JP3579628B2 - 葉のクロロフィル含量推定方法およびこれを利用した推定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、葉のクロロフィル含量を非破壊非接触で推定できる葉のクロロフィル含量推定方法およびこれを利用した推定装置に関する。更に詳述すると、本発明は誘起光を当てた葉から励起された蛍光スペクトルを解析してクロロフィル含量を推定する葉のクロロフィル含量推定方法およびこれを利用した推定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
クロロフィルは植物の光合成に関与する色素であり、葉のクロロフィル含量は植物の健全性を判断する重要な指標である。このクロロフィルの含量を非破壊非接触で推定する方法としては、赤色光より短い波長の光を葉に照射するとクロロフィルから主に赤色域の誘起蛍光(以下「クロロフィル蛍光」と呼ぶ)が放射されるという性質を利用するものがある。この方法では、葉から発せられた蛍光スペクトルを測定して、例えば690nm付近と740nm付近にそれぞれ見られるクロロフィル蛍光の蛍光ピークの強さの比F690/F740を算出する。そして、この蛍光強度比が図6に示すようにクロロフィル含量に対応して変化するため、予め蛍光強度比とクロロフィル含量との関係を求めておけば蛍光強度比からクロロフィル含量を推定することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したクロロフィル蛍光の蛍光ピーク同士の強さの比からクロロフィル含量を推定する方法では、クロロフィル含量が多くなるにつれて蛍光強度比が収束して変化量が小さくなってしまうので、クロロフィル含量が多いとき(例えば図6に示す例では10mg/g以上)の推定精度が低くなってしまう。
【0004】
そこで、本発明は、クロロフィル含量が多いときでも推定精度を高くできる葉のクロロフィル含量推定方法およびこれを利用した推定装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
ところで、紫外光のように青色光よりも短い波長の誘起光を葉に照射したときに、図3に示すように青緑域(約455nm〜577nm)と赤色域(約622nm〜770nm)とにそれぞれ数個の蛍光ピークが見られることが知られている。赤色域の蛍光はクロロフィル蛍光であるのに対して、青緑色域の蛍光は主に葉の表皮から発せられる別の蛍光であると考えられる。
【0006】
かかる事実に基づいて本出願の発明者が鋭意研究を重ねた結果、青緑色域での蛍光ピークとクロロフィル蛍光の蛍光ピークとの蛍光強度の比が図1に示すようにクロロフィル含量とほぼ線形の関係にあることを知見した。これは、励起エネルギが一定の場合は、クロロフィルによる誘起光の吸収量はその含量に比例して増大するのでクロロフィル蛍光の蛍光強度もクロロフィル含量に比例して増大するが、青緑色の蛍光はクロロフィルに再吸収されるため、その蛍光強度はクロロフィル含量の増大により減少するためであると考えられる。
【0007】
この知見に基づいて発明された請求項1記載の葉のクロロフィル含量推定方法は、測定対象である葉に青色光よりも短い波長の誘起光を当て、誘起光により葉から放射された蛍光を受光してスペクトルを測定し、蛍光スペクトルでのクロロフィル蛍光のピーク強度と青緑色域の蛍光のピーク強度の比ならびに該比と葉のクロロフィル含量の予め求めておいた線形の相関関係に基づいて葉のクロロフィル含量を推定するようにしている。また、請求項4記載の葉のクロロフィル含量推定装置は、測定対象である葉に青色光よりも短い波長の誘起光を当てる誘起光源と、葉から放射された蛍光を受光してスペクトルを測定する測定手段と、蛍光スペクトルでのクロロフィル蛍光のピーク強度と青緑色域の蛍光のピーク強度の比ならびに該比と葉のクロロフィル含量の予め求めておいた線形の相関関係に基づいて葉のクロロフィル含量を推定する推定手段とを備えるようにしている。
【0008】
したがって、蛍光スペクトルのクロロフィル蛍光のピーク強度と青緑色域の蛍光のピーク強度の比と、該比と葉のクロロフィル含量の相関関係とに基づいて葉のクロロフィル含量を推定するので、この比と葉のクロロフィル含量とが線形関係にあることからクロロフィル蛍光のピーク強度同士の比に基づいて推定するよりも推定精度を高めることができる。
【0009】
