JP3578432B2 - 電動補助自転車におけるモータ制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体フレームに支持されたケーシングで回転自在に支承されるとともに両端にクランクペダルをそれぞれ有するクランク軸と、後輪に動力を伝達する動力伝達部材との間に、第1一方向クラッチを有する第1動力伝達系が設けられ、前記ケーシングに固定的に取付けられる電動アシストモータと前記動力伝達部材との間に、第2一方向クラッチを有する第2動力伝達系が設けられる電動補助自転車において、電動アシストモータの作動を制御するためのモータ制御装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、かかる電動補助自転車は、たとえば特開平7−40878号公報等により既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のものでは、電動アシストモータからのアシスト力を後輪に付与している状態での自転車速度を代表する回転速度を検出するための回転速度検出手段が、クランク軸と同軸である動力伝達部材に関連して設けられている。すなわち第1動力伝達系の一部を構成する遊星歯車機構における外周歯車が動力伝達部材に結合されており、その外周歯車の外周の歯が被検出部とされ、該被検出部を検出するセンサがケーシングに固定されている。ところが、電動アシストモータからのアシスト力を動力伝達部材に作用させている状態で、動力伝達部材の回転速度は電動アシストモータの回転速度に比べて低く、そのように回転速度が低い部材の回転速度を検出することから、上述のように比較的大径である外周歯車を用いる必要が生じるとともに、検出精度を高めるためにホール素子等の比較的高価な半導体素子をセンサとして用いる必要があり、回転速度検出手段だけでなくケーシングの大型化を招くとともにコスト高を招くことになる。
【0004】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、小型化および低コスト化を可能として自転車速度を代表する回転速度を検出し得るようにした上で、モータ制御を円滑に行い得るようにした電動補助自転車におけるモータ制御装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、車体フレームに支持されたケーシングで回転自在に支承されるとともに両端にクランクペダルをそれぞれ有するクランク軸と、後輪に動力を伝達する動力伝達部材との間に、第1一方向クラッチを有する第1動力伝達系が設けられ、前記ケーシングに固定的に取付けられる電動アシストモータと前記動力伝達部材との間に、第2一方向クラッチを有する第2動力伝達系が設けられる電動補助自転車において、電動アシストモータおよび第2一方向クラッチ間で第2動力伝達系の一部を構成する回転部材の回転速度を検出する回転速度検出手段と、クランクペダルの入力トルクを検出するトルク検出手段と、それらの検出手段の検出値に基づいて電動アシストモータの作動を制御するとともに回転速度検出手段による検出回転速度が前回の回転速度から設定値を超えて変化した場合には前回の回転速度に該設定値を加算した値を電動アシストモータの作動制御用回転速度として用いるコントローラとを含むことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
【0007】
図1ないし図13は本発明の一実施例を示すものであり、図1は電動補助自転車の側面図、図2はモータユニットの縦断側面図であって図3の2−2線断面図、図3は図2の3−3線断面図、図4は図3の要部拡大図、図5は図4の5−5線断面図、図6は図4の6−6線断面図、図7はスライダインナーおよびクラッチ内輪の係合状態を図4の7−7線矢視方向から見て示す図、図8は電動アシストモータの制御装置の構成を示すブロック図、図9はコントローラで設定されるメインルーチンを示すフローチャート、図10はコントローラでの割込み処理を示すフローチャート、図11はコントローラでの割込み処理を説明するための図、図12はモータロック判別処理を行なうサブルーチンのフローチャート、図13は踏込み操作を一旦停止したときの回転速度の変化を示す図である。
【0008】
先ず図1において、この電動補助自転車は、側面視で略U字状をなす車体フレーム21を備え、該車体フレーム21の前端のヘッドパイプ22にフロントフォーク23が操向可能に支承され、該フロントフォーク23の下端に前輪WF が軸支され、フロントフォーク23の上端にバーハンドル24が設けられる。また車体フレーム21の下部には、電動アシストモータ30を有するモータユニット31が設けられており、該モータユニット31の後部上方で車体フレーム21から後下がりに延びるとともにモータユニット31の後方では略水平に延出される左、右一対のリヤフォーク25…間に後輪WR が軸支され、両リヤフォーク25…および車体フレーム21の後部間には左、右一対のステー26…が設けられる。さらに車体フレーム21の後部には、上端にシート27を備えるシートポスト28が、シート27の上下位置を調整可能として装着されており、シート27の後方側にはキャリア29が固定配置される。
【0009】
両端にクランクペダル32,32をそれぞれ有するクランク軸33がモータユニット31で回転自在に支承され、該クランク軸33から動力を伝達可能であるとともに前記電動アシストモータ30からのアシスト力をも作用させ得る駆動スプロケット34と、後輪WR の車軸に設けられた被動スプロケット35とに無端状のチェーン36が巻掛けられる。
【0010】
電動アシストモータ30の作動は、モータユニット31の前方側で車体フレーム21の下部に固定的に支持されたコントローラ37で制御されるものであり、該コントローラ37は、電動アシストモータ30の回転数および入力ペダル32,32による入力トルクに基づいて電動アシストモータ30の作動を制御する。
【0011】
ヘッドパイプ22にはブラケット43を介してフロントバスケット38が取付けられる。しかも該フロントバスケット38の背面部に配置されるバッテリ収納ケース39も前記ブラケット43に取付けられており、電動アシストモータ30に電力を供給するためのバッテリ40がバッテリ収納ケース39に挿脱可能に収納される。
【0012】
ところで、車体フレーム21の大部分はカバー41で覆われており、該カバー41の上部に、バッテリ40からコントローラ37および電動アシストモータ30に電力を供給するためのメインスイッチ42が配設される。
【0013】
図2、図3および図4を併せて参照して、モータユニット31のケーシング45は、左ケーシング半体46と、該左ケーシング半体46との間に第1収納室49を形成して左ケーシング半体46に結合される右ケーシング半体47と、左ケーシング半体46との間に第2収納室50を形成して左ケーシング半体46に結合されるカバー48とから成り、左、右ケーシング半体46,47が一対のボルト51,51により車体フレーム21の下部に共締めされる。
