JP3578565B2 - ガーデン構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物の屋上、バルコニー、あるいは敷地内に容易にガーデンを形成することができるガーデン構造に関するものである。
【0002】
【背景の技術】
建物の屋上、バルコニー等にガーデンを造る場合、レンガ、ブロック、コンクリート等でガーデンの枠組みをして、この枠組内に庭土を投入して均し、さらに、ここに植栽や玉砂利等を施したり、あるいは、前記屋上やバルコニーに、単に、植木鉢やプランタ等を適当に配置したりしている場合が多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前者の場合、ガーデンを造る部材が、レンガ、ブロック、コンクリート、庭土、植栽、玉砂利等と多岐にわたるため、これらを揃えて屋上やバルコニーに搬入するのは、相当の手間がかかるとともに、特に庭土はそれが多量になると、クレーン等を利用して搬入しなければならないので、かなり大掛かりなものとなっていた。
一方、後者の場合、植木鉢やプランタを適当に配置したり、集合させただけでは、総合的に統一性のとれた美しい景観のガーデンとするのは難しかった。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、建物の屋上、バルコニー、あるいは敷地内に、総合的に統一性のとれた美しい景観のガーデンを容易に形成することができるガーデン構造を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1のガーデン構造は、例えば、図1および図2に示すように、規格化されたガーデン部材1,2を、ガーデンを形成すべき場所(バルコニー3)に並設してなり、
前記ガーデン部材1は、発泡樹脂で形成された基板1aとこの基板1a上に貼着された石板1bまたは木板21aとから構成され、
前記ガーデン部材1と別のガーデン部材2がさらに並設されており、
前記別のガーデン部材2は枠体2aを備え、この枠体2a内には、人工土壌2bが充填されこの人工土壌2b上に芝生2cまたは苔22aが植えられるか、または基板1aが挿入されこの基板1a上に砂利23aが敷き詰められ、
前記ガーデンを形成すべき場所に並設されたガーデン部材25…のうちの一部に、例えば図26に示すように、枠体25aを有するガーデン部材25が積載されており、
上側のガーデン部材25の枠体25aの側板下部に切欠部25dを形成し、この切欠部25dを下側のガーデン部材25の枠体25aの側板上部に嵌合させることによって、下側のガーデン部材25,25どうしを連結していることを特徴とする。
なお、前記枠体2aの材質としては、例えばステンレスが好適に使用されるが、ステンレス以外の金属、樹脂、陶磁器、セラミック等何を使用してもよい。
また、人工土壌上に苔22aを植える場合、例えば、苔の菌を植え付けた紙等のシート22bを人工土壌2b上に配することにより行う。
【0006】
前記規格化されたガーデン部材1,2とは、その全体的な大きさ、形状が統一化されたもので、例えば、縦横の長さが400mm程度、高さが120mm程度の略直方体状のものが挙げれるが、該ガーデン部材の大きさ、形状はこれに限ることなく、作業者が持ち運べる程度の大きさ、形状のものであればどのようなものでもよい。
また、ガーデン部材の形状としては、前記直方体状のものの他に、所定の厚さを有し、かつ、平面視における形状が三角形状、長方形状、5角形以上の多角形状等のものが挙げられ、さらに、平面視における形状が円状、長円状、楕円状のものも挙げられる。
【0007】
また、前記ガーデン部材の種類としては、ガーデンを構成する材料を使用した部材であり、下記のようなものが挙げられる。なお、ガーデン部材は下記のものに限定されるものではない。
1)図3および図4に示すように、発泡樹脂で形成された平面視正方形状の基板1a上に、御影石、人工大理石等の石からなる平面視正方形状の石板1bを貼着したもの。
2)図15および図16に示すように、前記基板1a上に、合板、ムク板等からなる平面視正方形状の木板21aを貼着したもの。
3) 図6および図7に示すように、矩形箱状をなす枠体2aの内部に人工土壌2bを充填し、この人工土壌上に芝生2cを植えたもの。
なお、前記枠体2aの材質としては、例えばステンレスが好適に使用されるが、ステンレス以外の金属、樹脂、陶磁器、セラミック等何を使用してもよい。
