JP6599018B2 - 画像取得システム及び画像取得方法 - Google Patents

画像取得システム及び画像取得方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6599018B2
JP6599018B2 JP2018542872A JP2018542872A JP6599018B2 JP 6599018 B2 JP6599018 B2 JP 6599018B2 JP 2018542872 A JP2018542872 A JP 2018542872A JP 2018542872 A JP2018542872 A JP 2018542872A JP 6599018 B2 JP6599018 B2 JP 6599018B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sample
light
image
wavelength
color image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018542872A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2018062412A1 (ja
Inventor
大治 福田
一樹 丹羽
孝之 沼田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Publication of JPWO2018062412A1 publication Critical patent/JPWO2018062412A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6599018B2 publication Critical patent/JP6599018B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01JMEASUREMENT OF INTENSITY, VELOCITY, SPECTRAL CONTENT, POLARISATION, PHASE OR PULSE CHARACTERISTICS OF INFRARED, VISIBLE OR ULTRAVIOLET LIGHT; COLORIMETRY; RADIATION PYROMETRY
    • G01J1/00Photometry, e.g. photographic exposure meter
    • G01J1/02Details
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01JMEASUREMENT OF INTENSITY, VELOCITY, SPECTRAL CONTENT, POLARISATION, PHASE OR PULSE CHARACTERISTICS OF INFRARED, VISIBLE OR ULTRAVIOLET LIGHT; COLORIMETRY; RADIATION PYROMETRY
    • G01J3/00Spectrometry; Spectrophotometry; Monochromators; Measuring colours
    • G01J3/28Investigating the spectrum
    • G01J3/443Emission spectrometry
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01JMEASUREMENT OF INTENSITY, VELOCITY, SPECTRAL CONTENT, POLARISATION, PHASE OR PULSE CHARACTERISTICS OF INFRARED, VISIBLE OR ULTRAVIOLET LIGHT; COLORIMETRY; RADIATION PYROMETRY
    • G01J3/00Spectrometry; Spectrophotometry; Monochromators; Measuring colours
    • G01J3/46Measurement of colour; Colour measuring devices, e.g. colorimeters
    • G01J3/50Measurement of colour; Colour measuring devices, e.g. colorimeters using electric radiation detectors
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/62Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light
    • G01N21/63Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light optically excited
    • G01N21/64Fluorescence; Phosphorescence
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B21/00Microscopes
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N1/00Scanning, transmission or reproduction of documents or the like, e.g. facsimile transmission; Details thereof
    • H04N1/024Details of scanning heads ; Means for illuminating the original
    • H04N1/028Details of scanning heads ; Means for illuminating the original for picture information pick-up

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Multimedia (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Microscoopes, Condenser (AREA)
  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)
  • Photometry And Measurement Of Optical Pulse Characteristics (AREA)
  • Spectrometry And Color Measurement (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Description

本発明は画像取得システム及び画像取得方法に係り、特に試料から放出される発光を検出・分光測定して、試料が発光する光のスペクトル情報の画像を取得する画像取得システム及び画像取得方法に関する。
生体試料などの試料に含まれる物質や組成の分布を画像として可視化するために、分光イメージング法が注目されている。この分光イメージング法では、試料が発光する光の複数の波長領域の分光スペクトルを測定し、解析することで、試料を染色することなく、試料に含まれる物質や組成の分布の画像を出力できる。
