JP3579771B2 - 操作装置 - Google Patents
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Description
この発明は、コンピュータのディスプレイに表示されるカーソルを所望に移動させるための操作装置に関するものである。
【従来の技術】
ディスプレイに表示されるカーソルを所望に移動させるための操作装置としては、例えば、図7〜図9に示すものがある。
この操作装置は、同図に示すように、中央部に入力軸部90aを有した基板90と、前記基板90と対向配設された基板91と、前記基板90の下面に添設した電極部Cと、前記基板91の上面に添設した電極部Cx+,Cx−,Cy+,Cy−と、前記した上下の電極部相互間に介在させた薄い弾性板92とを有し、前記基板90に具備させた入力軸部90aにより上記基板91の上面を押し込むようにしている。又、この操作装置の基板91の下面には図7に示すように電子装置93を具備させてあり、この電子装置93により、(1) 電極部Cと電極部Cx+相互間,(2) 電極部Cと電極部Cx−相互間,(3) 電極部Cと電極部Cy+相互間,(4) 電極部Cと電極部Cy−相互間における静電容量の変化を電圧の変化に変換できるようにしてある。
したがって、指で上記入力軸部90aの上端部を上下・左右方向(X−X方向,Y−Y方向)に変位させると弾性板92の付勢力に抗して電極部相互間の各部のギャップGが変化することとなり、その結果、押圧した方向の入力軸部90aの変位(方向及び量)を電圧出力として取り出せる。
この操作装置を使用する場合、図7に示す如くキーボードKBの上壁から入力軸部90aの上端部のみを突出させる態様で組み込めばよく、ギャップGの変化に伴う上記電圧出力値の大小によりカーソルの移動速度や移動方向が決定されるようにすればよい。
しかしながら、入力軸部90aの変位量をある程度の大きさにするには弾性板92の厚みを大きくしなければならないことから、電極部相互間の静電容量を大きくとれず、高感度な操作装置を製作することが困難であるという問題もある。 近年、ディスプレイに表示されるカーソルを所望に移動させるための高感度な操作装置の開発が望まれている。
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この発明では、ディスプレイに表示されるカーソルを所望に移動させるための高感度な操作装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
(請求項1記載の発明)
この発明は、片面に電極部Cを有する基板1と、前記基板1と対向配設され且つ片面に90°角度間隔で配置された電極部Cx+,Cx−,Cy+,Cy−を有する基板2と、前記基板1,2のうち少なくともどちらか一方に設けられた入力軸部10とを具備し、入力軸部10の傾動により電極部Cと各電極部Cx+,Cx−,Cy+,Cy−との相互間距離を変化させて、対向する電極部Cと電極部Cx+,Cx−,Cy+,Cy−相互間の静電容量を変化させる操作装置において、電極部C及び電極部Cx+,Cx−,Cy+,Cy−をそれぞれ非導電性を有し且つ硬質であり厚みが10〜50μmの非導電性薄膜4で被覆すると共に、前記電極部C側の非導電性薄膜4と電極部Cx+,Cx−,Cy+,Cy−側の非導電性薄膜4とを圧接させるべく基板1,2の少なくとも一方を付勢している。
(請求項2記載の発明)
この発明は、導電性を有する材料で構成された基板1と、前記基板1と対向配設され且つ片面に90°角度間隔で配置された電極部Cx+,Cx−,Cy+,Cy−を有する基板2と、前記基板1,2のうち少なくともどちらか一方に設けられた入力軸部10とを具備し、入力軸部10の傾動により電極部Cと各電極部Cx+,Cx−,Cy+,Cy−との相互間距離を変化させて、対向する電極部Cと電極部Cx+,Cx−,Cy+,Cy−相互間の静電容量を変化させる操作装置において、前記基板1の電極となる部分及び電極部Cx+,Cx−,Cy+,Cy−をそれぞれ非導電性を有し且つ硬質であり厚みが10〜50μmの非導電性薄膜4で被覆すると共に、前記基板1側の非導電性薄膜4と電極部Cx+,Cx−,Cy+,Cy−側の非導電性薄膜4とを圧接させるべく基板1,2の少なくとも一方を付勢していることを特徴とする操作装置。