4) 図17および図18に示すように、前記枠体2aの内部に人工土壌2bを充填し、この人工土壌上に苔22a植えたもの。なお、人工土壌上に苔22aを植える場合、例えば、苔の菌を植え付けた紙等のシート22bを人工土壌2b上に配することにより行う。
5) 図19および図20に示すように、前記枠体2aの内部に発泡樹脂で形成され、かつ、高さが枠体の深さより低く設定された前記基板1aを挿入し、この基板上に砂利23aを敷き詰めたもの。
6) 図21に示すように、前記枠体2a自体を、生け花に使用する水盤として利用したものや、植物が植えられた鉢を装填したり、フラワーアレンジメントに使用される「オアシス」と称される植物を支持する支持部材を装填する箱体として利用したもの。
【0009】
前記ガーデンを形成すべき場所とは、建物の屋上、バルコニー、サンルーム等の建物の一部であったり、また、敷地内の地盤上であってもよい。
【0010】
請求項1のガーデン構造にあっては、規格化されたガーデン部材1,2を、ガーデンを形成すべき場所(バルコニー3)に並設することによって、建物の屋上、バルコニー、あるいは敷地内に、総合的に統一性のとれた美しい景観のガーデンが形成される。
また、並設されたガーデン部材1,2のうちの、少なくとも一部のガーデン部1,2材を他のガーデン部材と取り替えることによって、異なる景観のガーデンを容易に形成することができるとともに、ガーデン部材の一部が破損したり、老朽化した場合等に、容易に復旧することができる。
さらに、ガーデン部材1,2が規格されているので、これを規格化された大きさのパッケージ6(図5参照)に梱包して輸送することによって、輸送や取り扱いが簡単なものとなる。
【0012】
請求項1のガーデン構造にあっては、ガーデン部材1と別のガーデン部材2がさらに並設されており、別のガーデン部材2は枠体2aを備え、この枠体2a内には、人工土壌2bが充填されこの人工土壌2b上に芝生2cまたは苔22aが植えられるか、または基板1aが挿入されこの基板1a上に砂利23aが敷き詰められているので、建物の屋上、バルコニー、あるいは敷地内に、総合的に統一性のとれた美しい景観のガーデンが形成される。
【0014】
また、請求項1のガーデン構造にあっては、ガーデンを形成すべき場所に並設されたガーデン部材25…のうちの一部に、ガーデン部材25を積載することによって、ガーデンに立体感が醸し出される。
また、前記ガーデン部材25を、上述したような、生け花に使用する水盤や、植物が植えられた鉢等を装填する箱体として利用する場合において、上側のガーデン部材の枠体を下側のガーデン部材の植物によって隠せば、ガーデンの景観として好ましいものとなる。
【0015】
前記ガーデン部材25を積載する場合、前記ガーデンを形成すべき場所に並設されたガーデン部材上に1層に積載してもよいし、2層以上に積載してもよい。
また、前記ガーデン部材を積載する場合、上側のガーデン部材の底部に、下側のガーデン部材に係合する係合部を形成するのが望ましい。この係合部は、例えば、前記ガーデン部材25が枠体25aを有するものであれば、例えば図25および図26に示すように、この枠体25aの側板下部に切欠部25dを形成し、この切欠部25dを下側のガーデン部材25の枠体25aの側板上部に嵌合させるようにすればよい。
このようにすれば,ガーデン部材25を安定的に積載することができるとともに、上側のガーデン部材25の切欠部25dを、下側の互いに隣接するガーデン部材25,25の互いに当接している側板上部に嵌合することによって、下側のガーデン部材25,25どうしを連結することができる。
【0016】
請求項2のガーデン構造は、請求項1において、前記ガーデンを形成すべき場所の平面的な大きさを、前記ガーデン部材の平面的な大きさの整数倍に設定したものである。
【0017】
この場合、例えば、前記ガーデン部材を平面視矩形状に形成するとともに、ガーデンを形成すべき場所を、平面視において格子状に区画する。そして、区画された各格子の縦横の長さを、前記ガーデン部材の縦横の長さと等しく設定することによって、前記ガーデンを形成すべき場所に、複数のガーデン部材を縦横に敷き詰めることができる。
【0018】
請求項2のガーデン構造にあっては、ガーデンを形成すべき場所の平面的な大きさを、ガーデン部材の平面的な大きさの整数倍に設定することによって、ガーデンを形成すべき場所に、複数のガーデン部材が隙間なく敷き詰められる。
