JP3580362B2 - 光ディスク装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク装置に関し、例えばビデオ信号及びオーディオ信号をデータ圧縮して記録する光ディスク装置に適用することができる。本発明は、ワーキングディスタンス約560〔μm〕、開口数0.7以上の光学系により、波長680〔nm〕以下のレーザービームを厚さ10〜177〔μm〕の光透過層を介して照射して光ディスクをアクセスするにつき、ほぼ同一の大きさの光ディスクの光学系とほぼ同一のビーム径により光学系にレーザービームを入射して光ディスクに照射することにより、光ディスク装置に特有の機能を有効に活用できる程度で、かつビデオテープレコーダと同等の使い勝手を得ることができる程度の記録容量を確保できるようにする。
【0002】
【従来の技術】
従来、高密度に情報を記録する光ディスク装置として、DVD(Digital Versatile Disc)が提案されている。このDVDは、波長650〔nm〕のレーザービームを開口数0.6の光学系により光ディスクに照射して、片面で2.6〔GB〕のデータを記録できるようになされ、これにより片面で約1時間のビデオ信号を記録することができるようになされている。
【0003】
このDVDは、CD(Compact Disc)と同一の形状、大きさにより形成され、これによりCDの手軽さ、使い勝手に慣れ親しんだユーザーに対して違和感無く受け入れられることができるようになされている。
【0004】
また光ディスク装置に特有のアクセス機能を有効に利用して、動作モードの切り換えを高速度で実行できると考えられ、さらにはトリックプレイ、編集等の作業を簡易に実行できると考えられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで家庭用のビデオテープレコーダにおいては、基本の録画時間が2時間でなることにより、ビデオテープレコーダと同様の使い勝手を確保する為には、さらに多くの容量を記録可能にする必要がある。また光ディスクの特徴であるランダムアクセス機能等を有効に利用して編集等の処理を可能にするためには、映像信号を3時間程度記録することが必要になる。この場合DVDシステムを参考にすれば8〔GB〕程度のデータを記録可能に設定する必要がある。
【0006】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、光ディスク装置に特有の機能を有効に活用できる程度で、かつビデオテープレコーダと同等の使い勝手を得ることができる程度の記録容量を確保することができる光ディスク装置を提案しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため請求項1の発明においては、コンパクトディスクと直径が等しく、開口数NAが0.6の光学系を使用した波長650〔nm〕のレーザービームの照射により所望のデータが記録される所定の光ディスクと同一の大きさであって、該光ディスクに記録されるデータ量より3倍以上のデータ量を記録可能な光ディスクをアクセスして、所望のデータを記録再生する光ディスク装置に適用する。この請求項1の発明は、波長680〔nm〕以下のレーザービームを出射する半導体レーザーと、先の3倍以上のデータ量を記録可能な光ディスクに対してワーキングディスタンスがほぼ560〔μm〕に設定され、かつ開口数NAが0.7以上であって、先の所定の光ディスクにおける光学系に入射されるビーム径とほぼ等しいビーム径により半導体レーザーより入射されるレーザービームを、先の3倍以上のデータ量を記録可能な光ディスクの情報記録面に、この情報記録面上に形成された厚さ10〜177〔μm〕の光透過層を介して照射すると共に、戻り光を受光する光学系と、この光学系で受光した戻り光を受光して再生信号を出力する受光素子と、半導体レーザーを駆動して所望のデータを先の3倍以上のデータ量を記録可能な光ディスクに記録し、再生信号を信号処理して先の3倍以上のデータ量を記録可能な光ディスクに記録されたデータを再生する信号処理系とを備えるようにする。
【0008】
請求項1の構成によれば、ワーキングディスタンス約560〔μm〕、開口数0.7以上の光学系により、波長680〔nm〕以下のレーザービームを照射して光ディスクをアクセスすることにより、光ディスクへの光学系の衝突等を実用上十分に防止して光ディスクに高密度にデータを記録し、また高密度記録したデータを再生することができる。このときこの光学系においては、先の所定の光ディスクにおける光学系に入射されるビーム径ととほぼ同一のビーム径により光学系にレーザービームを入射して光ディスクに照射することにより、このような高開口数の光学系を実用限界により構成することができ、また厚さ10〜177〔μm〕の光透過層を介してレーザービームを照射することによりスキュー等にあっても実用限界を確保することができる。これらにより光ディスク装置に特有の機能を有効に活用できる程度で、かつビデオテープレコーダと同等の使い勝手を得ることができる程度の記録容量を確保することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳述する。
【0010】
(1)第1の実施の形態
(1−1)第1の実施の形態の構成
図2は、本発明の第1の実施の形態に係るマスタリング装置を示すブロック図である。この実施の形態に係る光ディスクの製造工程では、このマスタリング装置1によりディスク原盤2を露光し、このディスク原盤2より光ディスクを製造する。
【0011】
ここでマスタリング装置1において、ディスク原盤2は、例えばガラス基板の表面にレジストを塗布して形成され、スピンドルモータ3により角速度一定の条件で回転駆動される。
【0012】
光ヘッド4は、所定のスレッド機構により、このディスク原盤2の回転に同期して、ディスク原盤2の内周側より順次外周側に変位しながら、ディスク原盤2にレーザービームLを照射する。これにより光ヘッド4は、ディスク原盤2の内周側より外周側に、ラセン状にトラックを形成する。このとき光ヘッド4は、ディスク原盤2が1回転する周期で、約1.0〔μm〕だけ変位するようにスレッド機構により制御され、いわゆるランドグルーブ記録による場合、トラックピッチ0.5〔μm〕によりトラックを形成するようになされている。なおこのランドグルーブ記録による場合のトラックピッチは、DVDにおけるトラックピッチ0.74〔μm〕の1.48倍である。
【0013】
これによりマスタリング装置1では、このディスク原盤2により作成した光ディスクに対して線記録密度、約0.21〔μm/bit〕により所望のデータを記録して、次式の関係式より、この光ディスクに容量8〔GB〕以上のデータを記録できるようになされている。
【0014】
【数1】
Figure 0003580362
【0015】
なおここで数字4.7は、DVDの記録容量〔GB〕であり、数字0.74及び数字0.267は、DVDのトラックピッチ〔μm〕及び線記録密度〔μm/bit〕である。従って(1)式においては、DVDと同一のデータ処理による記録容量を示していることになる。
【0016】
さらにこのとき光ヘッド4は、このディスク原盤2より光ディスクを作成した際に、このレーザービームLの露光により形成されるグルーブと、隣接するグルーブ間のランドの幅とがほぼ等しくなるように、レーザービームLのスポット径が設定される。なおここでは、最終目標でなるグルーブの幅に対して、レーザービームによる実効的な露光範囲が120〔%〕程度増大するように、レーザービームのスポット形状、光量が設定される。これにより光ヘッド4は、このディスク原盤2により作成される光ディスクがランドグルーブ記録可能に、ディスク原盤2を露光する。
【0017】
さらに光ヘッド4は、光学系がディスク原盤2の半径方向に可動するように構成される。
【0018】
駆動回路5は、駆動信号SDに応じて光ヘッド4を駆動する。このとき駆動回路5は、ディスク原盤2の回転に同期したタイミングにより、レーザービーム照射位置に応じて、光ヘッド4の駆動の条件を切り換え、これにより図3に示すように、ディスク原盤2をゾーニングする。なおこの図3においては、グルーブ及びピットの記載を簡略化して示す。
【0019】
すなわちこのマスタリング装置1では、コンパクトディスクと等しい直径120〔mm〕の光ディスクにおいて、半径24〔mm〕〜58〔mm〕の領域を情報記録面に設定するように、ディスク原盤2に順次トラックを形成する。このとき駆動回路5は、この情報記録面を放射状の領域に分割してセクタ構造を形成するように、光ヘッド4の駆動条件を切り換える。さらにこの切り換えのタイミングを内周側より外周側に順次段階的に変化させることにより、情報記録面を同心円状に分割して14のゾーンZ0〜Znを形成する。
【0020】
これにより駆動回路5は、最内周のゾーンZ0においては、1トラックに9個のセクタを形成し、順次外周側のゾーンZ1、……に変位するに従って、1トラックのセクタ数を1づつ増大する。
【0021】
各セクタは、矢印A及びBによりセクタの境界を拡大して示すように、先頭がアドレスエリアAR2に割り当てられ、続く残りの領域AR1がユーザーエリアに割り当てられる。駆動回路5は、図示しないシステム制御回路の制御により、このユーザーエリアAR1においては、駆動信号SDによりレーザービーム照射位置を変位させ、これによりこのユーザーエリアAR1にグルーブを蛇行させて形成する。
【0022】
またアドレスエリアAR2においては、このアドレスエリアAR2の前半部分で、レーザービーム照射位置の変位を中止し、駆動信号SDによりレーザービームの光量を間欠的に立ち上げ、これによりグルーブによるトラックセンター上にピット列を形成する。またアドレスエリアAR2の後半部分で、レーザービーム照射位置を内周側のランドによるトラックセンター上に変位させ、駆動信号SDによりレーザービームの光量を間欠的に立ち上げ、これによりランドによるトラックセンター上にピット列を形成する。
【0023】
これにより駆動回路5は、アドレスエリアAR2の前半側には、続くグルーブによるセクタのアドレスデータを対応するトラックセンター上にピット列により記録し、アドレスエリアAR2の後半側には、続く内周側のランドによるセクタのアドレスデータを対応するトラックセンター上にピット列により記録するようになされている。
【0024】
このとき駆動回路5は、このディスク原盤2より光ディスクを作成した際に、波長650〔nm〕のレーザービームに対して、ピット及びグルーブの深さが1/6〜1/5波長になるように、レーザービーム照射時の光量を設定する。なおグルーブについては、振幅が15〜30〔nm〕になるように形成される。
【0025】
ウォウブル信号発生回路7は、ディスク原盤2の回転に同期した所定周波数の正弦波信号をウォウブル信号WBとして出力する。このときウォウブル信号発生回路7は、図3について上述したゾーニングに対応して、ウォウブル信号WBの周波数を順次段階的に増大して出力する。これによりウォウブル信号発生回路7は、このウォウブル信号WBによりレーザービーム照射位置を変位させて、1セクタ当たり397周期だけグルーブを蛇行させる。
【0026】
これによりアドレスエリア(ヘッダエリア)AR2においては、グルーブの5周期に相当する長さが割り当てられ、最内周のゾーンZ0のトラックでは、グルーブが3573周期蛇行するように形成され、外周側のゾーンに移るに従って、順次グルーブの蛇行が1トラック当たり397周期増大するように形成される。なおこの実施の形態では、このグルーブの蛇行の1周期に対して、25バイトのデータがユーザーエリアAR1に割り当てられ、この1周期が約42〔μm〕の長さにより形成される。
【0027】
アドレス信号生成回路6は、システム制御回路の制御により光ヘッド4の変位に応じて順次値の変化するアドレス信号SAを生成して出力する。すなわちアドレス信号生成回路6は、ディスク原盤2の回転に同期したタイミング信号(FG信号等でなる)をスピンドルモータ3等より受け、このタイミング信号を所定のカウンタによりカウントする。これによりアドレス信号生成回路6は、図4に示すように、レーザービーム照射位置のアドレスデータIDを生成する(図4(A)、(C1)及び(C2))。なおこの図4に示す数字は、各データのバイト数である。
【0028】
アドレス信号生成回路6は、このアドレスデータIDに対してセクタマークSM、同期用のタイミングデータVFO、アドレスマークAM、ポストアンブルPAを付加して、それぞれアドレスエリアAR2の前半部分及び後半部分に割り当てるセクタヘッダを生成する(図4(B)、(C1)及び(C2))。なおここでアドレス信号生成回路6は、各セクタヘッダを62バイトにより形成し、アドレスエリアAR2に記録するデータを8Kバイトにより形成する。セクタマークSMは、セクタヘッダの開始を示すために設定され、4バイトが割り当てられる。同期用のタイミングデータVFOは、光ディスク装置におけるPLL回路のロックのために配置され、それぞれ先頭側より26バイト及び16バイトが割り当てられる。
【0029】
アドレスマークAMは、アドレスの同期信号であり、1バイトが割り当てられる。アドレスデータIDは、6バイトであり、内2バイトが誤り検出符号である。アドレスデータIDは、同一のデータが繰り返し2回記録され、その分信頼性を向上するようになされている。ポストアンブルPAは、信号の極性を設定するために配置され、1バイトが割り当てられる。
【0030】
アドレス信号生成回路6は、このようにして生成したセクタヘッダを、シリアルデータ列に変換し、このシルアルデータ列を所定フォーマットにより変調する。さらにアドレス信号生成回路6は、この被変調信号をアドレス信号SAとして出力する。このときアドレス信号生成回路6は、このアドレス信号SAをレーザービームLの走査に対応するタイミングにより出力する。
【0031】
合成回路8は、このウォウブル信号WBと、アドレス信号SAとを合成して、光ヘッド4の光学系を変位される変位信号と、レーザービームの光量を制御する光量制御信号とでなる駆動信号SDを生成し、この駆動信号SDを駆動回路5に出力する。
【0032】
これによりこのディスク原盤2より作成される光ディスクは、情報記録面が同心円状に分割されて、内周側より外周側のゾーンに向かってセクタ数が順次増大するようにプリフォーマットされて形成される。さらに各セクタの先頭には、アドレスエリアAR2が形成され、続くグルーブによるセクタのアドレスと、続くランドによるセクタのアドレスとがこのアドレスエリアAR2に記録され、続くユーザーエリアAR1に所望のデータが記録されることになる。
【0033】
このユーザーエリアAR1に対して(図4(B))、この実施の形態では、ギャップ0.5バイト及び8バイトを間に挟んで、24バイトのガード、25バイトのVFO、2バイトの同期バイト、9672バイトのユーザーデータ、1バイトのポストアンブル(PA)、52バイトのガード、16バイトのバッファが順次割り当てられるようになされている。
【0034】
なおここでギャップは、ランドグルーブの切り換え領域及びレーザービーム光量の切り換え領域であり、ガードは、記録メディアとして相変化メディアを用いた場合に、オーバーライトによる記録材料の流動性を抑え、記録エリアのオーバーライトサイクルを向上させるために配置される。同期バイトは、光ディスク装置におけるPLL回路のロックのために配置され、ポストアンブルは、極性設定のために配置され、バッファは、偏心等によるジッタを吸収する記録エリアの冗長エリアである。
【0035】
図5は、このディスク原盤2より作成される光ディスクを示す斜視図と、グルーブの部分で断面を取って示す断面図である。この光ディスクは、全体が1.2〔mm〕の板厚により形成され、相変化型の光ディスクにおいては、ディスク基板上に、アルミニウム膜、ZnS−SiO 膜、GeSbTe膜、ZnS−SiO 膜が順次形成されて情報記録面が作成される。また光磁気ディスクにおいては、ディスク基板上に、アルミニウム膜、SiN膜、TbFeCo膜、SiN膜が順次形成されて情報記録面が作成され、追記型の場合、ディスク基板上に、アルミニウム又は金のスパッタ膜、所定の有機色素膜が順次形成されて情報記録面が作成される。
【0036】
さらにこの情報記録面の上に、レーザービームを透過してこのレーザービームを情報記録面に導く光透過面が約0.1〔mm〕の厚さで形成される。これによりこの実施の形態に係る光ディスクは、光透過面を介して高開口数の光学系よりレーザービームを照射しても、スキューの影響を有効に回避してこの情報記録面に所望のデータを確実に記録再生できるようになされている。
【0037】
なおこの光ディスクは、直径が120〔mm〕により形成され、半径24〔mm〕〜58〔mm〕の領域が記録領域に割り当てられるようになされている。
【0038】
さらに光ディスクは、光ディスクの種類を識別できるように形成された所定のカートリッジに収納されて保存され、またこのカートリッジごと光ディスク装置に装填できるように形成され、これにより高開口数の光学系によりアクセスする場合でも、塵等の影響を有効に回避できるようになされている。
【0039】
これらにより光ディスクは、相変化型の光ディスクにおいては、レーザービームの照射により情報記録面の結晶構造を局所的に変化させて所望のデータを記録できるように形成され、また戻り光の光量変化を検出して記録したデータを再生できるように形成される。
【0040】
また光磁気ディスクにおいては、レーザービーム照射位置に磁界を印加して所望のデータを熱磁気記録できるように形成され、また戻り光の偏光面を検出することにより磁気カー効果を利用して記録したデータを再生できるように形成される。さらに追記型の場合、レーザービームの照射により情報記録面を局所的に破壊して所望のデータを記録できるように形成され、また戻り光の光量変化を検出して記録したデータを再生できるように形成される。
【0041】
これらの場合に光ディスクにおいては、各ゾーンにおいて、角速度一定の条件によりディスク原盤2を回転駆動して、順次段階的にウォウブル信号の周波数が切り換えられ、このウォウブル信号WBによりグルーブが形成されることになる。これにより光ディスクは、ゾーニングされて、各ゾーン内において、光ディスクの回転角度に換算したグルーブの蛇行周期が一定に形成される。
【0042】
さらにこの実施の形態において、光ディスクは、情報記録面が片面にのみに形成されたものと、情報記録面が両面に形成されたものとの2種類が製造され、この両面に情報記録面が形成された光ディスクは、ディスク基板を薄く形成した光ディスクを貼り合わせて、厚さが1.2〔mm〕、各光透過層の厚さが0.1〔mm〕により形成されるようになされている。
