JP3583896B2 - ストック容器への金属ボールの自動補給方法および装置 - Google Patents

ストック容器への金属ボールの自動補給方法および装置 Download PDF

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  • Electric Connection Of Electric Components To Printed Circuits (AREA)
  • Wire Bonding (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、基板および半導体チップの電極パッド等に形成されるバンプとして用いられる金および半田製の金属ボールを、基板の吸着孔に吸着させる際に適用される、ストック容器に対する金属ボールの自動補給方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、半導体チップの実装技術の一つであるBGA(Ball Grid Array)においては、BGAパッケージとマザーボードの電極バンプと称する接合用の金属突起を形成することが行われている。その他、TAB(Tape Automated Bonding)法や、フリップチップ等では、半導体チップを基板の電極に接合する際に、同様にバンプが必要である。
【0003】
近年、このバンプとして、径が30μm〜1000μm程度の球状の金属ボールを用い、該金属ボールを多数個ストック容器に収容し、この容器に振動や気流を付与して金属ボールを浮遊させると共に、上方から吸着孔を有する基板を接近させて、浮遊させた金属ボールを吸着させ、この基板に吸着した金属ボール群を半導体チップの電極パッドあるいは基板に接合する、ボール状バンプの接合技術が知られている。
【0004】
しかして、従来においては、半導体チップの電極パッドあるいは基板と同一配置となるように貫通孔を設けた基板に対し、金属ボールを正確に吸着させ、次いでこれをリード或いは電極パッドに転写して簡単かつ確実にバンプを接合するための提案がされてきた。(参考技術:特開平5−259224号、特開平7−153765号公報記載技術)
【0005】
これらの従来例においては、例えば図7に示すように、金属ボールbを吸着装置eに装着した基板kの吸着孔pに吸着させる場合には、多数個の金属ボールbを容器c内に多量に入れた状態で振動装置dにより振動を付与して金属ボールbを浮遊させ、基板kを装着した吸着装置eを(a)図の位置から(b)図の位置に移動し、浮遊した金属ボールbを基板kの貫通吸着孔pを介して吸引し、金属ボールbを貫通吸着孔pに吸着させ、(c)図のように吸着孔pに金属ボールbを吸着した状態の基板kを吸着装置eに装着した状態で後工程に移動するようにしている。
【0006】
しかし、これらの従来例では、吸着工程において、吸着欠陥(基板kの吸着孔pに対する金属ボールbの吸着率を100%にできない)を生じることがあった。この吸着欠陥は、金属ボールの浮遊状態が不安定であることに起因して発生すると思われるが、今のところ、浮遊状態を安定確保することについて有用な提案は見当たらない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、径が30〜1000μmの球状の微小金属ボール(以下「金属ボール」と称する。)を基板の吸着孔に吸着させる場合に、容器から金属ボール群を最適密度で浮遊させ、吸着作業を安定させるとともに基板に金属ボールを正確に吸着させられる状態を継続して維持できる、容器への金属ボールの自動補給方法および装置を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の発明は、ストック容器に多数の金属ボールを載置収容し、ストック容器に振動を付与して金属ボールを浮遊させると共に、上方から吸着孔を有する基板を接近させて、基板の吸着孔に金属ボールを吸着させるに際して、基板に金属ボールを吸着させる前にストック容器を振動させ、この容器内の金属ボールを浮遊させて、特定領域内での金属ボール群の浮遊密度を測定し、この浮遊密度が設定レベルを下回ったとき、所定個数の金属ボールをストック容器に自動補給して、吸着操作の際の金属ボール群の密度を設定レベル以上に維持することを特徴とするストック容器への金属ボールの自動補給方法。
