JP3583156B2 - 無刺激性口腔用組成物 - Google Patents
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Description
【発明の利用分野】
本発明は一般に、実質的に無刺激性の口腔用組成物に関し、さらに詳しくは高い起泡性を有する無刺激性の口腔用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)は口腔用組成物に広く用いられている界面活性剤である。界面活性剤、特に例えばラウリル硫酸ナトリウム(SLS)のようなアニオン界面活性剤は口腔用組成物の必須成分であり、歯磨き剤中に存在する他の成分のための可溶化剤、分散剤、乳化剤及び湿潤剤として役立ち、特に存在するフレーバーの可溶化に有効である。界面活性剤の存在のコスメティック効果は、界面活性剤が口腔用組成物の起泡を促進することである。口腔用組成物が良好に起泡する場合にのみ効果的に清潔にするという知覚を起泡は与えるので、強い起泡力を有する口腔用組成物が消費者によって好まれる。
【0003】
R.C.CaldwellとR.E.Stallard,A Textbook of Preventive Dentistry,196,W.B.Saunders(1977);L.J.Guarnieri,LADR,Abstract No.661(1974);L.J.Guarnieri,Thesis,インディアナ大学(1970)に示されているように、例えばSLSのようなアニオン界面活性剤を口腔用組成物に配合すると、口腔組織に不利な反応が惹起されることが知られている。1例は歯肉の刺激である。SLSが口腔粘膜の腐肉化(sloughing)の原因であることも考えられる。
【0004】
それ故、当該技術分野は歯磨き剤用の界面活性剤としてSLSに代わる無刺激性界面活性剤を求めている。
【0005】
米国特許第4,690,776号と第5,041,280号は歯磨き剤組成物中へのアニオン界面活性剤ラウリルスルホ酢酸ナトリウムの使用を開示する。しかし、歯磨き剤中のアニオン界面活性剤の存在による口腔刺激の問題は前記特許では言及されていない。
【0006】
発表された文献;すなわち“Surfactants in Cosmetics(Marcel Dekker)”,16巻,第10章,303−304頁(1985)によると、ラウリルスルホ酢酸ナトリウムは口腔衛生製品分野において商業的に比較的重要ではない。この刊行物によると、歯磨き剤とその他の歯科製剤中の起泡剤としてのラウリルスルホ酢酸ナトリウムの使用が提案されているが、ラウリルスルホ酢酸ナトリウムは商業的用途に器官感覚受容的に受容される製品とは見なされてない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
例えば歯磨き剤のような口腔用製品中の界面活性剤として商業的に入手可能なラウリルスルホ酢酸ナトリウムを用いる試みは、口腔用製品中のこの化合物の存在に関連した苦い味という問題を指摘している。さらに、SLSに比べて、界面活性剤としてラウリルスルホ酢酸ナトリウムを用いた歯磨き剤は起泡性の低下を示す。
【0008】
本発明によると、受容される味の実質的に無刺激性の口腔用組成物、すなわち18%未満の非ドデシルスルホ酢酸ナトリウム不純物が界面活性剤として混合された精製ラウリルスルホ酢酸ナトリウムを含む歯磨き剤を提供する。精製ラウリルスルホ酢酸ナトリウムは、例えばエチレンオキシド含有ポリマーと酸素含有複素環式窒素化合物のような起泡性強化ポリマー非イオン物質又は両性化合物と組み合わせて口腔用組成物に配合する場合に、刺激可能性のいっそうの低下並びに強化された起泡性を示す。
【0009】
非常に意外なことには、精製されないラウリルスルホ酢酸ナトリウムを含む口腔用組成物の不快な苦い味とは対照的に、精製ラウリルスルホ酢酸ナトリウムを含む本発明の口腔用組成物は器官感覚受容的に満足できるものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の口腔用組成物は界面活性剤として精製形のラウリルスルホ酢酸ナトリウムを用いて製造される。一般に商業的に入手可能であるラウリルスルホ酢酸ナトリウム物質は式:
【化1】
によって表される純粋な化合物のドデシルスルホ酢酸ナトリウムではなく、化合物の混合物であり、混合物の70%以下を成すドデシルスルホ酢酸ナトリウムと残部の不純物もしくは未反応生成物である。従って、商業的に入手可能な製品に通常用いられる“ラウリルスルホ酢酸ナトリウム”なる名称又は化学的表現は、不純物として種々な量の非ドデシルスルホ酢酸塩のナトリウム塩;例えばスルホ酢酸ナトリウムと、主要なドデシルスルホ酢酸塩とを含む物質を意味する。商業的なラウリルスルホ酢酸ナトリウムはまた種々な量の無機酸のナトリウム塩、例えば塩化ナトリウムと硫酸ナトリウム、並びに供給材料のアルコール;すなわち未反応ラウリルアルコールを含む。
【0011】
本発明者は約18重量%以下の不純物を含む精製組成物として最近入手可能になった1形式を含む、“ラウリルスルホ酢酸ナトリウム”として商業的に入手可能な種々な形式の物質の器官感覚受容的性質を研究した。その結果、精製ラウリルスルホ硫酸ナトリウム;すなわち結合した18%以下の不純物を含むラウリルスルホ硫酸ナトリウム(以下では、“精製ラウリルスルホ硫酸ナトリウム“と呼ぶ)が精製されないラウリルスルホ酢酸ナトリウムよりも器官感覚受容的により満足できるものであり、より良好な味であることが判明した。精製ラウリルスルホ硫酸ナトリウム物質は、本発明の実施によって歯磨き剤及びリンス剤に界面活性剤成分として用いられる場合に、有用な添加剤と見なされるためには、ドデシルスルホ酢酸ナトリウムの重量を基準にして約18重量%以上の不純物を含んではならない。好ましい物質は下記分析値を有する精製ラウリルスルホ硫酸ナトリ
ウムである: 重量%範囲
ドデシルスルホ酢酸ナトリウム 最低82.0−85.0
塩化ナトリウム 最大7.5−8.0
硫酸ナトリウム 最大7.5−8.0
スルホ酢酸ナトリウム 最大<4
遊離アルコール 最大<0.6−0.8
精製ラウリルスルホ硫酸ナトリウムは本発明の口腔用組成物に約0.5〜約5.0重量%、好ましくは約0.7〜約2.0重量%の濃度で配合される。精製ラウリルスルホ硫酸ナトリウムは、口腔衛生製品に用いられる場合に、これらの濃度において意外にも器官感覚受容的に受容され、商業的な、精製されないラウリルスルホ硫酸ナトリウムに付随する通常の苦い味が存在しないことが判明している。
【0012】
界面活性剤成分として精製ラウリルスルホ硫酸ナトリウムを用いて製造された口腔用組成物は低い起泡性を有するが、口腔用組成物の起泡性がこのような組成物に、例えばエチレンオキシド含有ポリマーと酸素含有複素環式窒素化合物のような非イオン性添加剤又は両性化合物を配合することによって強化されることを、本発明者は発見した。界面活性剤成分として精製ラウリルスルホ硫酸ナトリウムを含む口腔用組成物中に非イオン性又は両性添加剤を配合することは口腔用組成物の起泡力を消費者によって好まれるレベルにまで高める他に、さらに精製ラウリルスルホ硫酸ナトリウムの刺激可能性を減ずる。
【0013】
本発明の口腔用組成物に使用可能である起泡性強化非イオン性エチレンオキシド含有ポリマーには、約50−100モル、好ましくは約60モルのエチレンオキシドと縮合したモノエステルから主として成る、ソルビトール(及びソルビトール無水物)のC10−C18脂肪酸エステルと縮合した、ソルビトールの非イオン性水溶性ポリオキシエチレンモノエステルがある。脂肪酸(脂肪族炭化水素−モノカルボン酸)は置換又は非置換のいずれでもよく;例えば、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸である。Tween 60(商標)が特に好ましい、これはICIから商業的に入手可能なポリオキシエチレン(60)ソルビタンモノラウレートである。他のエチレンオキシド含有ポリマーには、式:HO(C2H4O)b(C3H6O)a(C2H4O)bH[式中、aは(C3H6O)によって表される疎水性塩基が約2750〜4,000の分子量を有するような整数であり、bは(C2H4O)によって表される親水性部分がコポリマーの約70〜80重量%を成すような整数である]で示されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマーがある。この組成物のブロックコポリマーは商標Pluronic FタイプでBASFから商業的に入手可能である。