ここで、上記の生体試料は超微弱な光を発光するが、その超微弱な発光スペクトル情報検出のため、色ガラスフィルタと楕円体形反射鏡とを用い、ディジタル検出方式により光スペクトル分析を行う極微弱光スペクトル分析装置が知られている(例えば、非特許文献1参照)。この従来の光スペクトル分析装置では、試料が発光した極微弱な光を楕円体形反射鏡及び27枚で1セットの色ガラスフィルタのうちの1枚の色ガラスフィルタを透過させて光電子増倍管に入射する。上記の27枚の色ガラスフィルタは、機械的に回転されるディスク上に設置され、順番に1枚ずつ光電子増倍管の前面に自動的に挿入・除去される。光電子増倍管は、光電子パルスを出力しパルス増幅器で増幅させた後、波高値弁別器により一定の波高値以上のパルスだけを計数させる。波高値弁別器は計数値をコンピュータに供給してスペクトル分析させる。
また、光スペクトル情報である光子の波長情報を得る方法として、フィルタを用いて分光する方法、あるいは分光器を用いて分光する方法が知られている(例えば、非特許文献2参照)。また、超伝導転移端センサ(TES:Transition Edge Sensor)を使えば、単一光子を高効率に検出し、そのエネルギー情報を取得できることが知られている(例えば、非特許文献3参照)。
清水慶昭他、"極微弱な光情報の計測"、光学第4巻第3号、p.105-p.125(1975) Yasushi Hiraoka et al.,"Multispectral Imaging Fluorescence Microscopy for Living Cells",CELL STRUCTURE AND FUNCTION 27:367-374(2002) B.Cabrera et al.,"Detection of single infrared,optical,and ultraviolet photons using superconducting transition edge sensors",Applied Physics Letters Vol.73,No.6,10 August 1998
しかしながら、非特許文献1に記載の光スペクトル分析装置では、長い波長の光を透過し短い波長の光を阻止する27枚の色ガラスフィルタを用いて光子の色の判別をしてスペクトル分析結果のカラー化をしているが、試料の発光光子の利用効率が悪いという問題がある。例えば、波長500nmで透過率が変化する色ガラスフィルタを用いて測定をしているときは、波長500nmより短い波長の光子の発光は全く測定できない(波長500nm以下の発光光子は捨てられている)。すなわち、使用する色ガラスフィルタに応じて測定できていない波長の光子が必ず存在する。
また、分光器を用いて分光する方法もフィルタを用いて分光する方法と同様に、光子の利用効率が悪いという問題がある。分光器は、回折格子やプリズムなどの分散素子を用いて光を分光するが、分散素子は、光が吸収されてしまったり、散乱してしまうなどの大きな損失があることが知られている。この分散素子の損失によって発光光子が減数を受け、光子の利用効率が悪くなってしまう。また、電荷結合素子(CCD)や光電子増倍管などの光検出器は、良好な効率あるいは感度が得られる波長域が狭く、CCDでは波長900nm付近で90%以上の効率をもつものもあるが、それ以外の波長では効率は低く、また1100nmより長い波長の光には全く感度が無い。また、光電子増倍管は、効率が最も良くても20%程度の効率が普通で、測定できる光子の波長は、その中心波長の±200nm程度の狭い範囲に限られる。
これに対し、超伝導転移端センサは紫外域(波長200nm)から近赤外域(波長2μm)までの広い通信波長帯域の光子を、たった一つの検出器で検出できる。したがって、このような広い波長の光子を検出するために、異なる波長域に感度のある検出器を複数用意した装置のような構造の複雑さはなく、また複数の検出器を切り替えた際に、検出結果が不連続になったり、ノイズレベルが突然変わったりして扱いにくいという問題はない。しかしながら、超伝導転移端センサが出力する入射光子のエネルギーに比例した電圧信号である検出信号から発光のスペクトル分析のために波長情報を得るには、一般には(i)検出信号の波高値の計測、(ii)計測波高値の波長への変換、(iii)変換した波長の波長頻度分布の構築などの複雑な信号処理が必要で、画像取得までに長時間を要してしまう。
本発明は以上の点に鑑みなされたもので、試料の広い波長域の発光スペクトラム情報のカラー画像を簡単な構成により短時間で効率良く取得し得る画像取得システム及び画像取得方法を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、試料の発光スペクトラム情報の検出の成否結果を迅速に判定することができる画像取得システム及び画像取得方法を提供することにある。
更に、本発明の他の目的は、試料の発光スペクトラム情報のカラー画像をリアルタイムで取得することができる画像取得システム及び画像取得方法を提供することにある。
上記の目的を達成するため、第1の発明の画像取得システムは、試料からの光を光ファイバの端面に結像する顕微鏡と、前記光ファイバを伝搬した前記光が入射され、その光のスペクトルの波長に応じた波高値の検出信号を出力する超伝導転移端センサと、前記超伝導転移端センサから出力された前記検出信号の波高値を三原色光の各波長にそれぞれ対応した所定の各閾値と比較し、その各閾値以上の前記検出信号入力時の回数をそれぞれ計数して各原色光波長の入力回数にそれぞれ対応した第1乃至第3の計数値を出力する比較・計数手段と、前記第1乃至第3の計数値に基づいて、カラー画像データを生成するカラー画像生成手段と、を備えることを特徴とする。
また、上記の目的を達成するため、第2の発明の画像取得システムは、前記顕微鏡が前記試料からの前記光を取り出す前記試料上の撮影位置を、前記試料の表面の中心位置から外側へ渦巻状にスキャンするように、前記試料が載置されているステージを移動させるスキャン手段を有することを特徴とする。
また、上記の目的を達成するため、第3の発明の画像取得システムは、一画面分の画素の前記カラー画像データを格納できる記憶領域を有するデータファイルと、前記顕微鏡が前記試料から前記光を取り出す撮影を開始した前記試料上の最初の位置における一画素の前記カラー画像データを、前記データファイルのすべての記憶領域に格納する手段と、前記最初の位置以後の前記撮影した画素の前記カラー画像データを撮影順に前記データファイルに格納して上書き更新する上書き手段と、前記顕微鏡の撮影途中の読み出し時に、前記データファイルのすべての記憶領域から前記カラー画像を読み出す読み出し手段とを有することを特徴とする。
また、上記の目的を達成するため、第4の発明の画像取得システムは、第1乃至第3の発明のいずれかにおいて前記試料からの光は、前記試料が自ら発光する微弱な光であることを特徴とする。
また、上記の目的を達成するため、第5の発明の画像取得方法は、顕微鏡により試料からの光を光ファイバの端面に結像する結像ステップと、超伝導転移端センサに前記光ファイバを伝搬した前記光を入射し、前記超伝導転移端センサから前記光のスペクトルの波長に応じた波高値の検出信号を出力する出力ステップと、前記超伝導転移端センサから出力された前記検出信号の波高値を三原色光の各波長にそれぞれ対応した所定の各閾値と比較し、その各閾値以上の前記検出信号入力時の回数をそれぞれ計数して各原色光波長の入力回数にそれぞれ対応した第1乃至第3の計数値を出力する比較・計数ステップと、前記第1乃至第3の計数値に基づいて、カラー画像を生成するカラー画像生成ステップと、を含むことを特徴とする。
