JP3583921B2 - トルク検出装置及び補助動力装置付き人力走行車 - Google Patents

トルク検出装置及び補助動力装置付き人力走行車 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、人力走行を補助するための補助動力装置付きの自転車等に用いられるトルク検出装置及びそれを用いた補助動力装置付き走行車に関し、詳しくは、回転駆動力を伝達する回転駆動力伝達経路の途中に生ずるトルクを検出するトルク検出装置及びそれを用いた補助動力装置付き人力走行車に関する。
【0002】
【従来の技術】
補助動力装置の一例であるモータの駆動力を自転車の駆動輪に伝達可能にし、人力駆動の際、ペダルに加わる負荷の大きさに応じてモータを回転させることにより駆動輪に補助動力を作用させ、軽い人力駆動によって自転車を走行させることができる補助動力装置付き自転車が知られている。
【0003】
人力により加えられた駆動力を測定する装置として、例えば特開平7−309284号公報には、ペダル機構のクランク軸内に踏力及び補助動力装置の駆動力の差によって捩じれ変形するトーションバーを収納すると共に、クランク軸外側にそのトーションバーの捩じれによってクランク軸の軸方向に摺動するスライダを設け、そのスライダの摺動によってポテンショメータの検出ロッドが押し込まれるように構成した踏力検出装置が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上述した従来の構成においては、ポテンションメータの検出ロッドの変位を電圧変化に変換するという機構的な変換方法を用いてトルクを検出しているために、トルクに比例して検出ロッドを能動的に変位させる変位伝達機構が必要不可欠となり、この変位伝達機構が大型化してしまうという欠点があった。
【0005】
そこで、前述した変位伝達機構部分が小型化できるように構成することが望まれる。また、前述した変位を電圧等の物理量に変換するポテンションメータ等の変換部分が回転駆動力を伝達する伝達経路の途中の回転部材に設けられていた場合には、配線の接続上不都合が生じる場合がある。即ち、その変換部分により変換された所定の物理量に従った検出信号は所定の制御部に入力されて例えば補助動力装置を制御するために利用されるのであるが、前記制御部は一般的に所定の固定部材側に設けられているために、回転部材側に設けられた変換部分と制御部とを直接配線接続することが困難となる。例えばスリップリングとブラシとを接触させて変換部分と制御部分とを直接電気的に接続させる方法もあるが、スリップリングとブラシとの間での接触部に摩耗が生じるという不都合が発生する。そこで回転トランスを用いて変換部分と制御部分とを磁気的に接続させる方法が考えられが、回転トランスを設けることに伴って両者間における検出信号の伝送回路が複雑になるという新たな問題が生ずる。
【0006】
更に、上述した従来の技術においては、トーションバーの捩じれによってスライダを摺動させて、その摺動によってポテンションメータの検出ロッドを押し込むように構成されているため、スライダの摺動量を稼ぐためには、トルクに起因してある程度トーションバーが捩じれるもので構成しなければならない。その結果、トルク伝達経路途中で大きな捩じれ変形が生じては困るような高い剛性を要求される箇所には用いることができないという欠点があった。
【0007】
本発明は係る実状に鑑み考え出されたものであり、その目的は、トルクに基づいた外力をある物理量に変換する変換部分を小型化することができ且つ高剛性の要求に応えながらも、その変換部分側と制御部分側との配線接続を容易にすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のトルク検出装置は、回転駆動力を伝達する伝達経路途中におけるトルク伝達軸に生じるトルクを検出するトルク検出装置であって、所定位置に固定され、前記トルク伝達軸が挿入された固定部材と、前記固定部材の前記トルク伝達軸側に設けられた磁歪材料からなる磁歪素子と、前記トルク伝達軸に生じるトルクを当該トルク伝達軸に沿った方向の力に変換して分岐させ、当該分岐した力により前記磁歪素子に対して略垂直方向に押圧力を加えるための力分岐伝達手段と、前記押圧力による前記磁歪素子の歪みに起因して生じた磁界の変化に基づいて、前記力分岐伝達手段により前記磁歪素子に伝達された力を検出して、前記トルク伝達軸に生じるトルクを検出するための検出手段とを含むことを特徴としている。