【0043】
図6は、このようにして製造された光ディスクをアクセスする光ディスク装置について、ウォウブル信号の処理系を中心に示すブロック図である。この光ディスク装置10においては、光ヘッド11より光ディスク12にレーザービームを照射し、その戻り光を受光する。
【0044】
すなわち図7に示すように、光ヘッド11において、半導体レーザー13は、所定の駆動信号SLにより駆動されて、波長650〔nm〕のレーザービームを射出する。このとき半導体レーザー13は、再生時においては、一定の光量によりレーザービームを射出する。これに対して記録時においては、間欠的に光量を立ち上げてレーザービームを射出し、この実施の形態では、このレーザービームの光量の立ち上げにより、光ディスク12の情報記録装置にピット又はマークを形成できるようになされている。
【0045】
続くコリメータレンズ14は、半導体レーザー13より射出されたレーザービームを平行光線に変換し、続く整形レンズ15は、このレーザービームの非点収差を補正し、ビームスプリッタ16を透過させて対物レンズ17に出射する。
【0046】
対物レンズ17は、このレーザービームを光ディスク12の情報記録面に集光し、その戻り光を受光する。これにより光ディスク装置10では、光ディスク12が再生専用の光ディスクの場合、この戻り光の光量の変化に応じて光ディスク12に記録されたデータを再生できるようになされている。また光ディスク12が相変化型の光ディスクの場合、レーザービーム照射位置の結晶構造を局所的に変化させて所望のデータを記録し、また戻り光の光量変化に応じて記録したデータを再生できるようになされている。
【0047】
さらに光ディスク12が追記型の光ディスクの場合、レーザービーム照射位置を局所的に破壊して所望のデータを記録し、また戻り光の光量変化に応じて記録したデータを再生できるようになされている。これに対して光ディスク12が光磁気ディスクの場合、対物レンズ17に近接して配置した変調コイル18を所定の駆動回路19により駆動し、レーザービーム照射位置に所定の変調磁界を印加することにより、熱磁気記録の手法を適用して所望のデータを記録し、また戻り光の偏光面の変化を検出して記録したデータを再生できるようになされている。
【0048】
これによりビームスプリッタ16は、整形レンズ15より入射するレーザービームを透過して対物レンズ17に出射するのに対し、対物レンズ17より入射する戻り光を反射して光路を分離し、ビームスプリッタ20に出射する。
【0049】
ビームスプリッタ20は、この戻り光を透過及び反射することにより、戻り光を2条の光束に分離して出射する。
【0050】
レンズ21は、ビームスプリッタ20で反射された戻り光を入射し、この戻り光を収束光束に変換する。シリンドリカルレンズ22は、レンズ21より出射される戻り光に非点収差を与える。光検出器23は、このシリンドリカルレンズ22より出射される戻り光を受光する。
【0051】
ここで光検出器23は、受光面を所定形状に分割し、分割した各受光面の受光結果を出力できるようになされている。これにより光検出器23は、図示しない電流電圧変換回路により各受光面の受光結果を電流電圧変換した後、マトリックス回路により加減算処理することにより、戻り光の光量に応じて信号レベルが変化する再生信号RF、グルーブ又はピット列に対するレーザービーム照射位置の変位に応じて信号レベルが変化するプッシュプル信号PP、デフォーカス量に応じて信号レベルが変化するフォーカスエラー信号FEを検出するようになされている。
【0052】
これに対して1/2波長板25は、ビームスプリッタ20を透過した戻り光を入射し、この戻り光の偏光面を変化させて、後述する偏光ビームスプリッタ27における戻り光の分離に適した偏光面により出射する。レンズ26は、1/2波長板25より出射する戻り光を収束光束に変換する。偏光ビームスプリッタ27は、この戻り光を受け、所定の偏光成分を反射すると共に残りを透過し、これにより偏光面に応じて相補的に光量の変化する2条の光束に戻り光を分離する。
【0053】
光検出器28及び29は、この偏光ビームスプリッタ27により分離された2条の光束をそれぞれ受光し、受光光量に応じて信号レベルの変化する受光結果を出力する。差動アンプ30は、電流電圧変換回路を介して、この2つの光検出器28及び29の受光結果を受け、その差動増幅結果を得ることにより、戻り光の偏光面に応じて信号レベルが変化する再生信号MOを出力する。
【0054】
これらにより光ヘッド11は、各種の光ディスク12を対象にして、所望のデータを記録し、また記録したデータを再生できるようになされている。
【0055】
図8は、この光ヘッド11の対物レンズ17の周辺構成を示す断面図である。この対物レンズ17は、第1レンズ17A及び第2レンズ17Bにより構成される。ここでこの第1レンズ17A及び第2レンズ17Bは、共に非球面のプラスチックレンズで形成され、所定の保持部材17Cに一体に保持され、駆動アクチュエータ17Dにより図面上にて上下左右に可動できるようになされている。これにより光ディスク装置10では、第1レンズ17A及び第2レンズ17Bを一体に可動してトラッキング制御及びフォーカス制御できるようになされている。
【0056】
さらにこの第1レンズ17A及び第2レンズ17Bは、レーザービームの入射側でなる第2レンズ17Bが比較的大口径に形成されるのに対し、光ディスク12側の第1レンズ17Aが小口径により形成され、対物レンズ17全体として開口数が0.78になるように各焦点距離及び間隔が設定されるようになされている。
【0057】
これにより対物レンズ17は、次式の関係式を満足できるようになされている。なおここでλは、レーザービームの波長であり、NAは対物レンズ17の開口数であり、tは、光ディスク12の光透過層の厚さであり、Δtは、tのばらつきである。またθは、光ディスク12のスキューマージンである。
【0058】
【数2】
Figure 0003580362
【0059】
【数3】
Figure 0003580362
【0060】
ここで(2)式は、光ディスクを安定にアクセス可能なスキューマージンθと光学系との関係を示すもので(特開平3−225650号公報)、現在量産されているコンパクトディスク等においては、スキューマージンθとして0.6度程度のものが市場に流通している。またDVDでは、スキューマージンθは0.4度に設定されている。これによりこの実施の形態では、光ディスク12において、光透過層の厚さを0.1〔mm〕に設定し、光学系の開口数NAを大きな値に設定しても実用上充分に安定に光ディスク12をアクセスできるようになされている。
【0061】
また(3)式は、光学系に許容し得る光透過層の厚さtのばらつきを示すもので、定数0.526は、コンパクトディスクを基準にして算出された値であり、Δtは、コンパクトディスクで±100〔μm〕、DVDでは±30〔μm〕である。これによりこの光ディスク装置10では、光透過層の厚さtがばらついても安定に光ディスク12をアクセスできるようになされている。
【0062】
かくするにつき光ヘッド11は、開口数0.78の光学系を介して、波長650〔nm〕のレーザービームを光ディスク12に照射することにより、次式の関係式を満足するようになされている。
【0063】
【数4】
Figure 0003580362
【0064】
なおここで数字4.7は、DVDの記録容量〔GB〕であり、数字0.65及び数字0.6は、それぞれDVDにおけるレーザービームの波長及び光学系の開口数である。これにより光ヘッド11においては、DVDと同一のフォーマットによりデータ処理して約8〔GB〕の記録容量を確保できるようになされている。
【0065】
このように形成される対物レンズ17において、第1レンズ17Aは、光ディスク12側に飛び出すように保持され、これによりこの開口数により要求されるワーキングディスタンスWDにより保持されるようになされている。なおこの実施の形態では、第1レンズ17A及び第2レンズ17Bの特性、配置を選定して、ワーキングディスタンスWDは、560〔μm〕程度に設定され、これにより光ヘッド11は、対物レンズ17のレンズ面間の偏心許容度、面角許容度、レンズの曲率を実用上十分に量産可能な範囲に設定できるようになされ、また全体形状を小型化できるようになされ、さらには光ディスクへの衝突を有効に回避できるようになされている。
【0066】
すなわち図9に示すように、同一ビーム径のレーザービームを入射するとして、開口数を増大すると、その分光ディスクの情報記録面に対して対物レンズを近接して配置する必要がある。なおこの図9においては、光透過層の厚さが0としてワーキングディスタンスを示す。これにより光ディスクに対して充分な間隔を確保して光ヘッドを配置しようとすると、レーザービームのビーム径を従来に比して格段的に増大させる必要がある。これに対してレーザービームのビーム径においては、DVDによる場合にほぼ等しい4.5〔mm〕程度が実用的な上限値である。
【0067】
これに対して光ヘッドを光ディスクに近接して配置して、その分レーザービームのビーム径を小型化し、また光学系の形状を小型化する場合には、その分対物レンズの制作精度、配置精度が高精度化し、さらには光ディスクに光ヘッドが衝突する恐れもある。これによりこの実施の形態では、ワーキングディスタンスWDを560〔μm〕程度に設定し、これらの条件を満足する。
【0068】
さら第1レンズ17Aの光ディスク12側レンズ面が平坦に形成され、これにより確実にフォーカス制御できるように形成され、また光ディスク12がスキューしても、光透過層の表面に衝突しないようになされている。
【0069】
さらに対物レンズ17は、光ディスク12側の直径が階段状に小径化され、レーザービームを光ディスク12に導くに十分なだけ、光ディスク12側のレンズ面が小径に形成される。
【0070】
変調コイル18は、この第1レンズ17Aの先端側を囲むように、また光ディスク12側の側面が第1レンズ17Aのレンズ面とほぼ平坦になるように配置される。これにより変調コイル18は、第1レンズ17Aのレンズ面より突出しない範囲で、光ディスク12に可能な限り近接して配置され、レーザービーム照射位置に効率良く変調磁界を印加できるようになされている。
【0071】
さらに変調コイル18は、この第1レンズ17Aを囲むように、第2レンズ17B側に配置された放熱板17Eにより温度上昇が低減され、これにより温度上昇による種々の特性変化を実用上十分な範囲に留めることができるようになされている。
【0072】
光ディスク装置10において(図6)、スピンドルモータ33は、システム制御回路34の制御により、光ディスク12を回転駆動する。このときスピンドルモータ33は、通常の動作モードにおいては、PLL回路35で生成される書き込み読み出しクロックR/W CKが一定周波数になるように光ディスク12を回転駆動することにより、図10に示すように、いわゆるZCLV(Zone Constant Liner Velocity)の手法により光ディスク12を回転駆動する。なおここでこのZCLVによるゾーニングは、図3について説明したゾーンニングに対応する。
【0073】
すなわちスピンドルモータ33は、レーザービーム照射位置に応じて、順次段階的に光ディスク12の回転速度を切り換え(図10(A))、これにより光ディスク装置10では、内周側と外周側とで線速度及び線記録密度が大きく変化しないようにして記録密度を向上し(図10(B)及び(C))、またアクセス速度の低下を有効に回避する。
【0074】
これに対してアフレコ等の特殊動作モードにおいて、スピンドルモータ33は、システム制御回路34の制御により所定の回転速度により光ディスク12を回転駆動する。
【0075】
スレッドモータ36は、システム制御回路34の制御により光ヘッド11を光ディスク12の半径方向に可動し、光ディスク装置10では、これによりシークできるようになされている。
【0076】
アドレス検出回路37は、光ヘッド11より戻り光の光量に応じて信号レベルが変化する再生信号RFを受け、この再生信号RFを2値化する。さらに2値化した信号よりセクタヘッダに割り当てた同期信号を基準にしてアドレスデータIDを検出してシステム制御回路34に出力し、またこの検出したタイミングをクラスタカウンタ38に通知する。これにより光ディスク装置10は、システム制御回路34において、光ディスク12にプリフォーマットされたこのアドレスデータIDに基づいてレーザービーム照射位置を特定できるようになされ、またクラスタカウンタ38において、セクタのタイミングを確認できるようになされている。
【0077】
さらにアドレス検出回路37は、このアドレスデータIDを出力する際に、この各アドレスデータIDに割り当てられた誤り検出符号により誤り検出処理し、正しいと判断されるアドレスデータIDを選択的に出力する。
【0078】
ウォウブル信号検出回路39は、光ヘッド11より出力されるプッシュプル信号PPをバンドパスフィルタ39Aに与え、ここでウォウブル信号WBを抽出する。さらにウォウブル信号検出回路39は、続く比較回路(COM)39Bにおいて、0レベルを基準にしてウォウブル信号WBを2値化し、これによりウォウブル信号WBのエッジ情報を抽出する。
【0079】
ウォウブリング周期検出回路40は、この2値化された2値化信号S1を受け、この2値化信号S1の各エッジのタイミングを基準にして対応するエッジのタイミングを判定することにより、正しい周期によりウォウブル信号WBが変化しているか否か判定する。さらにウォウブリング周期検出回路40は、正しい周期と判断したエッジ情報を選択的にPLL回路35に出力する。これによりウォウブリング周期検出回路40は、光ディスク12に付着した塵等によって、クロックCKが変位しないようにする。
【0080】
PLL回路35は、ウォウブリング周期検出回路40より出力される2値化信号を位相比較回路(PC)35Aに与え、ここで分周器35Bより出力されるクロックCKと位相比較する。ここで分周器35Bにおいては、システム制御回路34の設定により、分周比を切り換えて所定のクロックCKを出力する。
【0081】
これによりこのPLL回路35においては、ローパスフィルタ(LPF)35Cにより、位相比較回路35Aより出力される位相比較結果の低周波成分を抽出し、この低周波成分により電圧制御型発振回路(VCO)36Dの発振周波数を制御する。さらにこの電圧制御型発振回路36Dの発振出力を分周器35Bで分周し、これにより精度の高いクロックCKを生成できるようになされている。
【0082】
このPLL回路35において、分周器35Bは、システム制御回路34の設定により、図3について説明したゾーニングに対応するように、レーザービーム照射位置が光ディスク12の外周側に変位するに従って分周比が順次増大するように設定される。これによりPLL回路35は、レーザービーム照射位置が光ディスク12の外周側に変位するに従って、順次段階的に、ウォウブル信号WBの周波数に対して電圧制御型発振回路36Dの発振出力の周波数が増大するようになされ、この発振出力を書き込み読み出し用クロックR/W CKとして出力する。
【0083】
光ディスク装置10においては、通常の動作モードにおいて、スピンドルモータ33により、この書き込み読み出しクロックR/W CKが一定周波数になるよう光ディスク12を回転駆動することにより、またこの書き込み読み出しクロックR/W CKを基準にして所望のデータを記録することにより、内周側と外周側とで線記録密度が大きく変化しないようにし、その分記録密度を増大できるようになされている。
【0084】
クラスタカウンタ38は、アドレス検出回路37の検出結果を基準にして、書き込み読み出し用クロックR/W CKをカウントすることにより、この書き込み読み出し用クロックR/W CKを基準にして高い精度によりレーザービーム照射位置を特定する。さらにクラスタカウンタ38は、カウント結果に基づいて、システム制御回路34にクラスタスタートパルスを出力する。なおここでクラスタは、光ディスク12に対するデータの記録再生の単位であり、クラスタスタートパルスは、このクラスタの開始のタイミングを指示するパルスである。
【0085】
この処理においてクラスタカウンタ38は、例えばディスク表面の塵等により、アドレス検出回路37よりセクタ開始のタイミングが検出されない場合、書き込み読み出し用クロックR/W CKのカウント結果を基準にした同期処理により、クラスタスタートパルスを補間処理する。
【0086】
システム制御回路34は、この光ディスク装置10全体の動作を制御するコンピュータにより構成され、順次入力されるアドレスデータIDに基づいて、スレッドモータ36等の動作を制御し、また全体の動作モードを切り換えることにより、レーザービーム照射位置に応じて、さらには外部機器からの制御により、全体の動作を制御する。
【0087】
この一連の処理においてシステム制御回路34は、アドレスデータIDを基準にしたレーザービーム照射位置に応じて、メモリ42に格納した分周比のデータにより分周器35Bの分周比を切り換える。
【0088】
これによりシステム制御回路34は、通常の動作モードにおいて、図3について上述したゾーンZ0、Z1、……、Zn−1、Znに対応するように、内周側から外周側のゾーンに向かって、順次段階的に光ディスクの回転速度を低減して、内周側のゾーンと外周側のゾーンとで各セクタを等しい記録密度に設定する。
【0089】
これに対してアフレコ等の特殊動作モードにおいて、2チャンネルのユーザーデータDU1、DU2について、記録再生の処理を交互に繰り返す場合、また2チャンネルのユーザーデータDU1、DU2を交互に光ディスク12より再生して同時並列的に出力する場合、システム制御回路34は、1のユーザーデータの再生の為にゾーンを切り換えても光ディスク12の回転速度を切り換えないように、スピンドルサーボ回路の動作を制御する。
【0090】
これによりシステム制御回路34は、記録再生の処理を交互に繰り返す場合、再生時においては、ゾーンが切り換わっても直前の記録時における光ディスク12の回転速度によりユーザーデータDUを再生する。また2チャンネルのユーザーデータDU1、DU2を交互に光ディスク12より再生して同時並列的に出力する場合、1のユーザーデータについては、他のユーザーデータの再生時における回転速度により光ディスク12を回転駆動した状態で光ディスク12より再生する。なおこれらの場合に、システム制御回路34は、記録側のチャンネル、他の再生側のチャンネルについては、ZCLVの手法を適用して、それぞれ対応するゾーンについて設定された回転速度の2倍の回転速度により光ディスク12を回転駆動してユーザーデータを記録し、また再生する。
