JP3578853B2 - 軒樋内曲り継手 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は軒樋内曲り継手に係り、特に、屋根の谷樋から流下する雨水が、軒樋内曲り継手の前面側コーナー壁を飛び越して落下することを防止する軒樋内曲り継手に関するものである。
【０００２】
【従来技術とその課題】
従来、家屋軒先の入隅に取付けられる軒樋内曲り継手は、図４に斜視図で示す如く、軒樋内曲り継手Ａの前面側立壁Ａ−１のコーナー部Ａ−１１が、後面側立壁Ａ−２のコーナー部Ａ−２１の角度、即ち、入隅角度と同一の折曲角度で形成されているので、軒樋内曲り継手Ａの上方屋根Ｂの谷樋Ｂ−１から付勢され流下する雨水Ｃは、前面側立壁Ａ−１のコーナー部Ａ−１１を飛び越して破線矢印方向に落下してしまい、軒樋の集水機能が損なわれると云う問題がある。
【０００３】
そこで、上記課題の解決策として、軒樋内曲り継手Ａの前面側立壁Ａ−１の上端に、図示してないが、水返しのための別部材を立ち上げ付設して対処することが行なわれているが、この対処法では軒先の美観を損ねると云う問題があると共に、雪等によって破損する虞れがあり、且つ、水返し専用部材を別途取付けなければならないので、取付け作業性と共に材料費の高騰を招くと云う問題がある。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するためのものであって、その要旨は、家屋軒先の入隅に取付けられる軒樋内曲り継手において、上記内曲り継手の前面側のコーナー部に、後面側コーナー壁に対向して面をなす水返し立壁を設け、この水返し立壁を挟んで前面側コーナー壁が一体に連なるように形成したことを特徴とする軒樋内曲り継手である。
【０００５】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体的に説明する。
図１は、本発明の一実施例を斜視図で示し、図２は、本発明の使用状態を斜視図で示し、図３は、本発明に付設する水返し立壁の例を平面略図で示し、図４は、軒樋内曲り継手の従来例を斜視図で示す。
【０００６】
本発明の軒樋内曲り継手は、図１及び図２に斜視図で示す如く、家屋軒先の入隅に取付けられる軒樋内曲り継手１において、上記内曲り継手１の前面側コーナー壁１１に、後面側コーナー壁１２−１に対向して、面をなす水返し立壁１１１を一体に形成したことを特徴とするものである。
本発明において、軒樋内曲り継手１に水返し立壁１１１を設けたことにより、上方屋根Ｂの谷樋Ｂ−１から付勢され矢印方向に流下する雨水Ｃは、前面側コーナー壁１１の上方を飛び越すことなく軒樋Ｄ内へ円滑に集水することが出来るものである。
【０００７】
【実施例】
図１に示す如く、本発明の軒樋内曲り継手１の基本形態は、家屋軒先の入隅に取付けられる平面が略Ｌ字状であって、後面側（軒先側）には略垂直に立ち上げ形成されている後面壁１２と、該後面壁１２に対向して前面側には内方へ傾斜する前面側コーナー壁１１が形成されている。
【０００８】
そして、上記後面壁１２の両側端の上端部には、軒樋Ｄの後面樋耳部Ｄ−１を係止する樋耳係止部１２１が形成され、上記前面側コーナー壁１１には、後面壁１２の後面側コーナー壁１２−１に対向して、逆三角形の面をなす水返し立壁１１１が一体に形成されていると共に、その上端部には、軒樋Ｄの前面樋耳部Ｄ−２を係止する樋耳係止部１１２が形成され、また、上記後面壁１２から底壁１３及び前面側コーナー壁１１等の両側端の内壁部には、軒樋Ｄの側端部を挟着する樋挿着部１−１が連設されている。
【０００９】
本発明の特徴とするところは、上記前面側コーナー壁１１に水返し立壁１１１を設けた点であって、図３に平面略図で示す如く、二点鎖線で示す凹弧状のもの、実線で示す直線状のもの（上記実施例で説明したもの）及び一点鎖線で示す凸弧状のもの等の何れの形態の水返し立壁１１１であってもよい。
【００１０】
上記本発明の軒樋内曲り継手１の水返し立壁１１１は、後面壁１２と破線で示す従来の前面側コーナー壁１１との間の開口間隔がｅの場合のコーナー間隔がａであるのに対して、二点鎖線で示す凹弧状のものｂ、実線で示す直線状のものｃ及び一点鎖線で示す凸弧状のものｄの如く、開口間隔を拡大設定することが出来る。
【００１１】
上記の如く、軒樋内曲り継手１の前面側コーナー壁１１に面をなす水返し立壁１１１を設けて、後面壁１２と前面側コーナー壁１１との間の開口間隔を広げることにより、上方の屋根Ｂの谷樋Ｂ−１から付勢され流下する雨水Ｃが、内曲り継手１の前面側コーナー壁１１を飛び越えることなく軒樋Ｄ内へ円滑に集水することが出来るものである。
【００１２】
【発明の効果】
本発明は上記構成よりなるので下記効果を奏する。
即ち、本発明で軒樋内曲り継手に水返し立壁を一体に設けたことにより、上方屋根の谷樋から付勢され流下する雨水が、前面側コーナー壁を飛び越えることなく軒樋内へ円滑に導くことが出来るので集水機能に優れており、また、水返し専用部材を別途取付ける必要がなくなるので、軒先の美観を保持出来ると共に、施工性の向上と共に材料費が低廉で済むと云う経済効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施例を斜視図で示す。
【図２】本発明の使用状態を斜視図で示す。
【図３】本発明に付設する水返し立壁の例を平面略図で示す。
【図４】軒樋内曲り継手の従来例を斜視図で示す。
【符号の説明】
１ 軒樋内曲り継手
１１ 前面側コーナー壁
１１１ 水返し立壁
１１２ 樋耳係止部
１２ 後面壁
１２−１ 後面側コーナー壁
１２１ 樋耳係止部
１３ 底壁
Ａ 軒樋内曲り継手
Ｂ 屋根
Ｂ−１ 谷樋
Ｃ 雨水
Ｄ 軒樋
Ｄ−１ 後面樋耳部
Ｄ−２ 前面樋耳部

Claims (1)

1. 家屋軒先の入隅に取付けられる軒樋内曲り継手において、上記内曲り継手の前面側のコーナー部に、後面側コーナー壁に対向して面をなす水返し立壁を設け、この水返し立壁を挟んで前面側コーナー壁が一体に連なるように形成したことを特徴とする軒樋内曲り継手。

Images