JP3583217B2 - 感光性組成物及び感光性平版印刷版 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、平版印刷版、IC回路やフォトマスクの製造に適する感光性組成物に関するものである。更に詳しくは、耐溶剤性、耐摩耗性に優れた塗膜を与える感光性組成物及び耐刷性に優れた感光性平版印刷版に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開昭63−89864号公報、特開平1−35436号公報及び特開平1−52139号公報等には、ο−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルからなる感光性物質と、側鎖に以下の様な特定構造の原子団を有する樹脂からなるバインダー樹脂とを必須成分として含有する感光性組成物及びそれをアルミニウム支持体上に設けたポジ型感光性平版印刷版が記載されている。
【0003】
【化3】
【0004】
【化4】
【0005】
また、特開昭63−261350号公報には、スルフォニルウレイド基(−SO2−NH−CO−NH−)を含有するポリウレタン樹脂を含有する事を特徴とする感光性組成物が記載されている。
【0006】
一方、特開昭54−98614号公報にはジアゾ樹脂と例えば上記化3の如き芳香族性水酸基を有する高分子化合物を必須成分として含有することを特徴とするネガ型感光性組成物が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した公報に記載された、側鎖に上記特定構造の原子団を有する樹脂からなるバインダー樹脂を含んだ感光性組成物から得られる塗膜は、いずれも耐溶剤性が不十分であるという欠点があった。特に、UVインキ印刷で使用される溶剤を含有する洗浄剤に対しては耐性が乏しく、摩耗は大きく、その結果、耐刷力が不十分となる問題があった。
【0008】
また、特開昭63−261350号公報に記載されているスルホニルウレイド基を有するポリウレタン樹脂は、感光性組成物に使用すると、さらに現像特性も低下する欠点を有している。更に、このポリウレタン樹脂は合成の際にゲル化が起こりやすく、感光性組成物として使用することが困難であった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者らは、側鎖に特定構造の原子団を有する樹脂を種々合成し、感光性組成物を調製して物性を評価したところ、側鎖に尿素結合を有する樹脂からなるバインダー樹脂を含む感光性組成物が、上記した公知の側鎖に上記特定構造の原子団を有する樹脂からなるバインダー樹脂を含んだ感光性組成物に比べて、耐溶剤性に優れたものとなることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、本発明は、側鎖に尿素結合を有するビニル重合系または縮合重合系樹脂と、感光性化合物とを含有することを特徴とする感光性組成物、及び該組成物からなる感光層を有する感光性平版印刷版を提供する。
【0011】
【発明の実施形態】
以下、本発明の組成物及びその製造方法で使用される側鎖に尿素結合を有するビニル重合系または縮合重合系樹脂及びその他の成分と、本発明で使用する感光性組成物の調製方法及び本発明の平版印刷版の製造方法について詳細に説明する。
【0012】
本発明で使用される、側鎖に尿素結合を有するビニル重合系または縮合重合系樹脂(A)は、例えば、ポリアクリレート類、ポリスチレン類、ポリビニルエーテル類、ポリアクリロニトリル類の如きビニル重合系樹脂、ノボラック類、ポリエステル類、ポリアミド類の如き縮合重合系樹脂により得られるいずれの樹脂でもよく、本発明に好適に使用することができる。
【0013】
また、本発明の感光性組成物を水性アルカリ現像液で現像する場合には、側鎖に尿素結合を有する樹脂(A)は、側鎖に尿素結合を有する、ビニル重合系または縮合重合系アルカリ可溶性樹脂(a)であることが好ましい。
【0014】
従って、側鎖に尿素結合を有する樹脂(A)は、尿素結合自体はアルカリ可溶性基として作用しないので、例えば、フェノール性水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、スルフォンアミド基、活性イミド基の如きアルカリ可溶性基を別に樹脂骨格中に有していることが好ましく、現像特性を更に良好なものとするためにはフェノール性水酸基を用いることがより好ましい。ただし、感光性組成物の感度を高める場合や、活性の著しく低下した現像液でも現像可能とする場合には、カルボキシル基やスルホンアミド基を樹脂骨格中に有してもよい。
【0015】
また、尿素結合をスルホニル基の如き電子吸引性強いの官能基に隣接させることにより尿素結合自体をアルカリ可溶性基にする事はできるが、アルカリ溶解性基としてフェノール性水酸基有し、かつ、側鎖に尿素結合を有する樹脂を使用した方が現像特性は好適となる。
【0016】
本発明の感光性組成物に使用される感光性化合物(B)としては、例えばポジ型又はネガ型のいずれの組成物を調製するかで、公知のそれから適宜選択して用いればよく、具体的には、次の1)、2)、3)又は4)から選ばれた感光性化合物を用いることができる。
【0017】
1)ο−ナフトキノンジアジド化合物
2)感光性ジアゾニウム化合物
3)エチレン性不飽和基を有する化合物と光重合開始剤の組み合わせ
4)感光性ジアゾニウム化合物、エチレン性不飽和基を有する化合物及び光重合開始剤の組み合わせ
【0018】
ポジ型感光性化合物としては、具体的にはο−ナフトキノンジアジド化合物がある。本発明に使用されるο−ナフトキノンジアジド化合物としては、特公昭43−28403号公報に記載されている1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸クロライドとピロガロール−アセトン樹脂とのエステルであるものが好ましい。
【0019】
その他の好適なオルトキノンジアジド化合物としては、米国特許第3,046,120号および同第3,188,210号明細書中に記載されている1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸クロライドとフェノール−ホルムアルデヒド樹脂とのエステルがある。
【0020】
その他の有用なο−ナフトキノンジアジド化合物としては、数多くの特許に記載され、知られている。例えば、特開昭47−5303号、同昭48−63802号、同昭48−63803号、同昭48−96575号、同昭49−38701号、同昭48−13354号、特公昭37−18015号、同昭41−11222号、同昭45−9610号、同昭49−17481号公報等の各明細書中に記載されているものを挙げることができる。
【0021】
本発明において特に好ましいο−ナフトキノンジアジド化合物は分子量1,000以下のポリヒドロキシ化合物と1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸クロライドとの反応により得られる化合物である。このような化合物の具体例は、特開昭51−139402号、同58−150948号、同58−203434号、同59−165053号、同60−121445号、同60−134235号、同60−163043号、同61−118744号、同62−10645号、同62−10646号、同62−153950号、同62−178562号等の明細書に記載されているものを挙げることができる。
【0022】
これらのο−ナフトキノンジアジド化合物を合成する際は、ポリヒドロキシ化合物のヒドロキシル基に対して1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸クロライドを0.2〜1.2当量反応させることが好ましく、0.3〜1.0当量反応させることが更に好ましい。
【0023】
また、得られるο−ナフトキノンジアジド化合物は、1,2ジアゾナフトキノンスルホン酸エステル基の位置および導入量の種々異なるものの混合物となるが、ヒドロキシル基がすべて1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸エステルで転換された化合物がこの混合物中に占める割合(完全にエステル化された化合物の含有量)は5モル%以上であることが好ましく、更に好ましくは20〜100モル%である。