【0014】
分子量3200を有し、80%のポリオキシエチレン部分を含むPluronic F−108と、分子量4000を有し、70%のポリオキシエチレン部分を含むPluronic F−127とが本発明の実施に好ましい。
【0015】
本発明の実施に有用な、非イオン性エチレンオキシド含有ポリマーの他の例は、分子量100,000〜5,000,000を有し、式:
H(OCH2CH2)xOHで示されるポリ(エチレンオキシド)を含む。好ましくは、ポリ(エチレンオキシド)の分子量は500,000と4,000,000との間である。これらのポリマーは商標Polyox下で水溶性ポリ(エチレンオキシド)樹脂の顆粒としてUnion Carbide Corp.から入手可能である。分子量2,000,000を有するPolyox−60Kが本発明の実施に用いるために好ましい。
【0016】
非イオン性エチレンオキシド含有ポリマーは本発明の口腔用組成物中に約0.001〜約5重量%、好ましくは約0.002〜約1重量%の濃度で配合される。
【0017】
本発明の実施に有用な非イオン性酸素含有複素環式窒素化合物には、Allantoin(2,5−ジオキシー4−イミダゾリジニル)尿素、例えば商標“Surfadone”下でGAFから入手可能なドデシル置換ラクタムのようなアルキル置換ラクタム並びに、例えばポリビニルピロリドン(PVP)のようなビニルピロリドンとそのポリマー類がある。
【0018】
酸素含有複素環式窒素化合物は本発明の口腔用組成物中に約0.001〜約5重量%、好ましくは約0.002〜約1重量%の濃度で配合される。
【0019】
本発明の実施に有用な両性化合物には、式:
【化2】
[式中、R1は炭素数10〜約20、好ましくは炭素数12〜16のアルキル基、又は式:
【化3】
(式中、Rは炭素数約10〜20のアルキル基であり、aは1〜3の整数である)で示されるアミドラジカルであり;R2とR3はそれぞれ炭素数1〜3、好ましくは炭素数1のアルキル基であり;R4は任意に1個のヒドロキシ基を有する炭素数1〜4のアルキレン又はヒドロキシアルキレン基である]で示されるベタイン化合物がある。典型的なアルキルジメチルベタインには、デシルベタインもしくは2−(N−デシルーN,N−ジメチルアンモニオ)アセテート、ココベタインもしくは2−(N−ココ N,N−ジメチルアンモニオ)アセテート、ミリスチルベタイン、パルミチルベタイン、ラウリルベタイン、セチルベタイン、ステアリルベタイン等がある。同様に、アミドベタインには、ココアミドエチルベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ラウリルアミドプロピルベタイン等がある。商標Tegobetaine下でGoldschmidtから入手可能なココアミドプロピルベタインが本発明の実施に好ましい。
【0020】
両性化合物は本発明の口腔用組成物中に約0.001〜約2重量%、好ましくは約0.05〜1重量%の濃度で配合される。
【0021】
本発明の口腔用組成物は性質が、例えば練り歯磨き、ゲル又はデンタルクリームのように、実質的に固体又はペースト状である。このような固体又はペースト状口腔用製剤のビヒクルは一般に研磨剤(polishing material)を含む。
【0022】
本発明の口腔用組成物中の研磨剤として有用な物質の例には、水に不溶なシリカ含有(siliceous)研磨剤、水和アルミナ及びリン酸二カルシウム(リン酸二カルシウム2水和物と無水リン酸二カルシウムを含む)がある。シリカ含有研磨剤はコロイド状シリカキセロゲル、沈降シリカ及びアルミノケイ酸ナトリウム又は、複合アルミナを含むシリカ等級を典型的に約0.1〜7重量%の量で含む。他の研磨剤には、不溶性メタリン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、リン酸三マグネシウム、炭酸マグネシウム等がある。研磨剤の混合物も使用可能である。