【0014】
クランク軸33は、その大部分を第1収納室49内に配置するようにしてケーシング45に回転自在に支承されるものであり、ボールベアリング52を介して右ケーシング半体47に支承された動力伝達部材としての回転筒体53の内周に、前記クランク軸33の右端部がローラベアリング54を介して支承され、クランク軸33の左端部はボールベアリング55を介して左ケーシング半体46に支承される。而して右ケーシング半体47の右側方に配置される駆動スプロケット34が前記回転筒体53に結合される。
【0015】
クランク軸33の左右両端のクランクペダル32,32による踏力は、第1動力伝達系56を介してクランク軸33から駆動スプロケット34に伝達される。またケーシング45には、電動アシストモータ30が取付けられており、この電動アシストモータ30の出力は、クランクペダル32,32による踏力をアシストすべく第2動力伝達系57を介して駆動スプロケット34に伝達される。
【0016】
クランク軸33の動力を駆動スプロケット34に伝達するための第1動力伝達系56は、第1収納室49内に配置されるものであり、クランク軸33に連結されるトーションバー58と、回転筒体53およびトーションバー58間に設けられる第1一方向クラッチ59とで構成される。
【0017】
図5および図6を併せて参照して、クランク軸33には、その軸線に沿って延びるスリット60が設けられており、トーションバー58は、前記スリット60の左右内壁面60a,60b間に回転自在に嵌合する円柱状の軸部58aと、該軸部58の左端(図4の下端)から両側方に突出する腕部58bと、前記軸部58aの右端(図4の上端)から両側方に突出する腕部58cとを有して、前記スリット60に装着される。
【0018】
トーションバー58の一方の腕部58bは、スリット60の左右内壁面60a,60aに密に嵌合してクランク軸33に一体に結合される。またトーションバー58の他方の腕部58cは、前記左右内壁面60a,60aとの間に隙間α,αを形成してスリット60に遊嵌されており、トーションバー58の軸部58aは、腕部58cが前記隙間α,α分だけ遊動する範囲で捩れ変形することができる。
【0019】
第1一方向クラッチ59は、相対回転自在としてクランク軸33を同軸に囲繞するリング状のクラッチ内輪61と、該クラッチ内輪61を同軸に囲繞するクラッチ外輪としての回転筒体53と、クラッチ内輪61の外周に枢支されるとともに環状のスプリング63で拡開方向に付勢された複数たとえば4個のラチェット爪62…とを備え、クラッチ内輪61の内周に設けられた一対の凹部61a,61aにトーションバー58の腕部58cの両端が嵌合され、回転筒体53の内周には、前記各ラチェット爪62…を係合せしめるラチェット歯64が形成される。
【0020】
このような第1一方向クラッチ59によれば、クランクペダル32,32を踏んでクランク軸33を正転させると、クランク軸33のトルクがトーションバー58、第1一方向クラッチ59および回転筒体53を介して駆動スプロケット34に伝達されるが、クランクペダル32,32を踏んでクランク軸33を逆転させたときには、第1一方向クラッチ59がスリップしてクランク軸33の逆転が許容される。
【0021】
ところで、クランクペダル32,32からクランク軸33に図6の矢印a方向のトルクが入力されたとき、後輪WR の負荷が回転筒体53およびラチェット爪62…を介して伝達されるクラッチ内輪61が、前記矢印a方向のトルクに対して抵抗するため、トーションバー58の腕部58cがクランク軸33に対して矢印b方向に捩じれて相対回転する。その結果、クランク軸33およびクラッチ内輪61との間に、クランク軸33に入力されたトルクに応じた相対回転が生じることになる。
【0022】
クランク軸33の外周に、スライダインナー66が相対回転不能かつ軸方向相対移動可能に支持されており、このスライダインナー66の外周には、複数のボール67…を介してスライダアウター68が相対回転自在に支持される。
【0023】
図7で明示するように、第1一方向クラッチ59におけるクラッチ内輪61のスライダインナー66側の端面には凹状のカム面61bが設けられ、スライダインナー66には、該カム面61bに係合する凸状のカム面66aが設けられる。
【0024】
左ケーシング半体46に支点ピン69を介して基端部が揺動可能に支承された検出レバー70の中間部が、前記クラッチ内輪61とは反対側からスライダアウター68に当接される。一方、前記検出レバー70とともにトルク検出手段ST を構成するストロークセンサ71が左ケーシング半体46に取付けられており、該ストロークセンサ71の検出子71aに前記検出レバー70の先端が当接される。さらに検出レバー71および左ケーシング半体46間にはばね72が縮設されており、検出レバー71が該ばね72のばね力によりスライダアウター68に弾発的に当接され、スライダアウター68およびスライダインナー66は、クラッチ内輪61側に向けて付勢される。
【0025】
クランクペダル32,32からクランク軸33へのトルク入力に応じて、トーションバー58に捩れが生じると、図7で示すように、スライダインナー66がクラッチ内輪61に対して矢印c方向に相対回転し、スライダインナー66のカム面66aがクラッチ内輪61のカム面61bに押付けられる。その結果、スライダインナー66がばね72のばね力に抗してクランク軸33の軸線に沿って矢印d方向に摺動し、スライダインナー66とともに移動するスライダアウター68で押された検出レバー70が支点ピン69まわりに揺動することにより、ストロークセンサ71の検出子71aが押圧される。この検出子71aのストロークは、トーションバー58の捩れ量、すなわちクランクペダル32,32から入力される入力トルクに比例するものであり、トルク検出手段ST で入力トルクが検出されることになる。
【0026】
再び図2および図3において、電動アシストモータ30の動力を駆動スプロケット34に伝達するための第2動力伝達系57は、第2収納室50内で電動アシストモータ30の回転軸73に固着された駆動ギヤ74と、第2収納室50内で第1アイドル軸75の一端に固着されて前記駆動ギヤ74に噛合される第1中間ギヤ76と、第1収納室49内で第1アイドル軸75に一体に設けられる第2中間ギヤ77と、第2中間ギヤ77に噛合される第3中間ギヤ78と、第3中間ギヤ78と同軸に配置される第2アイドル軸79と、第3中間ギヤ78および第2アイドル軸79間に設けられる第2一方向クラッチ80と、第1収納室49内で第2アイドル軸79に一体に設けられる第4中間ギヤ81と、駆動スプロケット34が結合されている回転筒体53に一体に設けられるとともに第4中間ギヤ81に噛合される被動ギヤ82とを備える。
【0027】