【0024】
また、ο−ナフトキノンジアジド化合物以外のポジ型感光性化合物としては、例えば、特公昭56−2696号、特開昭48−89003号、特開昭51−120714号、特開昭53−133429号、特開昭55−12995号、特開昭55−126236号、特開昭56−17345号、特開昭60−10247号、特開昭60−37549号、特開昭60−121446号などに記載されているものを挙げることができる。
【0025】
また、ネガ型感光性組成物に使用される感光性化合物としては、上記2)〜4)のものがあるが、具体的には、下記を挙げることができる。
【0026】
感光性ジアゾニウム化合物としては、例えばジアゾジアリールアミンと活性カルボニル化合物との縮合物の塩に代表されるジアゾ樹脂が有り、感光性、水不溶性で有機溶媒可溶性のものが好ましい。
【0027】
特に好適なジアゾ樹脂は、例えば4−ジアゾジフェニルアミン、4−ジアゾ−3−メチルジフェニルアミン、4−ジアゾ−4’−メチルジフェニルアミン、4−ジアゾ−3’−メチルジフェニルアミン、4−ジアゾ−4’−メトキシジフェニルアミン、4−ジアゾ−3−メチル−4’−エトキシジフェニルアミン、4−ジアゾ−3−メトキシジフェニルアミン等から選択される少なくとも1種の化合物と、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、4,4’−ビス−メトキシメチルジフェニルエーテル等から選択される少なくとも1種の化合物との縮合物の有機酸塩又は無機酸塩である。
【0028】
有機酸としては、例えば、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、メシチレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、プロピルナフタレンスルホン酸、1−ナフトール−5−スルホン酸、2−ニトロベンゼンスルホン酸、3−クロロベンゼンスルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、ベンゼンホスフィン酸等が挙げられ、無機酸としては、ヘキサフルオロリン酸、テトラフルオロホウ酸、チオシアン酸等が挙げられる。
【0029】
更に、特開昭54−30121号公報に記載の主鎖がポリエステル基であるジアゾ樹脂;特開昭61−273538号公報に記載の無水カルボン酸残基を有する重合体と、ヒドロキシル基を有するジアゾ化合物を反応してなるジアゾ樹脂;ポリイソシアネート化合物とヒドロキシル基を有するジアゾ化合物を反応してなるジアゾ樹脂:カルボキシル基を有するジアゾ樹脂:フェノール性水酸基を有するジアゾ樹脂等も使用しうる。
【0030】
これらのジアゾ樹脂の使用量は、組成物の固形分に対して0〜40重量%の範囲が好ましく、また必要に応じて、2種以上のジアゾ樹脂を併用してもよい。
【0031】
エチレン性不飽和基を有する化合物としては、常圧で沸点100℃以上で、かつ1分子中に少なくとも1個、好ましくは2個以上の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有するモノマー又はオリゴマーである。このようなモノマー又はオリゴマーとしては、例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート〔以下、メタクリレートとアクリレートを総称して、(メタ)アクリレートと言う。〕、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、多価アルコール・アルキシレンオキサイド付加体の(メタ)アクリレート、多価フェノール・アルキレンオキサイド付加体の(メタ)アクリレート、特公昭48−41708号、特公昭50−6034号、特公昭51−37193号各公報に記載されているウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を付加させたエポキシアクリレート類等の多官能(メタ)アクリレートを挙げることができる。
【0032】
また、前記樹脂(A)としては、例えば、側鎖に、尿素結合とエチレン性不飽和基とを併有する樹脂を使用することもできる。その一例としては、本発明の一般式(I)で示される構造とエチレン性不飽和基を有する樹脂(D)が挙げられる。側鎖に、尿素結合とエチレン性不飽和基とを併有する樹脂は、上記した公知のエチレン性不飽和基を有する化合物と併用または単独で、光重合開始剤と組み合わせて特に好適に使用することが可能であり、感光性ジアゾニウム化合物を更に組み合わせれば基板への接着性が更に向上し、優れた耐刷性のネガ型感光性平版印刷版が得られる。
【0033】
樹脂(A)が、一般式(I)で示される構造を含有することにより水性アルカリ現像が可能となり、平版印刷版として使用した際の現像性も良好となる。また、この樹脂中のエチレン性不飽和基の含有量は多いほど高感度の感光性組成物が得られ、平版印刷版として使用した際の耐刷性も向上する。
【0034】
このような樹脂(D)としては、例えば一般式(II)で示される化合物と1分子内にビニル基1個と水酸基1個または複数有する化合物の重合体に一般式(III)で示されるイソシアネート化合物を付加させたものが挙げられる。一般式(II)で示される化合物の中でフェノール性水酸基を有する一般式(IIa)で示される化合物を用いた場合には、平版印刷版として使用した際のインキ着肉性が著しく向上する特徴もあり、更に好適に使用できる。
【0035】
1分子内にビニル基1個と水酸基1個または複数有する化合物としては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート,2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートの如きヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、N−メチロールアクリルアミドの如きアクリルアミド誘導体、一般式(IIa)の化合物等が挙げられる。
【0036】
本発明において特に好適に使用できる樹脂(D)の具体例の一つとしては、2−(N’−(4−ヒドロキシフェニル)ウレイド)エチルメタクリレートと2−ヒドロキシエチルメタクリレートの重合体にメタクリロイルオキシエチルイソシアネートを付加させたのが挙げられる。樹脂(D)は、エチレン性不飽和基を有する化合物として、単独または上記した公知のエチレン性不飽和基を有する化合物と併用して使用することが可能である。
【0037】
これらの付加重合可能なエチレン性不飽和基を有する化合物の使用量は、組成物の固形分に対して5〜70重量%の範囲が好ましい。
【0038】
光重合開始剤としては、例えば、米国特許第2367661号明細書に記載されているα−カルボニル化合物、米国特許第2448828号明細書に記載されているアシロインエーテル、米国特許第2722512号明細書に記載されているα−炭化水素置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3046127号明細書に記載されている多族キノン化合物、米国特許第3549367号明細書に記載されているトリアリールビイミダゾール・p−アミノフェニルケトンの組合せ、米国特許第4239850号明細書に記載されているトリハロメチル−s−トリアジン系化合物、米国特許第4212970号明細書に記載されているオキサジアゾール系化合物、米国特許第3751259号明細書に記載されているアクリジン及びフェナジン化合物、特公昭51−48516号公報に記載されているベンゾチアゾール系化合物等が挙げられ、その使用量は組成物の固形分に対して0.5〜20重量%の範囲が好ましい。
【0039】
以下、ポジ型感光性組成物を例に取り、本発明を説明する。
本発明の感光性組成物は、側鎖に尿素結合を有するビニル重合系または縮合重合系樹脂と、ο−ナフトキノンジアジド化合物を含有する場合、ポジ型感光性組成物として作用し、アルカリ現像液で現像した際の現像特性が良好となる。
【0040】