さらに、請求項2記載の葉のクロロフィル含量推定方法および請求項5記載の葉のクロロフィル含量推定装置では、誘起光はレーザ光であるようにしている。したがって、レーザ光は直進性に優れるので、推定精度をほとんど低下させることなく誘起光源や測定手段を葉から離隔して設置することができる。このため、遠隔照射および遠隔測定が可能になるので、作業効率を良好にすることができる。
【0010】
また、請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の葉のクロロフィル含量推定方法において、誘起光はパルス光であると共に、葉から蛍光が放射される間のみ該蛍光を受光するように誘起光の発光と蛍光の受光とのタイミングを同期させるようにしている。また、請求項6記載の発明は、請求項4または5記載の葉のクロロフィル含量推定装置において、誘起光はパルス光であると共に、葉から蛍光が放射される間のみ該蛍光を受光するように誘起光源による照射と測定手段による受光とのタイミングを同期させる同期手段を備えるようにしている。
【0011】
したがって、蛍光の測定をごく短時間で行うことができるので、蛍光の測定中に外光の強さが変化してもノイズとして誘起蛍光に影響を及ぼさないようにすることができる。よって、クロロフィル含量の推定精度を更に高くすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。図2に本発明の葉のクロロフィル含量推定装置1の実施形態を示す。このクロロフィル含量推定装置1は、測定対象である葉2に青色光よりも短い波長の誘起光3を当てる誘起光源4と、葉2から放射された蛍光5を受光してスペクトルを測定する測定手段6と、測定手段6での測定結果に基づいて葉2のクロロフィル含量を推定する推定手段7とを備えるようにしている。この推定手段7では、測定手段6で測定された蛍光スペクトルでのクロロフィル蛍光のピーク強度と青緑色域の蛍光のピーク強度の比ならびに該比と葉2のクロロフィル含量の相関関係に基づいて葉2のクロロフィル含量を推定するようにしている。このため、この比と葉2のクロロフィル含量とは線形関係にあるので、従来のようにクロロフィル蛍光のピーク同士の蛍光強度比に基づいてクロロフィル含量を推定する場合に比べて推定精度を高めることができる。
【0013】
本実施形態で青緑色域の蛍光のピーク強度とは、図3に示すように例えば460nmに見られる蛍光ピークの強度(以下、F460と略称する)をいうものとする。また、クロロフィル蛍光のピーク強度とは、例えば740nmに見られる蛍光ピークの強度(以下、F740と略称する)をいうものとする。各蛍光ピークの波長としては、これらに限られないのは勿論である。例えば、青緑色域でのピーク強度として510nmの蛍光のピーク強度(F510)を利用したり、クロロフィル蛍光のピーク強度として690nmの蛍光のピーク強度(F690)を利用するようにしても良い。
【0014】
誘起光源4としてはQスイッチNd:YAGレーザを使用している。そして、誘起光3は紫外レーザ光であるようにしている。このため、レーザ光は直進性に優れることから、推定装置1を葉2から離隔して設置しても良好な推定精度を維持することができる。よって、誘起光源4による遠隔照射および測定手段6による遠隔測定が可能になり作業効率を良好にすることができると共に、植物群落情報のリモートセンシング技術の開発を図ることができる。また、誘起光3は紫外光であることにより、波長範囲の広い蛍光を葉2から得ることができるので、波長の短い青緑色域での蛍光ピークでも余裕を持って正確に測定することができる。
【0015】
葉2の蛍光スペクトルを測定する測定手段6は、誘起光源4の波長域より長波長側の蛍光のみを透過させるためのフィルタ8と、フィルタ8を通過する蛍光5を成分波長に分散して蛍光スペクトルを決定する分光器9と、分光器9で決定された蛍光スペクトルを撮像する撮像手段10とを備えている。フィルタ8は葉2から得られた光のうちで散乱する紫外光を取り除くようにするものであり、例えばカットオフフィルタやバンドパスフィルタ等を利用することができる。撮像手段10としてはイメージインテンシファイヤ付きCCDカメラを利用している。本実施形態では撮像手段10としてイメージインテンシファイヤ付きCCDカメラを利用しているが、これには限られずイメージインテンシファイヤの無いCCDカメラとしたり、あるいは蛍光スペクトルの所定波長のピーク強度を求めることができる他の装置、例えばフォトマルチプライヤを利用することができる。