したがって、規格化されたガーデン部材を所定個数用意し、これらをガーデンを形成すべき場所に並設するだけで、容易にガーデンを形成することができる。
【0019】
請求項3のガーデン構造は、例えば、図1および図2に示すように、請求項1,2のいずれかにおいて、前記ガーデンを形成すべき場所の一部に、前記ガーデン部材1,2より高さの高いプランタ11,12,13が設置されており、このプランタ11,12,13と前記ガーデン部材1,2を並設してなるガーデン部材群10との間には、植物19が設けられており、この植物19によってプランタ11,12,13のフレームが隠されていることを特徴とする。
【0020】
前記プランタ11は、例えば図12〜図14に示すように、前記ガーデン部材より高さの高いフレーム15と、このフレーム15の上部に支持されたボックス16とから構成され、このボックス16内に、植物が植えられた鉢や、フラワーアレンジメントに使用される「オアシス」と称される植物を支持する支持部材を挿入するようにする。
【0021】
請求項3のガーデン構造にあっては、ガーデンを形成すべき場所の一部に設置されたプランタ11,12,13は、ガーデン部材1,2より高さが高いので、該プランタ11,12,13に装填された植物等は、ガーデン部材によって隠されることがなく、ガーデンの景観の一部を構成することができる。
また、前記ガーデン部材を、上述したような、生け花に使用する水盤や、植物が植えられた鉢等を装填する箱体として利用する場合において、前記プランタ11,12,13をガーデン部材の後方に配置し、プランタの前面部をガーデン部材の植物によって隠せば、ガーデンの景観として好ましいものとなる。
【0022】
請求項4のガーデン構造は、例えば図11に示すように、請求項1〜3のいずれかにおいて、前記ガーデンを形成すべき場所に並設された複数のガーデン部材1,2のうち、外周側に位置するガーデン部材1,2のみが連結金具7の両端部をそれぞれ互いに隣接するガーデン部材1,2の側面部材に係止することによって互いに連結されていることを特徴とする。
【0023】
外周側に位置するガーデン部材1,2を互いに連結する場合、例えば、コ字状の連結金具7を使用し、この連結金具7の両端部をそれぞれ互いに隣接するガーデン部材1,2の側面部に係止することによって行えばよい。
【0024】
請求項4のガーデン構造にあっては、外周側に位置するガーデン部材1,2を互いに連結することによって、外周側のガーデン部材1,2が、その縦横方向への移動が規制される。したがって、内側のガーデン部材1,2は、その縦横方向への移動が外側のガーデン部材によって規制されるので、結局のところガーデン部材全てが、その縦横方向への移動が規制され、よって、ガーデン部材全てが、所定の位置に固定されずれることがない。
【0025】
請求項5のガーデン構造は、例えば図1または図27に示すように、請求項1〜4のいずれかにおいて、前記複数のガーデン部材を並設することによって構成されたガーデン部材群10,31の外縁部と、前記ガーデンを形成すべき場所の縁部との間に、これら間を埋める調整材20,32を設置したものである。
【0026】
つまり、ガーデンを形成すべき場所の平面的な大きさが、ガーデン部材の平面的な大きさの整数倍に設定されていなければ、前記ガーデン部材群の外縁部と、ガーデンを形成すべき場所の縁部には、隙間が形成されるので、この隙間に調整材を設置するようにする。
また、ガーデン部材の平面的な大きさの整数倍に設定されている場合でも、ガーデン部材の並設の仕方のよっては、前記隙間が形成される場合があるので、この隙間に調整材を設置するようにする。
前記調整材としては、例えば、芝、人工芝、タイル等が挙げられるが、これに限ることはない。
【0027】
請求項5のガーデン構造にあっては,ガーデン部材群10,31の外縁部と、ガーデンを形成すべき場所の縁部との間に調整材20,32を設置することによって、ガーデンを形成すべき場所が、ガーデン部材1,2,21と調整材20,32とによって隙間なく敷き詰められる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明のガーデン構造の実施の形態例について説明する。
図1および図2は本発明のガーデン構造の一例を示すものである。これらの図に示すように、本例のガーデン構造は、規格化されたガーデン部材1,2を、ガーデンを形成すべき場所に並設することによって構成されている。
【0029】
