JP3581827B2 - 縮んだ生地の復元整形仕上げ方法および装置 - Google Patents

縮んだ生地の復元整形仕上げ方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばワイシャツのカラーやカフス等を仕上げるための技術分野に属し、より詳しくは、洗濯により縮んだ生地を復元できるようにする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
ワイシャツのカラーやカフス部分、前身頃のボタンホール部分は、表裏二枚の生地の間に薄い接着芯地をはさみ込んで高圧プレスにより圧着して構成している。
【0003】
しかし上記接着芯地は、材料によって率に差はあるが、洗濯により縮む。通常10〜15%くらい縮む。
【0004】
機械による仕上げでは、洗濯、脱水したワイシャツを半乾きの状態で、つまり上述の縮んだ状態のままプレス仕上げを行うことになり、仕上がった状態では新品の時と比べると首回りや手首回りのサイズが小さくなってしまう。機械仕上げでは作業効率を優先するため、高温で一気に仕上げるので、なおさら縮みは戻らない。
【0005】
これまでは、上述のように接着芯地が縮むという事実が一般には知られていないこともあり、黙認されてきた。しかし、特にあつらえたワイシャツで縮みが起こると事故品ともいえる状態になってしまい、容認できない場合もあり、業界においては良き解決策が望まれていた。
【0006】
【解決すべき課題及びそのための手段】
そこでこの発明は、機械で仕上げる場合でも簡単に芯地の縮みを伸ばし、この状態でプレス仕上げが出来るようにすることを主たる課題とする。
【0007】
そのための手段は、下鏝と上鏝とで生地を挟んでプレスする縮んだ生地の復元整形仕上げ方法であって、上記下鏝の上に乗せた洗濯によって縮んだ生地に対して蒸気を吹き付ける加熱処理と、上記プレス中又はその前段で、下鏝と上鏝との相互間に設けた伸張機構を用いて上記縮んだ生地の端部を掴み、該縮んだ生地を引っ張って元の寸法に復元するよう伸ばす伸張処理とを有する縮んだ生地の復元整形仕上げ方法であることを特徴とする。
【0008】
なお、上記下鏝は、プレスに際して生地を安定させる側の鏝であって、上鏝は上記下鏝に対して接離する鏝であり、下鏝の「下」と上鏝の「上」は、位置の上下のみを意味しない。
【0009】
また、プレスとは、圧力を掛けて強く押えることをいい、プレスしている時とは、可動する鏝が生地に強く当ってから離れるまでの時間のことである。つまり、可動する鏝が動いていてもその生地に強く当るまではプレスの時ではなく、プレスの前段である。
【0010】
すなわちカラーやカフス等の生地の仕上げに際しては、下鏝の上に生地(カラー及び/又はカフス、若しくは、前身頃のボタンホール部分)を乗せ、プレス中またはその前段に伸張機構を用いて生地を引っ張って伸ばす。そして下鏝と上鏝とで生地を強く押えるプレスを行う。このプレスは、上記伸張機構による伸張のあと、遅滞なく、続けて行う。生地の伸張をプレス中に行うときには、生地の部分から全体へ、時間差をつけてプレスを行う。この時間差の間に生地は伸ばされる。生地の伸張は、生地の左右両端部を引っ張って行うも、生地の一方を固定して他方を引っ張って行うもよい。
【0011】
生地は伸ばされ、この状態でプレスされるので、縮みのない新品と同様の状態となる整形仕上げができる。
【0012】
伸張処理は、生地の両端部を掴んで引っ張る伸張機構で行うとよい。手で伸張させるのと同様にきれいに伸ばすことができるとともに、生地のセットも容易であり、その伸張機構も簡素に構成できるからである。
【0013】
加熱処理は、蒸気を吹き付けることにより行えばよい。この加熱処理を行うと、生地の芯地が緩むので伸びやすくなる
【0014】
下鏝の上に乗せた縮んだ生地に対して高温の蒸気を噴射させように構成するので、水分の付与と熱の付与を同時にできる。
【0015】
上記伸張処理と加熱処理は、加熱処理をしてから伸張処理をするも、伸張処理してから加熱処理をするも、同時に行うもよい。「してから」とは処理開始時点の前後のことをいい、処理が重なることも含む。二つの処理を同期して行えば、作業時間の短縮を図ることができる。
