JP3580408B2 - 不揮発性半導体記憶装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータや情報携帯機器に用いられる記憶装置に関し、特にデータの書き込み及び消去が可能であって、1つのパッケージに2個以上のチップを有する不揮発性半導体記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の不揮発性半導体記憶装置としては、EPROM(Erasable Programmable Read−Only Memory)がある。このEPROMにおいては、ユーザ側でデータを書き込むことができ、データを消去するときには紫外線を照射することにより、メモリアレイ全体に記憶されている全てのデータを一括して消去する。
【0003】
このEPROMは、メモリセルの面積が小さいために大容量化に適しているものの、紫外線の照射によりデータを消去するため、紫外線を通す窓をパッケージに設ける必要があった。また、ライターと称される書き込み装置によってデータを書き込むので、データの消去及び書き換えの度に、EPROMを基板から取り外す必要があった。
【0004】
一方、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)においては、電気的にデータの消去及び書き換えが可能であるものの、EPROMと比較すると、メモリセルの面積が1.5〜2倍程度広くなるため、大容量化に適さず、コストも高くなる。
【0005】
このため、最近では、両者の中間的な不揮発性半導体記憶装置として、フラッシュメモリ(あるいはフラッシュEEPROM)と称されるものが開発されている。このフラッシュメモリにおいては、メモリセルの面積がEPROMと略同等であって、大容量化に適し、しかもメモリセルアレイ全体のデータの一括消去だけでなく、任意の領域(セクタあるいはブロックと称される)内のメモリセルのデータの消去を電気的に行うことができる。
【0006】
従来のフラッシュメモリとしては、例えば米国特許No.5249158、米国特許No.5245570等に開示されているものがある。図7に示す様に、この種のフラッシュメモリのメモリセル70は、浮遊ゲート型電界効果トランジスタであって、1素子で1ビットのデータを記憶し、メモリアレイの高集積化を可能にする。
【0007】
メモリセル70へのデータの書き込みは、例えば制御ゲート電極71に電圧12Vを加え、ドレイン74に電圧7Vを加え、ソース73に電圧0Vを加え、ドレイン接合の近傍で発生したホットエレクトロンを浮遊ゲート電極72に注入することによって行われる。この書き込みによって制御ゲート電極71のしきい値電圧が高くなる。
【0008】
メモリセル70のデータの読み出しは、例えばソース73に電圧0Vを加え、ドレイン74に電圧1Vを加え、制御ゲート電極71に電圧5Vを加え、このときに流れるチャンネル電流の大きさ(データの値を示す)を検出することによって行われる。ドレイン電圧を低電圧に設定するのは、寄生的な弱い書き込みを防止するためである。
【0009】
また、制御ゲート電極71に加えられる電圧を変化させたり、ドレイン74の電圧を変化させたり、ドレイン74の電圧をパルス信号とし、そのパルス幅を変化させることによって、制御ゲート電極71のしきい値電圧を調節し、しきい値電圧を数百mVの間隔で2のn乗の状態で変化させれば、メモリセル70に多値のデータを記憶することが可能となる。
【0010】
多値のデータを読み出すときには、例えばソース73に電圧0Vを加え、ドレイン74に電圧1Vを加え、チャンネル電流が流れるときの制御ゲート電極71の電圧を検出することによって行われる。
【0011】
メモリセル70のデータの消去は、例えば制御ゲート電極71を接地し、かつソース73に12Vの高電圧を加えて、浮遊ゲート電極72とソース73間に高電界を発生させ、薄いゲート酸化膜を通じてのトンネル現象を利用して、浮遊ゲート電極72に蓄積された電子をソース73側に引き抜くことによって行われる。この書き込みによって制御ゲート電極71のしきい値電圧が低くなる。