本発明において使用される尿素結合を側鎖に有するビニル重合系または縮合重合系樹脂は、種々の構造を含み得るが、一般式(I)〔下式(Ia)〜(Ic)〕で示される構造単位を含む樹脂を特に好適に使用される樹脂として挙げることができる。
【0041】
【化5】
【0042】
上記式(Ia)〜(Ic)については、いずれも次の通りである。
[式中、R1及びR2はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はカルボキシル基、もしくはその塩を表し、R3は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基を表し、Xは2価の連結基を表し、Yは置換基を有してもよい2価の芳香族基を表す。]
【0043】
Xとしては、例えば置換基を有してもよいアルキレン基または置換基を有してもよいフェニレン基が、Yとしては、例えば置換基を有してもよいフェニレン基または置換基を有してもよいナフチレン基が挙げられる。
【0044】
一般式(I)で示される構造単位を含む樹脂を、バインダー樹脂として使用した感光性組成物は耐溶剤性、耐磨耗性、現像特性、において優れた性能を発揮する。
【0045】
また、一般式(I)で示される構造単位を含む樹脂の内、本発明において好適に使用されるものは、樹脂100重量部あたり一般式(I)で示される構造単位を10〜80重量部含有するものであり、これをバインダー樹脂として使用すると耐溶剤性、耐磨耗性、現像特性、において更に優れた性能を発揮する。
【0046】
本発明のポジ型感光性組成物中には、これ以外にも公知のアルカリ可溶性樹脂を含有させることができる。例えば、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂、p−クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂、m−/p−混合クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール/クレゾール(m−、p−、またはm−/p−混合のいずれでもよい)混合−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、レゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂の如きノボラック樹脂またはレゾール樹脂、ポリヒドロキシスチレン等を挙げることができる。本発明の感光性組成物はこれらの公知の樹脂を併用することにより現像ラチチュードが更に広くなる特徴を有しており、ο−キノンジアジド化合物(B)との組み合わせにおいて、樹脂(A)以外のノボラック樹脂は、特に好適に用いられる。これらのアルカリ可溶性樹脂の数平均分子量は200〜20,000、重量平均分子量は300〜60,000であることが好ましい。
【0047】
更に、米国特許第4,123,279号明細書に記載されているように、t−ブチルフェノール−ホルムアルデヒド樹脂、オクチルフェノールノボラック樹脂のような、炭素数3〜8のアルキル基を置換基として有するフェノールとホルムアルデヒドとの縮合物を併用することは画像の感脂性を向上させる上で好ましい。
【0048】
本発明の感光性組成物は、側鎖に尿素結合を有するビニル重合系又は縮合重合系樹脂(A)と、前記のノボラック樹脂(C)からなるバインダー樹脂100重量部あたり、10〜50重量部のο−ナフトキノンジアジド化合物(B)を用い、かつ当該バインダー樹脂の合計100重量部あたり、樹脂(A)を5〜95重量部用いることにより、平版印刷版用感光性組成物として好適に用いることができる。
【0049】
本発明で使用される前記一般式(I)の構造を含む樹脂は、種々の方法で合成することが可能であるが、例えば、1分子中に1つ以上の尿素結合と1つ以上の重合可能な不飽和結合を有する重合性単量体を公知の重合開始剤を用いて適当な溶媒中で重合することにより得られる。
【0050】
これら1分子中に1つ以上の尿素結合と1つ以上の重合可能な不飽和結合を有する重合性単量体は、例えば次の様な方法で製造できる。
【0051】
下記一般式[III]で示されるイソシアネート化合物と、一般式[IV]で示されるアミン化合物を反応させて、1分子中に1つ以上の尿素結合と1つ以上の重合可能な不飽和結合を有する重合性単量体を得ることができる。
【0052】
【化6】
【0053】
[式中、Rは水素原子またはアルキル基を示し、Xは2価の連結基を示す]
Xとしては、例えば置換基を有してもよいアルキレン基または置換基を有してもよいフェニレン基が挙げられる。
【0054】
【化7】
【0055】
[R’は水素原子、または置換基を有してもよいアルキル基を示し、Yは置換基を有してもよい2価の芳香族基、Zは水酸基またはカルボキシル基、スルホンアミド基を示す]
【0056】
Yとしては、例えば置換基を有してもよいフェニレン基または置換基を有してもよいナフチレン基が挙げられる。
【0057】
一般式[III]で示される化合物と一般式[IV]で示される化合物中、Xはアルキレン基、かつYは置換基を有してもよいフェニレン基またはナフチレン基、かつZは水酸基、かつR’は水素原子であるものを用いて上記反応を行えば、一般式[IIa]で示される重合性単量体が得られる。
【0058】
尚、アミノ基は、相対的に、水酸基やカルボキシル基、−NH−CO−基よりもイソシアネート基に対する活性が高いため、容易に構造[II]で示される単量体が得られる。また、例えば0〜40℃程度の範囲内で上記反応を行ったり、過剰のアミン化合物[IV]の系に、少しずつイソシアネート化合物[III]を加えるという方法も有効である。
【0059】
上記反応を行うに当たっては、後述する公知慣用の有機溶媒のうち、活性水素原子を有さないものが好適に使用できる。反応時間は、イソシアネート基が無くなるか、尿素結合の量が一定となるまで行えばよい。通常の反応時間は、15分〜24時間である。
【0060】
この様にして得られた反応混合物は、そのまま前記単量体[II]として使用できるが、必要であれば反応混合物を、化合物[IV]の過剰系で反応させた場合の未反応の原料や副生成物を除去する目的で、希塩酸等の酸性化合物で中和して、化合物[IV]を塩としてから、水洗、濾過後、真空乾燥することにより、高純度の単量体[II]を得ることができる。
【0061】
この様にして得られた単量体[II]は、尿素結合に基づく赤外線吸収スペクトルの1600〜1700cm−1に特性吸収を持つので、それを測定すれば同物質の同定は可能である。その他融点、プロトンNMR等での同定も可能である。
【0062】
本発明において、好適に使用されるこのような重合性単量体としては、一般式(IIa)で示される化合物がある。
【0063】
【化8】
【0064】
[式中、Rは水素原子またはアルキル基を示し、Xは2価の連結基、Yは置換基を有してもよい2価の芳香族基を表す]
【0065】
X及びYの具体的基としては、いずれも前記したものが挙げられる。
【0066】