また、上記の目的を達成するため、第6の発明の画像取得方法は、第5の発明において前記顕微鏡が前記試料から前記光を取り出す前記試料上の撮影位置を、前記試料の表面の中心位置から外側へ渦巻状にスキャンするように、前記試料が載置されているステージを移動させるスキャンステップを含むことを特徴とする。
また、上記の目的を達成するため、第7の発明の画像取得方法は、第5又は第6の発明において、前記顕微鏡が前記試料から前記光を取り出す撮影を開始した前記試料上の最初の位置における一画素の前記カラー画像を、一画面分の画素の記憶領域を有するデータファイルのすべての記憶領域に格納する格納ステップと、前記最初の位置以後の前記撮影した画素の前記カラー画像を撮影順に前記データファイルに格納して上書き更新する上書きステップと、前記顕微鏡の撮影途中の読み出し時に、前記データファイルのすべての記憶領域から前記カラー画像を読み出す読み出しステップと含むことを特徴とする。
また、上記の目的を達成するため、第8の発明の画像取得方法は、第5乃至第7の発明のいずれかにおいて、前記試料からの光は、前記試料が自ら発光する微弱な光であることを特徴とする。
本発明によれば、試料の広い波長域の発光スペクトラム情報のカラー画像を簡単な構成により短時間で効率良く取得できる。また、本発明によれば、試料の発光スペクトラム情報の検出の成否結果を迅速に判定することができ、更に試料の発光スペクトラム情報のカラー画像をリアルタイムで取得することができる。
本発明に係る画像取得システムの一実施形態のシステム構成図である。 図1中のフォトンカウンタの一例のブロック図である。 図1中の超伝導転移端センサの一例の検出信号とフォトンカウンタの閾値電圧を示す図である。 フォトンカウンタの閾値電圧と閾値電圧以上のレベルの検出信号の計数値からカラーRGB値を取得することを説明する図である。 超伝導転移端センサの検出信号の一例の頻度分布図である。 図5中の曲線Iの頻度分布の各ピークの中心位置(応答の電圧に相当)と波長の関係を示す図である。 一般的なスキャン方法とスキャンの1/9が終了した時点での撮影済み領域を示す図である。 本発明の実施形態によるスキャン方法とスキャンの1/9が終了した時間での撮影済み領域等を示す図である。 撮影途中で画面表示をした時の一般的な場合の説明図(A〜C)と、本発明の実施形態による撮影途中で画面表示をした時の説明図(D〜F)である。 レーザ光源と光減衰器とによるレーザパルスの生成を模式的に示す図である。 本発明の実施形態において試料に反射光を照射した場合に得られる測定画像の一例を示す図である。 本発明の実施形態において励起光によって試料のカラー画像を取得する画像取得システムの一例を示すシステム構成図である。 本発明の実施形態において画像取得システムを用いて得られるカラー画像の一例を示す図である。 本発明の実施形態において透過光によって試料のカラー画像を取得する画像取得システムの一例を示すシステム構成図である。
次に、本発明の実施形態について図面と共に説明する。
図1は、本発明に係る画像取得システムの一実施形態のシステム構成図を示す。同図において、本実施形態の画像取得システム100は、顕微鏡101、(落射用)光源102、観察用カメラ103、ファイバーポート104、光ファイバ105、光コネクタ106及び光ファイバ107などからなる光学系と、断熱消磁冷凍機110内に収納された超伝導転移端センサ(TES:Transition Edge Sensor)108及び電流アンプ109からなる光検出部と、SQUID(Superconducting Quantum Interference Device:超伝導量子干渉素子)コントローラ111及びフォトンカウンタ112からなる光子数・波長情報生成部と、制御用パーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)113からなる解析・制御部と、画像出力器114からなる出力部とから大略構成されている。制御用PC113は、フォトンカウンタ112から供給される後述する3種類の波長情報(三原色光波長情報)に基づいて、カラー画像を生成する機能を有する。
顕微鏡101は、水平面の直交するX軸方向及びY軸方向に、後述する制御用PC113により指示された任意の距離移動可能な試料台であるXY軸ステージ121と、対物レンズ122と、対物レンズ122をその光軸方向であるZ軸方向に移動調整するZ軸ステージ123と、レンズ124と、ビームスプリッタ125と、光路切替器126と、結像レンズ127とを有し、更に結像レンズ127は図示しない焦点合わせ用Z軸ステージによりその光軸方向(すなわちZ軸方向)に移動調整可能とされている。
次に、本実施形態の画像取得システム100の動作について説明する。光路切替器126は、全反射ミラーあるいはハーフミラーから構成され、ビームスプリッタ125と結像レンズ127との間に挿入されることで、入射光の全部を観察用カメラ103へと導くあるいは一部分岐して取り出し観察用カメラ103へと導く装置である。まず、光源102が点灯されると共に、顕微鏡101内の光路切替器126は入射光を観察用カメラ103方向へ反射する光路に切り替えられる。これにより、顕微鏡101は、光源102から出射された白色光を、レンズ124を通してビームスプリッタ125で反射させて対物レンズ122を通してXY軸ステージ121上に載置固定された生体試料等の試料200に対して照射して反射させる。試料200からの反射光は、対物レンズ122、ビームスプリッタ125をそれぞれ透過し、更に光路切替器126で反射されて観察用カメラ103に入射する。これにより、観察用カメラ103は、XY軸ステージ121上に載置固定された試料200の観察位置の画像を撮像する。この画像により画像取得者は観察位置の確認(同定)を行う。
続いて、光路切替器126は入射光を観察用カメラ103方向への光路から結像レンズ127方向へ透過させる光路に切り替える。また、光源102は消灯される。これにより、顕微鏡101は、試料200が自ら放出する超微弱な発光(これは試料200に含まれる発光物質や試料200の内部の化学反応に応じて生じた光)を、対物レンズ122、ビームスプリッタ125、光路切替器126をそれぞれ透過させて結像レンズ127に入射する。結像レンズ127の結像面には光ファイバ105の端面が位置するように光ファイバ105がファイバーポート104に固定されている。これにより、試料200からの発光は光ファイバ105の端面に結像され、更に光ファイバ105及び107を低損失で伝搬して超伝導転移端センサ108に入射される。なお、光ファイバ107は、光コネクタ106によりレーザ光源130からのレーザ光又は光ファイバ105からの光のどちらかを伝搬するように切り替え可能とされているが、通常は光ファイバ105に接続されている。
超伝導転移端センサ108は、単一光子を分光できる光検出素子であり、また紫外域(波長200nm)から近赤外域(波長2μm)までの広い波長域の光子を検出し、検出した光子のエネルギーに比例した電圧信号(換言すると、光のスペクトルの波長に応じた波高値の電圧信号)を検出信号として出力する。したがって、超伝導転移端センサ108によれば、試料200からの広い波長域の発光のスペクトルの波長に応じた波高値の検出信号を出力できる。しかしながら、超伝導転移端センサの検出信号に基づいてカラー画像を得るには前述したように複雑な信号処理が必要で、長時間を要してしまう。
