JP3582357B2 - 農業用防曇性塩化ビニル系樹脂フィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は防曇性農業用フィルムに関し、さらに詳しくは、防曇剤として添加した非イオン界面活性剤の防曇性を阻害すること無く、過剰ブルーム、ブリードを防止した農業用軟質塩化ビニル系樹脂フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
農家では、作物の収益性の向上を図るために、作物をハウス(温室)、トンネル等を用いて促成栽培または抑制栽培する方法が広く行われるようになった。これらの栽培において、ハウスまたはトンネルを被覆する資材として、ポリエチレンフィルム、エチレン−酢酸ビニルフィルム、硬質または軟質塩化ビニル系フィルムが使用されているが、中でも、軟質塩化ビニル系フィルムは他の合成樹脂フィルムに比べて、光線透過率、保温性、機械的強度、耐候性、作業性に優れているので、最も利用量が多い。しかし、元来塩化ビニル系樹脂フィルムは疎水性が強いため、ハウス又はトンネルに展張した際、地表或いは作物から蒸散した水分がハウス内側のフィルム面に凝縮し微細な水滴として付着するため、太陽光線を反射したり、遮断したりして栽培植物の発育を損なうばかりでなく、露結した水滴が栽培植物に落下し病害の発生、品質低下の原因となる。この曇りを防ぐため、フィルムに防曇剤としてソルビタン高級脂肪酸エステル、グリセリン高級脂肪酸エステル、又はこれらのエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイド付加物等をフィルム成形時に配合する方法が行われている。これらの防曇剤は、フィルムの内部から表面に噴き出し、付着した水滴を水膜化することで曇り止め効果を発揮する。しかし、フィルムの内部から噴き出した防曇剤によってフィルムが白く濁った様に見えたり、油が付着した様に見えたりして、フィルムの透明感が損なわれ、十分満足できるものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、 防曇剤として添加した非イオン界面活性剤の防曇性を阻害すること無く、過剰ブルーム、ブリードを防止した農業用軟質塩化ビニル系樹脂フィルムを提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、塩化ビニル樹脂100重量部あたり、ソルビタン高級脂肪酸エステル系化合物を0.5〜5重量部、ー般式[I]で示されるアンモニウム塩を0.005〜0.4重量部含有してなり、且つ該フィルムの60℃における収縮率が10%以下であることを特徴とした防曇性軟質塩化ビニル系樹脂フィルムにある。
【0005】
【化2】
【0006】
(式中、R1 〜R3 のうち1個は、炭素数が5〜11のアルキル基、他は炭素数が1〜5のアルキル基、R4 は炭素数2〜4のアルキレンオキサイドnモル付加物(nは1〜10の整数)、Xは過塩素酸、塩酸、塩素酸、スルホン酸及び硝酸から選ばれる酸の陰イオンである。)
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における塩化ビニル樹脂としては、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルを主体としこれと他のコモノマ−との共重合体が挙げられ、コモノマーとしては酢酸ビニル、エチレン、プロピレン、アルキルビニルエ−テル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリロニトリル等が使用される。以上の他、上記塩化ビニル単独重合体または共重合体と、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリイソプレン等の塩素を含有するポリオレフィンとのブレンド物を使用することができる。
【0008】