このような重合性単量体としては、例えば、1−(N’−(4−ヒドロキシフェニル)ウレイド)メチルアクリレート、1−(N’−(3−ヒドロキシフェニル)ウレイド)メチルアクリレート、1−(N’−(2−ヒドロキシフェニル)ウレイド)メチルアクリレート、1−(N’−(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)ウレイド)メチルアクリレート、1−(N’−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ウレイド)メチルアクリレート、1−(N’−(5−ヒドロキシナフチル)ウレイド)メチルアクリレート、1−(N’−(2−ヒドロキシ−5−フェニルフェニル)ウレイド)メチルアクリレート、2−(N’−(4−ヒドロキシフェニル)ウレイド)エチルアクリレート、2−(N’−(3−ヒドロキシフェニル)ウレイド)エチルアクリレート、2−(N’−(2−ヒドロキシフェニル)ウレイド)エチルアクリレート、2−(N’−(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)ウレイド)エチルアクリレート、2−(N’−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ウレイド)エチルアクリレート、2−(N’−(5−ヒドロキシナフチル)ウレイド)エチルアクリレート、2−(N’−(2−ヒドロキシ−5−フェニルフェニル)ウレイド)エチルアクリレート、4−(N’−(4−ヒドロキシフェニル)ウレイド)ブチルアクリレート、4−(N’−(3−ヒドロキシフェニル)ウレイド)ブチルアクリレート、4−(N’−(2−ヒドロキシフェニル)ウレイド)ブチルアクリレート、4−(N’−(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)ウレイド)ブチルアクリレート、4−(N’−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ウレイド)ブチルアクリレート、4−(N’−(5−ヒドロキシナフチル)ウレイド)ブチルアクリレート、4−(N’−(2−ヒドロキシ−5−フェニルフェニル)ウレイド)ブチルアクリレートの如きアクリレート誘導体: 1−(N’−(4−ヒドロキシフェニル)ウレイド)メチルメタクリレート、1−(N’−(3−ヒドロキシフェニル)ウレイド)メチルメタクリレート、1−(N’−(2−ヒドロキシフェニル)ウレイド)メチルメタクリレート、1−(N’−(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)ウレイド)メチルメタクリレート、1−(N’−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ウレイド)メチルメタクリレート、1−(N’−(5−ヒドロキシナフチル)ウレイド)メチルメタクリレート、1−(N’−(2−ヒドロキシ−5−フェニルフェニル)ウレイド)メチルメタクリレート、2−(N’−(4−ヒドロキシフェニル)ウレイド)エチルメタクリレート、2−(N’−(3−ヒドロキシフェニル)ウレイド)エチルメタクリレート、2−(N’−(2−ヒドロキシフェニル)ウレイド)エチルメタクリレート、2−(N’−(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)ウレイド)エチルメタクリレート、2−(N’−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ウレイド)エチルメタクリレート、2−(N’−(5−ヒドロキシナフチル)ウレイド)エチルメタクリレート、2−(N’−(2−ヒドロキシ−5−フェニルフェニル)ウレイド)エチルメタクリレート、4−(N’−(4−ヒドロキシフェニル)ウレイド)ブチルメタクリレート、4−(N’−(3−ヒドロキシフェニル)ウレイド)ブチルメタクリレート、4−(N’−(2−ヒドロキシフェニル)ウレイド)ブチルメタクリレート、4−(N’−(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)ウレイド)ブチルメタクリレート、4−(N’−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ウレイド)ブチルメタクリレート、4−(N’−(5−ヒドロキシナフチル)ウレイド)ブチルメタクリレート、4−(N’−(2−ヒドロキシ−5−フェニルフェニル)ウレイド)ブチルメタクリレートの如きメタクリレート誘導体等が挙げられる。
【0067】
ちなみに、2−(N’−(4−ヒドロキシフェニル)ウレイド)エチルメタクリレートは、融点131〜133℃であり、水酸基及び前記尿素結合に基づくIRスペクトルの吸収からそれを同定できる。
【0068】
また、本発明に好適に使用される、重合可能な不飽和結合と尿素結合を有する重合性単量体の別の例としては、例えば、2−(N’−(4−カルボキシルフェニル)ウレイド)エチルアクリレート、2−(N’−(4−スルファモイルフェニル)ウレイド)エチルアクリレート、2−(N’−(4−スルホフェニル)ウレイド)エチルアクリレート、2−(N’−(4−ホスホノフェニル)ウレイド)エチルアクリレートの如き酸性基を有するアクリレート類:2−(N’−(4−カルボキシルフェニル)ウレイド)エチルメタクリレート、2−(N’−(4−スルファモイルフェニル)ウレイド)エチルメタクリレート、2−(N’−(4−スルホフェニル)ウレイド)エチルメタクリレート、2−(N’−(4−ホスホノフェニル)ウレイド)エチルメタクリレートの如き酸性基を有するメタクリレート類:2−(N’−メチルウレイド)エチルアクリレート、2−(N’−プロピルウレイド)エチルアクリレート、2−(N’−フェニルウレイド)エチルアクリレート、2−(N’−(4−メチルフェニル)ウレイド)エチルアクリレート、2−(N’−(2−メチルフェニル)ウレイド)エチルアクリレート、2−(N’−ナフチルウレイド)エチルアクリレート、2−(N’−(2−フェニルフェニル)ウレイド)エチルアクリレートの如き酸性基を有していないアクリレート類:2−(N’−メチルウレイド)エチルメタクリレート、2−(N’−プロピルウレイド)エチルメタクリレート、2−(N’−フェニルウレイド)エチルメタクリレート、2−(N’−(4−メチルフェニル)ウレイド)エチルメタクリレート、2−(N’−(2−メチルフェニル)ウレイド)エチルメタクリレート、2−(N’−ナフチルウレイド)エチルメタクリレート、2−(N’−(2−フェニルフェニル)ウレイド)エチルメタクリレートの如き酸性基を有していないメタクリレート類等が挙げられる。
【0069】
ちなみに、2−(N’−(4−カルボキシフェニル)ウレイド)エチルメタクリレートは、分解温度220℃であり、カルボキシル基及び前記尿素結合に基づくIRスペクトルの吸収からそれを同定できる。
【0070】
本発明に好適に使用される、側鎖に尿素結合を有するビニル重合系又は縮合重合系のアルカリ可溶性樹脂(a)は、重合可能な不飽和結合と尿素結合を有する重合性単量体の単独重合体または2種以上の共重合体であってもよいが、好ましくは1つ以上の重合可能な不飽和結合を含有し、かつ尿素結合を含まない化合物の1種以上との共重合体である。
【0071】
具体的には、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−t−オクチル、クロロエチルアクリレート、2,2−ジメチルヒドロキシプロピルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ペンタエリスリトールモノアクリレート、グリシジルアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、テトラヒドロアクリレートの如きアクリル酸エステル類:フェニルアクリレート、フルフリルアクリレートの如きアリールアクリレート類:メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、アミルメタクリレートヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、クロロベンジルメタクリレート、オクチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ペンタエリスリトールモノメタクリレート、グリシジルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレートの如きメタクリル酸エステル類:フェニルメタクリレート、クレジルメタクリレート、ナフチルメタクリレートの如きアリールメタクリレート類:アクリルアミドまたはその誘導体としてはN−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−ヘプチルアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミドの如きN−アルキルアクリルアミド類:N−フェニルアクリルアミド、N−トリルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−ナフチルアクリルアミド、N−ヒドロキシフェニルアクリルアミドの如きN−アリールアクリルアミド類:N