JP3580113B2 - 赤外線センサおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、赤外線センサおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
これまで人体検知センサ等の赤外線センサには、検知範囲を広くする等所要の検知エリアを確保するため、検知素子(焦電素子)の前面にレンズや反射鏡を使用していた。
ところが、これらのレンズおよび反射鏡はその必要な特性の点から、それぞれの基材に異なる材質が使用された別部品であった。すなわちレンズには高密度ポリエチレンまたは人体が発する赤外線波長の透過率の高いプラスチック材料が使用され、反射鏡はABS樹脂または表面平滑性およびめっき性の良好なプラスチック材料で基材を形成し、その反射面にめっき処理によりCr薄膜または赤外線反射率の高い平滑な金属薄膜を形成していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、レンズおよび反射鏡基材が異材質であるためそれらの成形収縮率が異なり、このため場合によっては赤外線センサの感度を低下したり、別部品であるため部品取扱い上の工数を要する等の問題があった。
また反射鏡基材に赤外線反射金属薄膜を形成するためのめっき処理は、処理工程が多工程にわたるため処理時間が長く、また湿式工法のため環境保全には多くの工数を要するという問題があった。
【0004】
さらにCrよりも赤外線反射率の高いCu、Al等の高赤外線反射金属薄膜を形成した場合、その易被酸化性から高赤外線反射金属薄膜が酸化され、赤外線反射率が低下し、そのため赤外線センサの感度低下を招くという問題があった。また酸化を防ぐために金属薄膜上にトップコートを形成すると、処理工程を増加させる上にトップコートにより赤外線反射率が低下するため、実用上赤外線センサとして使用することは不可能であった。
【0005】
したがって、この発明の目的は、感度低下を防止し、組立時の取扱いが簡単な赤外線センサおよびその製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の赤外線センサは、赤外線検知素子の前面にレンズおよび反射鏡を配置してなる赤外線センサにおいて、
前記レンズは底面が開口した中空部を有しその開口につば部を有し、前記反射鏡は基板部および前記基板部上に設けられて前記レンズの中空部に入ることができる反射鏡基材を有し、前記反射鏡基材の表面に反射膜を形成したものであり、
前記反射鏡基材が前記レンズの中空部に入り込んで前記つば部と前記基板部とが重ね合わせすることができるように前記つば部と前記基板部とを連結する、ヒンジ部の付いた複数のブリッジを有し、
前記レンズ、前記基板部および前記反射鏡基材、ならびに前記複数のブリッジが樹脂により一体に形成されたものである。
【0007】
請求項1記載の赤外線センサによれば、レンズおよび反射鏡基材が同材質であるためそれらの成形収縮率が同じであり、一体型にすることで組立時の位置決め精度が高くなり、赤外線センサの感度を低下させることがなくなり、別部品と比べて組立時の取扱いが容易になる。また1部品にできるために成形を1工程に削減できる。
また、反射鏡にレンズを被せるような小形化できる配置での成形は金型構造上不可能であるが、反射鏡とレンズを横並びにしてブリッジを介して繋げる構造をとり、かつ結晶性樹脂である高密度ポリエチレン樹脂の特性を生かしてブリッジをヒンジ構造にすることにより、簡単に折り曲げて反射鏡にレンズを被せることができる。
【0010】
請求項2記載の赤外線センサの製造方法は、請求項1記載の赤外線センサの製造方法あって、前記反射鏡基材の表面を研磨された金型によって成形し、前記反射膜をPVDにより成膜することを特徴とするものである。
請求項2記載の赤外線センサの製造方法によれば、PVDにより成膜されるため処理工程が1工程で済み処理時間が短く、PVDは乾式工程であるため環境保全には適している。
