JP3580310B2 - 再生装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高能率符号化されたディジタル画像データを記録するのに好適な記録媒体、及びこの記録媒体に高能率符号化されたディジタル画像データを再生する場合に用いて好適な再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)は、音楽用CD(Compact Disc Digital Audio:以下CD−DAと略記)をベースに規格化されたものである。まず、その物理フォーマットについて簡単に説明する。物理フォーマットとは、CD−ROMのディスクを、CD−ROMドライブに装着した場合、少なくとも物理的にデータを読み出すことができるフォーマットを意味する。
【0003】
1枚のディスクには、最大99トラックの音楽トラック又はデータトラックを含むことができる。このトラックに関する情報は、TOC(Table Of Contents)と呼ばれるディスクの先頭部分、すなわちディスクの最内周部分に記録されている。このTOCが記録された部分がリードイントラック(Leadin Track)と呼ばれる。一方、最終トラック、すなわちCD−DAでは最後の曲が終わる部分はリードアウトトラック(Leadout Track)と呼ばれる。
【0004】
CD−DAでは、16ビット、44.1kHzのサンプリングレートでステレオ音声信号をディジタル化して記録しているので、1秒間では、2(ステレオ)×2(16ビット)×44,100=176,400バイトのデータが記録されていることになる。CD−ROMでは、1秒を75等分したセクタを最小単位として扱うので、1セクタは2,352バイトとなる。
【0005】
CD−ROM MODE−1の場合、1セクタ内に、同期のためのSYNCデータ(12バイト)およびヘッダ(4バイト)と、エラー訂正のためのECC(Error Correction Coding:276バイト)およびEDC(Error Detect Coding:4バイト)等を含むため、残り2048バイトがユーザデータとして記録される。また、音声や画像データ等、データ補間処理などにより厳密なエラー訂正が必要とされないデータに関しては、ECCおよびEDCを省略し、SYNCとヘッダを除く2,336バイトが、ユーザデータとして1セクタ内に記録される。これはCD−ROM MODE−2と呼ばれる。
【0006】
さて、近年、ミニディスク(商標)・システムと呼ばれる録音再生可能なパーソナル・オーディオ機器が開発され、商品化されている。
【0007】
このミニディスクでは、ディスクに書き込む変調方式としてEFM(Eight to Fourteen Modulation)、誤り訂正符号としてCIRC(Cross Interleave Reed−Solomon Code)を採用している。このフォーマットに、ATRAC(Adaptive Transform Acoustic Coding)方式で圧縮したオーディオ・データを記録する。圧縮したデータは、図6に示すように、クラスタと呼ばれるブロックごとにまとめて記録する。上述したCD−ROM MODE−2に非常に近いフォーマットとなっている。
【0008】
CD−ROMはCDの98フレームを1セクタとしている。再生時間に換算すると、13.3msとなる。CIRCのインターリーブ長は、108フレーム(14.5ms)である。CD−ROMの1セクタよりも長い。CIRCの誤り訂正符号を使ってデータを記録するには、少なくとも3セクタを余分に確保する必要がある。この領域をリンク領域と呼ぶ。データを書き始める前に、108フレーム(1セクタ+α)以上のリンク領域を確保しなければならない。データを書き終わった後も、同じように108フレーム以上の領域を確保する必要がある。このようにしないと、誤り訂正のインターリーブが完結しないからである。
【0009】
任意の場所からデータを書き込めるようにすると、リンク領域がディスクの各部に分散しデータの記録再生効率が悪くなる。そこで、ある程度大きな記録単位ごとにデータを書き込むようにした。ミニディスクでは、この記録単位をクラスタと呼ぶ。1クラスタは36セクタからなる。書き換えは必ず1クラスタの整数倍で行う。記録するデータを一旦RAMに蓄積し、ディスクに書き込む。このRAMは再生の際の耐振防止機能を実現するためのショックプルーフ・メモリと共用できる。
【0010】
録音再生可能な光磁気ディスク型のミニディスクでは、1クラスタ(=36セクタ)の内、3セクタをリンク・セクタとし、さらに次の1セクタをサブデータ用に確保しておく。圧縮データは、残りの32セクタに記録する。
【0011】
データを記録するときには、前のクラスタの第2番目のリンク・セクタの途中から書き始める。36セクタ目を書き終わるときは、先頭のリンク・セクタと第2番目のリンクセクタの途中まで誤り訂正用のデータを書かなければならない。
【0012】
再生専用のCDと同様なミニディスクでは、クラスタ単位での書き換えを考慮する必要がなく、データが連続的に記録されているので、リンク領域の3セクタは不要である。この3セクタにサブデータ用の1セクタを合わせた4セクタを、全てサブデータ用に割り当て、グラフィックスのデータなどを格納することができるようになっている。
【0013】
このように、ミニディスクでは、録音用のディスクと再生専用ディスクのサブデータ容量が異なり、サブデータまで含めると、再生専用ディスクから録音用ディスクへの完全な複写はできないようになっている。
【0014】
また、録音用のディスクで、既に記録されているデータの一部を書き換えようとする場合においては、その更新データが例え僅かであったとしても、クラスタ全体を書き換える必要がある。クラスタを単位としてインターリーブされているからである。
【0015】
一方、画像信号を高能率符号化する方式として、MPIG1(Moving Picture Image Coding Experts Group Phasel)による標準化案に従って、ディジタル・ストレージ・メディア用の画像信号の高能率符号化方式が規定されている。ここで、当該方式で対象としているストレージ・メディアは、CDやDAT(ディジタル・オーディオ・テープ)、ハードディスク等のように、連続的な転送速度が約1.5Mbit/sec以下のものである。また、これは、直接復号器に接続されるだけでなく、コンピュータのバス、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)、テレコミュニケーション等の伝送媒体を介して接続されることも想定されており、更に、正順再生だけでなく、ランダムアクセスや高速再生、逆順再生等のような特殊機能についても考慮されている。
【0016】
このようなMPEG1による画像信号の高能率符号化方式の原理は、以下に示すようなものである(例えば、非特許文献1参照)。
【0017】
この高能率符号化方式では、まず、画像間の差分を取ることで時間軸方向の冗長度を削減し、その後、離散コサイン変換(DCT)処理と可変長符号化処理を使用して時間軸方向の冗長度を削減するようになっている。
【0018】
まず、時間軸方向の冗長度について以下に述べる。
一般に、連続した動画では、時間的に前後の画像と、現在注目している画像(ある時刻の画像)とは良く似ているものである。このため、例えば図16に示すように、今から符号化しようとしている画像と、時間的に前方の画像の差分を取り、その差分を伝送するようにすれば、時間軸方向の冗長度を減らして伝送する情報量を少なくすることが可能となる。このようにして符号化される画像は、後述する前方予測符号化画像(Predictive−coded picture、PピクチャあるいはPフレーム)と呼ばれる。同様に、今から符号化しようとしている画像と、時間的に前方あるいは後方もしくは、前方及び後方から生成された補間画像との差分を取り、それらのうち小さな値の差分を伝送するようにすれば、時間軸方向の冗長度を減らして伝送する情報量を少なくすることが可能となる。このようにして符号化される画像は、後述する両方向予測符号化画像(Bidirectionally Predictive−coded picture、BピクチャあるいはBフレーム)と呼ばれる。なお、図16において、図中符号Iで示す画像は、後述する画像内符号化画像(イントラ符号化画像:Intra−coded picture、IピクチャあるいはIフレーム)を示し、同図中符号Pで示す画像はPピクチャを示し、符号Bで示す画像はBピクチャを示している。