【0010】
これにより、回転駆動力の伝達経路途中に検出部を置くことなくトルク検出を行うことができる。
【0012】
さらに、固定部材側に用いられた磁歪素子に対し比較的簡単にトルクに比例した力を分岐して伝達することができる。
【0013】
請求項に記載の発明によると、請求項1に記載の発明の構成に加えて、前記検出手段は、前記磁歪素子の歪み量に応じたインピーダンス変化を生ずるべく前記磁歪素子に巻回されたコイルを含み、前記力分岐伝達手段により前記磁歪素子に伝達された力を前記コイルに生じたインピーダンス変化に基づいて検出することを特徴としている。
【0014】
これにより、コイルのインピーダンス変化量という比較的検出しやすい物理量に基づいてトルク検出を行うことができる。
【0015】
請求項に記載の発明によると、補助動力装置付き人力走行車において、回転駆動力を伝達する伝達経路途中におけるトルク伝達軸と、所定の固定部材側に設けられ、磁歪材料で構成された磁歪素子と、前記トルク伝達軸に生じるトルクを当該トルク伝達軸に沿った方向の力に変換して分岐させ、当該分岐した力により前記磁歪素子に対して略垂直方向に押圧力を加えるための力分岐伝達手段と、前記押圧力による前記磁歪素子の歪みに起因して生じた磁界の変化に基づいて、前記力分岐伝達手段により前記磁歪素子に伝達された力を検出して、前記トルク伝達軸に生じるトルクを検出するための検出手段と、該検出手段の検出量に基づいて前記補助動力装置の制御を行う制御手段とを含むことを特徴としている。
請求項4に記載の発明によると、補助動力装置付き人力走行車において、回転駆動力を伝達する伝達経路途中におけるトルク伝達軸と、所定位置に固定され、前記トルク伝達軸が固着された車軸が挿入された固定部材と、前記固定部材の前記トルク伝達軸側に設けられた磁歪材料からなる磁歪素子と、前記トルク伝達軸に生じるトルクを当該トルク伝達軸に沿った方向の力に変換して分岐させ、当該分岐した力により前記磁歪素子に対して略垂直方向に押圧力を加えるための力分岐伝達手段と、前記押圧力による前記磁歪素子の歪みに起因して生じた磁界の変化に基づいて、前記力分岐伝達手段により前記磁歪素子に伝達された力を検出して、前記トルク伝達軸に生じるトルクを検出するための検出手段と、該検出手段の検出量に基づいて前記補助動力装置の制御を行う制御手段とを含むことを特徴としている。
【0016】
これにより、回転駆動力の伝達経路途中に検出部をおくことなくトルク検出を行うことができ、その検出トルク量に基づいて、補助動力装置の制御が行われる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の発明の構成加えて、前記力分岐伝達手段は、トルク伝達上手側部材とトルク伝達下手側部材とをカム面で当接してトルクを伝達するカム部を含み、該カム部は、伝達トルクの分力を当該カム部の回転軸に沿った方向に生じさせるように前記回転軸に対し傾斜したカム面で構成されている。
【0018】
これにより、固定部材側に設けられた磁歪素子に対し比較的簡単にトルクに比例した力を力分岐して伝達することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0020】
以下では、後輪17を駆動輪とする2輪の自転車に本発明を適用した例について説明する。尚、ペダル62を漕いだときに自転車1が進む方向を前方とし、その時の各回転部分の回転方向を正回転とし、また、自転車1の進行方向の前方に向かって左右の方向をとるものとする。
【0021】
まず、自転車1の全体構成の説明を行い、その後で、トルク検出部50に関する実施の形態について説明する。
【0022】
図1には、フレーム11の前部に前輪16及びハンドル14を備え、後部には駆動輪となる後輪17を備えてなる、自転車1が示されている。
【0023】
フレーム11の略中央には、上端にサドル13を備えるシートチューブ12が配備され、シートチューブ12の下端には、図2に示すように、ペダル機構4を枢支したボトムブラケット15が配備されている。