そこで、本実施形態ではフォトンカウンタ112を用いて、超伝導転移端センサ108の検出信号から、短時間にカラー画像取得のための波長情報を得るようにしている。すなわち、図1において、フォトンカウンタ112は、超伝導転移端センサ108の検出信号が電流アンプ109及びSQUIDコントローラ111を通して入力され、閾値電圧と電圧比較して閾値電圧以上の検出信号の単位時間当たりの入力回数(閾値を超えた時の入力回数)を計数する。
図2は、フォトンカウンタ112の一例のブロック図を示す。図2に示すように、フォトンカウンタ112は、入力に対して並列に設けられた3つの電圧コンパレータ1121a、1121b及び1121cと、それらの出力側に別々に設けられた計数回路1122a、1122b及び1122cとより構成されている。電圧コンパレータ1121a及び計数回路1122aは第1のフォトンカウント部を、電圧コンパレータ1121b及び計数回路1122bは第2のフォトンカウント部を、電圧コンパレータ1121c及び計数回路1122cは第3のフォトンカウント部をそれぞれ構成している。
電圧コンパレータ1121a、1121b及び1121cは、図3に示すような超伝導転移端センサ108の検出信号が共通に供給され、図示しないメモリから読みだされた互いに異なる所定の閾値電圧Vth1、Vth2及びVth3と電圧比較し、その閾値電圧以上の検出信号が入力された時に所定値のパルスを対応して設けられた計数回路1122a、1122b及び1122cへ出力して計数させる。したがって、計数回路1122a、1122b及び1122cは、それぞれ閾値電圧Vth1、Vth2及びVth3以上の単位時間当たりの検出信号入力回数の計数値n1、n2、n3を得る。
上記の閾値電圧Vth1、Vth2及びVth3は、それぞれ超伝導転移端センサ108の検出信号の青色(B)光波長付近の500nm未満に対応した電圧値、緑色(G)光波長付近600nm未満に対応した電圧値、赤色(R)光波長付近800nm未満に対応した電圧値に設定されている。ここで、図3に示すように、Vth1>Vth2>Vth3であるから、検出信号の波高値がVth1より大である青色光波長を示しているときには、計数回路1122a、1122b及び1122cの各計数値n1、n2及びn3がそれぞれ1増加し、検出信号の波高値がVth1未満でVth2以上である緑色光波長を示しているときには、計数回路1122b及び1122cの各計数値n2及びn3が1増加し、検出信号の波高値がVth2未満でVth3以上である赤色光波長を示しているときには、計数回路1122cの計数値n3のみが1増加する。したがって、図4に示すように、青色光波長のみの入力回数を示す計数値n1からカラー画像の青色値が得られ、計数値n2とn1の差の緑色光波長のみの入力回数を示す計数値からカラー画像の緑色値が得られ、計数値n3とn2との差の赤色光波長のみの入力回数を示す計数値からカラー画像の赤色値が得られる。
このように、本実施形態では、超伝導転移端センサ108の検出信号から直接RGBの三原色信号値を短時間で取得することができるので、カラー画像の高速な構築が可能となり、試料200が細胞などの生きている時間が短い試料であっても、生きている間にカラー画像を取得することができる。また、閾値電圧の調整により、試料200の発光スペクトルに合わせたコントラスト像の取得も可能である。更に、本実施形態によれば、光子の利用効率が悪いフィルタや分光器や回折格子等の分光素子を用いる必要が無くなり、簡単な構成のシステムで高効率の分光測定ができる。
次に、上記の閾値電圧Vth1、Vth2及びVth3を得る波長校正方法の一例について説明する。超伝導転移端センサ108が測定するのはエネルギーであり、出力する検出信号の電圧値(波高値)がこのエネルギーに比例する。従って、検出信号の電圧値(波高値)から波長を知るためには何らかの波長校正手段が必要である。この波長校正には、一般に白色光源と分光器を用いて、単色化した光を超伝導転移端センサに入射し、入射光の波長をスキャンしながら超伝導転移端センサの応答を測定するという方法が考えられる。しかしながら、この方法は波長スキャンを必要とすることから、手間と時間がかかる。
そこで、本実施形態では、白色光源と分光器に代えて通信波長帯(1.5μm)のパルスレーザを用いる。すなわち、図1において、画像取得に先立って事前に光コネクタ106を光ファイバ105ではなく、レーザ光源130の出力側に接続し、レーザ光源130からの通信波長帯の例えば波長1524nmのパルスレーザを一パルス当たりの光子数を1〜4個程度となる強度にして光ファイバ107を通して超伝導転移端センサ108に照射する。これにより、超伝導転移端センサ108から出力される検出信号は、電流アンプ109、SQUIDコントローラ111を通してAD変換器131に供給され、ディジタル信号に変換されて制御用PC113に供給される。制御用PC113は超伝導転移端センサ108からの検出信号に基づき、光子数にほぼ比例した電圧値(波高値)を示す頻度分布を得る。
図5は、超伝導転移端センサの検出信号の一例の頻度分布図を示す。同図において、横軸はマルチチャンネルアナライザ(MCA)の測定チャンネルで、物理的には観測された超伝導転移端センサの波高値電圧ΔVを示す(一例として、8192チャンネルが約10Vの波高値電圧を示す。)。一方、図5の縦軸は横軸が示すチャンネル(波高値電圧ΔV)を持つ波形が観測された(1binあたりの)計数値を示す。図5において、曲線Iは波長1524nmのパルスレーザを超伝導転移端センサ108に照射したときの頻度分布を示し、n=1のピークは上記パルスレーザの一パルス当たりの光子数が「1」、n=2のピークは上記光子数が「2」、n=3のピークは上記光子数が「3」、n=4のピークは上記光子数が「4」のときの頻度分布を示す。
このときのパルスレーザのエネルギーは光子数「1」のときは0.81eV、光子数「2」のときは光子数「1」のときの2倍の1.63eV、光子数「3」のときは光子数「1」のときの3倍の2.44eV、光子数「4」のときは光子数「1」のときの4倍の3.25eVである。また、パルスレーザのエネルギーE(単位eV)と、波長λ(単位nm)とは次式の関係がある。
E=1240/λ (1)
したがって、(1)式から上記の光子数n、パルスレーザのエネルギー及び波長とは表1の関係がある。
Figure 0006599018
なお、図5において、曲線IIは赤色光の波長762nmの単色レーザ(パルスでなく連続光)を超伝導転移端センサに照射したときの応答特性を示し、これは曲線Iの頻度分布中のn=2の波長762nmのときと同じ位置にピークを示すスペクトル形状を示す。同様に、曲線IIIは緑色光の波長508nmの単色レーザ(パルスでなく連続光)を超伝導転移端センサに照射したときの応答特性を示し、これは曲線Iの頻度分布中のn=3の波長508nmのときと同じ位置にピークを示すスペクトル形状を示す。更に、曲線IVは青色光波長381nmの単色レーザ(パルスでなく連続光)を超伝導転移端センサに照射したときの応答特性を示し、これは曲線Iの頻度分布中のn=4の波長381nmのときと同じ位置にピークを示すスペクトル形状を示す。
続いて、曲線Iの頻度分布の各ピークの中心位置(応答の電圧に相当)と波長の関係を図6のように求める。図6において、横軸はMCAチャンネル(Channel)、縦軸は波長Wavelength(単位nm)である。この特性を次式の関数