【0019】
また、予測画像を生成するためには、動き補償が行われる。
この動き補償によれば、例えば8×8画素の単位ブロックにより構成される16×16画素のブロック(以下、マクロブロックと呼ぶ)を抽出し、前画像の対応するマクロブロックの位置の近傍で一番差分の少ないマクロブロックを探索し、この探索されたマクロブロックとの差分を取ることにより、送らなければならないデータを削減することができる。実際には、例えば、Pピクチャ(前方予測符号化画像)では、動き補償後の予測画像と差分を取ったものと、この動き補償後の予測画像と差分を取らないものとの内、データ量の少ないものを16×16画素のマクロブロック単位で選択して符号化する。
【0020】
しかし、上述したような場合、例えば、物体が動いた後に見えてくる背景などの画像の部分に関しては、多くのデータを伝送しなければならない。そこで、例えば、Bピクチャ(両方向予測符号化画像)では、既に復号化された動き補償後の時間的に前方あるいは後方の画像および、その両者を加算して生成した補間画像と今から符号化しようとしている画像との差分と、この差分を取らないもの、すなわち今から符号化しようとしている画像の四者の内、一番データ量の少ないものが符号化される。
【0021】
次に、空間軸方向の冗長度について以下に述べる。
画像データの差分は、そのまま伝送するのではなく、8×8画素の単位ブロック毎に離散コサイン変換(DCT)を施す。このDCTは、画像を画素レベルでなく、コサイン関数のどの周波数成分がどれだけ含まれているかで表現するものであり、例えば2次元DCTにより、8×8画素の単位ブロックのデータが、8×8のコサイン関数の成分の係数ブロックに変換される。一般に、テレビカメラで撮影された自然画の画像信号は、滑らかな信号になることが多く、この場合、画像信号に対してDCT処理を施すことにより、効率良くデータ量を削減することができる。
【0022】
すなわち、上述した自然画の画像信号のような滑らかな信号の場合、DCT処理を施すことで、特定の係数の近傍に大きな値が集中するようになる。この係数を量子化すると、8×8の係数ブロックはほとんどが0になり、大きな係数のみが残るようになる。
【0023】
そこで、この8×8の係数ブロックのデータを伝送する際に、ジグザグスキャンの順で、非零係数とその係数の前にどれだけ0が続いたかを示す0ランを一組としたハフマン符号で伝送することで、伝送量を削減することが可能となる。復号側では、逆の手順で画像を再構成する。
【0024】
ここで、上述した符号化方式が取り扱うデータの構造を図17に示す。この図17に示すデータ構造は、下から順に、ブロック層と、マクロブロック層と、スライス層と、ピクチャ層と、グループオブピクチャ(GOP:Group OfPicture)層と、ビデオシーケンス層とからなる。以下、この図17の下層から順に説明する。
【0025】
まず、ブロック層において、このブロック層の各単位ブロックは、輝度又は色差の隣合った8×8の画素(8ライン×8画素の画素)から構成される。上述したDCTは、この単位ブロック毎に施される。
【0026】
マクロブロック層において、各マクロブロックは、左右および上下に隣合った4つの輝度ブロック(輝度の単位ブロック)Y0,Y1,Y2,Y3と、画像上では輝度ブロックと同じ位置に相当する色差ブロック(色差の単位ブロック)Cr,Cbとの全部で6個のブロックで構成される。これらブロックの伝送の順は、Y0,Y1,Y2,Y3,Cr,Cbの順である。ここで、本符号化方式において、予測画(差分を取る基準の画像)に何を用いるか、あるいは差分を送らなくても良いか等は、このマクロブロック単位で判断される。
【0027】
スライス層は、画像の走査順に連なる1つ又は複数のマクロブロックで構成されている。このスライスのヘッダにおいては、画像内における動きベクトル及びDC(直流)成分の差分がリセットされ、また、最初のマクロブロックは、画像内での位置を示すデータを持っており、したがってエラーが生じた場合でも復帰できるようになっている。そのため、スライスの長さや開始位置は任意となっており、伝送路のエラー状態によって、変更可能となっている。
【0028】
ピクチャ層において、ピクチャすなわち1枚1枚の画像は、少なくとも1つ又は複数のスライスから構成される。そして、それぞれが符号化の方式に従って、上述したイントラ符号化画像(IピクチャあるいはIフレーム)、前方予測符号化画像(PピクチャあるいはBフレーム)、DCイントラ符号化画像(DC coded(D)picture)の4種類の画像に分類される。
【0029】
ここで、上述したイントラ符号化画像(Iピクチャ)においては、符号化される時に、その画像1枚の中だけで閉じた情報のみを使用する。したがって、換言すれば、復号化するときにIピクチャ自身の情報のみで画像が再構成できることになる。実際には、差分を取らずにそのままDCT処理して符号化を行う。この符号化方式は、一般的に効率が悪いが、このIピクチャを随所に挿入しておけば、ランダムアクセスや高速再生が可能となる。
【0030】
上記前方予測符号化画像(Pピクチャ)においては、予測画像(差分を取る基準となる画像)として、入力で時間的に前に位置し既に復号化されたIピクチャ又はPピクチャを使用する。実際には、動き補償された予測画像との差を符号化するのと、差を取らずにそのまま(イントラ)符号化するのと何れか効率の良い方を上記マクロブロック単位で選択する。
【0031】
上記両方向予測符号化画像(Bピクチャ)においては、予測画像として時間的に前に位置し、既に復号化されたIピクチャ又はPピクチャおよび、その両方から生成された補間画像の3種類を使用する。これにより、上記3種類の動き補償後の差分の符号化とイントラ符号化との中で一番効率の良いものをマクロブロック単位で選択できる。
【0032】
上記DCイントラ符号化画像は、DCTのDC係数のみで構成されるイントラ符号化画像であり、他の3種類の画像と同じシーケンスには存在できないものである。
【0033】
上記グループオブピクチャ(GOP)層は、1又は複数枚のIピクチャと、0又は複数枚の非Iピクチャとから構成されている。
【0034】
ここで、符号器への入力順を、例えば、
1I,2B,3B,4P*5B,6B,7I,8B,9B,10I,11B,12B,13P,14B,15B,16P*17B,18B,19I,20B,21B,22Pのようにした場合、この符号器の出力すなわち復号器の入力は、例えば、1I,4P,2B,3B*7I,5B,6B,10I,8B,9B,13P,11B,12B,16P,14B,15B*19I,17B,18B,22P,20B,21Bとなる。
【0035】
このように符号器の中で順序の入れ換えがなされるのは、例えば、上記Bピクチャを符号化または復号化する場合に、その予測画像となる時間的に後方のIピクチャ又はPピクチャが先に符号化されていなければならないからである。ここで、上記Iピクチャの間隔(例えば9)及び、Iピクチャ又はBピクチャの間隔(例えば3)は任意に設定できる。また、Iピクチャ又はPピクチャの間隔は、当該グループオブピクチャ層の内部で変更されて構わないものである。なお、グループオブピクチャ層の切れ目は、上記「*」で表しており、上記IはIピクチャ、PはPピクチャ、BはBピクチャを示している。
【0036】
図17で最も上に示すビデオシーケンス層は、画像サイズ、画像レート等が同じ1又は複数のグループオブピクチャ層から構成される。
【0037】
【非特許文献1】
テレビジョン学会編,「総合マルチメディア選書 MPEG」,第1版,オーム社,平成8年4月20日,p85〜109
【0038】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したMPEG1の方式で高能率符号化されたディジタル画像データを、先に述べたミニディスクに記録することを想定した場合、次のような問題が考えられる。
