JP3583643B2 - 油圧回路装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の油圧アクチュエータを同時操作することのある建設機械、例えば油圧ショベルに搭載され、駆動する慣性体の大小に関らず、スムーズな起動特性が得られる油圧回路装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
油圧ショベル等の建設機械に搭載される油圧回路装置には、ブリードオフ回路を持つセンターバイパス型のコントロール弁を用いるものと、ブリードオフ回路を持たないクローズドセンター型のコントロール弁を用いるものとがあり、後者では、コントロール弁が要求する流量を基本的に供給できるよう油圧ポンプの吐出油量を制御するロードセンシングシステムが採用される。油圧機器の簡素化を目的とする場合は、ブリードオフ回路を持たない分、後者が有利である。しかし、ブリードオフ回路を持たないため、大きな慣性を有する油圧アクチュエータを駆動する時に過渡的に、圧力が急に立ち上がって急激な加速が生じたり、圧力の振動(圧力脈動)がなかなか減衰せず、スムーズな起動特性が得られないという問題がある。
【0003】
即ち、ロードセンシングシステムではコントロール弁が要求する流量を供給するよう油圧ポンプの吐出油量を制御するため、アクチュエータが駆動する負荷が旋回等の慣性体であって、油圧ポンプが吐出した油量をアクチュエータが消費できない場合は、油圧ポンプの吐出圧は急激に立ち上がり、油圧ポンプの吐出したエネルギーは配管系に貯えられ、その後アクチュエータが加速域を過き、加速圧が必要なくなると、駆動圧の低下に伴って配管系に貯えられていたエネルギーが放出され、アクチュエータはオーバーシュートし、これに伴い更に駆動圧が低下し、その後アクチュエータの速度が低下すると再び駆動圧が上昇するというような変化を示し、過渡的に、圧力の急な立ち上がりが生じ、かつ圧力脈動がなかなか減衰しなくなる。
【0004】
そこで、駆動圧の上昇に伴いアクチェエータヘの供給流量を減少させ、圧力の急峻な立ち上がりを抑える方法として、特開平4−191501号公報、特開平5−263804号公報、特開平10−89304号公報に記載の方法が提案されている。
【0005】
特開平4−191501号公報及び特開平5−263804号公報に記載の方法は同趣旨であり、スリットを有する比例シート弁の変位をパイロット弁の弁開度で制御するコントロール弁において、アクチュエータの駆動圧に応じてパイロット弁の弁変位を制御し、比例シート弁の弁変位を制御するものである。即ち、油圧モータの入口部から絞りを介して誘導された圧力がパイロット弁に、パイロット弁の操作力に対抗して誘導される。油圧モータの入口部から絞りを介して誘導された圧力は油圧モータの駆動圧に比例して増加する圧力であり、従って、パイロット弁の弁開度は当該駆動圧に比例して減少し、これに伴い比例シート弁の弁開度も減少する。これにより油圧ポンプからの吐出油も減少するよう制御され、圧力の急な立ち上がりの緩和と、圧力脈動の減衰に寄与する。
【0006】
特開平10−89304号公報では、ロードセンシングシステムで複合操作を可能とするために設けられた圧力補償弁に負荷圧が増加するに従って補償差圧を小さくする負荷依存性を持たせたものであり、これにより負荷圧が増加するとアクチュエータへの供給流量が減り、油圧ポンプの吐出量が減少するよう制御される。圧力補償弁の負荷依存性は、圧力補償弁の受圧面積のうち、メータインの可変絞りの入側圧力が閉じ方向に作用する受圧面積を、メータイン可変絞りの出側圧力が開け方向に作用する受圧面積より大きくすることにより得ている。このように受圧面積差を設けると、その差分の受圧面積により、負荷圧が増加するに従って大きくなる閉じ方向の油圧力が発生するため、負荷圧に比例してメータインの可変絞りの前後差圧が小さくなるよう制御され、アクチュエータへの供給流量が減少する。このアクチュエータへの供給流量の減少により、ロードセンシング制御される油圧ポンプは吐出流量を減少させ、圧力の急な立ち上がりが避けられ、かつ圧力脈動も早期に減衰するようになる。
【0007】
一方、ロードセンシングシステムを備えた油圧回路装置において、ポンプ制御手段に設定されたロードセンシング制御の目標差圧を変更することなく、特定の油圧アクチュエータの駆動速度のみを遅くし微速操作を可能とするものとして、特開平2−296002号公報に記載の提案がある。この提案は、負荷圧を検出する逆止弁のバネ力をある強さに設定し、逆止弁部分で圧力損失を与えることにより負荷圧をモジュレイトするものであり、信号圧が負荷圧よりその圧力損失分だけ低下することによりロードセンシング制御される油圧ポンプの吐出圧と負荷圧との差圧も正規の差圧からその圧力損失分だけ低下し、これに応じて制御流量が減少させる。
【0008】
また、ロードセンシングシステムを備えた油圧回路装置において、分流弁とホールドチェック弁を組み合わせてバルブアセンブリとして構成を簡素化したものとして、国際出願公開公報WO98/31940に記載のコントロール弁がある。このものでは、ホールドチェック弁の中空状の弁体に分流弁の弁体を部分的に内蔵させると共に、コントロール弁の負荷圧検出油路を分流弁の内部通路(油路スリット)として形成し、かつその内部通路を利用して逆止弁機能を与えることにより、バルブ要素としての逆止弁を不要とし、コントロール弁全体の構成を簡素化している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