第1アイドル軸75は、電動アシストモータ30の回転軸73と平行な軸線を有するものであり、右ケーシング半体47および第1アイドル軸75間にボールベアリング83が、また左ケーシング半体46および第1アイドル軸75間にボールベアリング84が介装される。第2アイドル軸79は第1アイドル軸75と平行な軸線を有するものであり、右ケーシング半体47および第2アイドル軸79間にボールベアリング85が、また左ケーシング半体46および第2アイドル軸79間にボールベアリング86が介装される。
【0028】
このような第2動力伝達系57では、電動アシストモータ30の作動に伴なうトルクが減速されて駆動スプロケット34に伝達されるが、電動アシストモータ30の作動が停止したときには、第2一方向クラッチ80の働きにより第2アイドル軸79の空転が許容され、クランクペダル32,32の踏力による駆動スプロケット34の回転が妨げられることはない。
【0029】
図8において、電動アシストモータ30を駆動するモータ駆動回路89は、コントローラ37により制御されるものであり、該コントローラ37には、トルク検出手段ST の検出値が入力されるとともに、回転速度検出手段SR の検出値が入力され、コントローラ37は、前記両検出手段ST ,SR の検出値に基づいて電動アシストモータ30の作動を制御するための信号を出力する。
【0030】
ところで、回転速度検出手段ST は、電動アシストモータ30による動力アシスト状態での自転車速度を代表する回転速度を検出するものであり、図2および図3で示すように、被検出部としてのリラクタ87と、電磁ピックアップコイル式のセンサ88とで構成される。而して外周に突部87aを有するリラクタ87が、電動アシストモータ30および第2一方向クラッチ80間で第2動力伝達系57の一部を構成する回転部材としての電動アシストモータ30の回転軸73に固定され、センサ88は、前記突部87aに近接、対向可能な検出部88aを有してケーシング45の左ケーシング半体46に固定される。
【0031】
この回転速度検出手段ST からは、突部87aが検出部88aで検出される毎に、すなわち回転軸73の回転速度に応じて時間間隔をあけたパルスが出力される。
【0032】
ところで、コントローラ37では、図9で示すメインルーチンに従って電動アシストモータ30のデューティ制御が実行されるものであり、図9のステップS1では、回転速度NCRMが「0」に設定され、ステップS2ではトルク検出手段ST の検出値が入力トルクTQRMと設定される。
【0033】
ステップS3では、回転速度NCRMおよび入力トルクTQRMによって定まるマップにより、電動アシストモータ30の駆動デューティ比Dが設定される。而して前記マップは、回転速度NCRMの増大に応じて駆動デューティ比Dを大きく、また入力トルクTQRMの増大に応じて駆動デューティ比Dを大きくするように設定されている。
【0034】
しかも回転速度NCRMについては、図10で示すように、回転速度検出手段ST からのパルス入力に応じた割込み処理により演算されるものであり、図10のステップS11では、回転速度検出手段ST の検出回転速度NCRIが、(1/パルス時間)として演算され、次のステップS12では、回転速度NCRMが、前回の回転速度NCRMに設定値NCRUPを加算した値(NCRM+NCRUP)および検出回転速度NCRIのいずれか小さい方を選択して、回転速度NCRMとする処理が行なわれる。
【0035】
すなわち、回転速度検出手段ST からのパルス入力に応じて、検出回転速度NCRIが図11の破線で示すように、前回のパルス入力時の回転速度から設定値NCRUPを超えて変化した場合には、図11の実線で示すように、前回の回転速度に前記設定値NCRUPを加算した値が電動アシストモータ30の作動を制御するための回転速度NCRMとして用いられることになり、電動アシストモータ30の作動制御にあたって回転速度NCRMの変化量が設定値NCRUP以下に抑えられることになる。
【0036】
再び図9において、ステップS3での駆動デューティ比設定後のステップS4では、設定された駆動デューティ比Dによる電動アシストモータ30の作動制御が実行される。
【0037】
またステップS4を経過した後のステップS5では、モータロック判別が、図12で示すサブルーチンに従って実行されるものであり、図12のステップS21では、モータ回転中か否かが判定され、回転中であるときには、ステップS22でカウンタをリセットし、カウント値TASSを「0」に設定する。またモータ回転中ではなかったとき、すなわち回転速度検出手段ST で検出値が得られなかったときには、ステップS23でモータ制御中か否かが判定され、非制御中であるときにはステップS23からステップS22に進んでカウンタがリセットされる。
【0038】
ステップS23において、モータ制御中であると判定されたとき、すなわちモータ制御中であるにもかかわらず電動アシストモータ30が停止状態にあるときには、ステップS24に進んでカウンタによるカウントが実行され、カウント値TASSが、前回のカウント値TASSに加算値(D/D0)を加算した値として設定される。ここで、加算値(D/D0)は、現在の駆動デューティ比Dが所定の駆動デューティ比D0で除算された値であり、現在の駆動デューティ比Dが大きければ大きい値となるものであり、現在の駆動デューティ比Dが大きければ大きい程カウントが速く進むことになる。
【0039】
ステップS24を経過した後のステップS25では、カウント値TASSが所定値TASS0以上となったかどうかが判定され、TASS≧TASS0であると判定されたときに、ステップS26で電動アシストモータ30がロック状態にあると判定される。
【0040】
このようなモータロック判別によれば、電動アシストモータ30が何らかの原因によってロック状態に陥ったときに、その電動アシストモータ30の駆動デューティ比Dが大きい程速やかにロック状態にあることが判定されることになる。而して電動アシストモータ30のロック状態において、駆動デューティ比Dが大きい程、電動アシストモータ30への印加電流が大きいので、印加電流に対応した時間で電動アシストモータ30のロック状態を判定することができ、電動アシストモータ30に関連する電気回路での焼損等を効果的に防止することができる。
【0041】
次にこの実施例の作用について説明すると、電動補助自転車を走行させるべく乗員がクランクペダル32,32を踏むと、クランク軸33の動力が第1動力伝達系56を介して駆動スプロケット34に伝達され、チェーン36および被動スプロケット35を介して後輪WR に動力が伝達されることになる。
【0042】
このときのクランクペダル32,32による入力トルクがトルク検出手段ST によって検出される。また自転車速度を代表する回転速度として電動アシストモータ30の回転速度が回転速度検出手段SR で検出されるものであり、両検出手段ST ,SR の検出値に応じたアシスト動力を電動アシストモータ30で発揮させることにより、乗員の負荷を軽減することができる。