【0012】
この様なデータの消去は、複数のメモリセル70を含むブロック単位(例えば16Kバイトや64Kバイト)で行われる。また、ブロック内の全てのメモリセルを一括して消去するので、消去以前の各メモリセルの制御ゲート電極71のしきい値電圧に応じて消去後の各メモリセルの制御ゲート電極71の電圧が変動する傾向にあり、過剰消去によりしきい値電圧が負になると致命的な不良となる(読み出し時に正しいデータを読み出すことができない)。
【0013】
また、上記メモリセル70においては、書き込みをドレイン74側で行い、消去をソース73側で行うので、ドレイン接合のプロファイルとソース接合のプロファイルを個別に最適化することが望ましく、ドレイン74とソース73は非対称構造となっている。ドレイン接合では書き込み効率を高めるために電界集中型プロファイルを適用し、ソース接合では高電圧を印加可能にするために電界緩和型プロファイルを適用している。
【0014】
データを消去するときには、高電圧をソース73に印加するので、ソース接合の耐電圧を高める必要があり、ソース電極を微細化し難い。また、ソース73近傍でホットホールが発生し、その一部がトンネル絶縁膜中にトラップされ、セルの信頼性が低下する等の問題がある。
【0015】
そこで、消去方法として、例えば制御ゲート電極71に負電圧−10Vの負電圧を加え、ソース73に電圧5Vを加え、トンネル電流によってデータを消去するという方法がある。この方法では、ソース73に印加される電圧が低いので、ソース接合の耐電圧が低くて済み、メモリセルのゲート長を短くすることができる。更に、消去されるブロックサイズを小さくして、セクタ単位での消去が可能になる。
【0016】
また、高電圧をソース73に印加する消去方法では、バンド間トンネル電流が流れ、その電流値はメモリアレイ全体で数mAになるので、記憶装置内の昇圧回路によって高電圧を形成することが困難であり、外部から高電圧を供給する必要がある。これに対して負電圧による消去方法では、ソース73の電圧を電源電圧によって供給することができるので、電源の単一化を比較的容易に実現することができる。
【0017】
更に、ホットエレクトロンを利用した書き込み方法では、書き込み時に1メモリセル当たり1mA程度の電流が流れる。このため、FNトンネル電流を利用して書き込みを行い、1メモリセル当たりの電流量を減少させた書き込み方法がある。
【0018】
一方、半導体プロセスの微細化や電池駆動の携帯型機器の普及に伴い、動作電圧の低下が望まれており、5Vの動作電圧、3Vの動作電圧、2.7Vの動作電圧という様に、動作電圧が徐々に下降している。
【0019】
電源電圧3Vや2.7Vによって動作するフラッシュメモリにおいては、電源電圧をそのまま制御ゲート電極に印加するか、あるいは動作の高速化と動作マージンの拡大のために、電源電圧を昇圧した電圧5Vを制御ゲート電極に印加している。
【0020】
また、不揮発性半導体記憶装置においては、書き込みと読み出しを短時間で行い得るRAMと比較すると、書き込み、ブロック消去、メモリアレイ全体の一括消去、状態レジスタの読み出し等の多くの動作状態を持つので、これらの動作状態を選択的に実行せねばならない。このため、外部から入力される制御信号(/CE,/WE)の種類も多くなり、更なる動作状態の多様化に伴い、既存の各制御信号を組み合わせても、制御信号の種類が不足し、新たな制御信号の追加が必要となり、記憶装置の使い勝手が悪くなった。
【0021】
そこで、例えば米国特許No.5053990に開示されている様に制御信号の種類を増加させず、制御信号の代わりに、コマンドを記憶装置に与えることによって各種の動作を選択的に行うというコマンド方式が現在の主流になっている。このコマンド方式では、コマンドをコマンドステートマシン(CSM)と称されるコマンドを認識する回路に入力し、ライトステートマシン(WSM)がコマンドに対応する動作を実行する。
