JP3580978B2 - 塵芥収集車の塵芥積込装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、塵芥収集車の塵芥積込装置に係わり、特に分別された嵩の低い厨雑芥等の塵芥と嵩の高い空き缶やペットボトル等のいわゆる資源ゴミ等の塵芥等との様に異なる種類の塵芥を効率的に積み込み可能にして塵芥収集車の共用化が図り得る塵芥収集車の塵芥積込装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、塵芥収集車は、例えば、図13に概略を示すように車両の中央に塵芥収容箱101が設けられ、この収容箱101の後方に塵芥投入箱102が配置されている。そして投入口から塵芥投入箱102に投入された塵芥は塵芥投入箱102に設けられた塵芥積込装置103によって塵芥収集箱101内に積み込まれるように構成されている。
【0003】
この塵芥積込装置103は、塵芥投入箱102に車幅方向に沿って設けられた回転軸104によって回転自在に軸支される回転板105と、回転軸104の上方で車幅方向に沿って塵芥投入箱102に設けられた押込板支持軸106に揺動自在に支持された押込板107とを有し、回転板105は回転軸104を介して例えば油圧モータ(図示せず)によって、押込板107は油圧シリンダ108によって各々作動する。
【0004】
塵芥積込装置103の作動を図14によって説明すると、先ず、同図(a)に示すように回転板105の先端が塵芥収容箱101の床面101aと略同一高さに位置し、かつ押込板107が揺動前端位置にある状態において投入口から塵芥を塵芥投入箱102内に投入し、積込ボタン等を操作するとその信号に従って回転板105が(b)に示すように回転開始し、押込板107が揺動前端位置より揺動後端位置に向けての揺動を開始すると共に回転板105により投入された塵芥wの掻き上げを開始する。
【0005】
そして(c)に示す塵芥掻上げ工程おいて押込板107は回転軸104と対応する揺動後端位置で停止し、引き続き回転する回転板105によって塵芥の掻き上げを続行し、(d)に示すように回転板105の先端が塵芥収容箱101の床面101aと略同一高さまで回転して停止する。続く塵芥押込工程を(e)に示すように押込板107を揺動後端位置から揺動前端位置に揺動することにより回転板105によって掻き上げられた回転板105上の塵芥を塵芥収容箱101に押し込み、押込板107は揺動前端位置で停止して(a)に示す塵芥投入工程に復帰する。この(a)に示す塵芥投入工程から(e)に示す塵芥押込工程までの各工程を繰り返すことにより塵芥投入箱102に投入される塵芥を順次塵芥収容箱102に押し込む。
【0006】
このような塵芥投入箱内に投入された塵芥を回転板によって掻き上げ、回転板によって掻き上げられた塵芥を揺動する押込板によって塵芥収容箱に押し込む、いわゆる回転式積込装置の先行技術としては、例えば実開平2ー64502号公報がある。
【0007】
この先行技術に開示され塵芥収集車の塵芥積込装置は、図15に積込装置の要部断面図を示すように、塵芥投入箱102に設けられた押込板支持軸106に揺動自在に支持された押込板107と、押込板107を揺動せしめる油圧シリンダ(図示せず)と、押込板107の前面に揺動自在に設けられた補助押込板108と、補助押込板108を揺動させる補助油圧シリンダ109とを有し、塵芥収容箱101に押込板107の揺動により徐々に塵芥wを押し込み、塵芥収容箱101内に塵芥wが満杯に近くなり、前進揺動時の油圧シリンダに所定圧を越える負荷が作用したとき補助油圧シリンダ109によって補助押込板108を上方に揺動することによって更に塵芥wを塵芥収容箱101の後部上方の空間内にも押し込むことにより効率よく塵芥収容箱101に塵芥wを積み込むものである。
【0008】
一方、環境問題や資源再利用に対する関心の高まりから空き缶や樹脂製品、例えば空き缶やペットボトル等の再資源化が叫ばれている。再資源材料として厨雑芥等とは分別されて回収される資源ゴミ、例えば空き缶やペットボトル等の塵芥は一般に嵩が高く、これら嵩の高い塵芥を効率よく回収するため、塵芥を圧潰して減容せしめて塵芥収容箱に押し込む塵芥収集車の塵芥積込装置がある。
【0009】
この塵芥収集車の積込装置の先行技術としては、例えば特開平8ー225105号公報がある。
【0010】