第二の発明は、金属ボールを載置収容するストック容器と、該ストック容器を振動させ金属ボールを浮遊させる振動装置と、該ストック容器の近傍に配設し特定領域での金属ボール群を撮影する撮影装置と、この撮影装置による撮影画像を形成する画素を2値化処理する画像認識装置と、この画像認識装置からの処理信号により浮遊密度を演算して設定浮遊密度レベルと比較し金属ボールの補給個数を演算する演算制御装置と、この演算制御装置からの補給指令により作動する駆動制御装置と、この駆動制御装置を介して制御され所定個数の金属ボールをストック容器に補給するボール補給装置とを備えたことを特徴とするストック容器への金属ボールの自動補給装置で、第一の発明を実施するための装置例として位置付けられるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明では、ストック容器内の金属ボールを浮遊させ、基板の吸着孔に吸着させる前に、浮遊した金属ボール群の特定領域での浮遊密度を管理して、この浮遊密度を最適範囲に維持するように金属ボールを補給し、吸着作業を安定させるとともに基板の吸着孔に対して金属ボールを正確に吸着させられる状態を継続して維持することができる。
【0010】
以下本発明について詳細に説明する。
吸着工程において、ストック容器に振動を付与して金属ボールを浮遊させて、基板の吸着孔に吸着させようとする場合、ストック容器内の金属ボールの、個数、載置形態(積層数)によって金属ボールの浮遊状態が変化し、この変化が激しい場合には、基板の吸着孔に対する金属ボールの吸着率が大きく変化することが本発明者等によって確認されている。
【0011】
そこで、本発明者らは、安定した浮遊状態を維持して、基板の吸着孔に対する金属ボールの吸着率を常に100%にできる条件を見出すために種々実験、検討を重ね、次のような知見を得た。図1は、実験によって得られた、金属ボール群の特定領域での浮遊密度と、吸着率の関係を示したものである。
【0012】
(実験条件)
・基板
吸着孔数:240個
吸着孔配置範囲の面積:1cm
・金属ボール
材質:半田(比重9.1)
直径:300μm
・ストック容器(皿状)
底面積:3cm
・振動装置
振動数:200Hz
(試験結果)
図1から、ストック容器内の金属ボールの浮遊密度が低くなると、金属ボールの吸着率が100%以下になることを示している。この実験の金属ボールの場合、金属ボールの吸着率を100%に維持するためには、常に、浮遊密度を一定レベル以上に維持すればよい。
金属ボール群の浮遊密度と、金属ボール個数の間には、相関があるので、ストック容器内の金属ボール個数を一定個数以上に維持すればよい。
ストック容器上の金属ボール個数が減少すると、浮遊密度が小さくなり、基板に対する金属ボールの到達量が減少するので、吸着の機会が少なくなるので、吸着率が低下する。
【0013】
この実験の金属ボールの場合、実装置条件を考慮すると、吸着能力、浮遊の安定等を考慮すると、ストック容器内の金属ボールは、数千個を載置収容することが最適と言える。多すぎると、金属ボールへの振動伝達が悪くなり、所定の吸着位置にある基板の吸着孔に到達しないという別の問題があるため、好ましくない。
この実験結果は、金属ボールの材質やサイズ、ストック容器内の載置形態により、この関係は変化するが、同じような傾向を示す。
【0014】
本発明は、上記の知見に基づいて完成したものであり、上記のことから、まず、吸着対象基板条件、実装置の構造条件、金属ボール条件、吸引条件、ストック容器条件等を考慮して設定された、吸着率100%を得るためのストック容器内の金属ボール個数、載置形態と特定領域での浮遊密度の関係から、特定領域で、最適浮遊密度範囲を設定して、所定個数(複数回分)の金属ボールをストック容器に入れ、吸着作業前に、振動装置によりストック容器内で浮遊させ、特定領域での浮遊密度を測定する。
【0015】
そして、この浮遊密度が、最適浮遊密度範囲の下限未満の場合は、ストック容器内の金属ボールの残数が規定数より少なくなったことを示しているので、最適浮遊密度範囲になるように、直ちにストック容器内に所定数の金属ボールを補給する。また、この浮遊密度が、最適浮遊密度範囲の上限以上の場合には、ストック容器内の金属ボールの残数が規定数より多いことを示すが、このようになる場合はほとんどない。
このストック容器内での金属ボール群の浮遊密度の測定と補給作業は、全自動的または半自動的に行うことができる。
【0016】
【実施例】
本発明の方法例と装置の構造例を図2に基づいて説明する。