本発明で防曇剤として使用する非イオン界面活性剤のソルビタン高級脂肪酸エステル系化合物としては、例えば、ソルビタンモノ(ジ)パルミテート、ソルビタンモノ(ジ) ステアレート、ソルビタンモノ(ジ)パルミテートのエチレンオキサイド付加物、ソルビタンモノ(ジ)パルミテートのプロピレンオキサイド付加物、ソルビタンモノ(ジ)ステアレートのエチレンオキサイド付加物、ソルビタンモノ(ジ)ステアレートのプロピレンオキサイド付加物、これらの混合物などが挙げられる。炭素数12〜22の飽和脂肪酸としては、ヤシ脂肪酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸を挙げることができる。中でもパルミチン酸、ステアリン酸が最も好ましい、炭素数12〜14の高級脂肪酸から得られるソルビタンエステル系化合物は、低温防曇性は優れるが、高温防曇性においてやや劣り、炭素数20〜22の高級脂肪酸から得られるソルビタンエステル系化合物は、高温防曇性は優れるが、低温防曇性においてやや劣る。また、アルキレンオキサイドの付加は、低温防曇性が向上するので好ましい。しかし、5モルを超えると、防曇持続性が劣る。これらソルビタン高級脂肪酸エステル系化合物の添加量は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して0.5重量部〜5重量部の範囲が好ましい。0.5重量部未満では、本来の防曇効果が発揮されず、また、5重量部を超えると耐候性に悪影響があるので好ましくない。
本発明で使用する下記一般式[I]で示される4級アンモニウム塩を例示すると、
【0009】
【化3】
【0010】
化合物の例示
1) R1=C5 H11、R2=CH3 、R3=CH3 、R4=C2 H4 OH、 X= ClO4
2) R1=C6 H13、R2=CH3 、R3=CH3 、R4=C2 H4 OH、 X= ClO4
3) R1=C7 H15、R2=CH3 、R3=CH3 、R4=C2 H4 OH、 X= ClO4
4) R1=C8 H17、R2=CH3 、R3=CH3 、R4=C2 H4 OH、 X= ClO4
5) R1=C9 H19、R2=CH3 、R3=CH3 、R4=C2 H4 OH、 X= ClO4
6) R1=C10H21、R2=CH3 、R3=CH3 、R4=C2 H4 OH、 X= ClO4
7) R1=C11H23、R2=CH3 、R3=CH3 、R4=C2 H4 OH、 X= ClO4
8) R1=C5 H11、R2=C2 H5 、R3=CH3 、R4=C2 H4 OH、 X= ClO4
9) R1=C6 H13、R2=C3 H7 、R3=CH3 、R4=C2 H4 OH、 X= ClO4
10) R1=C7 H15、R2=C4 H9 、R3=CH3 、R4=C2 H4 OH、 X= ClO4
11) R1=C8 H17、R2=C5 H11、 R3=CH3 、R4=C2 H4 OH、 X= ClO4
12) R1=C9 H19、R2=C2 H5 、R3=C2 H5 、R4=C2 H4 OH、 X= ClO4
13) R1=C10H21、R2=C3 H7 、R3=C3 H7 、R4=C2 H4 OH、 X= ClO4
14) R1=C11H23、R2=C4 H9 、R3=C4 H9 、R4=C2 H4 OH、 X= ClO4
15) R1=C5 H11、R2=C5 H11、 R3=C5 H11、 R4=C2 H4 OH、 X= ClO4
16) R1=C6 H13、R2=CH3 、R3=CH3 、R4=C4 H8 OH、 X= ClO4 17) R1=C7 H15、R2=CH3 、R3=CH3 、R4=(C2 H4 O)2− H、 X= ClO4
18) R1=C8 H17、R2=CH3 、R3=CH3 、R4=(C2 H4 O)3− H、 X= ClO4
19) R1=C9 H19、R2=CH3 、R3=CH3 、R4=(C2 H4 O)5− H、 X= ClO4
20) R1=C10H21、R2=CH3 、R3=CH3 、R4=(C2 H4 O)10−H、 X= ClO4
21) R1=C11H23、R2=CH3 、R3=CH3 、R4=(C3 H6 O)2− H、 X= ClO4
22) R1=C8 H17、R2=CH3 、R3=CH3 、R4=(C3 H6 O)3− H、 X= ClO4
