JP2001264254A - 葉のクロロフィル含量推定方法およびこれを利用した推定装置 - Google Patents

葉のクロロフィル含量推定方法およびこれを利用した推定装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クロロフィル含量が多いときでも推定精度を
高くする。 【解決手段】 測定対象である葉に青色光よりも短い波
長の誘起光、例えば紫外光を当て、誘起光により葉から
放射された蛍光を受光してスペクトルを測定し、蛍光ス
ペクトルでのクロロフィル蛍光のピーク強度と青緑色域
の蛍光のピーク強度の比、例えばF460/F740な
らびに該比と葉のクロロフィル含量の相関関係に基づい
て葉のクロロフィル含量を推定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、葉のクロロフィル
含量を非破壊非接触で推定できる葉のクロロフィル含量
推定方法およびこれを利用した推定装置に関する。更に
詳述すると、本発明は誘起光を当てた葉から励起された
蛍光スペクトルを解析してクロロフィル含量を推定する
葉のクロロフィル含量推定方法およびこれを利用した推
定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】クロロフィルは植物の光合成に関与する
色素であり、葉のクロロフィル含量は植物の健全性を判
断する重要な指標である。このクロロフィルの含量を非
破壊非接触で推定する方法としては、赤色光より短い波
長の光を葉に照射するとクロロフィルから主に赤色域の
誘起蛍光(以下「クロロフィル蛍光」と呼ぶ)が放射さ
れるという性質を利用するものがある。この方法では、
葉から発せられた蛍光スペクトルを測定して、例えば6
90nm付近と740nm付近にそれぞれ見られるクロ
ロフィル蛍光の蛍光ピークの強さの比F690/F74
0を算出する。そして、この蛍光強度比が図6に示すよ
うにクロロフィル含量に対応して変化するため、予め蛍
光強度比とクロロフィル含量との関係を求めておけば蛍
光強度比からクロロフィル含量を推定することができ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たクロロフィル蛍光の蛍光ピーク同士の強さの比からク
ロロフィル含量を推定する方法では、クロロフィル含量
が多くなるにつれて蛍光強度比が収束して変化量が小さ
くなってしまうので、クロロフィル含量が多いとき(例
えば図6に示す例では10mg/g以上)の推定精度が
低くなってしまう。
【0004】そこで、本発明は、クロロフィル含量が多
いときでも推定精度を高くできる葉のクロロフィル含量
推定方法およびこれを利用した推定装置を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】ところで、紫外光のよう
に青色光よりも短い波長の誘起光を葉に照射したとき
に、図3に示すように青緑域(約455nm〜577n
m)と赤色域(約622nm〜770nm)とにそれぞ
れ数個の蛍光ピークが見られることが知られている。赤
色域の蛍光はクロロフィル蛍光であるのに対して、青緑
色域の蛍光は主に葉の表皮から発せられる別の蛍光であ
ると考えられる。
【0006】かかる事実に基づいて本出願の発明者が鋭
意研究を重ねた結果、青緑色域での蛍光ピークとクロロ
フィル蛍光の蛍光ピークとの蛍光強度の比が図1に示す
ようにクロロフィル含量とほぼ線形の関係にあることを
知見した。これは、励起エネルギが一定の場合は、クロ
ロフィルによる誘起光の吸収量はその含量に比例して増
大するのでクロロフィル蛍光の蛍光強度もクロロフィル
含量に比例して増大するが、青緑色の蛍光はクロロフィ
ルに再吸収されるため、その蛍光強度はクロロフィル含
量の増大により減少するためであると考えられる。
【0007】この知見に基づいて発明された請求項1記
載の葉のクロロフィル含量推定方法は、測定対象である