この先行技術に開示され塵芥収集車の塵芥積込装置は、図16に要部断面図を示すように、塵芥収容箱101の後方に塵芥投入箱102が設けられ、この塵芥投入箱102の上方に、塵芥収容箱101と塵芥投入箱102とを仕切る固定遮蔽板121が設けられ、固定遮蔽板121の後方に油圧シリンダにより上下方向に移動する可動遮蔽板122が設けられている。
【0011】
可動遮蔽板122の下端に掻込板123が揺動可能に支持され、掻込板123の掻込部123aの上部前方には先端が掻込板123の揺動軸芯を中心とする湾曲形状の補助部材123bが若干上向きに突出形成され、掻込部123aの前側と補助部材123bの後側との間に凹部123cが形成されている。油圧シリンダ124の伸縮によって掻込板123が掻き込み方向及び反転方向に回動駆動される。塵芥投入箱102の下方には円弧状の底板125が設けられ、底板125の前側には前部底板126が配置されている。
【0012】
そして、図17の(a)に示す可動遮蔽板122が上昇した状態で、塵芥wを塵芥投入箱102内に投入されると、油圧シリンダ124が収縮して同図(b)に示す状態まで掻込板123を回動させる。これにより掻込板123は掻き込み始動状態にされる。次いで、同図(c)に示すように可動遮蔽板122が掻込板123と共に下降し、更に同図(d)に示すように油圧シリンダ124の伸長によって掻込板123を掻き込み方向に回動させて底板125上の塵芥wを前部底板126まで移動させる。
【0013】
この掻込板123が掻き込み方向に回動して塵芥wを掻き込むとき、塵芥投入箱102の底板125と掻込板123の凹部123cとの間に塵芥wが密閉状態で挟まれて圧潰されて塵芥wが減容され、塵芥wは補助部材123aの先端と前部底板126との隙間を通過する際に更に潰される。
【0014】
次いで同図(e)に示すように、可動遮蔽板122が掻込板123と共に上昇して塵芥wは、前部底板126に案内さて塵芥収集箱101内に積み込まれるように構成されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上記前者先行技術である実開平2ー64502号公報に開示され塵芥収集車の積込装置にあっては、塵芥収容箱内に塵芥が満杯に近くなると、補助押込板を上方に揺動することから塵芥収容箱の後部上方の空間内にも塵芥を押し込むことにより効率よく塵芥収容箱に塵芥を積み込むことが可能になる。一方特開平8ー225105号公報に示される先行技術の塵芥収集車の積込装置は、上下方向に移動する可動遮蔽板の下端に掻込板が揺動可能に支持され、掻込板の掻込部の上部前方に若干上向きに突出形成される補助部材を設け、掻込部と補助部材との間に凹部を形成し、塵芥投入箱の下方には円弧状の底板及び前部底板を配置することによって塵芥投入箱の底板と掻込板の凹部との間及び補助部材の先端と前部底板との隙間を通過する際塵芥を圧潰することによって減容して塵芥収容箱内に嵩の高い塵芥を効率的に積み込むように構成されている。
【0016】
しかし、前者にあっては主に厨雑芥等の嵩の低い塵芥を積み込むのに適した塵芥収集車の積込装置であり、空き缶やペットボトル等の嵩の高い塵芥を積み込むとその塵芥収容箱内への塵芥積載効率が好ましくなく収集及び輸送コストの高騰を招き、また後者にあっては嵩の高い塵芥を圧潰して減容して効率的に積み込み得るものの、厨雑芥等の塵芥に掻込板による過大の圧力が付与されると塵芥に含まれていた汚水が周囲に飛散する等の不具合があり、これら各々異なる塵芥積込装置を有する塵芥収集車の一方を共用することは作業効率上好ましくなく、また塵芥の種類に応じた塵芥収集車を各々準備して塵芥の種類の応じて使い分けることはその維持管理が複雑になり、かつコストの高騰を招く等の不具合がある。
【0017】
従って、本発明は、かかる点に鑑みなされたものであり、その目的は、分別された厨雑芥等の嵩の低い塵芥及び空き缶やペットボトル等の嵩の高い、いわゆる資源ゴミ等の塵芥等の異なる種類の塵芥を効率的に積み込み得ることを可能にして塵芥収集車の共用化を図り維持管理を容易にすると共にコストの低減が期待できる塵芥収集車の塵芥積込装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明による塵芥収集車の塵芥積込装置は、塵芥収容箱の後方に塵芥投入箱が連接して配置され、該塵芥投入箱に投入された塵芥を上記塵芥収容箱内に積み込む塵芥収集車の塵芥積込装置において、塵芥投入箱内に回転自在に設けられて該塵芥投入箱内に投入された塵芥を掻き上げる掻込面を具備する回転板と、揺動前端位置と揺動後端位置との間を揺動して上記回転板によって掻き上げられた上記掻込面上の塵芥を塵芥収容箱内に積み込む押込板と、押込板内に収納された収納位置と押込板から押込板の前方に突出する突出位置との間を移動動可能に押込板に支持される補助押込板と、該補助押込板を上記収納位置及び突出位置の一方に選択的に固定する補助押込板固定装置とを有することを特徴とする。