【0011】
請求項3記載の赤外線センサの製造方法は、請求項1記載の赤外線センサの製造方法あって、前記反射鏡基材の表面を形成する金型内に反射面形成用の金属膜を予め位置決めし、前記反射鏡基材の成形時に前記反射鏡基材の表面に前記金属膜を接着することを特徴とするものである。
請求項3記載の赤外線センサの製造方法によれば、成形によって反射鏡基材と金属膜が接着されるため、めっきによる表面処理工程が不要となり、環境保全には適している。
【0012】
請求項4記載の赤外線センサの製造方法は、請求項1記載の赤外線センサの製造方法あって、前記反射鏡基材の表面を形成する金型内に反射面形成用の金属膜を予め位置決めし、前記反射鏡基材の成形時に前記反射鏡基材の表面部に前記金属膜を前記高密度ポリエチレン樹脂によりサンドイッチ状に挾み込むことを特徴とするものである。
【0013】
請求項4記載の赤外線センサの製造方法によれば、反射鏡基材の表面部に反射鏡基材と同材質の高密度ポリエチレン樹脂で金属膜を挾み込むサンドイッチ構造であるため、赤外線反射率をほとんど低下させることなく、高赤外線反射金属薄膜の酸化を防止することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
この発明の第1の実施の形態を図1から図4により説明する。図1は、赤外線センサを示し、赤外線検知素子1の前面にレンズ2および反射鏡3を配置している。矢印は赤外線検知素子1に入射する赤外線であり、レンズ2の集光作用および反射鏡3の反射により例えば焦電型素子などの赤外線検知素子1に赤外線を集光し、感度を高めている。反射鏡3は赤外線センサの取付面に平行に近い赤外線例えば人体が発する5〜15μmの赤外線を効率よく反射して検知素子に到達させる。
【0015】
図2および図3は、レンズ2および反射鏡3を示し、例えば高密度ポリチエレン樹脂等の樹脂によりレンズ2および反射鏡基材3aを一体に形成し、反射鏡基材3aの表面に反射膜3bを形成している。実施の形態では、レンズ2および反射鏡基材3aはヒンジ構造を有する例えば2本以上のブリッジ4を介して繋がっており、レンズ2および反射鏡基材3aが相離れた図2および図3に示す展開状態から矢印Aのように両者が重なるようにブリッジ4のヒンジ部4aを折り曲げることにより、図1に示すようなレンズ2および反射鏡基材3aを所定の位置関係に配置している。
【0016】
反射鏡基材3aの部分は、取付部となる長方形状の基板部5と、基板部5の長手方向の中心に平面視で短手方向に対向するように突設された一対の側板6とで反射鏡支持本体が形成されている。反射鏡基材3aは一対の側板6の対向面間に架設されて両者で断面逆ハの字形をなす板状に形成されている。ブリッジ4は基板部5の長手方向の一端に連接し、ヒンジ部4aは薄肉により形成されて一定位置で折曲げできるようにしている。レンズ2は底面が開口した略中空台形状であり、底面は長方形状でつば部2bが周縁に形成され、長手方向の一端にブリッジ4の他端を連接している。レンズ2の中空部2aは側板6と同方向に向き、内天面および内側面が例えば凸形などの集光レンズとなっている。ヒンジ部4aを矢印Aの方向に折り曲げると、基板部5とつば部2bが相重なり、レンズ2の中空部内に反射鏡3が位置して図1に示すようにレンズ2が反射鏡3に重なる。なお、反射鏡支持本体は一対の側板に代えて角筒部に形成しその内側の長手方向間に反射鏡基材3aを架設してもよい。
【0017】
このように、レンズ2および反射鏡3は図1等に示すようにブリッジ4を介して繋がっており、1部品として射出成形により金型内で1ショットで形成される。レンズ2および反射鏡基材3aの一体型成形品の材質は、赤外線の透過率の高い高密度ポリチエレン樹脂であれば特に限定しない。また成形法は射出法以外にも、圧縮成形、真空成形、注型などがあるがレンズ2および反射鏡3の形状を精度よく再現できる方法であれば特に限定しない。