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド、N,N−ジイソブチルアクリルアミド、N,N−ジエチルヘキシルアクリルアミド、N,N−ジシクロヘキシルアクリルアミドの如きN,N−ジアルキルアクリルアミド類:N−メチル−N−フェニルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアクリルアミド、N−2−アセトアミドエチル−N−アセチルアクリルアミドの如きN,N−アリールアクリルアミド類:メタクリルアミドまたはその誘導体としてはN−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−プロピルメタクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N−t−ブチルメタクリルアミド、N−エチルヘキシルメタクリルアミド、N−ヒドリキシエチルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルメタクリルアミドの如きN−アルキルメタクリルアミド類:N−フェニルメタクリルアミド、N−ナフチルメタクリルアミドの如きN−アリールメタクリルアミド類:N,N−ジエチルメタクリルアミド、N,N−ジプロピルメタクリルアミド、N,N−ジブチルメタクリルアミドの如きN,N−ジアルキルメタクリルアミド類:N,N−ジフェニルメタクリルアミドの如きN,N−ジアリールメタクリルアミド類:N−ヒドロキシエチル−N−メチルメタクリルアミド、N−メチル−N−フェニルメタクリルアミド、N−エチル−N−フェニルメタクリルアミドの如きメタクリルアミド誘導体:酢酸アリル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、ラウリン酸アリル、パルチミン酸アリル、ステアリン酸アリル、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリル、アリルオキシエタノールの如きアリル化合物類:ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロロエチルビニルエーテル、1−メチル−2,2−ジメチルプロピルビニルエーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニルトリルエーテル、ビニルクロロフェニルエーテル、ビニル−2,4−ジクロロフェニルエーテル、ビニルナフチルエーテル、ビニルアントラニルエーテルの如きビニルエーテル類:ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルジエチルアセテート、ビニルバレート、ビニルカプロエート、ビニルクロロアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルフェニルアセテート、ビニルアセトアセテート、ビニルラクテート、ビニル−β−フェニルブチレート、ビニルシクロヘキシルカルボキシレート、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル、クロロ安息香酸ビニル、テトラクロロ安息香酸ビニル、ナフトエ酸ビニルの如きビニルエステル類:メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、シクロヘキシルスチレン、ドデシルスチレン、ベンジルスチレン、クロロメチルスチレン、トリフルオロメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレン、メトキシスチレン、4−メトキシ−3−メチルスチレン、ジメトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、トリクロロスチレン、テトラクロロスチレン、ペンタクロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨードスチレン、フルオロスチレン、2−ブロモ−4−トリフルオロメチルスチレン、4−フルオロ−3−トリフルオロメチルスチレンの如きスチレン類:クロトン酸ブチル、クロトン酸ヘキシル、クロトン酸、グリセリンモノクロトネートの如きクロトン酸エステル類:イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチルの如きイタコン酸ジアルキル類:ジメチルマレート、ジブチルフマレートの如きマレイン酸あるいはフマール酸のジアルキル類:マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−2−メチルフェニルマレイミド、N−2,6−ジエチルフェニルマレイミド、N−2−クロロフェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−ヒドロキシフェニルマレイミドの如きマレイミド類:その他、N−ビニルピロリドン、N−ビニルピリジン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
【0072】
これらの重合性不飽和結合を有する化合物のうち、好適に使用されるのは、例えば(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類、マレイミド類、(メタ)アクリロニトリル類である。
【0073】
アルカリ可溶性アクリル系樹脂バインダーとしては、(メタ)アクリロニトリルを60モル%を越えて90モル%以下含有し、かつ(メタ)アクリルアミドをも含む単量体混合物の共重合体が耐溶剤性の点では優れている。
【0074】
これら好適に使用される化合物に、さらに(メタ)アクリル酸類を併用する様にすることもできる。
【0075】
尚、本発明において、(メタ)アクリレート又は(メタ)アクリル酸と呼ぶ場合には、アクリレートだけでなくメタアクリレートも含み、アクリル酸だけでなくメタクリル酸も含むものとする。(メタ)アクリロニトリルは、アクリロニトリルとメタクリロニトリルを、(メタ)アクリルアミドは、アクリルアミドとメタクリルアミドを含むものとする。
【0076】
これらの重合性不飽和結合を有する化合物の1種以上と、尿素結合を有し、かつ重合性不飽和結合を有する化合物の1種以上の共重合体はブロック体、ランダム体、グラフト体等いずれの構造も用いることができる。
【0077】
本発明で好適に使用される尿素結合を有する、ビニル重合系または縮合重合系のアルカリ可溶性樹脂(a)は、一般式[II]で示される前記の重合性単量体とそれ以外の共重合可能な前記の重合性単量体との共重合により得ることが可能であり、それらの合計100重量部あたり前者10〜80重量部を用いて得た共重合体は、更に好適に本発明に用いることができる。
【0078】
また、後者の成分としては、重合性マレイミド類、重合性(メタ)アクリルアミド類、重合性(メタ)アクリレート類、重合性(メタ)アクリロニトリル類からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることが好適である。
【0079】
このようにして得られた共重合体の分子量は、重量平均分子量が2千以上、数平均分子量が1千以上が好ましい。更に好ましくは、重量平均分子量は3千〜50万の範囲であり、数平均分子量は2千〜40万の範囲である。
【0080】
このような樹脂を合成する際に用いられる溶媒としては、例えばエチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルグリコール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、1−エトキシ−2−プロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチルなどが挙げられる。これらの溶媒は単独あるいは2種以上混合して用いられる。
【0081】
また、上記樹脂の他に本発明の感光性組成物に好適に使用される側鎖に尿素結合を有する、縮合重合系のアルカリ可溶性樹脂(A)として、側鎖に尿素結合を有するノボラック樹脂がある。
【0082】