【0043】
このような電動補助自転車において、回転速度検出手段SR は、電動アシストモータ30および第2一方向クラッチ80間で第2動力伝達系57の一部を構成する電動アシストモータ30の回転軸73に固定されたリラクタ87と、ケーシング45に取付けられたセンサ88とで構成されるものであり、回転筒体53の回転速度を検出していた従来のものと比べると、回転軸73の回転速度が回転筒体53の回転速度よりも大であることから、リラクタ87を比較的小型のものとして回転速度検出手段SR およびケーシング45の小型化を図ることが可能となるとともに、ホール素子等の高価な半導体素子を用いることなく比較的安価な電磁ピックアップ式のセンサ88を用いることが可能であり、コスト低減を図ることができる。
【0044】
ところで、回転速度検出手段SR が、第2動力伝達系57において第2一方向クラッチ80よりも電動アシストモータ30側に配設されていることから、回転速度検出手段SR の検出値をそのまま用いて電動アシストモータ30の作動を制御を行なっていたのでは、電動アシストモータ30による動力アシスト状態の途中で入力トルクが減少したときに、電動アシストモータ30の回転にハンチングが生じ、電動補助自転車の搭乗者に踏み抜けショックが生じることになる。すなわち図13(a)で示すように、クランクペダル32,32の踏込みを一旦停止した後に再踏込みを行なうと、踏込みトルクの減少に伴って電動アシストモータ30の回転速度が小さくなり、第2動力伝達系57の第2一方向クラッチ80が切れ、電動アシストモータ30の回転速度は、図13(b)の一点鎖線で示すように一層低くなり、駆動スプロケット34の回転速度増大に遅れて上昇することになる。この際、電動アシストモータ30の回転速度は駆動スプロケット34に対して、第2一方向クラッチ80を介して伝達される機構上の構成により、或る時間Tの間は駆動スプロケット34の回転速度よりも高くなることが可能であるため、回転速度検出手段SR の検出値をそのまま用いて電動アシストモータ30の作動制御が行なわれていると、駆動デューティ比Dが実際の駆動スプロケット34の回転数に対してよりも大きく設定されることにより、第2一方向クラッチ80の接続後に、図13(a)の一点鎖線で示すように電動補助自転車の搭乗者に踏み抜けショックを与えるとともに、第2一方向クラッチ80以降の各回転部材の回転速度を増大させて電動補助自転車を一瞬加速させた後に、定常状態に入ることになる。
【0045】
これに対し、コントローラ37は、電動アシストモータ30の作動制御に用いる回転速度NCRMの変化量を設定値NCRUP以下に抑えるようにしているので、踏込みトルクの増大に遅れて上昇する回転軸73の回転速度の上昇率は、電動アシストモータ30の駆動デューティ比Dが比較的低く設定されることにより、図13(b)の破線で示すように比較的低く、したがって第2一方向クラッチ80の接続時に電動補助自転車の搭乗者に踏み抜けショックを与えることがなく、第2一方向クラッチ80の接続後に定常の自転車速度に対応した速度まで円滑に移行することになる。
【0046】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行なうことが可能である。
【0047】
たとえば、回転速度検出手段ST を構成するリラクタ87およびセンサ88の相対位置関係は、図2および図3で示した相対位置に限定されるものではなく、またリラクタ87およびセンサ88が電動アシストモータ30に内蔵されていてもよい。
【0048】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、電動アシストモータおよび第2一方向クラッチ間で第2動力伝達系の一部を構成する回転部材の回転速度を回転速度検出手段で検出することにより、比較的回転速度の速い回転部材の回転速度で自転車速度を代表させるようにして、回転速度検出手段およびケーシングの小型化を図るとともに低コスト化を図ることができる。
【0049】
また回転速度検出手段およびトルク検出手段の検出値に基づいて電動アシストモータの作動を制御するコントローラにおいて、回転速度検出手段による検出回転速度が前回の回転速度から設定値を超えて変化した場合には前回の回転速度に該設定値を加算した値を電動アシストモータの作動制御用回転速度として用いることにより、電動アシストモータおよび第2一方向クラッチ間で第2動力伝達系の構成部材の回転速度を検出するようにしたにもかかわらず、電動アシストモータによる動力アシスト状態の途中で入力トルクが減少し、第2一方向クラッチが再接続したときにも電動アシストモータの回転にハンチングが生じることを防止し、電動補助自転車の搭乗者に踏み抜けショックを与えることも防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電動補助自転車の側面図である。
【図2】モータユニットの縦断側面図であって図3の2−2線断面図である。
【図3】図2の3−3線断面図である。
【図4】図3の要部拡大図である。
【図5】図4の5−5線断面図である。
【図6】図4の6−6線断面図である。
【図7】スライダインナーおよびクラッチ内輪の係合状態を図4の7−7線矢視方向から見て示す図である。
【図8】電動アシストモータの制御装置の構成を示すブロック図である。
【図9】コントローラで設定されるメインルーチンを示すフローチャートである。
【図10】コントローラでの割込み処理を示すフローチャートである。
【図11】コントローラでの割込み処理を説明するための図である。
【図12】モータロック判別処理を行なうサブルーチンのフローチャートである。
【図13】踏込み操作を一旦停止したときの回転速度の変化を示す図である
【符号の説明】
21・・・車体フレーム
30・・・電動アシストモータ
32・・・クランクペダル
33・・・クランク軸
37・・・コントローラ
45・・・ケーシング
53・・・動力伝達部材としての回転筒体
56・・・第1動力伝達系
57・・・第2動力伝達系
59・・・第1一方向クラッチ
73・・・回転部材としての電動アシストモータの回転軸
80・・・第2一方向クラッチ
SR ・・・回転速度検出手段
ST ・・・トルク検出手段
WR ・・・後輪