【0023】
典型的に、研磨剤は本発明の歯磨き剤組成物中に約20〜約60重量%、好ましくは約35〜約55重量%の量で含まれる。
【0024】
本発明の口腔用組成物はまた、例えば着色剤もしくは白化剤のような通常の添加剤成分又は例えば安息香酸ナトリウムのような防腐剤を、それらが最終生成物の化学的及びコスメティック安定性を妨げないならば、5重量%まで、好ましくは1重量%までの量で含むことができる。
【0025】
練り歯磨き、ゲル又はデンタルクリームの場合には、口腔用組成物は典型的には組成物の約10〜約90重量%の範囲の量で水分もしくは保湿剤キャリヤーを用いて製造される。
【0026】
典型的には70%水溶液として商業的に入手可能なソルビトール、グリセリン、低分子量(例えば約200〜600)のポリエチレングリコール又はプロピレングリコールが、練り歯磨き、ゲル又はデンタル組成物の製造に用いられる保湿剤/キャリヤーを例示する。
【0027】
練り歯磨き、クリーム及びゲルは典型的に、天然もしくは合成の増粘剤又はゲル化剤を約0.1〜約10重量%、好ましくは約0.5〜約5重量%の割合で含む。適当な増粘剤には、トチャカ、トラガカントガム、澱粉、ヒドロキシエチルプロピルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(例えば、Natrosolとして入手可能)、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、例えばGantrez AN139(GAF Corporation)として入手可能なポリ(メチルビニルエーテル/無水マレイン酸)、及び例えばCarbopol(例えば934,940,941)として入手可能なカルボキシビニルポリマーがある。B.F.Goodrich Co.のこれらのCarbopol製品は米国特許第2,798,053号;第2,923,692号及び第2,980,655号に述べられており、これらは、ポリアリルスクロース又はポリアリルペンタエリスリトールの架橋剤約0.75〜約2.0%によって架橋された、本質的にコロイド状の水に不溶なアクリル酸の酸性カルボン酸ポリマーである。
【0028】
本発明の口腔用組成物は例えば洗口水又はリンスのような、性質が実質的に液体である製品をも含む。このような製剤では、ビヒクルは典型的に、好ましくは以下に述べるような保湿剤を含む水−アルコール混合物である。一般に、水対アルコールの重量比は約1:1から約20:1まで、好ましくは約3:1から10:1まで、より好ましくは約4:1から約6:1までの範囲内である。この種の製剤に含まれる水−アルコール混合物の総量は典型的に、製剤の約70〜約99.9重量%の範囲内である。
【0029】
本発明の口腔用組成物のpHは一般に約4.5〜約9の範囲内、好ましくは約6〜約8.0の範囲内である。このpHは酸(例えば、クエン酸又は安息香酸)もしくは塩基(例えば、水酸化ナトリウム)によって制御することができる、又は緩衝剤によって処理する(例えば、クエン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、炭酸ナトリウム又は炭酸水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等によって)ことができる。
【0030】
本発明のある一定の好ましい形式では、抗齲蝕効力を有するフッ素放出塩を口腔用組成物中に配合することができ、この塩は水中にフルオリドイオンを放出できることを特徴とする。これらの物質には、例えばフッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化第1銅、フッ化錫(例えば、フッ化第1錫もしくはクロロフッ化第1錫)、フルオロケイ酸ナトリウム、フルオロケイ酸アンモニウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、モノー及びジーフルオロリン酸アルミナのような無機金属塩がある。