【0016】
葉2のクロロフィル含量を推定する推定手段7は、撮像手段10で得られた蛍光スペクトルの画像に基づいて青緑色域でのピーク強度F460とクロロフィル蛍光のピーク強度F740を求め、これらの蛍光強度比F460/F740に基づいて葉2のクロロフィル含量を推定する。この推定手段7は、具体的には中央処理装置や記憶装置、入出力装置等を備えたコンピュータ装置、あるいはシーケンサ回路等から成る。
【0017】
誘起光3はパルス光であるようにしている。また、本実施形態の推定装置1では誘起光源4と測定手段6とを同期させる同期手段11を備え、葉2から蛍光5が放射される間のみ蛍光5を受光するように構成されている。このため、蛍光5の測定をごく短時間で行うことができるので、蛍光5の測定中に外光の強さが変化してもノイズとして誘起蛍光5に影響を及ぼさないようにすることができる。よって、クロロフィル含量の推定精度を更に高めることができる。
【0018】
同期手段11としては、誘起光源4および測定手段6に接続されたパルス発生器を使用している。そして、このパルス発生器は、誘起光源4にパルス光を発光させて、このパルス光により葉2から発せられた蛍光5を測定手段6が受光するように誘起光源4および測定手段6を同期させる。
【0019】
本実施形態では誘起光源4としてQスイッチNd:YAGレーザを使用しているので、同期手段11からのパルス信号によりレーザ光の発光タイミングとレーザ出力の調整を行うことができる。また、撮像手段10としてイメージインテンシファイヤ付きCCDカメラを使用しているので、同期手段11からのパルス信号により蛍光5が発生している間だけイメージインテンシファイヤのゲートを開いて撮像を行うようにできる。なお、イメージインテンシファイヤの無いCCDカメラを使用する場合はCCDから画像データを取り出すタイミングを同期手段11で決定することにより蛍光5が発生している間だけ撮像を行うようにできる。
【0020】
これら誘起光源4と測定手段6の同期のタイミングの一例を図4に示す。同図に示すように、例えば10Hzで同期する場合、誘起光3のレーザ出力を調節するためにインターバルを設け(T0〜T1:0〜185ns)、続いて誘起光源4のQスイッチをオンしてゲートディレイとする(T1〜T2:50〜100ns)。そして、Qスイッチをオフすると誘起光3がパルス発光されて蛍光5の放射が始まる。また、Qスイッチのオフと同時に撮像手段10のゲートを開いて蛍光5の撮像を行う。撮像手段10の露光時間は、蛍光5の寿命である約数十ns(ここではT2〜T3:100〜200ns)程度に設定する。これにより、葉2の周囲の自然光がほとんど変化しない程の短時間で蛍光5の測定を行うことができるので、外光の影響を受けずに高いシグナル比で蛍光5を測定することができるようになる。
【0021】
上述したクロロフィル含量推定装置1により葉2のクロロフィル含量を推定する手順を以下に説明する。
【0022】
同期手段11から誘起光源4にパルス信号が送信されると、誘起光源4から紫外パルスレーザの誘起光3が葉2に照射される。この誘起光3により葉2では蛍光5が誘起される。そして、葉2から発せられる光のうちで紫外光がフィルタ8で除去されて分光器9で蛍光スペクトルが得られる。
【0023】
また、同期手段11は誘起光源4にパルス信号を送信した後、撮像手段10の露光を行うように信号を発する。これにより、分光器9で得られた蛍光スペクトルが撮像手段10で撮像される。
【0024】
推定手段7では、撮像された蛍光スペクトルに基づいて青緑色域の蛍光のピーク強度F460とクロロフィル蛍光のピーク強度F740を求め、これらの蛍光強度比F460/F740を算出する。そして、図1に示すような予め求めておいたクロロフィル含量と蛍光強度比との相関関係に照らし合わせてクロロフィル含量を推定することができる。
【0025】
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、本実施形態では誘起光源4からの発光と測定手段6による受光とを同期手段11により同期させているが、これには限られず同期手段11を設けずに発光と受光とを連続して行うようにしても良い。この場合、外光として定常光が与えられる環境下であれば測定手段6による受光の際のノイズの発生を防止できるので、蛍光強度比F460/F740からクロロフィル含量を高精度に推定することができる。