【0016】
上記のように蒸気で加熱する場合には、熱も水分も瞬時に加わるので、生地はすぐに伸びやすい状態になるので、伸張処理との時間差はいずれが先であろうと大差はなく、きれいに仕上げられる。
【0017】
また別の手段は、下鏝に乗せた生地を上鏝との間に挟んでプレスする縮んだ生地の復元整形仕上げ装置であって、上記下鏝の内部には、下鏝に乗せた洗濯によって縮んだ生地に対して蒸気を吹き付ける蒸気供給手段を設け、上記下鏝の上に位置する上記縮んだ生地の端部を掴み、該縮んだ生地を引っ張って元の寸法に限界まで復元するよう伸ばす伸張機構を設けた縮んだ生地の復元整形仕上げ装置であることを特徴とする。
【0018】
すなわちカラーやカフス等の縮んだ生地の復元整形仕上げは、下鏝の上に生地を乗せ、伸張機構で生地に力を加えて広げ、伸張した状態の生地を下鏝と上鏝との間に挟んでプレスを行う。生地の伸張はプレス中またはその前段に行う。生地の伸張をプレス中に行う場合には、生地の部分から全体へ、時間差をつけてプレスを行う。生地は伸ばされ、この状態でプレスされるので、縮みのない新品と同様の状態となる復元整形仕上げができる。
【0019】
なお、前記伸張機構は、例えば縮んだ生地の端掴む掴み手段と、該掴み手段を生地が縮んだ方向の反対方向に移動させる引っ張り手段とを備えて構成するとよい。手で伸張させるのと同様にきれいに伸ばすことができるとともに、その機構も簡素に構成できるからである。掴み手段は下鏝の左右両側に出没可能に配設するほか、例えば前記掴み手段を上鏝から出没自在に形成したり、対向する下鏝と上鏝との接点で構成したりするもよく、この場合には、下鏝の対応位置を移動(後退)させる機構で前記引っ張り手段を構成するとよい。
【0020】
また、生地を伸びやすくするには、熱又は/及び水分を生地に加える準備手段を設けるもよい。熱を与える準備手段は、プレスのための加熱手段を内蔵した上鏝を例えば自重で軽く降下して生地に近付けたり当てたりする制御や、下鏝に内蔵する加熱手段や、下鏝から下鏝上の生地に対して生地を加熱するための蒸気を噴射する蒸気供給手段等で構成すればよく、水分を与える準備手段は、霧吹き手段で構成すればよい。なお、上述のように蒸気供給手段で構成すれば、熱も水分も同時に付与できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を以下、図面を用いて説明する。
なお、以下の実施の形態では、生地の一例としてワイシャツのカラーとカフスを整形するための方法と装置について説明する。
【0022】
(実施の形態1)
図1はカラーカフス整形装置1(以下、装置という)の正面図であり、図2はその側面図である。図1はプレスを行う下鏝2,3,3と上鏝4を説明の便宜上対向させた状態であり、この図に示したように3つの下鏝2,3,3と、これら下鏝2,3,3の上面2a,3aに対応する形状の3つのプレス面4aを有した上鏝4を有している。
【0023】
上記各下鏝2,3,3は、左右方向中間部のカラー用の下鏝2と、これの左右両側に位置するカフス用の下鏝3,3とであり、基台5の上面に支持柱6で所定高さに支持している。各下鏝2,3,3は周知の構造である。すなわち、前後方向に所定長さで上面2a,3aを左右方向に湾曲した形状であって、カラー用の下鏝2は正面視緩やかな蒲鉾形で、カフス用の下鏝3は正面視略正三角形に近い山形に形成している。
【0024】
上記上鏝4は、周知の通り、加熱手段(図示せず)を内蔵するとともに、上記下鏝2,3,3の上面に対応する形の各プレス面4aには熱板を装着しているが、上記各プレス面4aを左右に三分割して、中間に位置する上鏝中間部材4b,4c,4cのみが単独で上下動するように構成している。
【0025】
上鏝4は、基台5の背面側に枢着した左右2本の揺動アーム7,7の先端に固定し、図2に実線で示した後方への傾斜位置から、仮想線で示したように上鏝4を真っ直ぐにする位置まで、揺動可能にしている。この揺動は、揺動アーム7の下端にピストンロッド8aの先端を連結した第1エアシリンダ8で行う。
【0026】
2本の揺動アーム7と上鏝4とは、揺動アーム7同士を連結する連結板9の上に立設した第2エアシリンダ10のピストンロッド10aを介して固定する。連結板9の左右両側の11はガイドロッドである。