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体フレームに支持されたケーシングで回転自在に支承されるとともに両端にクランクペダルをそれぞれ有するクランク軸と、後輪に動力を伝達する動力伝達部材との間に、第1一方向クラッチを有する第1動力伝達系が設けられ、前記ケーシングに固定的に取付けられる電動アシストモータと前記動力伝達部材との間に、第2一方向クラッチを有する第2動力伝達系が設けられる電動補助自転車において、電動アシストモータの作動を制御するためのモータ制御装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、かかる電動補助自転車は、たとえば特開平7−40878号公報等により既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のものでは、電動アシストモータからのアシスト力を後輪に付与している状態での自転車速度を代表する回転速度を検出するための回転速度検出手段が、クランク軸と同軸である動力伝達部材に関連して設けられている。すなわち第1動力伝達系の一部を構成する遊星歯車機構における外周歯車が動力伝達部材に結合されており、その外周歯車の外周の歯が被検出部とされ、該被検出部を検出するセンサがケーシングに固定されている。ところが、電動アシストモータからのアシスト力を動力伝達部材に作用させている状態で、動力伝達部材の回転速度は電動アシストモータの回転速度に比べて低く、そのように回転速度が低い部材の回転速度を検出することから、上述のように比較的大径である外周歯車を用いる必要が生じるとともに、検出精度を高めるためにホール素子等の比較的高価な半導体素子をセンサとして用いる必要があり、回転速度検出手段だけでなくケーシングの大型化を招くとともにコスト高を招くことになる。
【0004】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、小型化および低コスト化を可能として自転車速度を代表する回転速度を検出し得るようにした上で、モータ制御を円滑に行い得るようにした電動補助自転車におけるモータ制御装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、車体フレームに支持されたケーシングで回転自在に支承されるとともに両端にクランクペダルをそれぞれ有するクランク軸と、後輪に動力を伝達する動力伝達部材との間に、第1一方向クラッチを有する第1動力伝達系が設けられ、前記ケーシングに固定的に取付けられる電動アシストモータと前記動力伝達部材との間に、第2一方向クラッチを有する第2動力伝達系が設けられる電動補助自転車において、電動アシストモータおよび第2一方向クラッチ間で第2動力伝達系の一部を構成する回転部材の回転速度を検出する回転速度検出手段と、クランクペダルの入力トルクを検出するトルク検出手段と、それらの検出手段の検出値に基づいて電動アシストモータの作動を制御するとともに回転速度検出手段による検出回転速度が前回の回転速度から設定値を超えて変化した場合には前回の回転速度に該設定値を加算した値を電動アシストモータの作動制御用回転速度として用いるコントローラとを含むことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
【0007】
図1ないし図13は本発明の一実施例を示すものであり、図1は電動補助自転車の側面図、図2はモータユニットの縦断側面図であって図3の2−2線断面図、図3は図2の3−3線断面図、図4は図3の要部拡大図、図5は図4の5−5線断面図、図6は図4の6−6線断面図、図7はスライダインナーおよびクラッチ内輪の係合状態を図4の7−7線矢視方向から見て示す図、図8は電動アシストモータの制御装置の構成を示すブロック図、図9はコントローラで設定されるメインルーチンを示すフローチャート、図10はコントローラでの割込み処理を示すフローチャート、図11はコントローラでの割込み処理を説明するための図、図12はモータロック判別処理を行なうサブルーチンのフローチャート、図13は踏込み操作を一旦停止したときの回転速度の変化を示す図である。
【0008】
先ず図1において、この電動補助自転車は、側面視で略U字状をなす車体フレーム21を備え、該車体フレーム21の前端のヘッドパイプ22にフロントフォーク23が操向可能に支承され、該フロントフォーク23の下端に前輪WF が軸支され、フロントフォーク23の上端にバーハンドル24が設けられる。また車体フレーム21の下部には、電動アシストモータ30を有するモータユニット31が設けられており、該モータユニット31の後部上方で車体フレーム21から後下がりに延びるとともにモータユニット31の後方では略水平に延出される左、右一対のリヤフォーク25…間に後輪WR が軸支され、両リヤフォーク25…および車体フレーム21の後部間には左、右一対のステー26…が設けられる。さらに車体フレーム21の後部には、上端にシート27を備えるシートポスト28が、シート27の上下位置を調整可能として装着されており、シート27の後方側にはキャリア29が固定配置される。
【0009】
両端にクランクペダル32,32をそれぞれ有するクランク軸33がモータユニット31で回転自在に支承され、該クランク軸33から動力を伝達可能であるとともに前記電動アシストモータ30からのアシスト力をも作用させ得る駆動スプロケット34と、後輪WR の車軸に設けられた被動スプロケット35とに無端状のチェーン36が巻掛けられる。
【0010】
電動アシストモータ30の作動は、モータユニット31の前方側で車体フレーム21の下部に固定的に支持されたコントローラ37で制御されるものであり、該コントローラ37は、電動アシストモータ30の回転数および入力ペダル32,32による入力トルクに基づいて電動アシストモータ30の作動を制御する。
【0011】
ヘッドパイプ22にはブラケット43を介してフロントバスケット38が取付けられる。しかも該フロントバスケット38の背面部に配置されるバッテリ収納ケース39も前記ブラケット43に取付けられており、電動アシストモータ30に電力を供給するためのバッテリ40がバッテリ収納ケース39に挿脱可能に収納される。
【0012】
ところで、車体フレーム21の大部分はカバー41で覆われており、該カバー41の上部に、バッテリ40からコントローラ37および電動アシストモータ30に電力を供給するためのメインスイッチ42が配設される。
【0013】
図2、図3および図4を併せて参照して、モータユニット31のケーシング45は、左ケーシング半体46と、該左ケーシング半体46との間に第1収納室49を形成して左ケーシング半体46に結合される右ケーシング半体47と、左ケーシング半体46との間に第2収納室50を形成して左ケーシング半体46に結合されるカバー48とから成り、左、右ケーシング半体46,47が一対のボルト51,51により車体フレーム21の下部に共締めされる。
【0014】
クランク軸33は、その大部分を第1収納室49内に配置するようにしてケーシング45に回転自在に支承されるものであり、ボールベアリング52を介して右ケーシング半体47に支承された動力伝達部材としての回転筒体53の内周に、前記クランク軸33の右端部がローラベアリング54を介して支承され、クランク軸33の左端部はボールベアリング55を介して左ケーシング半体46に支承される。而して右ケーシング半体47の右側方に配置される駆動スプロケット34が前記回転筒体53に結合される。
【0015】