【0091】
かくするにつき、この種の光ディスク装置においては、光ディスクの回転速度を切り換えた場合、整定に時間を要する。これにより光ディスク装置10では、光ディスク12の回転速度の切り換えに要する時間を省略して、回転速度の切り換えに比して格段的に短時間のPLL回路のロックに要する待ち時間等だけで、記録再生の動作を切り換えるようになされている。
【0092】
このときシステム制御回路34は、記録側のチャンネル、他の再生側のチャンネルについて適用するZCLVの制御において、光ディスク12の回転速度を通常の動作モードにおける回転速度の約2倍に設定する。これによりシステム制御回路34は、2チャンネルのユーザーデータを処理するにつき、光ディスク12に対して高速度に、かつ間欠的にユーザーデータDUを記録再生して、シーク等に、また他のチャンネルの処理に十分な時間を確保できるようになされている。
【0093】
図11は、このシステム制御回路34における光ディスクの回転速度の設定処理を示すフローチャートである。システム制御回路34は、ユーザーが動作モードを選択すると、ステップSP1からステップSP2に移り、ここでユーザーの選択した動作モードが、アフレコ等の上述した動作モードか否か判断し、ここで否定結果が得られるとステップSP3に移る。ここでシステム制御回路34は、スピンドルサーボ回路の動作モードをZCLVによる動作モードに設定した後、ステップSP4に移ってこの処理手順を終了する。
【0094】
これに対してユーザーの選択した動作モードがアフレコ等の上述した動作モードの場合、ステップSP2において肯定結果が得られることにより、システム制御回路34は、ステップSP5に移る。ここでシステム制御回路34は、例えば2つのチャンネルをそれぞれ記録再生する場合は、再生側のチャンネルについて、また2つのチャンネルをそれぞれ再生する場合は、何れかのチャンネルについて、回転速度の切り換えを停止する(すなわち動作モードをCAVに設定する)。続いてシステム制御回路34は、ステップSP6に移り、残るチャンネルについては、上述の回転速度におけるZCLVによる動作モードをスピンドル制御に設定した後、ステップSP4に移ってこの処理手順を終了する。
【0095】
システム制御回路34は、このように光ディスク12の回転速度を制御した状態で、クラスタカウンタ38より出力されるクラスタスタートパルスに従って書き込み読み出しの制御を実行することにより、各セクタに設定したアドレスエリアAR2を基準にして、連続する4つのセクタに1クラスタのデータを割り当てる。これによりシステム制御回路34は、内周側のゾーンから外周側のゾーンに向かって、順次各ゾーンに割り当てるクラスタ数を増大するようになされている。
【0096】
さらにシステム制御回路34は、図示しないトラッキングサーボ回路に対してトラッキングエラー信号の極性に対する対物レンズ17の可動方向を切り換え指示し、これによりレーザービームの走査を、グルーブと、グルーブ間のランドとの間で切り換え制御する。これによりこの光ディスク装置10では、いわゆるランド/グルーブ記録できるようになされている。
【0097】
図1は、この光ディスク装置10の記録再生系を示すブロック図である。この光ディスク装置10において、ディスク弁別器50は、例えばカートリッジに形成された凹部より光ディスク12の種類を識別し、識別信号をシステム制御回路34に出力する。これにより光ディスク装置10は、装填された光ディスク12の種類に応じて、記録再生系の動作を切り換え、各種光ディスクをアクセスできるようになされている。
【0098】
ここでエンコーダ51は、記録時、編集時等において、外部機器よりビデオ信号及びオーディオ信号でなる入力信号SINを入力し、このビデオ信号及びオーディオ信号をアナログディジタル変換処理した後、MPEG(Moving Picture Experts Group)に規程のフォーマットによりデータ圧縮する。さらにエンコーダ51は、これらデータ圧縮したビデオ信号及びオーディオ信号をパケット化し、各パケットにパケットヘッダ、コントロールデータ等を付加する。エンコーダ51は、これらのパケットを順次出力することにより、データ圧縮したビデオ信号及びオーディオ信号を時分割多重化し、この時分割多重化したビットストリームによるユーザーデータDUを生成する。
【0099】
この一連の処理において、エンコーダ51は、最大で、2チャンネルのビデオ信号及びオーディオ信号を同時並列的に処理して、この2チャンネルのビデオ信号及びオーディオ信号に対応する2チャンネルのユーザーデータDU1、DU2を同時並列的に出力可能に構成され、システム制御回路34の制御により、必要に応じてこの2チャンネルの同時並列的な処理を実行する。
【0100】
これに対してデコーダ52は、エンコーダ51とは逆に、再生時、編集時において、記録再生回路53より出力されるユーザーデータDUをMPEGに規程のフォーマットによりデータ伸長してディジタルビデオ信号、ディジタルオーディオ信号を生成し、このディジタルビデオ信号及びディジタルオーディオ信号をアナログ信号SOUTに変換して出力する。
【0101】
デコーダ52は、エンコーダ51と同様に、最大で、2チャンネルのビデオ信号及びオーディオ信号SOUT1、SOUT2について、このようなデコードの処理を同時並列的に実行できるように構成され、システム制御回路34の制御により動作を切り換えて必要に応じてこの2チャンネルの同時並列的な処理を実行する。
【0102】
記録再生回路53は、記録時、編集時、エンコーダ51より出力されるユーザーデータDUをメモリ54に蓄積すると共に、所定ブロック単位で処理して光ディスク12に記録する。
【0103】
すなわち図12に示すように、記録再生回路53は、ユーザーデータDUを2048バイト単位で順次ブロック化し、各ブロックに16バイトによるアドレスデータ及びエラー検出符号を付加する。記録再生回路53は、この2048バイト+16バイトによりセクタデータブロックを形成する。アドレスデータは、このセクタデータブロックのアドレスデータである。なおユーザーデータDUによるセクタは、図3について上述したプリフォーマットによるセクタとは異なる。またエラー検出符号は、このアドレスデータの誤り検出符号である。
【0104】
さらに図13に示すように、記録再生回路53は、16個のセクタデータブロックによりECCデータブロック(182バイト×208バイト)を形成する。すなわち記録再生回路53は、図面にて、2048バイト+16バイトによる16個のセクタデータブロックを172バイト単位で順次ラスタ走査の順に配列し、この横方向に、内符号でなる誤り訂正符号(PI)を生成する。さらにこの縦方向に外符号でなる誤り訂正符号(PO)を生成する。
【0105】
記録再生回路53は、このECCブロックをインターリーブ処理して、図14に示すフレーム構造を形成する。すなわち記録再生回路53は、182バイト×208バイトのECCデータブロックの各91バイトに対して、2バイトのフレーム同期信号(FS)を割り当て、これにより1つのECCデータブロックで416フレームを形成する。これにより記録再生回路53は、この図14に示すフレーム構造により1クラスタのデータを形成し、この1クラスタを連続する4つのセクタに割り当てる。
【0106】
これにより記録再生回路53は、これらフレーム同期信号、誤り訂正符号、さらにはフレームアドレス等の冗長なデータをユーザーデータに付加して記録する際に、冗長度を23〔%〕以下に設定し、効率良くユーザーデータを記録する。かくするにつきDVDでは、この冗長度が23〔%〕に設定されており、この実施の形態においては、DVDと等しい冗長度に設定しても、充分な記録容量を確保することができる。因みに冗長度を23〔%〕以上に設定しても、不必要に誤り訂正能力を強化することになる。
【0107】
またこのECCデータブロックを32〔KB〕のユーザーデータにより形成したことにより、誤り訂正処理における符号間間隔を十分に確保できるようになされ、その分誤り訂正能力を強化できるようになされている。またECCデータブロックを単位にして記録再生の処理を実行して、全体として簡易な処理により記録再生の処理、さらにはアフレコ等の処理を実行できるようになされている。
【0108】
このとき記録再生回路53は、必要に応じて所定の固定値のデータを割り当てて、図4について上述したセクタ構造により、連続するデータを処理する。さらに記録再生回路53は、このような配列によるデータ列を(1、7)RLL変調した後、連続するビット間で演算処理して出力する。またこの出力の際に、書き込み読み出しクロックR/W CKを基準にして動作することにより、通常の動作モードにおいて、ユーザーデータDUに換算して11.08〔Mbps〕のデータ転送速度により出力することにより、エンコーダ51より入力されるユーザーデータDUに比して高速度の転送速度により間欠的に出力する。これにより記録再生回路53は、間欠的にユーザーデータDUを記録して余る空き時間を利用して、光ヘッド11をシークできるようになされ、このシークにより連続するユーザーデータを離散的に記録できるようになされている。
【0109】
さらにアフレコ等の特殊動作モードにおいては、ユーザーデータDUに換算して約20〔Mbps〕のデータ転送速度により変調したデータを出力し、これにより必要に応じて2チャンネルのユーザーデータDU1、DU2を交互に記録できるようになされている。かくするにつき、クラスタを単位にして記録再生の動作を繰り返すことにより、光ディスク装置10においては、光ディスク12に記録されたデータの再生と、再生したデータを編集して記録する処理、さらにはアフレコ等の処理を実行できるようになされている。
【0110】
このデータ記録の際に、記録再生回路53は、図6について上述した書き込み読み出しクロックR/W CKを基準にして変調したデータを出力し、またシステム制御回路34の制御により、クラスタカウンタ38で検出されたタイミングを基準にして変調したデータの出力を開始する。
【0111】
さらに記録再生回路53は、再生時、光ヘッド11より入力される再生信号RF、MOを増幅した後、2値化して2値化信号を生成する。さらにこの2値化信号を基準にして再生信号RF、MOよりクロックを再生する。かくするにつき、この再生されたクロックは、書き込み読み出しクロックR/W CKに対応することになる。さらにこの再生したクロックを基準にして順次2値化信号をラッチすることにより再生データを検出する。
【0112】
このとき記録再生回路53は、PRML(Patial−Response Maximum−Likelihood)の手法を適用して、この再生データを復号して復号データを生成する。さらに記録再生回路53は、この復号データをデインターリーブ処理した後、誤り訂正処理し、デコーダ52に出力する。
【0113】
かくするにつきDVDにおいては、(1、7)RLL変調したデータを最短ピット長0.4〔μm〕で記録するようになされており、単純に開口数により換算してDVDと同一のマージンにより記録再生系を形成すると、最短ピット長0.3〔μm〕、線記録密度0.23〔μm〕により所望のデータを記録再生することができる。これに対してPRMLにより積極的に符号間干渉を利用すれば、その分線記録密度0.23〔μm〕以下により同様のマージンを確保することができる。
【0114】
このとき記録再生回路53は、通常の動作モードにおいて、記録時と同様に、ユーザーデータDUに換算して11.08〔Mbps〕のデータ転送速度によりクラスタを単位にして間欠的に光ディスク12よりデータ再生し、この再生したユーザーデータDUをメモリ54を介して連続的にデコーダ52に出力する。これに対してアフレコ等の特殊動作モードにおいては、光ディスク12の回転速度に対応した、ユーザーデータDUに換算して約20〔Mbps〕のデータ転送速度によりクラスタを単位にして間欠的に光ディスク12よりデータ再生し、この再生したユーザーデータDUをメモリ54を介して連続的にデコーダ52に出力する。
【0115】
この一連の再生時における処理において、記録再生回路53は、光ディスク12が光磁気ディスクの場合、システム制御回路34の制御により、偏光面に応じて信号レベルが変化する再生信号MOを選択的に処理して、ユーザーデータDUを再生する。また光ディスク12が再生専用の光ディスク、追記型、相変化型の場合、戻り光の光量変化に応じて信号レベルが変化する再生信号RFを選択的に処理してユーザーデータDUを再生する。さらに光ディスク12が光磁気ディスクの場合でも、内周側のリードインエリアを再生する場合、再生信号RFを選択的に処理してユーザーデータDUを再生する。
【0116】
アドレス読出回路55は、記録時、各セクタデータブロック(図12)に付加するアドレスデータを生成して記録再生回路53に出力し、再生時、記録再生回路53で検出されたアドレスデータを解析してシステム制御回路34に通知する。
【0117】
メモリ54は、ユーザーデータを一時格納して保持する大容量のバッファメモリにより構成され、図示しないメモリ制御回路における書き込みポインタ、読み出しポインタによるアドレス制御により、記録領域を順次循環的に切り換えて、エンコーダ51、デコーダ52との間でユーザーデータDUを連続的に入出力し、また記録再生回路53を介して光ディスク12との間でクラスタを単位にしてユーザーデータDUを間欠的に入出力する。
【0118】
このときメモリ54は、アフレコ等の特殊動作モードにおいて、2チャンネルのユーザーデータDU1、DU2を同時並列的に処理する場合、図15に示すように、これら2チャンネルのユーザーデータDU1、DU2に対応して、光ディスク12に対する入出力用のポインタP1H、P2H、エンコーダ51、デコーダ52に対する入出力用のポインタP1O、P2Oが設定され、これらポインタによるアドレス制御により、エンコーダ51、デコーダ52に対しては、これら2チャンネルのユーザーデータDU1、DU2を同時並列的にかつ連続的に入出力し、光ディスク12に対しては、クラスタを単位にして、ユーザーデータDU1、DU2を交互に入出力する。
【0119】
なおこの図15は、アフレコの場合におけるポインタの設定を示し、光ディスク12に対する入出力用のポインタP1H、P2Hは、それぞれ光ディスク12に対する読み出し及び書き込みのポインタRPw、WPrを示し、エンコーダ51、デコーダ52に対する入出力用のポインタP1O、P2Oは、それぞれエンコーダ51からの入力用のポインタWPw、デコーダ52に対する出力用のポインタRPrを示している。
【0120】
かくするにつき、このメモリ54の容量を約10〔Mbit〕に設定すれば、エンコーダ51、デコーダ52に対するデータ転送速度を8〔Mbps〕、シークに要する時間を約200〔msec〕として、約2秒間隔で、光ディスク12に対して2チャンネルのユーザーデータを交互に記録、再生して、このユーザーデータによるビデオ信号及びオーディオ信号を途絶えることなく記録再生することができる。
【0121】
レーザー駆動回路57は、書き込み時、光ディスク12が光磁気ディスクの場合、システム制御回路34の制御により、書き込み読み出しクロックR/W CKに同期したタイミングにより光ヘッド11の半導体レーザーを駆動し、これによりレーザービームの光量を間欠的に立ち上げる。これにより光ディスク装置10では、最短記録ピット4/3bitにより最大ランレングス8T、最小ランレングス2Tのマーク列を形成して線記録密度0.21〔μm/bit〕によりユーザーデータを記録する。
【0122】
またレーザー駆動回路57は、書き込み時、光ディスク12が相変化型又追記型の場合、システム制御回路34の制御により、記録再生回路53の出力データによりレーザービームの光量を間欠的に立ち上げ、これにより光ディスク12にユーザーデータDUを記録する。これにより光ディスク装置10では、最短記録マーク又は最短記録ピット4/3bitにより最大ランレングス2T、最小ランレングスTのピット列を形成して線記録密度0.21〔μm/bit〕により、また最短ビット長0.3〔μm〕以下によりユーザーデータを記録する。
【0123】
これに対してレーザー駆動回路57は、読み出し時、レーザービームの光量を一定の低レベルに保持する。
【0124】
変調コイル駆動回路56は、光ディスク12が光磁気ディスクの場合、システム制御回路34の制御により記録時動作を立ち上げ、記録再生回路53の出力データにより光ヘッド11の変調コイルを駆動する。これにより変調コイル駆動回路56は、間欠的に光量が立ち上がるレーザービーム照射位置に変調磁界を印加して、熱磁気記録の手法を適用して、最短記録マーク4/3bitにより最大ランレングス8T、最小ランレングス2Tのマークを形成して線記録密度0.21〔μm/bit〕により、また最短マーク長0.3〔μm〕以下によりユーザーデータを記録する。
【0125】
図16は、通常の記録、再生時におけるシステム制御回路34の制御を示す図表である。なお以下の説明において、図面上、符号R及びWにより光ディスク12に対する書き込み及び読み出しを示す。システム制御回路34は、記録時においては、順次入力される1チャンネルのビデオ信号及びオーディオ信号SIN(図16(A))を、エンコーダ51によりユーザーデータDUに変換し、メモリ54に順次入力する。さらに光ヘッド11を目的のセクタまでシークしてスチルに保持した状態で、所定の記録単位のデータ量がメモリ54に蓄積されて、メモリ54の空き容量が所定値以下になると、クラスタを単位にして、このメモリ54に保持したユーザーデータDUを光ディスク12に記録する(図16(B)及び(C1))。
【0126】
システム制御回路34は、この光ディスク12に対する記録の処理により、メモリ54に保持したユーザーデータ量が所定値以下になると、光ディスク12に対する記録を中断する。システム制御回路34は、光ヘッド11を続くセクタに対してスチルの状態に保持して、再び記録単位のデータ量がメモリ54に蓄積されるのを待機し、メモリ54にこの記録単位のデータ量が蓄積されると、再び光ディスク12に記録する(図16(B)及び(C2))。
【0127】
