JP3954776B2 - 入力装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は入力装置に係わり、特に静電容量の変化を利用して入力可能な、例えばパソコン、あるいはリモコン等に用いる入力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から自動車産業、電機産業、機械産業、土木産業など各種の産業においては、静電容量の変化を利用した入力装置が各種提案されている。このような静電容量式の入力装置は、周囲温度が変化しても、適正に容量変化させて入力を行うことができた。
このような従来提案されている入力装置は、操作者が指等でキートップを水平移動させると、キートップに連結された弾性部材が変形し、弾性部材に形成している可動電極と、この可動電極と対向する位置に配設された固定電極との間のギャップが変化する。
【0003】
このギャップの変化により、可動電極と固定電極との間の静電容量が変化して、例えばパソコンのディスプレー上のカーソル等を任意に移動させることができる。
このような入力装置は、例えばパソコン、あるいはリモコン等の小型の機器に用いる場合、広いスペースをとれないために、小型化の要求が強かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述したような入力装置を小型化しようとすると、キートップを水平方向に移動させる移動量を大きくすることができず、小さな移動量で入力しなければならなかったので、例えばパソコンのディスプレー上のカーソル等を所望に位置に移動させるのに時間が掛かり、操作性が悪いという欠点を有している。
【0005】
本発明は、前述したような問題点に鑑みてなされたもので、小型であってもキートップの水平移動量を大きくとることができ、操作性の良い入力装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための第1の解決手段として本発明の入力装置は、一方の面と直交する垂直方向の入力を感知する電極を前記一方の面に形成し、この一方の面と平行な水平方向の入力を感知する複数の電極とをそれぞれ分割して設けた固定電極と、少なくとも前記固定電極との間に所定寸法のギャップを有して対向する部分に導電性の可動電極を設けて、前記垂直方向及び前記水平方向の入力操作により前記ギャップが変化する弾性体と、この弾性体に突出形成した連結部に前記水平方向に移動可能なスライダを介して連結可能なキートップとを備え、前記連結部は、外周部から外方に突出する弾性変形可能な鍔部を有し、前記鍔部が前記スライダに形成した嵌合孔に嵌合して前記弾性体と前記スライダとが連結され、前記キートップは、外周部から前記一方の面側に突出させた下方外周壁に前記スライダーを係止することで、前記スライダを介して前記弾性体が連結され、前記キートップには、前記垂直方向の入力を感知する電極と対応する部分に前記弾性体を前記垂直方向に移動操作可能な垂直入力部が形成され、前記キートップを前記水平方向に移動させると、前記スライダの前記嵌合孔の内周壁が前記弾性体の前記鍔部を押圧して前記鍔部が弾性変形すると共に、前記弾性体の前記可動電極が弾性変形して前記ギャップが変化し、前記キートップの前記垂直入力部が形成された部分を押圧すると、前記可動電極と前記固定電極の前記垂直方向の入力を感知する電極との間の前記ギャップが変化するような構成とした。
【0007】
また、前記課題を解決するための第2の解決手段として、前記キートップは、前記連結部を回転中心として回転自在に配設されている構成とした。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の入力装置を図1〜図6に基づいて説明する。まず、図1は本発明の第1の実施の形態の入力装置の断面図であり、図2はプリント配線基板の平面図であり、図3はプリント配線基板の断面図であり、図4は本発明の入力装置の分解斜視図であり、図5は本発明の入力装置の操作の一例を説明する斜視図であり、図6は本発明の第2の実施の形態の断面図である。
【0011】
本発明の入力装置は、図1に示すように、円盤状のキートップ1がゴム、あるいはエラストマー等の弾性部材で形成され、キートップ1の上面には円弧状に凹んだ入力操作部1aが形成されて、キートップ1の中央部付近が薄肉に形成されている、そのために、キートップ1の中央部付近を図示下方に押圧すると、薄肉の中央部付近が下方に弾性変形可能になっている。