【0022】
例えば、図8に示す様にブロック消去コマンドの場合は、制御信号/CE及び/WEが共に“L”となる第1サイクルでデータ20H(Hは16進数を示す)を入力し、引き続き制御信号/CE及び/WEが共に“L”となる第2サイクルでデータDOHと消去すべきブロックのアドレスを入力する。また、消去中断コマンドの場合は、制御信号/CE及び/WEが共に“L”となる第1サイクルでデータBOHを入力し、消去再開コマンドの場合は、制御信号/CE及び/WEが共に“L”となる第1サイクルでデータDOHを入力する。更に、書き込みコマンドの場合は、制御信号/CE及び/WEが共に“L”となる第1サイクルでデータ40H(Hは16進数を示す)を入力し、引き続き制御信号/CE及び/WEが共に“L”となる第2サイクルで書き込むべきデータとメモリセルのアドレスを入力する。
【0023】
この様なコマンド方式の記憶装置には、米国特許No.5245570に開示されている様に消去される各ブロックの大きさを均等にしたものばかりでなく、米国特許No.5249158に開示されている様に消去される各ブロックの大きさを不均等にしたものがある。
【0024】
あるいは、書き込み及び消去共に、FNトンネル電流を利用して行う記憶装置や、メモリセルを8個又は16個直列接続したNAND型と称される記憶装置もある。NAND型は、NOR型と比較して、読み出し速度が遅くなるものの、メモリセルを小さくすることができる。
【0025】
また、先に述べた様に1つのメモリセルに2値(1ビット)を記憶するだけでなく、4値(2ビット)や8値(3ビット)、更には16値(4ビット)という多値の書き込みが試みられている。
【0026】
更に、不揮発性半導体記憶装置においては、書き込み及び読み出しを100ナノ秒程度で行う一般的なSRAMやDRAM等と比較すると、読み出し動作が100ナノ秒程度と変わらないものの、書き込み動作が約20マイクロ秒と遅く、消去動作が数百ミリ秒と更に遅くなる。このため、消去動作を一旦開始すると、この消去動作が終了するまで待機するか、消去動作の一時中断コマンドを発行し、このコマンドにより数百マイクロ秒をかけて消去動作が中断した後に、読み出し動作を行う必要がある。
【0027】
ところで、不揮発性半導体記憶装置には、1パッケージに2チップの記憶装置を内蔵したものがある。この種の不揮発性半導体記憶装置においては、2チップのうちの一方を選択するために、2つの制御信号/CEを入力し、これらの制御信号/CEに応答して一方の1チップの書き込み及び消去動作を行っているときに、他方のチップの読み出し動作、書き込み及び消去動作を行う。
【0028】
また、特開平6−180999号公報、特開平7−254292号公報及び特開平9−198880号公報等に記載の不揮発性半導体記憶装置には、1パッケージに1チップの記憶装置を内蔵し、1チップの記憶装置を第1アドレス空間と第2アドレス空間に分割し、第1アドレス空間の書き込み読み出し動作を行っているときに、第2アドレス空間の読み出し動作を行うものがある。この様な動作を1チップデュアルワークと称している。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の1パッケージに2チップの記憶装置を内蔵した不揮発性半導体記憶装置においては、2つの制御信号/CEを入力するための2つの入力ピンを必要とし、2つの制御信号/CEのいずれかを選択するためのデコーダ回路を外部に必要とする。同様に、1パッケージに3チップ以上の記憶装置を内蔵する場合も、チップと同じ数の制御信号/CE並びに入力ピンを必要とし、各制御信号/CEのいずれかを選択するためのデコーダ回路を外部に必要とする。不揮発性半導体記憶装置にデコーダ回路を内蔵することと比較すると、外部のデコーダ回路は、その負荷が大きく、遅延時間も大きくなるので、高速動作に不利である。また、1パッケージに1チップの記憶装置を内蔵し、1つの制御信号/CEのみを入力する通常の不揮発性半導体記憶装置と比較すると、制御信号/CEを入力するための入力ピンの数が増加するので、該通常の不揮発性半導体記憶装置との間でピン配置の互換性がない。