これによりシステム制御回路34は、メモリ54を介してユーザーデータDUを時間軸圧縮して間欠的に、かつ連続するユーザーデータDUを連続するセクタに割り当てて記録する。なおシステム制御回路34は、光ディスク12のリードインエリアに記録されたファイル管理用のデータにより判断して、連続する領域を光ディスク12上に確保できない場合は、離散的にユーザーデータDUを記録し、この場合はユーザーデータDUを光ディスク12に記録する際に、スチルだけでなく併せてシークの処理を実行し、また必要に応じて光ディスク12の回転速度を切り換える。
【0128】
これに対してユーザーが再生の処理を選択した場合、システム制御回路34は、目的のセクタに光ヘッド11をシークさせた後、再生の開始を指示し、記録再生回路53で復号されたユーザーデータDUをメモリ54に格納すると共に、このメモリ54に格納したユーザーデータDUを順次デコーダ52に出力する。この状態で、メモリ54に格納したユーザーデータDUのデータ量が所定の記録再生単位になり、メモリ54の空き容量が所定値以下になると、システム制御回路34は、光ヘッド11を続くセクタに対してスチルに保持し、ユーザーデータDUの光ディスク12からの再生を中断する。
【0129】
この状態でメモリ54に保持したデータ量が所定値以下に低下すると、システム制御回路34は、光ディスク12の再生開始を指示する。これによりシステム制御回路34は、光ディスク12より間欠的にユーザーデータDUを再生して、連続するビデオ信号及びオーディオ信号SOUTを途絶えることなく出力する。
【0130】
図17は、ユーザーが追っかけ再生のモードを選択した場合を示す略線図である。この追っかけ再生は、例えばユーザーの指定したビデオ信号及びオーディオ信号を録画している途中で、ユーザーが録画モードを維持したまま、録画中の番組の再生を録画開始位置より指示した場合に設定される。
【0131】
システム制御回路34は、図16について説明したように1チャンネルのビデオ信号及びオーディオ信号を光ディスク12に記録している状態で、ユーザーによりこの動作モードが選択されると、光ディスク12の回転速度を通常の2倍の回転速度に切り換える。またこれに同期して、書き込み読み出しクロックR/WCKが通常2倍の周波数になるように分周器35Bの分周比を設定する(図6)。これによりシステム制御回路34は、光ディスク12に対するデータ転送速度をそれまでのほぼ2倍に増大して、ユーザーデータDUを間欠的に光ディスク12に記録する。
【0132】
このようにデータ転送速度を切り換えると共に、システム制御回路34は、図15について上述した4つのポインタの設定により、ユーザーデータDUを記録する間の空き時間を利用して、光ディスク12に記録したユーザーデータを再生する(図17(A)、(B)及び(C))。すなわちシステム制御回路34は、メモリ54に蓄積したユーザーデータDUを光ディスク12に記録してメモリ54に蓄積した記録用のユーザーデータ量が所定値以下に低下すると、光ディスク12に対する記録を中断し、記録開始位置に光ヘッド11をシークさせる(図17(D1))。
【0133】
続いてシステム制御回路34は、この記録開始位置よりユーザーデータDUの再生を開始し(図17(D2))、光ディスク12より再生したユーザーデータDUを順次メモリ54に格納すると共に、このメモリ54に格納したユーザーデータDUをデコーダ52に出力する。このときメモリ54に所定量のユーザーデータDUを蓄積して、このメモリ54に保持した記録側のユーザーデータ量が所定値以下になると、デコーダ52に対するユーザーデータDUの出力を継続したまま、光ディスク12からの再生を中断する。
【0134】
さらにシステム制御回路34は、光ヘッド11をシークさせ(図17(D3))、光ディスク12よりユーザーデータDUを再生している間にメモリ54に蓄積されたユーザーデータDUを中断したセクタより続いて記録する(図17(D4))。
【0135】
システム制御回路34は、メモリ54に蓄積された記録側のユーザーデータ量が所定値以上になり、光ディスク12より再生してメモリ54に保持したユーザーデータ量が所定値以下になると、この記録の処理を中断し、再び光ヘッド11をシークして続くユーザーデータを再生する。
【0136】
これによりシステム制御回路34は、連続するビデオ信号及びオーディオ信号を光ディスク12に記録しながら、この光ディスク12に記録したビデオ信号及びオーディオ信号を途切れることなく再生して出力する。
【0137】
このようにして2チャンネルのユーザーデータを記録再生するにつき、システム制御回路34は、図18に示すように、記録対象のゾーンが例えばZmからZm+1に切り換わると、光ディスク12の回転速度を通常の回転速度の2倍の回転速度に保持することを前提にして、この回転速度の基準となる通常の回転速度における各ゾーンの回転速度に対応して、光ディスク12の回転速度を切り換える(図18(A)及び(B))。これによりシステム制御回路34は、光ディスク12に対する記録時においては、書き込み読み出しクロックR/W CKを一定周波数に維持し、またこれに伴いレーザービーム照射位置の線速度もほぼ一定に保持する(図18(C)及び(D))。
【0138】
これに対して再生時においては、光ディスク12の回転速度の切り換えを中断し、直前の記録時における回転速度に維持したまま、光ディスク12を再生する。この場合、記録再生回路53において、この光ディスク12の回転速度に対応する周波数により再生クロックが得られ、この再生クロックにより光ディスク12より得られる再生データが処理されることになる。またこの再生クロックは、PLL回路35により生成される書き込み読み出しクロックR/W CKに対応することから、この場合書き込み読み出しクロックR/W CKの周波数がレーザービーム照射位置に応じて変化することになる。
【0139】
これによりシステム制御回路34は、光ディスク12の回転速度の切り換え頻度を低減して、アクセス速度を向上するようになされている。
【0140】
図19は、ユーザーがマルチチャンネルのモードを選択した場合を示す略線図である。ここでマルチチャンネルは、2チャンネルのビデオ信号及びオーディオ信号を同時に記録し、又は再生する処理である。この場合システム制御回路34は、光ディスク12の回転速度を通常の2倍の回転速度に設定して、2チャンネルのビデオ信号及びオーディオ信号を記録し、又は再生する。
【0141】
システム制御回路34は、ユーザーがマルチチャンネルの記録モードを選択した場合、エンコーダ51により2チャンネルのビデオ信号及びオーディオ信号を処理して、2チャンネルの連続するユーザーデータDU1、DU2を生成し、このユーザーデータDU1、DU2をメモリ54に順次入力する(図19(A)及び(B))。
【0142】
さらにシステム制御回路34は、図15について上述した4つのポインタの設定により、所定の記録開始位置に光ヘッド11をシークさせて待機させた状態で(図19(C)及び(D1))、何れかのユーザーデータDU1又はDU2がメモリ54に所定量だけ蓄積されると、このユーザーデータDU1又はDU2について光ディスク12への記録を開始する(図19(D2))。これによりこの記録を開始したユーザーデータについて、メモリ54におけるデータ量が所定値以下になると、光ディスク12への記録を中断する。さらにシステム制御回路34は、他のチャンネルの記録開始位置に光ヘッド11をシークさせて待機し(図19(D3))、この他のチャンネルについてメモリ54に保持したユーザーデータDUを同様に記録する(図19(D4))。
【0143】
システム制御回路34は、この一連の処理を交互に繰り返し、これにより連続する2チャンネルのユーザーデータをメモリ54に入力しながら、交互に光ディスク12に記録する。このときシステム制御回路34は、予めユーザーの入力等に従ってこの2つのビデオ信号及びオーディオ信号の録画時間を把握し、各チャンネルに予め連続する領域を確保して光ヘッド11をシークさせる。
【0144】
これに対してユーザーがマルチチャンネルにおける再生のモードを選択した場合、システム制御回路34は、記録時と同様に、光ヘッド11をシークさせ、また光ディスク12に対するアクセスを制御し、これにより間欠的に光ディスク12より2チャンネルのユーザーデータを再生してメモリ54に保持し、またこのメモリ54に保持した2チャンネルのユーザーデータを連続的にデコーダ52によりデコードして出力する。
【0145】
なおシステム制御回路34は、このマルチチャンネルの再生モードにおいても、1方のチャンネルについては、光ディスク12の回転速度を他方のチャンネルにおける回転速度に維持し、これにより光ディスク12の回転速度の切り換え頻度を低減してアクセス速度を向上する。
【0146】
図20は、ユーザーがアフレコのモードを選択した場合を示す略線図である。この場合光ディスク装置10においては、図21に示すように、順次再生したビデオ信号及びオーディオ信号(図20(A))が外部のモニタ、スピーカによりモニタさせ、またマイク等により入力されるオーディオ信号等が再生したビデオ信号、オーディオ信号とミキシングされて順次入力されることになる(図20(B))。
【0147】
システム制御回路34は、光ディスク12に対するデータ転送速度及び光ディスク12の回転速度を通常モードの2倍に設定する。この状態でユーザーの選択した番組の再生開始位置に光ヘッド11をシークさせ(図20(C)及び(D1))、この位置よりユーザーデータDUの再生を開始する。さらに再生したユーザーデータをメモリ54に格納すると共に、格納したユーザーデータをデコーダ52を介して出力する(図20(D2))。この状態でメモリ54に所定量だけユーザーデータが蓄積されると、システム制御回路34は、再生を中断し、再生開始の位置に光ヘッド11をシークさせる(図20(D3))。ここでこの再生したユーザーデータが外部機器で処理さて順次メモリ54に蓄積されていることにより、このメモリ54に蓄積されたユーザーデータを光ディスク12の対応する箇所に例えばオーバーライト記録する(図20(D4))。これによりメモリ54に蓄積した記録側のユーザーデータ量、又は再生側のユーザーデータ量が所定値以下になると、再生を中断した箇所よりユーザーデータを再生し、これらの制御を繰り返す。
【0148】
これによりシステム制御回路34は、間欠的に光ディスク12よりユーザーデータDUを再生し、このユーザーデータDUの再生箇所に、外部機器より処理されたユーザーデータを間欠的に記録し直す。なおシステム制御回路34は、このアフレコにおいても、再生側チャンネルについては、光ディスク12の回転速度を記録側チャンネルにおける回転速度に維持し、これにより光ディスク12の回転速度の切り換え頻度を低減してアクセス速度を向上する。
【0149】
図22は、ユーザーがポインタ再生のモードを選択した場合を示す略線図である。この場合システム制御回路34は、光ディスク12のリードインエリアに記録されたファイル管理用のデータにより判断して、光ディスク12に記録された各番組を順次頭出しして所定期間づつ再生する。このためシステム制御回路34は、このファイル管理用のデータに従って、光ヘッド11をシークさせて頭出しし(図22(B))、この頭出しした箇所より光ディスク12の再生を開始する(図22(A1)、(B))。さらにメモリ54を介して、再生したユーザーデータを出力する(図22(C))。
【0150】
ここで所定時間経過してメモリ54に十分なユーザーデータ量が蓄積されると、システム制御回路34は、光ヘッド11をシークさせて続く番組を頭出しし(図22(A2))、このメモリ54のユーザーデータ量が所定値以下に低減するのを待って、この頭出しした箇所より光ディスク12を再生する(図22(A3))。システム制御回路34は、これらの処理を繰り返して、光ディスク12に記録された各番組を順次頭出しして再生する。
【0151】
図23は、システム制御回路34の制御により、連続するデータを記録再生する際における光ディスク12のアクセスを示す略線図である。システム制御回路34は、アドレス検出回路37より検出されるアドレスデータIDに基づいて、内周側のゾーンより外周側のゾーンに対象を切り換えて、順次連続するデータを記録し、また連続するデータを再生する。
【0152】
このときシステム制御回路34は、スレッドモータ36を制御して、内周側のゾーンより外周側のゾーンZmにアクセス対象を切り換えた場合、符号G1により示すように、最内周のグルーブよりアクセスを開始した後、符号G2により示すように、このグルーブによるトラックをこのゾーンZmの最外周までアクセスするように、全体の動作を制御する。続いてシステム制御回路34は、符号Jにより示すように、トラックジャンプを指示し、このゾーンZmの最内周のランドによるトラックにアクセス対象を切り換え、この最内周のランドによるトラックから(符号L1)、このランドによるトラックをこのゾーンZmの最外周までアクセスするように(符号L2)全体の動作を制御する。
【0153】
これによりシステム制御回路34は、ZCLVにより光ディスク12を駆動するにつき、一定の回転速度に保持する範囲については、この範囲に対して連続するユーザーデータDUを記録し、この範囲について記録困難になると、続く外周側の領域にユーザーデータDUを記録する。これにより光ディスク装置10では、可能な範囲で、光ディスク12の回転速度の切り換え頻度を低減するようになされ、その分アクセス速度を向上するようになされている。
【0154】
このときシステム制御回路34は、この一定の回転速度に保持する範囲のうち、始めにグルーブによるトラックについて内周側より外周側に順次ユーザーデータDUを記録し、この記録が完了すると、ランドによるトラックについて順次ユーザーデータを記録することにより、光ヘッド11のシーク頻度についても低減するようになされ、これによってもアクセス速度を向上するようになされている。
【0155】
システム制御回路34は、このようにして1のゾーンについてアクセスを完了すると、続く外周側のゾーンにアクセス対象を切り換え、この外周側ゾーンのグルーブによるトラックより、続くユーザーデータDUの記録を開始する。これによりシステム制御回路34は、各ゾーンにおいては、グルーブによるトラックよりアクセスを開始するように、全体の動作を制御する。
【0156】
ところでこの実施の形態のように、高開口数の光ヘッドにより光ディスクをアクセスする場合、ディスク表面に付着した塵等により記録再生特性が劣化する。実験した結果によれば、図24に示すように、開口数0.8による場合は、小径の塵(100〔μm〕以上の塵により)によってもバーストエラーが発生し、これによりディスク表面に小さな塵等が付着しても、ビットエラーレートが低下することが分かった。このためこの実施の形態では光ディスク12をカートリッジに収納して保持する。
【0157】
図25は、光ディスク12を収納するカートリッジを示す分解斜視図である。この実施の形態では、光ディスク12をこのカートリッジ60に取り出し困難に収納して保持し、この状態で光ディスク装置10に装填する。なおこの図25においては、シャッターを取り外した状態を示す。
【0158】
すなわち光ディスク12は、シート材61及び62が両面に配置されて、上ケース63及び下ケース64に収納される。ここでシート材61及び62は、不織布を略円盤形状に打ち抜いて形成され、この不織布は、表面に微小が凹凸が形成された繊維により形成される。これによりカートリッジ60では、光ディスク12が回転すると、光ディスク12表面の塵等をシート材61及び62に吸着させ、このシート材61及び62により光ディスク12の両面を清掃する。
【0159】
さらにシート材61及び62は、光ディスク12より大径に形成され、光ディスク12の周囲を囲むように、接着材により周囲(図面にてハッチングにより示す)が接着される。これによりシート材61及び62は、光ディスク12を内部に収納する袋状に形成され、カートリッジ60内に侵入した塵等が、容易に光ディスク12に付着しないように、光ディスク12を保護する。
【0160】
さらにシート材61及び62は、光ディスク12の回転中心近傍と、この回転中心近傍より外周側に延長する切り欠きが形成され、この回転中心近傍の切り欠き61A、62Aにより光ディスク装置10で光ディスク12をチャッキングできるように形成され、また回転中心近傍から延長する切り欠き61B、62Bにより、光ディスク12をアクセスできるように形成される。
【0161】
ここで図26に示すように、この回転中心近傍の切り欠き61A、62Aは、光ディスク12をチャッキングするのに必要最小限度の大きさに形成される。また回転中心近傍から延長する切り欠き61B、62Bは、光ヘッド11がアクセスするのに必要最小限度の大きさに形成され、具体的に、この実施の形態では、光ディスク装置10が小さなワーキングディスタンスにより光ディスク12をアクセスすることにより、光ヘッド11がシークしても、光ヘッド11の第1レンズ17Aと変調コイル18等の構成部品が接触しない形状に形成される。
【0162】
これによりシート材61及び62は、光ディスク12の回転中心近傍と、レーザービームの入射を害する範囲とを除いて、光ディスク12の表面を覆い、可能な限り光ディスク12を露出させないようになされている。なお光ディスク12が片面のみに情報記録面が形成されている場合、シート材61及び62の何れかは、回転中心近傍の切り欠きのみ形成される。
【0163】
上ケース63及び下ケース64は、樹脂を射出形成して形成され、シート材61及び62の切り欠き61B、62Bに対応して、光ディスク12の回転中心近傍と、この回転中心近傍より光ディスク12の外周方向に延長する開口63A及び64Aが形成される。ここで回転中心近傍には、光ディスク12をチャッキングするために、この回転中心近傍より光ディスク12の外周方向については、光ヘッド11を近接して配置するために、開口が形成される。
【0164】
このため回転中心近傍より光ディスク12の外周方向については、シート材61及び62の切り欠き62B、62Bに比して幅広に開口が形成される。なお光ディスク12が片面のみに情報記録面を有する場合、上ケース63及び下ケース64の何れかについては、回転中心近傍にのみ開口が形成される。
【0165】
さらに下ケース64は、開口64Aの近傍、光ディスク12の情報記録面が開口64Aに侵入する側に、押圧部材65−1、65−2が配置され、この押圧部材65−1、65−2によりシート材61、62を押圧して、光ディスク12に対してシート材61及び62を押圧する。ここで押圧部材65−1、65−2は、金属板材をバネ状に曲げ加工して形成される。これにより光ディスク12は、シート材61及び62による清浄の効果を増大するようになされている。