【0026】
また、本実施形態では誘起光3をレーザ光にしているが、これには限られずレーザ光以外の拡散するような光にしても良い。この場合、クロロフィル含量推定装置1と葉2との間隔が短距離で有れば蛍光強度比F460/F740からクロロフィル含量を高精度に推定することができる。
【0027】
さらに、本実施形態では誘起光3を紫外光にしているが、これには限られず青色光よりも短い波長の光であれば良い。このような誘起光3を葉2に照射すれば青緑域の成分とクロロフィル蛍光を含んだ蛍光5を受光することができるので、青緑域での蛍光ピーク強度とクロロフィル蛍光のピーク強度との比を利用してクロロフィル含量を高精度に推定することができる。
【0028】
【実施例】
(実施例1)
蛍光強度比F460/F740とクロロフィル含量との関係を求めた。尚、F460/F740の測定には図2に示すクロロフィル含量推定装置1を利用した。
【0029】
誘起光源4としては10Hzで発振するQスイッチNd:YAGレーザ(Surelite I,Continuum社製)を用い、誘起光3として第3高長波(355nm)を利用した。レーザ発振のパルス幅は4〜6nmである。さらに、Nd:YAGレーザのレーザ光のビーム径は約5mmであるが、これを葉2に広く均一に照射するためにビームエキスパンダを利用して1000mm離れた測定対象上で直径50mmに拡大した。
【0030】
また、測定手段6としては、蛍光受信光学系(昭和オプトロニクス社製)を利用した。そして、基礎的なデータを精度良く得るために葉2から1600mm離れた位置に折り返しミラーを設置して、葉2と測定手段6との距離を1600mmとした。この測定手段6の分光器9としては、MS257(ORIEL社製)を利用した。撮像手段10としては、イメージインテンシファイヤ付きダイオードアレイ撮像装置(ICCDカメラ、InstaSpec V、ORIEL社製)を用いた。
【0031】
同期手段11としては、パルス発生器(DG535、SRI社製)を用いた。推定手段7としてはA/Dコンバータを備えたパーソナルコンピュータ(IBMPC互換機)を利用した。
【0032】
葉2としては、イネ(Oryza sativa L.,品種:日本晴)を用いた。この種子を暗黒条件下で8日間発芽育成し、280μmolm−2s−1の白色光を144時間連続照射して緑葉化させた。さらに、このイネを200μmolm−2s−1の白色灯に10分間曝露した。
【0033】
このクロロフィル含量推定装置1を利用して上述の葉2について蛍光強度比F460/F740の測定を行った。そして、蛍光強度比F460/F740とクロロフィル含量との関係を求めた結果を図1に示す。同図に示すように、青緑色域での蛍光ピークの蛍光強度(F460)とクロロフィル蛍光のピーク強度(F740)の比がクロロフィル含量の多少によらずクロロフィル含量と線形の関係にあることが判明した。これにより、クロロフィル含量が多いときでも蛍光強度比F460/F740に基づいてクロロフィル含量を高精度に推定できるようになる。
【0034】
(実施例2)
実施例1と同じ葉2について青緑色域での蛍光ピークの蛍光強度(F510)とクロロフィル蛍光のピーク強度(F740)の比F510/F740と、クロロフィル含量との関係を求めた。尚、F510/F740の測定には上述したクロロフィル含量推定装置1を利用した。その結果を図5に示す。同図に示すように、蛍光強度比F510/F740がクロロフィル含量の多少によらずクロロフィル含量と線形の関係にあることが判明した。これにより、クロロフィル含量が多いときでも蛍光強度比F510/F740に基づいてクロロフィル含量を高精度に推定できるようになる。
【0035】
(比較例)
実施例1と同じ葉2についてクロロフィル蛍光での異なる2つの蛍光ピークの強度比F690/F740とクロロフィル含量との関係を求めた。尚、F690/F740の測定には上述したクロロフィル含量推定装置1を利用した。その結果を図6に示す。同図に示すように、蛍光強度比F690/F740はクロロフィル含量が多くなると収束してしまうことが判明した。これにより、クロロフィル含量が多いときは、蛍光強度比F690/F740に基づいてクロロフィル含量を推定する精度が低くなってしまう。
【0036】