特開平4−191501号公報及び特開平5−263804号公報に記載の提案や、特開平10−89304号公報の提案によれば、負荷圧に比例して油圧アクチュエータへの供給流量が減少し、油圧ポンプの吐出流量が減少するため、油圧アクチュエータ駆動時の圧力の急な立ち上がりが避けられ、かつ油圧脈動も早期に減衰するようになり、駆動する慣性体の大小に係わらずスムーズな起動特性が得られる。しかし、これら従来技術には次のような問題がある。
【0010】
特開平4−191501号公報及び特開平5−263804号公報に記載の提案は、コントロール弁として比例シート弁の変位をパイロット弁の弁開度で制御するものを使用しており、通常のスプールタイプのコントロール弁を使用してその提案を実施することは構造的に難しい。特に最近のコントロール弁はスプール内部を再生回路を組むための油通路として利用しており、困難さが倍加する。
【0011】
特開平10−89304号公報の提案は、スプールタイプのコントロール弁を使用した場合の圧力補償弁の弁構造を示しているが、圧力補償弁に受圧面積に差を持たせるため、組み立て性を考慮すると構造が複雑になり過ぎており、また面積管理も大変である。
【0012】
特開平2−296002号公報の提案は、特定の油圧アクチュエータの駆動速度のみを遅くし微速操作を可能とすることを目的としている。しかし、油圧ポンプの吐出流量が減るため、結果として油圧アクチュエータ駆動時の圧力の急な立ち上がりの防止や、油圧脈動の早期の減衰が図れる。また、負荷圧を検出する逆止弁部分で圧力損失を与えるだけなので、構造が簡単であるという長所もある。しかし、逆止弁部分で与えられる圧力損失はバネ力で設定されるため、負荷圧に関係無くある一定値であり、慣性体の大きさに応じた制御特性、即ち負荷依存性が得られない。このため、駆動する慣性体の大きさによってはアクチュエータ駆動時に、圧力の急な立ち上がりが生じたり、圧力脈動が早期に減衰しないという問題を生じる。
【0013】
国際出願公開公報WO98/31940に記載のコントロール弁は、分流弁とホールドチェック弁を組み合わせてバルブアセンブリとし、その中に種々の機能を組み込んだので、コントロール弁全体の構成が簡素化される利点がある。しかし、大きな慣性を有するアクチュエータを駆動するときの圧力の急激な立ち上がりや油圧脈動に対する措置は講じられておらず、駆動する慣性体が大きい場合はアクチュエータ駆動時に、圧力の急な立ち上がりが生じたり、圧力脈動が早期に減衰しないという問題を生じる。
【0014】
本発明の目的は、ロードセンシングシステムを備えた油圧回路装置において、駆動する慣性体の大きさ係わらずスムーズな起動特性が得られ、かつ構成が簡単であり、スプールタイプのコントロール弁であっても容易に適用できる油圧回路装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、油圧ポンプと、この油圧ポンプから吐出された圧油により駆動される複数の油圧アクチュエータと、前記油圧ポンプと複数のアクチュエータとの間に配置された複数のコントロール弁と、前記複数の油圧アクチュエータの最高負荷圧に基づく信号圧が導かれ、第1絞りを介してタンクに接続された信号検出油路と、前記信号圧よりも所定値だけ高くなるよう前記油圧ポンプの吐出圧を制御するポンプ制御手段とを備え、前記複数のコントロール弁は、それぞれ、前記油圧アクチュエータに供給される圧油の流量を制御するメータインの可変絞りを備えた主弁と、この主弁のメータインの可変絞りと前記油圧アクチュエータとの間に配置された、分流弁とホールドチェック弁との組み合わからなるバルブアセンブリとを有し、前記バルブアセンブリのホールドチェック弁は、前記信号検出油路につながる制御室を内部に形成した中空スプール状の弁体を有し、前記バルブアセンブリの分流弁は、少なくとも部分的に前記中空スプール状の弁体内に摺動自在に内装され、かつ一端が入口通路に位置し、他端が前記制御室に位置する弁体を有し、前記制御室の圧力と前記入口通路の圧力とのバランスで前記弁体がストロークし前記入口通路の圧力を制御することにより前記メータインの可変絞りの前後差圧を制御する油圧回路装置において、前記複数のコントロール弁のそれぞれのバルブアセンブリは、前記分流弁の弁体の外周に形成された油路スリットと、前記分流弁の弁体が前記ホールドチェック弁の中空スプール状の弁体に対して所定距離以上移動すると前記油路スリットを前記制御室に開口させ、前記分流弁とホールドチェック弁との間の中間室を前記制御室に連通させるラップ部とを有し、前記複数のコントロール弁のうちの特定のコントロール弁のバルブアセンブリは、前記ホールドチェック弁の中空スプール状の弁体の内部を軸方向に伸びる固定プラグと、前記ホールドチェック弁の中空スプール状の弁体の内周と前記固定プラグの外周とによって形成される円環状の第2絞りを有するものとする。
【0016】
