JP3453595B2 - 多波長蛍光計測装置 - Google Patents
多波長蛍光計測装置Info
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Description
測装置に関し、特にレーザ励起により発光する海洋表面
の浮遊物からの蛍光計測装置に関する。
分情報をいわゆる蛍光ライダーにより計測しようとする
試みが1970年代から継続されてきた(R.M.Me
asures,Laser Remote Sensi
ng Fundamentals and Appli
cations,John Wileys and S
ons,p424)。これは例えば航空機から海洋表面
にレーザを照射し浮遊している流出油を励起し、当該流
出油固有の蛍光を発光させ、これを光電子増倍管で検出
し発光分布を計測することにより流出油の漂流ルートや
その速度などの位置情報を取得し、蛍光の波長を把握す
ることにより油の成分情報を取得しようとするものであ
る。
望遠鏡で受光し、光電子増倍管に導く光路に各種フィル
ターを順次挿入して検出電気信号、即ち、蛍光の寿命の
変化を計測する。挿入したフィルターの透過波長域に対
する検出信号の変化が蛍光の波長特性を示すことにな
る。これにより浮遊物の回収作業を有効に実施したり、
また回収作業の完成度評価を行ったり、流出油の時間的
変質を探ろうとするものである。
び海中のプランクトンの蛍光計測からその濃度および種
類の特定を行う試みも提案されている(特開平4−69
546号公報)。地球上に放出された2酸化炭素を炭素
同化作用により吸収する植物プランクトンは、地球の2
酸化炭素の低減に大きな寄与をしているといわれ、その
濃度分布の把握は地球温暖化対策として重要だからであ
る。
ザ光を照射した海洋表面1点の蛍光を光電子増倍管で検
出するわけだから当該1点の対象物の特性しか得られな
い。
浮遊物の2次元的分布を求めるには、レーザ光を2次元
的にスキャンして計算機により2次元画像化することが
必要である。
は、いずれも地球環境保護のため重要な課題であるが、
いまだに実用の段階にいたらないのは、蛍光の波長特性
を把握しようとする際、透過波長域の異なるフィルター
の機械的交換作業を伴うことが一因となっている。
ス幅数ナノ秒の短パルス高出力レーザで、この照射によ
る流出油の蛍光持続時間は100ナノ秒未満であるか
ら、この間にフィルターの機械的交換を行って蛍光の波
長特性を求めることは不可能であるからである。
ながら受光路に挿入して蛍光波長特性を計測する場合、
リアルタイムで波長ごとに分光された蛍光信号を検出す
ることは不可能であり、少なくともある対象点の計測時
間として、フィルター交換時間のn倍の時間がかかる。
この間レーザ光の試料上の照射位置は固定されているこ
とが要求される。同一場所の蛍光を分光しなければ試料
上の特性に分布がある場合真の計測をしたことにならな
いからである。
て海洋表面に照射する場合、航空機と洋上の試料との位
置関係を1個のフィルター交換時間のn倍できまる計測
時間にわたって一定に保つことはできない。このフィル
ターの交換の煩雑さを避けるため従来図4のように、受
光しようとする入射蛍光4を受光光学系6で整形しビー
ムスプリッタ12により複数個に分割し、分割後の各光
路に透過波長域の異なるフィルター5a、5b、5c、
5dをそれぞれ挿入した光検出器7で所望の分光蛍光特
性を計測することも行われている。
と、分割に用いるビームスプリッタでの損失による信号
レベルの低下は致命的となる場合があり好ましい方法と
は言えない。
題は、リアルタイムで波長ごとの蛍光信号を信号レベル
の低減なしに同時に取得し、真の分光波長特性を取得す
ることが出来る多波長蛍光計測装置を提供することであ
る。
決するためになされたもので、レーザ光源とこれを海洋
表面へ導く出射光学系とからなる1組のレーザ光照射手
段と、海洋上の流出油などの浮遊物からの蛍光を受光す
るフィルターを含む受光光学系と光電子増倍管、CCD
カメラなどの光検出器とからなる受光系を前記レーザ光
照射手段の周辺に同心状に複数個配置するように構成し
たものである。
ぞれ透過波長領域の異なるフィルターを挿入した複数個
の受光系をレーザ光照射手段の周辺に同心状に配置した
ので、測定地点の各波長域の蛍光出力を信号レベルの低
減なしに計測しこれを総合することにより蛍光の波長特
性をリアルタイムで把握することができる。
すもので、例えばNd:YAGレーザの第3高調波(波
長355nm)のようなレーザ発振器1から短パルス出
力2を出射光学系3を経由して海洋表面を照射する。こ
の照射により海洋表面の流出油などの浮遊物から発した
蛍光4の一部はフィルター5aの透過波長域を透過する
ものだけが、受光光学系6aを経由して集光され光電子
増倍管7aに到達し、その電気出力7aaは信号処理装
置8により処理されて、例えばオシロスコープのような
データ出力装置34の画面上に当該波長域の蛍光パルス
時間波形9aを計測できる。
様にして光電子増倍管7b、7c,7dの各電気出力7
bb、7cc,7ddからフィルター5bの透過波長域
に関わる蛍光パルス時間波形9bを、フィルター5cの
透過波長域に関わる蛍光パルス時間波形9cを、フィル
ター5dの透過波長域に関わる蛍光パルス時間波形9d
が得られる。そして、信号処理装置8の動作を制御する
コントローラー35から指示を与えれば、これら4ケの