【0166】
さらに図27に示すように、上ケース63及び下ケース64は、開口63A、64Aとは逆側の隅部が光ディスク12の識別領域63B、64Bに割り当てられ、内部に保持する光ディスク12に応じてこの識別領域63B、64Bに、矩形形状の凹部66が形成される。これによりカートリッジ60では、光ディスク12の種類を簡易かつ確実に識別できるようになされている。なお、内部に収納する光ディスク12が、両面に情報記録面を有するいわゆる両面ディスクの場合、上ケース63及び下ケース64は、それぞれに識別領域63B、64Bが形成されるのに対し、光ディスク12が片面のみに情報記録面を有する場合、上ケース63及び下ケース64の何れかについてだけ識別領域が形成される。
【0167】
さらに上ケース63及び下ケース64は、残る隅部に、アクセス制限の設定領域63C、64Cが形成され、この設定領域63C、64Cにスライドスイッチ67が配置される。ここでこのスライドスイッチ67は、矢印に示すようにスライドさせて、この設定領域63C、64Cに貫通孔を形成し、またこの貫通孔を閉じることができるように形成される。これによりカートリッジ60では、このスライドスイッチ67を操作して、光ディスク12の各面について、それぞれ書き込み禁止の状態を設定できるようになされている。なお光ディスク12が片面のみに情報記録面を有する場合、上ケース63及び下ケース64の何れかについてだけアクセス制限の設定領域が形成される。
【0168】
カートリッジ60は、このようにして上ケース63及び下ケース64に光ディスク12を収納した状態で、シャッター68を配置して形成される。ここでシャッター68は、金属板材を曲げ加工して形成され、又は樹脂を射出成形して形成され、断面コの字状に形成される。このシャッター68は、上ケース63及び下ケース64の開口63A及び64Aを塞ぐように配置され、光ディスク装置10のローディング機構によりスライドして開口63A及び64Aを露出させる。
【0169】
このシャッター68に対応して、上ケース63及び下ケース64は、開口63A、64Aを囲むように、緩衝部材63D及び64Dが配置される。ここでこの緩衝部材63D及び64Dは、図28に示すように、弾性を有するシート材でなる、例えばフェルトのシート材を、開口63A、64Aを囲む形状に打ち抜き、これを上ケース63及び下ケース64にそれぞれ貼り付けて配置される。これによりカートリッジ60は、シャッター68により開口63A、64Aを塞いだ際に、シャッター68と上ケース63及び下ケース64との間の隙間より塵等が侵入しないように、緩衝部材63D及び64Dにより隙間を塞ぐようになされている。
【0170】
さらに上ケース63及び下ケース64は、矢印A及びBに示すように(図27)、開口63A、64A側の隅部に、シャッター68のスライドを制限する可動制限機構が配置される。ここで可動制限機構は、カートリッジ60の両側面に形成された溝より飛び出さないように、両側面にボタン70A、70Bが配置される。さらに可動制限機構は、開口63A及び64Aをシャッター68が覆った状態で、シャッター68の両側、カートリッジ60の側面に、ボタン71A、71Bが配置される。
【0171】
図29は、図27において符号Aにより示した一方の可動制限機構を示す平面図である。この可動制限機構において、ボタン70Aは、回動部材72Aの一部が側面より突出して形成される。ここで回動部材72Aは、樹脂を射出成形して形成され、カートリッジ60の隅部に配置された回動軸73Aを回動中心にして回動自在に保持される。さらに回動部材72Aは、カートリッジ60の側面に形成された窓よりボタン70Aだけしか突出しないように、ボタン70Aの根元側が大きな形状により形成され、この根元側の部分が連結部材74Aを介して、第1のストッパー75Aに接続される。
【0172】
この第1のストッパー75Aは、弾性を有する樹脂を射出成形して形成され、回動軸76Aに回動自在に軸支される。第1のストッパー75Aは、この回動軸76Aの付近より2つの腕が延長するように形成され、そのうちの1つの腕が上ケース63又は下ケース64に形成された突起77Aに引っ掛かって、この突起77Aと、この突起77Aに引っ掛かる腕の弾性力により、矢印Cで示すように、ボタン70A側に回動する方向に、全体を押圧する。また第1のストッパー75Aは、残りの腕が連結部材74Aを介して回動部材72Aと連結される。これにより第1のストッパー75Aは、矢印Dにより示すように、カートリッジ60の窓よりボタン70Aが突出するように、回動部材72Aを押圧し、回動部材72Aは、ボタン70Aの根元側がカートリッジ60の窓に突き当たることにより、第1のストッパー75Aの回動を制限する。
【0173】
さらに第1のストッパー75Aは、連結部材74Aの接続部より、1の腕がほぼ直角に折れ曲がって側面とほぼ平行に延長し、シャッター68の端部近傍にて、この腕の先端がシャッター側側面に折れ曲がる。第1のストッパー75Aは、このシャッター側側面に折れ曲がった腕の先端で、第2のストッパー79Aの動きを規制する。
【0174】
すなわち第2のストッパー79Aは、第1のストッパー75Aと同一の樹脂を射出成形して形成され、所定の回動軸80Aに回動自在に軸支される。第2のストッパー79Aは、この回動軸80Aの付近より2つの腕が延長するように形成され、そのうちの1つの腕にボタン71Aが形成される。さらに第2のストッパー79Aは、他方の腕の先端が突起81Aに引っ掛かる。ここで突起81Aは、ケース63又は64より突出するように、第1のストッパー75Aの腕の背側に形成される。これにより第2のストッパー79Aは、この突起77Aに引っ掛かる腕の弾性力により、矢印Eにより示すように、ボタン71A側に回動するように、全体を押圧する。
【0175】
さらに第2のストッパー79Aは、このボタン71A側の腕の先端がシャッター68の根元部分まで延長し、この腕の先端部分がシャッター68の突起と噛み合うように形成され、またこのようにシャッター68の突起と噛み合った状態で、この腕の背の部分に第1のストッパー75Aの腕の先端が突き当たるように形成される。
【0176】
これにより第2のストッパー79Aは、ボタン71Aがカートリッジ60の内側に変位してシャッター68との噛み合いが外れないように、第1のストッパー75Aにより動きが規制されるようになされている。
【0177】
これによりカートリッジ60では、この一の可動制限機構により、ユーザーの誤操作等によりシャッター68をスライドさせて開口を露出しないようにし、塵等の侵入を有効に回避するようになされている。
【0178】
かくするにつき図30に示すように、この可動制限機構においては、カートリッジ60の側面より突出するボタン70Aを所定の押圧部材82Aにより押圧することにより、矢印Fに示すように、連結部材74Aを介して第1のストッパー75Aが回動して、この第1のストッパー75Aの腕の先端部分が第2のストッパー79Aの背の分より遠ざかり、これにより第2のストッパー79Aに配置されたボタン71Aが変位可能な状態に保持される。
【0179】
さらに図31に示すように、この状態で第2のストッパー79Aに配置されたボタン71Aを押圧することにより、シャッター68と第2のストッパー79Aとの噛み合いが外れ、その後図32に示すように、他方の可動制限機構による可動の制限を受けないことを前提として、シャッター68が可動するようになされている。これによりカートリッジ60では、一方の可動制限機構において、ボタン70A及び71Bを順次押圧してシャッター68をスライドできるように形成され、これによりユーザーによる単純な誤操作によっては、開口が露出しないようになされている。
【0180】
図33〜図35は、他方の可動制限機構を示す平面図である。この他方の可動制限機構は、対応する符号の添え字を代えて示すように、図29〜図32について説明した一方の可動制限機構と対称に形成される。これによりカートリッジ60では、いわゆる両面ディスクを収納した場合に、カートリッジ60を裏返して光ディスク装置10に装填して、片面の光ディスクの場合と同様に、簡易に装填できるようになされ、また光ディスク装置10側でも、共通のローディング機構により片面ディスクと両面ディスクとをローディングできるようになされている。
【0181】
なおこの他方の可動制限機構は、側面のボタン70Bを押圧して、第2のストッパー79Bの回動の規制を解除するまでは、一方の可動制限機構と同一に動作するものの、その後の動きにおいて、図35に示すように、シャッター68によりボタン71Bが押圧されて、シャッター68がスライドするようになされている。
【0182】
これによりこのカートリッジ60では、三重の安全機構によりシャッター68の誤操作による塵等の侵入を有効に回避するようになされている。
【0183】
図36は、この可動制限機構と、光ディスク装置10のローディング機構との関係を示す斜視図である。この光ディスク装置10では、所定のトレイ85にカートリッジ60を引き込んで光ディスク12をローディングする。このトレイ85は、内側側面に、押圧部材でなる突起82A及び82Bが配置され、トレイ85上をカートリッジ60が所定位置までスライドすると、この突起82A及び82Bによりボタン70A及び70Bを押圧する。
【0184】
さらに光ディスク装置10は、このトレイ85の奥に、2つのローラー83及び84が配置される。ここでこの2つのローラー83及び84は、所定の回動軸に軸支された腕の先端に取り付けられ、矢印Gにより示すように、トレイ85側に付勢されるようになされている。この2つのローラー83及び84は、カートリッジ60が所定位置までスライドすると、ボタン70A及び70Bが押圧された状態で、ローラー83がボタン71Aとシャッター68の端部に、ローラー84がボタン71Bとシャッター68に当接する。
【0185】
さらに2つのローラー83及び84は、カートリッジ60がさらにスライドすると、一方のローラー83がボタン71Aを押圧してシャッター68をスライドさせ、他方のローラー84がボタン71B及びシャッター68より押圧されて回動し、これにより矢印Hにより示すように、シャッター68をスライドさせて開口を露出させる。光ディスク装置10では、このようにしてシャッター68が完全に開くと、図面にてカートリッジ60の下側より光ヘッド11が光ディスク12に接近し、その後フォーカスサーチ等の処理が実行される。
【0186】
これに対してこのカートリッジ60を排出する場合、光ディスク装置10では、ローディング時に、ボタン71B及びシャッター68より押圧されて回動した他方のローラー84によりシャッター68を押圧し、これにより元の状態に復帰させる。また、ローラ83のみであっても、シャッター68は、カートリッジ内部に設けられたバネによっても、元の状態に復帰することができるようになされている。
【0187】
なおカートリッジ60においては、片面ディスクを収納する場合、シャッター68の1方向へのスライドを制限するように、上ケース63、下ケース64が形成され、これにより誤装着を有効に回避できるようになされている。
【0188】
図37は、識別領域63B又は64Bと、光ディスク装置10との関係を示す略線図である。この光ディスク装置10においては、識別領域64Bの凹部66に対応して配置された複数のスイッチ87A〜87Dによりディスク弁別器50が形成される。
【0189】
すなわちこれらスイッチ87A〜87Dは、識別領域64Bにおける凹部66の有無に応じてそれぞれオンオフ動作し、このオンオフ動作により得られる4値の判別信号をシステム制御回路34に出力する。
【0190】
システム制御回路34は、カートリッジ60が上述のトレイ85に挿入されると、所定の駆動機構を駆動してカートリッジ60をローディングし、このディスク弁別器50の判別信号を基準にしてカートリッジ60に収納された光ディスク12の種類を判別する。さらにシステム制御回路34は、この判別結果に基づいてメモリ42に保持された対応する基準レーザー光量をロードし、この基準レーザー光量によりレーザー駆動回路57の駆動条件を設定する。ここでメモリ42は、上述した分周器35Bの分周比に加えて、各種光ディスク12の基準レーザー光量を保持する。
【0191】
これによりシステム制御回路34は、書き込み時、光ディスク12の種類に対応する基準光量により光ディスク12にレーザービームLを照射し、このレーザービームLの照射結果より最終的な書き込み用のレーザービーム光量を設定し、また光ディスク12が光磁気ディスクの場合、変調コイル駆動回路56を駆動してレーザービーム照射位置に変調磁界を印加する。
【0192】
図37は、識別領域63B又は64Bと、光ディスク装置10との関係を示す略線図である。この光ディスク装置10においては、識別領域64Bの凹部66に対応して配置された複数のスイッチ87A〜87Dによりディスク弁別器50が形成される。
【0193】
すなわちこれらスイッチ87A〜87Dは、識別領域64Bにおける凹部66の有無に応じてそれぞれオンオフ動作し、このオンオフ動作により得られる4値の判別信号をシステム制御回路34に出力する。
【0194】
システム制御回路34は、カートリッジ60が上述のトレイ85に挿入されると、所定の駆動機構を駆動してカートリッジ60をローディングすると、このディスク弁別器50の判別信号を基準にしてカートリッジ60に収納された光ディスク12の種類を判別する。さらにシステム制御回路34は、この判別結果に基づいてメモリ42に保持された対応する基準レーザー光量をロードし、この基準レーザー光量によりレーザー駆動回路57の駆動条件を設定する。ここでメモリ42は、上述した分周器35Bの分周比に加えて、各種光ディスク12の基準レーザー光量を保持する。
【0195】
これによりシステム制御回路34は、書き込み時、光ディスク12の種類に対応する基準光量により光ディスク12にレーザービームLを照射し、このレーザービームLの照射結果より最終的な書き込み用のレーザービーム光量を設定し、また光ディスク12が光磁気ディスクの場合、変調コイル駆動回路56を駆動してレーザービーム照射位置に変調磁界を印加する。
【0196】
(1−2)第1の実施の形態の動作
以上の構成において、マスタリング装置1では(図2)、ディスク原盤2を回転駆動して内周側より外周側に向かってらせん状にレーザービームLを照射することにより、約1.0〔μm〕の間隔で、グルーブの形状が形成され、このグルーブ形状がウォウブル信号WBにより蛇行するように形成される。
【0197】
さらにこのときマスタリング装置1では、レーザービームLの露光により形成されるグルーブと、隣接するグルーブ間の間隔とがほぼ等しくなるように、レーザービームLのスポット形状、光量が設定され、これにより光ディスクは、グルーブを基準にしてランドグルーブ記録可能なように形成される。またこのときグルーブを基準にして約0.21〔μm/bit〕の線記録密度によりランドグルーブ記録して容量8〔GB〕以上のデータを記録できるように形成される。これによりマスタリング装置1は、このディスク原盤2より作成される光ディスクについては、情報記録面を有効に利用して容量8〔GB〕以上のデータを記録できるようにする。
【0198】
このときマスタリング装置1では、アドレス信号生成回路6において、ディスク原盤2の回転に応じて順次値が変化するアドレスデータID(図4(A))が形成され、このアドレスデータIDに同期データ等が付加されてアドレスエリアAR2に割り当てるデータが形成される。さらにこのデータが変調された後、合成回路8においてウォウブル信号WBと合成された後、駆動回路5に出力される。これによりマスタリング装置1では、グルーブの蛇行が所定の角間隔で中断されて、ディスク原盤2にピット列によるアドレスデータが記録され、このアドレスデータを先頭にしてディスク原盤2を所定の角間隔で放射状に分割してなるセクタ構造が形成される。
【0199】
これによりこのディスク原盤2により形成される光ディスクにおいては、セクタ構造が形成され、このアドレスデータを基準にして各セクタを単位にしてアクセスすることができ、その分アクセス速度が向上される。またこのとき塵等により正しくアドレスデータを再生できない場合でも、グルーブの蛇行を基準にした補間処理により、各セクタを正しくアクセスすることができる。従ってアドレスデータにおいては、高密度に情報を記録する場合でも、冗長度を低く設定することができ、その分情報記録面を有効に利用して光ディスクに記録されたアドレスを確実に検出することができる。
【0200】
このようにしてセクタ構造を形成する際に、マスタリング装置1では、ウォウブル信号WBの周波数の切り換えにより、ディスク原盤2が同心円状にゾーニングされ、内周側のゾーンより外周側のゾーンに向かって順次セクタ数が増大するように、ピット列が形成される。これによりこのゾーニングに対応してゾーンCLVの手法を適用して光ディスクをアクセスして、情報記録面を効率良く利用することができ、またアクセス速度を向上することができる。
【0201】
さらにこのときアドレスエリアAR2を前後の領域に分割して、それぞれ続くグルーブによるセクタと、続くランドによるセクタとのアドレスデータを割り当てたことにより、ランドグルーブ記録により高密度にデータを記録する場合でも、隣接トラックからのクロストークを有効に回避して、確実にアドレスデータを再生することができる。
【0202】
これによりこの実施の形態に係る光ディスクの製造工程では、このマスタリング装置1によるディスク原盤2より、所定の工程を経て、ディスク原盤2に形成したセクタ構造により光ディスクが作成される。
【0203】
この光ディスクは(図5)、この情報記録面の上に、レーザービームを透過してこのレーザービームを情報記録面に導く光透過層が約0.1〔mm〕の厚さで形成され、これにより光透過層を介して高開口数の光学系よりレーザービームを照射しても、(2)式及び(3)式の関係式を満足するように設定され、スキューの影響を有効に回避してこの情報記録面に所望のデータを確実に記録再生できるように形成される。
【0204】
この光ディスク12は、光ディスク装置において、このようにして生成されたグルーブの蛇行を基準にしてスピンドル制御等の処理が実行され、このときPLL回路35においてグルーブの蛇行を基準にした精度の高いクロックCKが生成され、またクラスタカウンタ38によりセクタのタイミングが検出される(図6)。
【0205】
