JP3578546B2 - トラス架構の耐震補強構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は既設の、あるいは新設のトラス架構においてトラス部材の負担する軸力を低減する耐震補強構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
例えば既設のトラス架構を耐震補強する場合、従来は強度不足と判断された特定のトラス部材を強度の大きいトラス部材に交換する作業が行われるが、この方法では交換されるトラス部材の回収によって架構が形態を維持できなくなることから、交換されるトラス部材の周辺に支保工を設置することが不可欠になり、架構を新規に構築する場合と同様の大がかりな作業を要するため、工期の長期化と工費の上昇は避けられない。
【0003】
この発明は上記背景より工期と工費の問題を解消する耐震補強構造を提案するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1では複数のトラス部材が集合する架構の上面側の節点位置と、その節点の下方に位置する節点以外の、複数のトラス部材が集合する架構の下面側の節点位置にそれぞれ取付ピースを固定し、両取付ピース間に引張材を架設し、引張材の端部を取付ピースに接合してトラス部材が負担する軸力を低減することにより、既設のトラス架構に対して耐震補強する場合に特定のトラス部材を回収する作業と、回収に伴う支保工の設置を不要にし、短期間、且つ低コストで耐震補強のための作業を遂行する。
【0005】
耐震補強は既設のトラス架構に対して実施される他、新設のトラス架構に組み込まれる形で実施される。
【0006】
トラス架構が例えば上弦材と下弦材及び斜材からなる場合、引張材の架設によって既設トラス架構の上弦材と下弦材が負担していた、あるいは新設トラス架構の上弦材と下弦材が負担すべき軸力の一部が低減されるため、トラス部材は水平力作用時の応力に対して余裕を持ち、耐震補強される。
【0007】
また請求項2に記載のように、請求項1の引張材に張力を導入することにより架構を収縮させようとする力(プレストレス)が加わるため、トラス部材の応力レベルが低下する結果、トラス部材の部材断面を削減することが可能となり、架構重量の低減が図られる。
【0008】
【発明の実施の形態】
請求項1記載の発明は図1,図3に示すように架構の上面側の節点位置と、その節点の下方に位置する節点以外の、架構の下面側の節点位置のそれぞれに取付ピース1,1を固定し、両取付ピース1,1間に引張材2を架設することにより、トラス部材が負担する軸力を低減するものである。図1,図3においては●が取付ピース1を示す。
【0009】
図面では複数の上弦材3が集合する節点と、複数の下弦材4が集合する節点間に束材6を配置し、隣接する束材6,6間に複数の斜材5を架設したトラス架構を示すが、軸力を低減させる対象となるトラス部材は主として上弦材3と下弦材4であり、場合により束材6と斜材5の軸力も低減される。
【0010】
図1,図3の各平面図である図2,図4では上弦材3と下弦材4が平面上、鎖線で示す棟心に対して交差する2方向に架設され、架構が菱形の網目を形成しているが、トラス架構は図6に示すように棟心に直交する方向に配置されるトラスと、棟心方向に隣接するトラスを接続するつなぎ材14から構成される場合もある。つなぎ材14は図6のx−x線矢視図である図7に示すように上弦材と下弦材及び斜材からなる場合と、図8に示すように上弦材と斜材からなる場合がある。
【0011】
図1,図2は棟心に直交する方向(スパン方向)に隣接する束材6,6間に引張材2を架設した場合を示す。ここでは棟心上に位置する束材6の、架構の下面側の節点である下端と、その束材6にスパン方向に隣接する束材6の、架構の上面側の節点である上端に取付ピース1を固定し、両取付ピース1,1間に引張材2を架設している。図2,図4においては〇が取付ピース1が固定される束材6の配置位置を示すが、束材6は架構の上面側の節点と、その下方に位置する節点を結ぶように配置される。
【0012】
図3,図4は図1,図2における取付ピース1の固定と引張材4の架設に加え、棟心上に位置する束材6の上端と、その束材6にスパン方向に隣接する束材6の下端に取付ピース1を固定し、両取付ピース1,1間に引張材2を架設して2本の束材6,6間で引張材2,2を交差させた場合である。図3,図4では引張材4を破線で示す。
【0013】
取付ピース1は図9に示すように架構の上面側の節点位置では上弦材3に、もしくは図10に示すように全上弦材3に跨って全上弦材3に接合される天板7にボルト8や溶接により接合され、架構の下面側の節点位置では下弦材4、もしくは全下弦材4に跨って全下弦材4に接合される地板にボルト8や溶接により固定される。
【0014】
引張材2にはタイロッドのような鋼棒やワイヤのような鋼線、あるいは溝形鋼や山形鋼等の形鋼が使用される。例えば鋼棒を引張材2として使用した場合、引張材2の端部はナット15により取付ピース1に接合され、特に図9に示すように引張材2が2分割された2本の鋼棒である場合には鋼棒間に跨るターンバックル9を回すことにより取付ピース1,1間に架設される。
【0015】
請求項2記載の発明は引張材2に張力を導入した場合であるが、鋼棒を用いた引張材2へは取付ピース1への接合端を引っ張った状態でナット15で定着することにより、あるいはターンバックル9の回転により張力が導入される。
【0016】
図5,図6は前記の通り、上弦材3と下弦材4及び斜材5からなるトラスが棟心に直交する方向に配置され、棟心方向に隣接するトラス間につなぎ材14が架設され、平面上、四角形の網目を形成するトラス架構に引張材2を平面上、四角形の対角線方向に架設した場合において、架構の上面側の節点位置と、その下面側の節点を通して下端が架構の下面より突出する束材 10 を配置し、この束材 10 の下端位置と、その束材 10 の上端位置の節点以外の、架構の上面側の節点位置のそれぞれに取付ピース1,1を固定し、両取付ピース1,1間に引張材2を架設する方法と請求項1の発明を組み合わせて実施した場合である。図6では〇が取付ピース1が固定される束材6,または束材10の配置位置を示す。