Wavelength=a0+(a1/Channel) (2)
でフィッティングにより定数a0とa1を求める。そして、求められた定数a0とa1、及び(2)式を使用することで、未知の信号波形の波長が、そのChannel値に対応した波高値電圧から直ちに求められる。
本実施形態では、図6にx1で示す青色(B)光波長付近381nmのChannel値に対応する波高値電圧を、電圧コンパレータ1121aの前述した500nm未満に対応した電圧値電圧である閾値電圧Vth1に設定する。同様に、図6にx2で示す緑色(G)光波長付近508nmのChannel値に対応する波高値電圧を、電圧コンパレータ1121bの前述した600nm未満に対応した電圧値電圧である閾値電圧Vth2に設定し、図6にx3で示す赤色(R)光波長付近762nmのChannel値に対応する波高値電圧を、電圧コンパレータ1121cの前述した800nm未満に対応した電圧値電圧である閾値電圧Vth3に設定する。上記のx1、x2、x3は、それぞれ前述した1534nmのパルスレーザの一パルス当たりの光子数「4」、「3」、「2」のときの各波長における波高値電圧(Channel)を示す。
このように、本実施形態ではR(赤)、G(緑)、B(青)の三原色の各単色レーザ(連続光)を別々に用意しなくても、通信波長帯の1534nmのパルスレーザの一パルス当たりの光子数nを「2」、「3」、「4」とすることでそれぞれR、G、Bの各波長に対応した波高値電圧を得ることができ、これにより一気に校正ができることが分かる。
再び図1に戻って説明する。制御用PC113は、フォトンカウンタ112からの光子数、波長情報を示す3種類の計数値が供給され、それら3種類の計数値から図4に示した方法でRGB三原色の各画像値を取得し、それらの画像値に基づいて公知の方法でカラー画像を構築してディスプレイ、プリンタ等の画像出力器114に出力し、カラー画像の表示・印刷などを行わせる。このようにして、試料200の発光スペクトルに応じたカラー画像が取得されて出力される。
ここで、試料200の発光スペクトルのカラー画像は、試料200をスキャニングすることで得られる。上記のスキャニングには数分から数時間が必要で、撮影の成否が判明できるまで、やはり数分から数時間が必要となる。一方で、試料200が生きた細胞の場合、その観察は時間との勝負であり、撮影の失敗が判明したときには細胞が劣化し、やり直しがきかないこともある。超伝導転移端センサ108も、冷却時間に制限がある。
一般的なスキャンは、試料200の表面の画像取得位置(撮影位置)を、図7(A)の平面図に矢印A1で示すように、水平方向に、かつ、上から下方向に移動するように、試料200が載置固定されているXY軸ステージ121を移動させることで行う。このため、試料200の表面全面の例えば上から1/9の面積のスキャンが終了した時点では、図7(B)に示すように、撮影領域220の上から1/9の領域B1が撮影された状態である。試料200の1/9の面積のスキャン終了時点までにはある程度の時間がたっている。しかしながら、試料200の観察対象位置は、通常は中心部に配置されていることが多いので、上記の場合、1/9の領域B1が撮影された時間たっても観察対象の背景部分しか撮影されていないことが多い。前述したように試料200の観察は時間との勝負であるので、これは問題である。また、長い距離のスキャンになるほど位置ずれのリスクが高くなるので、画像歪みを防ぐためにはエンコーダ付きのステージを用いる必要がある。
そこで、本実施形態では、試料200の表面の画像取得位置(撮影位置)を、図8(A)の平面図に実線の矢印A2で示すように、試料の中央部から外側に向かって渦巻状にスキャンするようにXY軸ステージ121を移動させる。これにより、一般的なスキャンで図7(A)、(B)に示した撮影領域220の1/9の領域の撮影を終了した時間と同じ時間経過した場合は、本実施形態では、図8(B)に示すように、撮影領域220の1/9の領域で、かつ、中央部の領域B2の撮影が終了した状態となる。
したがって、本実施形態によれば、試料200の中心部に配置されていることが多い観察対象を従来に比べて短時間短ストロークで画像取得することができる。これにより、本実施形態によれば、従来に比べて撮影の成否の判定が格段に速くなり、エンコーダ無しの安価なステージでも画像歪みのリスクを減らすことができる。
なお、本実施形態では、上記の1/9領域のスキャン終了後は図8(A)に点線の矢印A3で示すように更に外側に渦巻き状にスキャンが行われ、その結果、得られる画像は図8(B)に示すように、試料200の中央部の領域を含む点線B3で示す外側に拡大した面積の領域の画像となる。以下同様にして、時間の経過とともに撮影画像領域が外側へ拡大していく。
ところで、制御用PC113は、フォトンカウンタ112から撮影順に従って供給される3原色の各原色光波長の計数値から図4に示した方法でRGB三原色の各画像値を取得し、更にそれらの画像値に基づいてカラー画像を構築する際に、撮影順に従って取得した画像値を単純に順番に表示していくので、試料200の一画面分の撮影終了前の撮影途中で画像表示を行うと、図9(A)に模式的に示すように、まだ撮影されていない試料部分の画像データは構築されていない。なお、画面に表示される画像は、フォトンカウンタ112の計数値を3原色のカラー画像値に変換し、それらから得たカラー画像であり、その画像値は階調に対応しているので、以下の説明では「階調値」ともいう。
このため、一画面の撮影途中で画像表示を行うと、一般には図9(B)に示すように、未撮影領域の画像データはすべてデフォルトの固定値(通常、黒を示す最小階調値「0」)に設定されて一画面の表示が行われる。一方、撮影終了済みの試料部分の発光スペクトルの画像データは、比較的明るい階調を示す値である(図9(A)では一例として「98」〜「96」)。このため、一画面の撮影途中で画像表示を行うと、一画面の表示画像は図9(C)に模式的に示すような、撮影済み(測定済み)の領域の画像が白抜けした、コントラストの変化が大きな試料の本来の画像とは大きく異なる画像となってしまう。従って、上記の場合は試料の撮影画像をリアルタイムで表示できず、試料に対する一画面分の撮影が終了するまでは、撮影画像に基づく測定の成否を判定できない。
そこで、本実施形態では、撮影順に従って画像データを順番に取得していく点は従来と同じであるが、カラー画像を表示する一画面分の画素の記憶領域を有するデータファイルを用意しておき、まず試料の最初の一画素の撮影画像データ(具体的にはRGB画像データに基づくカラー画像データ)をデータファイルの記憶領域全体に書き込む。本発明では測定対象の試料は一般に一画面における画像のコントラストの差があまり大きくなく、最初の一画素の撮影画像データの階調値は試料の一画面のすべての撮影画像データの階調値のばらつきの範囲内であることに着目したものである。図9(D)は、最初の一画素の撮影画像データが階調値「98」であり、それがデータファイルの記憶領域全体に書き込まれたデータファイルの格納状態を示す(ここでは、簡単のため、36画素分の記憶領域を有するデータファイルのすべての領域に画像データが格納されているものとする。)。その後、撮影順に従って取得された試料の画像データがデータファイルに順番に上書きされて更新されていく。