葉に青色光よりも短い波長の誘起光を当て、誘起光によ
り葉から放射された蛍光を受光してスペクトルを測定
し、蛍光スペクトルでのクロロフィル蛍光のピーク強度
と青緑色域の蛍光のピーク強度の比ならびに該比と葉の
クロロフィル含量の相関関係に基づいて葉のクロロフィ
ル含量を推定するようにしている。また、請求項4記載
の葉のクロロフィル含量推定装置は、測定対象である葉
に青色光よりも短い波長の誘起光を当てる誘起光源と、
葉から放射された蛍光を受光してスペクトルを測定する
測定手段と、蛍光スペクトルでのクロロフィル蛍光のピ
ーク強度と青緑色域の蛍光のピーク強度の比ならびに該
比と葉のクロロフィル含量の相関関係に基づいて葉のク
ロロフィル含量を推定する推定手段とを備えるようにし
ている。
【0008】したがって、蛍光スペクトルのクロロフィ
ル蛍光のピーク強度と青緑色域の蛍光のピーク強度の比
と、該比と葉のクロロフィル含量の相関関係とに基づい
て葉のクロロフィル含量を推定するので、この比と葉の
クロロフィル含量とが線形関係にあることからクロロフ
ィル蛍光のピーク強度同士の比に基づいて推定するより
も推定精度を高めることができる。
【0009】さらに、請求項2記載の葉のクロロフィル
含量推定方法および請求項5記載の葉のクロロフィル含
量推定装置では、誘起光はレーザ光であるようにしてい
る。したがって、レーザ光は直進性に優れるので、推定
精度をほとんど低下させることなく誘起光源や測定手段
を葉から離隔して設置することができる。このため、遠
隔照射および遠隔測定が可能になるので、作業効率を良
好にすることができる。
【0010】また、請求項3記載の発明は、請求項1ま
たは2記載の葉のクロロフィル含量推定方法において、
誘起光はパルス光であると共に、葉から蛍光が放射され
る間のみ該蛍光を受光するように誘起光の発光と蛍光の
受光とのタイミングを同期させるようにしている。ま
た、請求項6記載の発明は、請求項4または5記載の葉
のクロロフィル含量推定装置において、誘起光はパルス
光であると共に、葉から蛍光が放射される間のみ該蛍光
を受光するように誘起光源による照射と測定手段による
受光とのタイミングを同期させる同期手段を備えるよう
にしている。
【0011】したがって、蛍光の測定をごく短時間で行
うことができるので、蛍光の測定中に外光の強さが変化
してもノイズとして誘起蛍光に影響を及ぼさないように
することができる。よって、クロロフィル含量の推定精
度を更に高くすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を図面に示す
実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。図2に本
発明の葉のクロロフィル含量推定装置1の実施形態を示
す。このクロロフィル含量推定装置1は、測定対象であ
る葉2に青色光よりも短い波長の誘起光3を当てる誘起
光源4と、葉2から放射された蛍光5を受光してスペク
トルを測定する測定手段6と、測定手段6での測定結果
に基づいて葉2のクロロフィル含量を推定する推定手段
7とを備えるようにしている。この推定手段7では、測
定手段6で測定された蛍光スペクトルでのクロロフィル
蛍光のピーク強度と青緑色域の蛍光のピーク強度の比な
らびに該比と葉2のクロロフィル含量の相関関係に基づ
いて葉2のクロロフィル含量を推定するようにしてい
る。このため、この比と葉2のクロロフィル含量とは線
形関係にあるので、従来のようにクロロフィル蛍光のピ
ーク同士の蛍光強度比に基づいてクロロフィル含量を推
定する場合に比べて推定精度を高めることができる。
【0013】本実施形態で青緑色域の蛍光のピーク強度
とは、図3に示すように例えば460nmに見られる蛍
光ピークの強度(以下、F460と略称する)をいうも
のとする。また、クロロフィル蛍光のピーク強度とは、
例えば740nmに見られる蛍光ピークの強度(以下、
F740と略称する)をいうものとする。各蛍光ピーク