【0019】
従って、厨雑芥等の嵩の低い塵芥の積み込みには、補助押込板を押込板内に収納した収納位置に補助押込板固定装置によって固定し、塵芥投入箱内に投入された塵芥を回転板によって掻き上げ、回転板によって掻き上げらられた上記塵芥を押込板によって効率よく塵芥収容箱内に積み込む一方、空き缶やペットボトル等の嵩の高い塵芥を積み込む際には、押込板内から補助押込板が押込板の前方に突出する突出位置に補助押込板固定装置によって固定し、塵芥投入箱内に投入された塵芥を回転板によって掻き上げ、揺動後端位置における押込板から前方に突出する補助押込板の下面と回転板とによって塵芥を圧潰して減容した後、揺動前端位置に揺動する押込板によって減容された塵芥を効率よく塵芥収容箱内に積み込むことにより、厨雑芥等の嵩の低い塵芥及び空き缶やペットボトル等の嵩の高い塵芥等の異なる塵芥を効率的に積み込むことをを可能にして塵芥収集車の共用化を図ることが可能になり維持管理が容易になると共にコストの低減がえられる。
【0020】
更に、補助押込板の下面前端から下方に突出する塵芥移動規制部材を設けることにより塵芥収容箱側への塵芥の移動を防止して補助押込板の下面と回転板とによる塵芥の圧潰効率を高めることにして減容の確保が得られ、また補助押込板の下面に突起を具備する受圧部を設けることによって塵芥を圧潰する際、例えば、キャップによって内部に空気が密閉されたペットボトル等に突起を突き刺すことによペットボトル等を破壊して、圧潰を容易にする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による塵芥収集車の塵芥積込装置の一実施の形態を図によって説明する。
【0022】
図1は、塵芥積込装置の概要を説明する側面図であり、符号1は車両の中央に設けられる塵芥収容箱であり、この塵芥収容箱1の後方に上端がブラッケトを介して揺動可能に支持され、かつ下端が固縛装置によって床面1aの後端に係止される塵芥投入箱2が連接して配置されている。そして投入口から塵芥投入箱2に投入された塵芥は塵芥投入箱2に設けられた塵芥積込装置10によって塵芥収集箱1内に積み込まれるように構成されている。
【0023】
この塵芥積込装置10は、塵芥投入箱2に車幅方向に沿って配設された押込板支軸11に揺動自在に軸支される押込板20と、押込板支軸11の下方に平行配置される補助押込板支軸25を介して押込板20に揺動自在に軸支される補助押込板26と、押込板20の下方位置で車幅方向に沿って塵芥投入箱2に設けられた回転軸12に支持される回転板35と、作動制御装置40とを有している。
【0024】
押込板20は、略矩形であって図2に分解側面図、図3に図2の矢視Aからの要部側面図を各々示すように、一対の側枠21(一方のみ図示)と両側枠21間に横架する押込板本体22を有し、側枠21の略上下方向中央部に開口する軸孔21aに貫挿する押込板支軸11によって押込板20が塵芥投入箱2に揺動自在に軸支され、側枠21の上端と塵芥投入箱2の上端間に架設される押込板揺動シリンダ24の伸縮によって押込板20が上記押込板支軸11を揺動中心に揺動前端位置と揺動後端位置との間を往復揺動するように構成されている。
【0025】
両側枠21間に横架する押込板本体22は、両側枠21の上部間に横架する上部押込板本体22aと、両側枠21の下端間に上部押込板本体22aと離間して横架する下部押込板本体22bとを具備し、これら両側枠21、上部押込板本体22a及び下部押込板本体22bによって補助押込板26を収納可能に開口する補助押込板収容部23が形成され、更に補助押込板収容部23の上部に対応して車幅方向に沿う軸芯を有する軸受孔21bが両側枠21に形成されている。
【0026】
補助押込板26は、略矩形に開口する上記補助押込板収容部23内に嵌合収納可能な略矩形であって、補助押込板26の両上端に上記押込板20の両側枠21に形成される軸受孔21bに嵌入する補助押込板支軸25が突設され、この補助押込板支軸25を軸受孔21bに挿入することによって補助押込板26が揺動自在に軸支され、更に補助押込板26の下面に図4に図2の矢視Bからの要部側面図を示すように鋸歯状に突出する多数の突起27aを具備する受圧部27及び補助押込板26の下縁に沿って受圧部27の前端から下方に突出する塵芥移動規制部材28が各々設けられている。
【0027】