前記ガーデンを形成すべき場所は、建物の2階のバルコニー3であり、該バルコニーの外周部には壁4が設けられており、また、バルコニー3には、建物の外壁に取付けられた掃出し窓5から出入りするようになっている。
【0030】
前記ガーデン部材1,2は、それぞれ縦横の長さが400mm、高さが120mmに大きさ、形状が統一化されたの略直方体状のものであり、以下のように構成されている。
すなわち、ガーデン部材1は、図3および図4に示すように、基板1aと、該基板1a上に貼着された石板1bとから構成されている。
前記基板1aは、スタイロフォームと称される発泡樹脂で形成されたもので、平面視正方形状をなしており、その下面には、ガーデン部材1をバルコニー3に設置した際における水はけをよくするための、溝1c,1cが十字状に形成されている。また、前記石板1bは、御影石で形成されたもので、前記基板1aと同形、同大の平面視正方形状をなしており、前記基板1aの上面に接着剤によって貼着されている。このような構成のガーデン部材1では、基板1aが軽量なスタイロフォームで形成されているので、重量の軽量化を図ることができる。また、前記ガーデン部材1は、基板1aをスタイロフォームに代えて軽量なセラミック等で形成してもよい。
なお、前記構成のガーデン部材1は、図5に示すようなダンボール製のパッケージ6に梱包されて、輸送されるようになっている。
【0031】
また、前記ガーデン部材2は、図6および図7に示すように、矩形箱状をなす枠体2aと、この枠体2a内に充填された人工土壌2bと、この人工土壌2b上に植えられた芝生2cとから構成されている。
前記枠体2aはステンレス製のもので、図8〜図10に示すように、四角筒状に形成された枠本体2dの底面四隅部に、それぞれれ三角形状の三角底板2eを形成し、これら三角底板2e…上に、多数の小孔が形成されたパンチングメタル2fを上方から載置して枠本体2dの底部を形成し、さらに、前記三角底板2eの底面に、ゴムシート2gを貼着することにより構成されており、前記枠本体2dには、その四隅部にそれぞれ2個の孔2h,2hが合計で8個形成されている。前記ゴムシート2gは、ガーデン部材2,2間、およびガーデン部材1,2間の不陸を解消するためのもので、ガーデン部材1,2を敷き詰めた際に、これらの上面が面一となるように、適宜の枚数が貼着されるようになっている。
【0032】
また、前記人工土壌2bは、その上面を前記枠体2aの上縁部より低くして、該枠体2a内に充填されている。一方、前記芝生2cは、平面視正方形状に形造られており、前記人工土壌2b上に正方形状のまま植えこまれ、該芝生2cの先端は、枠体2aの上縁部より若干突出されている。
なお、このような構成のガーデン部材2も、前記ガーデン部材1と同様に、パッケージ6に梱包されて輸送されるようになっている。
【0033】
そして、上記構成のガーデン部材1,2は図11に示すように、バルコニー3上に碁盤目状に並設するが、この場合、バルコニー3のコーナ部3aから縦横に順次敷き詰めていき、さらに、ガーデン部材1と2とが互い違いになるように敷き詰めていく。
また、前記バルコニー3に並設された多数のガーデン部材1,2…のうち、外周側に位置するガーデン部材1,2を互いに連結する。この連結は、コ字状の連結金具7を使用して行う。そして、この連結金具7で、外周側において互いに隣接するガーデン部材1,2を連結するには、該連結金具7の一方の端部をガーデン部材1の発泡樹脂製の基板1aの側面に刺し込み、また、連結金具7の他方の端部をガーデン部材2の枠体2aに形成された2hに刺し込むことによって行う。なお、外周側のうち、入隅部において隣接するガーデン部材2,2は、図1に示すように、略M字状をなす連結金具8で連結する。
【0034】
このように、外周側に位置するガーデン部材1,2、およびガーデン部材2,2を互いに連結することによって、外周側のガーデン部材1,2…が、その縦横方向への移動が規制される。したがって、内側のガーデン部材1,2は、その縦横方向への移動が外周側のガーデン部材1,2によって規制されるので、結局のところガーデン部材全てが、その縦横方向への移動が規制される。よって、ガーデン部材全てが、所定の位置に固定されるので、該ガーデン部材1,2のずれを防止することができる。
【0035】
また、前記バルコニー3には、前記ガーデン部材1,2を並設してなるガーデン部材群10から所定間隔離間した位置に、プランタ11,12,13がバルコニー3の壁4に沿って設置されている。