このように複数のコントロール弁のうちの特定のコントロール弁のバルブアセンブリに円環状の第2絞りを設けることにより、その特定のコントロール弁に係わる油圧アクチュエータの負荷圧が最高負荷圧であるとき、特定のコントロール弁のバルブアセンブリにおける上記油路スリットが制御室に開口し、負荷圧を中間室と油路スリットを介して制御室に誘導し、円環状の第2絞りが第1絞りと共働し、制御室に誘導された負荷圧をモジュレイトして信号検出油路に誘導するものとなる。このため、特定のコントロール弁に係わる油圧アクチュエータの負荷圧(最高負荷圧)が高くなるに従い円環状の第2絞りの前後差圧は増し、信号検出油路に誘導される信号圧を減圧する働きが強くなる。ポンプ制御手段は、この信号圧よりも所定値だけ高くなるよう油圧ポンプの吐出圧を制御するので、特定のコントロール弁のメータインの可変絞りの前後差圧は負荷圧が高くなるに従って小さくなり、制御流量を減少する働きが出てくる。このため、特定のコントロール弁に係わる油圧アクチュエータの起動時、負荷圧に応じて油圧アクチュエータへの供給流量が減少し、油圧ポンプの吐出流量が減少するため、油圧アクチュエータ駆動時の圧力の急な立ち上がりが避けられ、かつ油圧脈動の早期の減衰も図れ、駆動する慣性体の大小に係わらずスムーズな起動特性が得られる。
【0017】
また、分流弁とホールドチェック弁のバルブアセンブリにおけるホールドチェック弁の弁体と固定プラグを利用して円環状の第2絞りを追加形成しただけであるから、極めて構成は簡単であり、コントロール弁の主弁がスプールタイプであっても容易に適用できる。また、円環状の第2絞りを追加しただけなので誤動作の恐れも無い。
【0018】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記固定プラグは前記複数のコントロール弁のバルブアセンブリの全てに設けられ、前記分流弁を閉位置に保持するバネ受け部を有する同じバネ支持部材であり、前記特定のコントロール弁のバルブアセンブリの円環状の第2絞りは、前記ホールドチェック弁の中空スプール状の弁体の内周形状を他のコントロール弁のバルブアセンブリにおけるホールドチェック弁の中空スプール状の弁体の内周形状と違えることにより、前記弁体の内周と前記バネ受け部の外周との間の円環状の隙間により形成されている。
【0019】
これにより簡単に特定のコントロール弁のバルブアセンブリ側だけに円環状の第2絞りを形成することができる。
【0020】
(3)また、上記(1)において、好ましくは、前記複数のコントロール弁のバルブアセンブリにおけるそれぞれの分流弁の弁体は、前記入口側の受圧面積が前記制御室側の受圧面積より大きい。
【0021】
これにより複合操作時の低負荷圧側のコントロール弁で分流弁に働くフローフォースの影響を除去するなど低負荷圧側のコントロール弁の特性も改善され、良好な複合操作が行える。また、上記(1)で述べた高負荷圧側のコントロール弁の特性の改善手段(円環状の第2絞りの設置)と、低負荷圧側のコントロール弁の特性の改善手段(受圧面積を変える)とは相互に独立しており、高負荷圧側の特性の改善と低負荷圧側の特性の改善を独立した手段で達成でき、機器の選択自由度が大幅に増加する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
【0023】
まず、本発明の第1の実施形態による油圧回路装置を図1〜図4により説明する。
【0024】
図1において、本実施形態の油圧回路装置は、固定容量型の油圧ポンプ1と、油圧ポンプ1の全吐出油量を小さなオーバライドでブリードできるブリード弁2とを備え、油圧ポンプ1とブリード弁2との組み合わせで固定ポンプのロードセンシングシステムを構成している。
【0025】
油圧ポンプ1から吐出された圧油は複数の油圧アクチュエータ3−1,3−2に供給され、油圧ポンプ1と油圧アクチュエータ3−1,3−2との間には図2に示すようなメータインの可変絞りM/Iとメータアウトの可変絞りM/Oを備えたスプールタイプの主弁4a−1,4a−2を有するコントロール弁4−1,4−2が設置され、主弁4a−1,4a−2を切り換え操作することで油圧アクチュエータ3−1,3−2に供給される圧油の流れ方向と流量が制御される。本実施形態では、アクチュエータを2つだけ示したが、使用できるアクチュエータの数はこの限りではないことは勿論である。また、図1では図示の都合上、主弁4a−1,4a−2の片側の切換位置におけるメータインの可変絞りM/Iとメータアウトの可変絞りM/Oのみをメータイン側とメータアウト側とで分けて示している。油圧アクチュエータ3−1は油圧アクチュエータ3−2に比べて大きな慣性を有する油圧アクチュエータであり、そのような大きな慣性を有する油圧アクチュエータ3−1に設けられたコントロール弁4−1を本願明細書中では特定のコントロール弁という。
【0026】
コントロール弁4−1,4−2は、それぞれ、上記のメータインの可変絞りM/I及びメータアウトの可変絞りM/Oを備えた主弁4a−1,4a−2に加え、複合操作を可能とする分流弁5−1,5−2とホールドチェック弁6−1,6−2の組み合わせからなるバルブアセンブリ56−1,56−2を内臓している。
【0027】
バルブアセンブリ56−1,56−2は、それぞれ、主弁4a−1,4a−2のメータインの可変絞りM/Iと油圧アクチュエータ3−1,3−2との間に設置され、分流弁5−1,5−2はバルブアセンブリ56−1,56−2の入口通路56a側に位置し、ホールドチェック弁6−1,6−2はバルブアセンブリ56−1,56−2の出口通路56b側に位置している。
【0028】
コントロール弁4−1において、バルブアセンブリ56−1のホールドチェック弁6−1は中空スプール状の弁体60を有し、分流弁5−1は、少なくとも部分的に中空スプール状の弁体60内に摺動自在に内装され、かつ一端が入口通路56aに位置し、他端が制御室70(後述)に位置するスプール状の弁体50を有し、弁体50と弁体60の間には中間室56cが形成されている。