押込板20と補助押込板26との間には、軸受孔21bに嵌入する補助押込板支軸25によって揺動自在に軸支される補助押込板26を、図1に示すように補助押込板26の前面26aが押込板20の前面20aと略連続して補助押込板収容部23内に収納される収納位置と、図6に図1と対応する部材に同一符号を付するように、補助押込板26の受圧部27が前方に突出する突出位置とに位置決め固定する補助押込板固定装置30が設けられている。
【0028】
補助押込板固定装置30は、図3に示すように押込板20の側枠21に形成され、上記軸受孔21bから同軸芯中心を有する円周上で軸受孔21bから軸芯間が距離a離間して配設される第1ロックピン嵌入孔31a及び第2ロックピン嵌入孔31bと、図2のC部拡大断面を示す図5に示すように補助押込板26に設けられるロックピン機構32とにより構成されている。
【0029】
ロックピン機構32は、補助押込板26の側枠29に補助押込板支軸25から軸芯間が距離a離間して設けられるロックピン案内筒32aと、先端が上記第1及び第2ロックピン嵌入孔31a、31bに挿入可能に形成されてロックピン案内筒32a内を摺動するロックピン32bと、ロックピン案内筒32aの車幅方向の内方端に設けられた規制板32cとロックピン32bとの間に弾装されてロックピン32bを車幅外方向に付勢するスプリング32dと、ロックピン32bの基端に軸支されて規制板32cに摺接する偏芯カム32eを具備する操作レバー32fとによって構成され、操作レバー32fを図5に二点鎖線で示すように水平方向に倒すことによって規制板32c上を摺接する偏芯カム32eによってスプリング32dの付勢力に抗してロックピン32bを牽引しその先端がロックピン案内筒32a内に収容するよう摺動移動し、操作レバー32fを起立させることによって偏芯カム32eによる牽引が解除されてスプリング32dの付勢力によって先端がロックピン案内筒32aから突出するようロックピン32bが移動するように構成されている。
【0030】
そして、軸受孔21bに嵌入する補助押込板支軸25によって揺動可能に押込板20に軸支された補助押込板26を、図1に示すように補助押込板収容部23内に収納された収納状態或いは、図6に示すように補助押込板26の下面に設けられた受圧部27が補助押込板収容部23から突出した突出状態で操作レバー32fを図5に二点鎖線で示す水平状態から実線で示すように起立させてロックピン32bの先端をロックピン案内筒32a の先端から突出せしめることによってロックピン32bの先端を押込板20の側枠21に設けられた第1ロックピン嵌入孔31a或いは第2ロックピン嵌入孔31bに選択的に嵌入することによって補助押込板26が補助押込板収容部23内に収納された図1に示す収納状態或いは、補助押込板26が補助押込板収容部23から突出した図6に示す突出状態に保持される。
【0031】
一方、操作レバー32fを図5に二点鎖線で示すように水平状態に倒すことによりロックピン32bの先端がロックピン案内筒32a内に収容されて第1ロックピン嵌入孔31a或いは第2ロックピン嵌入孔31b内から抜脱して補助押込板固定装置30による係合が解除されて押込板20に対する補助押込板26の揺動が許容される。
【0032】
制御装置40は、図7に概要を示し、図8に回路図を示すように操作盤41、押込板作動検出スイッチ42、回転板作動検出スイッチ43、作動タイミング切換スイッチ47及びコントローラ48等を有し、操作盤41の操作によって押込板作動検出スイッチ42及び回転板検出スイッチ43等の信号に基づいてコントローラ48によって押込板揺動シリンダ24、回転軸12を回転駆動するための回転駆動装置、例えば油圧モータ(図示せず)を作動せしめて押込板20及び回転板35を駆動するように構成されている。図中符号49は押込板揺動シリンダ24を作動せしめる押込板作動バルブである。
【0033】
回転板検出スイッチ43について、図7のD部の要部拡大を示す図9及び図9のE−E線断面を示す図10によって説明する。
【0034】
回転板検出スイッチ43は、塵芥投入箱2の側板に設けられるスイッチブラケット44によって回転軸12の端部近傍の所定位置に取り付けられる第1近接スイッチ45a、第2近接スイッチ46a及び回転軸12の端部に設けられる円弧状の検知体となる第1カム45b、第2カム46bを有し、第1近接スイッチ45a及び第1カム45bによって第1スイッチ45を形成し、第2近接スイッチ46a及び第2カム46bによって第2スイッチ46を形成している。
【0035】