【0031】
フルオリド放出化合物の量は化合物の種類、その溶解度及び口腔用製剤の種類にある程度依存すると考えられるが、無毒な量でなければならず、一般には組成物中に約0.01〜約3.0%である。例えばゲル、練り歯磨き又はクリームのような固体口腔用組成物の場合には、製剤の約1重量%までのFイオンを放出するようなフルオリド放出化合物量が充分であると考えられる。このような化合物の適当な最低量を用いることができるが、約0.005〜1%、特に約0.1%のフルオリドイオンを放出するために充分なフルオリド化合物を用いることが好ましい。アルカリ金属フッ化物及びフッ化第1錫の場合には、典型的には、この成分は製剤の重量を基準にして約25重量%までの量で、好ましくは約0.05〜1%の範囲内の量で存在する。モノフルオロリン酸ナトリウムの場合には、この化合物は約0.1〜3.0%の量で存在しうる。
【0032】
例えば洗口水又はリンスのような液体口腔用組成物の場合には、フルオリド放出化合物は約1.0重量%まで、好ましくは約0.001〜0.5重量%のフルオリドイオンを放出するために充分な量で典型的に存在する。一般に、このような化合物は約0.01〜約3.0重量%で存在する。抗歯石効力を有するピロリン酸塩、例えばNa4P2O7、K4P2O7、Na2K2P2O7、Na2H2P2O7及びK2H2P2O7のような二アルカリ金属ピロリン酸塩又は四アルカリ金属ピロリン酸塩、例えばヘキサメタリン酸ナトリウムのような長鎖ピロリン酸塩、例えばトリメタリン酸ナトリウムのような環状リン酸塩は本発明の固体口腔用組成物中に好ましくは約0.5〜約8.0重量%の濃度で配合される。液体口腔用製剤の場合には、ピロリン酸塩は約0.1〜約3重量%の濃度で配合される。
【0033】
本発明の口腔用組成物中には抗菌剤も含まれる。フェノール化合物及びビスフェノール化合物、ハロゲン化ジフェニルエーテル、安息香酸エステル及びカルボアニリドに基づく非カチオン抗菌剤が特に有用である。このような化合物の例は4−クロロフェノール、2,2’−トリクロロー2−ヒドロキシージフェニルエーテル(Triclosan)、p−ヒドロキシ安息香酸のエステル、特にメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル及びベンジルエステル、3,4,4’−トリクロロカルボアニリド及び3,3’,4−トリクロロカルボアニリドである。0.03〜1%の範囲内の量のTriclosanが本発明の組成物に用いるために好ましい。
【0034】
例えばセスキテルペンアルコール(例えばメロリドール、ビスアボロール)のような非イオン抗菌剤も本発明に有用である。
【0035】
歯白化剤も本発明の口腔用組成物中に含めることができる。例えば過酸化カルシウム、過ホウ酸ナトリウム、過酸化水素、過酸化尿素、過酢酸、過炭酸ナトリウム、又は水溶液中で過酸化水素供給源として作用する他の供給源ような酸化剤が特に有用である。このような口腔用組成物中の活性酸素量は0.7〜5重量%、好ましくは約0.5〜約2重量%の範囲内で変化することができる。
【0036】
本発明の口腔用組成物は成分を適当に混合することによって製造することができる。例えば練り歯磨きのような固体組成物の製造では、例えばカルボキシメチルセルロース又はヒドロキシエチルセルロースのような増粘剤が保湿剤、水、例えばピロリン酸四ナトリウム、フッ化ナトリウム又はモノフルオロリン酸ナトリウムのような塩と共に分散され、次に例えばサッカリンのような甘味剤が加えられ、混合される。例えばリン酸二カルシウムのような研磨剤、精製ラウリルスルホ酢酸ナトリウム界面活性剤、起泡強化化合物及びフレーバーが次に加えられる。次に、成分を真空下で約15〜30分間混合される。得られたゲル又はペーストが次にチューブに入れられる。
【0037】
【実施例】
下記実施例は本発明をさらに説明するものであるが、本発明がこれらの実施例に限定されないことを理解すべきである。ここに述べる、また特許請求の範囲で述べる全ての量と割合は、他に指定しない限り、重量によるものである。
【0038】
実施例I
表Iの組成を有する練り歯磨きを製造した:
グリセリンとソルビトールとをCMC及びHECと共に混合し、次にTSPPとNaサッカリンとを加えた後に、脱イオン水を加えることによって組成物を製造した。この混合物を二重遊星形真空ミキサーに入れた。リン酸二カルシウム、NaF、MFP、フレーバー及び精製ラウリルスルホ酢酸ナトリウムをこの混合物に加え、成分を真空下で約15〜20分間混合した。均質なペーストが得られ、これは味覚パネルによって評価した場合に、満足できる、苦くない味を有することが判明した。
【0039】
表Iの練り歯磨きの起泡強化能力を評価するために、下記組成を有する人工唾液溶液を製造した:
この溶液に、リン酸二カルシウム・2H2O 16重量%と風味剤 0.3%とを、精製ラウリルスルホ酢酸ナトリウム0.4%と共に加えた。得られた供試溶液の濃度は口腔内の練り歯磨きに通常付随する、練り歯磨きの唾液中での1:2希釈に相当する。
【0040】
起泡性試験の実施では、供試溶液15mlを50mlの無菌遠心管に移し入れた。6複製物(replicate)を37℃の水浴に約15分間入れた。遠心管をBurrell Wrist−Actionシェーカーにクランプさせ、10秒間にわたって平均50回振とうした。管は各サイクルで7.0cmより大きく変位した。振とう後の5〜20秒間の管に上部起泡レベルと下部起泡レベルとを記録した。これらのレベルの差が“起泡量(foam volume)”値を与えた。起泡値の増加は練り歯磨きを用いる消費者によって知覚される起泡性増強に相関する。
【0041】
希釈練り歯磨きを用いる起泡性試験結果と、希釈されない練り歯磨きで歯を磨くヒト(human)試験パネルによって評価された起泡性との間には0.98の相関係数(correlation)が存在することが判明した。
【0042】
実施例Iを代表する供試溶液の起泡量を下記表II(ランNo.1)に記録する。多様な非イオン性又は両性の起泡性強化化合物をも供試溶液に含めた、一連の供試溶液(ランNo.2−7)を製造したことを除いて、実施例Iの方法を繰り返した。これらの添加剤の濃度と供試溶液の起泡量とも表IIに記録する。
【0043】
比較のために、界面活性剤として精製ラウリルスルホ酢酸ナトリウムの代わりにSLSを用いて製造した溶液も起泡性に関して試験した。“C”と名付けた、この比較溶液の起泡量も表IIに記録する。
【0044】
表IIのデータによると、精製ラウリルスルホ酢酸ナトリウムを含む口腔用組成物(ランNo.1)はSLSを含む同組成物(ランC)よりも劣った起泡性を示すが、溶液中の非イオン性又は両性化合物の存在(ランNo.2−7)は口腔用組成物の起泡力をSLSのレベルに実質的に等しいレベルにまで高める。
【0045】
実施例II
本発明の練り歯磨き組成物の製造に用いた精製ラウリルスルホ酢酸ナトリウム界面活性剤の刺激性を“コラーゲンフィルムの膨潤反応からの界面活性剤刺激性の予測(Predicting Surfactant Irritationfrom the Swelling Response of aCollagen Film)”なる題名の論文,J.Soc.Cosmet.Chem.37,199−210(7月/8月,1986)に開示された試験方法によって評価した。この試験では、コラーゲンフィルム基質(substrate)の膨潤(トリチウム化水吸収)はアニオン界面活性剤とこれらの成分に基づく生成物との刺激と相関する。膨潤反応は濃度依存性であり、より高い基質膨潤はより大きい刺激力を示唆する。このインビトロ試験の結果は、確立されたインビトロ及びインビボ実験室評価及び臨床評価からの研究結果と相関することが判明した。
【0046】
刺激性試験の実施では、Colla−Tec Inc.(ニュージャーシー州、プレインスボロ)から供給されたコラーゲンフィルムをウシ深部屈筋腱から製造し、1.27x1.27cm(0.5x0.5インチ)平方、約10mg重量に切断した。各方形を20mlねじぶたビンに入れ、1%精製ラウリルスルホ酢酸ナトリウム単独(試験No.1)又は1%精製ラウリルスルホ酢酸ナトリウムと非イオン性添加剤との組合せ(試験No.2−5)を含む溶液10mlと、 1x105dpm/mlを生ずるために充分なトリチウム化水(3H2O)とによって処理した。方形フィルムを含む溶液を50℃において18〜24時間インキュベートした。次に方形フィルムをこの溶液から取り出し、脱イオン水 1リットル中で約5秒間すすぎ洗いして、付着したトリチウム化水を除去してから、液体シンチレーションビンに入れた。