【0024】
後輪17の車軸72に嵌められたスプロケットよりなる従動ホイール73と原動ホイール5との間には、無端状のチェーン75が張設され、後輪17に対して人力による駆動力が伝達可能となっている。尚、後輪17の車軸72と従動ホイール73との間には周知のワンウェイクラッチ(図示省略)が介在されている。
【0025】
後輪17の外径は、前輪16の外径よりも小さく形成されている。フレーム11には、シートチューブ12と後輪17との間において、人力による駆動力を補助する補助動力ユニット2が取り付けられている。補助動力ユニット2には、補助動力としてのモータ22と、その回転を減速して後輪17に伝える伝達機構3とが備えられている。
【0026】
即ち、図2および図3に示すように、フレーム11上には、ベースプレート24が設置され、そのベースプレート24は、固定部材21によってフレーム11に固定されている。また、このベースプレート24の上面には、後述する制御回路300が配置されている。
【0027】
モータ22は、ベースプレート24の側壁の右側に配置され、ベースプレート24の側壁の左側には、モータ22の出力軸23に固定された原動プーリ31が配置されると共に、第1従動プーリ33が支持されている。ベルト32は、原動プーリ31と第1従動プーリ33との間に張設されている。
【0028】
第1従動プーリ33の側方には、その第1従動プーリ33と同軸に位置し、かつ、その第1従動プーリ33より小径の第2従動プーリ35が固定されている。
【0029】
第3従動プーリ37は、後輪17のリム71の左側に一体成型されている。そして、第2従動プーリ35と第3従動プーリ37の間には、ベルト36が張設されている。
【0030】
モータ22の回転は、モータ22の出力軸23と一体に回転する原動プーリ31からベルト32を経て第1従動プーリ33に伝わり、第2従動プーリ35からベルト36を経て第3従動プーリ37に伝わる。これにより、モータ22は伝達機構3を介して後輪17を減速駆動することができる。モータ22の出力は、後述するトルク検出部50及び制御回路300のトルク検出部分によって検出されたトルクに基づいて制御回路300(図5、6参照)によって制御される。
【0031】
シートチューブ12には、モータ22の電源となるバッテリ26が取り付けられている。以下トルク検出部50の各構成について説明する。
【0032】
主に図4を参照して、後輪17を回転可能に軸持する車軸72には、ホイール支持部100が固着された状態で設けられている。このホイール支持部100に従動ホイール73、スラストベアリング97、支持リング96が軸方向にスライド可能に外嵌される。またケース95はフレーム11に固定的に設けれられており、このケース95に穿設された軸挿入孔95aに車軸72が挿入される。
【0033】
このケース95の内壁面には磁歪材料からなる磁歪素子93とバランサー94とが固定されて設けられている。このバランサー94も、磁歪素子93と同じ磁歪材料からなり、大きさ及び形状においても磁歪素子93と同一となるように構成されている。
【0034】
従動ホイール73は、無端状のチェーン75により後輪に回転駆動力を伝達するためのスプロケットの形状に構成されているとともに、内側に凸部98が設けられている。一方、ホイール支持部100の外周面には凹部99が設けられおり、凹部99に前述した凸部98が嵌合して、ホイール支持部100の外周に従動ホイール73が外嵌した状態となる。チェーン75から従動ホイール73に伝達された回転駆動力は、従動ホイール73の凸部98、その凸部98に嵌合する凹部99を介して、ホイール支持部100に伝達され後輪17が回転する。
【0035】
ホイール支持部100の外周面に形成された凹部99は、ホイール支持部100の回転軸に対し傾斜が設けられた状態で溝状に形成されている。このために、凹部99とそれに嵌合した凸部98とによりカム構造が構成され、従動ホイール73に回転駆動力が加われば、その回転駆動力が一部分力としてホイール支持部100の回転軸方向に分岐される。その分岐した力により、従動ホイール73に図示矢印方向に力が加わり、その力がスラストベアリング97、支持リング96を介して磁歪素子93及びバランサー94に伝達される。