第1カム45bの円弧長に対して第2カム46bの円弧長が大きく設定され、回転軸12の矢印F方向の回転に伴って第1カム45bの円弧部の先端が第1近接スイッチ45aに接近することによって第1スイッチ45がONし、更に回転軸12が回転して回転板35が図1に示す押込板戻り開始時回開転板位置Iに達する位置まで回転すると第1カム45bの円弧端の後端が第1近接スイッチ45aから離間して第1スイッチ45がOFFとなる。同様に、回転軸12の回転によって第2カム46bの円弧部の先端が第2近接スイッチ46aに接近すると第2スイッチ46がONし、更に回転軸12が回転して回転板35が図6に示す押込板戻り開始時回開転板位置Iに達すると第2カム46bの円弧部の後端が第2近接スイッチ46aから離間して第2スイッチ46がOFFとなる。
【0036】
第1スイッチ45及び第2スイッチ46とコントローラ48の間に作動タイミング切換スイッチ47が設けられ、操作盤41の操作によって作動タイミング切換スイッチ47を切り換え操作することによって第1スイッチ45及び第2スイッチ46からの一方の信号を選択してコントローラ48に伝達するように構成されている。
【0037】
そして、回転軸12によって回転する回転板35が図1及び図6に示す積込開始時回転板位置IIまで回転すると第1スイッチ45或いは第2スイッチ46がONし、油圧モータによる回転板35の回転が停止して回転板35を積込開始時回転板位置IIに保持すると共にその信号がコントローラ48に入力され、コントローラ48からの指示に従って押込板作動バルブ49を介して押込板揺動シリンダ24を伸長させることにより一点鎖線で示す揺動後端位置に位置する押込板20を実線で示す揺動前端位置まで揺動させ、かつ揺動前端位置に押込板20を停止保持する。更に回転板20が回転して第1スイッチ45或いは第2スイッチ46がOFF作動するとその信号がコントローラ48に入力され、コントローラ48からの指示に従って押込板揺動シリンダ24を収縮させることにより揺動前端位置に位置する押込板35を揺動後端位置へ向けて揺動し、押込板20が揺動後端位置まで揺動すると押込板作動検出スイッチ42によりそれを検知し、押込板揺動シリンダ24の収縮を停止して押込板20を揺動後端位置に保持するように構成されている。
【0038】
次に、このように構成される塵芥収集車の塵芥積込装置10の作動について説明する。
【0039】
先ず、比較的嵩の低い厨雑芥等の塵芥を塵芥投入箱2に投入し、その塵芥を塵芥積込装置10によって塵芥収容箱1に積み込む場合について説明する。
【0040】
塵芥投入箱2への塵芥投入に先立って予め、軸受孔21bに嵌入する補助押込板支軸25によって押込板20に揺動自在に軸支された補助押込板26を図1に実線で示すように補助押込板収容部23内に収納させた状態で補助押込板固定装置30の第1ロックピン嵌入孔31aとロックピン32bとを対向せしめ、操作レバー32fを起立操作することによってスプリング32dの付勢力によりロックピン案内筒32aの先端からロックピン32bの先端を突出させて第1ロックピン嵌入孔31aに嵌入させることにより押込板20と補助押込板26との係合を図り、補助押込板26を補助押込板収容部23内に収納させた図1に示す収納状態に保持させ、かつ操作盤41によって作動タイミング切換スイッチ47を第1スイッチ45がコントローラ48に入力するよう切換設定して準備する。
【0041】
そして、図11の(a)に示す回転板35の先端が塵芥収容箱1の床面1aの後端と略一致する積込開始時回転板位置IIでかつ押込板20が揺動前端位置に各々停止する状態で塵芥を投入口から塵芥投入箱2内に投入し、操作盤41の作動スイッチ操作により塵芥押込装置10を作動させる。
【0042】
操作盤41の作動スイッチ操作により油圧モータが作動すると共に回転板作動検出スイッチ43の第1スイッチ45がON状態に設定され、油圧モータによって回転軸12が回転駆動され、回転板35が回転すると共に回転軸12に設けられた第1スイッチ45の第1カム45bが一体的に回転する。
【0043】
回転板35が図11の(b)に示す押込板戻り開始時回転板位置Iに達すると回転軸12に設けられた第1カム45bの後端が第1近接スイッチ45aから離間して第1スイッチ45がOFF作動する。そしてその信号が作動タイミング切換スイッチ47を介してコントローラ48に入力され、コントローラ48からの指示に従って押込板作動バルブ24を介して押込板揺動シリンダ24を収縮させることにより揺動前端位置にある押込板20を揺動後端位置へ向けて揺動開始させる。