蛍光パルス時間波形を同時に描くことができる。
ラ35から指示することにより、各蛍光パルスの時間軸
を与えれば、ある時間tlにおける蛍光の波長特性10
をオシロスコープやプリンタ等のデータ出力装置34に
描かせることもできる。
交換を行うことなく、リアルタイムで蛍光の波長特性を
取得することができる。
の1点の蛍光情報が得られただけだから、2次元的に広
がる洋上浮遊物の動向を把握するにはレーザ光を海洋表
面に対して、スキャンを行う必要がある。位置情報11
と各蛍光パルス時間波形9を信号処理装置8で対応させ
ると、それぞれの波長域に関する2次元蛍光画像を創出
することができる。
のようにして1点の蛍光情報をリアルタイムで取得し、
レーザのスキャンにより2次元蛍光画像を創出できたわ
けである。
てある程度レーザビームを拡大させても蛍光信号が得ら
れるならば、光検出器として光電子増倍管ではなく、た
とえばイメージインテンシファイアを付加して画像を増
強したCCDカメラのような撮像装置を用いれば、いき
なり2次元蛍光分光画像を得ることができる。
振器1からの短パルス出力は出射光学系23を経由して
海洋表面のある領域を照射する。この照射により海洋表
面の浮遊物から発した広がりをもつ入射蛍光24の一部
はフィルター25aの透過波長域を透過するものだけ
を、受光光学系26aを経由してイメージインテンシフ
ァイア28の光電面29に結像させ、画像増強させてそ
の蛍光面30に映像化しCCDカメラ31に到達するよ
うにしてある。これによりフィルター25aの透過波長
域に関わる2次元の広がりをもつ蛍光画像をCCDカメ
ラ31aにおいて計測できる。即ち、浮遊物の大きさ、
拡がり状態を観測把握できる。
様にしてフィルター25b、25c、25dの透過波長
域に関わる蛍光画像をCCDカメラ31b、31c、3
1dにおいて計測することができる。
Dカメラで捕らえた4つの映像32a、32b、32
c、32dは、4個の画像表示装置33a、33b、3
3c、33dの上に表示されるわけであるが、浮遊物の
放出する蛍光を4つの異なる波長域に応じてリアルタイ
ムで分離して表示したものである。この場合、受光系は
ナノ秒レベルの高速応答性は無いから光電子増倍管によ
るような蛍光パルス波形は得られないが、パルス波形の
積分値に比例した電気信号としてCCDカメラの画像が
形成されている。
a、32b、32c、32dを取り出すことができるほ
かに、データコントローラ35から指示を与え信号処理
装置8において処理することにより、ある時刻の蛍光画
像のある指定したポイントの波長別信号レベルから蛍光
の波長特性10を取り出し、データ出力装置34に表示
することもできる。一般に油の種類に固有の蛍光特性が
知られており、これを参照することにより流出油の成分
を推定できる。
イスとして、イメージインテンシファイアならびにCC
Dカメラをそれぞれ4個用いていた実施例を示した。装
置のローコスト化および各チャンネルの素子のレベル調
整を簡略化するためにはイメージインテンシファイアな
らびにCCDカメラをそれそれぞれ1個だけ用いること
が可能である。
振器1からの短パルス出力22は出射光学系23を経由
して海洋表面のある領域を照射する。この照射により海
洋表面の浮遊物から発した広がりをもつ入射蛍光24の
一部は、フィルター26aの透過波長域を透過するもの
だけが、受光光学系26aを経由して折り返しミラー2
7により位置を変えてイメージインテンシファイア28
の光電面29の1部に結像させ画像増強させ、その蛍光
面30に映像化しCCDカメラ31の有効領域の1部に
到達するようにしてある。これによりフィルター25a
の透過波長域に関わる2次元の広がりをもつ蛍光画像を
CCDカメラ31の有効領域の1部で計測できる。
様にしてフィルター25b、25c、25dに関わる蛍
光画像をCCDカメラの残りの有効部分に計測すること
ができる。
CCDカメラで捕らえられた1画面上の4つの映像は、
浄遊物の放出する蛍光を4つの異なる波長域にリアルタ
イムで分離表示したものである。この場合も図2の第2
の実施例と同様に各波長域の蛍光量に比例したパルス波
形の積分値を電気信号として画像が形成されている。
は1個の画像表示装置33の上に4個の蛍光画像32
a、32b、32c、32dを表示することが出来る。
また、図2の実施例と同様に信号処理装置8において処
理にあたり、データコントローラ35を介して指定する
ことによって、ある時刻の蛍光画像のある指定したポイ
ントの波長別信号レベルから蛍光の波長特性10をデー
タ出力装置34の上に取り出すこともでき、流出油の成
分推定に有効である。
象の蛍光特性を把握して計測系の規格化、校正に便利な
透過波長域を選んでおくことも有効である。すなわち、
蛍光発光のため励起光としてNd:YAGレーザの第3
高調波の波長356nmが用いられた場合、水のラマン
散乱光として407mmのスペクトルが受光されること
がある。このスペクトルの受信信号のレベルを本装置に
おいて海水の諸条件と励起光のレベルによって検定して
おけば、装置のレベル調整、チャンネル間のレベル調
整、ゲートのタイミング調整などに有効である。
成においては、背景としての海面、海岸、岩礁、建造物
や、油等の浮遊物に浮かび上がる蛍光分光画像が得られ
るので、画像を解析、分析する上で即時性があり、緊急
を要する流出油回収の指針として非常に有効である。
実施例において、受光系を4個としたが、必要に応じて