【0027】
また上述のように、各プレス面4aは左右に三分割して、上鏝中間部材4b,4c,4cのみが上下動するように構成するので、上記第2エアシリンダ10のピストンロッド10aの先端を固定した第1支持板12の下方に、前後両面板13,14によって所定間隔へだてて平行に設けた第2支持板15に、3つの第3エアシリンダ16を立設して、そのピストンロッド16aの先端を上鏝中間部材4b,4c,4cの上面に固定している。
【0028】
そしてこの装置1では、図3に実線で示したように、洗濯により縮んだワイシャツのカラーXやカフスY(生地)を仮想線で示したように伸ばして本来の寸法に復元するため、下鏝2,3,3と上鏝4との相互間に伸張機構17を設けている。
【0029】
この伸張機構17は、図4に示したように構成し、各下鏝2,3,3の両側部に配設するとよい。
【0030】
すなわちこの伸張機構17は、生地(カラーX、カフスY)の端掴む掴み手段18と、該掴み手段18を生地が伸張する斜め下方に移動させる引っ張り手段19とで構成している。
【0031】
掴み手段18は、方形枠状をなす支持フレーム20の内側下方に枢着した掴み用エアシリンダ21のピストンロッド21aの先端に、上記支持フレーム20の上端部に枢着され、押え片22aを有した押え部材22のアーム部22bを枢着して構成している。掴み用エアシリンダ21を駆動してピストンロッド21aを突出させると押え部材22の押え片22aが生地の端を、上記支持フレーム20の上端部に形成した受け片20aに対して押え付けるのである。上記受け片20aと押え片22aの対向面には、スベリ止めのゴム20b,22cを貼着している。
【0032】
また引っ張り手段19は、引っ張り用エアシリンダ23で構成し、引っ張り用エアシリンダ23を下鏝2,3,3の傾斜にあった所定角度に支持第24で基台5上に支持するとともに、そのピストンロッド23aの先端を、掴み手段18の上記支持フレーム20の上端に内側から固定している。この引っ張り用エアシリンダ23による引っ張りは、上鏝4を図7に示したように降下してプレスを行ったときに、掴み手段18の受け片20aと押え片22aが上鏝4と接触しない位置まで退避するように設定している。この伸張機構17は、カラー用下鏝2とカフス用下鏝3,3との間で充分な間隔がとれない場合には、前後方向に位置をずらすなどすればよい。
【0033】
このように構成した装置1でワイシャツのカラーXとカフスYを整形仕上げするには次のように行う。
まず、各下鏝2,3,3にカラーX、カフスYを広げて乗せる。この時カラーXとカフスYの両端部を受け片20aに乗せる。そしてスイッチを入れて、掴み用エアシリンダ21を駆動してピストンロッド21aを突出し、押え部材22の押え片22aを生地の両側の端に上から押え付けて掴み。続いて第1エアシリンダ8を駆動してピストンロッド8aを突出し、上鏝4を下鏝2,3,3に対向させる(図4参照)。次に各第3エアシリンダ16…をOFF(開放)して、適宜温度に加熱された各上鏝中間部材4b,4c,4cを自重で降下し、生地を軽く押圧する(図5参照)。そして生地が緩むのに必要な所定時間経過したあと、伸張機構17の引っ張り用エアシリンダ23を駆動してピストンロッド23aを後退させ、掴み手段18を斜め下方に引っ張る。この引っ張りによって生地は下鏝23上で伸び(図7の仮想線参照)、伸びる限界になったときに受け片20aと押え片22aは生地から外れ、下鏝2,3,3の下端位置よりも下の所定位置に位置するようになる。この後、第2エアシリンダ10を駆動してピストンロッド10aを突出して上鏝4を降下するとともに、各第3エアシリンダ16…を駆動してピストンロッド16aを収納し、面一になったプレス面4a、すなわち上鏝4全体で強く、下鏝2,3,3上の生地をプレスする(図6参照)。所定時間プレスした後、各エアシリンダ8,10,161…,21,23を駆動して元の状態に戻す。
【0034】
このように、仕上げのプレスをする前段で生地を伸張することができるので、洗濯によって縮んでしまった生地を元の寸法に復元してその状態でプレス仕上げをすることができる。このため、従来のようにカラーXやカフスYが不測に縮んでしまうような不都合がなく、良好な仕上り状態を得られる。