本発明に好適に使用される側鎖に尿素結合を有するノボラック樹脂は、好ましくはカルボニル基を有する化合物と、置換基の中に尿素結合を有する芳香族化合物の反応生成物を基本骨格とするノボラック樹脂である。
【0083】
本発明に好適に使用されるカルボニル基を有する化合物としては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フェニルアルデヒドの如きアルデヒド類:アセトン、メチルエチルケトン、アセトフェノンの如きケトン類等が挙げられる。
【0084】
また、置換基の中に尿素結合を有する芳香族化合物としては、例えば、2−(N’−フェニルウレイド)フェノール、3−(N’−フェニルウレイド)フェノール、4−(N’−フェニルウレイド)フェノール、2−(N’−メチルウレイド)フェノール、3−(N’−メチルウレイド)フェノール、4−(N’−メチルウレイド)フェノールの如きフェノール誘導体:5−(N’−フェニルウレイド)−ο−クレゾール、5−(N’−メチルウレイド)−ο−クレゾールの如きクレゾール誘導体等が挙げられる。
【0085】
これらの尿素結合を有する芳香族化合物は単独または2種以上組み合わせて樹脂合成に使用することができる。
【0086】
また更に、必要に応じて、置換基の中に尿素結合を含まない芳香族化合物も併用して側鎖に尿素結合を有するノボラック樹脂の合成に使用することができる。このような化合物としては、例えば、フェノール,p−クレゾール,m−クレゾール,p−オクチルフェノール,レゾルシン,ピロガロール,ビスフェノールAの如きフェノール性水酸基を有する化合物が挙げられる。
【0087】
本発明の側鎖に尿素結合を有するノボラック樹脂は、カルボニル基を有する化合物と上記の芳香族化合物に公知の酸触媒を加え、加熱することにより合成される。樹脂の分子量は数平均で300以上1万以下、重量平均で500以上10万以下が好ましい。
【0088】
本発明の感光性組成物に使用される、側鎖に尿素結合を有する樹脂(A)は、他の樹脂と混合しても単独で用いてもよく、感光性組成物中に含まれるこれらの樹脂の含有量は5〜95%が好ましい。
【0089】
また、本発明の感光性組成物には、公知慣用の種々の構造の感光性化合物(B)がいずれも使用できるが、ポジ型感光性組成物の場合には、それはο−ナフトキノンジアジド化合物であることが好ましく、ネガ型感光性組成物の場合には、それがジアゾ化合物であることが好ましい。感光性化合物(B)としては、例えば側鎖に尿素結合を有する感光性化合物を用いることが出来る。
【0090】
本発明のポジ型感光性組成物に使用される、側鎖に尿素結合を有する感光性化合物としては、一般式(I)で示される構造単位を含むアクリル系樹脂のο−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルが好適に使用できる。一般式(I)で示される構造単位は樹脂中の10〜100重量%が好ましく、それをο−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化する割合は高いほど耐溶剤性は向上するが、感光性組成物を塗布する際に用いる溶剤への溶解性が低下することから、エステル化率は1〜80%が好ましい。このようなο−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルは、前述の公知の合成方法により容易に合成可能である。
【0091】
また、本発明で用いることが出来る、側鎖に尿素結合を有する感光性化合物は、本発明の側鎖に尿素結合を有するバインダー樹脂(A)と併用すると、更に耐溶剤性の優れた感光性組成物が得られる。上記側鎖に尿素結合を有するバインダー樹脂のο−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルを用いると、特に耐溶剤性の優れた感光性組成物が得られる。
【0092】
本発明の感光性組成物はアルミニウム支持体上に塗布することによりポジ型平版印刷版及びネガ型平版印刷版として使用することができる。
【0093】
ポジ型平版印刷版の場合、目的に応じて各種の添加剤を加えることができる。例えば、塗布性を向上させるために界面活性剤、塗膜の物性改良のために可塑剤、画線部のインキ着肉性を高めるために疎水性基を有する感脂化剤、感度を高めるために環状酸無水物、露光後直ちに可視像を得るための焼き出し剤、画像着色剤として染料やその他のフィラーなどを加えることができる。
【0094】
ネガ型平版印刷版の場合にも、ネガ型感光性化合物及び尿素結合を有するアルカリ可溶性樹脂の他に有機高分子結合剤を併用することができる。このような有機高分子結合剤としては、例えば、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリスチレン樹脂、ノボラック樹脂等が挙げられる。更に、性能向上のために公知の添加剤、例えば、熱重合防止剤、染料、界面活性剤、可塑剤、安定性向上剤を加えることができる。
【0095】
界面活性剤としては、特開昭62−36657号公報、特開昭62−226143号公報等に記載されているフッ素系界面活性剤等が挙げられる。可塑剤としては、例えば、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリ(2−クロロエチル)、クエン酸トリブチル等が挙げられる。
【0096】
感脂化剤としては、例えばp−オクチルフェノールノボラック,p−t−ブチルフェノールノボラック等の疎水性基を有するノボラック樹脂を挙げることができる。環状酸無水物としては、米国特許4,115,128号明細書に記載されているように無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3,6−エンドオキシ−△4−テトラヒドロ無水フタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、無水マレイン酸、クロロ無水マレイン酸、α−フェニル無水マレイン酸、無水コハク酸、無水ピロメリット酸等がある。これらの環状酸無水物を全感光性組成物中の1〜15重量%含有させることにより感度を最大3倍程度に高めることができる。
【0097】
露光後直ちに可視像を得るための焼き出し剤としては、例えば露光により酸を放出する感光性化合物と塩を形成し得る有機染料の組合せを代表として挙げることができる。具体的には特開昭50−36209号公報、特開昭53−8128号公報に記載されているο−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸ハロゲニドと塩形成性有機染料との組合せや特開昭53−36223号、同54−74728号、同60−3626号、同61−143748号、同61−151644号、同63−58440号公報に記載されているトリハロメチル化合物と塩形成性有機染料の組合せを挙げることができる。
【0098】
画像の着色剤として前記の塩形成性有機染料以外に他の染料も用いることができる。塩形成性有機染料を含めて好適な染料として油溶性染料及び塩基染料を挙げることができる。具体的には、オイルイエロー#101、オイルイエロー#130、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上、オリエント化学工業株式会社製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、ローダミンB(CI45170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)等を挙げることができる。
【0099】
公知の安定性向上剤としては、例えば、リン酸、亜リン酸、蓚酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、ジピコリン酸、ポリアクリル酸、ベンゼンスルホン酸、
トルエンスルホン酸等を挙げることができる。
【0100】
これら各種の添加剤の添加量は、その目的によって異なるが、一般に感光性組成物の固形分の0〜30重量%の範囲が好ましい。
【0101】