【0017】
束材 10 は既設の架構に対しては、架構の上面側の節点と下面側の節点を結ぶ束材6の下端にその長さを延長させる部材を接続することにより、新設の架構に対しては束材6より長い部材を使用することにより架構内に組み込まれる。図6において〇が束材 10 ,または束材6の配置位置を示す。
【0018】
図5では棟心上に位置する束材6の下端と、それに平面上、対角線方向に隣接する束材6の上端との間に引張材2を架設する他、その引張材2が接続した束材6に隣接する束材6の下端に束材10を付加し、その束材10の下端とそれに隣接する束材6,6の上端との間に引張材2,2を架設し、取付ピース1を経て引張材2が連続する形で配置している。
【0019】
図6では架構のスパン方向端部寄りの、束材6(10)が配置されない節点間に水平ブレース16を架設しているが、水平ブレース16は隣接するトラスの上弦材3,3間、または下弦材4,4間、あるいは上弦材3と下弦材4間に架設される。
【0020】
図5,図6の場合、束材6と束材10の配置上の組み合わせや、それによる引張材2の架設の仕方は自由に選択でき、立面上、図1のように束材6(10)の上端とそれに隣接する束材6(10)の下端間に階段状に引張材2を架設する場合の他、図3のように引張材2が隣接する束材6(10),6(10)間で交差する形で引張材2を架設する場合もある。
【0021】
図11は束材6,または束材10を挟む斜材5,5の中間部間に上弦材3や下弦材4に平行に補強材13を架設することで、請求項1の発明に加えて二次的にトラス部材を補強する方法を示す。
【0022】
引張材2は少なくとも強度的に補強が必要とされる部位に配置されればよいことから、図示した例の他、平面上、あるいは立面上、トラス架構内に部分的にのみ配置される場合もあり、また図2,図4,図6に示すように菱形、もしくは四角形の対角線方向に規則的に配置されるとは限らず、図2に示す架構において平面上、棟心方向に配置される場合もある。
【0023】
また図面ではトラス架構がアーチ形の場合を示しているが、山形の場合や平板の場合もある。
【0024】
【発明の効果】
請求項1ではトラス架構に対して引張材を付加的に架設することでトラス部材が負担する軸力を低減する構造であるため、既設のトラス架構に対して耐震補強する場合に特定のトラス部材を回収する作業と、回収に伴う支保工の設置が不要になり、短期間、且つ低コストで耐震補強のための作業を遂行でき、新設のトラス架構に対しても効果的に耐震補強できる。
【0025】
請求項2では引張材への張力導入によって架構に対し、架構を収縮させようとする力(プレストレス)を加えるため、トラス部材の応力レベルが低下し、トラス部材の部材断面を削減することが可能となり、架構重量の低減が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1記載発明の実施状態を示した立面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】請求項1記載発明の他の実施状態を示した立面図である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】請求項1と、架構の下面から突出する束材を組み合わせて実施した状態を示した立面図である。
【図6】図5の平面図である。
【図7】図6のx−x線矢視図である。
【図8】図6の他のx−x線矢視図である。
【図9】節点への取付ピースの固定と引張材の架設状態を示した立面図である。
【図10】節点への取付ピースの他の固定状態を示した立面図である。
【図11】請求項1に対して付加的に実施される補強方法を示した立面図である。
【符号の説明】
1……取付ピース、2……引張材、3……上弦材、4……下弦材、5……斜材、6……束材、7……天板、8……ボルト、9……ターンバックル、10……束材、13……補強材、14……つなぎ材、15……ナット、16……水平ブレース。
Claims (2)
- 複数のトラス部材から構成され、トラス部材である上弦材と下弦材が平面上、棟心に対して交差する2方向に架設され、菱形の網目を形成するトラス架構、またはトラス部材である上弦材と下弦材及び斜材からなるトラスが棟心に直交する方向に配置され、棟心方向に隣接するトラス間にトラス部材からなるつなぎ材が架設され、平面上、四角形の網目を形成するトラス架構において、強度的に補強が必要とされる部位の前記2方向に架設された複数のトラス部材が集合する架構の上面側の節点位置と、その節点の下方に位置する節点以外の、前記2方向に架設された複数のトラス部材が集合する架構の下面側の節点位置にそれぞれ取付ピースを固定し、平面上、前記菱形網目、もしくは四角形網目の対角線方向となる両取付ピース間に引張材を架設し、引張材の端部を取付ピースに接合してあるトラス架構の耐震補強構造。
- 引張材に張力を導入してある請求項1記載のトラス架構の耐震補強構造。
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JP07868096A JP3578546B2 (ja) | 1996-04-01 | 1996-04-01 | トラス架構の耐震補強構造 |
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JPH09268649A JPH09268649A (ja) | 1997-10-14 |
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1996
- 1996-04-01 JP JP07868096A patent/JP3578546B2/ja not_active Expired - Lifetime
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