【0036】
磁歪素子93にはコイル91(図5、6参照)が巻回されており、磁歪素子93が支持リング96により押圧された場合には、その外力に伴って磁歪素子93に起因する磁界の変化が発生する。この磁界の変化に基づいてコイル91のインピーダンスが変化し、後述するように、このインピーダンス変化に基づいたトルク検出信号を受けた制御部130がモータ22を制御する。
【0037】
図5を参照して、トルク検出が可能な制御回路300は直流電源から電源供給を受けて動作するLC発振回路を備えている。
【0038】
磁歪素子93には、LC発振回路に接続されたコイル91が巻回されている。本実施の形態で用いる磁歪素子93とコイル91は、図に示すように、102Hz〜104Hzの周波数帯の給電電圧で特に大きなインダクタンス変化を示すものであるが、105Hz程度の周波数帯の給電電圧であれば、検出可能なインダクタンス変化を示すものである。
【0039】
また、LC発振回路207は、図に示すように、周波数測定回路120に接続されている。
【0040】
周波数測定回路120では、入力された電圧波形から生成されるエッジパルスの周期がカウントされ、そのカウント値が制御部130に入力される。このカウント値が従動ホイール73から分岐伝達されたトルクの大きさを示している。
【0041】
制御部130は、内蔵するメモリ(図示省略)に従動ホイル73に加わるトルクと周波数測定回路120の出力値との関係を記憶している。
【0042】
自転車1の始動時、加速時、登坂時等に、従動ホイル73に大きな負荷が加わると、この負荷により、フレーム11に固定して設けられた磁歪材料からなる磁歪素子93に圧縮力が加わり、磁歪素子93を通る磁界が変化し、コイル91のインダクタンスが変化する。このインダクタンス変化によって、LC発振回路207の発振数が変化し、その変化が周波数測定回路120にて測定されるカウント値の変化となって現れる。
【0043】
制御部130により、このカウント値の変化に応じた駆動力によるモータ22の駆動が制御される。この駆動力が伝達機構を介して後輪17に伝達されることによって、人力の補助が行われる。
【0044】
本実施の形態によれば、トルクを検出するためのセンサー部を、磁歪材料からなる磁歪素子93とそれに巻回させたコイル91とで構成したため、トルクに比例した変位をセンサー部に伝達する複雑な変位機構を設けることなく、簡単な構造とすることができ、小型軽量化を図ることができる。
【0045】
更に、従動ホイール73を介して力が伝達されることによりトルクを検出する構成のため、回転部や駆動力伝達経路内にセンサーが介在せず、センサーの設置が容易である上に制御部130と容易に配線接続できる。
【0046】
更に、前述した変位機構を設けないために、変位機構自体の誤差や、変位機構の変形や摩耗等から生じる測定誤差等がないため、従動ホイール73に加わるトルクを正確に測定することができる。
【0047】
次に、図5に示されたトルク検出が可能な制御回路300の他の例を図6に基づいて説明する。制御回路300は直流電源から電源供給を受けて作動するPLL(Phase Locked Loop) 回路210とLC発振回路207とを備えている。
【0048】
磁歪素子93には、LC発振回路に接続されたコイル91が巻回されている。本実施の形態で用いる磁歪素子93とコイル91は、図7に示すように、102Hz〜104Hzの周波数帯の給電電圧で特に大きなインダクタンス変化を示すものであるが、105Hz程度の周波数帯の給電電圧であれば、検出可能なインダクタンス変化を示すものである。
【0049】
また、LC発振回路207は、図に示すように、位相比較器211、ローパスフィルタ212、電圧制御発信器213および分周器214からなるPLL回路210に接続されている。
【0050】
PLL回路210に入力された信号(数十kHz帯で発振)は、位相比較器211で後述するように制御電圧に変換され、電圧制御発振器213にて発振周波数をMHz帯にまで引き上げられる。この信号は、分周比が1/100程度の分周器214で分周された後、位相比較器211にフィードバックされ、位相比較器211にてLC発振回路207の発振波形と位相の比較が行われる。位相比較器211は、2つの入力信号の位相差に対応する制御電圧を発生し、その電圧はローパスフィルタ212にて高調波成分が除去されて、電圧制御発振器213に入力され、MHz帯にまで発振周波数が引き上げられる。この信号はアンプ209にて増幅された後、周波数測定回路120に入力される。