これらプランタ11,12,13は、前記ガーデン部材1,2より高さが高いものであり、その高さはプランタ11,12,13の順で高く設定されている。前記プランタ11,12,13は、高さが異なるだけでその他は同様の構成であるので、プランタ11の構成を以下に説明し、他のプランタ12,13の構成の説明は省略する。
【0036】
すなわち、前記プランタ11は、図12〜図14に示すように、ガーデン部材1,2より高さの高いフレーム15と、このフレーム15の上部に支持されたボックス16とから構成されている。前記フレーム15は、棒状をなすフレーム材15a…を略直方体状に組み立てて形成されたもので、その底部四隅には、フレーム材15aから下方に突出可能に設けられて、突出長さを調整することによってフレーム15を鉛直に設置するための設置部17が設けられている。
また、前記ボックス16は植物が植えられた鉢等が装填されるもので、その開口部にはフランジ部16aが形成されている。そして、このボックス16は前記フレーム15の上部開口に挿入され、フランジ部16aをフレーム15の上部開口を構成するフレーム15aに上方から当接することによって、フレーム15に支持されるようになっている。
【0037】
そして、前記プランタ11,12,13には、図2に示すように、鉢に植えられた植物18…が装填されている。前記プランタ11,12,13はガーデン部材1,2より高さが高いので、該プランタ11,12,13に装填された植物18…は、ガーデン部材1,2によって隠されることがなく、ガーデンの景観の一部を構成することができる。
また、前記プランタ11,12,13と前記ガーデン部材群10との間には、植物19…が植えこまれるか、あるいは鉢植えされて設けられており、これら植物19…によって、プランタ11,12,13のフレームおよびボックスが隠されている。したがって、プランタ11,12,13のフレームおよびボックスはガーデンの景観から隠されるので、ガーデンの景観として好ましいものとなる。
【0038】
さらに、図1および図2に示すように、前記ガーデン部材群10の右側の外縁部と、バルコニー3の右側の縁部との間には、これら間を埋める調整材20が設置されている。
前記調整材20は芝生であり、この芝生20を植え込むことによって、バルコニー3が、ガーデン部材1,2、調整材(芝生)20、さらには上述したプランタ12,13,14に装填された植物18、プランタ12,13,14の前方に植えこまれるかあるいは鉢植えされた植物19によって隙間なく敷き詰められるので、美しい景観のガーデンを形成することができる。
【0039】
上述したように、本例のガーデン構造では、規格化されたガーデン部材1,2バルコニー3に並設することによって、該バルコニー3に総合的に統一性のとれた美しい景観のガーデンを容易に形成することができる。
また、並設されたガーデン部材1,2のうちの、少なくとも一部のガーデン部材1,2を他のガーデン部材と取り替えることによって、異なる景観のガーデンを容易に形成することができるとともに、ガーデン部材1,2の一部が破損したり、老朽化した場合等に、容易に復旧することができる。
さらに、ガーデン部材1,2が規格されているので、これを図5に示すようなパッケージ6に梱包して輸送することによって、輸送や取り扱いを簡単なものとすることができる。
【0040】
なお、本例では、バルコニー3にガーデン部材1,2を並設しているが、並設するガーデン部材としては、前記ガーデン部材1,2の他にも以下のようなガーデン部材21,22,23,24が挙げられる。
前記ガーデン部材21は、図15および図16に示すように、前記基板1aとこの基板1a上に貼着された、合板、ムク板等からなる平面視正方形状の木板21aとから構成されている。
【0041】
前記ガーデン部材22は、図17および図18に示すように、前記枠体2aと、この枠体2aの内部に充填された人工土壌2bと、この人工土壌2bに植え付けられた苔22aとから構成されている。なお、人工土壌2b上に苔を植える場合、例えば、苔の菌を植え付けた紙等のシート22bを人工土壌2b上に配することにより行う。
【0042】
前記ガーデン部材23は、図19および図20に示すように、前記枠体2aと、この枠体2aに装填された前記基板1aと、この基板1a上に敷き詰められた砂利23aとから構成されている。
前記ガーデン部材24は、図21に示すように、前記枠体2aと、この枠体2aの4つの内側面からそれぞれ突出形成された突起24a…とから構成されている。