(請求項3記載の発明)
この発明の操作装置は、上記請求項1又は2記載の発明に関し、非導電性薄膜4が、テフロンコーティングにより構成されている。
【実施例】
以下、この出願の発明の構成を実施例として示した図面に従って説明する。
(実施例1)
この実施例は、ディスプレイに表示されるカーソルの移動をするための操作装置であり、図1に示すように、キーボードKBに内装すると共に操作部となる入力軸部10を前記キーボードKBの上壁に設けた円形状の開口hから突出させている。
上記操作装置は、図1に示すように、上面に入力軸部10を有し且つ下面に電極部Cを有する基板1と、前記基板1と対向配設され且つ上面に電極部C’を有する基板2と、前記基板2の下面部に配設した電子装置3とを具備するものであり、前記電極部C,C’にそれぞれテフロンコーティングTC(手段の欄の非導電性薄膜4と対応し、10μm〜50μm程度の厚みに設定)すると共に、基板2にネジ止めされた押え部材5の下面に添設した環状弾性板53により各電極部C,C’のテフロンコーティングTC面相互を圧接させる構成としてある。
基板1は、円形状の剛性樹脂板で構成してあり、図1や図2に示すようにその上面中央部に設けられた上記入力軸部10は操作装置がキーボードKBに取付けられた状態においてキーボードKBの上壁から5〜10mm程度突出する長さに設定してある。他方、この基板1の下面中央部に設けられた電極部Cは、図3に示すように銅を円形状に印刷して形成してある。
基板2は、図1に示すように、基板1よりも大径の円形状合成樹脂板で構成してあり、図4に示すような態様で銅印刷するようにして上記した電極部C’(電極部Cx+,Cx−,Cy+,Cy−)を形成させてある。尚、上記した電極部Cの中心はこれら電極部Cx+,Cx−,Cy+,Cy−の配置中心と平面視で一致するように配設させてある。
押え部材5は、図1や図2に示すように、円筒部50と、入力軸部10を貫通突出させるための貫通孔52を有した上壁51とを具備するもので、前記上壁51の下面に環状弾性板53を貼着して形成されている。
電子装置3は、電極部Cと各電極部Cx+,Cx−,Cy+,Cy−との相互間距離と対応する各静電容量をそれぞれ電圧Vx+,Vx−,Vy+,Vy−に変換できるものとしてある。
尚、この実施例のものでは、X−X方向に入力軸部10を変位(傾動)させたときのその変位量は〔(Vx+)−(Vx−)〕に、Y−Y方向に入力軸部10を変位させたときのその変位量は〔(Vy+)−(Vy−)〕にそれぞれ変換され、この電圧値によりカーソルの移動速度が決定されるようにしてある。即ち、この操作装置は、上記の如く構成されているから、図5に示す如く入力軸部10を操作して基板1を基板2に対してX−X方向における右側に変位させた場合、出力電圧は(Vx+)−(Vx−)>0となり、カーソルは〔(Vx+)−(Vx−)〕の絶対値と対応する速度で右側に移動する。逆に、X−X方向における左側に変位させた場合、出力電圧は(Vx+)−(Vx−)<0となり、カーソルは〔(Vx+)−(Vx−)〕の絶対値と対応する速度で左側に移動する。又、入力軸部10を指で操作して基板1を基板2に対してY−Y方向に変位させた場合についてもX−X方向の場合と同様のことがいえる。
この実施例の操作装置では、電極部C及び電極部Cx+,Cx−,Cy+,Cy−にテフロンコーティングTCすると共に、前記電極部C,C’相互を環状弾性体53の弾性復帰力により圧接させる構成としてあるから、電極部Cと電極部Cx+,Cx−,Cy+,Cy−相互の間隔は(10μm〜50μm)×2となり、その結果、従来の欄に記載した弾性板を有するものと比較すると、電極部Cと各電極部Cx+,Cx−,Cy+,Cy−相互間の静電容量を大きくとることができる。又、上記テフロンコーティングTCとしてあるから、その表面は硬質で且つ熱膨張率は小さく、その結果、感度は入力軸部10への押込み力や雰囲気温度の影響を受けにくい。