ここで、図9(E)に丸印で示した階調値「97」の撮影画像データを取得してデータファイルに格納した、一画面の撮影途中の時点で画像表示を行うものとする。本実施形態ではデータファイルのすべての記憶領域から読み出した画像データの画像表示を行う。データファイルの記憶画像データは図9(E)に示したものであるので、一画面の表示画像は丸印で示した画像データまでの撮影済みの10画素の画像データは撮影された階調値で、かつ、丸印で示した画像データ以降の未撮影領域の26画素の画像データはすべて最初の画像データの階調値「98」で一画面の表示が行われる。
この結果、一画面の表示画像は図9(F)に模式的に示すように、試料の表示画像は画面内においてコントラストの差が極めて小さな、試料本来の撮影画像に近いものとなる。したがって、本実施形態によれば、撮影途中のリアルタイム画像表示が可能となり、撮影が終了するまで待たなくても撮影画像に基づく測定の成否を判定することができる。本実施形態の画像処理は、一画面における画像のコントラストの差があまり大きくない測定対象の試料の撮影画像に基づく測定に極めて有効である。
なお、図9(D)〜(F)で説明した実施形態の技術を、図8(A)、(B)で説明した実施形態の技術と組み合わせることもできる。この場合、まず、最初に撮影された画像中心部の一画素の画像データがデータファイル全体に書き込まれる。その後、図8(A)に矢印A2で示したスキャン順に入力される撮影画像データをデータファイル内の画素対応アドレスに上書き更新していく。そして、一画面の撮影終了前の例えば図8(B)の画面の1/9の領域のスキャンを終了した時点で画面表示をした場合、画面中心部の1/9の領域には撮影済みの試料中心部分の画像が表示され、一画面内のそれ以外の外側周囲の領域の画像は最初に撮影された画像中心部の一画素の画像が表示されることになる。この場合は、試料の表示画像は、試料中心部の観察対象の画像が迅速に表示され、かつ、画面内においてコントラストの差が極めて小さな試料本来の撮影画像に近いものとなる。
ところで、図1に示した本実施形態の画像取得システム100では、光源102を消灯して超伝導転移端センサ108で単一光子を測定してその色を同定し、発光する試料200の発光スペクトルの測定結果に基づくカラー画像を取得しているので、発光する試料200が細胞の場合は細胞内で起きている機能等を色によって同定することができる。しかし、本実施形態の画像取得システム100はこれに限らず、試料200に代えて蛍光試料や通常の試料(発光、蛍光性の物質を含んでいなくても可)についても単一光子を測定して試料のスペクトルの測定結果に基づくカラー画像を取得できる。
すなわち、蛍光試料の場合は、光源102として励起用レーザ光源を用意すると共に、光路切替器126をビームスプリッタ125からの入射光を結像レンズ127へ導く光路に切り替える。これにより、励起用レーザ光源からの励起用レーザをレンズ124、ビームスプリッタ125、対物レンズ122を経て蛍光試料に照射し、蛍光試料から反射された光を対物レンズ122及びビームスプリッタ125をそれぞれ透過させ、更に光路切替器126を通して結像レンズ127により光ファイバ105の端面に結像させる。以下、試料200のときと同様の動作が行われる。この場合、顕微鏡101は公知の共焦点蛍光顕微鏡とほぼ同等の構成であり、また、超伝導転移端センサ(TES)108を用いることで、僅かな励起光でもその蛍光を測定できるため、蛍光試料に対する光ダメージを小さくできる。
また、試料200に代えて通常の試料に対するスペクトル分析を行う場合は、光源102として白色光源を用意する。この場合、本実施形態の画像取得システム100は、通常の試料に対して図1と共に説明したと同様の動作を行い、通常の試料からの反射光が単一光子レベルの微弱光であっても、分析スペクトルに応じた色のカラー画像を取得できる。以上の本実施形態の画像取得システム100で測定できる試料、光源との関係をまとめると表2のようになる。
Figure 0006599018
なお、本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、例えばフォトンカウンタ112における閾値電圧Vth1、Vth2及びVth3は、それぞれ青色(B)光波長付近の500nm未満に対応した電圧値、緑色(G)光波長付近600nm未満に対応した電圧値、赤色(R)光波長付近800nm未満に対応した電圧値に設定されておればよく、前述した波長校正方法により設定される電圧に限定されるものではない。
ここで、上記の実施形態におけるパルスレーザの強度について説明する。例えば、図10に示すように、レーザ光源と光減衰器とによってパルスごとに様々な光子数を有するレーザパルスが生成される。図10において、レーザ光源の波長、繰り返し周波数、平均光出力をそれぞれλ(m)、f(Hz)、P(W)とし、光減衰器の減衰量をA(dB)とすると、光減衰後のレーザパルスの平均光子数u(個/パルス)は、以下の式(3)により表される。
Figure 0006599018
ここで、hはプランク定数である。
上式(3)において、例えばλ=1550nm、P=100pW、f=50kHz、A=40dBとすると、uは約1.56個/パルスとなる。得られたパルス列に含まれる光子数は、平均光子数をu、分散を同じくuとしたポアソン分布に従うので、1パルス当たり光子が数個程度を含むレーザパルスを得ることができる。
なお、パルスレーザを光減衰器で減衰させたとき、そのパルスに含まれる光子数はポアソン分布に従う。このとき、1パルス当たりに含まれる光子の数をkとして、その光パルスが生成される確率をP(k)とすると、確率P(k)は以下の式(4)のように表される。
Figure 0006599018
また、図11に、上記の実施形態で試料に反射光を照射した場合に得られる測定画像の一例を示す。図11の例において、測定対象の試料はプリント基板である。図中「強照明下」で示された画像は、当該プリント基板の基板表面に上記の測定に使用する照明強度よりも高くして図1の103としてCMOS(Complementray Metal-Oxide Semiconductor)により取得した当該基板表面の画像である。図11には、強照明下の画像に示す一辺400μmの正方形の領域の基板表面を従来のCMOSカメラ、従来の光電子増倍管(PMT(Photomultiplier Tube))、上記の実施形態に係るTESによってそれぞれ取得した画像を示す。なお、図11の例に示す測定において、光源は落射光源であり、露光時間は50msである。また、PMTは、光ファイバ107をファイバーポート106から切り離し、107の代わりにPMTを106に接続して測定する。
図中「CMOS」の画像が示すように、光源強度が単一光子レベルの極微弱光では、従来のCMOSカメラでは基板表面の画像を取得できないことがわかる。また、図中「PMT」の画像が示すように、従来のPMTでは基板表面の画像を取得できる。ただし、PMTにより取得される画像は、白黒画像となる。一方、図中「TES」の画像が示すように、上記のTESによれば、基板表面の画像を取得できる。さらに、PMTによって取得される画像とは異なり、TESによって取得される画像はカラー画像である。そして、「TES」の画像では、銅パターン(橙色)、レジスト部分(緑色)、シルクパターン(白色)からの反射光をそれぞれ明瞭に区別できる。したがって、上記の実施形態によれば、試料表面からの反射光を単一光子レベルで分光イメージングできることがわかる。
