曲線cで示す従来の特性と、曲線dで示す本発明による特性を比較すると、フラッパ301に与えられる一定量の入力変位(符号401で示す)に対して、従来は符号402で示すノズル背圧範囲であるのに対して、本発明では符号403で示すノズル背圧範囲となる。つまり、本発明によれば、一定量のフラッパ変位(符号401で示す)に対して従来のノズルフラッパ機構よりも大きなノズル背圧変化を得ることができ、且つ、フラッパ変位に対するノズル背圧変化の直線性を改善することができる。また、ノズル背圧範囲を負圧領域まで拡大できた。
(2) 電空変換器の全体構成
次に、図1に基づいて前記原理に基づくノズルフラッパ機構部を使用した電空変換器200を説明する。
【0025】
図1に示すように、電空変換器200は、全体としては四角柱状をなし、下方に金属製の本体210が配設され、中間部に金属製の上ブロック240が配設され、該上ブロック240の上部には合成樹脂からなるケース270が密閉用のパッキン271を介して配設されている。そして、前記上ブロック240の上面側にノズルフラッパ機構部N0 が配設され、前記上ブロック240の下面側および前記本体210内に制御弁部B0 が配設されている。
【0026】
前記ノズルフラッパ機構部N0 は、背圧室284に連通された所定口径のノズル242と、該ノズル242に対向配置され基端部が前記上ブロック240に支持台260と押え261とにより固定された圧電バイモルフからなるフラッパ262とを備え、前記フラッパ262には電圧を印加する駆動回路263が接続されている。なお、符号244は密閉用のOリングであり、符号243はノズル242およびOリング244を押える押え部材である。
【0027】
前記制御弁部B0 は、1枚のダイアフラム234と、該ダイアフラム234で支持されているセンタディスク233を含み、該センタディスク233の下面は合成樹脂製の円筒状の制御弁211の上端面に当接され、この部分が二次圧を大気に開放する排気弁をなしている。前記制御弁211は、その側面に連通孔211cを有し、本体210に形成された丸孔部210bに摺動可能に配設され、該制御弁211の中央部やや下方にはフランジflが形成され、このフランジflが弁211aを形成している。該弁211aは、本体210に形成された丸孔部210aの下端面に形成された弁座210cに当接されるようになっている。前記本体210の底部中央には丸孔状の圧力室220を有する下蓋214が、リング216により支持されている。また、前記制御弁211の下部にはバネ収納筒211dが形成され、この中にバネ215が介装される。該バネ収納筒211dと下蓋214との間に介装された前記バネ215により制御弁211は上方に付勢されている。前記制御弁211のバネ収納筒211dは、前記圧力室220にOリング218を介して摺動可能に挿入されている。なお、符号217および符号221は密閉用のOリングである。
【0028】
また、前記ダイアフラム234の下面側には大気室282が形成され、該大気室282は通路282aにより大気に連通されている。該通路282aとケース270内とは、図示しない通路でつながれ、ノズル242から排出される気体はケース270内に留まることなく、通路282aより大気へ開放される。
【0029】
また、図中下方には、気体の「供給口」である一次圧ポート280と気体の「出力口」である二次圧ポート281とが、開口290の開閉を行う前記制御弁211により仕切られている。一次圧ポート280は、通路280a,絞り241,背圧室284を経由して前記ノズル242に連通されている。ここに、前記丸孔部210aの直径とOリング218の内径とは同一寸法である(図4参照)。
【0030】
また、前記二次圧ポート281は、通路281aを介して圧力センサ250に連通され、該圧力センサ250は前記駆動回路263に接続されている。なお、符号251は密閉用のOリングであり、符号252はワッシャであり、符号253は前記ワッシャ252を介して圧力センサ250を支持するピンである。
【0031】
次に、前記電空変換器200の動作を、▲1▼平衡状態の場合の動作と、▲2▼非平衡状態の場合の動作とに分けて説明する。
▲1▼平衡状態の場合の動作
図1は、電空変換器200の系が平衡状態に保たれている場合を示し、この場合は、次式(1)の力バランスが成立している。なお、図4に前記次式(1)の成立に関する要部拡大図を示す。
【0032】
F1 ≦F2 +F3 +F4 −F5 +F6 +F7 −F8 +F9 …(1)
ただし、F1 >F2
F1 :ノズル背圧による制御弁211を押し下げる力
F2 :連通孔211cを介してセンタディスク233の下面(パッキン233a)に加わる二次圧による、センタディスク233を押し上げる力F3 :バネ215による上方への付勢力