【0030】
例えば、図9に示す様に1パッケージに8メガビットのフラッシュメモリを2チップ内蔵してなる16メガビットのデュアルワークの不揮発性半導体記憶装置においては、各アドレスA0〜A18を入力するための各アドレスピンa0〜a18は8メガビットのフラッシュメモリと同じ様にあり、制御信号/CE(/CEの代わりに、/BEと称することもある)を入力するためのピン/ceは8メガビットのフラッシュメモリと異なり2つある。
【0031】
図10に示す様に制御信号/CEは、入力バッファ81を介して内部回路へと伝送される。入力バッファ81は、リセット信号Rによってリセットされる。
【0032】
一方、上記従来の1チップの記憶装置を第1アドレス空間と第2アドレス空間に分割した不揮発性半導体記憶装置においては、チップ内のレイアウトによりメモリアレイ領域が決まるので、メモリ容量を任意に分割することが困難であり、またチップ面積が大きくなるので、2チップの記憶装置を同時に書き込み消去する回路構成を実現することが困難である。更に、通常の汎用チップとは全く異なる構造となるため、1チップデュアルワークを開発する期間と人員が必要になる。
【0033】
そこで、本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたものであり、通常の不揮発性半導体記憶装置との間でピン配置の互換性を持ち、外部のデコーダ回路を必要としないデュアルワークの不揮発性半導体記憶装置を提供することを目的とする。
【0034】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る不揮発性半導体記憶装置は、1パッケージ内に、データの書き換えが可能なアドレス空間を有する1またはn個(nは2以上の整数)のチップが収納される不揮発性半導体記憶装置であって、前記1パッケージ内に収納されたチップの記憶容量分のアドレス空間を指定するアドレス信号が入力される第1アドレスバッファ手段と、前記チップを選択するための制御信号が入力される入力バッファ手段と、前記記憶容量分以上のアドレス空間に対するアドレス信号を入力するために設けられるN個(Nはn≦2 N を満足する最小の整数値)の第2アドレスバッファ手段と、前記チップが1つの場合に、前記入力バッファ手段に入力される制御信号に基づいて前記1つのチップが選択される第1の状態とし、前記チップが複数の場合に、前記第2アドレスバッファ手段に入力されるアドレス信号と前記入力バッファ手段に入力される前記制御信号とに基づいて他のチップが選択される第2の状態とする選択手段と、前記選択手段を、第1の状態とするための第1の制御信号と第2の状態とするための第2の制御信号とを出力する制御手段と、を備えていることを特徴とする。
好ましくは、前記制御手段は、前記第1の制御信号および第2の制御信号を出力するために不揮発性メモリが使用されている。
好ましくは、前記1パッケージ内に、それぞれの記憶容量が異なる複数のチップが収納される。
好ましくは、前記1パッケージ内に、それぞれのアドレス空間が相互に重なることなく独立した複数のチップが収納される。
【0041】
1実施形態では、前記データの書き換えが可能な複数の不揮発性半導体記憶装置がそれぞれのチップであり、該各チップが1パケージに収納されてなる。また、前記データの書き換えが可能な複数の不揮発性半導体記憶装置は、相互に重なることがない独立したそれぞれのアドレス空間を有する。
【0042】
この場合、各不揮発性半導体記憶装置のアドレス空間を識別するための制御信号を必要とせず、この制御信号をデコードするためのデコード回路も必要としない。このため、通常のメモリのパッケージを上記実施形態のパッケージと共通化させることができ、ユーザ側の負担も少ない。更に、各チップの構成が共通であるため、生産性に優れ、管理し易く、コストの低減を図ることができる。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。