また、薄肉に形成されたキートップ1の中央部下面には、図示下方に突出する垂直入力部1bが形成されている。前記キートップ1の外周部には、図示下方に突出する下方外周壁1cが形成され、この下方外周部1cがスライダ2に圧入、又はスナップ係合等されて、キートップ1がスライダ2に取り付けられている。
【0012】
前記スライダ2は、硬質合成樹脂等からなり、中央部に後述する弾性体5の連結部5aの鍔部5bが嵌合可能な内周壁2aを有する嵌合孔2bが設けられている。また、スライダ2は、外周部に円形状のフランジ部2cが形成されている。前記スライダ2のフランジ部2cは、金属板からなるハウジング3の上端折曲部3aとブラケット4との間に狭持されて、水平方向への移動自在、及び回転自在になっている。
【0013】
また、弾性体5は、全体が導電性を有する導電ゴム等からなり、外形が円盤状に形成され、その中央部には図示上方の垂直方向に突出する連結部5aが設けられている。この連結部5aは、上端寄りの外周部から水平方向の外方に突出する鍔部5bが形成され、この鍔部5bは、スライダ2の嵌合孔2bに嵌合しており、キートップ1を水平移動させると、スライダ2の内周壁2aに押圧されて圧縮する方向に弾性変形可能になっている。
【0014】
また、嵌合孔2bに鍔部5bが嵌合する連結部5aは、嵌合孔2bから露呈する上端部が、スライダ2の上方のキートップ1で覆われている。
前記連結部5aの上端部には、キートップ1の垂直入力部1bが当接、又は近接するようにキートップ1がスライダ2に取り付けられている。
そして、スライダ2は、弾性体5上に位置して、水平方向に移動可能であると共に、連結部5aを中心として回転自在に配設されている。そのために、スライダ2に取り付けられたキートップ1は、弾性体5の連結部5aを中心として回転自在になっている。
【0015】
また、弾性体5は、円盤状の外周部5cが、ブラケット4と図示下部のプリント配線基板6とに狭持されると共に、外周部5cの外側に配設された支持体7により水平方向の動きが規制されるようになっている。
前記弾性体5の図示下面側で、プリント配線基板6と対向する部分の弾性体5とプリント配線板6との間には、所定寸法のギャップ8が形成されている。このギャップ8が形成された部分の弾性体5は、平坦状の可動電極5dが形成されて、後述するプリント配線基板6の固定電極9との間で所定の静電容量を形成するようになっている。
【0016】
そして、キートップ1を例えば図示左右の水平方向に移動させると、スライダ2の嵌合孔2bの内周壁2aが弾性体5の鍔部5bを水平方向に押圧して鍔部5bが変形すると共に、弾性体5の可動電極5dも変形して、ギャップ8の寸法が図示左右で異なって、可動電極5dと後述する固定電極9との間の静電容量が可変するようになっている。
【0017】
また、弾性体5の下部のプリント配線板6は、例えばガラスエポキシ樹脂等の硬質の材料からなり、弾性体5の可動電極5dが対向する側の面には、図2に示すように、固定電極9が形成され、この固定電極9は中央に円形の第1電極9aが形成され、この第1電極9aの外周には、第2電極9b、第3電極9c、第4電極9d、第5電極9eの4個の電極が等分割されて形成され、それぞれの電極9a〜9eは電気的に絶縁されている。
さらに、固定電極9の外周には固定電極9と絶縁されたグランド電極10が設けられている。
【0018】
そして、固定電極9の上には、図3の2点鎖線で示すような柔軟性絶縁膜11で覆われており、キートップ1を操作することにより、弾性体5が変形して可動電極5dが固定電極に接近しても、可動電極5dと固定電極9とが接触して電気的に短絡しないようになっている。
また、グランド電極10上には、導電性の弾性体5の外周部5cが位置して、弾性体5とグランド電極10とは電気的に接続されている。
そのために、可動電極5dと固定電極9との間にはギャップ8を挟んで所定の値の静電容量が形成されるようになっており、キートップ1を水平移動、又はキートップ1の垂直入力部1bを垂直移動させることにより、静電容量が可変するようになっている。
【0019】
前記固定電極9のそれぞれの電極9a〜9eの機能を説明すると、例えば第2電極9bはパソコン等のディスプレー上のカーソルを上方向に、第3電極9cは左方向に、第4電極極9dは下方向に、第5電極9eは右方向に、それぞれステップ移動させるための電極であり、これら第2電極9b〜第5電極9eは水平方向(X、Y方向)の入力用となっている。
また、第1電極9aは所望の位置に移動させたカーソル位置での選択、あるいは入力を決定する等に使用する電極で、垂直方向(Z方向)の入力用になっている。
【0020】