そして、このガーデン部材24は、生け花に使用する水盤として利用されたり、植物が植えられた鉢を装填したり、フラワーアレンジメントに使用される「オアシス」と称される植物を支持する支持部材を装填する箱体として利用されるようになっている。なお、前記突起24aは、前記鉢や支持部材を側面側から支える部材として使用されるものである。
なお、前記ガーデン部材21,22,23,24は、ガーデン部材1,2と同形、同大に形成されており、図5に示すようなパッケージ6に梱包して輸送されるようになっている。
【0043】
また、上記の例では、高さの等しいガーデン部材1,2をバルコニー3に並設するようにしたが、ガーデン部材1,2の一部に代えて、該ガーデン部材1,2と高さの異なるガーデン部材25を並設してもよい。
前記ガーデン部材25は、図22〜図24に示すように、ガーデン部材1,2より高さが高いもので、その高さは250mm程度に設定されている。また、ガーデン部材25の平面視における縦横の長さは前記ガーデン部材1,2と等しく設定されている。
【0044】
前記ガーデン部材25は、ステンレス製のもので、四角筒状に形成された枠体25aと、この枠体25aの底部に設けられた底板25bとから構成されており、この底板25bは、枠体25の下端より若干上方に配設された上げ底となっている。
また、前記底板25bの中央部には、水抜き用の孔25c…が形成されている。さらに、前記枠体25aの4枚の側板の下端部中央には、それぞれ矩形状をなす切欠部25dが形成されている。この切欠部25dは、ガーデン部材25を積み重ねる際に使用されるもので、その幅は、枠体25aの板厚の約2倍程度に設定されている。
【0045】
そして、前記構成のガーデン部材25は、図25に示すように、前記枠体25a内に、直接植物26を植え込んだり、あるいは、鉢植えされた植物を鉢ごと装填することによって使用されるようになっている。
したがって、前記植物26が植えこまれたガーデン部材25を、前記ガーデン部材群10を構成するガーデン部材1,2の一部に代えて、バルコニー3に設置すれば、ガーデンに凹凸が生じてガーデンの景観に立体感が醸し出されることになる。
【0046】
また、前記ガーデン部材25は、図26に示すように、上下に積載してもよい。この場合、上側のガーデン部材25に形成された前記切欠部25dを下側のガーデン部材25の枠体25aの側板上部に嵌合させることにより行う。このようにすれば、ガーデン部材25…を安定的に積載することができるとともに、上側のガーデン部材25の切欠部25dによって、下側の互いに隣接するガーデン部材25,25どうしを連結することができる。
【0047】
このように、ガーデン部材25を積載すれば、ガーデンの景観に立体感が醸し出され、より美しいガーデンを形成することができる。
また、上側のガーデン部材25の枠体25aを下側のガーデン部材25の植物26によって隠せば、ガーデンの景観として好ましいものとなる。
【0048】
図27は、本発明のガーデン構造の他の例を示すものである。この図は、建物の3階のバルコニーを示す平面図であり、該バルコニー30がガーデンを形成すべき場所とされている。
前記バルコニー30には、前記ガーデン部材1と、ガーデン部材21とが碁盤目状に、かつ、ガーデン部材1と21とが互い違いになるように並設されている。
また、前記バルコニー30に並設された多数のガーデン部材1,21…のうち、左右の外周側に位置するガーデン部材1,21は、コ字状の連結金具によって互いに連結されている。
【0049】
さらに、前記ガーデン部材1,21を並設することによって構成されたガーデン部材群31の左右の外縁部と、バルコニー30の左右の縁部との間には、これら間を埋める調整材32が設置されている。
この調整材32は芝生であり、この芝生32を植え込むことによって、バルコニー30が、ガーデン部材1,21、調整材(芝生)32、さらには、ガーデン部材群31の前方に設けられた植物33によって隙間なく敷き詰められるので、美しい景観のガーデンを形成することができる。なお、図27において符号34は椅子、符号35はテーブルを示している。
【0050】
この例のガーデン構造においても、上述したガーデン構造と同様に、規格化されたガーデン部材1,21バルコニー30に並設することによって、該バルコニー30に総合的に統一性のとれた美しい景観のガーデンを容易に形成することができる。
【0051】