【0018】
またブリッジ4には前記したように薄肉によるヒンジ構造が設けられており、組立時にヒンジ部4aを折り曲げることによりレンズ2の内側に反射鏡3が配置され、所要の赤外線配光が得られるような構造になっている。この場合に、ブリッジ4は折曲げ方向以外への剛性を考慮して2本以上設けるものとし、反射鏡基材3aの反射面3bがレンズ外面2cと同じ方向を向いていて、かつレンズ2および反射鏡3が折曲げ時に所要の位置に配置される構造であれば、レンズ2および反射鏡3の位置関係はとくに限定しない。
【0019】
レンズ2の中空部2aの内面に形成されるレンズ面形状は、所要の赤外線配光が得られるよう非球面形状に成形され、そのレンズ面は鏡面に仕上げられている。反射鏡3は一部のレンズ2により配光された赤外線を焦電型素子に集光させる反射面3bとレンズ2を取付けるための基板部5等の構造体から構成される。反射面3bは、所要の配光が得られるような角度に設計されており、所要の赤外線反射率が得られるように成形により鏡面に仕上げられる。その反射面3bに反射膜としてPVD(Pysical Vapor Deposition) により直接赤外線反射率の高い高赤外線反射金属膜を形成する。
【0020】
図4に反射鏡3の構成図を示す。反射鏡基材3aの表面に形成される反射膜である金属膜3cはCrを用いている。高赤外線反射金属膜3cの膜厚および層数は所定の光学特性が得られるものであれば何等限定しない。例えば図5に示す別の実施の形態では高赤外線反射金属膜3cの層数が反射鏡基材3aの表面に形成されたCuとその上に形成されたCrからなる2層になっている。高赤外線反射金属膜3cの材質としては、Al、Cr、Ag、Ni、Pt等が用いられるが、所定の光学特性が得られるものであれば何等限定しない。また高赤外線反射金属膜3cを形成するPVDには真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、ビーム法などがあるが何等限定しない。
【0021】
この場合、反射鏡3の製造方法として、反射鏡基材3aの表面を例えば表面粗さ略1μm以内に研磨された金型によって成形し、金属膜3cをPVDにより成膜するのが好ましい。
この実施の形態によれば、レンズ2および反射鏡基材3aが同材質であるためそれらの成形収縮率が同じであり、一体型にすることで組立時の位置決め精度が高くなり、赤外線センサの感度を低下させることがなくなり、別部品と比べて組立時の取扱いが容易になる。また1部品にできるために成形を1工程に削減できる。
【0022】
また反射鏡3にレンズ2を被せるような小形化できる配置での成形は金型構造上不可能であるが、反射鏡3とレンズ2を横並びにしてブリッジ4を介して繋げる構造をとり、かつ結晶性樹脂である高密度ポリエチレン樹脂の特性を生かしてブリッジ4を薄肉のヒンジ構造にすることにより、簡単に折り曲げて反射鏡3にレンズ2を被せることができる。またレンズ2および反射鏡基材3aが1本のブリッジ4で繋がっている場合、成形時または組立時に横ぶれやねじれを起こすおそれがある。しかし2本以上にすると横方向の剛性が増すため横ぶれやねじれを起こさなくなる。
【0023】
さらに、反射膜がPVDにより成膜されるため処理工程が1工程で済み処理時間が短く、PVDは乾式工程であるため環境保全には適している。
この発明の第2の実施の形態を図6および図7により説明する。この赤外線センサは、第1の実施の形態において、ヒンジ部4aを基板部5およびつば部2bの長手方向ではなく短手方向に繋いだものであり、その他は第1の実施の形態と同様である。
【0024】
第1の実施の形態および第2の実施の形態の反射鏡の製造方法として、反射鏡基材3aの表面を形成する金型内に反射面形成用の反射膜となる金属膜3cを予め位置決めし、反射鏡基材3aの成形時に反射鏡基材3aの表面に金属膜3cを接着する。これにより、成形によって反射鏡基材3aと金属膜3cが接着されるため、めっきによる表面処理工程が不要となり、環境保全には適している。