1.GOPの記録単位をクラスタと無関係な任意の大きさに設定した場合、1GOPの画像データが2つ以上のクラスタにわたって記録される可能性が生じる。この場合、GOPがクラスタの途中から始まったり、途中で終了することになり、そのGOPをカットの単位として、他のGOPと置き換える等の編集処理を行うことが困難となり、仮に、編集処理し得たとしても、平均転送レートが低下するという問題が生じる。
【0039】
2.GOPの先頭に、直前のGOPの最終フレームを予測画像(基準となる画像)とするPピクチャ又はBピクチャを配置した場合、そのGOPのPピクチャ又はBピクチャを復号するのに、直前のGOPをも復号しなければならず、早送りや逆送り再生等のシーク再生時に、迅速な画像再生が困難になるという問題が生じる。
【0040】
本発明の目的は、高能率符号化されたディジタル画像データを、ミニディスク等のディスク状記録媒体に記録するに際し、GOPを単位とする編集処理を簡単かつ迅速な処理によって可能にすると共に、GOPを単位とする高速早送りや逆送り再生等の特殊再生をも簡単かつ迅速な処理によって可能とすることにある。
【0041】
【課題を解決するための手段】
本発明による再生装置は、所定のデータ量が記録可能なセクタを複数連結した再生の単位となるクラスタがディスクの記録データ領域内の外周側に再生専用に設けられ、動画像の連続する所定数のフレームから構成されるグループオブピクチャの各々のフレームが画像圧縮処理されて上記クラスタの所定数のセクタから成る第1のセクタ領域に記録され、クラスタの他のセクタから成る第2のセクタ領域に、隣接するグループオブピクチャのフレームの再生に必要なフレームの画像内符号化方式の圧縮データが記録された記録媒体を再生する再生装置において、記録媒体からクラスタ単位でデータを読出す再生手段と、再生手段にて読出されたデータを記憶する記憶手段と、再生手段にて再生された第1のセクタ領域の画像圧縮されたデータ及び第2のセクタ領域の画像内符号化方式で画像圧縮されたデータを復号する復号手段と、復号するグループオブピクチャが記録媒体から記憶手段へ読出されるように再生手段を制御し、さらに復号するグループオブピクチャに隣接するグループオブピクチャが記録されているクラスタの所定のセクタのデータが読出されるように再生手段を制御し、再生された隣接するグループオブピクチャの第2のセクタ領域に記録されているデータと復号する記録媒体から読出されたグループオブピクチャとに基づいて動画像が再生されるように復号手段を制御する制御手段とを備えることを特徴としている。
【0044】
上記構成の本発明による再生装置によれば、グループオブピクチャの各フレームが画像圧縮されてクラスタの第1のセクタ領域に記録されると共に、隣接するグループオブピクチャのフレームの再生に必要なフレームの画像内符号化の圧縮データがこのクラスタの第2のセクタ領域に記録されており、復号するグループオブピクチャと隣接するグループオブピクチャの第2のセクタ領域に記録されているデータとに基づいて動画像を再生することができるので、GOPを単位とする編集処理や早送りや逆早送り再生等の特殊再生が可能となると共に、より高品質の画像を高速に再生することが可能となる。
【0045】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の実施例の外観構成について、図1および図2を参照して説明する。
図1は、本発明によるディスク状記録媒体およびディスク記録再生装置の一実施例の外観構成を示す斜視図である。この図に示すカートリッジ1の内部には、光磁気ディスクもしくは光ディスクで構成されるミニディスク(通常は、カートリッジ1も含めてミニディスクと称される)が収納されており、光磁気ディスクの場合は、光磁気的にディジタル・データを記録し、再生することが可能となっている。ディスク記録再生装置2の手前側の面には、挿入孔3が形成されており、この挿入孔3に挿入されたミニディスク入りカートリッジ1をローディングまたはアンローディングするローディング機構がディスク記録再生装置2の内部に設けられている。ディスク記録再生装置2の正面右側には、種々の操作キー4が配置され、ディスク記録再生装置2に対して種々の指示を入力可能となっている。また、ディスク記録再生装置2の正面上方には、カラーLCD(液晶ディスプレイ)5が設けられており、このカラーLCD5に、ミニディスクから再生されて復号されたカラー動画像が表示されるようになっている。
【0046】
図2は、本発明によるディスク記録再生装置の他の実施例の外観構成を示す斜視図である。この実施例においては、図1の実施例におけるカラーLCD5が省略され、ディスク記録再生装置2から出力された映像信号がケーブル11を介してカラーCRTディスプレイ・モニタ12へ供給され、表示されるようになっている。すなわち、図1に示す実施例においては、携帯型のディスク記録再生装置であるのに対して、図2に示す実施例においては、据置型のディスク記録再生装置となっている。
【0047】
次に図3は、ディスク記録再生装置2の内部の電気的構成を示している。MD(ミニディスク)ドライブ装置20は、カートリッジ1に収納されているミニディスク1aに対してディジタル・データを記録再生するものである。
【0048】
このMDドライブ装置20は、本来、携帯用、据置用、もしくは車載用のパーソナル・オーディオ機器の用途で開発されたミニディスク・システムを基に設計されている。このミニディスク・システムは、ミニディスクと呼ばれる小型で薄型の記録メディアが使用される。ミニディスクは、直径64mmの読出専用光ディスク、書換可能なMO(光磁気)ディスク、又は書換領域と読出専用領域が混在して設けられたハイブリッドディスク(パーシャルROMディスクとも呼ばれる)の何れかを、カートリッジ(W×L×H=72mm×68mm×5mm)内に収納したものである。そして、読出専用光ディスクが収納されたミニディスクからは、CD(Compact Disc)と同様の原理によって、データが読み出されるようになっている。一方、MOディスクやハイブリッドディスクが収納されたミニディスクに対しては、磁界変調ダイレクトオーバーライト方式によってデータが記録される。磁界変調ダイレクトオーバーライト方式とは、回転しているディスクに下方から高出力のレーザー光を照射し、記録すべき部分の光磁気膜を磁性体の保磁力がなくなるキュリー温度まで上昇させ、その部分に、ディスクの上方から磁気ヘッドでデータの書き込みを行う方式である。
【0049】
このようなミニディスク・システムは、パーソナルオーディオ機器としての開発過程により、各回路素子の集積化や各機構部品の最適化が図られ、装置全体の小型・軽量化が達成されていると共に、低消費電力化によりバッテリー・オペレーションが可能となっている。さらに、既存の3.5インチMOディスクとほぼ同じ記憶容量(140Mbytes)を有し、記録メディアの交換が可能であるという特徴に加え、量産効果により、他のMOディスクと比較して、記録メディアの製造コストが抑えられていることは勿論の事、ドライブ装置本体の製造コストも抑えられている。また、パーソナルオーディオ機器としての使用実績からして、信頼性も充分に実証されている。
【0050】
なお、MDドライブ装置20の詳細な構成については、図8を参照して後述する。このMDドライブ装置20は、図3に示すように、I/Oインタフェース回路21を介してバスラインに接続されている。
【0051】
図3において、MPU(マイクロプロセッサユニット)22は、バスラインを介して各部に必要なアドレスやデータを供給し、各部を制御するようになっている。メインメモリ23は、MPU22で実行されるプログラムが予め格納されたROMと、ワークエリアとして各種データが一時的に格納されるRAMとから構成されており、MPU22などからバスラインを介してアドレスされ、これに伴って各種データが書き込まれると共に読み出されるようになっている。
【0052】
DMAC(ダイレクトメモリアクセスコントローラ)24は、メインメモリ23に対するデータの入出力を、MPU22を介さずに、直接制御してDMA転送するものである。
【0053】