なお、上述した二つの例では、ガーデン部材1,2,21を並設することによって構成されるガーデン部材群10,31の外縁部と、バルコニー3,30との間に調整材20,32を設置するようにしたが、ガーデン部材を並設するバルコニーの平面的な大きさをガーデン部材の平面的な大きさの整数倍に設定すれば、前記調整材20,32を設置しなくてもよい。
【0052】
例えば、ガーデン部材を並設するバルコニーを、平面視において格子状に区画し、この区画された各格子の縦横の長さを、前記ガーデン部材の縦横の長さと等しく設定することによって、前記バルコニーに、複数のガーデン部材を縦横に敷き詰めることができる。
したがって、この場合、規格化されたガーデン部材を所定個数用意し、これらをバルコニーに並設するだけで、容易にガーデンを形成することができる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1のガーデン構造は、規格化されたガーデン部材を、ガーデンを形成すべき場所に並設してなるものであるから、建物の屋上、バルコニー、あるいは敷地内に、総合的に統一性のとれた美しい景観のガーデンを容易に形成することができる。
また、並設されたガーデン部材のうちの、少なくとも一部のガーデン部材を他のガーデン部材と取り替えることによって、異なる景観のガーデンを容易に形成することができるとともに、ガーデン部材の一部が破損したり、老朽化した場合等に、容易に復旧することができる。
さらに、ガーデン部材が規格されているので、これを規格化された大きさのパッケージに梱包して輸送することによって、輸送や取り扱いを簡単なものとすることができる。
【0054】
請求項1のガーデン構造は、ガーデン部材と別のガーデン部材がさらに並設されており、別のガーデン部材は枠体を備え、この枠体内には、人工土壌が充填されこの人工土壌上に芝生または苔が植えられるか、または基板が挿入されこの基板上に砂利が敷き詰められているので、建物の屋上、バルコニー、あるいは敷地内に、総合的に統一性のとれた美しい景観のガーデンが形成される。
【0055】
また、請求項1のガーデン構造は、前記ガーデンを形成すべき場所に並設されたガーデン部材のうちの一部に、ガーデン部材を積載したものであるから、ガーデンに立体感を醸し出すことができ、より美しい景観のガーデンを形成することができる。
また、上側のガーデン部材の枠体を下側のガーデン部材の植物によって隠すことによって、ガーデンの景観をさらに美しくすることができる。
【0056】
請求項2のガーデン構造は、請求項1において,前記ガーデンを形成すべき場所の平面的な大きさを、前記ガーデン部材の平面的な大きさの整数倍に設定したものであるから、ガーデンを形成すべき場所に、複数のガーデン部材を隙間なく敷き詰めることができる。したがって、規格化されたガーデン部材を所定個数用意し、これらをガーデンを形成すべき場所に並設するだけで、容易にガーデンを形成することができる。
【0057】
請求項3のガーデン構造は、請求項1,2のいずれかにおいて、前記ガーデンを形成すべき場所の一部に、前記ガーデン部材より高さの高いプランタを設置したものであるから、該プランタに装填された植物等は、ガーデン部材によって隠されることなく、ガーデンの景観の一部を構成することができるので、さらに美しい景観のガーデンを形成することができる。
また、前記プランタをガーデン部材の後方に配置し、プランタの前面部をガーデン部材の植物によって隠せば、ガーデンの景観をさらに美しくすることができる。
【0058】
請求項4のガーデン構造は、請求項1〜3のいずれかにおいて、前記ガーデンを形成すべき場所に並設された複数のガーデン部材のうち、外周側に位置するガーデン部材を互いに連結したものであるから、外周側のガーデン部材が、その縦横方向への移動が規制され、これによって、内側のガーデン部材も、その縦横方向への移動が規制される。したがって、ガーデン部材全てが、その縦横方向への移動が規制されるので、ガーデン部材全てを、所定の位置にずれることなく容易かつ確実に固定することができる。
【0059】
請求項5のガーデン構造は、請求項1〜4のいずれかにおいて、前記複数のガーデン部材を並設することによって構成されたガーデン部材群の外縁部と、前記ガーデンを形成すべき場所の縁部との間に、これら間を埋める調整材を設置したものであるから、ガーデンを形成すべき場所が、ガーデン部材と調整材とによって隙間なく敷き詰められ、よって、ガーデンの景観を美しくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガーデン構造の一例を示すもので、ガーデンの平面図である。