クランク軸33の左右両端のクランクペダル32,32による踏力は、第1動力伝達系56を介してクランク軸33から駆動スプロケット34に伝達される。またケーシング45には、電動アシストモータ30が取付けられており、この電動アシストモータ30の出力は、クランクペダル32,32による踏力をアシストすべく第2動力伝達系57を介して駆動スプロケット34に伝達される。
【0016】
クランク軸33の動力を駆動スプロケット34に伝達するための第1動力伝達系56は、第1収納室49内に配置されるものであり、クランク軸33に連結されるトーションバー58と、回転筒体53およびトーションバー58間に設けられる第1一方向クラッチ59とで構成される。
【0017】
図5および図6を併せて参照して、クランク軸33には、その軸線に沿って延びるスリット60が設けられており、トーションバー58は、前記スリット60の左右内壁面60a,60b間に回転自在に嵌合する円柱状の軸部58aと、該軸部58の左端(図4の下端)から両側方に突出する腕部58bと、前記軸部58aの右端(図4の上端)から両側方に突出する腕部58cとを有して、前記スリット60に装着される。
【0018】
トーションバー58の一方の腕部58bは、スリット60の左右内壁面60a,60aに密に嵌合してクランク軸33に一体に結合される。またトーションバー58の他方の腕部58cは、前記左右内壁面60a,60aとの間に隙間α,αを形成してスリット60に遊嵌されており、トーションバー58の軸部58aは、腕部58cが前記隙間α,α分だけ遊動する範囲で捩れ変形することができる。
【0019】
第1一方向クラッチ59は、相対回転自在としてクランク軸33を同軸に囲繞するリング状のクラッチ内輪61と、該クラッチ内輪61を同軸に囲繞するクラッチ外輪としての回転筒体53と、クラッチ内輪61の外周に枢支されるとともに環状のスプリング63で拡開方向に付勢された複数たとえば4個のラチェット爪62…とを備え、クラッチ内輪61の内周に設けられた一対の凹部61a,61aにトーションバー58の腕部58cの両端が嵌合され、回転筒体53の内周には、前記各ラチェット爪62…を係合せしめるラチェット歯64が形成される。
【0020】
このような第1一方向クラッチ59によれば、クランクペダル32,32を踏んでクランク軸33を正転させると、クランク軸33のトルクがトーションバー58、第1一方向クラッチ59および回転筒体53を介して駆動スプロケット34に伝達されるが、クランクペダル32,32を踏んでクランク軸33を逆転させたときには、第1一方向クラッチ59がスリップしてクランク軸33の逆転が許容される。
【0021】
ところで、クランクペダル32,32からクランク軸33に図6の矢印a方向のトルクが入力されたとき、後輪WR の負荷が回転筒体53およびラチェット爪62…を介して伝達されるクラッチ内輪61が、前記矢印a方向のトルクに対して抵抗するため、トーションバー58の腕部58cがクランク軸33に対して矢印b方向に捩じれて相対回転する。その結果、クランク軸33およびクラッチ内輪61との間に、クランク軸33に入力されたトルクに応じた相対回転が生じることになる。
【0022】
クランク軸33の外周に、スライダインナー66が相対回転不能かつ軸方向相対移動可能に支持されており、このスライダインナー66の外周には、複数のボール67…を介してスライダアウター68が相対回転自在に支持される。
【0023】
図7で明示するように、第1一方向クラッチ59におけるクラッチ内輪61のスライダインナー66側の端面には凹状のカム面61bが設けられ、スライダインナー66には、該カム面61bに係合する凸状のカム面66aが設けられる。
【0024】
左ケーシング半体46に支点ピン69を介して基端部が揺動可能に支承された検出レバー70の中間部が、前記クラッチ内輪61とは反対側からスライダアウター68に当接される。一方、前記検出レバー70とともにトルク検出手段ST を構成するストロークセンサ71が左ケーシング半体46に取付けられており、該ストロークセンサ71の検出子71aに前記検出レバー70の先端が当接される。さらに検出レバー71および左ケーシング半体46間にはばね72が縮設されており、検出レバー71が該ばね72のばね力によりスライダアウター68に弾発的に当接され、スライダアウター68およびスライダインナー66は、クラッチ内輪61側に向けて付勢される。
【0025】
クランクペダル32,32からクランク軸33へのトルク入力に応じて、トーションバー58に捩れが生じると、図7で示すように、スライダインナー66がクラッチ内輪61に対して矢印c方向に相対回転し、スライダインナー66のカム面66aがクラッチ内輪61のカム面61bに押付けられる。その結果、スライダインナー66がばね72のばね力に抗してクランク軸33の軸線に沿って矢印d方向に摺動し、スライダインナー66とともに移動するスライダアウター68で押された検出レバー70が支点ピン69まわりに揺動することにより、ストロークセンサ71の検出子71aが押圧される。この検出子71aのストロークは、トーションバー58の捩れ量、すなわちクランクペダル32,32から入力される入力トルクに比例するものであり、トルク検出手段ST で入力トルクが検出されることになる。
【0026】
再び図2および図3において、電動アシストモータ30の動力を駆動スプロケット34に伝達するための第2動力伝達系57は、第2収納室50内で電動アシストモータ30の回転軸73に固着された駆動ギヤ74と、第2収納室50内で第1アイドル軸75の一端に固着されて前記駆動ギヤ74に噛合される第1中間ギヤ76と、第1収納室49内で第1アイドル軸75に一体に設けられる第2中間ギヤ77と、第2中間ギヤ77に噛合される第3中間ギヤ78と、第3中間ギヤ78と同軸に配置される第2アイドル軸79と、第3中間ギヤ78および第2アイドル軸79間に設けられる第2一方向クラッチ80と、第1収納室49内で第2アイドル軸79に一体に設けられる第4中間ギヤ81と、駆動スプロケット34が結合されている回転筒体53に一体に設けられるとともに第4中間ギヤ81に噛合される被動ギヤ82とを備える。
【0027】
第1アイドル軸75は、電動アシストモータ30の回転軸73と平行な軸線を有するものであり、右ケーシング半体47および第1アイドル軸75間にボールベアリング83が、また左ケーシング半体46および第1アイドル軸75間にボールベアリング84が介装される。第2アイドル軸79は第1アイドル軸75と平行な軸線を有するものであり、右ケーシング半体47および第2アイドル軸79間にボールベアリング85が、また左ケーシング半体46および第2アイドル軸79間にボールベアリング86が介装される。
【0028】
このような第2動力伝達系57では、電動アシストモータ30の作動に伴なうトルクが減速されて駆動スプロケット34に伝達されるが、電動アシストモータ30の作動が停止したときには、第2一方向クラッチ80の働きにより第2アイドル軸79の空転が許容され、クランクペダル32,32の踏力による駆動スプロケット34の回転が妨げられることはない。