【0035】
しかも、生地の寸法を元に戻す伸張を、伸張機構17で機械的に行うので、作業が簡単になるとともに、伸張が均等に行え、均質な仕上り状態を得られる。さらに、伸張機構を上述のように構成すれば、装置の構造を比較的簡素にでき、コストを抑えられる等の利点を有する。
【0036】
(実施の形態2)
図8は、実施の形態1と同様にカラーXとカフスYを同時に整形するカラーカフス整形装置1(以下、装置という)の要部の正面図であり、説明の便宜上、下鏝2,3,3と上鏝4を対向させた状態で示している。
【0037】
この図に示したように装置1は、3つの下鏝2,3,3と、これら下鏝2,3,3の上面に対応する形状の3つのプレス面4aを有した上鏝4を有している。
【0038】
上記下鏝2,3,3は、先の例と同様に、中間位置のカラー用の下鏝2と、左右位置のカフス用の下鏝3,3であり、基台5の上面に支持柱6で所定高さに支持している。形状は先の例と同様であるが、上に乗せる生地(カラーX、カフスY)に対して熱と水分を加えることができるようにしている。すなわち、図9、図10に示したように構成している。
【0039】
これら断面図に示したように、内部は隔離壁25により上下二層(上側の空間部26と下側の空間部27)に分割しており、上面には、小径の丸孔28…を多数形成し、その上面には通気性を備えたカバー29を被着している。
【0040】
上記支柱6は中空の筒状で、内部には蒸気供給手段を備えている。すなわち、装置の内部に設けたエア供給ブロア(図示せず)に接続されたエア供給ノズル30の先端部を、上記上側の空間部26に連通するように、支柱6内の上部の隔離壁6aに固定している。上記エア供給ノズル30の噴射側には、エアを上側の空間部26内に拡散するための拡散板31を若干離間して対設し、上側の空間部26内には、蒸気供給装置(図示せず)に蒸気供給ポート(図示せず)を介して接続された蒸気パイプ32を配設している。
【0041】
上記蒸気供給ポートには、蒸気供給ノズル33を接続し、上下二層の空間部のうちの下側の空間部27と連通状態にして蒸気により下鏝2,3,3を所定の温度に加温できるように構成している。
【0042】
上記上鏝4は、下鏝2,3,3と同様、蒸気により所定の温度に加温可能に構成するとともに、上記下鏝2,3,3の上面に対応する各プレス面4aには熱板を装着している。
【0043】
この上鏝4は、基台5の背面側に枢着した左右2本の揺動アーム7,7の先端に固定し、後方の傾斜位置から、上鏝4を真っ直ぐにする位置まで揺動可能にしている。この揺動は、先の例と同様にエアシリンダで行う。
【0044】
2本の揺動アーム7,7と上鏝4とは、揺動アーム7,7同士を連結する連結板9の上に立設した第2エアシリンダ10を介して固定する。連結板9の左右両側の11はガイドロッドである。
【0045】
また、各下鏝2,3,3の近傍には、下鏝2,3,3の左右両側に出没可能な伸張機構34を設けている。この伸張機構34は、先の例と同様に、生地(カラーX、カフスY)の端掴む掴み手段35と、該掴み手段35を生地が伸張する下方に移動させる引っ張り手段36とで、図8に示したように構成している。
【0046】
掴み手段35は、先の例と同様に、受け片37と押え片38とを有するが、受け片37は、前記支柱6の側面に枢着され上下に揺動する揺動部材39の先端に固定している。揺動部材39は、上へ回動したときに下鏝2,3,3の下側の形に沿う形状で、このとき受け片37が下鏝2,3,3の側部の上面に若干の隙間をあけて位置するように、受け片37の固定を揺動部材39に対して鋭角に行っている。そして揺動部材39の先端部の受け片37より下側には、支持片40を形成し、この支持片40に枢支片41を立設して、上記押え片38の基端から延設した押え杆42を回動可能に枢着している。押え杆42の回動は、押え杆42の後端に連結した掴み用エアシリンダ43で行う。この掴み用エアシリンダ43の基部は、上記揺動部材39の下面側に枢着している。
【0047】