23) R1=C8 H17、R2=CH3 、R3=CH3 、R4=(C3 H6 O)5− H、 X= ClO4
24) R1=C8 H17、R2=CH3 、R3=CH3 、R4=(C3 H6 O)10−H、 X= ClO4
25) R1=C8 H17、R2=CH3 、R3=CH3 、R4=(C4 H8 O)2− H、 X= ClO4
26) R1=C8 H17、R2=CH3 、R3=CH3 、R4=(C4 H8 O)3− H、 X= ClO4
27) R1=C8 H17、R2=CH3 、R3=CH3 、R4=(C4 H8 O)5− H、 X= ClO4
28) R1=C8 H17、R2=CH3 、R3=CH3 、R4=(C4 H8 O)10−H、 X= ClO4
【0011】
などが挙げられ、R1〜R3のアルキル基及びR4のアルキレン基は、直鎖又は側鎖のいずれであっても良い。これら4級アンモニウム塩の添加量は、0.4重量部を超えると、熱安定性が劣り、フィルム製膜成形時の生産性が低下するので好ましくない。また、0.005重量部未満では、防曇剤の過剰ブルーム、ブリードを抑制する効果が不十分となり好ましくない。尚、Xの陰イオンを過塩素酸に換えて、塩酸、塩素酸、スルホン酸、硝酸であっても良いが、中でも、過塩素酸が一番効果が大きいので好ましい。
【0012】
又、上記、R1〜R3のアルキル基の炭素数がC12以上では、ブルーム、ブルード性がフィルム生産後、1ヶ月程度は良好に推移するが、2〜3ヶ月経過すると低下する。通常農ビフィルムの生産は、7〜8月に集中し、台風の来なくなる10月〜11月に展張されるケースが多く、実用的には3〜5ヶ月後にも、過剰にブルーム、ブリードしないことが要求される。
【0013】
本発明の防曇性農業用フィルムに含有されるソルビタン高級脂肪酸エステル系化合物と、アンモニウム塩の量比は、500:1〜10:1の範囲が好ましく、更に好ましくは300:1〜50:1の範囲がよい。
本発明に係る農業用防曇性塩化ビニル系樹脂フィルムでは、上記添加剤の他に例えば、可塑剤、有機リン酸エステル、エポキシ化合物、熱安定剤、キレーター、滑剤、防曇剤、霧発生防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、光安定剤、着色防止剤、防カビ剤、防藻剤、有機顔料、染料、充填剤、無機質微粉末を通常の量で含むことができる。
【0014】
例えば、本発明において好適な軟質ポリ塩化ビニルについていえば、重合度が約1000〜2500のポリ塩化ビニル100重量部に対して、可塑剤を下記の割合で配合することができる。用いる好適な可塑剤としては、例えばジ−n−オクチルフタルート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジドデシルフタレート等のフタル酸誘導体を単独又は2種以上併用し30〜60重量部の範囲で含むことができ、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、エポキシ化大豆油、エポキシ樹脂系可塑剤を単独又は2種以上併用し0.5〜10重量部の範囲で含むことができる。
【0015】
また、滑剤または熱安定剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、リシノール酸バリウム、亜燐酸エステル類等が挙げられ、単独又は2種以上併用し0.1〜5重量部の範囲で含むことができる。
【0016】
キレーターとしては、ジフェニルデシルホスファイト、トリフェニルホスファイトなどを挙げられ、単独又は2種以上併用し0.1〜5重量部の量で含むことができる。他の防曇剤としてはソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、などの非イオン系の界面活性剤、及びこのアルキレンオキサイド付加物が挙げられ、全防曇剤量の合計として0.5〜5重量部の範囲であれば併用しても良い。
【0017】
霧発生防止剤としては、フッ素系界面活性剤、有機シロキサン系界面活性剤などを単独又は2種以上併用し1.0重量部以下の量で含んでいても良い。紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系、シアノアクリレート系、フェニルサリシレート系が挙げられ単独又は2種以上併用し3.0重量部以下の量で含んでいても良い。