の波長としては、これらに限られないのは勿論である。
例えば、青緑色域でのピーク強度として510nmの蛍
光のピーク強度(F510)を利用したり、クロロフィ
ル蛍光のピーク強度として690nmの蛍光のピーク強
度(F690)を利用するようにしても良い。
【0014】誘起光源4としてはQスイッチNd:YA
Gレーザを使用している。そして、誘起光3は紫外レー
ザ光であるようにしている。このため、レーザ光は直進
性に優れることから、推定装置1を葉2から離隔して設
置しても良好な推定精度を維持することができる。よっ
て、誘起光源4による遠隔照射および測定手段6による
遠隔測定が可能になり作業効率を良好にすることができ
ると共に、植物群落情報のリモートセンシング技術の開
発を図ることができる。また、誘起光3は紫外光である
ことにより、波長範囲の広い蛍光を葉2から得ることが
できるので、波長の短い青緑色域での蛍光ピークでも余
裕を持って正確に測定することができる。
【0015】葉2の蛍光スペクトルを測定する測定手段
6は、誘起光源4の波長域より長波長側の蛍光のみを透
過させるためのフィルタ8と、フィルタ8を通過する蛍
光5を成分波長に分散して蛍光スペクトルを決定する分
光器9と、分光器9で決定された蛍光スペクトルを撮像
する撮像手段10とを備えている。フィルタ8は葉2か
ら得られた光のうちで散乱する紫外光を取り除くように
するものであり、例えばカットオフフィルタやバンドパ
スフィルタ等を利用することができる。撮像手段10と
してはイメージインテンシファイヤ付きCCDカメラを
利用している。本実施形態では撮像手段10としてイメ
ージインテンシファイヤ付きCCDカメラを利用してい
るが、これには限られずイメージインテンシファイヤの
無いCCDカメラとしたり、あるいは蛍光スペクトルの
所定波長のピーク強度を求めることができる他の装置、
例えばフォトマルチプライヤを利用することができる。
【0016】葉2のクロロフィル含量を推定する推定手
段7は、撮像手段10で得られた蛍光スペクトルの画像
に基づいて青緑色域でのピーク強度F460とクロロフ
ィル蛍光のピーク強度F740を求め、これらの蛍光強
度比F460/F740に基づいて葉2のクロロフィル
含量を推定する。この推定手段7は、具体的には中央処
理装置や記憶装置、入出力装置等を備えたコンピュータ
装置、あるいはシーケンサ回路等から成る。
【0017】誘起光3はパルス光であるようにしてい
る。また、本実施形態の推定装置1では誘起光源4と測
定手段6とを同期させる同期手段11を備え、葉2から
蛍光5が放射される間のみ蛍光5を受光するように構成
されている。このため、蛍光5の測定をごく短時間で行
うことができるので、蛍光5の測定中に外光の強さが変
化してもノイズとして誘起蛍光5に影響を及ぼさないよ
うにすることができる。よって、クロロフィル含量の推
定精度を更に高めることができる。
【0018】同期手段11としては、誘起光源4および
測定手段6に接続されたパルス発生器を使用している。
そして、このパルス発生器は、誘起光源4にパルス光を
発光させて、このパルス光により葉2から発せられた蛍
光5を測定手段6が受光するように誘起光源4および測
定手段6を同期させる。
【0019】本実施形態では誘起光源4としてQスイッ
チNd:YAGレーザを使用しているので、同期手段1
1からのパルス信号によりレーザ光の発光タイミングと
レーザ出力の調整を行うことができる。また、撮像手段
10としてイメージインテンシファイヤ付きCCDカメ
ラを使用しているので、同期手段11からのパルス信号
により蛍光5が発生している間だけイメージインテンシ
ファイヤのゲートを開いて撮像を行うようにできる。な
お、イメージインテンシファイヤの無いCCDカメラを
使用する場合はCCDから画像データを取り出すタイミ
ングを同期手段11で決定することにより蛍光5が発生
している間だけ撮像を行うようにできる。
【0020】これら誘起光源4と測定手段6の同期のタ