オーディオAD/DA(アナログディジタル/ディジタルアナログ)変換回路25は、アナログ・オーディオ入力端子Ainに入力されたアナログ・オーディオ信号をA/D変換し、オーディオ・エンコーダ/デコーダ26へ供給する一方、オーディオ・エンコーダ/デコーダ26から供給されたディジタル・オーディオ・データをD/A変換して、アナログ・オーディオ出力端子Aoutへ出力するものである。オーディオ・エンコーダ/デコーダ26は、オーディオAD/DA変換回路25から供給されたディジタル・オーディオ・データを、MPEGオーディオ規格で規定される所定の方式でエンコードして圧縮し、エンコードされた符号化オーディオ・データは、DMAC24の制御の下に、メインメモリ23に一旦記憶される。また、メインメモリ23から読み出された符号化オーディオ・データをデコードして元のディジタル・オーディオ・データを復元し、オーディオAD/DA変換回路25に供給するようになっている。このメインメモリ23とオーディオ・エンコーダ/デコーダ26との間の符号化オーディオ・データの授受は、DMAC24によって制御される。
【0054】
ビデオ・エンコード部27は、アナログ・ビデオ入力端子Vinに入力されたアナログ・ビデオ信号をA/D変換するAD変換器27aと、このAD変換器27aで変換されたディジタル・ビデオ・データを、MPEG1規格に基づいてエンコードして圧縮するMPEGビデオ・エンコーダ27bとから構成されている。このMPEGビデオ・エンコーダ27bでエンコードされた符号化ビデオ・データは、DMAC24の制御の下に、メインメモリ23に一旦記憶される。
【0055】
また、AD変換器27aで変換されたディジタル・ビデオ・データは、LCDコントローラ28にも供給され、このLCDコントローラ28の制御の下にLCD5によって表示されるようになっている。なお、LCD5を有しない構成では、図2に示すように、外部のケーブル11を介してCRTディスプレイ・モニタ12へ供給され、表示されるようになっている。
【0056】
ビデオ・デコード部29は、メインメモリ23から読み出された符号化ビデオ・データをデコードして元のディジタル・ビデオ・データに復元するMPEGビデオ・デコーダ29bと、このMPEGビデオ・デコーダ29bでデコードされたディジタル・ビデオ・データをD/A変換して、アナログ・ビデオ出力端子Voutへ出力するDA変換器29aとから構成されている。
【0057】
また、MPEGビデオ・デコーダ29bでデコードされたディジタル・ビデオ・データは、LCDコントローラ28にも供給され、このLCDコントローラ28の制御の下にLCD5によって表示されるようになっている。
【0058】
これらMPEGビデオ・エンコーダ27bおよびMPEGビデオ・デコーダ29bとメインメモリ23との間の符号化ビデオ・データの授受に関しても、DMAC24によって制御される。
【0059】
さらに、メインメモリ23とMDドライブ装置20との間における、I/Oインタフェース21を介した各種データの授受に関しても、DMAC24によって制御されるようになっている。
【0060】
操作パネルコントローラ30は、操作キー4によって入力された各種指示データをバスラインを介してMPU22に供給するものである。
【0061】
ここで、上記MPEGビデオ・エンコーダ27bの具体的構成例を図4を参照して説明する。入力端子61よりのブロック化ディジタルビデオ信号が減算器62及び動きベクトル検出回路72に供給される。このブロック化ディジタルビデオ信号は、離散的な画素データ列からなるディジタルビデオ信号が、画面毎に、画面の水平方向及び垂直方向に、例えば、8×8個ずつのマトリクス状に配された画素データからなる複数の単位ブロック信号に細分化される如く時系列変換された信号である。
【0062】
減算器62では、このブロック化ディジタルビデオ信号の単位ブロック信号と、この単位ブロック信号に類似した画素データ構成の単位ブロック信号、即ち、予測単位ブロック信号であって、動き補償回路71から得られたものとの減算が行われる。
【0063】
減算器62の減算出力である差分単位ブロック信号(尚、時には差分単位ブロック信号ではなく、単位ブロック信号の場合もある)が、直交変換回路の一種である2次元離散コサイン変換回路(2次元DCT回路)63に供給されてコサイン変換される。2次元DCT回路63より得られた変換係数が量子化回路(再量子化回路)64に供給されて量子化される。
【0064】
この量子化された変換係数は、可変長符号化回路65に供給されて符号化された後、出力端子66に可変長符号化され、量子化された変換係数(符号化データ)として出力される。
【0065】
そして、フレームメモリ70に記憶されているフレーム信号を構成する単位ブロック信号が動き補償回路71に供給され、その動き補償回路71が動きベクトル検出回路72よりの検出出力によって制御されて、フレームメモリ70内の各単位ブロック信号の相関性が判別され最も相関性の高い単位ブロック信号が予測単位ブロック信号として動き補償回路71から出力されて、減算器62及び加算器69にそれぞれ供給される。
【0066】
次に、上記MPEGビデオ・デコーダ29bの具体的構成例を図5を参照して説明する。図4の出力端子66の出力信号に対応する可変長符号化され、量子化された変換係数(符号化データ)が入力端子81から可変長復号化回路82に供給されて復号化される。可変長復号化回路82よりの量子化された変換係数が逆量子化回路83に供給されて逆量子化される。その得られた変換係量子化回路64よりの量子化された変換係数は逆量子化回路67に供給されて逆量子化されて変換係数が出力される。その変換係数は2次元離散コサイン逆変換回路(2次元離散IDCT回路)68に供給されて、元の差分単位ブロック信号が得られる。
【0067】
この差分単位ブロック信号は加算器69で、動き補償回路71よりの予測単位ブロック信号に加算される。加算器69よりの単位ブロック信号がフレームメモリ70に供給されて、その単位ブロック信号の属するフレーム信号を構成する全単位ブロック信号が記憶される。
【0068】
動きベクトル検出回路72では、入力端子61よりのブロック化ディジタルビデオ信号の各単位ブロック信号に対する、フレームメモリ70内の入力端子61よりのブロック化ディジタルビデオ信号の各単位ブロック信号に対応する単位ブロック信号の近辺で、最も相関性の高い単位ブロック信号が検出される。
【0069】
そして、フレームメモリ70に記憶されているフレーム信号を構成するブロック信号が動き補償回路71に供給され、その動き補償回路71が動きベクトル検出回路72より検出出力によって制御されて、フレームメモリ70内の各ブロック信号の相関性が判別され最も相関性の高いブロック信号が予測ブロック信号として動き補償回路71から出力されて、減算器62及び加算器69にそれぞれ供給される。
【0070】
次に、上記MPEGビデオ・デコーダ29bの具体的構成例を図5を参照して説明する。図4の出力端子66の出力信号に対応する可変長符号化され、量子化された変換係数(符号化データ)が入力端子81から可変長復号化回路82に供給されて可変長復号化される。可変長復号化回路82よりの量子化された変換係数が逆量子化回路83に供給されて逆量子化される。その得られた変換係数が2次元離散逆コサイン変換回路(2次元IDCT回路)84に供給されて逆変換されて、差分単位ブロック信号(時には差分単位ブロック信号ではなく、単位ブロック信号の場合もある)が得られる。
【0071】
この2次元IDCT回路84から差分単位ブロック信号ではなく、単位ブロック信号(Iピクチャの単位ブロック信号)が出力されるときは、切換えスイッチ85の可動接点mが固定接点a側に切換えられ、その単位ブロック信号が切換えスイッチ85を通じて出力端子86に出力される。
【0072】
2次元IDCT回路84から差分単位ブロック信号が出力されるときは、切換えスイッチ85の可動接点mが固定接点b側に切換えられる。この場合には、2次元IDCT回路84よりの差分単位ブロック信号が加算器93に供給されて、切換えスイッチ92よりの予測単位ブロック信号と加算され、加算器93よりの単位ブロック信号が、切換えスイッチ85を通じて、出力端子86に出力される。