【0029】
ホールドチェック弁6−1の弁体60は、図3に示すように、外径D2及び内径d2を持つ大径部61と外径D3(<D2)及び内径d3(<d2)を持つ小径部62とを有し、大径部61の先端にはシート部63が設けられている。また、大径部61はケーシング1と摺動自在に嵌合し、小径部62はケーシング1内に挿入されたスリーブ64の内径部と摺動自在に嵌合している。大径部61と小径部62の境界段部とスリーブ64の端面間には負荷圧室65が形成され、大径部61の外周には出口通路56bから負荷圧を負荷圧室65へ誘導する複数のスリット66が形成されている。
【0030】
また、弁体60は、基端がスリーブ64の内側段差部に支持されたバネ79によりシート部63が中間室56cと出口通路56bの間のエッジ部分に触座するよう付勢されている。
【0031】
更に、弁体60の小径部62の外径D3と大径部61の内径d2(=分流弁5−1のステム部53(後述)の外径)は同一寸法に製作されており、これにより制御室70内の油圧が弁体60に作用する力の影響を無くしている。
【0032】
分流弁5−1の弁体50はメータリングノッチ51が形成されたランド52とステム部53とを有し、ステム部53がホールドチェック弁6−1の弁体60の大径部61に摺動自在に嵌合し、ホールドチェック弁6−1の弁体60内に分流弁5−1のステム部53の背部が位置する制御室70を形成している。分流弁5−1の動作時、制御室70には分流弁5−1のステム部53の外周に設けられた油路スリット20を介して中間室56cの油圧が誘導される(後述)。
【0033】
制御室70はホールドチェック弁6−1の小径部62の背部に位置する、第2の制御室を兼ねるバネ室72に連通し、バネ室72はスリーブ64に設けられた小孔73を介して信号検出油路9に接続されている。信号検出油路9は更に絞り14(面積at)を経てタンクTへと接続されている。
【0034】
バネ室72から弁体60の小径部62の内部を通って固定プラグ75が軸方向に伸びており、固定プラグ75の基端はスリーブ64に保持されている。固定プラグ75は先端付近にフランジ状のバネ受け部76が設けられたバネ支持部材であり、バネ受け部76に、分流弁5−1の弁体50を入口通路56aの内壁77に当たるよう付勢し弁体50を閉位置に保持するバネ78の基端が支持されている。また、ホールドチェック弁6−1の弁体60の小径部62の内周は固定プラグ75のバネ受け部76の外周との間の円環状の隙間を狭くするような内径寸法とされ、この円環状の隙間により本発明の特徴である円環絞り11(面積ac>at)が形成されている。
【0035】
分流弁5−1のステム部53の外周に形成された上述の油路スリット20は一端が中間室56cに開口し、他端はステム部53の途中で切れ、弁体50が閉位置にあるときは油路スリット20と制御室70との間の連通を遮断するラップ量Xのラップ部32が形成され、弁体50が図示の閉位置からラップ量X以上ストロークすると油路スリット20が制御室70に開口するようになっている。即ち、このラップ部32は自身が係わる油圧アクチュエータ3−1(図1参照)の負荷圧が最高負荷圧であるときにのみ開口し、中間室56cの圧力(負荷圧)を検出可能とする逆止弁機能を果たす。
【0036】
このようにラップ部32が逆止弁機能を果たすことにより、自身が係わる油圧アクチュエータ3−1の負荷圧が最高負荷圧であるときにのみ分流弁5−1とホールドチェック弁6−1との間の中間室56cから負荷圧が検出され、この負荷圧が制御室70に誘導される。また、制御室70とバネ室72との間に円環絞り11が設けられることにより、この円環絞り11と信号検出油路9に設けられた絞り14とが共働して、制御室70に誘導された負荷圧をモジュレイトし(後述)、このモジュレイトされた負荷圧が信号検出油路9へ誘導される。
【0037】
また、ラップ部32のラップ量Xは弁体50の動作時の不感帯として機能し、分流弁5−1のランド52にはメータリングノッチ20に対する不感帯Yが形成され、Y<Xの関係にある。不感帯Xはホールドチェック弁6−1の弁体60に対しては一定であるが、弁体60が図示上方に移動すると、不感帯Xは弁体60の位置に応じて変化するため、不感帯Xは可変不感帯として機能する。
【0038】
更に、分流弁5−1の弁体50のランド52は流体力低減のためステム部53の外径d2より大きい外径d1を有し、分流弁5−1の弁体50の入口通路56a側の受圧面積Aiと制御室70側の受圧面積Acとの間に、Ai>Acの関係を持たせている。
【0039】
中間室56cはランド52の外径d1より大きくホールドチェック弁6−1の大径部61の外径D2より小さい内径D1を有し、ホールドチェック弁6−1が確実にホールドチェック機能を果たせるようになっている。
【0040】
コントロール弁4−1の等価回路を図4及び図5に示す。図中、図3に示した部分又は機能と同等のものには同じ符号を付している。
【0041】