イミングの一例を図4に示す。同図に示すように、例え
ば10Hzで同期する場合、誘起光3のレーザ出力を調
節するためにインターバルを設け(T0〜T1:0〜1
85ns)、続いて誘起光源4のQスイッチをオンして
ゲートディレイとする(T1〜T2:50〜100n
s)。そして、Qスイッチをオフすると誘起光3がパル
ス発光されて蛍光5の放射が始まる。また、Qスイッチ
のオフと同時に撮像手段10のゲートを開いて蛍光5の
撮像を行う。撮像手段10の露光時間は、蛍光5の寿命
である約数十ns(ここではT2〜T3:100〜20
0ns)程度に設定する。これにより、葉2の周囲の自
然光がほとんど変化しない程の短時間で蛍光5の測定を
行うことができるので、外光の影響を受けずに高いシグ
ナル比で蛍光5を測定することができるようになる。
【0021】上述したクロロフィル含量推定装置1によ
り葉2のクロロフィル含量を推定する手順を以下に説明
する。
【0022】同期手段11から誘起光源4にパルス信号
が送信されると、誘起光源4から紫外パルスレーザの誘
起光3が葉2に照射される。この誘起光3により葉2で
は蛍光5が誘起される。そして、葉2から発せられる光
のうちで紫外光がフィルタ8で除去されて分光器9で蛍
光スペクトルが得られる。
【0023】また、同期手段11は誘起光源4にパルス
信号を送信した後、撮像手段10の露光を行うように信
号を発する。これにより、分光器9で得られた蛍光スペ
クトルが撮像手段10で撮像される。
【0024】推定手段7では、撮像された蛍光スペクト
ルに基づいて青緑色域の蛍光のピーク強度F460とク
ロロフィル蛍光のピーク強度F740を求め、これらの
蛍光強度比F460/F740を算出する。そして、図
1に示すような予め求めておいたクロロフィル含量と蛍
光強度比との相関関係に照らし合わせてクロロフィル含
量を推定することができる。
【0025】なお、上述の実施形態は本発明の好適な実
施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発
明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能で
ある。例えば、本実施形態では誘起光源4からの発光と
測定手段6による受光とを同期手段11により同期させ
ているが、これには限られず同期手段11を設けずに発
光と受光とを連続して行うようにしても良い。この場
合、外光として定常光が与えられる環境下であれば測定
手段6による受光の際のノイズの発生を防止できるの
で、蛍光強度比F460/F740からクロロフィル含
量を高精度に推定することができる。
【0026】また、本実施形態では誘起光3をレーザ光
にしているが、これには限られずレーザ光以外の拡散す
るような光にしても良い。この場合、クロロフィル含量
推定装置1と葉2との間隔が短距離で有れば蛍光強度比
F460/F740からクロロフィル含量を高精度に推
定することができる。
【0027】さらに、本実施形態では誘起光3を紫外光
にしているが、これには限られず青色光よりも短い波長
の光であれば良い。このような誘起光3を葉2に照射す
れば青緑域の成分とクロロフィル蛍光を含んだ蛍光5を
受光することができるので、青緑域での蛍光ピーク強度
とクロロフィル蛍光のピーク強度との比を利用してクロ
ロフィル含量を高精度に推定することができる。
【0028】
【実施例】(実施例1)上述した図2に示すクロロフィ
ル含量推定装置1を利用して、蛍光強度比とクロロフィ
ル含量との関係を求めた。
【0029】誘起光源4としては10Hzで発振するQ
スイッチNd:YAGレーザ(Surelite I,Continuum社
製)を用い、誘起光3として第3高長波(355nm)
を利用した。レーザ発振のパルス幅は4〜6nmであ
る。さらに、Nd:YAGレーザのレーザ光のビーム径
は約5mmであるが、これを葉2に広く均一に照射する
ためにビームエキスパンダを利用して1000mm離れ
た測定対象上で直径50mmに拡大した。