【0051】
周波数測定回路120では、入力された電圧波形から生成されるエッジパルスの周器がカウントされ、そのカウント値が制御部130に入力される。このカウント値が従動ホイール73から分岐伝達されたトルクを示している。
【0052】
制御部130は、内蔵するメモリ(図示省略)に従動ホイルに加わるトルクと周波数測定回路120の出力値との関係を記憶している。
【0053】
自転車1の始動時、加速時、登坂時等に、従動ホイル73に大きな負荷が加わると、この負荷により、フレーム11に固定して設けられた磁歪材料からなる磁歪素子93に圧縮力が加わり、磁歪素子93を通る磁界が変化し、コイル91のインダクタンスが変化する。このインダクタンス変化によって、LC発振回路207の発振周波数が変化し、その変化が周波数測定回路120にて測定されるカウント値の変化となって現れる。
【0054】
図6に示したトルク検出回路を用いた場合には図5に示したトルク検出回路を用いた場合に比べて、LC発振回路207から発振された電圧波形の周波数が、PLL回路210にて数十kHz帯からMHz帯にまで引き上げられるため、周波数測定回路120によって正確に周波数を検出することができ、高性能な補助動力装置付き人力走行車を提供することができる。
【0055】
次に、以上説明した実施の形態の変形例や特徴点を以下に説明する。
本実施の形態では、従動ホイール73から駆動力の分岐を行う場合について説明したが、従動ホイール73に限定されることなく、原動ホイール5から駆動力の分岐を行う場合についても同様に行うことができる。
【0056】
また、上述した実施の形態においては、後輪17を駆動輪とする2輪の自転車に本発明を適用した場合について説明したが、前輪駆動の自転車や、その他の人力走行車にも適用することができる。
【0057】
バッテリー26により、モータ22からなる補助動力装置のエネルギー源が構成されている。ベルト32、第1従動プーリ33、第2従動プーリ35、ベルト36、第3従動プーリ37により、前記補助動力装置の駆動力を後輪17からなる駆動輪に伝達するための補助動力伝達手段が構成されている。
【0058】
ペダル機構4、チェーン75、従動ホイール73、ホイール支持部100により、人力による駆動力を前記駆動輪に伝達するための人力駆動力伝達手段が構成されている。
【0059】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えるべきである。
【0060】
本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0061】
【課題を解決するための手段の具体例】
前述したケース95により、磁歪材料で構成された磁歪素子93が設けられる固定部材が構成されている。ホイール支持部100、従動ホイール73、スラストベアリング97、支持リング96により、回転駆動力の伝達経路途中から回転駆動力のトルクに比例した力を分岐させ、その分岐させた力を前記トルク検出部に伝達する力分岐伝達手段が構成されている。この力分岐伝達手段は、前記回転駆動力の伝達経路途中におけるトルク伝達軸(ホイール支持部100)に生じるトルクを当該トルク伝達軸に沿った方向の力(図4の矢印で示した方向の力)に変換して分岐させる機能を有する。
【0062】
前述した従動ホイール73によりトルク伝達上手側部材が、また前述したホイール支持部100によりトルク伝達下手側部材が構成されている。ホイール支持部100の外周部分と従動ホイール73の内周部分とにより、前記トルク伝達上手側部材と前記トルク伝達下手側部材とをカム面(凹部99と凸部98との当接面)で当接してトルクを伝達するカム部が構成されている。このカム部は、前述したように、伝達トルクの分力を当該カム部の回転軸に沿った方向(図4の矢印で示した方向)に生じさせるように前記回転軸に対し、傾斜したカム面に構成されている。
【0063】