また、この揺動部材39を上下に揺動する引っ張り手段36は、揺動部材39の下面側に先端を枢着し、支柱6の下端部に基部を枢着した引っ張り用エアシリンダ44で構成している。この引っ張り用エアシリンダ44による揺動は、下に下げたときに掴み手段35が、上鏝4を降下したときの下面位置よりも下に位置し、上鏝4と接しないように設定している。
【0048】
このように構成した装置1でワイシャツのカラーXとカフスYを整形仕上げするには、次のように行う。
【0049】
まず、掴み手段35の押え片38を受け片37から離間した状態で、掴み手段35を各下鏝2,3,3の左右両側部の上面に位置させる。そして各下鏝2,3,3の上に生地(カラーX、カフスY)を広げて乗せ、掴み手段35の押え片38を倒して生地の両側の端部を掴む
【0050】
続いて上鏝4を下鏝2,3,3に対向させるとともに、下鏝2,3,3から蒸気を噴射して生地に当てる。生地は掴み手段35で固定されており、不測に動くことはなく、初めに広げた状態を保持できる。蒸気の温度は約150度以上であればよく、噴射は、1秒から5秒程度でよい。生地は湿気を含むとともに加熱され、すぐに伸びやすい状態になる。
【0051】
この蒸気の噴射と同時にまたは少しおいてから、引っ張り手段36を駆動して、掴み手段35を離間方向に移動させ、生地の伸張を行う(図11参照)。具体的には、例えば、蒸気の噴射を5秒間行い、その蒸気の噴射と同時に引っ張り手段36を駆動すればよい。所定時間引っ張り手段36を駆動した後、掴み手段35の掴み用エアシリンダ43を駆動して、生地を放す。放すと、掴み手段35は、引っ張り手段36(引っ張り用エアシリンダ44)の動作により下鏝2,3,3の下方に退避する。
【0052】
この時、第2エアシリンダ10を駆動して、加熱した上鏝4を降下させ、下鏝2,3,3に対して強く押し付けて生地のプレス仕上げを行う。所定時間のプレス後、各部を元の状態に戻す。
【0053】
なお、上鏝4によるプレス時に上鏝4が掴み手段35に当らないように各部の構造や形状、寸法、動作のタイミングを設定すれば、上述のようにプレスに先だって生地を放さずともよい。
【0054】
また、図12に示したように、下鏝2,3,3から蒸気を噴射せずに、第2エアシリンダ10をOFF(開放)して、加熱した上鏝4を自重落下させて、生地に近付け、または軽く接触させて生地の加熱を行うもよく、蒸気の噴射や引っ張り手段36の駆動、第2エアシリンダ10の駆動のタイミングを適宜設定することにより、生地の種類や状態に応じて最良の整形仕上げを行うことができる。
【0055】
このように構成した装置1でも、先の例と同様に、洗濯により縮んだ生地を伸ばした良好な仕上り状態を得ることができる。
【0056】
しかも、生地に対しては蒸気を噴射するように構成したので、瞬時に高温にすることができるので、作業効率がよい。そのうえ、生地に蒸気を当てて加熱するため、生地に湿気を含ませることもできるので、水洗い後時間が経過して乾き始めた生地に対してもそのまま復元整形仕上げができ、作業性がよい。
【0057】
また、蒸気は生地に対して均等に作用するとともに、別途に水分付与のための手段を設ける必要がないので、作業は容易であり、また下鏝周りを整理でき、作業の安全確保にも資する。
【0058】
さらに、伸張手段34は、揺動部材39の基部を支柱6の側面に枢着した構成であり、下鏝2,3,3の下側の空間を有効に利用した構成であるので、下鏝2,3,3間の部位に余裕ができ、装置1がコンパクトになるとともに、外観も良好になる。
【0059】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、プレスの前に生地を伸張することができるので、洗濯によって縮んでしまった生地を元の寸法に復元してその状態でプレス仕上げをすることができる。このため、従来のようにカラーやカフス等の生地が不測に縮んでしまうような不都合がなく、良好な仕上り状態を得られる。
【0060】
しかも、生地の伸張を伸張機構により機械的に行うので、作業が簡単かつ安全になるとともに、伸張作業が均等に行え、均質な仕上り状態を得られる。
【0061】
そしてこの発明によれば、整形仕上げが良好なのはもちろんのこと、生地の洗濯自体を簡単化できる。