【0018】
抗酸化剤としては、例えば、フェノール系、多価フェノール炭酸オリゴエステル類が挙げられ、単独又は2種以上併用し3.0重量部以下の量で含んでいても良い。
光安定剤としては、ヒンダードアミン化合物が挙げられ、例えば、4−シクロヘキシノイルオキシ−2,6,6−、テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチ ルピペリジン、4−(o−クロロベンゾイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等が挙げられ、単独又は2種以上併用し1.0重量部以下の量で含んでいても良い。
【0019】
又、有機リン酸部分エステル金属塩が挙げられ、モノラウリルリン酸亜鉛、モノパルミチルリン酸亜鉛、モノステアリルリン酸亜鉛、モノステアリルリン酸カルシウム、モノステアリルリン酸バリウム塩、モノミリスチルリン酸亜鉛、ジラウリルリン酸亜鉛、ジパルミチルリン酸亜鉛、ジステアリルリン酸亜鉛、ジステアリルリン酸カルシウム、ジステアリルリン酸バリウム塩、ジミリスチルリン酸亜鉛などが挙げられ、単独又は2種以上併用し、モノエステルリン酸金属塩の含有量が10%以上であることが好ましく、5重量部以下の量で含んでいても良い。(尚、ジエステルリン酸金属塩とは、金属にジエステルリン酸が2個付いたものをいう。)
【0020】
充填剤及び無機質微粉末としては、例えば、炭酸カルシウム、ハイドロタロサイト類(マグネシウム−アルミニウム塩基性炭酸塩、マグネシウム−アルミニウム塩基性珪酸塩)、マグネシウム珪酸塩(≒タルクとも称す)、酸化珪素、炭酸マグネシウム、水酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、アルミニウム・リチウム複合水酸化物塩などが挙げられ、平均粒子径が10ミクロン以下であることが望ましく、単独又は2種以上併用し10重量部以下の量で含んでいても良い。着色防止剤として、例えば、ジベンゾイルメタンなどが挙げられ、1.0重量部以下の量で含んでいても良い。
【0021】
本発明の農業用軟質塩化ビニル樹脂フィルムは、前記合成樹脂に前記特定の防曇剤及び一般式[I]で示される4級アンモニウム塩を配合し、更に要すれば前記の各種添加物を含ませ、通常の配合技術、例えば、リボンブレンダー、バンバリーミキサー、エクストルーダー、ロールミルその他の配合機、混合機を用いることにより均一に配合し、これをフィルム化する。フィルム化するには、公知の方法、例えば溶融押出法、インフレーション法、溶融流延法、カレンダー法等を採用すればよい。本発明の農業用軟質塩化ビニル樹脂フィルムの厚みは、0.05mmから0.3mmが好ましい。より好ましくは、0.10mmから0.20mmである。0.05mmより薄いと、フィルムの強度が不足し破れが発生しやすく、0.3mmよりも厚いと、切断、接着等の作業に悪影響を与える。そして、フィルム表面の片面、または両面に、格子状、縞状、微細な凹凸模様(シボ模様)をつけてもよい。
【0022】
本発明における、フィルムの60℃における収縮率は下記の手順で求められる。
▲1▼試験片の作成
まず、成形後にロールに巻き取ったフィルムのうちその最外層側のフィルム表面に、ロール巻き状態のままで下記の標線を付記する。標線は共に長さが15cmの直線からなる、フィルム幅方向に沿う“横方向標線”とフィルム長さ方向に沿う“縦方向標線”との2線からなり、その2線を中心点で直交させて描くものである。この2線一組の標線をフィルム幅方向に3個(即ち、フィルム中央に1個、フィルムの左右端部からそれぞれ30cm以内の2個所に2個)付す。次に、フィルムを巻きほぐし上記2線一組の標線をそれぞれ囲繞するように約20cm×20cmの大きさに裁断し、それらを試験片とする。
【0023】
▲2▼測定方法
試験片を厚紙の上にのせ、フィルムの両面に無機物微粉末を塗る。試験片を厚紙の上にのせたまま、60℃オーブン内に納め、オーブンの扉を閉め、オーブン内温度が60±1℃になった後、10分間加熱する。試験片を室温まで冷却した後、3組の標線における横方向標線と縦方向標線の各々の長さを測定し平均する。