【0044】
図1は、本発明の不揮発性半導体記憶装置の一実施形態を部分的に示すブロック図である。本実施形態の不揮発性半導体記憶装置は、8メガビットのフラッシュメモリ(1チップの記憶装置)であり、従来の8メガビットのメモリと同様に1つのピン/ce及び各アドレスピンa0〜a18を備えるだけでなく、アドレスピンa19、各入力バッファ12,13、アドレス信号A19加工論理回路14、制御回路15及び内部制御信号/CE発生回路16等を更に付加してなる。
【0045】
入力バッファ12は、リセット信号R1を入力すると、このリセット信号R1に対応する出力を内部制御信号/CE発生回路16に加える。これに応答して内部制御信号/CE発生回路16は、内部制御信号を内部回路に出力し、該1チップを完全にリセット状態にする(低電力動作状態又はチップ非選択状態)。
【0046】
入力バッファ13及びアドレス信号A19加工論理回路14は、制御回路15からの制御信号CAM1,CAM2に応答して、イネーブル又はディスエーブルに切り換えられる。
【0047】
本実施形態の不揮発性半導体記憶装置を1チップ用いて、通常のフラッシュメモリを構成する場合は、入力バッファ13及びアドレス信号A19加工論理回路14がディスエーブル状態に設定される。内部制御信号/CE発生回路16は、制御信号/CEのみをピン/ceから入力バッファ12を介して外部から入力し、この制御信号/CEのみに応答して該1チップを動作可能な状態に設定する。
【0048】
本実施形態の不揮発性半導体記憶装置を2チップ用いて、デュアルワークのフラッシュメモリを構成する場合は、入力バッファ13及びアドレス信号A19加工論理回路14がイネーブル状態に設定される。内部制御信号/CE発生回路16は、ピンa19から入力バッファ13を介してのアドレス信号A19の“H”及び“L”に応答して、2チップのいずれかを選択する。
【0049】
図2は、入力バッファ12の一例を示す論理回路図である。入力バッファ12は、上記リセット信号R1を入力する。リセット信号R1が“H”のときには、入力バッファ12がイネーブルとなり、ピン/ceからの制御信号/CEを内部制御信号/CE発生回路16へと伝送する。また、リセット信号R1が“L”のときには、入力バッファ12がディスエーブルとなり(非選択状態となり)、“H”の信号を内部制御信号/CE発生回路16に出力する。従って、内部制御信号/CE発生回路16は、入力バッファ12から“H”の信号を入力すると、該1チップをリセット状態に設定し、“L”の制御信号/CEを入力すると、該1チップを動作可能な状態に設定する。
【0050】
図3は、アドレス信号A19加工論理回路14及び内部制御信号/CE発生回路16の一例を示す論理回路図である。アドレス信号A19加工論理回路14はXOR回路21及びNOR回路22からなり、内部制御信号/CE発生回路16はOR回路23からなる。NOR回路22は、制御回路15からの制御信号CAM1を入力する。制御信号CAM1が“H”のときには、アドレス信号A19の“H”及び“L”にかかわらずNOR回路22の出力が“L”となるので、OR回路23がイネーブルとなり、ピン/ceから内部制御信号/CE発生回路16を介して内部回路へと制御信号/CEが伝送される。すなわち、制御信号CAM1が“H”のときには、アドレス信号A19加工論理回路14がディスエーブルとなり、制御信号/CEが内部制御信号/CE発生回路16を介して内部回路へと伝送される。このとき、アドレス信号A19のピンa19がその機能を果たさないので、ピン/ceからの制御信号/CEのみにより内部回路の動作及び非動作が設定され、通常のフラッシュメモリと同等の制御がなされる。
【0051】