F4 :円筒体211eの円筒断面に加わる二次圧による、制御弁211を押し上げる力
F5 :弁211aの上面に加わる二次圧による、制御弁211を押し下げる力
F6 :制御弁211のバネ収納筒211dの下端面に加わる二次圧による制御弁211を押し上げる力
F7 :バネ収納筒211dの天井面211fのうちF4 を除いた部分にかかる二次圧による制御弁211を押し下げる力
F8 :弁211aの上面に加わる一次圧による、制御弁211を押し下げる力
F9 :弁211aの下面に加わる一次圧による、制御弁211を押し上げる力
なお、図4において、前述の如く丸孔部210aの直径とOリング218の内径は等しい。従って、一次圧により弁面211aの上面と下面とにそれぞれ作用する力(面積×一次圧)F8 とF9 とは等しくなり(F8 =F9 )、前記一次圧により制御弁211が上方に移動されることはない。
【0033】
また、二次圧による力のうち、F5 と、F6 と、F7 とは、(F5 =F6 +F7 )の関係にあり互いに相殺される。
以上から(1)式は次の(2)式に書き替えられる。
【0034】
F1 ≦F2 +F3 +F4 …(2)
▲2▼非平衡状態の場合の動作
(i) 二次圧が設定値に対して低すぎる場合の動作
二次圧ポート281の圧力は通路281aを介して圧力センサ250により検出され、この圧力検出により駆動回路263からフラッパ262を下方へ下げる信号が出力され、フラッパ262がノズル242の噴出口に近付く。すると、背圧室284の圧力が上昇し、排気弁が閉じた状態でセンタディスク233は下方に押し下げられる。このセンタディスク233の下降により制御弁211が下降され、弁座210cと該弁座210cに対応した弁面211aとの間に隙間が形成され、制御弁211が開く。この隙間を介して一次圧が二次圧側に供給され、二次圧が高くなり、平衡状態(前記(2)式の状態)に向かっていく。
【0035】
また、二次圧を受ける面積が小さいので、センタディスク233および制御弁211を上方に押し上げる力(F2 +F4 )は小さい。よって、ノズル背圧を低く設定できる。その結果、フラッパ262に与える力を小さくすることができる。更に前述のジェットポンプ作用を持った背圧室を採用しているので、ノズル背圧が低くてもフラッパ262に与える変位は小さくて済む。その結果、素早く制御弁211を開くことができる。
(ii) 二次圧が設定値に対して高すぎる場合の動作
二次圧ポート281の圧力は通路281aを介して圧力センサ250により検出され、この圧力検出により駆動回路263からフラッパ262を上方へ上げる信号が出力され、フラッパ262がノズル242の噴出口から離れる。すると、背圧室284の圧力が下降する。
【0036】
このとき、二次圧は制御弁211の円筒体211eを介してセンタディスク233のパッキン233aに作用し、該センタディスク233を上方に僅かに押し上げ、しかもバネ215により制御弁211は上方に付勢されて弁座210cと弁211aとが当接して、一次圧の供給を停止する。制御弁211は当接したところから上方移動が制約されるので、前記円筒体211eの上端面とパッキン233aとの間に隙間が形成され、排気弁が開く。この隙間を介して二次圧が、[円筒体211eの内部→前記隙間→大気室282→通路282a→大気]の経路で大気に開放され、平衡状態(前記(2)式の状態)に向かっていく。
【0037】
二次側の容量が大きい場合等、更に大きな排気量が必要な場合の動作を以下に説明する。
前記の状態より更にフラッパ262がノズル242の噴出口から離れ、絞り241を通過する気体の流速が上り、流速が一定以上になったとき、絞り241とノズル242間でジェットポンプ作用がなされる。その結果、背圧室284の圧力が素早く降下し、負圧となる。このノズル背圧降下によりダイアフラム234,センタディスク233が引き上げられ、前記円筒体211eの上端面とパッキン233aとの間に前記隙間より大きい隙間が形成される。大気に急速に開放され、平衡状態(前記(2)式の状態)に向かっていく。
【0038】
以上の構成および動作により、ノズル背圧による力F1 が小さくて済む。更に、ジェットポンプ作用を利用しているのでフラッパを変位させる電力が少なくてよく、フラッパを駆動する電気回路が小形のものでよい。
【0039】
また、ノズル背圧による力F1 が小さいので、すべて構成部品を小形化できる。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、ノズルと背圧室内部に気体を供給する絞りとを同軸上に配置し、ジェットポンプ作用をなすようにしたので、一定のフラッパ変位の範囲において、ノズル背圧変化が大きく、且つ、フラッパ変位とノズル背圧の比例領域が広がった。これにより、ノズル背圧が低い領域でも小さなフラッパ変位により大きなノズル背圧変化が得られる。また、フラッパ変位が小さくて済むので、アクチュエータの寿命が伸びる。