すなわち光ディスク12は、光ディスク装置10において(図7、図8)、光ヘッド11よりレーザービームが照射され、その戻り光が光ヘッド11により受光されて、戻り光の光量に応じて信号レベルが変化する再生信号RF、戻り光の偏光面に応じて信号レベルが変化する再生信号MO、グルーブ又はピット列に対するレーザービーム照射位置の変位に応じて信号レベルが変化するプッシュプル信号PP、デフォーカス量に応じて信号レベルが変化するフォーカスエラー信号FEが検出される。
【0206】
このときワーキングディスタンスWDが560〔μm〕に設定された開口数0.78の対物レンズ17を介して波長650〔nm〕のレーザービームが照射されることにより、DVDと比較してスポットサイズを約1/2にして高密度記録することができる。これによりチャンネルコーディングにおいて効率の良いPRMLが適用されることにより、また効率の良いプリマスタードアドレスが採用されて冗長度が下げられてことにより、記録容量を8〔GB〕程度に設定することができる。
【0207】
またこのときワーキングディスタンスが560〔μm〕に設定されていることにより、レンズの曲率、レンズ面間の偏芯許容度、面角許容度を実用上十分な範囲に設定して、小口径のレンズにより光学系を形成でき、また実用的な限界とされるDVDに近い4.5〔mm〕以下のビーム径により対物レンズにレーザービームを入射することができる。これにより充分な精度により光ヘッド11を作成することが可能となり、また対物レンズ17の光ヘッドへの衝突等も防止される。
【0208】
このようにして検出されるプッシュプル信号PPから、ウォウブル信号検出回路39において、ウォウブル信号WBが抽出され、このウォウブル信号WBが2値化されてエッジ情報が抽出される。さらに続くPLL回路35において、このエッジ情報を有してなる2値化信号S1が分周器35Bの出力信号CKとの間で位相同期され、書き込み読み出しクロックR/W CKが生成される。
【0209】
このときウォウブル信号WBが単一周波数のキャリア信号により生成されていることにより、2値化して得られるエッジ情報においては、各エッジ情報が正しい位相情報を有していることになる。これによりこのエッジ情報に位相同期させて、精度の高い書き込み読み出しクロックR/W CKが生成される。
【0210】
さらに書き込み読み出しクロックR/W CKは、アドレス検出回路37においてアドレスエリアAR2より検出されるフレーム同期のタイミングを基準にして、クラスタカウンタ38によりカウントされ、これにより記録再生回路53における書き込み読み出しのタイミングが設定される。このとき精度の高いクロックR/W CKを基準にしてこのタイミングが設定されることにより、光ディスク装置10においては、レーザービーム照射位置を高い精度により判定して書き込みのタイミング等を設定することができる。従って光ディスク12に高密度にユーザーデータを記録するにつき、光ディスク12の情報記録面を高密度に利用してこれらユーザーデータを記録することができる。
【0211】
このとき塵等の影響によりアドレス検出回路37において、正しくフレーム同期のタイミングを検出困難な場合でも、PLL回路35より出力されるクロックR/W CKをクラスタカウンタ38でカウントすることにより、正しいタイミングを検出することができ、これにより高開口数の光学系により所望のデータを高密度に記録再生する場合でも、これらのデータを確実に記録再生することができる。
【0212】
このようにしてウォウブル信号WBを処理する際に、PLL回路35において、レーザービーム照射位置に応じて分周器35Bの分周比が切り換えられ、これによりZCLVにより光ディスク12が回転駆動される。
【0213】
このときグルーブの蛇行周期が、回転角度に換算して各領域で一定に形成されていることにより、各ゾーン内において速やかにPLL回路35の同期が形成され、その分アクセス速度を向上することができる。また光ディスク12の回転速度に換算してグルーブの蛇行が一定周期により形成されていることにより、隣接トラックからの影響も有効に回避することができる。
【0214】
かくするにつき光ディスク装置10では(図6)、このような記録再生のタイミングの制御により、記録時においては、エンコーダ51においてビデオ信号及びオーディオ信号がMPEGに規程のフォーマットによりデータ圧縮されてユーザーデータDUに変換され、このユーザーデータDUが所定のECCブロック単位で変調処理される。
【0215】
さらに光ディスク12が光磁気ディスクの場合、光ヘッド11より書き込み読み出しクロックR/W CKに同期したタイミングにより間欠的にレーザービームの光量を立ち上げた状態で、変調コイル駆動回路56によりこのレーザービーム照射位置に変調処理されたECCブロックのデータに従って変調磁界が印加され、これにより熱磁気記録の手法を適用して、最短記録マーク4/3bitにより最大ランレングス8T、最小ランレングス2Tのマークを順次形成して線記録密度0.21〔μm/bit〕によりユーザーデータDUが記録され、連続して3時間のビデオ信号及びオーディオ信号が記録される。
【0216】
これにより冗長度23〔%〕以下により、効率良くビデオ信号及びオーディオ信号が記録される。
【0217】
また32〔KB〕のECCデータブロックを単位にして順次光ディスクにビデオ信号及びオーディオ信号が記録されることにより、誤り訂正処理における符号間間隔が十分に確保され、ビットエラーレートが改善される。さらにECCデータブロックを単位にして記録再生することにより、記録再生処理を交互に切り換える等の特殊再生モード、さらにはシークを間に挟んで離散的にデータ記録する場合等のデータ処理が簡略化される。
【0218】
これらの場合に、光ディスク12が相変化型の場合、又は追記型の場合、書き込み読み出しクロックR/W CKに同期したタイミングで、(1、7)RLL変調されたECCブロックのデータに従って、レーザー駆動回路57により間欠的にレーザービームの光量が切り換えられ、これにより同様のピット列が形成されて線記録密度0.21〔μm/bit〕により、また最短マーク長又は最短ピット長0.3〔μm〕以下によりユーザーデータDUが記録され、連続して3時間のビデオ信号及びオーディオ信号が記録される。
【0219】
これにより光ディスク装置10では、録画時間に関して、ビデオテープレコーダと同様の使い勝手が確保される。
【0220】
さらにランドグルーブ記録により光ディスクに記録され、これにより情報記録面を有効に利用して効率良くビデオ信号及びオーディオ信号が記録される。またトラックピッチ0.5〔μm〕により記録されて、3時間分のビデオ信号及びオーディオ信号が1枚の光ディスク12に記録される。
【0221】
このときこの光ディスク装置10では、1ECCブロックのユーザーデータDUが、4つのセクタに順次割り当てられて記録され、このとき精度の高いクロックにより記録開始のタイミングを精度良く検出することができることにより、また塵等によっても補間処理により正しいタイミングを検出できることにより、高開口数の光学系により光ディスク12に高密度に記録する場合でも、対応するセクタに確実に記録することができる。
【0222】
これに対して再生時、光ディスク装置10においては、記録時と同様にして、対応するセクタが検出される。また光ヘッド11より得られる再生信号RF又はMOが2値化された後、再生クロックが生成され、この再生クロックを基準にして順次再生データが得られ、この再生データが復号されて出力される。このとき光磁気ディスク12より得られる再生信号MOは、ピット列より得られる再生信号RFに比して小さいS/N比により得られる。ところがこの実施の形態では、ピット列によるアドレスエリアAR2が、各ゾーンで放射状に形成されていることにより、このピット列からの再生信号MOに対するクロストークが有効に回避される。
【0223】
このようにして光ディスク12をアクセスする際に、光ディスク装置10では、大容量のメモリ54を介してエンコーダ51、デコーダ52との間でユーザーデータが入出力され、光ディスク12に対しては、このエンコーダ51、デコーダ52との間のデータ転送速度に比して高速度の、11.08〔Mbps〕のデータ転送速度により間欠的にユーザーデータが記録され、また再生される。これによりクラスタを単位にして離散的にユーザーデータを記録して、十分なシーク時間を確保でき、また振動等により瞬間的にデトラックしても、連続するビデオ信号及びオーディオ信号を途絶えることなく記録再生することができる。またポインタ再生により、光ディスク12に記録された各番組を頭出し再生することができる。
【0224】
またユーザーにより2チャンネルのビデオ信号及びオーディオ信号を同時に処理する、追っかけ再生、マルチチャンネルモード、アフレコのモードが選択されると、光ディスク12の回転速度が通常の2倍の回転速度に切り換えられる。これにより光ディスク装置10では、連続するビデオ信号及びオーディオ信号をメモリ54を介して間欠的に光ディスク12に記録再生するにつき、光ディスク12に対するアクセスの間に、十分な空き時間が確保される。光ディスク装置10では、この空き時間を他のチャンネルの記録再生に、また光ヘッド11のシークに割り当て、これにより2チャンネルのビデオ信号及びオーディオ信号が同時に処理される。
【0225】
このようにして光ディスク12をアクセスするにつき、この光ディスク装置10では、光透過層の厚さが0.1〔mm〕に設定された光ディスクを、高開口数の光学系によりアクセスすることにより、光ディスク12の表面に堆積する小さな塵等によっても再生信号RF、MOの信号レベルが変化し、これにより従来に比してエラーレートが劣化する恐れがある。
【0226】
このため光ディスク12は(図25)、カートリッジ60に取り出し困難に収納されて、このカートリッジ60により光ディスク装置10に装填され、これにより塵等の付着が回避される。
【0227】
またこのとき光ディスク12は、袋状に形成されたシート材61及び62に収納されてカートリッジ60に収納され、また押圧部材65により、シート材61及び62が押圧されることにより、さらには緩衝部材63D及び64Dにより、シャッター68と上ケース63及び下ケース64との間の隙間が塞がれ、これらにより塵等の付着が有効に回避される。
【0228】
またカートリッジ60は(図29〜図33)、側面に配置されたボタン70A、70Bを押圧して、第1のストッパー75A、75Bによる第2のストッパー79A、79Bの動きの規制を解除した後、ボタン71A又は71Bを押圧して第2のストッパー79A又は79Bとシャッター68との噛み合いを解除しなければスライドしないように形成され、これによりユーザーの誤操作により開口63A、64Aが露出しないようになされ、このような誤操作による塵等の侵入が有効に回避される。
【0229】
これらによりこのようにカートリッジ60に収納されてなる光ディスク12は(図36)、トレイ85に配置されると、システム制御回路34により駆動機構が駆動されてトレイ85上をスライドし、このトレイ85に形成された突起82A、82Bによりカートリッジ60のボタン70A、70Bが押圧される。その後カートリッジ60は、ローラー83によりボタン71Aが押圧されると共に、シャッター68が押圧され、これによりシャッター68がスライドして開口63A、64Aが露出し、この開口63A、64Aに光ヘッド11が侵入して光ディスク12のローディングを完了する。
【0230】
この状態で光ディスク装置10では(図37)、光ヘッド11によりアクセスする光ディスク12の情報記録面に対応して、カートリッジ60に形成された識別領域63B又は64Bについて、ディスク弁別器50により凹部66の有無が検出され、これによりこの情報記録面の種類が判定される。またカートリッジ60のスイッチ67の設定により、この情報記録面が書き込み禁止に設定されているか否か検出される。
【0231】
これにより光ディスク装置10では、光ディスク12が光磁気ディスクの場合、変調コイル駆動回路56及びレーザー駆動回路57の動作が立ち上げられて、光ディスク12にユーザーデータDUが熱磁気記録される。また光ディスク12が、相変化型光ディスク、追記型光ディスクの場合、レーザー駆動回路57の動作が立ち上げられて、マーク列又はピット列によりユーザーデータDUが記録される。
【0232】
このとき光ディスク装置10では、メモリ42に保持された各光ディスクの種類に応じた基準レーザー光量により光ディスク12にレーザービームLが照射され、このレーザービームLの照射結果に基づいて、最適光量が設定される。これによりこの光ディスク装置10では、種々の光ディスク12に所望のデータを記録できるようになされている。
【0233】
またこのとき光ヘッド11において(図8)、対物レンズ17側に配置した変調コイル18により、光透過層の厚さを0.1〔mm〕に設定した光ディスクに対して変調磁界を印加することにより、高開口数の光学系により光ディスク12をアクセスする場合に、相変化型光ディスク、追記型光ディスクについてだけでなく、光磁気ディスクについても、種々のデータを記録することができ、これにより光ディスク装置10の適用範囲が格段的に拡大される。
【0234】
(1−3)第1の実施の形態の効果
以上の構成によれば、ワーキングディスタンス560〔μm〕に設定された開口数0.78の対物レンズ17を介して波長650〔nm〕のレーザービームを照射してビデオ信号及びオーディオ信号によるユーザーデータを記録することにより、データ処理の条件を選定して8〔GB〕のデータを記録することができる。また光ディスクへの衝突等の事故を有効に回避して、充分な精度により光ヘッド11を作成することができる。またDVDの光学系と等しいビーム径によりレーザービームを対物レンズに入射することにより、このような高開口数の光学系を実用限界により構成することができ、またこのとき膜厚の薄い光透過層を介してレーザービームを照射することにより、このような光学系によるスキューにあっても実用限界を確保することができ、これらにより光ディスク装置に特有の機能を有効に利用できる程度で、かつビデオテープレコーダと同等の使い勝手を得ることができる。
【0235】
(2)第2の実施の形態
図38は、本発明の第2の実施の形態に係るマスタリング装置を示すブロック図である。この実施の形態に係る光ディスクの製造工程では、このマスタリング装置101によりディスク原盤2を露光し、このディスク原盤2より光ディスクを製造する。なおこの実施の形態において、第1の実施の形態と同一の構成は、対応する符号を付して示し、重複した説明は省略する。
【0236】
この実施の形態では、このマスタリング装置101により、ラセン状に、1.0〔μm〕のトラックピッチによりグルーブによるトラックを形成する。またこのディスク原盤2より光ディスクを作成した際に、グルーブ及びランドの幅がほぼ等しくなるように、レーザービームLを照射する。さらにウォウブルデータ生成回路106により生成したウォウブルデータADIPによりグルーブを蛇行させる。
【0237】
これによりこの実施の形態では、ピット列に代えてグルーブの蛇行によりアドレスをプリフォーマットする。さらにこのようにグルーブの蛇行によりアドレスをプリフォーマットしても精度の高い位置情報を取得できるようにし、これらのことから第1の実施の形態と同一の記録容量を確保する。
【0238】
すなわちウォウブルデータ生成回路106は、ディスク原盤2の回転に同期したタイミング信号(FG信号等でなる)をスピンドルモータ3等より受け、このタイミング信号を所定のカウンタによりカウントすることにより、ディスク原盤2が例えば1/16回転する周期で順次循環的に値の変化するフレーム番号sync no と、フレーム番号sync no の変化に対応してレーザービームLの照射位置が1トラック分変位する毎に値の変化するトラック番号track noを生成する。
【0239】
これによりウォウブルデータ生成回路106は、フレーム番号sync no 及びトラック番号track noによるアドレスデータを生成する。なおここでウォウブルデータ生成回路106は、フレーム番号sync no 及びトラック番号track noをそれぞれ4ビット及び20ビットにより生成する。
【0240】
さらにウォウブルデータ生成回路106は、フレーム番号sync no 及びトラック番号track noに8ビットのリザーブ用ビットrev を加え、このフレーム番号sync no 、トラック番号track no及びリザーブ用ビットrev による情報ワードM(x)を用いて所定の演算処理を実行し、誤り検出符号CRCC(Cyclic Redundancy Check Code)を生成する。これによりウォウブルデータ生成回路106は、図39に示すフォーマットのアドレスデータブロックを順次生成する。なおウォウブルデータ生成回路106は、各アドレスデータブロックを48ビットにより作成する。
【0241】
このときウォウブルデータ生成回路106は、誤り検出符号CRCCの論理レベルを反転して設定することにより、またリザーブ用ビットrev の操作により、1アドレスデータブロック中に必ず1回はビット反転が発生するようにウォウブルデータADIPを生成する。また必要に応じて4ビットを記録層のデータLayer に割り当てる。ここでディスク原盤2により作成される光ディスクは、情報記録層を複数有し、この記録層のデータLayer によりこの情報記録層が特定される。なお記録層のデータLayer を設定する場合には、この記録層のデータLayer も情報ワードM(x)として誤り検出符号CRCCの計算に使用する。
【0242】
ウォウブルデータ生成回路106は、このようにしてディスク原盤2の回転に同期してアドレスデータフレームを順次生成すると共に、この生成したアドレスデータフレームをディスク原盤2の回転に同期したシリアルデータに変換し、このシリアルデータをウォウブルデータADIPとして順次ウォウブル信号発生回路107に出力する。
【0243】
ウォウブル信号発生回路107は、ウォウブルデータADIP等よりウォウブル信号WBを生成する。このウォウブル信号発生回路107において、発生回路107Aは、周波数115.2〔kHz〕の基準信号を生成する。なおこのマスタリング装置101では、この基準信号を用いてスピンドルモータ3をスピンドル制御し、これによりディスク原盤2の回転に同期したウォウブル信号WBを生成する。分周回路107Bは、この周波数115.2〔kHz〕の基準信号を1/8分周し、周波数14.4〔kHz〕の基準クロックを生成する。
【0244】