上記感光性組成物は必要に応じて各種溶媒に溶解して支持体上に塗布することができる。溶媒としては、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、四塩化炭素の如きハロゲン系溶剤:ヘキサン、ヘプタン、シクロヘサン、ベンゼン、トルエン、キシレンの如き脂肪族または脂環族または芳香族炭化水素系溶媒:テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテルの如きエーテル系溶媒:酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートの如きエステル系溶媒:アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンの如きケトン系溶媒、メタノール、エタノール、ブタノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、シクロヘキサノールの如きアルコール系溶媒:アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンの如き含窒素系溶媒:ジメチルスルホキシド等が挙げられ、上記溶媒は単独または2種以上混合して使用することもでき、場合によっては、更に水との混合溶媒も使用し得る。
【0102】
このようにして製造された感光性組成物は、例えばディップ塗布、カーテン塗布、ロール塗布、スプレー塗布、ホワラー塗布、スピナー塗布、エアナイフ塗布、ドクターナイフ塗布等周知の塗布方法によって、支持体に塗布される。
【0103】
支持体としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、銅、ステンレス、鉄等の金属板:ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリエチレン等のプラスチックフィルム:合成樹脂を溶融塗布あるいは合成樹脂溶液を塗布した紙、プラスチックフィルムに金属層を真空蒸着、ラミネートなどの技術により設けた複合材料:その他、印刷版の支持体として使用されている各種の材料が挙げられる。
【0104】
また、金属、特にアルミニウムの表面を有する支持体の場合は、砂目立て処理、陽極酸化処理、親水化処理などの表面処理がなされていることが好ましい。感光性組成物の塗布量としては、乾燥重量で通常約0.5〜5g/m2である。
【0105】
塗布後、周知の方法により、乾燥して、支持体上に感光層を設けた感光性平版印刷版が得られる。
【0106】
この様にして得られた感光性平版印刷版は周知の方法により使用することができる。例えば、この感光性平版印刷版にポジ型フィルムを密着させ、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ等で露光し、メタ珪酸ソーダ、メタ珪酸カリ、リン酸ソーダ、苛性ソーダ等のアルカリ水溶液により現像され、印刷版として使用される。
【0107】
この様にして得られた平版印刷版は、熱硬化処理(バーニング処理またはベーキング処理と呼ばれる)を施すと、より耐刷性が向上し、非画線部に汚れも発生しにくいという効果もある。
【0108】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0109】
(合成例1)
メタクリロイルオキシエチルイソシアネートと4−アミノ安息香酸をジオキサン溶媒に加えて溶解し、2時間攪拌することにより2−(N’−(4−カルボキシフェニル)ウレイド)エチルメタクリレートを得た。
【0110】
(合成例2)
メタクリロイルオキシエチルイソシアネートと4−アミノフェノールをジオキサン溶媒に加えて2時間攪拌することにより、2−(N’−(4−ヒドロキシフェニル)ウレイド)エチルメタクリレートを得た。
【0111】
(合成例3〜7)
合成例1で得た化合物と、それ以外の重合性不飽和結合を有する単量体を表1の割合で重合し、本発明で用いる側鎖に尿素結合を有するアルカリ溶解性樹脂を得た。
【0112】
(合成例8)
イソシアン酸フェニルと4−アミノフェノールをジオキサン溶媒に加え、2時間攪拌することにより4−(N’−フェニルウレイド)フェノールを得た。
【0113】
(合成例9)
4−(N’−フェニルウレイド)フェノール、ホルムアルデヒド水溶液、蓚酸を攪拌下、100℃に加熱して、本発明で用いる下記構造の樹脂を主成分とする、側鎖に尿素結合を有するアルカリ可溶性樹脂を得た。得られた樹脂の重量平均分子量は2,000であった。
【0114】
【化9】
[但し、nは1〜15であり、( )内のPhは、ベンゼン環(C6H2)であり、NHに結合するPhは、フェニル基である。]
【0115】
【表1】
【0116】
ついで、実施例1〜6及び比較例1については下記表2の組成比率の感光液(感光性組成物)、実施例7及び比較例2については下記表4の組成比率の感光液(感光性組成物)、実施例8及び比較例3については下記表5の組成比率の感光液(感光性組成物)をそれぞれ調整した。
【0117】
【表2】
表 2
【0118】
注1:エステル化率90%
注2:m−クレゾール(100g)、pークレゾール(66.8g)、フェノール(36.0g)、37%ホルムアルデヒド水溶液(105g)及び蓚酸(2.5g)の混合物を加熱し、105℃で3時間攪拌した。その後、175℃に昇温して水を留去し、200℃/100mmHgで残留モノマーを留去した。以上の製法により得られた樹脂の重量平均分子量は4000であった。
注3:保土谷化学工業(株)製の塩基性油溶性染料
【0119】
実施例1〜6
厚さ0.24mmのアルミニウム板を水酸化ナトリウム水溶液にて脱脂し、これを20%塩酸浴中で、電解研磨処理して中心線平均粗さ(Ra)0.6μmの砂目板を得た。ついで、20%硫酸浴中、電流密度2A/dm2で陽極酸化処理して、2.7g/m2の酸化皮膜を形成し、水洗乾燥し、アルミニウム支持体を得た。このようにして得られたアルミニウム支持体上に上記の組成の感光液(感光性組成物)をロールコーターを用いて塗布し、100℃、3分間乾燥して感光性平版印刷版を得た。この乾燥塗膜量は2.0g/m2であった。
【0120】
得られた各ポジ型感光性平版印刷版に画像フィルムを密着させ、3kWのメタルハライドランプで1mの距離から露光した。これを、大日本スクリーン(株)製自動現像機PD−912を使用し、大日本インキ化学工業(株)が販売するポリクロームジャパン(株)製現像液PD−1(9倍希釈)を用いて30℃で12秒間現像処理を行った。
【0121】
このようにして作成した平版印刷版の耐溶剤性、耐刷性の評価を行った。
耐溶剤性は、各種溶剤中に上記の装置で露光した平版印刷版を30分間浸し、感光層の浸食された度合いにより評価した。
【0122】
また、耐刷性は、平版印刷版をローランドファボリット印刷機に取り付け、UVインキ「ダイキュア セプター 墨」(大日本インキ化学工業(株)製)、湿し水「NA−108W」(大日本インキ化学工業(株)製)の100倍希釈液を用いて印刷を行い、適正な印刷物が得られる最終印刷枚数から判定した。
【0123】
その結果を表3に示す。
【0124】
【表3】
【0125】
耐溶剤性欄のA,Bはそれぞれ次の混合溶剤を表す。
A:軽油(60%)+ブチルセロソルブ(40%)
B:キシレン(30%)+軽油(50%)+ブチルセロソルブ(20%)
また、その評価基準は次の通りである。
【0126】
○:浸食無し、△:若干浸食有り、×:完全に浸食
【0127】
(比較合成例1)
ハイドロキノン(350g)、をアセトン(2.5kg)、ピリジン(500ml)に溶解し、0℃に冷却後、メタクリル酸クロライド(313.5g)を滴下した。この際、反応温度は0〜5℃に保ち、その後同温度で3時間攪拌した。更に室温で1時間攪拌してから、アセトンを留去した。ここで水を加え、塩酸で酸性(pH4)とし、エーテル抽出した。このエーテル層を5%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、水洗、乾燥(無水炭酸ナトリウム)してからエーテルを留去して白色の固体が得られた。これを水にて再結晶して融点120.5〜121.5℃のハイドロキノンモノメタクリレートの無色針状結晶(420g)を得た。
【0128】