また、プリント配線基板6の下面には、図3に示すように、所定形状の導電パターン12が設けられ、固定電極9の各電極9a〜9e、及びグランド電極10は、スルーホール6aにより導電パターン12と電気的に接続されている。
前記導電パターン12にはICチップ等の電気部品13が搭載され、導電パターン12の一端にFPC(フレキシブルプリント配線基板)14が接続され、このFPC14の他端は使用機器の入出力インターフェース(図示せず)に接続されている。
【0021】
このような構成の本発明の第1の実施の形態の入力装置の操作について説明すると、キートップ1に、例えば操作者の指等により力が作用していない待機状態(初期状態)では、弾性体5の可動電極5dとプリント配線基板6の固定電極9との間のギャップ8は等しい。
従って導電体5と固定電極9の第2電極9b〜第5電極9eとの間の静電容量も等しい。
【0022】
そして、キートップ1を図1において、例えば左方向に移動させると、この移動がスライダ2の嵌合孔2bの内周壁2aから弾性体5の鍔部5bに伝えられる。
すると弾性体5は、スライダ5の内周壁5aに押圧された図示右部分の鍔部5bが圧縮する方向に変形すると共に、図示左側の可動電極5dが下方に変形して、固定電極9の第3電極9cとの間のギャップ8が、初期状態より狭くなって、第3電極9c側の静電容量が変化する。
この第3電極9c側の静電容量変化を電気的に検出して、キートップ1によりカーソルを左方向に移動させる信号が入力されたことを検知することができる。
【0023】
また、キートップ1を図1において、例えば右方向に移動させると、この移動はスライダ2を介して弾性体5に伝えられる。
そして、弾性体5は、スライダ2の内周壁2aに押圧された図示左部分の鍔部5bが圧縮する方向に変形すると共に、可動電極5dの図示右側が下方に変形して、固定電極9の第5電極9eとの間のギャップ8が、初期状態より狭くなって、第5電極9e側の静電容量が変化する。
この第5電極9e側の静電容量変化を電気的に検出して、キートップ1によりカーソルを右方向に移動させる信号が入力されたことを検知することができる。
【0024】
また、図1においてキートップ1の入力操作部1aの中央部で、垂直入力部1bが形成された部分を指先で垂直方向(Z方向)押圧すると、スライダ2はその位置に保持されたまま、キートップ1の垂直入力部1bが形成された部分が弾性変形して垂直入力部1bが下方に移動する。
そして、垂直入力部1bが弾性体5の連結部5aを押圧して弾性体5が変形し、可動電極5dと第1電極9aとの間のギャップ8が初期状態より狭くなって、第1電極9a側の静電容量が変化する。この第1電極9a側の静電容量変化を電気的に検出して、キートップ1が垂直方に押圧されたことを検知することができる。
また、キートップ1に加えていた水平方向、あるいは垂直方向の操作力を解除すると、弾性体5の復元力、あるいはキートップ1の復元力によって、キートップ1、スライダ2、弾性体5は元の初期状態に戻る。
【0025】
また、本発明の第1の実施の形態の入力装置は、スライダ2が弾性体5上に位置して水平方向に移動可能であると共に、弾性体5の連結部5aを中心として回転自在に配設されているので、スライダ2に取り付けられたキートップ1も回転自在になっている。
そのために、キートップ1の水平方向の操作をする時に、図5に示すように、操作者の指をキートップ1の外周部に位置させて、矢印Aの左方向にキートップ1を移動させようとした時のキートップ1に、例えば矢印Bの方向の回転力が加わったとしても、キートップ1がスムーズに矢印Bの方向に回転するので、快適な操作感を得ることができる。
【0026】
また、本発明の第1の実施の形態の説明では、弾性体5は全体が導電性を有する導電ゴム等からなるもので説明したが、弾性体5は絶縁性のゴムで形成し、可動電極5dの部分に導電性シート(図示せず)等を接着し、この導電性シートの一部をプリント配線板6のグランド電極10に接続したものでも良い。
即ち、弾性体5は、少なくとも固定電極9との間に所定寸法のギャップを有して対向する部分に導電性の可動電極5dを設けたものであれば良い。
【0027】
また、本発明の第2の実施の形態の入力装置は、図6に示すように、キートップ21に直接弾性体5を連結するようになっている。このような入力装置のキートップ21は、上面に入力操作部21aと、中央部下部に弾性体5の連結部5aが嵌合する嵌合部21bが図6のように形成され、この嵌合部21b内に垂直入力部21cが突出形成されている。
また、キートップ21の外周部にはフランジ部21dが形成され、このフランジ部21dがハウジング3の上端折曲部3aとブラケット4とに狭持されて、キートップ21が水平移動可能と、連結部5aを回転中心として回転自在になっている。