図40に示すように、バイフェーズマーク変調回路107Cは、ウォウブルデータADIPの論理レベルに応じて、この周波数14.4〔kHz〕の基準クロックの位相に同期した第1の基準クロックと、この第1の基準クロックに対して周波数が1/2に設定された第2の基準クロックとを順次選択し、これによりウォウブルデータADIPをバイフェーズマーク変調してチャンネル信号chを生成する。
【0245】
このときバイフェーズマーク変調回路107Cは、各アドレスデータフレームの先頭に、所定の同期パターンを割り当ててチャンネル信号chを生成する。(図40(A)〜(E))。なおこの同期パターンは、バイフェーズマーク変調によっては発生しないユニークなパターンで、かつDSVが0のパターンが割り当てられ、アドレスデータフレームとの境界でチャンネル信号chの信号レベルが切り換わるように、極性が設定される。この実施の形態においてチャンネル信号chのチャンネルランレングスが1又は2であるのに対して、同期パターンは、最大ランレングス3を用いて3T、1T、1T、3Tのパターンが割り当てられる。
【0246】
またチャンネル信号chは、ウォウブルデータADIPのビット境界に対応するタイミングで信号レベルが反転し、ウォウブルデータADIPの論理レベルが0のとき、第2の基準クロックが割り当てられて一定の論理レベルに保持される。またウォウブルデータADIPの論理レベルが1のとき、第1の基準クロックが割り当てられてビット中央に対応するタイミングで信号レベルが反転するようになされている。
【0247】
分周回路107Dは、周波数115.2〔kHz〕の基準信号を1/2分周し、位相変調用のクロックに対して周波数を4倍に設定してなる周波数57.6〔kHz〕の位相変調用基準クロックを生成する。
【0248】
位相変調回路107Eは、この周波数57.6〔kHz〕の基準クロックより、この基準クロックと位相の同期した第1のキャリア信号と、この基準クロックに対して位相が180度変位してなる第2のキャリア信号とを生成し、チャンネル信号chの信号レベルに応じて、これら第1及び第2のキャリア信号を選択出力する(図40(F))。これにより位相変調回路107Eは、チャンネル信号chを位相変調し、その被変調信号をウォウブル信号WBとして出力する。
【0249】
これにより図41に示すように、ウォウブル信号発生回路107は、ウォウブルデータADIPをバイフェーズマーク変調した後(図41(A)及び(B))、同期パターンを介挿して、単一のキャリア周波数による位相変調信号を生成し、この位相変調信号をウォウブル信号WBとして出力する(図41(C))。
【0250】
この実施の形態では、このウォウブル信号WBに応じてレーザービーム照射位置を蛇行させ、このディスク原盤2より第1の実施の形態と同様の光ディスクを作成する。
【0251】
図6との対比により示す図42は、このようにして製造された光ディスクをアクセスする光ディスク装置について、ウォウブル信号の処理系を中心に示すブロック図である。この光ディスク装置110においては、光ヘッド11より得られるプッシュプル信号PPよりウォウブルデータADIPを検出してレーザービーム照射位置を検出する。
【0252】
すなわちフレームアドレス検出回路137は、光ヘッド11より出力されるプッシュプル信号PPを受け、内蔵のバンドパスフィルタによりウォウブル信号を抽出する。さらにフレームアドレス検出回路137は、このウォウブル信号の位相変化を検出して所定の信号処理を実行することによりウォウブルデータADIPを復調し、この復調したウォウブルデータADIPをシステム制御回路34、クラスタカウンタ38に出力する。これにより光ディスク装置110は、システム制御回路34において、このウォウブルデータADIPに基づいてレーザービーム照射位置を大まかに特定できるようになされ、またクラスタカウンタ38において、フレーム同期のタイミングを確認できるようになされている。
【0253】
さらにフレームアドレス検出回路137は、このウォウブルデータADIPを出力する際に、この各アドレスデータフレームに割り当てられた誤り検出符号CRCCにより誤り検出処理し、正しいと判断されるウォウブルデータADIPについて、誤り検出符号、リザーブビットを除去して出力する。
【0254】
PLL回路135は、ウォウブリング周期検出回路40より出力される2値化信号を位相比較回路(PC)135Aに与え、ここで分周回路135Bより出力されるクロックCKと位相比較する。ここで図43に示すように、分周回路135Bにおいては、システム制御回路134の設定により、2値化信号S1(図43(A))に対して、周波数が2倍のクロックCK(図43(B))を出力するようになされている。これに対してウォウブル信号WBにおいては、マスタリング装置101において位相変調されて生成されていることにより、各エッジが正しい位相情報を保持していることになる。
【0255】
これによりこのPLL回路135においては、2値化信号S1に対して2倍の周波数によりクロックCKとの間で位相比較して、ローパスフィルタ(LPF)135Cによりその位相比較結果の低周波成分を抽出し、この低周波成分により電圧制御型発振回路(VCO)136Dの発振周波数を制御する。さらにこの電圧制御型発振回路136Dの発振出力を分周回路135Bで分周し、これにより精度の高いクロックCKを生成できるようになされている。
【0256】
PLL回路135において、分周回路135Bは、システム制御回路134の設定により、レーザービーム照射位置が光ディスク12の外周側に変位するに従って分周比が順次増大するように設定される。これによりPLL回路135は、レーザービーム照射位置が光ディスク12の外周側に変位するに従って、順次段階的に、ウォウブル信号WBの周波数に対して電圧制御型発振回路136Dの発振出力の周波数が増大するようになされ、この発振出力を書き込み読み出し用クロックR/W CKとして出力する。
【0257】
この書き込み読み出しクロックR/W CKが一定周波数になるよう光ディスク12を回転駆動することにより、またこの書き込み読み出しクロックR/W
CKを基準にして所望のデータを記録することにより、光ディスク装置110では、第1の実施の形態と同様にZCLVにより光ディスク112を回転駆動する。
【0258】
さらにクラスタカウンタ38により書き込み読み出し用クロックR/W CKのカウント結果に基づいて、システム制御回路134にクラスタスタートパルスを出力する。ここでクラスタスタートパルスは、このクラスタの開始のタイミングを指示するパルスである。
【0259】
これにより図44に示すように、この実施の形態では、光ディスク12の情報記録面を同心円状に複数のゾーンZ0、Z1、……、Zn−1、Znに分割し、内周側のゾーンから外周側のゾーンに向かって、順次段階的に光ディスクの回転速度を低減して、内周側のゾーンと外周側のゾーンとで等しい記録密度に設定する。
【0260】
またこのときクラスタカウンタ38より出力されるクラスタスタートパルスに従って書き込み読み出しの制御を実行することにより、各ゾーンを放射状に分割して、各分割した領域に1クラスタのデータを割り当てる。これによりシステム制御回路134は、内周側のゾーンから外周側のゾーンに向かって、順次各ゾーンのクラスタ数を増大するようになされている。
【0261】
なお光ディスク装置110では、半径24〔mm〕〜58〔mm〕の領域を、840トラックづつ81のゾーンに分割する。さらに最内周のゾーンでは1トラックを放射状に分割して964のフレームを形成する。さらに外周側のゾーンにおいては、順次16フレームづつフレーム数が増大するように、各トラックを分割する。光ディスク装置110は、このようにして形成した連続する420フレームに、1クラスタのデータを割り当てて記録する。
【0262】
これらによりこの実施の形態において、光ディスク装置110は、第1の実施の形態と同様に、ランドグルーブ記録、ZCLVにより光ディスク112をアクセスし、種々の動作モードによりビデオ信号及びオーディオ信号を記録再生できるようになされている。
【0263】
このときこの実施の形態では、第1の実施の形態と同一のECCデータブロック(図13)を形成し、このECCデータブロックに対して図45に示すフレーム構造を形成する。すなわち光ディスク装置110は、182バイト×208バイトのECCデータブロックの各91バイトに対して、2バイトのフレーム同期信号(FS)を割り当て、これにより1つのECCデータブロックで416フレームを形成する。さらにこの416フレームに対して、2×2フレームのリンク用フレームを割り当てる。これにより記録再生回路53は、この図45に示すフレーム構造により1クラスタのデータを形成する。なおこの図45に示すフレームは、図44について上述したフレームに対応する。
【0264】
これらのフレームのうちリンク用フレームは、クラスタ単位で光ディスク112にデータ記録する際に、隣接するクラスタとの間のバッファ用に使用される。すなわち図46に示すように、光ディスク装置110では、56バイトのデータと3つのリンク用フレームを順次光ディスク112に記録した後、続いてECCブロックによるフレームを順次記録する。このうち先頭56バイトと、フレーム同期信号を間に挟んで続く91バイトは、記録メディアとして相変化メディアを用いた湯合の、オーバーライトによる記録材料の流動性を抑圧して記録エリアのオーバーライトサイクルを向上させるために、またレーザービームの光量調整用(pre guard /APC )(APC:Automatic Power Control )に使用される。続いてフレーム同期信号(FS)を間に挟んで、再生時のスライスレベル調整用及びPLL同期用の領域(Slice /PLL )が割り当てられる。なおレーザービームの光量調整用は、再生時のスライスレベル調整用及びPLL同期用にも利用される。またこの先頭側末尾には、4バイトの同期パターン(Sync)、リザーブ用の領域(Resarved)が設定される。
【0265】
これに対してECCブロックによるフレームの末尾には、フレーム同期信号(FS)に続いて、1バイトのポストアンブル(Postamble )、90バイトのポストガード及びバッファ(Post guard/buffer)、フレーム同期信号を間に挟んで91バイトのポストガード及びバッファ(Post guard/buffer)が割り当てられ、これらの間で、続いて記録するクラスタが重なり合うようになされている。なおポストアンブルは、データのマーク長を調整し、また信号極性を所定値に設定するために、ポストガードは、記録メディアとして相変化メディアを用いた湯合の、オーバーライトによる記録材料の流動性を抑圧して記録エリアのオーバーライトサイクルを向上させるための領域である。バッファは、ディスクの偏心、記録感度等による記録ジッタを吸収するエリアである。
【0266】
以上の構成によれば、ピット列に代えてグルーブの蛇行によりアドレスデータでなるウォウブルデータを記録するようにしても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0267】
さらにピット列を省略した分、第1の実施の形態に比してさらに一段と効率良く光ディスクの情報記録面を使用して効率良くビデオ信号及びオーディオ信号を記録することができる。
【0268】
(3)第3の実施の形態
図47は、本発明の第3の実施の形態に係るマスタリング装置を示すブロック図である。この実施の形態に係る光ディスクの製造工程では、このマスタリング装置1によりディスク原盤2を露光し、このディスク原盤2より光ディスクを製造する。なおこのマスタリング装置において、図1及び図38について上述したマスタリング装置と同一の構成は、対応する符号を付して示し、重複した説明は省略する。
【0269】
このマスタリング装置161において、ウォウブル信号発生回路167は、ウォウブルデータADIPよりウォウブル信号WBを生成する。このウォウブル信号発生回路167において、発生回路167Aは、所定の基準信号を生成して出力する。このマスタリング装置161では、この発生回路167Aで生成する基準信号の1つを用いてスピンドルモータ3をスピンドル制御し、これによりディスク原盤2の回転に同期したウォウブル信号WBを生成する。
【0270】
位相変調回路167Bは、基準信号の位相に同期した第1の基準クロックφ1と、この第1の基準クロックφ1に対して180度位相の異なる第2の基準クロックφ2とを、ウォウブルデータADIPの論理レベルに応じて割り当てることにより、ウォウブルデータADIPを位相変調してチャンネル信号chを生成する。
【0271】
このとき図48に示すように、位相変調回路167Bは、ウォウブルデータADIPの各ビット中心に対応するタイミングtcを境にして、各ビットの前半及び後半に偶数のチャンネルを形成するように(この場合はそれぞれ2チャンネルである)、かつこれら前半及び後半でそれぞれ論理1の期間と論理0の期間とが等しくなるように、第1及び第2の基準クロックφ1及びφ2を割り当てる。
【0272】
すなわち位相変調回路167Bは、ウォウブルデータADIPが論理1のとき、第1の基準クロックを1周期割り当てた後、第2の基準クロックを1周期割り当て、これにより順次0110のチャンネルが連続するようにチャンネル信号chを生成する(図48(A)〜(D))。
【0273】
またこれとは逆に、ウォウブルデータADIPが論理0のとき、第2の基準クロックを1周期割り当てた後、第1の基準クロックを1周期割り当て、これにより順次1001のチャンネルが連続するようにチャンネル信号chを生成する。
【0274】
周波数変調回路167Cは、チャンネル信号chを周波数変調し、その被変調信号をウォウブル信号WBとして出力する。このとき周波数変調回路167Cは、同期パターンを介挿することなく、チャンネル信号chを周波数変調してウォウブル信号WBを生成し、その分冗長度を低減する。さらに周波数変調回路167Cは、周波数変調の中心周波数をnとすると、チャンネル信号chの論理1及び0に対してそれぞれ周波数n−d及びn+dの正弦波信号を割り当ててウォウブル信号WBを生成する。さらにこのとき、0.5波を単位にして、周波数n−d及びn+dの正弦波信号をそれぞれチャンネル信号chに割り当て、これによりウォウブルデータADIPのビット中心及びビット境界に対応するタイミングts及びtcで0クロスするようにウォウブル信号WBを生成する。
【0275】
すなわちウォウブルデータADIPの各ビット中心に対応するタイミングtcを境にして、各ビットの前半及び後半に偶数のチャンネルを形成するようにし、かつこれら前半及び後半でそれぞれ論理1の期間と論理0の期間とが等しくなるように、第1及び第2の基準クロックφ1及びφ2を割り当てれば、チャンネル信号chにおいては、これらの前半及び後半で、それぞれ論理1のチャンネル数と論理0のチャンネル数とが同数に保持される。
【0276】
このチャンネル信号chに対して、周波数n−d及びn+dの正弦波信号を0.5波を単位にして割り当てれば、ウォウブルデータADIPの各ビットの前半及び後半に対応する期間内において、周波数nのキャリア信号に対する位相の変位を打ち消してウォウブル信号WBを生成することができる。従ってウォウブルデータADIPのビット中心及びビット境界に対応するタイミングts及びtcで0クロスするように、ウォウブル信号WBを生成することができる。
【0277】
さらにこのとき周波数n−d及びn+dの正弦波信号を0.5波単位で割り当てることにより、ウォウブル信号WBの信号レベルが0レベルより立ち上がるタイミング、又はウォウブル信号WBの信号レベルが0レベルより立ち下がるタイミングの何れか全てが、ウォウブルデータADIPのビット中心及びビット境界に対応するタイミングts及びtcに保持されて、キャリア信号の正しい位相情報を保持することになる。
【0278】
従って図49に示すように、このウォウブル信号WBについては、0レベルを基準にして2値化すれば、立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジがチャンネル信号chのエッジのタイミングと一致してなる2値化信号S1を生成することができる(図49(A)〜(D))。従ってこの正しい位相情報を有してなるエッジのタイミングを基準にしてクロックCKとウォウブルクロックWCKを生成して、周波数及び位相変動の無い精度の高いクロックを生成することができる(図49(E)及び(F))。また矢印により示すように、残りのエッジにおいては、このようにして生成したクロックCKに対する位相差+φ及び−φがチャンネル信号chの前半側及び後半側の論理レベルを表していることから、この位相差+φ及び−φを基準にしてウォウブルデータADIPを復号することもできる。
【0279】
これによりウォウブル信号発生回路167においては、このウォウブル信号WBによりグルーブを蛇行させて、精度の高いクロックを生成できるようになされている。
【0280】
この実施の形態では、第1の実施の形態と同様にして、このディスク原盤2より種々の光ディスクを製造する。かくするにつきこの光ディスクにおいては、ウォウブル信号WBの信号レベルが0レベルより立ち上がるタイミング、又はウォウブル信号WBの信号レベルが0レベルより立ち下がるタイミングの全てが、キャリア信号の正しい位相情報を保持していることから、グルーブが内周側より外周側にトラックセンターを横切る周期、又はグルーブが外周側より内周側にトラックセンターを横切る周期が、一定に形成され、この横切るタイミングがキャリア信号の0クロスのタイミングと一致することになる。
【0281】
図50は、この第3の実施の形態に係る光ディスク装置を示すブロック図である。この光ディスク装置170において、図6及び図42について上述した光ディスク装置10及び110と同一の構成は、重複した符号を付して示し、又は記載を省略し、重複した説明は省略する。
【0282】
この光ディスク装置170において、ウォウブル信号処理回路173は、プッシュプル信号PPよりウォウブル信号WBを抽出し、このウォウブル信号WBを処理してウォウブルクロックWCK、クロックCK、書き込み読み出し用クロックR/W CKを生成する。さらにウォウブル信号処理回路173は、ウォウブル信号WBよりウォウブルデータADIPを検出してシステム制御回路134に通知する。
【0283】