図2において、1は内部に所定の径で球状の金属ボール2を載置収容するための皿状のストック容器、3は該ストック容器1の下部に設置してこのストック容器を振動させる振動装置、4はストック容器1の上方に近接して配設した、浮遊した特定領域Aでの金属ボール2群を撮影するCCDカメラ、5はこのCCDカメラからの撮影画像を形成する画素を2値化処理する画像認識装置、6は画像認識装置からの処理信号により浮遊密度を演算して設定浮遊密度レベルと比較し金属ボールの補給個数を演算する演算制御装置、7はこの演算制御装置からの補給指令により作動する駆動制御装置、8はの駆動制御装置を介して制御され所定個数の金属ボールをストック容器に補給するボール補給装置である。
【0017】
ここで用いる振動装置3は、ストック容器1に50〜500Hzの縦方向の微小振動を付与するもので、ピエゾ振動機や電磁振動機などが適当である。
また、ボール補給装置8は、ホッパー9を金属ボールの流通管10の通過孔11を開閉でき、金属ボール2の量(個数または重量)を計数できる計数開閉装置12を備えており、演算制御装置6からの指令により、駆動制御装置7を介して金属ボール2の量(個数または重量)を補給するための通過孔11の開閉動作を制御できようにし、基板(図示省略)に干渉しないようにストック容器に対して進退可能に配設することが好ましい。
【0018】
また、金属ボール2群の浮遊密度については、CCDカメラ4からの特定領域Aでの金属ボール2群の撮影画像を形成する画素を、画像認識装置5で2値化処理し、その取り込み画(黒色の画素が金属ボールに相当)信号を演算制御装置6に入力して、特定領域の全体面積内の総画素数に対する黒色画素数の割合から演算測定する。
金属ボール2群の浮遊密度を測定する特定領域Aは、吸着率に影響を与えやすい領域である、吸着所定位置での基板の吸着孔の下端面位置Bより数mm下から下方に数mmの範囲で選択する。
【0019】
図2に示した装置により、金属ボールの自動補給操作について、図2〜図5に基づいて説明する。
予め、実験や実績に基づき、装置条件、吸着対象基板条件、金属ボール条件、吸引条件、ストック容器条件、振動条件に応じた、基板13の吸着孔14に対する金属ボール2の吸着率を100%にするストック容器1内金属ボール2の個数と浮遊密度を求めておき、ストック容器1に所定個数の金属ボール2を載置収容し、振動装置3で所定の振動条件でストック容器1を振動させることにより、ストック容器1内の金属ボール2を浮遊させる。
通常の場合、ストック容器1内には、図4に示すように、複数回分の個数の金属ボール2が載置収容されている。
【0020】
図3(a)に示すように、金属ボール2を浮遊させた状態で、ストック容器1の上方に昇降自在で水平移動自在な吸着装置15を、基板13の吸着孔14の下端面がBの位置になるまで降下させ、浮遊状態の金属ボール2を、図3(b)に示すように、基板13の吸着孔14に吸着させる。
なお、図中16は吸着装置14の吸引装置(図示省略)との接続口である。
【0021】
本発明では、この吸着操作の前に、図5に示すように、ストック容器1の側面側に配設したCCDカメラ4、画像認識装置5、演算制御装置6を用いて、ストック容器1内で浮遊させた金属ボール2群の特定領域Aでの浮遊密度を測定する。
【0022】
この浮遊密度が最適浮遊密度範囲の下限未満になったとき、ストック容器1に補給すべき金属ボール2の個数が演算制御装置6により演算され、駆動制御装置11を介してボール補給給装置8の計数開閉装置12を制御し、ボール補給装置8からストック容器1へ所定個数の金属ボール2が補給されてから、吸着操作を開始するようにしている。実際には安全を見て、浮遊密度が最適浮遊密度の下限になる前に金属ボールの補給を開始するように制御される。
【0023】
図6(a)は、例えば特定領域Aの全面積(撮影面積)が24万画素の場合で、2値化処理して得られた取り込み画17中の金属ボール2群に相当する黒色画素18は17万画素あり、この場合の金属ボール群の浮遊密度は、約70%である。この浮遊密度70%は正常範囲内にあるので、ストック容器1へ金属ボール2を補給する必要はない。
【0024】
また、図6(b)は、金属ボール2群に相当する黒色画素が3万画素あり、この場合の金属ボールの浮遊密度は、約13%で異常状態にあることを示しており、この場合は、直ちに駆動制御装置を介して自動補給装置8を作動させ金属ボール群の浮遊密度が設定密度範囲内になるまでストック容器1へ金属ボール2を自動補給する必要がある。
【0025】