これを増減できることは言うまでも無い。ある2つの波
長域の蛍光強度を把握しておけばいい場合は、CCDカ
メラにより2つの映像を捕らえればよく、装置のローコ
スト化ができる。逆に波長分解能を高めたい場合はより
多くの受光系を配置することになる。
ジインテンシファイアを用い受光対象となる蛍光のレベ
ルを増強して電気信号に変換しているが、これは航空機
に搭載し流出油からの微弱な蛍光を計測する場合を想定
したためである。計測装置を船舶に搭載し流出油からの
蛍光レベルが確保できる場合はイメージインテンシファ
イアを省略でき、CCDカメラだけで計測可能である。
特に電子冷却された「冷却CCDカメラ」と呼ばれるも
のを用いれば、低雑音で大きなダイナミックレンジを有
する画像を得ることができる。本発明の思想を実現する
際、光検出器についてはほかにもいくつかのデバイスが
あげられる。
に関する固体光検出器としてフォトダイオードあるいは
アバランシェダイオードなどがあり、図2,図3のCC
Dカメラに相当する2次元フォトダイオードアレイもあ
る。また図2,図3で単にCCDカメラとして表現して
いるが、上述の冷却を施したCCDカメラの他にも背面
照射型CCDカメラなどがあり対象とする蛍光の波長
域、蛍光出力レベルを勘案して選択することとなる。
いう作業により計測能率が悪く、正確さに乏しかった蛍
光分光画像計測を、正確かつリアルタイムで実行できる
ようになる。これにより流出油の環境汚染対策を迅速
に、効率よく、戦略的に実施できる。
部構成を示すブロック図、(b)はA‐A視図。
部構成を示すブロック図、(b)はB‐B視図。
部構成を示すブロック図、(b)はC‐C視図。
Claims (3)
- 【請求項1】 レーザ光源と出射光学系からなるレーザ
光照射手段と、このレーザ光照射手段の周辺に同心状に
配置されたそれぞれが異なる透過波長域をもつ複数個の
フィルター,複数個の受光光学系,複数個の光電子増倍
管とからなる受光手段と、前記複数個の光電子増倍管か
らの複数個の受信信号から蛍光分光特性を形成させる信
号処理装置とデータ出力装置を具備したことを特徴とす
る多波長蛍光計測装置。 - 【請求項2】 レーザ光源と出射光学系からなるレーザ
光照射手段と、このレーザ光照射手段の周辺に同心状に
配置されたそれぞれが異なる透過波長域をもつ複数個の
フィルター,複数個の受光光学系,数個のイメージイン
テンシファイアと複数個のCCDカメラとからなる受光
手段とを具備し、前記複数個のCCDカメラからの受信
信号を信号処理装置と複数個または単一の画像表示装置
に供給して蛍光分光特性を含む複数の背景画像を同時に
表示させることを特徴とする多波長蛍光計測装置。 - 【請求項3】 レーザ光源と出射光学系からなるレーザ
光照射手段と、このレーザ光照射手段の周辺に同心状に
配置されたそれぞれが異なる透過波長域をもつ複数個の
フィルターを備えた複数個の受光光学系とを設け、前記
各受光光学系の出射光をそれぞれ折り返し鏡を介して単
一のイメージインテンシファイアへ導いてCCDカメラ
により撮像し、この受信信号を、信号処理装置と単一の
画像表示装置に供給して複数の蛍光分光特性を含む複数
の背景画像を同時に表示させることを特徴とする多波長
蛍光計測装置。
Priority Applications (1)
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JP2000243403A JP3453595B2 (ja) | 2000-07-07 | 2000-07-07 | 多波長蛍光計測装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002022660A JP2002022660A (ja) | 2002-01-23 |
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Family
ID=18734262
Family Applications (1)
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JP2000243403A Expired - Lifetime JP3453595B2 (ja) | 2000-07-07 | 2000-07-07 | 多波長蛍光計測装置 |
Country Status (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN103063642A (zh) * | 2012-12-26 | 2013-04-24 | 西北农林科技大学 | 一种便携式多指标荧光生物传感器装置 |
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2000
- 2000-07-07 JP JP2000243403A patent/JP3453595B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
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山岸進 他,蛍光ライダーによる海洋汚染の検知に関する研究,船舶技術研究所報告 第37巻第2号(平成12年),日本,2000年 5月31日,PAGE.57−64 |
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