前述したコイル91、LC発振回路207、直流電源204、周波数測定回路120、または、コイル91、LC発振回路207、PLL回路210、アンプ209、直流電源204、周波数測定回路120により、前記磁歪素子93の歪みに起因して生じた磁界の変化に基づいて、前記力分岐伝達手段により前記磁歪素子93に伝達された力を検出して、前記回転駆動力の伝達経路途中のトルクを検出するための検出手段が構成されている。この検出手段は、前述したように、磁歪素子93の歪み量に応じたインピーダンス変化を生ずるべく前記磁歪素子93に巻回されたコイル91を含み、前記力分岐伝達手段により前記磁歪素子93に伝達された力を前記コイルに生じたインピーダンス変化に基づいて検出する機能を有する。
【0064】
前述したモータ22により、人力走行を補助するための補助動力装置が構成されている。
【0065】
前述した制御部130により、前記検出手段の検出力に基づいて、前記補助動力装置の制御を行う制御手段が構成されている。
【0066】
【発明の効果】
請求項1に記載の本発明によればポテンションメータ等のように検出ロッドの変位を電圧変化に変換するという機構的な変換方法を用いてトルクを検出するのではなく、歪みによって磁界の変化を生じるという磁歪材料自体の特性を利用した変換方法を用いているために、検出ロッドを能動的に変位させる変位伝達機構が不要となり、電圧変化への変換部分の小型化が可能となる。しかも、回転駆動力の伝達経路途中から回転駆動力のトルクに比例した力を分岐させ、その分岐した力を前記磁歪素子に加えるようにしたために、該磁歪素子を前記回転駆動力の伝達経路中に介在させなくてすみ、磁歪素子を固定部材側に設けることができる。その結果、その磁歪素子による検出信号とその検出信号を受信して何らかの制御動作を行う制御手段との接続が容易になった。
【0067】
さらに、磁歪素子に加えられた力にしたがってその磁歪素子に生じた磁界の変化に基づいてトルクを検出するために、磁歪素子自体外力によって大きく変形するものではないために、高剛性の要求にも応えることが可能となり、高い剛性を要求される駆動力の伝達経路途中においても用いることが可能となる。
【0068】
請求項2記載の本発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、比較的簡単にトルクに比例した力を分岐させて磁歪素子に伝達することができ、力分岐伝達手段を比較的簡単な機構にすることができる。
【0069】
請求項3記載の本発明によれば、請求項1または2記載の発明の効果に加え、コイルのインピーダンス変化という比較的一般的で検出しやすい物理量に基づいてトルクを検出するために、検出手段を比較的一般的で且つ安価な材料で構成することができる。
【0070】
請求項4記載の本発明によれば、ポテンションメータ等のように検出ロッドの変位を電圧変化に変換するという機構的な変換方法を用いてトルクを検出するのではなく、歪みによって磁界の変化を生じるという磁歪材料自体の特性を利用した変換方法を用いているために、検出ロッドを能動的に変位させる変位伝達機構が不要となり、その変換部分の小型化が可能となる。しかも、回転駆動力の伝達経路途中から回転駆動力のトルクに比例した力を分岐させ、その分岐した力を前記磁歪素子に加えるようにしたために、該磁歪素子を前記回転駆動力の伝達経路中に介在させなくてすみ、磁歪素子を固定部材側に設けることができる。その結果、その磁歪素子による検出信号とその検出信号を受信して補助動力装置の制御を行う制御手段との接続が容易になった。
【0071】
しかも、磁歪素子自体外力によって大きく変形するものではないために、高剛性の要求にも応えることができ、補助動力装置付き人力走行車における回転駆動力の伝達経路途中においてトルクに起因した大きな変形が生じる不都合も極力防止できる。
【0072】
請求項5に記載の本発明によれば、請求項4に記載の発明の効果に加えて、比較的簡単な機構によりトルクに比例した力を分岐させて磁歪材料に伝達することができ、力分岐伝達手段を比較的簡単な機構により構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】補助動力装置付き人力走行車の一例である、補助動力付き自転車の全体構成を表す側面図である。