【0030】また、測定手段6としては、蛍光受信光学
系(昭和オプトロニクス社製)を利用した。そして、基
礎的なデータを精度良く得るために葉2から1600m
m離れた位置に折り返しミラーを設置して、葉2と測定
手段6との距離を1600mmとした。この測定手段6
の分光器9としては、MS257(ORIEL社製)を
利用した。撮像手段10としては、イメージインテンシ
ファイヤ付きダイオードアレイ撮像装置(ICCDカメ
ラ、InstaSpec V、ORIEL社製)を用いた。
【0031】同期手段11としては、パルス発生器(D
G535、SRI社製)を用いた。推定手段7としては
A/Dコンバータを備えたパーソナルコンピュータ(I
BMPC互換機)を利用した。
【0032】葉2としては、イネ(Oryza sativa L.,品
種:日本晴)を用いた。この種子を暗黒条件下で8日間
発芽育成し、280μmolm−2−1の白色光を1
44時間連続照射して緑葉化させた。さらに、このイネ
を200μmolm−2 の白色灯に10分間曝露
した。このような前処理を行ったイネの葉2について、
クロロフィル含量推定装置1による測定を行った。
【0033】このクロロフィル含量推定装置1を利用し
て上述の葉2について測定を行った。そして、蛍光強度
比F460/F740とクロロフィル含量との関係を求
めた結果を図1に示す。同図に示すように、青緑色域で
の蛍光ピークの蛍光強度(F460)とクロロフィル蛍
光のピーク強度(F740)の比がクロロフィル含量の
多少によらずクロロフィル含量と線形の関係にあること
が判明した。これにより、クロロフィル含量が多いとき
でも蛍光強度比F460/F740に基づいてクロロフ
ィル含量を高精度に推定できるようになる。
【0034】(実施例2)上述したクロロフィル含量推
定装置1を利用して上述の前処理を施した葉2について
測定を行った。そして、青緑色域での蛍光ピークの蛍光
強度(F510)とクロロフィル蛍光のピーク強度(F
740)の比F510/F740と、クロロフィル含量
との関係を求めた。その結果を図5に示す。同図に示す
ように、蛍光強度比F510/F740がクロロフィル
含量の多少によらずクロロフィル含量と線形の関係にあ
ることが判明した。これにより、クロロフィル含量が多
いときでも蛍光強度比F510/F740に基づいてク
ロロフィル含量を高精度に推定できるようになる。
【0035】(比較例)上述したクロロフィル含量推定
装置1を利用して上述の前処理を施した葉2について測
定を行った。そして、クロロフィル蛍光での異なる2つ
の蛍光ピークの強度比F690/F740とクロロフィ
ル含量との関係を求めた。その結果を図6に示す。同図
に示すように、蛍光強度比F690/F740はクロロ
フィル含量が多くなると収束してしまうことが判明し
た。これにより、クロロフィル含量が多いときは、蛍光
強度比F690/F740に基づいてクロロフィル含量
を推定する精度が低くなってしまう。
【0036】これら実施例1,2および比較例の結果か
ら明らかなように、本発明のクロロフィル含量推定装置
1によれば青緑色域での蛍光ピークとクロロフィル蛍光
の蛍光ピークとの蛍光強度比に基づいてクロロフィル含
量を推定しているので、クロロフィル含量を高精度に推
定できるようになることが判明した。
【0037】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、請求項
1記載の葉のクロロフィル含量推定方法および請求項4
記載の葉のクロロフィル含量推定装置によれば、蛍光ス
ペクトルのクロロフィル蛍光のピーク強度と青緑色域の
蛍光のピーク強度の比ならびに該比と葉のクロロフィル
含量の線形関係に基づいて葉のクロロフィル含量を推定
するので、クロロフィル含量によらずクロロフィル蛍光
のピーク強度同士の比に基づいて推定するよりも推定精
度を高めることができる。
【0038】さらに、請求項2記載の葉のクロロフィル