【0029】
図8において、電動アシストモータ30を駆動するモータ駆動回路89は、コントローラ37により制御されるものであり、該コントローラ37には、トルク検出手段ST の検出値が入力されるとともに、回転速度検出手段SR の検出値が入力され、コントローラ37は、前記両検出手段ST ,SR の検出値に基づいて電動アシストモータ30の作動を制御するための信号を出力する。
【0030】
ところで、回転速度検出手段ST は、電動アシストモータ30による動力アシスト状態での自転車速度を代表する回転速度を検出するものであり、図2および図3で示すように、被検出部としてのリラクタ87と、電磁ピックアップコイル式のセンサ88とで構成される。而して外周に突部87aを有するリラクタ87が、電動アシストモータ30および第2一方向クラッチ80間で第2動力伝達系57の一部を構成する回転部材としての電動アシストモータ30の回転軸73に固定され、センサ88は、前記突部87aに近接、対向可能な検出部88aを有してケーシング45の左ケーシング半体46に固定される。
【0031】
この回転速度検出手段ST からは、突部87aが検出部88aで検出される毎に、すなわち回転軸73の回転速度に応じて時間間隔をあけたパルスが出力される。
【0032】
ところで、コントローラ37では、図9で示すメインルーチンに従って電動アシストモータ30のデューティ制御が実行されるものであり、図9のステップS1では、回転速度NCRMが「0」に設定され、ステップS2ではトルク検出手段ST の検出値が入力トルクTQRMと設定される。
【0033】
ステップS3では、回転速度NCRMおよび入力トルクTQRMによって定まるマップにより、電動アシストモータ30の駆動デューティ比Dが設定される。而して前記マップは、回転速度NCRMの増大に応じて駆動デューティ比Dを大きく、また入力トルクTQRMの増大に応じて駆動デューティ比Dを大きくするように設定されている。
【0034】
しかも回転速度NCRMについては、図10で示すように、回転速度検出手段ST からのパルス入力に応じた割込み処理により演算されるものであり、図10のステップS11では、回転速度検出手段ST の検出回転速度NCRIが、(1/パルス時間)として演算され、次のステップS12では、回転速度NCRMが、前回の回転速度NCRMに設定値NCRUPを加算した値(NCRM+NCRUP)および検出回転速度NCRIのいずれか小さい方を選択して、回転速度NCRMとする処理が行なわれる。
【0035】
すなわち、回転速度検出手段ST からのパルス入力に応じて、検出回転速度NCRIが図11の破線で示すように、前回のパルス入力時の回転速度から設定値NCRUPを超えて変化した場合には、図11の実線で示すように、前回の回転速度に前記設定値NCRUPを加算した値が電動アシストモータ30の作動を制御するための回転速度NCRMとして用いられることになり、電動アシストモータ30の作動制御にあたって回転速度NCRMの変化量が設定値NCRUP以下に抑えられることになる。
【0036】
再び図9において、ステップS3での駆動デューティ比設定後のステップS4では、設定された駆動デューティ比Dによる電動アシストモータ30の作動制御が実行される。
【0037】
またステップS4を経過した後のステップS5では、モータロック判別が、図12で示すサブルーチンに従って実行されるものであり、図12のステップS21では、モータ回転中か否かが判定され、回転中であるときには、ステップS22でカウンタをリセットし、カウント値TASSを「0」に設定する。またモータ回転中ではなかったとき、すなわち回転速度検出手段ST で検出値が得られなかったときには、ステップS23でモータ制御中か否かが判定され、非制御中であるときにはステップS23からステップS22に進んでカウンタがリセットされる。
【0038】
ステップS23において、モータ制御中であると判定されたとき、すなわちモータ制御中であるにもかかわらず電動アシストモータ30が停止状態にあるときには、ステップS24に進んでカウンタによるカウントが実行され、カウント値TASSが、前回のカウント値TASSに加算値(D/D0)を加算した値として設定される。ここで、加算値(D/D0)は、現在の駆動デューティ比Dが所定の駆動デューティ比D0で除算された値であり、現在の駆動デューティ比Dが大きければ大きい値となるものであり、現在の駆動デューティ比Dが大きければ大きい程カウントが速く進むことになる。
【0039】
ステップS24を経過した後のステップS25では、カウント値TASSが所定値TASS0以上となったかどうかが判定され、TASS≧TASS0であると判定されたときに、ステップS26で電動アシストモータ30がロック状態にあると判定される。
【0040】
このようなモータロック判別によれば、電動アシストモータ30が何らかの原因によってロック状態に陥ったときに、その電動アシストモータ30の駆動デューティ比Dが大きい程速やかにロック状態にあることが判定されることになる。而して電動アシストモータ30のロック状態において、駆動デューティ比Dが大きい程、電動アシストモータ30への印加電流が大きいので、印加電流に対応した時間で電動アシストモータ30のロック状態を判定することができ、電動アシストモータ30に関連する電気回路での焼損等を効果的に防止することができる。
【0041】
次にこの実施例の作用について説明すると、電動補助自転車を走行させるべく乗員がクランクペダル32,32を踏むと、クランク軸33の動力が第1動力伝達系56を介して駆動スプロケット34に伝達され、チェーン36および被動スプロケット35を介して後輪WR に動力が伝達されることになる。
【0042】
このときのクランクペダル32,32による入力トルクがトルク検出手段ST によって検出される。また自転車速度を代表する回転速度として電動アシストモータ30の回転速度が回転速度検出手段SR で検出されるものであり、両検出手段ST ,SR の検出値に応じたアシスト動力を電動アシストモータ30で発揮させることにより、乗員の負荷を軽減することができる。
【0043】
このような電動補助自転車において、回転速度検出手段SR は、電動アシストモータ30および第2一方向クラッチ80間で第2動力伝達系57の一部を構成する電動アシストモータ30の回転軸73に固定されたリラクタ87と、ケーシング45に取付けられたセンサ88とで構成されるものであり、回転筒体53の回転速度を検出していた従来のものと比べると、回転軸73の回転速度が回転筒体53の回転速度よりも大であることから、リラクタ87を比較的小型のものとして回転速度検出手段SR およびケーシング45の小型化を図ることが可能となるとともに、ホール素子等の高価な半導体素子を用いることなく比較的安価な電磁ピックアップ式のセンサ88を用いることが可能であり、コスト低減を図ることができる。