次に、図12を参照しながら、上記の実施形態において励起光によって試料のカラー画像を取得する場合について説明する。なお、図12に示す画像取得システム1000において、上記の実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。画像取得システム1000においては、上記の画像取得システム100に励起用レーザ光源140、励起光を吸収する励起光カットフィルタ141、励起光を反射して蛍光を透過させるダイクロイックミラー142、励起用レーザ光源140からの光をダイクロイックミラー142に導くレンズ143が追加されている。画像取得システム1000では、励起用のレーザ光を試料200に照射できるようにし、その励起光によって生じた蛍光を、ファイバーポート104を経て光ファイバ105へと導入する方法で試料200のスペクトルの測定を行う。
図13に、画像取得システム1000を用いて得られるカラー画像の例を示す。図13の例において、測定対象の試料は蛍光染色した生物試料(FluoCell #1(Thermo Fisher Scientific社製))である。図13には、中心波長365nmのLEDを用いた落射用光源102からの光を試料200に照射し、その励起光によって生じた蛍光を従来のCMOSカメラで取得した画像(図中「落射蛍光(CMOS)」)を示す(露光時間は3s)。また、図13には、中心波長488nmのレーザを用いた励起用レーザ光源140からの光を試料200に照射し、その励起光によって生じた蛍光を従来の光電子増倍管(PMT)によって取得した画像(図中「PMT」)を示す(露光時間は100ms)。また、図13には、上記の実施形態に係るTESによって取得した画像(図中(「TES])を示す。
図13に示すように、PMTによって取得した画像は、TESによって取得した画像と同様のコントラストのある試料の像が得られるが、カラー画像ではない。そして、TESによって取得した画像は、PMTによって取得した画像と異なり、カラー画像である。そして、「TES」の画像では、細胞骨格を染色した蛍光物質(Alexa Fluor488)からの蛍光とミトコンドリアを染色した蛍光物質(MitoTracker Red)からの蛍光をそれぞれ明瞭に区別できる。さらに、TESによって取得した画像では、CMOSによって取得した画像よりも有意に明瞭な試料の像を得ることができる。以上より、本実施形態によれば、試料表面からの蛍光を単一光子レベルで分光イメージングできることがわかる。
次に、図14を参照しながら、上記の実施形態において透過光によって試料のカラー画像を取得する場合について説明する。なお、図14に示す画像取得システム1100において、上記の実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。画像取得システム1100においては、上記の画像取得システム100に透過用光源150が追加されている。画像取得システム1100では、透過用光源150からの光を試料200に照射できるようにし、試料200からの透過光を、ファイバーポート104を経て光ファイバ105へと導入する方法で試料200のスペクトルの測定を行う。これにより、画像取得システム1100においても上記の実施形態と同様に、試料からの透過光を単一光子レベルで分光イメージングし、試料200のカラー画像を得ることができる。
100、1000、1100 画像取得システム
101 顕微鏡
102 (落射用)光源
103 観察用カメラ
104 ファイバーポート
105、107 光ファイバ
106 光コネクタ
108 超伝導転移端センサ(TES)
109 電流アンプ
110 断熱消磁冷凍機
111 SQUIDコントローラ
112 フォトンカウンタ
113 制御用パーソナルコンピュータ(PC)
114 画像出力器
1121a、1121b、1121c 電圧コンパレータ
1122a、1122b、1122c 計数回路

Claims (8)

  1. 試料からの光を光ファイバの端面に結像する顕微鏡と、
    前記光ファイバを伝搬した前記光が入射され、その光のスペクトルの波長に応じた波高値の検出信号を出力する超伝導転移端センサと、
    前記超伝導転移端センサから出力された前記検出信号の波高値を三原色光の各波長にそれぞれ対応した所定の各閾値と比較し、その各閾値以上の前記検出信号入力時の回数をそれぞれ計数して各原色光波長の入力回数にそれぞれ対応した第1乃至第3の計数値を出力する比較・計数手段と、
    前記第1乃至第3の計数値に基づいて、カラー画像データを生成するカラー画像生成手段と、
    を備えることを特徴とする画像取得システム。
  2. 前記顕微鏡が前記試料からの前記光を取り出す前記試料上の撮影位置を、前記試料の表面の中心位置から外側へ渦巻状にスキャンするように、前記試料が載置されているステージを移動させるスキャン手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像取得システム。
  3. 一画面分の画素の前記カラー画像データを格納できる記憶領域を有するデータファイルと、
    前記顕微鏡が前記試料から前記光を取り出す撮影を開始した前記試料上の最初の位置における一画素の前記カラー画像データを、前記データファイルのすべての記憶領域に格納する手段と、
    前記最初の位置以後の前記撮影した画素の前記カラー画像データを撮影順に前記データファイルに格納して上書き更新する上書き手段と、
    前記顕微鏡の撮影途中の読み出し時に、前記データファイルのすべての記憶領域から前記カラー画像を読み出す読み出し手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像取得システム。
  4. 前記試料からの光は、前記試料が自ら発光する微弱な光であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像取得システム。
  5. 顕微鏡により試料からの光を光ファイバの端面に結像する結像ステップと、
    超伝導転移端センサに前記光ファイバを伝搬した前記光を入射し、前記超伝導転移端センサから前記光のスペクトルの波長に応じた波高値の検出信号を出力する出力ステップと、
    前記超伝導転移端センサから出力された前記検出信号の波高値を三原色光の各波長にそれぞれ対応した所定の各閾値と比較し、その各閾値以上の前記検出信号入力時の回数をそれぞれ計数して各原色光波長の入力回数にそれぞれ対応した第1乃至第3の計数値を出力する比較・計数ステップと、
    前記第1乃至第3の計数値に基づいて、カラー画像を生成するカラー画像生成ステップと、
    を含むことを特徴とする画像取得方法。
  6. 前記顕微鏡が前記試料から前記光を取り出す前記試料上の撮影位置を、前記試料の表面の中心位置から外側へ渦巻状にスキャンするように、前記試料が載置されているステージを移動させるスキャンステップを含むことを特徴とする請求項5に記載の画像取得方法。
  7. 前記顕微鏡が前記試料から前記光を取り出す撮影を開始した前記試料上の最初の位置における一画素の前記カラー画像を、一画面分の画素の記憶領域を有するデータファイルのすべての記憶領域に格納する格納ステップと、
    前記最初の位置以後の前記撮影した画素の前記カラー画像を撮影順に前記データファイルに格納して上書き更新する上書きステップと、
    前記顕微鏡の撮影途中の読み出し時に、前記データファイルのすべての記憶領域から前記カラー画像を読み出す読み出しステップと、
    を含むことを特徴とする請求項5又は6に記載の画像取得方法。