上記の図2〜図5で説明したような実験装置で、基板13の吸着孔14の下端位置を、底面積が3cmのストック容器1の底面から数mmの位置から上方に数mmの位置までを金属ボールの浮遊密度の測定領域として、吸引条件を一定にし、比重9.1で、径が300μmの球状の金属ボール2を、ストック容器1に一層状態で載置収容される個数だけ載置収容し、ストック容器に対する金属ボールの補給管理を行いながら、基板13への金属ボール2の吸着実験を行い、吸着作業後の基板13の吸着孔14に対する金属ボール2の吸着率を調査した。
【0026】
その結果、最適浮遊密度範囲を設定して、この設定浮遊密度範囲を維持するように所定個数の金属ボールの補給を行った本発明の実施例の場合には、吸着率はすべて100%であった。これに対して、金属ボール2を、ストック容器1に積層状態になる個数まで載置収容し、目視で適時、適当量補給した比較例の場合には吸着率は、100%の場合もあったが、92〜97%レベルのものもあった。
【0027】
なお、本発明は、上記の実施例に限定されるものではない。例えば、ストック容器条件、浮遊密度測定装置条件、ボール補給装置条件、振動装置条件、浮遊密度測定領域、設定浮遊密度範囲等については、吸着対象基板条件、金属ボール条件等に応じて変更されるものである。
【0028】
【発明の効果】
本発明は、ストック容器内の金属ボールを浮遊させ、基板の吸着孔に吸着させる前に、特定領域での金属ボール群の浮遊密度を管理して、この浮遊密度を最適範囲に維持するようにしており、吸着作業を安定させるとともに基板の吸着孔に対して金属ボールを正確に吸着させられる状態を継続して維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ストック容器を振動させた場合の特定領域での金属ボールの浮遊密度と吸着率との関係を示す説明図。
【図2】本発明の金属ボール自動補給装置の実施例を示す一部断面側面説明図。
【図3】(a)図は本発明の実施例での基板の吸着孔に対する金属ボールの吸着動作例を示す側断面説明図、(b)図は基板の吸着孔に対する金属ボールの吸着状態例を示す側断面説明図。
【図4】本発明でのストック容器内金属ボールの載置収容状態例を示す側断面説明図。
【図5】本発明の実施例でのストック容器内金属ボールの浮遊状態(正常状態)と浮遊密度測定状態例を示す側断面説明図。
【図6】(a)図は本発明の実施例での浮遊金属ボールの浮遊状態(正常状態)と浮遊密度測定例を示す側断面説明図、(b)図は本発明の実施例での浮遊金属ボールの浮遊状態(異常状態)と浮遊密度測定例を示す側断面説明図。
【図7】従来例での基板の吸着孔に対する金属ボールの吸着動作例を示す側断面説明図。
【符号の説明】
1 ストック容器
2 金属ボール
3 振動装置
4 CCDカメラ
5 画像認識装置
6 演算制御装置
7 駆動制御装置
8 ボール補給装置
9 ホッパー
10 流通管
11 流通路
12 計数開閉装置
13 基板
14 吸着孔
15 吸着装置
16 接続口
17 取り込み画
18 黒色画素(金属ボール)

Claims (2)

  1. ストック容器に多数の金属ボールを載置収容し、ストック容器に振動を付与して金属ボールを浮遊させると共に、上方から吸着孔を有する基板を接近させて、基板の吸着孔に金属ボールを吸着させるに際して、基板に金属ボールを吸着させる前にストック容器を振動させ、この容器内の金属ボールを浮遊させて、特定領域内での金属ボール群の浮遊密度を測定し、この浮遊密度が設定レベルを下回ったとき、所定個数の金属ボールをストック容器に自動補給して、吸着操作の際の金属ボール群の密度を設定レベル以上に維持することを特徴とするストック容器への金属ボールの自動補給方法。
  2. 金属ボールを載置収容するストック容器と、該ストック容器を振動させ金属ボールを浮遊させる振動装置と、該ストック容器の近傍に配設し特定領域での金属ボール群を撮影する撮影装置と、この撮影装置による撮影画像を形成する画素を2値化処理する画像認識装置と、この画像認識装置からの処理信号により浮遊密度を演算して設定浮遊密度レベルと比較し金属ボールの補給個数を演算する演算制御装置と、この演算制御装置からの補給指令により作動する駆動制御装置と、この駆動制御装置を介して制御され所定個数の金属ボールをストック容器に補給するボール補給装置とを備えたことを特徴とするストック容器への金属ボールの自動補給装置。
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