【0047】
このフィルムをビン中で2N NaOHによってダイジェスト(digest)させ、濃過塩素酸0.25mlによって酸性化したEcolume(ICN Biomedicals,Inc.)シンチレーションカクテル中に溶解し、Beckman LSO6800シンチレーション スペクトロメーターを用いて放射能を分析した。この膨潤は乾燥コラーゲン1mgにつき吸収されたトリチウム化水μl(μl/mg)として定義した。結果は下記表IIIに記録する。
【0048】
比較のために、精製されないラウリルスルホ酢酸ナトリウム(試験No.C1)とSLS(試験No.C2)との刺激性をも測定したことを除いて、刺激性試験を繰り返した。対照として水を用いた(試験No.3)。これらの比較試験の結果も下記表IIIに記録する。
【0049】
表IIIに記録された結果は、精製ラウリルスルホ酢酸ナトリウム(試験No.1)が精製されないラウリルスルホ酢酸ナトリウム(試験No.C1)、特にSLS(試験No.C2)に比べて低刺激性であることを実証する。精製ラウリルスルホ酢酸ナトリウムと組み合わせた非イオン性添加剤の存在は刺激性のさらに明白な低下を生ずる(試験No.2−5)。
【0050】
実施例III
実施例1の方法を繰り返して、下記成分を有する、抗菌剤、トリクロサンを含む練り歯磨を製造した:
実施例IIIで製造した練り歯磨きは、味覚パネルによって評価した場合に、満足できる、苦くない味を有することが判明した。
Claims (15)
- 不純物含有量が18重量%以下であるように精製したラウリルスルホ酢酸ナトリウム界面活性剤の有効量を含む、受容される味の実質的に無刺激性の口腔用組成物。
- 精製ラウリルスルホ酢酸ナトリウム界面活性剤が次の分析値:
ドデシルスルホ酢酸ナトリウム 最低82.0〜85.0重量%
塩化ナトリウム 最大7.5〜8.0重量%
硫酸ナトリウム 最大7.5〜8.0重量%
スルホ酢酸ナトリウム 最大<4重量%
遊離アルコール 最大<0.6〜0.8重量%
を有する請求項1記載の組成物。 - 前記口腔用組成物中に精製ラウリルスルホ酢酸ナトリウムが0.5重量%〜5.0重量%の濃度で存在する請求項1記載の組成物。
- 分子量500,000〜4,000,000を有する式:H(OCH2CH2)xOHで示されるポリ(エチレンオキシド)をさらに含む請求項1記載の組成物。
- HO(C2H4O)b(C3H6O)n(C2H5O)bHを有するポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマーをさらに含む請求項1記載の組成物。
- ソルビトールのポリオキシエチレンモノエステルをさらに含む請求項1記載の組成物。
- ポリ(エチレンオキシド)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー及びソルビトールのポリオキシエチレンモノエステルが0.001〜5重量%の濃度で存在する請求項4、5又は6いずれか記載の組成物。
- 前記口腔用組成物中に酸素含有複素環式窒素化合物が0.01〜5重量%の濃度で存在する請求項1記載の組成物。
- ポリビニルピロリドンをさらに含む請求項1記載の組成物。
- アラントインをさらに含む請求項1記載の組成物。
- ベタイン化合物をさらに含む請求項1記載の組成物。
- ベタイン化合物がココアミドプロピルベタインである請求項11記載の組成物。
- 口腔用組成物中に前記ベタイン化合物が0.001〜2重量%の濃度で存在する請求項11又は12いずれか記載の組成物。
- 0.05〜1%の非イオン性抗菌剤を配合した請求項1記載の組成物。
- 抗菌剤がトリクロサンである請求項14記載の組成物。
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