また、制御信号CAM1が“L”のときには、XOR回路21の出力がNOR回路22を介してOR回路23に加えられる。XOR回路21は、制御回路15からの制御信号CAM2及びピンa19から入力バッファ13を介してのアドレス信号A19を入力する。制御回路15によって制御信号CAM2が“H”に設定されているときには、アドレス信号A19が“L”になると、XOR回路21の出力が“H”となってNOR回路22の出力が“L”となり、OR回路23がイネーブルとなり、ピン/ceから内部制御信号/CE発生回路16を介して内部回路へと制御信号/CEが伝送される。また、制御回路15によって制御信号CAM2が“L”に設定されているときには、アドレス信号A19が“H”になると、XOR回路21の出力が“H”となってNOR回路22の出力が“L”となり、OR回路23がイネーブルとなり、ピン/ceから内部制御信号/CE発生回路16を介して内部回路へと制御信号/CEが伝送される。すなわち、制御信号CAM1が“L”のときには、制御信号CAM2が“H”になりかつアドレス信号A19が“L”になるか、又は制御信号CAM2が“L”になりかつアドレス信号A19が“H”になると、制御信号/CEによって内部回路の動作及び非動作を設定することが可能になる。従って、制御信号CAM2の“H”及び“L”を2つのアドレス空間に対応させておけば、アドレス信号A19を“H”及び“L”のいずれかに設定することにより該各アドレス空間のいずれかを選択することができ、制御信号/CEに応答して該選択されたアドレス空間を動作状態及び非動作状態にすることができる。しかも、アドレス信号A19を検出するためのアドレストランジッション検出回路(ATD)が不要であるため、アドレス信号A19のピンa19の付加によって回路規模が大きくなることは殆どない。
【0052】
図4は、制御回路15の一例を示す回路図である。この制御回路15は、一対のP型トランジスタ35、一対のN型トランジスタ36、一対の不揮発性メモリセル37、CAMプログラム回路38及びノット回路39を備えている。CAMプログラム回路38は、各不揮発性メモリセル37のしきい値電圧の一方を高くし、他方を低く設定し、これによって制御信号CAM1(又はCAM2)を“H”又は“L”に設定している。この様な回路構成は、各制御信号CAM1,CAM2毎に設けられる。また、該回路構成において、各不揮発性メモリセル37をヒューズに置き換えることも可能である。
【0053】
図5は、本実施形態の不揮発性半導体記憶装置を通常の8メガビット(512K×16ビット)のフラッシュメモリ(1チップの記憶装置)として用いたときのパッケージ41のピン配置を示している。通常のメモリとして用いる場合、メモリアレイを2つのアドレス空間に分割しないので、アドレス信号A19のピンa19を必要としない。このため、アドレス信号A19のピンa19をパッケージ41に設けていない。そして、パッケージ41内部において、図3に示す制御回路15から“H”の制御信号CAM1をアドレス信号A19加工論理回路14のNOR回路22に加え、アドレス信号A19のピンa19の機能を果たせなくし、ピンa19をワイヤーボンドによって所定の電位(“H”又は“L”)に接続する。このパッケージ41のピン配置は、従来のフラッシュメモリと全く同一であって互換性を有する。
【0054】
図6は、本実施形態の不揮発性半導体記憶装置を2チップ封止してなるデュアルワークの16メガビットのフラッシュメモリのパッケージ42を示している。このパッケージ42においては、1つのピン/ce及び各アドレスピンa0〜a18を有する図5のパッケージ41と比較すると、アドレスピンa19を更に設けた点が異なる。パッケージ42内部においては、図3に示す制御回路15から“L”の制御信号CAM1をアドレス信号A19加工論理回路14のNOR回路22に加え、アドレス信号A19のピンa19を利用する。制御信号CAM2の“H”及び“L”を2つのチップのアドレス空間に対応させ、アドレス信号A19を“H”及び“L”のいずれかに設定することにより該各チップのアドレス空間のいずれかを選択し、制御信号/CEに応答して該選択されたチップのアドレス空間を動作状態及び非動作状態にする。
【0055】