【0073】
加算器93よりの予測単位ブロック信号は切換えスイッチ85の固定接点b及び可動接点mを通じてフレームメモリ87に供給される。フレームメモリ87では、加算器93よりの予測単位ブロック信号の属するフレーム信号を構成する全単位ブロック信号がフレームメモリ87に記憶される。
【0074】
フレームメモリ87より読み出されたフレーム信号は、他のフレームメモリ90に供給されて記憶される。フレームメモリ87及び90よりの所定フレーム前及び後のフレーム信号が、それぞれ各別に動き補償前向き予測回路88、動き補償後ろ向き予測回路91に供給されると共に、その所定フレーム前及び後のフレーム信号の平均の信号が動き補償前向き後ろ向き予測回路89に供給される。
【0075】
予測回路88,91,89では、あるフレームの単位ブロック信号に対し、あるフレームの単位ブロック信号の近辺の単位ブロック信号であって、所定フレーム前及び後のフレームの単位ブロック信号及びその平均の単位ブロック信号それぞれのうちで最も相関性の高い予測単位ブロック信号が選択され、前向き予測単位ブロック信号(Pピクチャの予測単位ブロック信号)を得るときは、切換えスイッチ92の可動接点mが固定接点c側に切換えられて、その最も相関性の高い単位ブロック信号が加算器93に供給されて、2次元IDCT回路84からの差分単位ブロック信号に加算される。
【0076】
また、両側予測ブロック信号(Bピクチャの予測単位ブロック信号)を得るときは、3つの相関性の最も高い予測単位ブロック信号のうち、更にその中で最も相関性の高い予測単位ブロック信号が、切換えスイッチ92の可動接点mの固定接点c、d、eに対する切換えによって選択されて、加算器93に供給されて、2次元IDCT回路84からの差分単位ブロック信号に加算される。
【0077】
因みに、図4及び図5で説明したMPEGビデオ・エンコーダ及びデコーダの具体回路は、特開平05−95545号公報等に詳述されている。
【0078】
次に、上述した構成のディスク記録再生装置の動作について説明する。
キー4の内、所定のものを操作して、入力されるオーディオ信号とビデオ信号の記録を指示すると、この指令が操作パネルコントローラ30によりバスラインを介してMPU22に供給される。MPU22は、この指令に応じ、以下に説明する手順で各部を制御し、MPEG1規格に基づいてエンコードした符号化オーディオ・データと符号化ビデオ・データをミニディスク1aに記録させる。
【0079】
ここで、アナログ・オーディオ入力端子Ainに入力されたオーディオ信号は、オーディオAD/DA変換回路25によりA/D変換され、オーディオ・エンコーダ/デコーダ26に供給される。オーディオ・エンコーダ/デコーダ26は、エンコードした符号化オーディオ・データを、前述した1クラスタ分(32セクタ分)内蔵しているRAMに一旦記憶する。
【0080】
そして、オーディオ・エンコーダ/デコーダ26によって、1クラスタ分の符号化オーディオ・データ(約64KBytes)が生成された時点で、そのデータがDMAC24の制御の下にメインメモリ23にDMA転送されて記憶される。メインメモリ23に記憶された1クラスタ分のデータは。DMAC24により所定のタイミングで読み出され、I/Oインターフェイス回路21を介してMDドライブ装置20にDMA転送され、ミニディスク1aに記録される。
【0081】
ここで、MDドライブ装置20において、1クラスタ分のデータは、クラスタを単位としてインターリーブ処理されて、ミニディスク1aに記録される。すなわち、記録再生可能な光磁気ディスク型のミニディスクでは、図6に示すように、1クラスタの内、3セクタをリンク・セクタとし、さらに次の1セクタをサブデータ用に確保しておく。データは、残りの32セクタに記録される。データを記録するときには、前のクラスタの第2番目のリンク・セクタの途中から書き始める。36セクタ目を書き終わるときは、先頭のリンク・セクタと第2番目のリンク・セクタの途中まで誤り訂正用のデータが書き込まれる。
【0082】
本実施例においては、1クラスタが図6に示すように、36セクタによって構成され、その内の最初の32セクタに実質的なデータが記録され、最後の4セクタには、実質的なデータが記録されないようになっている。この最後の4セクタの内の最初の3セクタ分のリンク・セクタには、隣接するクラスタに記録されたデータの誤り訂正用のデータが記録される。最後の1セクタはサブデータセクタとされ、最初の32セクタに記録されるデータに対応する予備のグラフィック・データ等が記録できるようになっているが、本実施例においては、予備的なグラフィック・データは記録されない。各セクタには、アドレス情報とデータが記録される。
【0083】
同様にして、アナログ・ビデオ入力端子Vinに入力されたビデオ信号は、A/D変換回路27aによりA/D変換され、MPEGビデオ・エンコーダ27bに供給され、エンコードされる。この符号化ビデオ・データも、前述した符号化オーディオ・データと同様に、1クラスタ分(32セクタ分)が内蔵しているRAMに一旦記憶される。そして、MPEGビデオ・エンコーダ27bによって、1クラスタ分の符号化ビデオ・データが生成された時点で、そのデータがDMAC24の制御の下にメインメモリ23にDMA転送されて記憶される。メインメモリ23に記憶された1クラスタ分のデータは、DMAC24により所定のタイミングで読み出され、I/Oインターフェイス回路21を介してMDドライブ装置20にDMA転送され、クラスタを単位としてインターリーブ処理された後、ミニディスク1aに記録される。
【0084】
本実施例において、符号化ビデオ・データと符号化オーディオ・データとは、図7に示すように、クラスタ・インターリーブされてミニディスク1aに記録される。すなわち、図中に符号Vで示す符号化ビデオ・データと、Aで示す符号化オーディオ・データとは、それぞれ異なるクラスタに交互に配置されるように、MPU22によって制御される。そして、必要に応じて符号化ビデオ・データVや符号化オーディオ・データA以外の、プログラムや文字データ等の所定のデータDが、符号化ビデオ・データVあるいは符号化オーディオ・データAが記録されるクラスタとは異なるクラスタに記録される。このように、同一のクラスタに、相関関係の強い関連データのみを記録することにより、すなわち、符号化ビデオ・データV、符号化オーディオ・データA、およびその他のデータDをそれぞれ異なるクラスタに記録することにより、記録再生時の処理速度の向上が可能となる。
【0085】
但し、シーク動作時における高速再生を可能にするため、符号化ビデオ・データV、符号化オーディオ・データA、及びその他のデータDは、それぞれ対応するものを比較的近傍のクラスタに配置される。何故ならば、これら関連するデータは、略同一時刻に再生する必要があるからである。
【0086】
なお、上述した記録動作の過程で、A/D変換器27aで変換されたディジタル・ビデオ・データは、LCDコントローラ28に供給され、このLCDコントローラ28の制御の下にLCD5によって表示される。あるいは、LCD5を有しない構成では、図2に示すように、外部のケーブル11を介してCRTディスプレイ・モニタ12へ供給され、表示される。これにより、使用者は記録中の画像をモニタすることができる。
【0087】
次に、再生時の動作について説明する。キー4を操作して再生を指示すると、この指令が操作パネルコントローラ30を介してMPU22へ供給される。このとき、MPU22は、MDドライブ装置20を制御し、ミニディスク1aに記録されているデータを再生させる。この再生データは、I/Oインターフェイス回路21を介してメインメモリ23にDMA転送される。メインメモリ23に記憶されたデータの内、符号化オーディオ・データはオーディオ・エンコーダ/デコーダ26に、また、符号化ビデオ・データはビデオデコード部29に、それぞれDMA転送される。
【0088】
オーディオ・エンコーダ/デコーダ26に供給された1クラスタ分の符号化オーディオ・データは、デコードされた後、オーディオAD/DA変換回路25においてD/A変換された後、アナログ・オーディオ出力端子Aoutから出力される。
【0089】