これら実施例1,2および比較例の結果から明らかなように、本発明のクロロフィル含量推定装置1によれば青緑色域での蛍光ピークとクロロフィル蛍光の蛍光ピークとの蛍光強度比に基づいてクロロフィル含量を推定しているので、クロロフィル含量を高精度に推定できるようになることが判明した。
【0037】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、請求項1記載の葉のクロロフィル含量推定方法および請求項4記載の葉のクロロフィル含量推定装置によれば、蛍光スペクトルのクロロフィル蛍光のピーク強度と青緑色域の蛍光のピーク強度の比ならびに該比と葉のクロロフィル含量の線形関係に基づいて葉のクロロフィル含量を推定するので、クロロフィル含量によらずクロロフィル蛍光のピーク強度同士の比に基づいて推定するよりも推定精度を高めることができる。
【0038】
さらに、請求項2記載の葉のクロロフィル含量推定方法および請求項5記載の葉のクロロフィル含量推定装置によれば、遠隔照射および遠隔測定が可能になるので、作業効率を良好にすることができる。また、植物群落情報のリモートセンシング技術の開発を図ることができる。
【0039】
また、請求項3記載の葉のクロロフィル含量推定方法および請求項6記載の葉のクロロフィル含量推定装置によれば、蛍光の測定をごく短時間で行うことができるので、蛍光の測定中に外光の強さが変化してもノイズとして誘起蛍光に影響を及ぼさないようにすることができる。よって、クロロフィル含量の推定精度を更に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る葉のクロロフィル含量推定方法により求めた青緑色域での蛍光ピークの蛍光強度(F460)とクロロフィル蛍光の蛍光ピークの蛍光強度(F740)の比ならびにクロロフィル含量の線形関係を示すグラフである。
【図2】本発明に係る葉のクロロフィル含量推定装置の概略を示すブロック図である。
【図3】葉から得られた蛍光の強度と波長との関係を示すグラフである。
【図4】発光と受光とのタイミングを示すタイムチャートである。
【図5】青緑色域での蛍光ピークの蛍光強度(F510)とクロロフィル蛍光の蛍光ピークの蛍光強度(F740)の比ならびにクロロフィル含量の線形関係を示すグラフである。
【図6】クロロフィル蛍光の異なる2つの蛍光ピークの蛍光強度(F690、F740)の比とクロロフィル含量との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 葉のクロロフィル含量推定装置
2 葉
3 誘起光
4 誘起光源
5 蛍光
6 測定手段
7 推定手段
11 同期手段
Claims (6)
- 測定対象である葉に青色光よりも短い波長の誘起光を当て、前記誘起光により前記葉から放射された蛍光を受光してスペクトルを測定し、前記蛍光スペクトルでのクロロフィル蛍光のピーク強度と青緑色域の蛍光のピーク強度の比ならびに該比と前記葉のクロロフィル含量の予め求めておいた線形の相関関係に基づいて前記葉のクロロフィル含量を推定することを特徴とする葉のクロロフィル含量推定方法。
- 前記誘起光はレーザ光であることを特徴とする請求項1記載の葉のクロロフィル含量推定方法。
- 前記誘起光はパルス光であると共に、前記葉から前記蛍光が放射される間のみ該蛍光を受光するように前記誘起光の発光と前記蛍光の受光とのタイミングを同期させることを特徴とする請求項1または2記載の葉のクロロフィル含量推定方法。
- 測定対象である葉に青色光よりも短い波長の誘起光を当てる誘起光源と、前記葉から放射された蛍光を受光してスペクトルを測定する測定手段と、前記蛍光スペクトルでのクロロフィル蛍光のピーク強度と青緑色域の蛍光のピーク強度の比ならびに該比と前記葉のクロロフィル含量の予め求めておいた線形の相関関係に基づいて前記葉のクロロフィル含量を推定する推定手段とを備えることを特徴とする葉のクロロフィル含量推定装置。
- 前記誘起光はレーザ光であることを特徴とする請求項4記載の葉のクロロフィル含量推定装置。
- 前記誘起光はパルス光であると共に、前記葉から前記蛍光が放射される間のみ該蛍光を受光するように前記誘起光源からの照射と前記測定手段による受光とのタイミングを同期させる同期手段を備えることを特徴とする請求項4または5記載の葉のクロロフィル含量推定装置。
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