このような第2の実施の形態の入力装置は、第1の実施の形態のスライダ2が不要となり、部品点数を削減することができる。
【0028】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の入力装置は、キートップを水平方向に移動させると、可動電極と固定電極の前記水平方向の入力を感知する複数の電極との間のギャップが変化し、前記キートップの垂直入力部が形成された部分を押圧すると、前記可動電極と前記固定電極の前記垂直方向の入力を感知する電極との間の前記ギャップが変化するようにしたので、キートップの水平移動、及び垂直移動を高精度に検出することができ、入力精度の高い入力装置を提供できる。
【0029】
また、前記弾性体の前記連結部は、外周部から外方に突出する弾性変形可能な鍔部を有し、この鍔部が形成された前記連結部を前記キートップに連結したので、キートップを水平移動させると鍔部が弾性変形して、キートップの水平移動を大きくすることができ、キートップの水平方向の操作性が快適である。
【0030】
また、スライダを介してキートップと弾性体とが連結され、前記キートップを前記水平方向に移動させると前記スライダの前記嵌合孔の内周壁が前記弾性体の前記鍔部を押圧して前記鍔部が弾性変形すると共に、前記弾性体の前記可動電極が弾性変形して前記ギャップが変化するので、キートップの移動をスライダによって、高精度に弾性体に伝達することができ、入力精度が更に高い入力装置を提供できる。
【0031】
また、前記キートップは、前記連結部を回転中心として回転自在に配設されているので、操作者の指をキートップの外周部に位置させて、キートップを水平移動させようとする時のキートップ1に、回転力が加わったとしても、キートップがスムーズに回転するので、快適な操作感を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に関する入力装置の断面図である。
【図2】本発明に係わるプリント配線基板の平面図である。
【図3】本発明に係わるプリント配線基板の断面図である。
【図4】本発明の入力装置に関する分解斜視図である。
【図5】本発明の入力装置の操作の一例を説明する斜視図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に関する入力装置の断面図である
【符号の説明】
1 キートップ
1a 入力操作部
1b 垂直入力部
2 スライダ
2a 内周壁
2b 嵌合孔
2c フランジ部
3 ハウジング
4 ブラケット
5 弾性体
5a 連結部
5b 鍔部
5d 可動電極
6 プリント配線基板
8 ギャップ
9 固定電極
9a 第1電極
9b 第2電極
9c 第3電極
9d 第4電極
9e 第5電極
10 グランド電極
11 柔軟性絶縁膜
Claims (2)
- 一方の面と直交する垂直方向の入力を感知する電極を前記一方の面に形成し、この一方の面と平行な水平方向の入力を感知する複数の電極とをそれぞれ分割して設けた固定電極と、少なくとも前記固定電極との間に所定寸法のギャップを有して対向する部分に導電性の可動電極を設けて、前記垂直方向及び前記水平方向の入力操作により前記ギャップが変化する弾性体と、この弾性体に突出形成した連結部に前記水平方向に移動可能なスライダを介して連結可能なキートップとを備え、前記連結部は、外周部から外方に突出する弾性変形可能な鍔部を有し、前記鍔部が前記スライダに形成した嵌合孔に嵌合して前記弾性体と前記スライダとが連結され、前記キートップは、外周部から前記一方の面側に突出させた下方外周壁に前記スライダーを係止することで、前記スライダを介して前記弾性体が連結され、前記キートップには、前記垂直方向の入力を感知する電極と対応する部分に前記弾性体を前記垂直方向に移動操作可能な垂直入力部が形成され、前記キートップを前記水平方向に移動させると、前記スライダの前記嵌合孔の内周壁が前記弾性体の前記鍔部を押圧して前記鍔部が弾性変形すると共に、前記弾性体の前記可動電極が弾性変形して前記ギャップが変化し、前記キートップの前記垂直入力部が形成された部分を押圧すると、前記可動電極と前記固定電極の前記垂直方向の入力を感知する電極との間の前記ギャップが変化するようにしたことを特徴とする入力装置。
- 前記キートップは、前記連結部を回転中心として回転自在に配設されていることを特徴とする請求項1記載の入力装置。
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