一方、ビデオデコード部29に供給された1クラスタ分の符号化ビデオ・データも、デコードされた後、LCDコントローラ28に供給され、このLCDコントローラ28の制御の下にLCD5によって表示される。あるいは、LCD5を有しない構成では、DA変換器29aにおいてD/A変換された後、アナログ・ビデオ出力端子Voutから、図2に示す外部のケーブル11を介してCRTディスプレイ・モニタ12へ供給され、表示される。
【0090】
次に、図8を参照してMDドライブ装置20の構成について説明する。
同図に示すスピンドルモータ46により回転駆動されるミニディスク1aに対し、光学ピックアップ44によりレーザ光を照射した状態で、記録データに応じた変調磁界を磁気ヘッド41により印加することにより、ミニディスク1a上の記録トラックに沿って磁界変調オーバーライト記録を行い、ミニディスク1a上の目的トラックを光学ピックアップ44によりレーザ光でトレースすることによって、光学的にデータの再生を行う。
【0091】
光学ピックアップ44は、例えば、レーザダイオード等のレーザ光源、コリメータレンズ、対物レンズ、偏光ビームスプリッタ、シリンドリカルレンズ等の光学部品、ならびに所定の配置に分割されたフォトディテクタ等から構成されており、ミニディスク1aを挟んで磁気ヘッド41と対向する位置に、送りモータ45によって位置づけられる。
【0092】
光学ピックアップ44は、ミニディスク1aにデータを記録するときに、磁気ヘッド駆動回路43により磁気ヘッド41が駆動され、記録データに応じた変調磁界が印加されるミニディスク1aの目的トラックにレーザ光を照射することによって、熱磁気記録によりデータ記録を行う。
【0093】
また、光学ピックアップ44は、目的トラックに照射したレーザ光を検出することによって、例えば非点収差法によりフォーカスエラーを検出し、また、例えばプッシュプル法によりトラッキングエラーを検出するとともに、読み出し専用型のミニディスク1aの目的トラックのピット列における光の回折現象を利用することにより再生信号を検出し、書き込み可能型のミニディスク1aからデータを再生する場合は、目的トラックからの反射光の偏光角(カー回転角)の違いを検出して再生信号を生成する。
【0094】
光学ピックアップ44の出力は、RFアンプ47に供給される。RFアンプ47は、光学ピックアップ44の出力から、フォーカスエラー信号やトラッキングエラー信号を抽出して、サーボ制御回路48に供給するとともに、再生信号を2値化して、アドレスデコーダ49に供給する。アドレスデコーダ49は、供給された2値化再生信号からアドレスをデコードして、EFM/CIRCエンコーダ/デコーダ51に供給する。
【0095】
サーボ制御回路48は、例えばフォーカスサーボ制御回路、トラッキングサーボ制御回路、スピンドルモータサーボ回路及びスレッドサーボ回路等から構成されている。
【0096】
フォーカスサーボ制御回路は、フォーカスエラー信号が零になるように、光学ピックアップ44の光学系のフォーカス制御を行う。トラッキングサーボ制御回路は、トラッキングエラー信号が零になるように、光学ピックアップ44の送りモータ45の制御を行う。
【0097】
さらに、スピンドルモータサーボ制御回路は、ミニディスク1aを所定の回転速度(例えば、一定線速度)で回転駆動するようにスピンドルモータ46を制御する。またスレッドサーボ制御回路は、システムコントローラ50により指定されるミニディスク1aの目的トラック位置に磁気ヘッド41及び光学ピックアップ44を送りモータ45により移動させる。
【0098】
EFM/CIRCエンコーダ/デコーダ51は、I/Oインターフェイス21を介して供給されたデータに対して、エラー訂正用の符号化処理すなわちCIRC(Cross Interleave Reed−Solomon Code)の符号化処理を行うと共に、記録に適した変調処理すなわちEFM(Eight to Fourteen Modulation)符号化処理を行う。
【0099】
EFM/CIRCエンコーダ/デコーダ51から出力される符号化データは、磁気ヘッド駆動回路43に記録データとして供給される。磁気ヘッド駆動回路43は、記録データに応じた変調磁界をミニディスク1aに印加するように磁気ヘッド41を駆動する。
【0100】
システムコントローラ50は、I/Oインターフェイス21を介してMPU22から書き込み命令を受けているときには、記録データがミニディスク1aの所定の記録トラックに記録されるように、ミニディスク1a上の記録位置の制御を行う。この記録位置の制御は、EFM/CIRCエンコーダ/デコーダ51から出力される符号化データから得られるミニディスク1a上の記録位置情報をシステムコントローラ50により管理して、システムコントローラ50からミニディスク1aの記録トラックの記録位置を指定する制御信号をサーボ制御回路48に供給することによって行われる。これにより、いわゆる磁界変調光磁気記録方式により、ミニディスク1a上に、符号化オーディオ・データ、符号化ビデオ・データ及び必要に応じて付加されるその他のディジタルデータが、上述したように、クラスタ単位で記録される。
【0101】
再生時においては、EFM/CIRCエンコーダ/デコーダ51は、入力された2値化再生データに対し、EFM復調処理を行うと共にエラー訂正のためのCIRC複号化処理を行って、I/Oインターフェイス21に出力する。
【0102】
また、システムコントローラ50は、I/Oインターフェイス21を介してMPU22から読み出し命令を受けているときには、再生データが連続的に得られるようにミニディスク1aの記録トラックに対する再生位置の制御を行う。この再生位置の制御は、再生データから得られるミニディスク1a上の記録位置情報をシステムコントローラ50により管理して、システムコントローラ50からミニディスク1aの記録トラックの再生位置を指定する制御信号をサーボ制御回路48に供給することによって行われる。
【0103】
次に、図9と図10を参照して、本発明の一実施例におけるGOPとクラスタの関係について説明する。この実施例においては、図9に示すように、例えば、7フレーム(フィールドでもよい)の画像によりGOPが構成されている場合、最初のフレームの画像をIピクチャI0とし、第4番目のフレームの画像を、第1番目のフレームの画像I0からの前方予測画像であるPピクチャP1とする。さらに、最終の第7番目のフレームの画像を、第4番目のフレームのPピクチャP1からの前方予測画像であるPピクチャP4とする。そして、第2番目と第3番目のフレームの画像は、それぞれ先行するIピクチャI0と、後方のPピクチャP1からの両方向予測画像であるBピクチャB2またはB3とする。同様にして、第5番目と第6番目のフレームの画像は、第4番目のフレームのPピクチャP1と、第7番目のフレームのPピクチャP4からの両方向予測画像であるBピクチャB5またはB6とする。
【0104】
そして、本実施例においては、図10に示すように、1GOPの符号化ビデオ・データが1クラスタの32セクタに納まるようにエンコードされて、ミニディスク1aに記録される。この場合、再生専用のROM型のミニディスク1aにおいては、予め、MPEG規格に基づく符号化ビデオ・データを生成するに際し、1GOPを単位として、各クラスタに各々記録されるようにエンコードが施され、これにより生成された符号化ビデオ・データに基づいて、CDと同様の製造工程を経て、スタンピング等が行われ、同一の符号化ビデオ・データが記録されたミニディスク1aが大量に生産される。
【0105】
また、書き込み可能なRAM型または書き込み可能領域と読み出し専用領域が混在したハイブリッド型(パーシャルROM型)のミニディスク1aにおいては、ビデオ・エンコード部27のMPEGビデオ・エンコーダ27bによって、1GOPを単位として、各1クラスタに各々記録されるようにエンコードが施され、これにより生成された符号化ビデオ・データが、MDドライブ装置20にDMA転送されて、ミニディスク1aに記録される。
【0106】
ここで、エンコードの順番は、図9において数字で示されている。すなわち、I0,B2,B3,P1,B5,B6,P4の順に順次入力される各フレームの画像が、I0,P1,B2,B3,P4,B5,B6の順に順次エンコードされる。そして、このようにエンコードされた順番で、符号化ビデオ・データが1クラスタ内の各セクタに配置される。