最後に測定結果を下記式に当てはめて収縮率を算出する。
【0024】
【数1】
L1 :標線長さ(15cm)
L2 :加熱処理後の縦方向3点と横方向3点の標線長さの平均値
【0025】
本発明における上記収縮率は、10%以下が好ましい。10%を超えると、防曇剤の過剰ブルーム、ブリードが発生し、4級アンモニウムを添加しても抑制が不十分となるので、好ましくない。
【0026】
かかるフィルムの60℃における収縮率は用いる樹脂と製膜加工条件との関係によって主に制御できるものであり、例えばカレンダー加工法において、フィルム温度を50℃以下まで冷却する冷却ロールと、紙管に巻き取るためのワインダーロール(常温30〜40℃)などの、ロール温度の低いロール間のフィルム送り速度差を少なくする(例えば、±15m/分)ことにより収縮率を小さくすることができる。
【0027】
【実施例】
以下に本発明を実施例にもとづいて、詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらに限定されるものではない。
(実施例1〜8、比較例1〜5)
(1) 基体フィルムの調整
【0028】
上記割合の組成物に、表−1に示す防曇剤と4級アンモニウム塩を配合してなる組成物を、スーパーミキサーを用いて10分撹拌し、バンバリーミキサーで溶融した後、180℃に加熱したカレンダーロールに供給し、表−2に示す製膜加工条件A〜Cに従って、カレンダー成形し、冷却ロールにて室温まで冷却してから紙管に巻き取り、厚さ0.10mmのフィルムを平成7年6月1日に作製した。そして、ブルーム、ブリード性、防曇性、60℃×10分加熱処理後の収縮率を、表−1に記載した。
【0029】
(1) ブルーム、ブリードの評価(平成7年11月1日展張直後)
作製したフィルム巻物を常温で5ヶ月保管後、展張できる形状に高周波ミシンで接着加工した後、折り畳んで展張場所へ運んで、パイプハウスに展張し、フィルムのブルーム、ブリードを評価した。
5:ほぼ完全にフィルムが透明。
4:少し白い粉状のブルームがあるが、ほぼ透明。
3:白い粉状のブルームがあり、透明性が少し阻害される。
2:油が浮いた感じでブリードがあり、フィルムが梨地状で透明性が劣る。
1:ブルーム、ブリードが著しく、不透明である。
【0030】
(2) 低温初期防曇性
3℃の低温室内に、屋根型ハウス(高さ1m、幅50cm×2m、傾斜角15度) を作製、ハウス内に22℃の温水流し、ハウス屋根面に試験フィルムを展張し、3時間後の防曇性を評価した。
5:水滴が筋状に均一に濡れ、透明である。
4:水滴が筋状に流れ始め、かなり透明である。
3:水滴が成長し、白く光っている部分がなく、全体に透明感がある。
2:細かい水滴が付着しているが、一部分に透明感がある。
1:細かい水滴が全面に付着し、白く光って見える。
【0031】
(3) 屋外防曇性
フィルムを、三重県一志郡の試験圃場に設置したパイプハウス(間口3m、奥行き5m、棟高1.5m)の側面に、被膜を設けた面をハウスの外側にして被覆し、平成7年11月〜平成8年11月までの1年間展張試験を行った。展張したフィルムについて、以下の方法により、防曇性を評価した。
5:一面に均一に濡れ、水膜が完全に透明である。
4:ほぼ均一に濡れ、水膜がほぼ透明。
3:水滴が付着した、一部分が不透明である。
2:水滴が多く付着し、不透明な部分が多い。
1:全面に細かい水滴が付着し、不透明。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】
前記表−1の結果から明らかなように、本発明の農業用塩化ビニル系樹脂フィルムは、防曇剤の過剰ブルーム、ブリードを防止し、軟質農ビフィルム本来の特徴である透明性を発揮することができる。そして、配合した防曇剤の低温防曇性、屋外での防曇性及び防曇持続性を阻害することが無く、農業用被覆資材としての利用価値は極めて大きい。
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