【0025】
また別の実施の形態の反射鏡の製造方法として、反射鏡基材3aの表面を形成する金型内に反射面形成用の金属膜3cを予め位置決めし、高密度ポリエチレン樹脂からなる反射鏡基材3aの成形時に反射鏡基材3aの表面部に金属膜3cを高密度ポリエチレン樹脂によりサンドイッチ状に挾み込むものである。
図8は金属膜3cとしてNiをサンドイッチ状に挾み込んだものであり、3eは金属膜3cの表面の高密度ポリエチレン樹脂である。
【0026】
図9は同様に金属膜3cとしてCuをサンドイッチ状に挾み込んだものである。
これらの実施の形態によれば、反射鏡基材3aの表面部に反射鏡基材3aと同材質の高密度ポリエチレン樹脂3eで金属膜3cを挾み込むサンドイッチ構造であるため、赤外線反射率をほとんど低下させることなく、高赤外線反射金属薄膜3cの酸化を防止することができる。
【0027】
この発明の第3の実施の形態を適用したセンサリモコンを図10から図29に示す。すなわち、このセンサリモコンは、図10(b)に符号10で示すように照明器具11から離れた位置に配置し、人13の発する赤外線を検知するものである。12は斜線で示すセンサリモコン10の検知エリア、14はセンサリモコン10の送信信号、15は照明器具11により照明される空間である。図10(a)に示すように赤外線センサ10′を照明器具11に設けた器具・センサ一体型の場合には、検知エリア12が照明器具11の近くに制限されるが、この実施の形態では検知範囲が広くなる。また省施工、省配線、センサ器具のMT化、検知範囲設定の自由度向上等の利点がある。
【0028】
図11は例えば内玄関などのような複数の照明器具11a、11bをセンサリモコン10により操作する例である。なお、傾斜天井にも対応可能であり、照明器具11a、11bを個別に制御することも可能である。
図12はセンサリモコンの分解斜視図である。50は例えば板金で形成した取付台であり、51はその鉤状の取付部、52は取付台樹脂である。53は下カバーであり、54は取付部51に係止する開口、55は下カバー53に取付けられたプリント基板で、赤外線検知素子1を実装している。
【0029】
56は複数の方向に向けた例えば発光ダイオード(LED)を用いた複数の赤外線、超音波、光線等の送信素子、57はプリント基板55に実装されたセンサ制御用のスイッチ、58は各種のマニュアル操作用のスイッチ群である。
59は下カバー53に被さる上カバー、60は赤外線放射素子を露出させる開口、61はその開口60を覆う投光カバー、62は赤外線検知素子1の前側に位置する第1の実施の形態等に示したレンズ2および反射鏡3からなる集光部材、63はスイッチ57を操作するための樹脂ボタン、64はスイッチ群58を操作するためのスイッチ孔、65は例えば4個の単3のアルカリ電池である。78は樹脂製の操作つまみでスイッチ群58に並べて設けた回転式制御手段のつまみである。
【0030】
66は上カバー59の表面を開閉するパネルであり、上カバー59の下端部で軸(図示せず)により回動自在に連結されている。67は樹脂製の操作ボタン63の露出孔、68は集光部材62のセンサ化粧シートである。
図13はセンサリモコンの送信素子56の信号である赤外線等を受信する受信器であり、受光部(同図(a))と電源部(同図(b)からなっている。70は受光ケース、71はCdSカバー、72は充電部保護カバー、73はテープ電線、74は取付部、76は電源部のプリント基板、77は放熱板である。この受信器は前記した照明器具などの制御対象器具に取付けられるが、場合によってはその器具等と分離して設けられてもよい。
【0031】