次に、メモリ容量が異なる2つのフラッシュメモリを1つのパッケージに封止する。まず、例えば本発明が適用された2メガビット(128K×16)のフラッシュメモリにおいては、既存の各アドレス信号A0〜A16の各アドレスピンa0〜a16に加えて、アドレス信号A17のアドレスピンa17を新たに付加する。また、本発明が適用された4メガビット(256K×16)のフラッシュメモリにおいては、既存の各アドレス信号A0〜A17の各アドレスピンa0〜a17に加えて、アドレス信号A18のアドレスピンa18を新たに付加する。更に、上記実施形態の8メガビット(512K×16)のフラッシュメモリにおいては、既存の各アドレス信号A0〜A18の各アドレスピンa0〜a18に加えて、アドレス信号A19のアドレスピンa19を新たに付加する。また、本発明が適用された16メガビット(1024K×16)のフラッシュメモリにおいては、既存の各アドレス信号A0〜A19の各アドレスピンa0〜a19に加えて、アドレス信号A20のアドレスピンa20を新たに付加する。
【0056】
ここで、例えば本発明が適用された4メガビットのフラッシュメモリと本発明が適用された16メガビットのフラッシュメモリを組み合わせる。この場合、4メガビットのチップにおける新たなアドレス信号A18のアドレスピンa18と16メガビットのチップにおける新たなアドレス信号A20のアドレスピンa20を共通化して、アドレスピンa20とする。図3に示す制御信号CAM2の“H”及び“L”を2つのチップのアドレス空間に対応させ、アドレス信号A20を“H”及び“L”のいずれかに設定することにより該各チップのアドレス空間のいずれかを選択し、制御信号/CEに応答して該選択されたチップのアドレス空間を動作状態及び非動作状態にする。
【0057】
この様な構成の不揮発性半導体記憶装置においては、プログラム領域を4メガビットのチップに割り当て、書き換えが頻繁に行われるデータ領域を16メガビットのチップに割り当て、データ領域の方を広く設定することができる。
【0058】
尚、2のN乗のチップを1つのパッケージに内蔵する場合は、実際のアドレス記憶容量以上のアドレス空間を設定し、アドレスとアドレスバッファ回路をそれぞれN個ずつ追加すれば良い。例えば、2個のチップを1つのパッケージに内蔵する場合は、N=1であるから1つのアドレスを追加し、また3個のチップを1つのパッケージに内蔵する場合は、N=1では足りないのでN=2となり、アドレスを2個追加し、更に4個のチップを1つのパッケージに内蔵する場合は、N=2となり、アドレスを2個追加する。
【0059】
また、本発明においては、メモリセルとして図7に示すものでも良いし、強誘電体薄膜をゲート酸化膜に用いたメモリセルでも構わない。強誘電体薄膜をゲート酸化膜に用いたメモリセルを用いると、分極反転を利用するので、極薄いトンネル酸化膜を用いずに済み、更に高集積化を図ることができる。更に、本発明の不揮発性半導体記憶装置に揮発性半導体記憶装置を組み合わせて、両者のメモリのいずれかを選択的に動作させても良い。
【0060】
【発明の効果】
以上説明した様に本発明によれば、第1アドレスバッファ手段によって第1アドレス空間を指定し、第2アドレスバッファ手段によって第2アドレス空間を指定することができる。第2アドレス空間を用いないときには、制御手段によって第2アドレスバッファ手段をディスエーブルに設定する。これによって、例えば1チップの記憶装置の第1アドレス空間を単独で用いたり、2チップの記憶装置の第1及び第2アドレス空間を選択的に用いることができる。また、1チップの記憶装置を用いる場合は、第2アドレスバッファ手段をディスエーブルに設定するだけであるから、通常の記憶装置と互換性を保つことができる。
【0061】
また、本発明によれば、第1アドレスバッファ手段によって指定されたアドレス空間に対応するアドレス領域を選択して用いたり、第2アドレスバッファ手段によって指定された第2アドレス空間に対応するアドレス領域を選択して用いることができる。
【0062】