【0044】
回転板35が更に回転して図11の(c)に示す押込板戻り完了時回転板位置IIIに達すると、押込板20が揺動後端位置まで揺動し、揺動後端位置まで退避した押込板20により押込板作動検出スイッチ42が作動して押込板揺動シリンダ24の収縮を停止し、押込板20を揺動後端位置に保持する。
【0045】
回転板35は、回転が続行されて塵芥投入箱2内に投入された塵芥を回転板35の掻上面35aによって掻き上げ、回転板35の先端が塵芥収容箱1の床面1aの後端と略一致する積込開始時回転板位置IIまで達すると、回転軸12に設けられた第1カム45bの先端が第1近接スイッチ45aに接近して第1スイッチ45がON作動する。そしてその信号が作動タイミング切換スイッチ47を介してコントローラ48に入力され、コントローラ48からの指示により油圧モータによる回転軸12の回転駆動が停止し、回転板35は図11の(d)に示すように積込開始時回転板位置IIで停止する。
【0046】
更に、第1スイッチ45のON作動するとその信号がコントローラ48に入力され、コントローラ48からの指示に従って押込板作動バルブ49を介して押込板揺動シリンダ24が伸長して図11の(e)のように揺動後端位置に位置する押込板20を揺動前端位置まで揺動させて回転板20によって掻き上げられた回転板20の掻上面35a上の塵芥を塵芥収容箱1内に押し込み、回転板35が積込開始時回転板位置IIでかつ押込板20が揺動前端位置に停止した図11の(a)に示す状態に復帰する。
【0047】
これら図11の(a)から(e)に示す各作動を繰り返すことにより投入口から連続的に塵芥投入箱2内に投入された塵芥を順次塵芥収容箱1に押し込み収容する。
【0048】
次に、比較的嵩の高い空き缶やペットボトル等の塵芥を塵芥投入箱2に投入して、その塵芥を塵芥積込装置10によって塵芥収容箱1に積み込む場合について図12に示す作動説明図に従って説明する。
【0049】
塵芥の投入に先立って、補助押込板固定装置30によって補助押込板26が補助押込板収容部23内に収容保持された状態において操作レバー32fを図5に二点鎖線で示すように水平状態に倒して第1ロックピン嵌入孔31aからロックピン32bを抜き出して補助押込板固定装置30による押込板20と補助押込板26との係合を解除して、図6に示すように軸受孔21a及び補助押込板支軸25によって揺動可能に押し込み板20に軸支された補助押込板26の下面に設けられた受圧部27を補助押込板収容部23から突出させ、その突出状態で補助押込板固定装置30の第2ロックピン嵌入孔31bとロックピン32bとを対向せしめ、操作レバー32fを起立操作することによってスプリング32dの付勢力によりロックピン案内筒32aの先端からロックピン32bの先端を突出させて第2ロックピン嵌入孔31bに嵌入させて押込板20と補助押込板26との係合を図り、補助押込板26の下面に設けた受圧部27を補助押込板収容部23から突出させた図6に示す突出状態に保持させ、かつ操作盤41によって作動タイミング切換スイッチ47を第2スイッチ46がコントローラ48に入力するよう切換設定して準備する。
【0050】
そして、図12の(a)に示す回転板35の先端が塵芥収容箱1の床面1aの後端と略一致する積込開始時回転板位置IIでかつ押込板20が揺動前端位置に各々停止する状態で塵芥を投入口から塵芥投入箱2内に投入し、操作盤41の作動スイッチ操作により塵芥押込装置10を作動させる。
【0051】
操作盤41の作動スイッチ操作により油圧モータが作動すると共に回転板作動検出スイッチ43の第2スイッチ46がON状態に設定され、油圧モータによって回転軸12が回転駆動され、回転板35が回転すると共に回転軸12に設けられた第2スイッチ46の第2カム46aが一体的に回転する。
【0052】
回転板35が図12の(b)に示す押込板戻り開始時回転板位置Iに達すると回転軸12に設けられた第2カム46bの後端が第2近接スイッチ46aから離間して第2スイッチ46がOFF作動する。そしてその信号が作動タイミング切換スイッチ47を介してコントローラ48に入力され、コントローラ48からの指示に従って押込板揺動シリンダ24を収縮させることにより揺動前端位置にある押込板20を退避位置へ向けて揺動開始させる。
【0053】