図51は、このウォウブル信号処理回路173を示すブロック図である。ウォウブル信号処理回路173は、所定利得の増幅回路182でプッシュプル信号PPを増幅した後、図示しないバンドパスフィルタを介してウォウブル信号WBを抽出する。図52に示すように、比較回路(COM)183は、このウォウブル信号WBを0レベルにより2値化して2値化信号S2を生成することにより、ウォウブル信号WBよりエッジ情報を検出する(図52(A)〜(D))。かくするにつき、この2値化信号S2は、立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジの何れかが、正しい位相情報を有していることになり、残るエッジの位相情報がウォウブルデータADIPの情報を有していることになる。
【0284】
位相比較回路(PC)184は、イクスクルーシブオア回路により構成され、分周回路185より出力されるウォウブルクロックWCKと、ウォウブル信号WBとを位相比較し、位相比較結果SCOMを出力する(図52(D)〜(G))。ローパスフィルタ(LPF)186は、この位相比較結果を帯域制限して、その低周波成分を電圧制御型発振回路(VCO)187に出力する。電圧制御型発振回路187は、このローパスフィルタ186の出力信号により書き込み読み出しクロックR/W CKを出力する。このとき電圧制御型発振回路187は、ウォウブル信号WBの周波数の4倍の周波数によりこの書き込み読み出しクロックR/W CKを生成する。分周回路185は、この書き込み読み出しクロックR/W CKを順次分周してクロックCK及びウォウブルクロックWCKを生成する。
【0285】
これにより位相比較回路184、分周回路185、ローパスフィルタ186、電圧制御型発振回路187は、PLL回路を構成し、ウォウブル信号WBが0クロスして立ち上がるタイミング(正しい位相情報を有してなるタイミング)に位相同期してなるクロックR/W CK、CK、WCKを生成する。なおこの場合ウォウブルクロックWCKは、2値化信号S2の正しいエッジに対してπ/2だけ位相シフトして生成されることになる。
【0286】
すなわちこの実施の形態において、この光ディスクにおいては、ウォウブル信号WBの信号レベルが0レベルより立ち上がるタイミング、又はウォウブル信号WBの信号レベルが0レベルより立ち下がるタイミングの全てが、キャリア信号の正しい位相情報を保持していることから、結局、このようにウォウブルクロックWCKが2値化信号S2に位相同期している場合、ローパスフィルタ186を介して得られる位相比較結果SCOMの平均値が一定値になるように発振周波数が制御される。
【0287】
この場合例えばウォウブルクロックWCKの位相が進むと(図52(H))、その分位相比較結果SCOMにおいては、平均値が低下し(図52(I))、発振周波数が下がるように制御される。これによりPLL回路は、正しい位相情報を有してなるウォウブル信号WBの立ち上がりを基準にして、各種クロックを生成する。
【0288】
ところでこのようにして生成される2値化信号S2においては、論理レベルが立ち上がった後、再び立ち上がるまでの期間Tの間、論理レベルが立ち上がっている期間と、論理レベルが立ち下がっている期間との差が、この期間Tの間における立ち下がりエッジのタイミングで変化することになる。すなわちこの差分が、ウォウブル信号WBが0クロスして立ち下がるタイミングの位相情報を有していることになる。
【0289】
この関係を有効に利用してウォウブル信号処理回路73は、ウォウブルデータADIPを再生する。すなわち図53に示すように、カウンタ(CNT)189は、2値化信号S2の立ち上がりエッジを基準にしてカウント値をクリアし、2値化信号S2の論理レベルが立ち上がっている期間の間、書き込み読み出しクロックR/W CKをアップカウントし、これとは逆に2値化信号S2の論理レベルが立ち下がっている期間の間、書き込み読み出しクロックR/W CKをダウンカウントする(図53(A)〜(F))。これによりカウンタ189は、ウォウブルデータADIPの半周期を単位にして、ウォウブルクロックWCKに対するウォウブル信号WBの進み位相及び遅れ位相をカウント値CNTにより検出する。
【0290】
フリップフロップ(FF)190は、ウォウブルデータADIPの半周期分だけこのカウント値CNTを遅延させる。減算回路191は、フリップフロップ190の出力データよりカウンタ189の出力データを減算する。これにより減算回路91は、ウォウブルデータADIPのビット境界、ビット中心をそれぞれ基準にして、前後でウォウブル信号WBが0クロスするタイミングの変化を検出し、このタイミングがウォウブルクロックWCKに対して進むように変化する場合は、カウント値CNTの2倍で、負の値L2の減算結果を出力する。またこれとは逆に、このタイミングがウォウブルクロックWCKに対して遅れるように変化する場合は、カウント値CNTの2倍で、かつ正の値H2の減算結果を出力し、位相が変化しない場合は、値0の減算結果を出力する(図53(G))。
【0291】
かくするにつき、このようにビット境界、ビット中心をそれぞれ基準にして、前後でウォウブル信号WBの0クロスするタイミングが変化しない場合、位相変調の変調規則より、この前後の間がビット境界と判断することができる。またこのビット境界より、前後で減算値が正及び負の場合、それぞれウォウブルデータADIPにおいては、論理1及び0と判断することができる。因みに、このビット境界より1つ間を挟んだ減算値は、何ら意味を持たない数値になる。この実施の形態においては、1アドレスデータブロックで必ず1回はビット反転するように設定したことにより、所定期間の間で、確実にビット境界を検出することができる。
【0292】
この検出原理に従って、デコーダ192は、減算回路191の出力データΔφよりビット境界を検出する。さらにこの検出したビット境界を基準にして、1周期毎に減算値Δφを判定することによりウォウブルデータADIPを復号して出力する。(図53(G)及び(H))。
【0293】
この第3の実施の形態に係る構成によれば、位相変調によりウォウブル信号を蛇行させるようにしても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。さらにこのときウォウブルデータADIPの全てのビット中心及びビット境界に対応するタイミングts及びtcで0クロスするように、かつウォウブルデータADIPの1ビット内で平均化すれば、位相誤差が0になるようにウォウブル信号を生成することができ、これにより平均的に周波数変動、位相変動の少ない、精度の高いクロックを生成することができ、その分高密度にユーザーデータを記録する際に、精度良くユーザーデータを記録して、情報記録面を有効に利用することができる。
【0294】
(4)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、ランドグルーブ記録する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ランド記録、グルーブ記録による場合にも広く適用することができる。
【0295】
また上述の実施の形態においては、1のグルーブをらせん状に形成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ランドとグルーブとを交互に切り換えて1のトラックをらせん状に形成する場合等にも広く適用することができる。
【0296】
さらに上述の実施の形態においては、ウォウブル信号によりグルーブ全体を蛇行させる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、グルーブの片側エッジだけ蛇行させる場合、さらには両エッジを異なるウォウブル信号により蛇行させる場合にも広く適用することができる。
【0297】
また上述の実施の形態においては、1台の光ディスク装置において、光磁気ディスク、相変化型の光ディスク、追記型の光ディスクをアクセスする場合について述べたが、本発明はこれに限らず、何れか1種類の光ディスクのみをアクセス可能に構成してもよく、またこれとは逆に、これらの光ディスクに加えて、DVD、コンパクトディスク等をアクセス可能に構成してもよい。
【0298】
さらに上述の実施の形態においては、ランド/グルーブ記録においてトラックピッチが0.5〔μm〕になるように、グルーブを形成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、狭トラックピッチによりグルーブを形成する場合に広く適用することができる。すなわちトラックピッチ及び線記録密度の設定により、また記録に供するデータの冗長度等により、トラックピッチを0.6〔μm〕以下に設定して、8〔GB〕の容量を確保することができる。
【0299】
また上述の実施の形態においては、光透過層の厚さを0.1〔mm〕に設定する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、光透過層の厚さは177〔μm〕以下に設定してレーザービーム照射側より変調磁界を印加して、効率良く熱磁気記録することができ、これにより容量8〔GB〕を確保することができる。因みに光透過層の厚さは、情報記録面を保護するうえで、10〔μm〕は確保することが必要である。
【0300】
また上述の実施の形態においては、ユーザーデータを線記録密度0.21〔μm/bit〕により記録する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、線記録密度0.23〔μm/bit〕により記録する場合に適用して、上述の実施の形態と同様の容量を確保することができる。なおこれをビット長、マーク長に換算すると、最短ビット長、最短マーク長0.3〔μm〕が許容可能な範囲である。因みに本発明は、8−16変換等の変調方式も広く適用することができ、この8−16変調によれば、最大ランレングス3T、最小ランレングス1Tになり、最短ピット長、最短マーク長は、3/2ビットとなる。
【0301】
また上述の実施の形態においては、波長650〔nm〕のレーザー光を開口数0.78の光学系により照射してビデオ信号等を記録再生する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、高開口数の光学系によりビデオ信号等を高密度に記録する場合に広く適用することができる。なお光透過層の厚さ、実現可能なワーキングディスタンス等を考慮すると、開口数0.7以上、ワーキングディスタンス560〔μm〕以下、レーザービームの波長が680〔nm〕以下の場合、に、上述の実施の形態と同様の容量を確保することができる。
【0302】
また上述の実施の形態においては、記録可能な光ディスクに本発明を適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、再生専用の光ディスクにも適用することができる。
【0303】
【発明の効果】
以上の構成によれば、ワーキングディスタンス約560〔μm〕、開口数0.7以上の光学系により、厚さ10〜177〔μm〕の光透過層を介して波長680〔nm〕以下のレーザービームを照射して光ディスクをアクセスするにつき、ほぼ同一の大きさの光ディスクの光学系とほぼ同一のビーム径により光学系にレーザービームを入射して光ディスクに照射することにより、光ディスク装置に特有の機能を有効に活用できる程度で、かつビデオテープレコーダと同等の使い勝手を得ることができる程度の記録容量を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る光ディスク装置を示すブロック図である。
【図2】図1の光ディスク装置に適用される光ディスクのマスタリング装置を示すブロ
ック図である。
【図3】図2のマスタリング装置によるゾーニングの説明に供する平面図である。
【図4】図3のゾーニングによるセクタの構成を示す略線図である。
【図5】図3のマスタリング装置により生成される光ディスクを示す斜視図である。
【図6】図1の光ディスク装置の駆動系を主に示すブロック図である。
【図7】図1の光ディスク装置の光ヘッドを示す略線図である。
【図8】図7の光ヘッドの対物レンズの周辺構成を示す断面図である。
【図9】ワーキングディスタンスとビーム径との関係を示す特性曲線図である。
【図10】図6の光ディスク装置による光ディスクの駆動の説明に供する特性曲線図であ
る。
【図11】図6の光ディスク装置におけるシステム制御回路の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】図1の光ディスク装置におけるセクタ構造の説明に供する図表である。
【図13】図1の光ディスク装置におけるECCブロックを示す図表である。
【図14】図1の光ディスク装置におけるフレーム構造の説明に供する図表である。
【図15】図1の光ディスク装置における2チャンネルのビデオ信号及びオーディオ信号の流れを示す略線図である。
【図16】図1の光ディスク装置の通常の記録再生における動作の説明に供する略線図である。
【図17】図1の光ディスク装置の追っかけ再生における動作の説明に供する略線図である。
【図18】図1の光ディスク装置において2チャンネルのビデオ信号及びオーディオ信号を処理する場合の光ディスクの駆動の説明に供する特性曲線図である。
【図19】図1の光ディスク装置のマルチチャンネルモードにおける動作の説明に供する略線図である。
【図20】図1の光ディスク装置のアフレコにおける動作の説明に供する略線図である。
【図21】アフレコ時における外部機器との関係を示すブロック図である。
【図22】図1の光ディスク装置のポインタ再生における動作の説明に供する略線図である。
【図23】各ゾーンにおける光ディスクのアクセスの説明に供する平面図である。
【図24】塵とバーストエラーとの関係を示す特性曲線図である。
【図25】図1の光ディスク装置に適用される光ディスクのカートリッジを、シャッターを省略して示す分解斜視図である。
【図26】図25のカートリッジについて、開口とシート状部材の関係を示す平面図である。
【図27】図25のカートリッジについて、シャッター等との関係を示す斜視図である。
【図28】図25のカートリッジについて、シャッター、開口及び緩衝部材の関係を示す平面図である。
【図29】図25のカートリッジについて、一の可動制限機構の説明に供する平面図である。
【図30】図29との対比により、一のボタン70Aが押圧された状態を示す平面図である。
【図31】図30との対比により、他のボタン71Aが押圧された状態を示す平面図である。
【図32】図31との対比により、シャッターが可動された状態を示す平面図である。
【図33】図25のカートリッジについて、他の可動制限機構の説明に供する平面図である。
【図34】図33との対比により、一のボタン70Bが押圧された状態を示す平面図である。
【図35】図34との対比により、シャッターが可動された状態を示す平面図である。
【図36】光ディスク装置のローディング機構を示す斜視図である。
【図37】光ディスク装置における光ディスクの識別の説明に供するブロック図である。
【図38】本発明の第2の実施の形態に係るマスタリング装置を示すブロック図である。
【図39】図38のマスタリング装置によるウォウブルデータの説明に供する図表である。
【図40】図38のマスタリング装置によるウォウブル信号生成の説明に供する信号波形図である。
【図41】図38のマスタリング装置により生成されるウォウブル信号を示す信号波形図である。
【図42】図38のマスタリング装置を適用して製造された光ディスクをアクセスする光ディスク装置を示すブロック図である。
【図43】図42の光ディスク装置によるクロック生成の説明に供する信号波形図である。
【図44】図42Kの光ディスク装置による光ディスクの駆動の説明に供する平面図である。
【図45】図42Kの光ディスク装置におけるフレーム構造の説明に供する図表である。
【図46】図42Kの光ディスク装置におけるクラスタの説明に供する図表である。
【図47】本発明の第3の実施の形態に係るマスタリング装置を示すブロック図である。
【図48】図47のマスタリング装置によるウォウブルデータの説明に供する図表である。
【図49】図47のマスタリング装置によるウォウブル信号の処理の説明に供する信号波形図である。
【図50】図47のマスタリング装置を適用して製造された光ディスクをアクセスする光ディスク装置を示すブロック図である。
【図51】図50の光ディスク装置のウォウブル信号処理回路を示すブロック図である。
【図52】図51のウォウブル信号処理回路の動作の説明に供する信号波形図である。
【図53】図52の続きを示す信号波形図である。
【符号の説明】
1、101、161……マスタリング装置、2……ディスク原盤、5……駆動回路、6……アドレス信号生成回路、7、107、167……ウォウブル信号発生回路、10、110、170……光ディスク装置、11……光ヘッド、12、112、172……光ディスク、17……対物レンズ、35、135……PLL回路

Claims (1)

  1. 光ディスクに所望のデータを記録再生する光ディスク装置において、
    前記光ディスクは、
    光透過層が厚さ10〜177〔μm〕により形成され、
    開口が形成されてなるカートリッジに収納されて保持され、
    前記カートリッジは、
    前記開口を塞いで、移動により前記開口を露出させるシャッターと、
    前記シャッターの移動を制限する第2のストッパーと、
    前記第2のストッパーによる前記シャッターの移動の制限を解除する第2のストッパーに係るボタンと、
    前記第2のストッパーに係るボタンによる前記シャッターに対する制限解除を制限する第1のストッパーと、
    前記第1のストッパーによる制限を解除する第1のストッパーに係るボタンとが設けられ、
    前記光ディスク装置は、
    波長680〔nm〕以下のレーザービームを出射する半導体レーザーと、
    口数NAが0.7以上であって、前記光透過層を介して前記光ディスクに前記レーザービームを照射して戻り光を受光する光学系と、
    記戻り光を受光して再生信号を出力する受光素子と、
    前記半導体レーザーの駆動により前記光ディスクに所望のデータを記録し、前記再生信号を信号処理して前記光ディスクに記録されたデータを再生する信号処理系とを備え
    前記カートリッジの装填により、前記第1及び第2のストッパーに係るボタンを押圧し、前記シャッターを移動さて前記開口を露出させ、前記レーザービームを前記光ディスクに照射可能とする
    ことを特徴とする光ディスク装置。
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