本実施形態のコントロール弁4−1において、分流弁5−1とホールドチェック弁6−1のバルブアセンブリ56−1は、図4の分離した分流弁5−1及びホールドチェック弁6−1の組み合わせに相当し、円環絞り11は、図4の絞り11に相当する。即ち、バルブアセンブリ56−1は、図4の分流弁5−1とホールドチェック弁6−1と絞り11の3つのバルブ要素を合理的に集約した構成となっている。また、本実施形態のコントロール弁4−1において、油路スリット20、制御室70、バネ室72は図5の負荷圧検出油路7−1に相当し、ラップ部32の逆止弁機能は、図5の逆止弁8−1に相当する。即ち、バルブアセンブリ56−1は、図5に示すコントロール弁の負荷圧検出油路7−1を内部通路として構成し、その内部通路の一部である油路スリット20を利用して逆止弁8−1の機能を与えている。このようにバルブアセンブリ56−1には種々の機能が集約されており、これによりコントロール弁4−1全体の構成をコンパクト化、簡素化できる。
【0042】
コントロール弁4−2のバルブアセンブリ56−2は、円環絞り11を持たない点を除いてコントロール弁4−1のバルブアセンブリ56−1と同様に構成されている。
【0043】
即ち、コントロール弁4−1のバルブアセンブリ56−1においては、上記のようにホールドチェック弁6−1の弁体60の小径部62の内周を固定プラグ75のバネ受け部76の外周との間の円環状の隙間が狭くなるような内径寸法とし、この円環状の隙間により円環絞り11(面積ac)が設けられている。これに対し、コントロール弁4−2のバルブアセンブリ56−2は、ホールドチェック弁6−1の弁体60の小径部62の内周を制御室70側で拡径し、小径部62の内周と固定プラグ75のバネ受け部76の外周との間の円環状の隙間を広げ、絞りのない通路構造としている。これにより同じ固定プラグ(バネ支持部材)を用い、弁体60の小径部62の内周形状を変えることにより、容易にバルブアセンブリ56−1側にだけ円環絞り11を形成することができる。
【0044】
ブリード弁2は、弁体2aと、弁体2aの閉弁方向の作用端が位置するバネ室2bと、このバネ室2bに配置され、弁体2aを閉弁方向に付勢するバネ2cとを有し、バネ室2bは信号検出油路9に絞り15を介して接続され、信号検出油路9に検出された信号圧がバネ室2bに誘導される。油圧ポンプ1の吐出圧をP1、信号検出油路9の信号圧をPcとすると、ブリード弁2はP1とPcの差がバネ2cで設定された差圧ΔPL以上になると、油圧ポンプ1からの余剰流をタンクTへ還流する働きをする。このことは、コントロール弁4−1,4−2に流れる油量により作り出された差圧である、メータインの可変絞りM/Iの入口圧力(=P1)と信号検出油路9の信号圧Pcとの差圧がΔPLを越えると、余剰流をタンクTへ還流することを意味する。
【0045】
21は主回路保護のためのメインリリーフ弁、22は信号回路保護のための補助リリーフ弁である。
【0046】
以上において、バルブアセンブリ56−1の円環絞り11以外の構造、あるいは円環絞りのないバルブアセンブリ56−2の構造は国際公開公報WO98/31940に開示されている「分流弁付き方向制御弁」の分流弁とホールドチェック弁を組み合わせた弁構造と基本的に同じであり、バルブアセンブリ56−1,56−2の上記以外の構造の特徴及び下記する以外の動作の特徴は国際公開公報WO98/31940に説明されている。
【0047】
本実施形態の油圧回路装置の動作を説明する。なお、以下の説明では、油圧ポンプ1の吐出圧及び信号検出油路9の信号圧を上記のようにそれぞれP1,Pcとし、分流弁5−1の入口通路56aの圧力(以下適宜、入口圧という)をP2、分流弁5−1の出口通路(中間室56c)の圧力(以下適宜、出口圧という)をP3、制御室70の圧力(以下適宜、制御圧という)をP4とする。また、ホールドチェック弁6−1の弁体60での圧力損失は微小であり、分流弁5−1の出口圧P3は油圧アクチュエータ3−1の負荷圧にほぼ等しいとする。
【0048】
まず、円環絞り11の検出負荷圧モジュレイ機能について説明する。
【0049】
円環絞り11の面積をac、絞り14の面積をat、絞り11,14を通過する流量をqとすると、制御圧P4と信号圧Pcの関係は次のようになる。ただし、ac>atである。また、逆止弁機能を持つラップ部32での圧力損失は無視できるものとする。
【0050】
Figure 0003583643
C:流量係数
g:重力
γ:粘性係数
の関係から、モジュレイトされた検出信号圧力Pcは、
Pc={ac/(ac+at)}・P4
となり、
P4−Pc={at(a c +a t }・P4 …(1)
の関係から、P4−Pcの差圧、即ち円環絞り11の前後差圧が定まる。この式から、油圧アクチュエータ3−1の負荷圧(出口圧P3)が上昇し、制御圧P4が高くなるに従って円環絞り11の前後差圧P4−Pcが増し、円環絞り11による信号圧Pcを減圧する作用が強くなることが分かる。即ち、円環絞り11は、負荷圧(出口圧P3)に依存して差圧P4−Pcを増大させ、信号圧を減圧するモジュレイト機能を有する。
【0051】
油圧アクチュエータ3−1の単独操作時、あるいは油圧アクチュエータ3−1の負荷圧が最高負荷圧である複合操作時のコントロール弁4−1の動作を説明する。
【0052】
分流弁5−1の入口圧P2と制御室70の制御圧P4の差圧をΔPb1とする。この差圧ΔPb1は入口通路56aから制御室70に至る油通路の圧損であり制御流量の関数となるが、極力圧損を下げる工夫をして、流量の影響は少ないものとする。この場合、ΔPb1は微小であり、制御圧P4は分流弁5−1の出口圧P3、即ち負荷圧にほぼ等しい。
【0053】
もし、円環絞り11が無いとすると、P4=Pcであり、主弁4a−1のメータインの可変絞りM/Iの前後差圧は、