【0044】
ところで、回転速度検出手段SR が、第2動力伝達系57において第2一方向クラッチ80よりも電動アシストモータ30側に配設されていることから、回転速度検出手段SR の検出値をそのまま用いて電動アシストモータ30の作動を制御を行なっていたのでは、電動アシストモータ30による動力アシスト状態の途中で入力トルクが減少したときに、電動アシストモータ30の回転にハンチングが生じ、電動補助自転車の搭乗者に踏み抜けショックが生じることになる。すなわち図13(a)で示すように、クランクペダル32,32の踏込みを一旦停止した後に再踏込みを行なうと、踏込みトルクの減少に伴って電動アシストモータ30の回転速度が小さくなり、第2動力伝達系57の第2一方向クラッチ80が切れ、電動アシストモータ30の回転速度は、図13(b)の一点鎖線で示すように一層低くなり、駆動スプロケット34の回転速度増大に遅れて上昇することになる。この際、電動アシストモータ30の回転速度は駆動スプロケット34に対して、第2一方向クラッチ80を介して伝達される機構上の構成により、或る時間Tの間は駆動スプロケット34の回転速度よりも高くなることが可能であるため、回転速度検出手段SR の検出値をそのまま用いて電動アシストモータ30の作動制御が行なわれていると、駆動デューティ比Dが実際の駆動スプロケット34の回転数に対してよりも大きく設定されることにより、第2一方向クラッチ80の接続後に、図13(a)の一点鎖線で示すように電動補助自転車の搭乗者に踏み抜けショックを与えるとともに、第2一方向クラッチ80以降の各回転部材の回転速度を増大させて電動補助自転車を一瞬加速させた後に、定常状態に入ることになる。
【0045】
これに対し、コントローラ37は、電動アシストモータ30の作動制御に用いる回転速度NCRMの変化量を設定値NCRUP以下に抑えるようにしているので、踏込みトルクの増大に遅れて上昇する回転軸73の回転速度の上昇率は、電動アシストモータ30の駆動デューティ比Dが比較的低く設定されることにより、図13(b)の破線で示すように比較的低く、したがって第2一方向クラッチ80の接続時に電動補助自転車の搭乗者に踏み抜けショックを与えることがなく、第2一方向クラッチ80の接続後に定常の自転車速度に対応した速度まで円滑に移行することになる。
【0046】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行なうことが可能である。
【0047】
たとえば、回転速度検出手段ST を構成するリラクタ87およびセンサ88の相対位置関係は、図2および図3で示した相対位置に限定されるものではなく、またリラクタ87およびセンサ88が電動アシストモータ30に内蔵されていてもよい。
【0048】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、電動アシストモータおよび第2一方向クラッチ間で第2動力伝達系の一部を構成する回転部材の回転速度を回転速度検出手段で検出することにより、比較的回転速度の速い回転部材の回転速度で自転車速度を代表させるようにして、回転速度検出手段およびケーシングの小型化を図るとともに低コスト化を図ることができる。
【0049】
また回転速度検出手段およびトルク検出手段の検出値に基づいて電動アシストモータの作動を制御するコントローラにおいて、回転速度検出手段による検出回転速度が前回の回転速度から設定値を超えて変化した場合には前回の回転速度に該設定値を加算した値を電動アシストモータの作動制御用回転速度として用いることにより、電動アシストモータおよび第2一方向クラッチ間で第2動力伝達系の構成部材の回転速度を検出するようにしたにもかかわらず、電動アシストモータによる動力アシスト状態の途中で入力トルクが減少し、第2一方向クラッチが再接続したときにも電動アシストモータの回転にハンチングが生じることを防止し、電動補助自転車の搭乗者に踏み抜けショックを与えることも防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電動補助自転車の側面図である。
【図2】モータユニットの縦断側面図であって図3の2−2線断面図である。
【図3】図2の3−3線断面図である。
【図4】図3の要部拡大図である。
【図5】図4の5−5線断面図である。
【図6】図4の6−6線断面図である。
【図7】スライダインナーおよびクラッチ内輪の係合状態を図4の7−7線矢視方向から見て示す図である。
【図8】電動アシストモータの制御装置の構成を示すブロック図である。
【図9】コントローラで設定されるメインルーチンを示すフローチャートである。
【図10】コントローラでの割込み処理を示すフローチャートである。
【図11】コントローラでの割込み処理を説明するための図である。
【図12】モータロック判別処理を行なうサブルーチンのフローチャートである。
【図13】踏込み操作を一旦停止したときの回転速度の変化を示す図である
【符号の説明】
21・・・車体フレーム
30・・・電動アシストモータ
32・・・クランクペダル
33・・・クランク軸
37・・・コントローラ
45・・・ケーシング
53・・・動力伝達部材としての回転筒体
56・・・第1動力伝達系
57・・・第2動力伝達系
59・・・第1一方向クラッチ
73・・・回転部材としての電動アシストモータの回転軸
80・・・第2一方向クラッチ
SR ・・・回転速度検出手段
ST ・・・トルク検出手段
WR ・・・後輪
Claims (1)
- 車体フレーム(21)に支持されたケーシング(45)で回転自在に支承されるとともに両端にクランクペダル(32)をそれぞれ有するクランク軸(33)と、後輪(WR )に連動、連結された動力伝達部材(53)との間に、第1一方向クラッチ(59)を有する第1動力伝達系(56)が設けられ、前記ケーシング(45)に固定的に取付けられる電動アシストモータ(30)と前記動力伝達部材(53)との間に、第2一方向クラッチ(80)を有する第2動力伝達系(57)が設けられる電動補助自転車において、電動アシストモータ(30)および第2一方向クラッチ(80)間で第2動力伝達系(57)の一部を構成する回転部材(73)の回転速度を検出する回転速度検出手段(SR )と、クランクペダル(32)の入力トルクを検出するトルク検出手段(ST )と、それらの検出手段(SR ,ST )の検出値に基づいて電動アシストモータ(30)の作動を制御するとともに回転速度検出手段(SR )による検出回転速度が前回の回転速度から設定値を超えて変化した場合には前回の回転速度に該設定値を加算した値を電動アシストモータ(30)の作動制御用回転速度として用いるコントローラ(37)とを含むことを特徴とする電動補助自転車におけるモータ制御装置。
Priority Applications (6)
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