この第2スイッチ46がOFF作動する押込板戻り開始時回転板位置Iは、上記第1スイッチ45がOFF作動する押込板戻り開始時回転板位置Iに比べ積込開始時回転板位置IIからの回転板35の回動角が大、即ち押込板20の揺動前端位置から押込板20の揺動開始タイミングを遅らせることにより、押込板20及び補助押込板26による塵芥収容箱1内の塵芥の保持時間を長くして塵芥の崩れ落下を防止することにより塵芥収容箱1内に押し込み積載された塵芥が塵芥投入箱3内へ逆流するのを防止している。特に、この塵芥投入箱3内への塵芥逆流防止効果は、嵩の高い空き缶やペットボトル等の塵芥を塵芥収容箱1内に押込板20等で押し込み積載する場合に顕著である。
【0054】
回転板35が塵芥投入箱2内に投入された塵芥を掻き上げながら回転して図12の(c)に示す押込板戻り完了時回転板位置IIIに達する間に、押込板20は揺動後端位置まで揺動し、揺動した押込板20により押込板作動検出スイッチ42が作動して押込板揺動シリンダ24の収縮を停止し、押込板20を揺動後端位置に保持する。
【0055】
更に回転板35は、回転が続行されて回転板35の掻上面35aによって掻き上げられた回転板35の掻上面35a上の塵芥を図12の(d)に示す積込開始時回転板位置IIまで上昇回転する回転板35の掻上面35aと揺動後端位置にある押込板20の下部押込板本体22及び補助押込板26に設けられる受圧部27との間で圧潰する。
【0056】
回転板35の回転によって塵芥を下部押込板本体22b及び受圧部27に押し付けて圧潰する際、下部押込板本体22bに押接された塵芥は回転板35と下部押込板本体22bとの共同によってよって圧潰されながら傾斜する下部押込板本体22bに沿って受圧部27方向に誘導され、かつ受圧部27の前端から下方に突出する塵芥移動抑制部材28によって塵芥が受圧部27の前端から塵芥収容箱1側へ移動する、いわゆる塵芥の逃げが防止されて回転板35と受圧部27とにより効率的に圧潰されて塵芥は減容される。
【0057】
更に下部押込板本体22b及び受圧部27によって塵芥を圧潰する際、例えばキャップ等によって内部に空気が密閉されたペットボトル等は受圧部27に鋸上に突出形成される多数の突起27aに突き刺されて破壊され、容易に圧潰されて減容される。
【0058】
塵芥を圧潰しつつ、回転板35が積込開始時回転板位置IIに達すると、回転軸12に設けられた第2カム46bの先端が第2近接スイッチ46aに接近して第2スイッチ46がON作動する。そしてその信号が作動タイミング切換スイッチ47を介してコントローラ48に入力され、コントローラ48からの指示により油圧モータによる回転軸12の回転駆動が停止し、回転板35は図12の(d)に示すように積込開始時回転板位置IIで停止する。
【0059】
更に、第2スイッチ46がON作動するとその信号がコントローラ48に入力され、コントローラ48からの指示に従って押込板作動バルブ49を介して押込板揺動シリンダ24が伸長して図12の(e)のように揺動後端位置に位置する押込板20を揺動前端位置まで揺動させて回転板20上の圧潰された塵芥を塵芥収容箱1内に押し込み、回転板35が積込開始時回転板位置IIでかつ押込板20が揺動前端位置に停止した図12の(a)に示す状態に復帰する。
【0060】
これら図12の(a)から(e)の各作動を繰り返すことにより投入口から連続的にに投入された塵芥投入箱2内の塵芥を順次圧潰して減容し、塵芥収容箱1に押し込み収容する。
【0061】
また説明した実施の形態では、補助押込板26の両上端を押込板20に揺動自在に軸支し、補助押込板26の下面を押込板20から突出可能に構成したが補助押込板26の下端を押込板20に揺動自在に軸支し、補助押込板を前方に倒すことにより押込板20から突出せしめるよう構成することも可能であり、上記実施の形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0062】
【発明の効果】
以上説明した本発明による塵芥収集車の塵芥積込装置によると、揺動前端位置と揺動後端位置との間を揺動して上記回転板によって掻き上げられた上記掻込面上の塵芥を塵芥収容箱内に積み込む押込板に、押込板内に収納された収納位置と押込板の前方に突出する突出位置との間を往復動可能に補助押込板を設け、かつ補助押込板を上記収納位置及び突出位置の一方に選択的に固定する補助押込板固定装置を設けることにより、厨雑芥等の嵩の低い塵芥の積み込みには、補助押込板を押込板内に収納して固定し、回転板によって掻き上げらられた塵芥を押込板によって効率よく塵芥収容箱内に積み込む一方、空き缶やペットボトル等の嵩の高い塵芥を積み込む際には、押込板内から押込板の前方に補助押込板突出させて固定し、揺動後端位置における押込板から突出する補助押込板と回転板とによって塵芥を圧潰して減容した後、押込板によって減容された塵芥を効率よく塵芥収容箱内に積み込むことが可能になり、厨雑芥等の嵩の低い塵芥及び空き缶やペットボトル等の嵩の高い塵芥等の異なる塵芥を効率的な積み込みを可能にして塵芥収集車の共用化を図ることが可能になり維持管理が容易になると共にコストの低減が得られる等本発明特有な効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による塵芥収集車の塵芥積込装置の実施の形態を説明する側面図である。