【0107】
但し、例外的に、1GOPの符号化ビデオ・データが1クラスタ内の32セクタ内に配置することができない場合においては、連続する複数のクラスタ内に、そのGOPの符号化ビデオ・データが記録される。GOPの最終フレームに相当する符号化ビデオ・データの記録位置が、クラスタの最後のセクタに対応しない場合は、同クラスタの残りのセクタには,例えば、“0”等の実質的に無効なダミーデータが付加的に記録される。
【0108】
このようにして、本実施例においては、1GOPの先頭のフレームがIピクチャとして、また、一番最後のフレームがPピクチャとして、それぞれエンコードされる。そして、先頭のIピクチャは、必ずクラスタの先頭に配置されている。このようにすることで、例えば、ミニディスク1aをシークし、所定のクラスタの画像を間欠的に抽出し、再生するような場合においても、各クラスタの先頭に必ずIピクチャが配置されているため、その抽出したクラスタの少なくとも1フレーム分を完全に復号することが可能になる。また、同一のクラスタ内に、異なるGOPの符号化ビデオ・データが配置されていないため、符号化ビデオ・データを1GOP単位で他の符号化ビデオ・データに置換するなどのカット単位での編集を容易に行うことが可能となる。
【0109】
図11と図12は、本発明のその他の実施例におけるGOPとクラスタの関係を示している。この実施例においては、例えば図11に示すように、15フレームにより1GOPが構成され、順次入力される各フレームの内、第3番目のフレームの画像がIピクチャI0とされ、第6番目のフレームの画像が、第3番目のフレームの画像I0からの前方予測画像であるPピクチャP3、第9番目のフレームの画像が、第6番目のフレームの画像P3からの前方予測画像であるPピクチャP6とされる。また、第12番目のフレームの画像は、第9番目のフレームの画像P6からの前方予測画像であるPピクチャP9とされる。そして、最後の第15番目のフレームの画像は、第12番目のフレームのPピクチャP9からの前方予測画像であるPピクチャP12とされる。
【0110】
そして、IピクチャとPピクチャの間に位置する各フレームの画像は、Bピクチャとされ、そのフレームを挟むように前後に位置するIピクチャまたはBピクチャから予測される。すなわち、第4番目と第5番目のフレームの画像は、第3番目のフレームのIピクチャI0と、第6番目のフレームのPピクチャP3からの両方向予測画像であるBピクチャB4,B5とされる。また、第7番目と第8番目のフレームの画像は、第6番目と第9番目のフレームのPピクチャP3とP6からのBピクチャB7,B8とされ、第10番目と第11番目のフレームの画像は、第9番目と第12番目のフレームのPピクチャP6とP9からのBピクチャB10,B11とされる。さらに、第13番目と第14番目のフレームの画像は、第12番目と第15番目のフレームのPピクチャP9とP12からのBピクチャB13,B14とされる。
【0111】
そして、GOPの先頭の2フレームの画像は、直前のGOPの最後のPピクチャP12と、対応するGOPのIピクチャI0からのBピクチャB1,B2とされる。
【0112】
但し、このようにGOPを構成すると、同一GOPに対応するクラスタのみを再生した場合、最初の2フレームのBピクチャB1,B2を復号することができない。なぜならば、このBピクチャB1,B2を予測するための基準となる一方の画像であるPピクチャP12が、直前のGOPに属しており、直前のクラスタに記録されているからである。
【0113】
そこで、本実施例においては、図12に示すように、1クラスタを構成する36セクタの内の最初の32セクタに、上述したGOPを構成する15フレーム分の符号化ビデオ・データがエンコードされた順番に順次配置されると共に、最後の4セクタに、直後のGOPの先頭2フレームのBピクチャB1,B2を予測するための画像であるPピクチャP12に対応する符号化ビデオ・データを、予測を用いないで自身のデータのみで画像を再構成できる画像内符号化によりエンコードしたIピクチャIsとして記録する。このIピクチャIsは、当然のことながら、同一クラスタ内のPピクチャP12と重複している冗長なデータとなる。
【0114】
しかしながら、このように、冗長なIピクチャIsを記録しておくことで、GOPの最後の4セクタ分の符号化ビデオ・データのみから、元の画像をデコードすることが可能になる。すなわち、直前のクラスタ内のGOPを全て最初からデコードする必要がなくなる。そこで、再生対象となるGOPの直前のGOPの最後の4セクタ分のIピクチャIsと、再生対象となるGOPの第3番目のIピクチャI0とから、その間に挟まれているBピクチャB1,B2をデコードすることが可能になる。
【0115】
但し、上述したように、書き込み可能なミニディスク1a(以下、パーシャルROMディスクの書き込み可能領域も含めてMOクラスタと称す)の場合、各クラスタの最後の4セクタの内の3セクタはリンクセクタとして確保するよう規格上定められている。しかしながら、再生専用のミニディスク1a(以下、パーシャルROMディスクの再生専用領域も含めてROMクラスタと称す)においては、これら4セクタは、全てサブデータセクタとして自由に利用することができる。そこで、再生専用のミニディスク1aの場合においては、各クラスタの最後の4セクタのサブデータセクタ(但し、本明細書において、このサブデータセクタとリンクセクタ双方を含めてリンクセクタと総称することとする)に、直後のGOPの先頭の2フレームのBピクチャB1,B2の予測画像をIピクチャIsとして記録する。
【0116】
図13は、本発明の一実施例における再生専用型のミニディスク1a(ROMクラスタ)に対する1グループオブピクチャ分のデータの作成処理手順を示すフローチャートである。
【0117】
この図において、この場合、ROMクラスタは、ディスク全体がROM領域とされている場合はもとより、例えば、1枚のディスクの内、内周の所定の領域がROMクラスタとされ、その外周が記録可能なMOクラスタとされたパーシャルROMも含む。
【0118】
まず、図13におけるステップS1において、記録対象とされているクラスタが、ROMクラスタであることを想定して、GOPの先頭のフレームのピクチャ形式を決定する。ここで、記録すべきGOPが、例えば図10に示すように、その先頭のフレームがIピクチャとされた場合は、次のステップS2からステップS3へ進み、最後の4セクタには何も記録しないで(但し、実際には、インターリーブを完結させるためのデータは記録される)、処理を終える。
【0119】
一方、ステップS1において、例えば図11に示すように、その先頭のフレームがIピクチャ以外のBピクチャまたはPピクチャにより構成した場合、次のステップS2からステップS4へ進み、クラスタの最後の4セクタに、PピクチャP12に対応したIピクチャIS(直後のGOPの最初の2フレームの予測画像)を記録可能な容量であるか否かが判定される。
【0120】
記録可能な容量であると判定された場合においては、ステップS5に進み、このIピクチャISが記録される。これに対して、IピクチャISのデータ量が多過ぎて、4セクタ内にIピクチャISのデータを記録することができないと判定された場合は、ステップS3へ進み、IピクチャISを記録しない。
【0121】
このように、クラスタの最後の4セクタと、IピクチャISのデータ量とを勘案して、可能な限り、直前のGOPを利用するアルゴリズムを用い、より高画質の画像を得るように、エンコードと記録が行われる。
【0122】
図14は、本発明の一実施例における書き込み可能型のミニディスク1aに対する1グループオブピクチャ分の記録処理手順を示すフローチャートである。この図におけるステップS11において、記録対象とされるクラスタがMOクラスタであると判定された場合においては、各クラスタの最後の4セクタには、3セクタ分のリンクセクタを確保することが規格上定められている{特願平2−222821号(特開平4−105271号公報)及びこれに対応する米国特許第5,243,588号明細書参照}。したがって、この場合においては、ステップS13へ進み、直前のGOPからの予測処理は不可能であるとの前提の下に、GOPの先頭のフレームはIピクチャとされ、一番最後のフレームはPピクチャとして処理される。そして次にステップS14へ進み、クラスタの最後の4セクタには特にデータは記録しない。これにより、図9および図10に示した実施例のフォーマットにより符号化ビデオ・データが記録されることになる。