すなわち、これまでは生地の縮みが怖いので、洗濯に際しては水の温度を厳しく管理しなければならなかった。温度が高ければ汚れは落ちるが甚だしい縮みが起こるからである。縮み抑制と汚れ落ちの両立は難しかった。しかし、この発明によって、洗いに際しては縮みよりも汚れ落ちを重視すればよく、職人の熟練性は不要で、簡易迅速で満足のゆく洗いが行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】カラーカフス整形装置の正面図。
【図2】カラーカフス整形装置の側面図。
【図3】作用状態の平面図。
【図4】伸張機構の断面図。
【図5】作業工程の一部を示す正面図。
【図6】作業工程の一部を示す正面図。
【図7】作業工程の一部を示す正面図。
【図8】他の例に係るカラーカフス整形装置の正面図。
【図9】カラー用下鏝の断面図。
【図10】カフス用下鏝の断面図。
【図11】作業工程の一部を示す正面図。
【図12】作業工程の一部を示す正面図。
【符号の説明】
1…カラーカフス整形装置
2…カラー用下鏝
3…カフス用下鏝
4…上鏝
4b,4c…上鏝中間部材
8…第1エアシリンダ
10…第2エアシリンダ
16…第3エアシリンダ
17…伸張機構
18…掴み手段
19…引っ張り手段
30…エア供給ノズル
32…蒸気パイプ
34…伸張機構
35…掴み手段
36…引っ張り手段
X…カラー
Y…カフス

Claims (10)

  1. 下鏝と上鏝とで生地を挟んでプレスする縮んだ生地の復元整形仕上げ方法であって、
    上記下鏝の上に乗せた洗濯によって縮んだ生地に対して蒸気を吹き付ける加熱処理と、
    上記プレス中又はその前段で、下鏝と上鏝との相互間に設けた伸張機構を用いて上記縮んだ生地の端部を掴み、該縮んだ生地を引っ張って元の寸法に復元するよう伸ばす伸張処理とを有する
    縮んだ生地の復元整形仕上げ方法。
  2. 前記伸張処理を、前記縮んだ生地の両端部を引っ張って行う
    請求項1に記載の縮んだ生地の復元整形仕上げ方法。
  3. 前記伸張処理を、下鏝の両側部にそれぞれ設けた伸張機構を用いて縮んだ生地の端部を掴み、縮んだ生地の両端部をそれぞれ生地が縮んだ方向の反対方向に引っ張って行う
    請求項1に記載の縮んだ生地の復元整形仕上げ方法。
  4. 前記加熱処理を、下鏝内に設けた蒸気供給手段から下鏝上の生地に対して蒸気を吹き付けて行う
    請求項1から3のうちのいずれか一項に記載の縮んだ生地の復元整形仕上げ方法。
  5. 前記加熱処理と前記伸張処理を同期して行う
    請求項1から4のうちのいずれか一項に記載の縮んだ生地の復元整形仕上げ方法。
  6. 前記縮んだ生地が、少なくとも接着芯地を有するシャツのカラー、カフス又は前身頃のボタンホール部分である
    請求項1から5のうちのいずれか一項に記載の縮んだ生地の復元整形仕上げ方法。
  7. 下鏝に乗せた生地を上鏝との間に挟んでプレスする縮んだ生地の復元整形仕上げ装置であって、
    上記下鏝の内部には、下鏝に乗せた洗濯によって縮んだ生地に対して蒸気を吹き付ける蒸気供給手段を設け、
    上記下鏝の上に位置する上記縮んだ生地の端部を掴み、該縮んだ生地を引っ張って元の寸法に限界まで復元するよう伸ばす伸張機構を設けた
    縮んだ生地の復元整形仕上げ装置。
  8. 前記伸張機構前記縮んだ生地の端掴む掴み手段と、該掴み手段を生地が縮んだ方向の反対方向に移動させる引っ張り手段とを有する
    請求項7に記載の縮んだ生地の復元整形仕上げ装置。
  9. 前記伸張機構を、前記縮んだ生地の両端部をそれぞれ掴んで引っ張るべく、前記下鏝の両側部に設けた
    請求項7又は8に記載の縮んだ生地の復元整形仕上げ装置。
  10. 前記下鏝の上面を、上へ凸に湾曲形成した
    請求項7から9のうちのいずれか一項に記載の縮んだ生地の復元整形仕上げ装置。
JP2000374083A 1999-12-20 2000-12-08 縮んだ生地の復元整形仕上げ方法および装置 Expired - Fee Related JP3581827B2 (ja)

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