Figure 0003583643
となる。これに対して、円環絞り11が挿入されると、円環絞り11の検出負荷圧モジュレイ機能により信号圧Pcは制御圧P4よりも低くなり、主弁4a−1のメータインの可変絞りM/Iの前後差圧は、
Figure 0003583643
とP4−Pcの差圧分だけ減少する。
【0054】
ここで、上記(1)式で表される円環絞り11のモジュレイト機能により、(3)式で表される差圧P4−Pcは負荷圧(出口圧P3)が高くなるに従って増大するから、負荷圧が高くなるに従って制御流量を減少する働きが出てくる。即ち、コントロール弁4−1は、円環絞り11が設置されているから、図6に示すような負荷圧(出口圧P3)が上昇すると制御流量Qが減少する負荷依存特性を持つ。
【0055】
円環絞り11の効果を調べるために行ったシュミレーションの結果を図7に示す。図7において、(a)と(b)で油圧アクチュエータ3−1の慣性モーメントを違え、(a)に対し(b)は3倍の慣性モーメントを持っている。また、(a)及び(b)の上段は油圧ポンプ1の吐出油量Qpと負荷側へ流れる流量Q1とブリード弁2にブリードされる流量Qcとの関係を示している。コントロール弁4−1は0.5秒でフル操作されている。(a)及び(b)の中段はポンプ吐出圧P1、下段は油圧アクチュエータ3−1の角速度ωを示す。円環絞り11の効果を見るために円環絞り11の開口面積acと絞り14の開口面積atの比、k=ac/at、をパラメータとして選択した。
【0056】
1)絞り11の効果の無いk=25では、油圧脈動が大きく、特に慣性モーメントが大きい場合いに顕著である。このシュミレーションではメインのリリーフ弁21が作動しないものとしたため、油圧ポンプ1の吐出圧(駆動圧)P1が慣性モーメント大でかなり高くなっている。
【0057】
2)k=5.76の場合は過渡的にブリード弁2によるブリード流量が増加し、油圧アクチュエータ3−1の回転もスムーズであり、圧力脈動も直ぐに減衰している。(k=5.76は絞りの直径で比較するとdt=0.5に対しdc=1.2位の関係にある。)回転速度が一定値になると、駆動圧も低下し、P4−Pcの値も小さくなり、検出圧をモジュレイトしない場合と同じような回転速度が得られている。
【0058】
また、本実施形態においては、円環絞り11を制御室70とバネ室72の間に設けたことにより、制御室70とバネ室72の間に差圧が発生し、ホールドチェック弁6−1の弁体60に図示上方の押し上げ力が働き、ホールドチェック弁6−1の弁体60の開度が増加するので、高負荷圧側のホールドチェック弁6−1での圧力損失が確実に低減ができる。
【0059】
ここで、ラップ部32のラップ量Xは上記のように可変不感帯であるため、ホールドチェック弁6−1の弁体60の開度が増加すると、分流弁5−1の弁体50は弁体60の後を追いかけて移動し、この分だけ分流弁5−1の弁体50の変位が大きくなり開口面積が増大する。このため、分流弁5−1で生ずる圧力損失も軽減される。
【0060】
次に、油圧アクチュエータ3−1の負荷圧が最高負荷圧である複合操作時の低負荷圧側のコントロール弁4−2の動作について説明する。
【0061】
複合操作時に高負荷圧側と低負荷圧側に要求される流量特性に若干の相違がある。複合操作時に低負荷圧側に要求される流量特性の1つとして、低負荷圧側に圧油が多量に流れた方が良い場合いがあることがある。例えば、油圧ショベルのブームと旋回の複合操作では、ブームの伸び駆動圧で旋回を駆動したい要求があり、この場合、分流弁の機能をかなり緩和させた特性が必要となる。2つ目としては、低負荷圧側の分流弁に働くフローフォースの影響の除去がある。分流弁に作用するフローフォースは、
FL=2・C・A(x)・(Pin−Pout)・cosθ
C:流量係数
A(x):弁体のストロークxにより決まる開口面積
Pin:入口圧
Pout:出口圧
θ:流れ角
で与えられ、フローフォースFLは分流弁の絞りの前後差圧Pin−Poutに応じて大きくなる。分流弁の絞りの前後差圧Pin−Poutは低負荷側の分流弁で大きくなる。このため、分流弁に作用するフローフォースの影響は低負荷圧側で大となる。 上述したように、高負荷圧側のコントロール弁4−1には円環絞り11が設置されているため、負荷圧(出口圧P3)が増加すると、制御流量Qが減少する図3に示すような特性を持つ。低負荷圧側のコントロール弁4−1の分流弁5−2においては、信号検出油路9の信号圧Pcがその制御室70に誘導されている。高負荷圧側の分流弁5−1の弁体50が圧力P2と圧力P4で釣り合い関係にあるのに対して、低圧側の分流弁5−2の弁体50は制御室70に誘導されている信号圧Pcに対して釣り合い関係にあり、この信号圧Pcは検出した負荷圧(出口圧P3)(=P4)を円環絞り11で減圧した値であるため、低負荷圧側の分流弁5−2の弁体50はP2より低い入口圧Pinで釣り合うはずである。しかし、低負荷圧側の分流弁5−2の弁体50には、弁体50の絞り(メータリングノッチ51)の前後差圧Pin−P5に応じたフローフォースが閉弁方向に作用し、このフローフォースと制御室50の信号圧Pcにバランスさせるためには、分流弁5−2の入口圧PinはP2以上の圧力が必要になる。換言すれば、低負荷圧側ではフローフォースの影響により、第1の実施形態で(2)式を引用して説明した分流弁5−2の入口圧Pinと制御室70の制御圧Pcの差圧ΔPb2が無視できなくなる。その結果、図8に点線で示すように、P3とP5の差圧が増大するにしたがって制御流量Qが減少する特性になる恐れがある。この場合、高負荷圧側のコントロール弁4−1では、負荷圧が高くなると流量を減らすよう制御されるのに対し、低負荷圧側のコントロール弁4−2はP3とP5の差圧が増するに従って制御流量が減少し、高負荷圧側の働きをキャンセルすることになる。また、これは高負荷圧側の圧力が一定で低負荷圧側の圧力が低下したとき、低負荷圧側で消費される流量が減少することになり、理に反している。