合成例4で使用された合成例2の単量体の代わりに、前記のハイドロキノンモノメタクリレートを用いる以外は合成例4の合成条件と同一にして、共重合体を合成した。その重量平均分子量は、1万8千であった。
【0129】
比較例1
表2の組成において、比較合成例1で合成した樹脂を合成例(3〜7)の樹脂の代わりに使用して、実施例と同一の方法により平版印刷版を作成し、その耐溶剤性と耐刷性を比較した結果を表3に併記した。
【0130】
その結果、実施例4の平版印刷版は耐溶剤性、耐刷性共に比較例1の平版印刷版よりも優れており、側鎖に尿素結合を有す樹脂が耐溶剤性を向上させていることが判明した。また、実施例1、2、3、5は使用したアクリル系樹脂の共重合組成を変えたものであり、実施例6はノボラック系樹脂を使用したものであるが、いずれも優れた耐溶剤性と耐刷性を有することが判った。さらに、実施例1と実施例2との対比から、末端基は、カルボキシル基よりも水酸基であるほうが耐刷性に優れることがわかる。現像特性は、上記の現像処理により画像が形成できること、現像時にグレースケールの中間調部分が褐色または黒色に変色することが無いこと等から評価を行ったが、実施例1〜6及び比較例1は良好であった。
【0131】
(合成例10)
合成例2の化合物(50重量部)、メタクリル酸メチル(20重量部)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(30重量部)をN,N−ジメチルアセトアミド溶液中、AIBNを触媒として加えて80℃で6時間攪拌した。これを水に注いで生成した析出物をろ過、乾燥して本発明で用いる側鎖に尿素結合を有するアルカリ溶解性樹脂を得た。(重量平均分子量:10万,収率:95%)
【0132】
(比較合成例2)
合成例10において使用した合成例2の化合物の代わりに比較合成例1の化合物を使用する以外は合成例10と同一の方法で樹脂を合成した。(重量平均分子量:10万,収率:95%)
【0133】
実施例7
表4に示した感光性組成物を調製した以外は、前記実施例と同様な操作を行い、ネガ型感光性平版印刷版を得た。これら各印刷版を大日本インキ化学工業(株)が販売するポリクロームジャパン(株)製現像液ND−1(4倍希釈)を用いて、30℃で19秒間現像処理を行った。その耐刷性と耐溶剤性を比較した結果を表6に記した。
【0134】
比較例2
表4の組成において、比較合成例2で合成した樹脂を合成例10の樹脂の代わりに使用して、感光性組成物を調製し、実施例7と同一の方法により、平版印刷版を作成した。その耐刷性と耐溶剤性を比較した結果を表6に併記した。
【0135】
【表4】
【0136】
注1:保土谷化学工業(株)製の塩基性油溶性染料
【0137】
(合成例11)
合成例2の化合物(50重量部)、メタクリル酸メチル(20重量部)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(30重量部)をN,N−ジメチルアセトアミド溶液中、AIBNを触媒として加えて80℃で6時間攪拌した。これを25℃に冷却後、反応溶液中に乾燥空気を十分に吹き込みながら、メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(35.7重量部,2−ヒドロキシエチルメタクリレートと等モル量)を加えて更に5時間室温で攪拌した。この反応溶液を水に注いで生成した析出物をろ過、乾燥して本発明で用いる側鎖に尿素結合を有するアルカリ溶解性樹脂を得た。(重量平均分子量:12万,収率95%)
【0138】
(比較合成例3)
合成例11において使用した合成例2の化合物の代わりに比較合成例1の化合物を使用する以外は合成例11と同一の方法で樹脂を合成した。(重量平均分子量:12万,収率:95%)
【0139】
実施例8
表5に示した感光性組成物を調製した以外は、前記実施例と同様な操作を行い、ネガ型感光性平版印刷版を得た。これら各印刷版を大日本インキ化学工業(株)が販売するポリクロームジャパン(株)製現像液ND−1(4倍希釈)を用いて、30℃で19秒間現像処理を行った。その耐刷性と耐溶剤性を比較した結果を表6に記した。
【0140】
比較例3
表5の組成において、比較合成例3で合成した樹脂を合成例11の樹脂の代わりに使用して、感光性組成物を調製し、実施例8と同一の方法により、平版印刷版を作成した。その耐刷性と耐溶剤性を比較した結果を表6に併記した。
【0141】
【表5】
【0142】
注1:保土谷化学工業(株)製の塩基性油溶性染料
【0143】
ネガ型感光性平版印刷版に、側鎖に尿素結合を有する樹脂を使用した実施例7と比較例2、及び側鎖に尿素結合と重合性不飽和二重結合とを有する樹脂を使用した実施例8と比較例3の評価結果は、下記の通りである。
【0144】
【表6】
表 6
【0145】
注1:ブチルセロソルブに1時間浸して評価した。その評価基準は次の通りである。○:浸食なし,△:若干浸食あり,×:浸食された跡がはっきり残る
注2:UVインキを使用して印刷し、正常な印刷物が得られなくなるまでの印刷枚数を示した。
【0146】
実施例7は比較例2と比較して良好な耐溶剤性を示し、耐刷性も優れていた。一方、実施例8も比較例3と比較して良好な耐溶剤性を示し、耐刷性も優れていた。本発明の側鎖に尿素結合を有する樹脂を感光性ジアゾニウム化合物と併用したネガ型感光性平版印刷版(実施例7)は、良好な耐溶剤性と耐刷性を示し、経時安定性、耐安全光性にも優れていた。
【0147】
また、本発明の側鎖に尿素結合を有する樹脂がエチレン性不飽和基を有している場合(実施例8)、感光性ジアゾニウム化合物、光重合開始剤、エチレン性不飽和基を有するモノマーを組み合わせることにより更に優れた耐溶剤性と耐刷性が得られ、高感度のネガ型感光性平版印刷版が得られた。また、実施例7,8はいずれもインキ着肉性が良好であった。
【0148】
【発明の効果】
本発明の感光性樹脂組成物から得られた塗膜は、耐溶剤性に優れ、かつ現像特性も良好であり、平版印刷版として使用した際にも優れた耐溶剤性と耐刷性を示し、特に、UVインキ印刷においてもその優れた耐溶剤性から良好な耐刷性を示した。
Claims (8)
- 側鎖に尿素結合を有するビニル重合系または縮合重合系アルカリ可溶性樹脂(a)と、ο - ナフトキノンジアジド化合物(B)、前記以外のノボラック樹脂(C)とを必須成分として含有するポジ型感光性組成物。
- 側鎖に尿素結合を有するビニル重合系または縮合重合系アルカリ可溶性樹脂(a)と、ο - ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル(b)、前記以外のノボラック樹脂(C)とを必須成分として含有する感光性組成物であって、樹脂(a)と樹脂(C)からなるバインダー樹脂100重量部あたり、10〜50重量部のエステル(b)を用い、かつ樹脂(a)と樹脂(C)との合計100重量部あたり、樹脂(a)5〜95重量部用いる平版印刷版用ポジ型感光性組成物。
- 側鎖に尿素結合を有するビニル重合系または縮合重合系樹脂(A)が、樹脂100重量部当たり、一般式(Ia)で示される構造単位を10〜80重量部含有するものである請求項3記載のポジ型感光性組成物。
- 側鎖に尿素結合を有するビニル重合系または縮合重合系樹脂(A)が、一般式(IIa)で示される重合性単量体と、それ以外の共重合可能な重合性単量体との共重合体であって、それらの合計100重量部当たり、前者10〜80重量部を用いて得た共重合体である請求項5記載のポジ型感光性組成物。
- 樹脂(A)が、共重合可能な重合性単量体として、重合性マレイミド類、重 合性(メタ)アクリルアミド類、重合性(メタ)アクリレート類、重合性(メタ)アクリロニトリル類からなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体を用いた樹脂である請求項6記載のポジ型感光性組成物。
- 側鎖に尿素結合を有するビニル重合系または縮合重合系アルカリ可溶性樹脂(A)と、ο - ナフトキノンジアジド化合物(B)とを必須成分として含有するポジ型感光性組成物であって、
側鎖に尿素結合を有するビニル重合系または縮合重合系樹脂(A)が、ノボラック系樹脂である感光性組成物。
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