含量推定方法および請求項5記載の葉のクロロフィル含
量推定装置によれば、遠隔照射および遠隔測定が可能に
なるので、作業効率を良好にすることができる。また、
植物群落情報のリモートセンシング技術の開発を図るこ
とができる。
【0039】また、請求項3記載の葉のクロロフィル含
量推定方法および請求項6記載の葉のクロロフィル含量
推定装置によれば、蛍光の測定をごく短時間で行うこと
ができるので、蛍光の測定中に外光の強さが変化しても
ノイズとして誘起蛍光に影響を及ぼさないようにするこ
とができる。よって、クロロフィル含量の推定精度を更
に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る葉のクロロフィル含量推定方法に
より求めた青緑色域での蛍光ピークの蛍光強度(F46
0)とクロロフィル蛍光の蛍光ピークの蛍光強度(F7
40)の比ならびにクロロフィル含量の線形関係を示す
グラフである。
【図2】本発明に係る葉のクロロフィル含量推定装置の
概略を示すブロック図である。
【図3】葉から得られた蛍光の強度と波長との関係を示
すグラフである。
【図4】発光と受光とのタイミングを示すタイムチャー
トである。
【図5】青緑色域での蛍光ピークの蛍光強度(F51
0)とクロロフィル蛍光の蛍光ピークの蛍光強度(F7
40)の比ならびにクロロフィル含量の線形関係を示す
グラフである。
【図6】クロロフィル蛍光の異なる2つの蛍光ピークの
蛍光強度(F690、F740)の比とクロロフィル含
量との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 葉のクロロフィル含量推定装置 2 葉 3 誘起光 4 誘起光源 5 蛍光 6 測定手段 7 推定手段 11 同期手段

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定対象である葉に青色光よりも短い波
    長の誘起光を当て、前記誘起光により前記葉から放射さ
    れた蛍光を受光してスペクトルを測定し、前記蛍光スペ
    クトルでのクロロフィル蛍光のピーク強度と青緑色域の
    蛍光のピーク強度の比ならびに該比と前記葉のクロロフ
    ィル含量の相関関係に基づいて前記葉のクロロフィル含
    量を推定することを特徴とする葉のクロロフィル含量推
    定方法。
  2. 【請求項2】 前記誘起光はレーザ光であることを特徴
    とする請求項1記載の葉のクロロフィル含量推定方法。
  3. 【請求項3】 前記誘起光はパルス光であると共に、前
    記葉から前記蛍光が放射される間のみ該蛍光を受光する
    ように前記誘起光の発光と前記蛍光の受光とのタイミン
    グを同期させることを特徴とする請求項1または2記載
    の葉のクロロフィル含量推定方法。
  4. 【請求項4】 測定対象である葉に青色光よりも短い波
    長の誘起光を当てる誘起光源と、前記葉から放射された
    蛍光を受光してスペクトルを測定する測定手段と、前記
    蛍光スペクトルでのクロロフィル蛍光のピーク強度と青
    緑色域の蛍光のピーク強度の比ならびに該比と前記葉の
    クロロフィル含量の相関関係に基づいて前記葉のクロロ
    フィル含量を推定する推定手段とを備えることを特徴と
    する葉のクロロフィル含量推定装置。
  5. 【請求項5】 前記誘起光はレーザ光であることを特徴
    とする請求項4記載の葉のクロロフィル含量推定装置。
  6. 【請求項6】 前記誘起光はパルス光であると共に、前
    記葉から前記蛍光が放射される間のみ該蛍光を受光する
    ように前記誘起光源からの照射と前記測定手段による受
    光とのタイミングを同期させる同期手段を備えることを
    特徴とする請求項4または5記載の葉のクロロフィル含
    量推定装置。
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