【0062】
本実施形態では、この低負荷圧側のコントロール弁4−2の分流弁5−2におけるフローフォースの影響をキャンセルするために、上記のように入口通路56a側の受圧面積Aiと制御室70側の受圧面積Acの間にAi>Acの関係を持たせ、分流弁5−2の入口圧と出口圧の差圧がAi−Acの面積に働くようにする。これによりフローフォースが差圧P3−P5に比例して増大し、弁体50を閉じ側に働くのに対し、面積Ai−Acに働く弁体50を開け側に働く力も差圧P3−P5に比例して増大するから、フローフォースの影響をキャンセルし、図8に実線で示すように差圧P3−P5が増大するにしたがって制御流量Qが増大する特性が得られる。
【0063】
これにより複合操作時の低圧負荷側のコントロール弁4−2においてもフローフォースの影響を除去して特性を改善し、良好な複合操作が行える。また、高負荷圧側のコントロール弁4−1の特性の改善手段は円環絞り11を設置するだけであり、低負荷圧側のコントロール弁4−2の特性の改善手段は分流弁5−2の受圧面積を違えるだけであり、両改善手段は相互に全く独立しているため、高負荷圧側の要求性能と低負荷圧側の要求性能を相互に独立した手段で達成でき、機器の選択自由度が大幅に増加する。
【0064】
以上のように本実施形態によれば、油圧アクチュエータ3−1の単独操作時や油圧アクチュエータ3−1の負荷圧が最高負荷圧である複合操作時において、油圧アクチュエータ3−1の起動時に、負荷圧に応じて油圧アクチュエータ3−1への供給流量が減少し、油圧ポンプ1の吐出流量が減少するため、油圧アクチュエータ駆動時の圧力の急な立ち上がりが避けられ、かつ油圧脈動の早期の減衰も図れ、駆動する慣性体の大小に係わらずスムーズな起動特性が得られる。
【0065】
また、バルブアセンブリ56−1の制御室70とバネ室72との間に弁体60と固定プラグ75を利用して円環絞り11を追加形成しただけであるから、極めて構成は簡単であり、コントロール弁4−1の主弁4a−1がスプールタイプであっても容易に適用できる。また、円環絞り11を追加しただけなので誤動作の恐れも無い。
【0066】
更に、コントロール弁4−1のバルブアセンブリ56−1は、図4の分流弁5−1とホールドチェック弁6−1と絞り11の3つのバルブ要素と、図5の負荷圧検出油路7−1、逆止弁8−1の機能を集約した構成となっており、コントロール弁4−2のバルブアセンブリ56−2も同様であり、これによりコントロール弁4−1全体の構成をコンパクト化、簡素化できる。
【0067】
また、単独及び複合操作時の高負荷圧側のコントロール弁4−1の特性に負荷依存性を持たせ、コントロール弁4−1の特性を改善するだけでなく、複合操作時の低圧負荷側のコントロール弁4−2においてもフローフォースの影響を除去するなど特性を改善し、良好な複合操作が行える。また、高負荷圧側のコントロール弁4−1の特性の改善手段は円環絞り11を設置するだけであり、低負荷圧側のコントロール弁4−2の特性の改善手段は分流弁5−2の受圧面積を違えるだけであり、両改善手段は相互に全く独立している。このため高負荷圧側の要求性能と低負荷圧側の要求性能を相互に独立した手段で達成でき、機器の選択自由度が大幅に増加する。
【0068】
以上に本発明の代表的実施形態を説明したが、この実施形態は本発明の精神の範囲内で種々の変形が可能である。例えば、以上の実施形態では、油圧ポンプとして固定容量型の油圧ポンプを用い、ロードセンシングシステムのポンプ制御手段としてブリード2を用いたが、図9に示すように油圧ポンプとして可変容量型の油圧ポンプ1Aを用い、ロードセンシングシステムのポンプ制御手段として、油圧ポンプ1Aの吐出圧P1が信号検出油路9の信号圧Pcよりもバネ2dの設定値ΔPLだけ高くなるように油圧ポンプ1Aの傾転制御を行う傾転制御器2Aを用いてもよい。このようなロードセンシングシステムを持つ油圧回路装置に本発明を適用しても同様の効果が得られる。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、油圧アクチュエータの起動時、負荷圧に応じて油圧アクチュエータへの供給流量が減少し、油圧ポンプの吐出流量が減少するため、油圧アクチュエータ駆動時の圧力の急な立ち上がりが避けられ、かつ油圧脈動の早期の減衰も図れ、駆動する慣性体の大小に係わらずスムーズな起動特性が得られる。
【0070】
また、分流弁とホールドチェック弁のバルブアセンブリにおけるホールドチェック弁の弁体と固定プラグを利用して円環状の第2絞りを追加形成しただけであるから、極めて構成は簡単であり、コントロール弁の主弁がスプールタイプであっても容易に適用できる。また、円環状の第2絞りを追加しただけなので誤動作の恐れも無い。
【0071】
更に、分流弁とホールドチェック弁と円環状の第2絞りの3つのバルブ要素を1つのバルブアセンブリに合理的に集約し、かつコントロール弁の負荷圧検出油路をバルブアセンブリの内部通路として構成し、その内部通路の一部である油路スリットを利用して逆止弁の機能を与えたので、コントロール弁全体の構成をコンパクト化、簡素化できる。