【図2】同、ガーデンの斜視図である。
【図3】図1に示すガーデンを構成するガーデン部材を示すもので、ガーデン部材の分解斜視図である。
【図4】同、ガーデン部材の斜視図である。
【図5】図4に示すガーデン部材を梱包するためのパッケージの斜視図である。
【図6】図1に示すガーデンを構成する他のガーデン部材を示すもので、ガーデン部材の分解斜視図である。
【図7】同、ガーデン部材の斜視図である。
【図8】図7に示すガーデン部材の枠体を示すもので、枠体の平面図である。
【図9】同、枠体の側面図である。
【図10】同、枠体の側断面図である。
【図11】本発明のガーデン構造の一例を示すもので、ガーデン部材を並設している状態を示す斜視図である。
【図12】図1に示すガーデンを構成するプランタを示すもので、プランタの平面図である。
【図13】同、プランタの正面図である。
【図14】同、プランタの側面図である。
【図15】ガーデン部材の第1変形例を示すもので、ガーデン部材の分解斜視図である。
【図16】同、ガーデン部材の斜視図である。
【図17】ガーデン部材の第2変形例を示すもので、ガーデン部材の分解斜視図である。
【図18】同、ガーデン部材の斜視図である。
【図19】ガーデン部材の第3変形例を示すもので、ガーデン部材の分解斜視図である。
【図20】同、ガーデン部材の斜視図である。
【図21】ガーデン部材の第3変形例を示すもので、ガーデン部材の分解斜視図である。
【図22】ガーデン部材の第4変形例を示すもので、ガーデン部材の平面図である。
【図23】同、ガーデン部材の側面図である。
【図24】同、ガーデン部材の側断面図である。
【図25】同、ガーデン部材に植物を装填している状態を示す斜視図である。
【図26】同、ガーデン部材を積載している状態を示す斜視図である。
【図27】本発明のガーデン構造の他の例を示すもので、ガーデンの平面図である。
【符号の説明】
1,2,21,22,23,24,25 ガーデン部材
3,30 バルコニー(ガーデンを形成すべき場所)
10,31 ガーデン部材群
11,12,13 プランタ
20,32 芝生(調整材)
Claims (5)
- 規格化されたガーデン部材を、ガーデンを形成すべき場所に並設してなり、
前記ガーデン部材は、発泡樹脂で形成された基板とこの基板上に貼着された石板または木板とから構成され、
前記ガーデン部材と別のガーデン部材がさらに並設されており、
前記別のガーデン部材は枠体を備え、この枠体内には、人工土壌が充填されこの人工土壌上に芝生または苔が植えられるか、または基板が挿入されこの基板上に砂利が敷き詰められ、
前記ガーデンを形成すべき場所に並設された枠体を有する前記ガーデン部材のうちの一部に、枠体を有するガーデン部材が積載されており、
上側のガーデン部材の枠体の側板下部に切欠部を形成し、この切欠部を下側のガーデン部材の枠体の側板上部に嵌合させることによって、下側のガーデン部材どうしを連結していることを特徴とするガーデン構造。 - 請求項1に記載のガーデン構造において、
前記ガーデンを形成すべき場所の平面的な大きさが、前記ガーデン部材の平面的な大きさの整数倍に設定されていることを特徴とするガーデン構造。 - 請求項1,2のいずれかに記載のガーデン構造において、
前記ガーデンを形成すべき場所の一部に、前記ガーデン部材より高さの高いプランタが設置されており、このプランタと前記ガーデン部材を並設してなるガーデン部材群との間には、植物が設けられており、この植物によってプランタのフレームが隠されていることを特徴とするガーデン構造。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のガーデン構造において、
前記ガーデンを形成すべき場所に並設された複数のガーデン部材のうち、外周側に位置するガーデン部材のみが連結金具の両端部をそれぞれ互いに隣接するガーデン部材の側面部に係止することによって互いに連結されていることを特徴とするガーデン構造。 - 請求項1〜4のいずれかに記載のガーデン構造において、
前記複数のガーデン部材を並設することによって構成されたガーデン部材群の外縁部と、前記ガーデンを形成すべき場所の縁部との間に、これら間を埋める調整材が設置されていることを特徴とするガーデン構造。
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