更に、本発明によれば、第1アドレスバッファ手段によって指定されたアドレス空間に対応する不揮発性半導体記憶装置を選択して用いたり、第2アドレスバッファ手段によって指定された第2アドレス空間に対応する不揮発性半導体記憶装置を選択して用いることができる。従って、通常の不揮発性半導体記憶装置の機能とデュアルワークの不揮発性半導体記憶装置の機能のいずれをも実現することができ、両者の機能を個別に実現することと比較すると、開発期間の短縮と開発費用の低減が可能である。
【0063】
また、各不揮発性半導体記憶装置のアドレス空間を識別するための制御信号を必要とせず、この制御信号をデコードするためのデコード回路も必要としない。このため、通常のメモリのパッケージを上記実施形態のパッケージと共通化させることができ、ユーザ側の負担も少ない。更に、各チップの構成が共通であるため、生産性に優れ、管理し易く、コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の不揮発性半導体記憶装置の一実施形態を部分的に示すブロック図である。
【図2】図1の不揮発性半導体記憶装置における入力バッファの一例を示す論理回路図である。
【図3】図1の不揮発性半導体記憶装置におけるアドレス信号A19加工論理回路及び内部制御信号/CE発生回路の一例を示す論理回路図である。
【図4】図1の不揮発性半導体記憶装置における制御回路の一例を示す回路図である。
【図5】本実施形態の不揮発性半導体記憶装置を通常の8メガビットのフラッシュメモリとして用いたときのパッケージのピン配置を示す平面図である。
【図6】本実施形態の不揮発性半導体記憶装置を2チップ封止してなるデュアルワークの16メガビットのフラッシュメモリのパッケージを示す平面図である。
【図7】フラッシュメモリのメモリセルを示す回路図である。
【図8】従来のフラッシュメモリのコマンドを示す図表である。
【図9】従来のデュアルワークの16メガビットのフラッシュメモリのパッケージを示す平面図である。
【図10】従来のフラッシュメモリにおける入力バッファを示すブロック図である。
【符号の説明】
12,13 入力バッファ
14 アドレス信号A19加工論理回路
15 制御回路
16 内部制御信号/CE発生回路
Claims (4)
- 1パッケージ内に、データの書き換えが可能なアドレス空間を有する1またはn個(nは2以上の整数)のチップが収納される不揮発性半導体記憶装置であって、
前記1パッケージ内に収納されたチップの記憶容量分のアドレス空間を指定するアドレス信号が入力される第1アドレスバッファ手段と、
前記チップを選択するための制御信号が入力される入力バッファ手段と、
前記記憶容量分以上のアドレス空間に対するアドレス信号を入力するために設けられるN個(Nはn≦2 N を満足する最小の整数値)の第2アドレスバッファ手段と、
前記チップが1つの場合に、前記入力バッファ手段に入力される制御信号に基づいて前記1つのチップが選択される第1の状態とし、前記チップが複数の場合に、前記第2アドレスバッファ手段に入力されるアドレス信号と前記入力バッファ手段に入力される前記制御信号とに基づいて他のチップが選択される第2の状態とする選択手段と、
前記選択手段を、第1の状態とするための第1の制御信号と第2の状態とするための第2の制御信号とを出力する制御手段と、
を備えていることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。 - 前記制御手段は、前記第1の制御信号および第2の制御信号を出力するために不揮発性メモリが使用されている、請求項1に記載の不揮発性半導体記憶装置。
- 前記1パッケージ内に、それぞれの記憶容量が異なる複数のチップが収納される、請求項1に記載の不揮発性半導体記憶装置。
- 前記1パッケージ内に、それぞれのアドレス空間が相互に重なることなく独立した複数のチップが収納される、請求項1に記載の不揮発性半導体記憶装置。
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