【0072】
また、複合操作時の低負荷圧側のコントロール弁で分流弁に働くフローフォースの影響を除去するなど低負荷圧側のコントロール弁の特性も改善され、良好な複合操作が行えると共に、高負荷圧側のコントロール弁の特性の改善と低負荷圧側のコントロール弁の特性の改善を独立した手段で達成でき、機器の選択自由度が大幅に増加する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による油圧回路装置を示す図である。
【図2】コントロール弁の主弁部の機能を油圧記号で示す図である。
【図3】コントロール弁の分流弁とホールドチェック弁のバルブアセンブリを拡大して示す図である。
【図4】コントロール弁の等価回路を示す図である。
【図5】コントロール弁の他の等価回路を示す図である。
【図6】絞りの設置により得られる単独又は複合操作時の高負荷圧側のコントロール弁の負荷依存性を示す図である。
【図7】絞りの負荷依存性による効果を調べるために行ったシュミレーションの結果を示す図である。
【図8】複合操作時の低負荷圧側のコントロール弁の特性を示す図である。
【図9】可変容量型の油圧ポンプを用いた場合のロードセンシングシステムのポンプ制御手段を示す図である。
【符号の説明】
1 固定容量型の油圧ポンプ
1A 可変容量型の油圧ポンプ
2 ブリード弁
2A 傾転制御器
3−1,3−2 油圧アクチュエータ
4−1,4−2 コントロール弁
4a−1,4a−2 主弁
5−1,5−2 分流弁
6−1,6−2 ホールドチェック弁
9 信号検出油路
11 円環絞り(第2絞り)
14 絞り(第1絞り)
20 油路スリット
32 ラップ部
50 弁体
51 メータリングノッチ
52 ランド
53 ステム部
56−1,56−2 バルブアセンブリ
56a 入口通路
56b 出口通路
56c 中間室
60 弁体
61 大径部
62 小径部
63 シート部
64 スリーブ
65 負荷圧室
66 スリット
70 制御室
72 バネ室
73 小孔
75 固定プラグ
76 バネ受け部
77 内壁
78 バネ
79 バネ
M/I 主弁のメータインの可変絞り
M/O 主弁のメータアウトの可変絞り
X ラップ量
T タンク

Claims (3)

  1. 油圧ポンプと、この油圧ポンプから吐出された圧油により駆動される複数の油圧アクチュエータと、前記油圧ポンプと複数のアクチュエータとの間に配置された複数のコントロール弁と、前記複数の油圧アクチュエータの最高負荷圧に基づく信号圧が導かれ、第1絞りを介してタンクに接続された信号検出油路と、前記信号圧よりも所定値だけ高くなるよう前記油圧ポンプの吐出圧を制御するポンプ制御手段とを備え、
    前記複数のコントロール弁は、それぞれ、前記油圧アクチュエータに供給される圧油の流量を制御するメータインの可変絞りを備えた主弁と、この主弁のメータインの可変絞りと前記油圧アクチュエータとの間に配置された、分流弁とホールドチェック弁との組み合わからなるバルブアセンブリとを有し、
    前記バルブアセンブリのホールドチェック弁は、前記信号検出油路につながる制御室を内部に形成した中空スプール状の弁体を有し、
    前記バルブアセンブリの分流弁は、少なくとも部分的に前記中空スプール状の弁体内に摺動自在に内装され、かつ一端が入口通路に位置し、他端が前記制御室に位置する弁体を有し、前記制御室の圧力と前記入口通路の圧力とのバランスで前記弁体がストロークし前記入口通路の圧力を制御することにより前記メータインの可変絞りの前後差圧を制御する油圧回路装置において、
    前記複数のコントロール弁のそれぞれのバルブアセンブリは、前記分流弁の弁体の外周に形成された油路スリットと、前記分流弁の弁体が前記ホールドチェック弁の中空スプール状の弁体に対して所定距離以上移動すると前記油路スリットを前記制御室に開口させ、前記分流弁とホールドチェック弁との間の中間室を前記制御室に連通させるラップ部とを有し、
    前記複数のコントロール弁のうちの特定のコントロール弁のバルブアセンブリは、前記ホールドチェック弁の中空スプール状の弁体の内部を軸方向に伸びる固定プラグと、前記ホールドチェック弁の中空スプール状の弁体の内周と前記固定プラグの外周とによって形成される円環状の第2絞りを有することを特徴とする油圧回路装置。
  2. 請求項1記載の油圧回路装置において、前記固定プラグは前記複数のコントロール弁のバルブアセンブリの全てに設けられ、前記分流弁を閉位置に保持するバネ受け部を有する同じバネ支持部材であり、前記特定のコントロール弁のバルブアセンブリの円環状の第2絞りは、前記ホールドチェック弁の中空スプール状の弁体の内周形状を他のコントロール弁のバルブアセンブリにおけるホールドチェック弁の中空スプール状の弁体の内周形状と違えることにより、前記弁体の内周と前記バネ受け部の外周との間の円環状の隙間により形成されていることを特徴とする油圧回路装置。
  3. 請求項1記載の油圧回路装置において、前記複数のコントロール弁のバルブアセンブリにおけるそれぞれの分流弁の弁体は、前記入口側の受圧面積が前記制御室側の受圧面積より大きいことを特徴とする油圧回路装置。
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