【図2】同じく、実施の形態を説明する分解側面図である。
【図3】図2における矢視Aからの要部側面図である。
【図4】図2における矢視Bからの要部側面図である。
【図5】図2におけるC部拡大図である。
【図6】同じく、実施の形態を説明する側面図である。
【図7】同じく、実施の形態における制御装置の説明図である。
【図8】同じく、実施の形態における制御装置の回路図である。
【図9】図7におけるD部拡図である。
【図10】図7におけるEーE線断面図である。
【図11】同じく、一実施の形態の作動を説明する作動説明図である。
【図12】同じく、一実施の形態の作動を説明する作動説明図である。
【図13】従来の塵芥積込装置の概要を示す要部断面図である。
【図14】同じく、従来の塵芥積込装置の作動説明図である。
【図15】同じく、従来の塵芥積込装置の概要を示す要部断面図である。
【図16】同じく、従来の塵芥積込装置の概要を示す要部断面図である。
【図17】同じく、従来の塵芥積込装置の作動説明図である。
【符号の説明】
1 塵芥収容箱
2 塵芥投入箱
10 塵芥積込装置
20 押込板
26 補助押込板
27 受圧部
27a 突起
28 塵芥移動規制部材
30 補助押込板固定装置
35 回転板
40 制御装置
43 回転板検出スイッチ
45 第1スイッチ
46 第2スイッチ
47 作動タイミング切換スイッチ
Claims (6)
- 塵芥収容箱の後方に塵芥投入箱が連接して配置され、該塵芥投入箱に投入された塵芥を上記塵芥収容箱内に積み込む塵芥収集車の塵芥積込装置において、
塵芥投入箱内に回転自在に設けられて該塵芥投入箱内に投入された塵芥を掻き上げる掻込面を具備する回転板と、揺動前端位置と揺動後端位置との間を揺動して上記回転板によって掻き上げられた上記掻込面上の塵芥を塵芥収容箱内に積み込む押込板と、押込板内に収納された収納位置と押込板から押込板の前方に突出する突出位置との間を移動可能に押込板に支持される補助押込板と、該補助押込板を上記収納位置及び突出位置の一方に選択的に固定する補助押込板固定装置と、を有することを特徴とする塵芥収集車の塵芥積込装置。 - 上記押込板が揺動後端位置に保持されかつ補助押込板固定装置によって突出位置に固定された補助押込板と、回転する上記回転板の掻込面との間で塵芥を圧潰することを特徴とする請求項1に記載の塵芥収集車の塵芥積込装置。
- 上記突出位置に固定された補助押込板の下面前端から下方に突出する塵芥移動規制部材を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の塵芥収集車の塵芥積込装置。
- 上記突出位置に固定された補助押込板の下面に突起を具備する受圧部を設けたことを特徴とする請求項1〜3に記載の塵芥収集車の塵芥積込装置。
- 回転板の先端が塵芥収容箱の床面の後端と対応する積込開始時回転板位置に回転板が回転停止した状態で押込板が揺動後端位置から揺動前端位置に揺動し、回転板が積込開始時回転板位置から回転を開始して押込板戻り開始時回転板位置及び押込板戻り完了時回転板位置を経由して上記積込開始時回転板位置で回転停止すると共に、押込板戻り開始時回転板位置への回転板到達と連動して押込板が揺動前端位置から揺動開始して押込板戻り完了時回転板位置への回転板到達に連動して押込板が揺動後端位置に停止し、かつ回転板の積込開始時回転板位置から押込板戻り開始時回転板位置までの回転角を切換調整する制御装置を有することを特徴とする請求項1〜4に記載の塵芥収集車の塵芥積込装置。
- 制御装置が、異なる回転板の積込開始時回転板位置から押込板戻り開始時回転板位置までの回転角を各々検出する第1スイッチ及びに第2スイッチを具備する回転板検出スイッチと、第1スイッチ及びに第2スイッチからの信号を選択的に切換えて押込板の揺動を制御する作動タイミング切換スイッチと、を有することを特徴とする請求項5に記載の塵芥収集車の塵芥積込装置。
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