【図2】図1の補助動力付き自転車の駆動機構を左斜め後方から見た斜視図である。
【図3】図1の補助動力付き自転車の駆動機構を上側から見た平面図である。
【図4】トルク検出部と動力分岐伝達手段の構成を表す分解斜視図である。
【図5】制御回路を表すブロック図である。
【図6】制御回路の他の例を表すブロック図である。
【図7】本実施例で用いた磁歪素子及びコイルの特性を表すグラフを示す図である。
【符号の説明】
22 補助動力装置の一例のモータ
73 トルク伝達上手側部材の一例の従動ホイール
91 コイル
93 磁歪素子
95 固定部材の一例のケース
96 支持リング
97 スラストベアリング
98 凸部
99 凹部
100 トルク伝達下手側部材の一例のホイール支持部
120 周波数測定回路
130 制御手段の一例の制御部
204 直流電源
207 LC発振回路
209 アンプ
210 PLL回路
300 制御回路

Claims (5)

  1. 回転駆動力を伝達する伝達経路途中におけるトルク伝達軸に生じるトルクを検出するトルク検出装置であって、
    所定の固定部材側に設けられ、磁歪材料で構成された磁歪素子と、
    前記トルク伝達軸に生じるトルクを当該トルク伝達軸に沿った方向の力に変換して分岐させ、当該分岐した力により前記磁歪素子に対して略垂直方向に押圧力を加えるための力分岐伝達手段と、
    前記押圧力による前記磁歪素子の歪みに起因して生じた磁界の変化に基づいて、前記力分岐伝達手段により前記磁歪素子に伝達された力を検出して、前記トルク伝達軸に生じるトルクを検出するための検出手段とを含む、トルク検出装置。
  2. 前記検出手段は、前記磁歪素子の歪み量に応じたインピーダンス変化を生ずるべく前記磁歪素子に巻回されたコイルを含み、前記力分岐伝達手段により前記磁歪素子に伝達された力を前記コイルに生じたインピーダンス変化に基づいて検出する、請求項1に記載のトルク検出装置。
  3. 人力走行を補助するための補助動力装置を有する補助動力装置付き人力走行車であって、
    回転駆動力を伝達する伝達経路途中におけるトルク伝達軸と、
    所定の固定部材側に設けられ、磁歪材料で構成された磁歪素子と、
    前記トルク伝達軸に生じるトルクを当該トルク伝達軸に沿った方向の力に変換して分岐させ、当該分岐した力により前記磁歪素子に対して略垂直方向に押圧力を加えるための力分岐伝達手段と、
    前記押圧力による前記磁歪素子の歪みに起因して生じた磁界の変化に基づいて、前記力分岐伝達手段により前記磁歪素子に伝達された力を検出して、前記トルク伝達軸に生じるトルクを検出するための検出手段と、
    該検出手段の検出量に基づいて前記補助動力装置の制御を行う制御手段とを含む、補助動力装置付き人力走行車。
  4. 人力走行を補助するための補助動力装置を有する補助動力装置付き人力走行車であって、
    回転駆動力を伝達する伝達経路途中におけるトルク伝達軸と、
    所定位置に固定され、前記トルク伝達軸が固着された車軸が挿入された固定部材と、
    前記固定部材の前記トルク伝達軸側に設けられた磁歪材料からなる磁歪素子と、
    前記トルク伝達軸に生じるトルクを当該トルク伝達軸に沿った方向の力に変換して分岐させ、当該分岐した力により前記磁歪素子に対して略垂直方向に押圧力を加えるための力分岐伝達手段と、
    前記押圧力による前記磁歪素子の歪みに起因して生じた磁界の変化に基づいて、前記力分岐伝達手段により前記磁歪素子に伝達された力を検出して、前記トルク伝達軸に生じるトルクを検出するための検出手段と、
    該検出手段の検出量に基づいて前記補助動力装置の制御を行う制御手段とを含む、補助動力装置付き人力走行車。
  5. 前記力分岐伝達手段は、トルク伝達上手側部材とトルク伝達下手側部材とをカム面で当接してトルクを伝達するカム部を含み、該カム部は、伝達トルクの分力を当該カム部の回転軸に沿った方向に生じさせるように前記回転軸に対し傾斜したカム面で構成されている、請求項3又は4に記載の補助動力装置付き人力走行車。
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