また、この実施例のものでは、基板1、基板2、押え部材5及び環状弾性板53により構成される空間部Kは密閉状態となり、このため、テフロンコーティングTC面相互間にゴミ等が挟まるような事態は発生しないこととなり、操作装置としての感度は更に良好になる。
さらに、上記実施例において、電極部Cが、Cx+,Cx−,Cy+,Cy−から成るものとすることもできる。
そして、上記実施例では、電極部C側と電極部C’側のテフロンコーティングTC面相互を圧接させる手段として環状弾性板53を使用したが、これに限定されることなく圧縮バネ等も使用でき、また、図6のような構成とすれば引張りバネBも使用できる。
また、上記実施例では、非導電性薄膜4をテフロンコーティングTCにより構成させたが、これに限定されることなく、非導電性であり且つ仕上がりが硬質であれば他の材料も使用できる。
他方、上記実施例では、片面に電極部Cを有する基板1としたが、導電性を有する材料で構成された基板1を使用することもできる。
【発明の効果】
この発明は、上述の如くの構成を有するものであるから、次の効果を有する。 すなわち、ディスプレイに表示されるカーソルを所望に移動させるための高感度な操作装置を提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例の操作装置をディスプレイに表示されるカーソルを移動させるためにキーボード内に装着したときの断面図。
【図2】前記操作装置の斜視図。
【図3】前記操作装置の上側基板に設けた電極部を示した図。
【図4】前記操作装置の下側基板に設けた電極部を示した図。
【図5】図1の状態から入力軸部を右側に変位させたときの状態を示した図。
【図6】この発明の他の実施例の操作装置の断面図。
【図7】先行技術の操作装置をディスプレイに表示されるカーソルを移動させるためにキーボード内に装着したときの断面図。
【図8】先行技術の操作装置の上側基板の電極部を示す図。
【図9】先行技術の操作装置の下側基板の電極部を示す図。
【符号の説明】
10 入力部
C 電極部
Cx+ 電極部
Cx− 電極部
Cy+ 電極部
Cy− 電極部
1 基板
2 基板
4 非導電性薄膜
Claims (3)
- 片面に電極部Cを有する基板1と、前記基板1と対向配設され且つ片面に90°角度間隔で配置された電極部Cx+,Cx−,Cy+,Cy−を有する基板2と、前記基板1,2のうち少なくともどちらか一方に設けられた入力軸部10とを具備し、入力軸部10の傾動により電極部Cと各電極部Cx+,Cx−,Cy+,Cy−との相互間距離を変化させて、対向する電極部Cと電極部Cx+,Cx−,Cy+,Cy−相互間の静電容量を変化させる操作装置において、電極部C及び電極部Cx+,Cx−,Cy+,Cy−をそれぞれ非導電性を有し且つ硬質であり厚みが10〜50μmの非導電性薄膜4で被覆すると共に、前記電極部C側の非導電性薄膜4と電極部Cx+,Cx−,Cy+,Cy−側の非導電性薄膜4とを圧接させるべく基板1,2の少なくとも一方を付勢していることを特徴とする操作装置。
- 導電性を有する材料で構成された基板1と、前記基板1と対向配設され且つ片面に90°角度間隔で配置された電極部Cx+,Cx−,Cy+,Cy−を有する基板2と、前記基板1,2のうち少なくともどちらか一方に設けられた入力軸部10とを具備し、入力軸部10の傾動により電極部Cと各電極部Cx+,Cx−,Cy+,Cy−との相互間距離を変化させて、対向する電極部Cと電極部Cx+,Cx−,Cy+,Cy−相互間の静電容量を変化させる操作装置において、前記基板1の電極となる部分及び電極部Cx+,Cx−,Cy+,Cy−をそれぞれ非導電性を有し且つ硬質であり厚みが10〜50μmの非導電性薄膜4で被覆すると共に、前記基板1側の非導電性薄膜4と電極部Cx+,Cx−,Cy+,Cy−側の非導電性薄膜4とを圧接させるべく基板1,2の少なくとも一方を付勢していることを特徴とする操作装置。
- 非導電性薄膜4が、テフロンコーティングにより構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の操作装置。
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