  8. 前記試料からの光は、前記試料が自ら発光する微弱な光であることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか一項に記載の画像取得方法。
JP2018542872A 2016-09-29 2017-09-28 画像取得システム及び画像取得方法 Active JP6599018B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016191510 2016-09-29
JP2016191510 2016-09-29
PCT/JP2017/035298 WO2018062412A1 (ja) 2016-09-29 2017-09-28 画像取得システム及び画像取得方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2018062412A1 JPWO2018062412A1 (ja) 2019-06-24
JP6599018B2 true JP6599018B2 (ja) 2019-10-30

Family

ID=61763442

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018542872A Active JP6599018B2 (ja) 2016-09-29 2017-09-28 画像取得システム及び画像取得方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6599018B2 (ja)
WO (1) WO2018062412A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7431429B2 (ja) 2019-09-02 2024-02-15 学校法人日本大学 分光画像生成装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4550217B2 (ja) * 2000-04-03 2010-09-22 エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社 超伝導放射線検出器
FI119158B (fi) * 2007-02-16 2008-08-15 Valtion Teknillinen Bolometrielementti, bolometrikenno, bolometrikamera ja menetelmä
US9366574B2 (en) * 2014-03-07 2016-06-14 Lawrence Livermore National Security, Llc Infrared (IR) photon-sensitive spectromicroscopy in a cryogenic environment

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2018062412A1 (ja) 2019-06-24
WO2018062412A1 (ja) 2018-04-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2019230878A1 (ja) 蛍光観察装置及び蛍光観察方法
US20130126755A1 (en) Method and device for simultaneous multi-channel and multi-method acquisition of synchronized parameters in cross-system fluorescence lifetime applications
Chen et al. Single camera imaging system for color and near-infrared fluorescence image guided surgery
JP5133602B2 (ja) 光信号の検出のための方法および装置
JP2012032183A (ja) 試料観測装置および試料観測方法
US11737673B1 (en) Systems for detecting carious lesions in teeth using short-wave infrared light
US11143855B2 (en) Scanning microscope using pulsed illumination and MSIA
JPH11211668A (ja) 欠陥検査方法および欠陥検査装置
JP6599018B2 (ja) 画像取得システム及び画像取得方法
TWI719610B (zh) 以彩色相機進行光譜分析之方法
US20200292453A1 (en) Fluorescence photometer and observation method
JP2013003386A (ja) 撮像装置およびバーチャルスライド装置
US20210318244A1 (en) Spectroscopic imaging apparatus and fluorescence observation apparatus
US11953440B2 (en) Method and apparatus for simultaneous nonlinear excitation and detection of different chromophores across a wide spectral range using ultra-broadband light pulses and time-resolved detection
Niwa et al. Few-photon spectral confocal microscopy for cell imaging using superconducting transition edge sensor
JP6587959B2 (ja) 肌画像生成装置、肌画像生成装置の作動方法、および肌画像生成処理プログラム
JP2004354346A (ja) 測定装置
CN114730067A (zh) 显微镜装置、分光器和显微镜系统
JP2688040B2 (ja) 螢光特性検査装置
JP2016024027A (ja) 測定装置および蛍光測定方法
Adams et al. Simultaneous spectral temporal modelling for a time-resolved fluorescence emission spectrum
KR102442981B1 (ko) 순간 라만 이미징 장치
JP2016206648A (ja) レーザー走査顕微鏡装置
Baker et al. Lensfree time-gated photoluminescent imaging
JPS606485B2 (ja) 落射型螢光測光顕微鏡

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181225

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190924

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191001

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6599018

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250