図14はパネル66を閉じた状態のセンサリモコンの正面を示し、図15はセンサリモコンのパネル60、上カバー59、投光カバー61を正面から透かしてみている。送信素子56は7個を横一列に並べ、それぞれ図18に示すように上向きに配置するとともに、中央のものをほぼプリント基板55に垂直に配置し、その両側のものを互いに約90度外向きとなるように傾斜し、さらにその両外側のものを互いに約110度外向きとなるように傾斜し、さらにその両外側のものを互いに約130度外向きとなるように傾斜している。これにより水平方向の検知エリアを約170〜180°を得るようにしている。80は電池電極の導電板であり、プリント基板55に配線される。
【0032】
図16はセンサリモコンの横断面であり、集光部材62と赤外線検知素子1との配置関係を示し、また操作ボタン63とスイッチ57との位置関係を示している。図17はセンサリモコンの底面を示している。図18はセンサリモコンの縦断面を示し、各赤外線放射素子56が例えば約45度上向きに傾斜して、天井に位置する照明器具の受信器に向けて送信する。81はパネル60の回転軸である。図19はセンサリモコンを側面を示している。
【0033】
図20から図26は集光素子62を示し、第1の実施の形態等と共通する部分に同一符号を付している。45は位置決め突起、46は取付孔である。また図20の一部を拡大した図24および図25に示すレンズ2において、30、31は中空部2aの内天面の中央に形成されたレンズ部、32、32は内天面の両側にそれぞれ対称に形成されたレンズ部、35〜38はそれぞれ内側面に対称に形成されたレンズ部ある。図24および図25に示すようにレンズ部のいずれも黒丸印は主点位置を示し、三角印は赤外線検知素子1の位置となる焦点位置Hを示している。ただしレンズ部36、38の焦点位置は図26に示すように対向する反射面3bに対して焦点位置Hの対称位置Kとしている。また図24および図25において、焦点位置Hはレンズ部30、31の主点位置を含む平面上にあり、その平面に垂直な法線に対してレンズ部33、37の主点は例えば27.5度傾斜し、同様にレンズ部32、35の主点は例えば53.6度傾斜している。図26のレンズ2の断面において、レンズ部30、31の主点と焦点位置Hとを結ぶ面に対して、レンズ部32、33と焦点位置Hとを結ぶ線は例えば26.3度傾斜し、レンズ部36、38と焦点位置Hを結ぶ線は例えば52.7度傾斜している。
【0034】
図27から図29はこのようなレンズ2および反射鏡3による検知エリア12の視野角を示す。図27は検知エリア12の外観を示し、図28は平面的にみた検知エリア12を斜線で示し、開き角Mは約170度から180度の扇形をなしている。図29(a)は斜線で示す検知エリア12の上面の水平面に対する下方への傾斜角Mが例えば6度、下面の下方傾斜角Mが例えば36度を示し、同図(b)は水平方向の検知エリアの限界を説明するものでレンズ2の突出方向に対して両側への各開き角Mが約85度である例を示す。なおいずれもレンズ2の台形状の天面とその両側の傾斜面であって各角縁2fからある距離例えば1mm程度内側を入射範囲の境界としている。
【0035】
【発明の効果】
請求項1記載の赤外線センサによれば、レンズおよび反射鏡基材が同材質であるため、にそれらの成形収縮率が同じであり、一体型にすることで組立時の位置決め精度が高くなり、赤外線センサの感度を低下させることがなくなり、別部品と比べて組立時の取扱いが容易になる。また1部品にできるために成形を1工程に削減できる。
【0036】
また、反射鏡にレンズを被せるような小形化できる配置での成形は金型構造上不可能であるが、反射鏡とレンズを横並びにしてブリッジを介して繋げる構造をとり、かつ結晶性樹脂である高密度ポリエチレン樹脂の特性を生かしてブリッジをヒンジ構造にすることにより、簡単に折り曲げて反射鏡にレンズを被せることができる。
【0037】
請求項2記載の赤外線センサの製造方法によれば、PVDにより成膜されるため処理工程が1工程で済み処理時間が短く、PVDは乾式工程であるため環境保全には適している。
請求項3記載の赤外線センサの製造方法によれば、成形によって反射鏡基材と金属膜が接着されるため、めっきによる表面処理工程が不要となり、環境保全には適している。