【0123】
図15は、本発明の一実施例におけるミニディスク1aに対する1グループオブピクチャ分の再生処理手順を示すフローチャートである。
【0124】
最初にステップS21において、再生対象とされているクラスタがROMクラスタであるか否かが判定される。ROMクラスタであると判定された場合においては、ステップS22に進み、直前のクラスタの最後の4セクタにIピクチャIsが記録されているか否かが判定される。IピクチャIsが記録されている場合においては、ステップS23に進み、このIピクチャIsを利用して、次のGOPの先頭の2フレームのBピクチャB1,B2が復号される。
【0125】
ステップS22において、クラスタの最後の4セクタにIピクチャIsが記録されていないと判定された場合においては、ステップS24に進み、直前のGOPのピクチャP12を復号して得られたデータ(Iピクチャのデータとなっている)が存在するか否かが判定される。例えば、サーチ動作が行われているような場合、直前のGOPは、必ずしもそのクラスタを最初のセクタから全て復号しているとは限らない。このような場合、PピクチャP12は、復号されていないことが多い。従って、この場合においては、ステップS26に進み、GOPの先頭の2フレームのBピクチャB1,B2を実質的に復号しないようにする(復号したとしても、表示しないようにする)。これにより、乱れた画像が表示されることが防止される。
【0126】
これに対して、サーチ動作ではなく、通常の再生を行っているような場合においては、各クラスタが順次再生されるため、ステップS24においては、直前のGOPのPピクチャP12が復号されていると判定される。この場合においては、ステップS24からステップS25に進み、その復号されたPピクチャP12を利用して、次のGOPの最初のフレームのBピクチャB1,B2が復号される。
【0127】
一方、ステップS21において、再生対象とされているクラスタがROMのクラスタでないと判定された場合(MOクラスタであると判定された場合)、ステップS21からステップS27に進み、再生対象とされているクラスタ内のデータのみで復号が行われている。即ち、この場合においては、図13のステップS2において説明したように、クラスタの先頭にIピクチャが配置され、クラスタの最後にPピクチャが配置されている。その結果、そのクラスタ内のデータのみで復号が可能となる。
【0128】
以上においては、MPEGのデジタル圧縮ビデオデータをミニディスクに記録する場合を例として説明したが、本発明はその他の圧縮方式で処理されたデジタルビデオデータをその他のディスクに記録する場合にも応用することが可能である。
【0129】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明による再生装置によれば、グループオブピクチャの各フレームが画像圧縮されてクラスタの第1のセクタ領域に記録されると共に、隣接するグループオブピクチャのフレームの再生に必要なフレームの画像内符号化の圧縮データがこのクラスタの第2のセクタ領域に記録されており、復号するグループオブピクチャと隣接するグループオブピクチャの第2のセクタ領域に記録されているデータとに基づいて動画像を再生することができるので、GOPを単位とする編集処理や早送りや逆早送り再生等の特殊再生が可能となり、特殊再生時に画像が途切れるような事態が防止されると共に、より高品質の画像を高速に再生することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるディスク記録再生装置の外観構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の他の実施例によるディスク記録再生装置の外観構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施例によるディスク記録再生装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示すMPEGビデオエンコーダ27bの具体的構成例を示すブロック図である。
【図5】図3に示すMPEGビデオデコーダ29bの具体的構成例を示すブロック図である。
【図6】本発明の一実施例に適用されるミニディスクの記録フォーマットを説明するための概念図である。
【図7】本発明の一実施例に適用されるクラスタインターリーブを説明するための概念図である。
【図8】本発明の一実施例に適用されるMDドライブ装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の一実施例に適用されるグループオブピクチャを説明するための概念図である。
【図10】本発明の一実施例に適用されるグループオブピクチャとクラスタとの関係を説明するための概念図である。
【図11】本発明の一実施例に適用されるグループオブピクチャの他の構成例を説明するための概念図である。
【図12】本発明の一実施例に適用されるグループオブピクチャとクラスタとの他の関係を説明するための概念図である。
【図13】本発明の一実施例における再生専用型のミニディスクに対する1グループオブピクチャ分のデータの作成処理手順を示すフローチャートである。
【図14】本発明の一実施例における書き込み可能型のミニディスクに対する1グループオブピクチャ分の記録処理手順を示すフローチャートである。
【図15】本発明の一実施例におけるミニディスク1aに対する1グループオブピクチャ分の再生処理手順を示すフローチャートである。
【図16】画像間予想を示す線図である。
【図17】データ構造を示す線図である。
【符号の説明】
1a・・・ミニディスク、 2・・・ディスク記録再生装置、 5・・・カラーLCD、 20・・・MDドライブ装置、 21・・・I/Oインターフェイス、 22・・・MPU、 23・・・メインメモリ、 24・・・DMAC、 26・・・オーディオ・エンコーダ/デコーダ、 27・・・ビデオ・エンコード部、 29・・・ビデオ・デコード部、 28・・・LCDコントローラ、 50・・・システムコントローラ、 51・・・EFM/CIRCエンコーダ/デコーダ

Claims (1)

  1. 所定のデータ量が記録可能なセクタを複数連結した再生の単位となるクラスタがディスクの記録データ領域内の外周側に再生専用に設けられ、
    動画像の連続する所定数のフレームから構成されるグループオブピクチャの各々のフレームが画像圧縮処理されて上記クラスタの所定数のセクタから成る第1のセクタ領域に記録され、
    上記クラスタの他のセクタから成る第2のセクタ領域に、隣接するグループオブピクチャのフレームの再生に必要なフレームの画像内符号化方式の圧縮データが記録された記録媒体を再生する再生装置において、
    上記記録媒体から上記クラスタ単位でデータを読出す再生手段と、
    上記再生手段にて読出されたデータを記憶する記憶手段と、
    上記再生手段にて再生された上記第1のセクタ領域の画像圧縮されたデータ及び上記第2のセクタ領域の画像内符号化方式で画像圧縮されたデータを復号する復号手段と、
    復号するグループオブピクチャが記録媒体から上記記憶手段へ読出されるように上記再生手段を制御し、さらに上記復号するグループオブピクチャに隣接するグループオブピクチャが記録されているクラスタの所定のセクタのデータが読出されるように上記再生手段を制御し、上記再生された隣接するグループオブピクチャの上記第2のセクタ領域に記録されているデータと上記復号する上記記録媒体から読出されたグループオブピクチャとに基づいて動画像が再生されるように上記復号手段を制御する制御手段とを備える再生装置。
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