【0041】
制御弁部にかかる一次圧を相殺し、また、二次圧の影響を極力小さく押さえることにより、背圧室の圧力が低くなり、フラッパに加わる力が小さくて済む。これによりアクチュエータ,電気回路,製造部品の小形化,簡素化が可能となった。
【0042】
このため、従来、強度不足のため利用できなかった、合成樹脂製の制御弁を採用することが可能となった。合成樹脂は軽量であるため可動部である制御弁に採用すると、応答性が向上する。
【0043】
更に、ジェットポンプ作用を利用したため背圧室を、正圧,負圧にコントロール可能なため、1枚のダイアフラムで上下方向に制御が可能となり、シンプルな構造で軽量,安価な電空変換器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の電空変換器の側断面図である。
【図2】本発明の要部の原理説明図である。
【図3】本発明および従来例におけるフラッパの変位とノズル背圧の関係の差を説明する図である。
【図4】前記実施例における制御弁に一次圧による力と二次圧による力が作用する場合を説明する図である。
【図5】従来の電空変換器の側断面図である。
【図6】従来の電空変換器の要部の原理説明図である。
【図7】従来の電空変換器におけるフラッパの変位とノズル背圧の関係を説明する図である。
【符号の説明】
F1 〜F9 …センタディスクおよび制御弁に作用する力
200…電空変換器
210…本体
210b…丸孔部
210c…弁座
211…制御弁
211a…弁
211c…連通孔
211d…バネ収納筒
211e…制御弁の円筒体
215…制御弁を上方に付勢するバネ
218…Oリング
220…圧力室
233…センタディスク
233a…パッキン
234…ダイアフラム
242…ノズル
250…圧力センサ
262…フラッパ
263…駆動回路
280…一次圧ポート
281…二次圧ポート
282…大気室
284…背圧室
290…開口
Claims (2)
- 絞り(241)を介して供給された圧力気体を噴出するノズル(242)と、該ノズル(242)に近接対向して配設されたフラッパ(262)と、前記ノズル(242)の背圧を受ける背圧室(284)と、前記フラッパ(262)の変位に伴う前記背圧室(284)の圧力変化を受けて応動するダイアフラム(234)と、該ダイアフラム(234)と連動して気体供給口(280)と気体出力口(281)とを結ぶ開口(290)の開閉を行う制御弁(211)とを備え、前記開口(290)の開閉は、前記制御弁(211)の外周部に設けられたフランジ部(fl)により形成された弁(211a)と電空変換器本体(210)に形成された弁座(210c)との離接により行う電空変換器において、
前記絞り(241)は、前記背圧室(284)側に前記ノズル(242)と同軸上に配設され、前記ダイアフラム(234)は一枚で構成され、該ダイアフラム(234)の一面は前記背圧室(284)に臨み、該ダイアフラム(234)の他面は大気室(282)に臨み、
前記制御弁(211)は、軸方向に形成された貫通口を有する略筒体形状であり、該貫通口は前記気体出力口(281)に連通口(211c)を介して連通されており、前記制御弁(211)の一端は前記ダイアフラム(234)の他面に接離可能に当接され、他端は前記気体出力口(281)側の圧力が作用する圧力室(220)に連通され、
前記気体出力口(281)側の圧力が作用する圧力室(220)と大気室(282)との間は、前記ダイアフラム(234)の他面と接離可能な前記制御弁(211)の一端で遮断されており、前記ダイアフラム(234)の他面と前記制御弁(211)とが離れると、前記圧力室(220)と大気室(282)とが連通し、
前記弁座(210c)の径と前記圧力室(220)に連通された前記制御弁(211)の他端の外径とは、ほぼ等しく形成されたことを特徴とする電空変換器。 - 前記制御弁は、合成樹脂により構成されていることを特徴とする請求項1記載の電空変換器。
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JP18517093A JP3584051B2 (ja) | 1993-07-27 | 1993-07-27 | 電空変換器 |
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JPH0735104A JPH0735104A (ja) | 1995-02-03 |
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