【0038】
請求項4記載の赤外線センサの製造方法によれば、反射鏡基材の表面部に反射鏡基材と同材質の高密度ポリエチレン樹脂で金属膜を挾み込むサンドイッチ構造であるため、赤外線反射率をほとんど低下させることなく、高赤外線反射金属薄膜の酸化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態の説明図である。
【図2】レンズおよび反射鏡の展開状態の側面図である。
【図3】その平面図である。
【図4】反射鏡の部分断面図である。
【図5】反射鏡の別の実施の形態の部分断面図である。
【図6】第2の実施の形態のレンズおよび反射鏡の展開状態の平面図である。
【図7】その側面図である。
【図8】反射鏡のさらに別の実施の形態の部分断面図である。
【図9】反射鏡のさらに別の実施の形態の部分断面図である。
【図10】第3の実施の形態のセンサリモコンの配設位置と検知エリアを説明する説明図である。
【図11】センサリモコンの送信範囲を示す説明図である。
【図12】センサリモコンの分解斜視図である。
【図13】送信信号の受信器の受光部(a)および電源部(b)の斜視図である。
【図14】センサリモコンの正面図である。
【図15】センサリモコンの構成を示す正面図である。
【図16】センサリモコンの横断面図である。
【図17】センサリモコンの底面図である。
【図18】センサリモコンの縦断面図である。
【図19】センサリモコンの側面図である。
【図20】(a)はレンズおよび反射鏡からなる集光部材の展開状態の正面図、(b)はその反射鏡のA−A線断面図である。
【図21】その底面図である。
【図22】レンズおよび反射鏡の組体の背面図である。
【図23】図20の側面図である。
【図24】レンズの中央部の詳細図である。
【図25】レンズの側面部の詳細図である。
【図26】レンズの主点位置および焦点位置を示す説明図である。
【図27】センサリモコンの視野角を示す説明図である。
【図28】水平方向の視野角を示す説明図である。
【図29】垂直方向の視野角を示す説明図である。
【符号の説明】
1 赤外線検知素子
2 レンズ
3 反射鏡
3b 反射面
3c 金属膜(反射膜)
4 ブリッジ
4a ヒンジ部

Claims (4)

  1. 赤外線検知素子の前面にレンズおよび反射鏡を配置してなる赤外線センサにおいて、
    前記レンズは底面が開口した中空部を有しその開口につば部を有し、前記反射鏡は基板部および前記基板部上に設けられて前記レンズの中空部に入ることができる反射鏡基材を有し、前記反射鏡基材の表面に反射膜を形成したものであり、
    前記反射鏡基材が前記レンズの中空部に入り込んで前記つば部と前記基板部とが重ね合わせすることができるように前記つば部と前記基板部とを連結する、ヒンジ部の付いた複数のブリッジを有し、
    前記レンズ、前記基板部および前記反射鏡基材、ならびに前記複数のブリッジが樹脂により一体に形成された赤外線センサ。
  2. 請求項1記載の赤外線センサの製造方法あって、前記反射鏡基材の表面を研磨された金型によって成形し、前記反射膜をPVDにより成膜することを特徴とする赤外線センサの製造方法。
  3. 請求項1記載の赤外線センサの製造方法あって、前記反射鏡基材の表面を形成する金型内に反射面形成用の金属膜を予め位置決めし、前記反射鏡基材の成形時に前記反射鏡基材の表面に前記金属膜を接着することを特徴とする赤外線センサの製造方法。
  4. 請求項1記載の赤外線センサの製造方法あって、前記反射鏡基材の表面を形成する金型内に反射面形成用の金属膜を予め位置決めし、前記反射鏡基材の成形時に前記反射鏡基材の表面部に前記金属膜を前記高密度ポリエチレン樹脂によりサンドイッチ状に挾み込むことを特徴とする赤外線センサの製造方法。
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